2017年9月20日 (水)

赤ヘル耳かき -広島県広島市-

 2本セット,しかもそれぞれの耳かきを用途別に耳の左右で使い分けるという珍しいカープの耳かきです。

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 裏に説明書きがあり,
 「この耳かきは,愛好家のより細かい要求にこたえて考案された商品です。一般の耳かきとは異なり,左右,奥・手前などさまざまな耳の穴の形状によって使い分けするようデザインされています。今までにない使用感でご満足いただければ幸いです。」
 と説明されています。

 イラスト入りの使用例もあります。

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 ステップ1として,耳の穴の側面や耳のまわりを広くおそうじします。
 これが「スターター」と呼ばれる長い方の耳かきで,先がくびれており,縦長に面取加工されています。

 ステップ2として,かきたい箇所をピンポイントできっちりおそうじします。
 これが「クローザー」と呼ばれる短い方の耳かきで,先のくびれがなく,先端が面取加工されています。

 私は集めている耳かきを使うことはないのですが,さすがにこの耳かきは使ってみないとわからないので,実際に使ってみました。

 確かに使い心地に違いを感じました。

 「スターター」は耳の穴を丸くえぐるのに都合がよく,「クロ―ザー」はピンポイントで出し入れするのに都合がよいように思いました。

 こうした機能があることに加え,カープのデザインの耳かきでもあることから,珍しく,ご当地耳かきのコレクションとしての価値もある耳かきとなっています。

 
 昨年に続き,今年も広島カープはこの耳かきのごとく他球団を見事スイープ(一掃)してリーグ優勝となりました。

 祝 広島東洋カープ 2年連続セ・リーグ優勝!(2017年9月18日)

2017年9月17日 (日)

イギリス料理の特徴と主な料理4 -ヴィクトリアケーキ-

 イギリスのヴィクトリア女王(即位1837~1901年)は,イギリスが工業化の最先進国となり,政治・経済・社会の面で繁栄期となった時代(「パクス・ブリタニカ(イギリスの平和)」)を象徴する女王です。

 1837年,18歳にして大英帝国の女王に即位しました。

(若き日のヴィクトリア女王)
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(谷川稔・北原敦・鈴木健夫・村岡健次『世界の歴史22 近代ヨーロッパの情熱と苦悩』中公文庫から引用)

 初々しいヴィクトリア女王です。

 イギリスで有名なバッキンガム宮殿は,このヴィクトリア女王が即位して以降,イギリス王室の公式な宮殿となりました。

 即位後,64年の長きにわたってイギリスの王座に君臨し,政治に深く関わりました。

 そして孫にドイツ皇帝ヴィルヘルム2世(長女の子)やロシア皇后アレクサンドラ(ニコライ2世妃・次女の子)をもつなど,婚姻を通じてヨーロッパ王室のゴットマザーとなりました。

(ヴィクトリア女王)
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(玉村豊男『ロンドン 旅の雑学ノート』新潮文庫から引用)

 「こわそうな顔をしている」…って玉村さん(笑)。
 でも…確かにこの風格と凄みのある女王に抵抗しようという人や国はなかったことでしょう(笑)。

 ヴィクトリア女王と夫のアルバート公(現在のドイツ出身)は,ともに勤勉,真面目で,家族団らんを重視したことから,上流階級ではなく,むしろ中流階級の家庭像の模範を世に示したと言われています。

 そんなヴィクトリア女王の名を冠したイギリスのケーキがあります。

 その名も「ヴィクトリアケーキ」です。

(ヴィクトリアケーキ)
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 小麦粉,バター,卵,砂糖,ベーキングパウダーなどの材料で焼き上げたシンプルなケーキ生地に,ラズベリージャムをはさんで作られるケーキで,サンドイッチのようにジャムをはさむことから「ヴィクトリアサンドイッチケーキ」とも呼ばれています。

 ベーキングパウダーが使われているので,ふわふわ,サクサクした食感となっています。

 シンプルな味のケーキ生地なので,中の甘酸っぱいラズベリージャムとの相性が抜群です。

 確かに厚切りのジャムサンドという表現がぴったりです。

 このヴィクトリアケーキ,一説によると,最愛の夫アルバート公を亡くし,悲しみのまっただ中にあったヴィクトリア女王をなぐさめ,元気付けるためにティーパーティーで出されたのが始まりで,ヴィクトリア女王がとても気に入られたことから女王の名前が付けられたとか。

 ちなみに,イギリスはアフタヌーン・ティーが有名ですが,この習慣はヴィクトリア女王の時代に始まったものです。

 こうしたお話を踏まえて,もう一度ヴィクトリア女王の肖像画を御覧ください。

 一見こわそうにも見えますが(笑),その奥に,最愛の夫を亡くし,その後の生涯を喪服で過ごしたヴィクトリア女王の優しさ,さみしさ,ひたむきさ,包容力までもが表現されているように感じられないでしょうか。

 このような言い伝えのあるヴィクトリアケーキは,その後またたく間に人々に広まり,今もなおイギリスのティータイムに欠かせない定番のお菓子となっています。


<参考文献>
 谷川稔・北原敦・鈴木健夫・村岡健次『世界の歴史22 近代ヨーロッパの情熱と苦悩』中公文庫
 『詳説 世界史図録』山川出版社
 玉村豊男『ロンドン 旅の雑学ノート』新潮文庫
 沼野恭子編『世界を食べよう!東京外国語大学の世界料理』東京外国語大学出版会

<関連サイト>
 「パディントン」(広島県福山市沖野上町5-6-12)
 「サンドイッチケーキのレシピ」(NHK教育テレビ「グレーテルのかまど」ウェブサイト)

