2018年2月18日 (日)

手まりの耳かき -群馬県渋川市-

伊香保温泉街の民芸品店で購入した手まりの耳かきです。

玉全体を白い糸で巻き,その上から模様となる赤や緑の糸を巻いて作られています。

木製の葉っぱに「伊香保」と記載されているので,伊香保温泉のお土産としても喜ばれそうです。
(これがあるからご当地耳かきコレクションとしての価値があるとも言えるのです。)

群馬でのご当地耳かき探し。

伊香保温泉ならあるだろうと意気込んで訪問したのですが,意外と観光地でよく見かけるような定番のお土産屋さんが少なかったので,この耳かきを見つけたときはとても嬉しかったです。
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2018年2月11日 (日)

ロシア革命と日本のバレンタインチョコレート -神戸・御影のバレンタイン広場訪問-

日本のバレンタインデーとチョコレート

 2月14日はバレンタインデーです。

 日本でも年中行事の1つとなり,チョコレートをはじめとする様々な商品が店に並びます。

 日本でバレンタインデーと言えば,「女性から男性へチョコレートを贈る」というイメージが強いですが,欧米では男女双方向で,プレゼントもチョコレートに限らず食事,花,カード,衣服などバラエティに富んでいることから,このイメージは日本独自の風習と言えそうです。

 では「日本のバレンタインデー=チョコレート」という図式が,いつどういう経緯で確立されたのでしょうか。

 このことについて,まとめてみたいと思います。


第一次世界大戦とロシア革命

 20世紀前半,経済成長を遂げるヨーロッパは,国同士で勢力争いをするようになります。

 それが顕著だったのが,海軍力増強に乗り出したドイツと,制海権を堅持したいイギリスとの対立です。

 ドイツはオーストリア,イタリアと手を組み(三国同盟),イギリスはフランス,ロシアと手を組み(三国協商),両陣営が対立することとなります。

 この対立は,やがて多民族が暮らすバルカン半島でのスラブ人(ロシアが支援)とゲルマン人(ドイツが支援)の民族運動にまで影響を及ぼしました。(「パン・スラブ主義」と「パン・ゲルマン主義」の対立)

 こうした状況下で,1914年,ボスニア・サラエボでオーストリアの皇太子がスラブ系のセルビア人に狙撃される「サラエボ事件」が起こります。

 そしてこの事件をきっかけに,全世界を巻き込んだ第一次世界大戦が勃発したのです。

 三国協商側の国とのつながりが強かった日本も参戦することとなった第一次世界大戦ですが,戦争が長期化するにつれ,当時経済基盤の弱かったロシアは危機的な状況に陥りました。

 ロシアではこの状況を打破すべく,「ソヴィエト(労働協議会)」が結成されて革命運動が広がり,1917年には社会主義を掲げるロシア革命が勃発しました。


ロシア革命とモロゾフ・ゴンチャロフ

 このロシア革命の混乱を避け,他国に亡命したロシア人も数多くいました。

 亡命の道を選んだロシア人の中には,日本の貿易港神戸に居住した人も多かったようです。

 そうしたロシア人の1人が,フョードル・D・モロゾフです。

 モロゾフは1931年,神戸に「モロゾフ製菓株式会社」を設立しました。

 「モロゾフ」のサイトによると,「翌1932年,モロゾフは日本で初めて”バレンタインデーにチョコレートを贈る”というスタイルを紹介」したと説明されています。

 日本でバレンタインデーにチョコレートを贈るという風習が定着した経緯については諸説ありますが,「モロゾフ」の販売が一大契機となったことは間違いありません。

 一方,同じ神戸の「ゴンチャロフ」を創業したマカロフ・ゴンチャロフも,フョードル・D・モロゾフと同様にロシア革命の影響でロシアを亡命し,来日したロシア人の1人でした。

 ロマノフ王朝の宮廷菓子職人であったマカロフ・ゴンチャロフは,1923年に神戸でチョコレート工房を開業しました。

 「ゴンチャロフ」のサイトによると,「ウィスキーボンボンはゴンチャロフが日本ではじめて作ったと言われています。」と紹介されています。

 ロシア革命の勃発が,めぐりめぐって日本にチョコレート文化が浸透するきっかけとなったとは,とても興味深い話です。


神戸・阪神御影駅前のバレンタイン広場

 こうした歴史的背景もあり,神戸市は日本のバレンタインの発祥の地(聖地)とされています。

 1986年からは,神戸市とイタリアのテルニ市(聖バレンタインの出身地)との交流も始まり,2013年5月には「モロゾフ」と関わりの深い御影に「バレンタイン広場」が完成しました。

 日本のバレンタインの聖地を求め,神戸市東灘区御影を訪問しました。

(阪神・御影駅と5700系電車)
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 バレンタイン広場は,阪神電車・御影駅前にあります。

(阪神・御影駅とバレンタイン広場)
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 円形のバレンタイン広場中央には,陶板で作られたイタリア・テルニ市の地図があります。

(イタリア・テルニ市の地図)
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 テルニ市はイタリアの首都ローマの北側に位置することがわかります。

 また,バレンタイン広場の一角には,聖バレンチノ教会のモニュメントも設置されています。

(聖バレンチノ教会のモニュメント)
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 写真中央の2つの石碑が聖バレンチノ教会のモニュメントです。