2017年9月13日 (水)

パンの研究3 -江川坦庵とパン祖のパン・カノンパン-

「パン祖のパン」と「カノンパン」

 前回(「パンの研究2 -パン祖 江川坦庵,韮山反射炉・江川邸・パン祖の碑-」)は江川坦庵とパンの歴史的背景を中心に御紹介しましたが,今回は江川坦庵にちなんだパンなどを御紹介したいと思います。

(「パン祖のパン」・「カノンパン」販売の様子)
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 韮山反射炉に隣接する「蔵屋鳴沢(反射炉物産館)」で販売されていた「パン祖のパン」と「カノンパン」です。

 これらのパンは,静岡県函南町にある製パン会社「グルッペ石渡食品」が,江川坦庵が焼いたパンと同じ製法で忠実に再現したものです。

(パン祖のパン・カノンパン(包装))
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 写真左上が個包装の「パン祖のパン」,その下が5個入りの「パン祖のパン」,右半分が「カノンパン」です。

 開封して中のパンを取り出してみました。

(パン祖のパン・カノンパン)
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 写真左側の丸いパンが「パン祖のパン」,右側のスティック状のパンが「カノンパン」です。

 「パン祖のパン」の原材料は「小麦粉(全粒粉),塩,米糀」,「カノンパン」の原材料は「小麦粉(全粒粉),塩,自然酵母,米糀」とシンプル・明瞭です。

 中の様子も確認しておきましょう。

(パン祖のパン・カノンパン(断面))
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 「パン祖のパン」は非常に固いパンなので,包丁でもなかなか切り分けることができません。

 一方「カノンパン」の方は食べやすいようスティック状(大砲の形)にし,「パン祖のパン」に比べて多少柔らかめに作られていますが,それでも半分に折るには相当な力が要ります。

 それでは,実食の感想もあわせて,各パンの特徴をまとめておきたいと思います。


パン祖のパン

 江川坦庵が初めてパンを焼いた時のパンと同じ製法で忠実に再現されたパンです。

 グルッペ石渡食品の石渡浩二氏が郷土資料館や江川文庫の資料を読み,何年もの試行錯誤の上に出来上がりました。

 材料に酒種を使うアイデアは,もともと半農半士で,お酒も作っていた江川家の状況も踏まえて浮かんだもののようです。

 兵糧食としてのパンで,日持ちするよう二度焼きして水分を限界まで(3~4%まで)飛ばしているため,乾パンに近い非常に固いパンです。

 サイズは直径約8cm,高さ約2cmです。

 パンを食べようとすると,パンの表面に歯が当たって止まり,さらに力を入れて噛み切ろうとすると徐々にパンに歯が食い込んでいき,最後に何とか噛み切れるほどの固さです。

 包装紙の「お召し上がり方」にも,「本製品は,二度焼き製法により水分量が非常に少なく,堅いパンです。召し上がりにくい場合は,湯茶等に浸してお召し上がりください。」と書き記されています。

 味はこれといった塩味,甘味などはほとんど感じられません。

 市販のロールパンからバター,塩,砂糖などを抜き,カリカリになるほど何度も焼き上げて水分を飛ばしたようなイメージの,シンプルで小麦の自然な味や香りが楽しめるパンでした。


カノンパン

 カノンパンは,「江川坦庵が初めてパンを焼いた時のパンと同じ製法で防災用としてアレンジしたスティックパン」と説明されています。

 長さ約13cmの棒状のパンです。

 こちらも固いことは固いのですが,それでもパン祖のパンに比べるとまだサクサクしており,スティック状なので食べやすいです。

 イタリア料理で出されるグリッシーニをより固く太くし,塩味を抜いたような味・食感です。

 そのため,食べ方の説明にも,そのまま食べるほかに,○ジャムやマーガリンをつけて食べる,○わさび漬けをつけてビールやワインのおつまみとする,○シチューに浸して食べる,○チーズフォンデュで食べるといった方法が紹介されています。

 パン祖のパンは非常に固いパンなので,食べる時に少し気合いを入れる必要がありますが,カノンパンはそこまで気合い入れなくても割合気軽にいただくことができるパンに仕上げられています。


グルッペ本町店

 韮山反射炉や江川邸を見学した後,グルッペ石渡食品の直営店舗の1つ,静岡県三島市にある「グルッペ本町店」を訪問しました。

(グルッペ本町店)
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 今回御紹介した「パン祖のパン」,「カノンパン」のほかに,日本全国ご当地パン祭りで優勝した「みしまコロッケパン」や「みしまフルーティーキャロット」など,地域の特色を生かした独創的なパンが数多く販売されています。

 私が訪問した夕方には「みしまコロッケパン」は完売していたので,コッペパンで作られたみしまコロッケサンドをいただいたのですが,確かにコロッケの衣はサクサク,中はホクホクで美味しかったです。

 また,中にレモンカスタードクリームが入ったレモンパンもいただきましたが,こちらもレモンの酸味がきいていて,美味しかったです。

 さらに,三島駅構内の売店では静岡県民のソウルフードと言われる「バンデロール」の「のっぽ(パン)」(クリーム)を買うなど,この日はパンづくしの1日となりました。


まとめ

 私は職場へのお土産の1つとして「カノンパン」を皆さんに配ったのですが,美味しいというよりは,珍しいという反応で食べていました。

 このパンはそれで正解なのだと思います。

 再現された「パン祖のパン」や「カノンパン」が,江川坦庵がパンを試作した時から150年以上経った現代のパンよりも美味しいとすれば,日本のパン業界は150年以上もの間,一体何をしていたのかという話になるわけですから(笑)。

(江川英龍(坦庵)自画像)
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(パンフレット「重要文化財 江川邸 史跡 韮山役所跡」江川邸公開事務室から引用)
(公益財団法人江川文庫 所蔵)

 
幕末に「兵糧パン」として開発されたパン祖江川坦庵のパン。

 兵糧食に適していると判断された理由は,軽くて携行しやすく,水分が少ないので日持ちすることにあったのでしょう。

 そして味よりも実用的な食事かどうかが重視されたことと思います。

 現在販売されている「パン祖のパン」や「カノンパン」も,歴史を物語るパンというだけでなく,携行しやすく日持ちするという特徴を生かした「防災食」としても高い評価を得ておられるようです。


 今回御紹介した固い「パン祖のパン」・「カノンパン」も,それにまつわる日本のパンの歴史も,ゆっくり噛みしめながら,その本質を味わいたいものです。


<関連記事>
 「パンの研究2 -パン祖 江川坦庵,韮山反射炉・江川邸・パン祖の碑-
 「歴食の世界 -「幕末維新パン」と幕末維新期のパン開発物語-

<関連リンク>
 「蔵屋鳴沢(反射炉物産館)
 「グルッペ石渡食品
 「バンデロール

<参考文献>
 岡田 哲『明治洋食事始め』講談社学術文庫
 東嶋和子『メロンパンの真実』講談社文庫
 武光 誠『イラスト図解版 食の進化から日本の歴史を読む方法』河北書房新社

2017年9月 9日 (土)

みかん(あたみ)の耳かき -静岡県熱海市-

静岡はみかんの一大産地です。

特に一般的に「みかん」と呼ばれている「温州(うんしゅう)みかん」の生産量は日本一を誇ります。

この耳かきのみかんはこけしのような顔をしたみかんで,ヘタは緑の帽子のデザインとなっています。

仲良くペアになり,鈴も付けられています。

この耳かきの価値は何と言っても手書きで書かれた地名を示す「あたみ」という文字です。

手書きなので,お店で見ると字が1つ1つ微妙に違っていましたが,そこに温かみが感じられるのです。

「あたみ」が「あた(たか)み」を略した表現にも思えました。

和歌山のみかんの耳かき(「みかん(和歌山)の耳かき -和歌山県和歌山市-」)と同じデザインですが,よく見ると髪型や顔の表情に違いがあることがわかり,こちらも手書きならではの「味」を感じます。

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2017年9月 8日 (金)

みかん(和歌山)の耳かき -和歌山県和歌山市-

和歌山はみかんの生産量日本一です。

有田地方の有田みかんが全国的に有名ですね。

そして紀州みかんと言えば,江戸時代,江戸でみかんの価格が高騰した情報を察知し,悪天候の中,船に大量の紀州みかんをのせて紀州から江戸へ運び,そのみかんを売って財をなした紀伊国屋文左衛門の話を思い出します。

この耳かきのみかんはギザギザの前髪もあり,こけしのような顔の表情をしています。

みかんのヘタは緑の帽子にデザインされています。

と,みかんばかり注目しがちですが,私がこの耳かきで価値があると思うのは画像下側の耳かきの柄に記されている「和歌山」という地名です。

これがなければ,愛媛でも静岡でも広島でも,みかんで有名な所ならどこで売られていてもおかしくないわけですから…。

でももしかしたら,耳かきの地名だけ変え,みかんで有名なほかの地域でも同じ耳かきが売られているかもしれませんね(笑)。

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(参考)
よく似たみかんの耳かき「みかん(あたみ)の耳かき -静岡県熱海市-

2017年9月 4日 (月)

パンの研究2 -パン祖 江川坦庵,韮山反射炉・江川邸・パン祖の碑-

江川坦庵ゆかりの地 伊豆の国市へ

 毎月12日はパンの日です。

 パンの日は,「日本のパン祖」と呼ばれている江川太郎左衛門英龍(坦庵)(えがわたろうざえもんひでたつ(たんあん))がパンを初めて試作した日(1842(天保13)年4月12日)にちなんでパン食普及協会が制定しました。
 ※江川太郎左衛門英龍(坦庵)は以下,「江川坦庵」と表記させていただきます。

 日本のパンのルーツを求めて,日本のパン食普及の礎を築いた江川坦庵ゆかりの地,静岡県伊豆の国市を訪問しました。

(伊豆箱根鉄道駿豆線 伊豆長岡駅と7000系車両)
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韮山反射炉

 伊豆長岡駅前観光案内所のレンタサイクル受付で自転車を借り,地図が掲載された観光パンフレットをいただいて,韮山反射炉を目指しました。

 訪問した日は日曜日だったので,土日祝日に運行されている「観光周遊型韮山反射炉循環バス」を利用する方が安い(1乗車100円)し便利だと強くすすめられたのですが,タイトなスケジュールで行動している私にとっては,時間を有効利用出来る自転車の方が便利でした。

 自転車で約10分,意外と駅から距離があるなと感じつつ,韮山反射炉に到着しました。

(韮山反射炉)
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 反射炉は,石炭などを燃料として発生させた熱や炎を炉内の天井で反射させ,そのエネルギーを金属に集中させることで金属を溶かすための設備です。

 その溶かした金属で大砲などの武器が鋳造されました。

(鉄製24ポンドカノン砲(再現))
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 江川坦庵が韮山代官に就任していた当時の日本は,内政面では全国的な飢饉(天保の飢饉)に見舞われて一揆や打ち壊しが頻発し,外政面では異国船が相次いで来航するなど,問題が山積みでした。

 そのため,江川坦庵は内政では質素倹約に努め,外政では鉄製大砲を鋳造するための反射炉の築造を幕府に進言したのです。

 幕府はこの江川坦庵の進言にすぐには応じませんでしたが,やがて太平の日本を震撼させる事件が起こります。

 ペリー艦隊の日本来航です。

 この出来事で海防体制の強化の必要性を感じた幕府は,ついに反射炉と品川台場の築造を決定し,江川坦庵の指導のもとで韮山反射炉が作られることとなったのです。

(韮山反射炉と江川坦庵公像)
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 内外情勢の情報収集に努めた江川坦庵には,先見の明があったのですね。

 こうして韮山反射炉をひととおり見学した後,自転車に乗って江川邸へ向かいました。


重要文化財江川家住宅(江川邸)

 重要文化財江川家住宅(江川邸)は,韮山の代官所が併設されていた江川家の住宅です。

(江川邸)
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 江川邸の邸内には,書・絵画・工芸品など様々な資料が展示されています。

 そうした展示の中で,江川坦庵とパンに関係するものを御紹介します。


パン焼き窯と鉄鍋

 江川邸内にある土間の一角にパン焼き窯と鉄鍋が展示されていました。

(パン焼き窯と鉄鍋)
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 パン焼き窯を形作っていた伊豆石の一部と鉄鍋が展示されているもので,本来のパン焼き窯はもっと大きくしっかりとした形のものだったようです。

 パン焼き窯の面影を偲ぶ展示物ですが,これこそが,1842(天保13)年4月12日に江川坦庵が初めてパンを試作したパン焼き窯の一部であり,日本のパンのルーツを示す貴重な展示物だと言えるでしょう。


パン祖の碑

 江川邸の庭の一角にパン祖江川坦庵を称えた「パン祖の碑」が設置されています。

(パン祖の碑)
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 1952(昭和27)年に全国パン協議会と静岡県パン協同組合が江川坦庵に「パン祖」の称号を贈り,この「パン祖の碑」を建立して功績を称えました。

 碑には,「パン祖江川坦庵先生邸」と刻まれ,その説明書きとして,「江川坦庵先生は維新期の先覚者なり。材は文武を兼ね,識は東西に通じ,百藝皆該(ひゃくげいみなか)ぬ。乃(すなは)ち製麺麭(せいぱん)の術も亦(また),本邦の開祖なり。昭和後学蘇峰正敬識」と刻まれています。

 江川坦庵先生は日本の製パン技術の開祖だと記されたもので,書は蘇峰正敬,つまり徳富蘇峰によるものです。

 ここで私も記念撮影をしようと,ガイドの方に写真撮影をお願いしたところ,「パン業界の方ですか」と聞かれたので,「いえいえそんな…パンに興味がある者です」とお答えしました。

 撮影モードはもちろん,パン好きな私と「パン祖の碑」の全てにピントが合うパンフォーカスです(笑)。

 日本のパンの歴史や食文化に興味のある方は,静岡県伊豆の国市へお出かけになることをおすすめします。


<関連リンク>
 「国指定史跡韮山反射炉」(伊豆の国市)
 「重要文化財 江川邸」(財団法人江川文庫)

<参考文献・資料>
 岡田 哲『明治洋食事始め』講談社学術文庫
 東嶋和子『メロンパンの真実』講談社文庫
 パンフレット『韮山反射炉』伊豆の国市観光文化部世界遺産課
 パンフレット『重要文化財江川邸 史跡韮山役所跡』江川邸公開事務室

2017年8月27日 (日)

ギリシャ料理の特徴と主な料理 -サガナキ・ホリアティキ・スブラキ・ムサカ・マスティクア-

ギリシャ料理の主な特徴

 エーゲ海のおよそ3,000もの島によって構成されるギリシャは,地中海文明の中心地として,ヨーロッパ,アフリカ,アジアの文化や歴史に大きな影響を与えてきました。

 ギリシャの食文化の中心をなす食材はトマトとオリーブで,1人あたりの消費量がともに世界トップクラスとなっています。

 ギリシャ料理の主な特徴としては,

(1)トマトやオリーブ油がよく使われる。
(2)トマトで煮込んだり,味付けの濃い料理が多いが,香辛料はあまり好まれない。
(3)仔牛肉,仔羊肉,鶏肉,タコ,イカ,ジャガイモ,ナス,キュウリ,ピーマン,きのこをよく用いる。
(4)海洋国であり,魚介類が豊富でよく食べられる。

 ことなどが挙げられます。

 今回は,ギリシャの代表的な料理をいくつか御紹介したいと思います。


サガナキ

 サガナキは,ハルミチーズの鉄板焼きです。

 「ハルミチーズ」は,山羊乳と羊乳から作られるセミハードタイプのチーズで,キプロスが原産とされています。

 とても弾力があるので,少々焼いたぐらいでは溶けることはありません。

 また塩味が効いていることもあり,焼いて食べるのが最も適した珍しいチーズです。

(サガナキ)
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 今回のサガナキは,鉄板で焼いたハルミチーズにオレガノがかけられたもので,添えられたレモンを絞っていただきました。

 シコシコ,モギュモギュとした鶏のささみのような独特の食感で,比較的あっさりした塩味のチーズなので,チーズが苦手な方でも食べやすいと思います。


ホリアティキ

 「ホリアティキ」はギリシャ風サラダのことで,直訳すると「田舎風・自家製サラダ」という意味です。

 「フェタチーズ」と呼ばれる山羊乳や羊乳を使ったギリシャの代表的なチーズや,オリーブの実が使われることに特徴があります。

(ホリアティキ)
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 賽の目に切ったフェタチーズ,カラマタ産のオリーブ,レタス,キュウリ,赤玉ねぎ,トマト,パプリカで構成されるサラダに,オリーブ油と酢がベースのシンプルなドレッシングがたっぷりかけられ,仕上げにオレガノがかけられています。

 フェタチーズは,先程御紹介したハルミチーズとは対照的に,粉チーズを押し固めたかのような,フォークでつつけばポロポロ崩れていく繊細なチーズです。

 このチーズは塩味がよく効いているので,塊を崩しながらサラダに絡めて食べるとちょうど良い味付けとなりました。

 これは基本的なホリアティキですが,今回訪問したお店では,夏限定で角切りのスイカ入りホリアティキも用意されていて,ギリシャではスイカ入りも好まれているとのお話でした。


スブラキ

 スブラキは肉の串焼きのことです。

 あらかじめスパイスに寝かせ,マリネした肉を鉄串(スブラ)に刺し,オーブンでじっくり焼いて,仕上げにレモンオイル,胡椒,パプリカの粉末,オレガノなどの調味料を振りかけて作られます。

(スブラキ)
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 写真のスブラキは羊肉の串焼きです。

 添えられたレモンをかけたり,写真中央上部の「ジャジキ」と呼ばれるタルタルソースのような白いディップをつけていただきます。

 「ジャジキ」は,ヨーグルトにすりおろしたにんにくや細かく刻んだキュウリを混ぜ,塩,オリーブ油,酢などで味を調えたディップで,ギリシャ料理には欠かせない付合せです。

 このほか,フライドポテトや生野菜も添えられていました。

 いただいてみると,スパイスで十分マリネされているので,串焼きだけでも十分美味しかったですが,レモンをかけたり,シャキシャキのキュウリが入ったジャジキにつけていただくことで,一層味わい深いスブラキを楽しむことができました。

 お店のメニューを見ると,羊肉のほかにも豚肉や牛肉のスブラキも用意されていました。

 実はこのスブラキ,通常は2本で1セットなのですが,1人でいろんな料理を注文しまくる私の様子を御覧になったお店の方の配慮で,半分の1本にしていただきました(笑)。


ムサカ

 ムサカはナス,ポテト,ミートソース,ベシャメルソースの重ね焼きで,ギリシャの代表的な料理です。

(ムサカ)
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 メニューを見ると,丸いココット皿で作られたムサカの写真があったので,大して量はないだろうと思い注文したのですが,ココット皿が想像より一回り大きくて深く,立派なメイン料理でした。

 ラザニアとよく似ており,ラザニアに入っているパスタ(ラザニア)の層を野菜に替えた料理を想像していただけると近いかと思います。

(ムサカ(中身))
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 今回のムサカの中身を御紹介しますと,まず皿の底に輪切りのジャガイモを敷き,その上にミートソースをかけます。

 さらにその上に輪切りの米ナスを敷き,ミートソースをかけ,その上に輪切りのナスを敷き…という具合に具とミートソースを交互に層状に積み上げていくのです。

 そして最後に全体に行き渡るようにベシャメルソースをかけ,チーズをのせてオーブンで焼かれた料理となっていました。

 ミートソースのグラタンなのでボリュームがあるのですが,輪切りのナスも多いので「これなら何とか食べられそう」と食べ進めていました。
 が,最後に厚みのあるジャガイモの輪切りが登場し,そのボリュームに圧倒されました。

 食べ終えるのに少し時間はかかりましたが,きれいに完食しました。


マスティクア


 お店のメニューに「マスティクア(MASTIQUA)」というスパークリングウォーターが用意されていました。

 メニューの説明には,「ギリシャのヒオス島だけにある「マスティハの樹液」の持つ健康美肌効果は現代科学で次々に証明され,世界中の機関が認めるところとなりました。そのマスティハを使った炭酸水がこのマスティクアです。」とありました。

 ギリシャのヒオス島だけにある…ダメです。私はこういう言葉に弱いのです(笑)。

 マスティハの樹液が入った(炭酸)「水」(アクア)なので「マスティクア」と呼ばれているのでしょう。

 食事中のドリンクとしてこのマスティクアを注文しました。

(マスティクア)
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 コップにボトルのマスティクアを注ぎ,ミントを浮かべていただきました。

 甘味も酸味もないスパークリングウォーターなのですが,かすかに薬草のような風味を感じました。

 どこかで飲んだようなことがあるとしばらく考え,思い出したのがお酒のジンです。

 ジンは「ねずの実(ジュニパーベリー)」などの香草が添加された独特の香りがする蒸留酒ですが,その香りに似ているように思いました。

 「ノンアルコールのジン風味の炭酸水」と例えられるかと思いますが,さっぱりとしていてギリシャ料理との相性が良かったです。

 ヒオス島のマスティハのありがたみをジーンと味わいながら,数々のギリシャ料理を堪能しました。


 サントリーニ島を思わせる白と青のインテリアが特徴的なギリシャ料理店「スピローズ」。
 人呼んで「蒲田のサントリーニ島」と呼ばれる楽しいお店で,しばしギリシャ気分を味わうことが出来ました。

 また機会があれば訪問したいお店です。


ギリシャ料理とトルコ料理はよく似ている

 今回ギリシャ料理を味わってみて,気付いたことがあります。

 「ギリシャ料理はトルコ料理とよく似ている」ということです。

 いくつか例を挙げてみますと…

(1)「サガナキ」で登場した独特な食感が特徴の「ハルミチーズ」は,トルコの「ヘリムチーズ」と同じ味・食感。

(2)ギリシャの「スブラキ」は,トルコでは串焼き料理「シシュケバブ」となる。

(3)中東を中心によく食べられている「ピタ(パン)」はギリシャ料理店・トルコ料理店いずれの店にも用意されている。

(4)ギリシャ料理の「ケフテデス」(肉団子)とトルコ料理の「キョフテ」(トルコ風ハンバーグ)は語源も含めてよく似ている。

(5)ギリシャもトルコも米を炒めたピラフ(ギリシャでは「ピラフィ」,トルコでは「ピラウ」と呼ばれる)がよく食べられる。

(6)「バクラバ」と呼ばれる,パイ生地に甘いシロップを浸して作られるとても甘いお菓子は,ギリシャ・トルコに共通するお菓子。

(7)粉状にしたコーヒー豆を煮立たせ,上澄みを飲むコーヒーは地域によって「ギリシャコーヒー」,「トルココーヒー」などと呼ばれるが,要はどちらも同じ飲み物。

 などの共通点が見い出せるのです。

 この理由は,地理にお詳しい方はピンときた方もおられるでしょうが,地図で確かめるとすぐに理解出来ます。

(ギリシャ周辺の地図)
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(国土地理院の電子地形図(タイル)に国名・地名等を追記して掲載)
※地図をクリックすると拡大します。

 ギリシャとトルコは隣同士で,ハルミチーズやヘリムチーズの原産地とされるキプロスも両国の近くにあります。

 また,歴史的背景から考えても,かつてトルコが東ローマ帝国の支配下にあった時代や,逆にギリシャがオスマン帝国の支配下にあった時代を経験していることなどから,両国間で食文化の深い交流があり,お互い似たような料理が作られるようになったのでしょう


まとめ

 英語の文章で「It's Greek to me」という慣用句があります。

 直訳すると「私にとってはギリシャ語のようだ」となり,それが転じて「(難解なギリシャ語のように)ちんぷんかんぷんだ」という意味で使われます。

 ギリシャは,ギリシャ語をはじめ,理解することが難しいこともあるとは思いますが,だからこそ誰もが舌で明瞭に理解することのできる食の分野からギリシャを理解するというアプローチも実用的なのではないかと思います。

 ギリシャではカジュアルなレストランやパブのことを「タベルナ」と言いますが,食を通じてその国の文化や歴史を理解したいと思う私なら,真っ先に「タベルナ」へ行き,ギリシャ料理を思う存分食べるなぁ(笑)。


<参考文献>
 岡田 哲「世界の味探究事典」東京堂出版
 「大使館の食卓 おうちで簡単レシピ集」産経新聞出版

<店舗情報>
 「SPYRO’S(スピローズ)」(東京都大田区蒲田5-7-6)

<関連記事>
 「トルコ料理の特徴と主な料理1
 「トルコ料理の特徴と主な料理2 -神戸・「ケナン」のトルコ料理(前編)-
 「トルコ料理の特徴と主な料理3 -神戸・「ケナン」のトルコ料理(後編)-

2017年8月25日 (金)

韮山反射炉の耳かき -静岡県伊豆の国市-

 幕末に欧米列強に対抗するための軍事力強化の一環として,鉄製大砲などを鋳造するための金属溶解炉として築造されたのが韮山反射炉です。

 韮山代官だった江川英龍(坦庵)が責任者となり,韮山反射炉の築造という一大プロジェクトが進められました。

 ちなみに彼は兵糧食として日本で初めてパンを焼いた人物でもあり,パン業界では「パン祖」として有名な人物です。

 韮山反射炉は,2015年7月に世界文化遺産「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼,造船,石炭産業」に登録されました。

 この耳かきは韮山反射炉に隣接する「反射炉物産館」で売られていたものですが,まさか韮山反射炉そのままの耳かきがあるとは思ってもいなかったので,見つけた時はとても嬉しかったです。

 こうした直球勝負のオリジナル耳かきこそ,ご当地耳かきとして価値の高い一品だと言えるでしょう。

 さらに欲を言えば,韮山反射炉PRキャラクター「てつざえもん」の耳かきにも期待したいところです(笑)。

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 祝 ご当地耳かき掲載200本!

2017年8月14日 (月)

ボルトジンユとスピルリナ

 今回は,健康食品として注目を浴びている「ボルトジンユ」と「スピルリナ」について御紹介したいと思います。


ボルトジンユ

 広島市内のスーパーマーケットの産直市のコーナーで,「ボルトジンユ」と呼ばれるハーブが販売されていました。
 広島県世羅町産(「甲山いきいき村」)です。

(ボルトジンユ(包装))
Photo

 名前からはどんな食べ物なのか推測することは難しいので,説明書きはないかと探してみると,ケースの裏にありました。

(ボルトジンユ(説明書き))
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 「奇跡の薬草 糖尿病や高血圧などの生活習慣病やメタボ他にも効能が有ると言われています。お茶で飲んでください。詳しくはネットで検索してみてね。」

 「詳しくはネットで検索」という説明書きが現代風ですが(笑),奇跡の薬草という言葉に引かれて購入してみました。

 次の写真は,パックを開けてボルトジンユを出した様子です。

(ボルトジンユ)
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 一枚一枚の葉は,だいたい大人の指先ほどの大きさで,厚みがあります。

 見た目は厚みのあるミントのようです。

 葉を指で撫でてみると,強いざらつき(引っ掛かり)を感じました。これはボルトジンユの大きな特徴だと思います。

 そんなボルトジンユの葉を,2~3枚もいで水で洗い,コップに入れてお湯を注ぎ,ボルトジンユのお茶を作ってみました。

(ボルトジンユ茶)
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 とても苦くて渋いお茶に仕上がりました。

 葉にとても強い苦味や渋味があるので,少しで十分なことをこの時初めて理解しました。

 葉に強いざらつき(引っ掛かり)を感じたのも,この強い苦味や渋味の成分によるものなのかも知れません。

 そのあと,何度かお茶を作ってみたのですが,急須に葉を3~4枚程度の量で十分だと思います。

 糖尿病,高血圧,メタボなどに効果があると説明されているだけあって,脂肪を燃やしてくれるような苦味と渋味が感じられました。

 香りは,ドクダミかローズマリーのような薬草・ハーブ独特の香りがしました。

 毎日少しずつ飲むと効果がありそうです。


スピルリナ入りブルークリームソーダ

 山口県岩国市の郊外,延々と蓮根畑が続く一帯の中に岩国市地方卸売市場があります。

 その卸売市場の構内にあるジューススタンド「Vegetrip(ベジトリップ)」で「スピルリナ入りクリームソーダ」というドリンクを見つけました。

 真っ青なドリンクでインパクトが大きかったので,お店の方にスピルリナについて尋ねてみると,今話題のスーパーフードで,青色はスピルリナそのものの色だと教えていただきました。

※スーパーフード:栄養バランスに優れ,一般的な食品より栄養価が高い食品。あるいは,ある一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれる食品。(「一般社団法人日本スーパーフード協会」の定義を抜粋)

(スピルリナ入りブルークリームソーダ)
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 現物も確かに真っ青でした。

 私が思わず「わっ,これは想像以上にスゴイ色だ!」と声を出すと,お店の方が「少しスピルリナ入れ過ぎたかもしれませんね。スピルリナは,藻の一種で,その青い色素は天然色素としてガリガリ君ソーダ味にも使われているのですよ。」と説明してくださいました。

 ネットで調べてみると,確かにガリガリ君ソーダ味は,スピルリナから抽出された青色色素(商品名:リナブルー)で作られていることが理解できました。

 「冷菓に使われている植物うまれの青色着色料「リナブルー」」(DICライフテック株式会社ウェブページ)

 スピルリナは緑色をしていますが,スピルリナの粉末に水を加え,ろ過することによって鮮やかな青色が抽出できるようです。

 さて,実際にいただいてみると…やはり色素なので,それ自体に特徴的な味がある訳ではなく,味は普通のクリームソーダと同じでした。

 ただ,植物由来の着色料なのでそれなりに安心感はありました。

 周りのお客さんからの注目度ナンバーワンのクリームソーダでした。


 「Vegetrip」(山口県岩国市尾津町5丁目11-1 岩国市地方卸売市場)


ベーグル(ケール&スピルリナ)

 ベーグル専門店「BAGEL&BAGEL」でケール&スピルリナのベーグルが販売されていました。

(ベーグル(ケール&スピルリナ))
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 商品名がわからなければ,青のりのベーグルと間違えてしまいそうです(笑)。

 スピルリナは,同じ緑色で栄養価の高い野菜であるケール(青汁の原料)と一緒に使われることも多いようです。

 写真のベーグルの緑色の粒子はケールで,スピルリナは生地に練り込まれています。

 実際にいただいてみると,青臭さはなく,ほんのりとケールの風味を感じました。

 ただ,ケールの葉は固いので,刻まれてはいるもののケールの葉のシャキシャキとした食感がありました。

 スピルリナについては,「入っているんだろうな」ぐらいの感覚で,ケールとの明確な判別はできませんでした。

 「BAGEL&BAGEL」のベーグルには,このほかにもチアシード,キヌア,アマランサス,もち麦,豆乳などの健康食品が入ったベーグルが多数販売されており,健康意識の高まりが反映されているように思いました。


 「BAGEL&BAGEL


 スピルリナの加工食品は健康食品コーナーでよく見かけますので,御興味がある方はどうぞ。


まとめ

 ボルトジンユもスピルリナも,それ単体で食べるには無理がありますし,おいしいものでもありません。

 食糧供給が不安定で飢えに苦しむような状況では,まず注目されることのない食べ物だと言えるでしょう。

 現代日本はそれとは逆に高脂肪で,過剰な糖分や塩分を含む食品が数多く出回っており,よほど注意した食生活を送らないと,こうした食品から避けられないのが現状です。

 高脂肪・高カロリーになりがちな食生活を改善するための健康補助食品として,ボルトジンユやスピルリナをうまく利用するのもよいかもしれませんね。

2017年8月12日 (土)

広島のレモン菓子・レモンケーキ6

 広島で売られているレモン菓子・レモンケーキを御紹介します。


香る堂春長「レモンの花咲くところ(レモンケーキ)」

 広島市東区牛田早稲田の創作菓子処「香る堂春長」の「レモンの花咲くところ」という名前のレモンケーキです。

(香る堂春長「レモンの花咲くところ(レモンケーキ)」(包装))
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 ヨハン・シュトラウス2世がイタリアのレモン畑の様子を音楽にした「レモンの花咲くところ」という曲がありますが,その曲名にちなんだレモンケーキなのかも知れません。

 広島県尾道市瀬戸田町の「エコレモン」と国産小麦粉が使用されているのが特徴です。

(香る堂春長「レモンの花咲くところ(レモンケーキ)」)
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 涙形か先の尖ったレードル(おたま)の形のような珍しいレモン型で作られたレモンケーキです。

 レモンチョコは上側半分にコーティングされており,落ち着いたベージュに近い黄色をしています。

(香る堂春長「レモンの花咲くところ(レモンケーキ)」(中身))
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 ケーキ生地はきめ細かく,さっくりとしていました。

 バター風味も若干ありましたが,細かいレモンピールが入っており,レモン風味を強く感じるケーキでした。


 「香る堂春長」(広島市東区牛田早稲田1丁目5-12)


虎屋本舗「れもんけーき」

 福山の老舗和洋菓子店「虎屋本舗」の「れもんけーき」です。

(虎屋本舗「れもんけーき」(包装))
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 このレモンケーキに限らず,「初恋の味」と書かれたレモンケーキが多いような気がします。甘酸っぱいイメージによるものなのでしょうか。

(虎屋本舗「れもんけーき」)
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 サイズは横約7.5cm,幅約5cm,高さ約3.5cmです。

 レモンチョコはケーキ生地に均一に,浅めにコーティングされています。

(虎屋本舗「れもんけーき」(中身))
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 広島県尾道市瀬戸田町のレモンが使用されています。

 ケーキ生地はバターケーキに近く,バターの風味を感じますが,中にレモンピールが混ぜ込まれており,レモンの酸味がアクセントになっていました。

 昔ながらのシンプルで素朴なレシピで作られたレモンケーキです。


 「虎屋本舗」(広島県福山市曙町1丁目11-18)


洋菓子のシナガワ「瀬戸のレモンケーキ」

 広島市西区観音本町にある洋菓子店「シナガワ」の「瀬戸のレモンケーキ」です。

(洋菓子のシナガワ「瀬戸のレモンケーキ」(包装))
Photo

 包装に書かれている「l'utilisation de la matière à un choix rigoureux」はレモンケーキの説明文かと思い,フランス語の辞典を引いてみると,どうやら「厳選された原材料を使用しています」といった意味のようです。

(洋菓子のシナガワ「瀬戸のレモンケーキ」)
Photo_2

 サイズは横約7cm,幅約5cm,高さ約3cmです。

 レモンチョコが上品にチョコっとだけコーティングされています。こういうコーティングのレモンケーキは初めてです。

(洋菓子のシナガワ「瀬戸のレモンケーキ」(中身))
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 しっとりとしたコクのあるケーキで,レモンの風味を強く感じます。

 これは,ケーキ生地にレモンの皮をすりおろした「レモンゼスト」が入っているからなのでしょう。

 洋菓子の特徴を生かしたレモンケーキだと思います。


 「洋菓子のシナガワ」(広島市西区観音本町1-15-2)


シュクレラボ・ロアジス「瀬戸内レモンケーキ」

 呉市焼山北にある洋菓子店「シュクレラボ・ロアジス」の「瀬戸内レモンケーキ」です。

(シュクレラボ・ロアジス「瀬戸内レモンケーキ」(包装))
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 一般的なレモンケーキはずんぐりした形ですが,こちらは一回り小さめのスマートな形をしており,モダンなレモンケーキに仕上げられています。

(シュクレラボ・ロアジス「瀬戸内レモンケーキ」)
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 レモンチョコが濃い黄色をしています。

(シュクレラボ・ロアジス「瀬戸内レモンケーキ」(中身))
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 ケーキ生地の原材料には,サワークリームやアーモンドパウダーも使用されています。

 レモンピールが入れられていることもありますが,ケーキ生地自体にかなり強いレモン風味と酸味を感じました。

 また,濃い黄色のレモンチョコも同様にしっかりとしたレモンの風味が感じられました。

 サイズは小ぶりながらも,まるでレモンを丸ごとかじっているかのような,レモン風味をしっかり感じられるレモンケーキです。


 「シュクレラボ・ロアジス」(広島県呉市焼山北1-9-9)


シュクレラボ・ガーベラ「ハート島のレモンケーキ」

 東広島市西条町御園宇にある洋菓子店「シュクレラボ・ガーベラ」の「ハート島のレモンケーキ」です。

(シュクレラボ・ガーベラ「ハート島のレモンケーキ」(包装))
Photo_7

 ハート形のレモンケーキです。

 広島のハート島をモチーフにしたレモンケーキですが,ここでこのハート島について少し触れておきたいと思います。

 広島のハート島は,広島県東広島市安芸津町にある瀬戸内海に浮かぶ「小芝島」と呼ばれる小さな無人島で,ハート形に見えることからそう名付けられました。

 詳しくは,こちらのウェブ記事を御覧ください。

 「ハートの島 小芝島を,大芝大橋を渡って見に行ってみる」(「広島ニュース 食べタインジャー」2012年1月17日記事)

(シュクレラボ・ガーベラ「ハート島のレモンケーキ」)
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 確かにこのレモンケーキは,ハート島の形をしています。

 ハート形を半分に切るというのは,少し抵抗がありましたが,中の様子を確認するため,切ってみました。

(シュクレラボ・ガーベラ「ハート島のレモンケーキ」(中身))
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 バターケーキの生地で,中にダイス状のレモンピールが入っています。

 レモンチョコのコーティングはありませんが,ケーキ生地にしっかりとしたレモン風味を感じました。

 レモンピールもアクセントとなり,しっかりとレモンの風味や酸味を感じることの出来るレモンケーキです。

 この「ハート島のレモンケーキ」は,JR山陽本線西条駅構内にある「おみやげ街道 西条」でも購入することができます。

 2個1セットで,地元オリジナルの洋菓子なので,お土産にしても喜ばれると思います。

 「シュクレラボ・ガーベラ」(東広島市西条町御園宇6225-1)


 以上,レモン菓子・レモンケーキを購入される際の参考になれば幸いです。


<関連リンク>
 「レモンのお菓子」(「chibiaya日記」)
 chibiayaさんが,関東で販売されているレモンケーキを中心に,レモンケーキの情報を詳しく紹介されています。

<レモンケーキ関連記事>
 「レモンケーキとブランデーケーキ -レモンケーキが今も支持されている理由-
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