 近づいて見てみましょう。

 モニュメントの御影駅側にはイタリア・テルニ市の紹介文があります。

(テルニ市の紹介文)
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 「テルニ市は『愛の守護神』と呼ばれる『聖バレンチノ』の聖地でもあり,この街からバレンタインデーが世界に広まったと言われています。一方,神戸は日本におけるバレンタインデー発祥の地です。バレンタインデーが結びつけた両市の交流は1986年にスタートし,現在も続いています。」と紹介されています。

 一方,モニュメントのバレンタイン広場側には,テルニ市長メッセージと聖バレンチノ教会・ステンドグラスが紹介されています。

(テルニ市長メッセージ・聖バレンチノ教会・ステンドグラス)
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 テルニ市長のメッセージには,「スイーツの街である神戸・御影にあるこの広場を訪問された方々がバレンタインデーの意義やテルニ市を想い,テルニ市と神戸市の友好交流がますます盛んになるよう期待しています。」とあります。

 写真左下が聖バレンチノ教会,写真右下が聖バレンチノ教会のステンドグラスです。

 次にバレンタイン広場に併設するバス停を見てみましょう。

(阪神御影南口(バレンタイン広場前)バス停)
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 板チョコのデザインのバス停です。

 写真中央にある広告は,左側が聖バレンチノ教会のステンドグラス,右側はモロゾフのチョコレートの広告となっています。

(阪神御影南口(バレンタイン広場前)バス停標識)
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 愛をイメージさせるかわいいハート形のバス停標識もあります。

 屋根部分にはテルニ市の紹介もあります。

 このように,阪神・御影駅前はバレンタインムード一色となっています。

 また阪神・御影駅から少し南に歩くと,灘の酒蔵めぐりを楽しむことができます。

 御影を訪問し,バレンタインと日本酒の世界を楽しむというのも,ハイセンスな神戸の楽しみ方だと思います。


 では,最後にゴンチャロフとモロゾフのお菓子を御紹介したいと思います。

ゴンチャロフのチーズスフレとコーヒー

 神戸・三宮にあるゴンチャロフの喫茶「ゴンチャロフ・さんプラザ店」へ行きました。

(ゴンチャロフ・さんプラザ店)
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 メニューにイートイン限定のチーズスフレがあったので,コーヒーとともに注文しました。

(ゴンチャロフのチーズスフレとコーヒー)
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 ハロウィンバージョンのチーズスフレでした。

 ふわふわのチーズスフレに生クリームやベリーソースを添えて,アイスクリームやコーヒーとともにゴンチャロフ自慢の味を楽しみました。


モロゾフのデザートプレートとコーヒー

 続いて,神戸から阪神電車に乗って,大阪・梅田にあるモロゾフの喫茶「カフェモロゾフ阪神百貨店梅田本店」へ行きました。

 メニュー表を見るなり,注文するメニューは一発で決まりました。

 こちらです。

(モロゾフのデザートプレートとコーヒー)
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 モロゾフのプリン,デンマーククリームチーズケーキそしてモンブランが一度に味わえるデザートプレートとコーヒーです。

 私以外,周りは全て女性でしたが,私はスイーツ男子だからと自分に言い聞かせ,美味しくいただきました。

 今回御紹介したゴンチャロフとモロゾフのお菓子は,よく考えるといずれも本題のチョコレートがないというオチがあるのですが(笑),義理でお許しください。


<参考文献>
 浜本隆志「バレンタインデーの秘密 愛の宗教文化史」平凡社新書
 宮崎正勝「早わかり世界史」日本実業出版社

<参考サイト>
 「バレンタインとモロゾフについて」(モロゾフ株式会社)
 「ゴンチャロフのこだわり」(ゴンチャロフ製菓株式会社)

2018年2月 8日 (木)

稲荷山経塚の簪(かんざし)の耳かき -京都府京都市-

 当ブログの読者の方から,耳かきの本があるとの情報をいただきました。

 これは興味深いと思い,ネットで中古本を購入してみました。

 上野玲「耳かきがしたい」(ジャイブ)という本です。

(上野玲「耳かきがしたい」(ジャイブ))
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 耳かきをするのが大好きな人を「ミミカキスト」と定義し,ミミカキストのためのバイブルとして書かれた本です。

 耳かきの歴史,耳かきのコツ,耳かきの名店,中国の耳かき技術の現地取材,ニューヨークのティファニーでの耳かき探し旅,はたまた「耳かきをするとよい子に育つ説」まで…耳かきのごとく深く掘り下げた数々の話が紹介されています。

 巻頭にはカラー写真で「日本全国耳かきコレクション」の紹介もあり,私が持ってないご当地耳かきもたくさん紹介されていて,私の収集熱がより一層刺激されました。

 その一例を御紹介します。

(「日本全国耳かきコレクション」関東編)
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 (上野玲「耳かきがしたい」ジャイブから引用)

(「日本全国耳かきコレクション」九州編)
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 (上野玲「耳かきがしたい」ジャイブから引用)

 私が持っている耳かきもちらほら見受けられます。

 でも,持ってないのもあって,くやしいです(笑)。

 この本の中に,日本最古の現存する耳かきが紹介されています。

 明治44年に現在の京都市伏見区の「稲荷山経塚(いなりやまきょうづか)」から出土した金銅製の簪(かんざし)です。

(稲荷山経塚の簪)
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 (国立博物館所蔵 上野玲「耳かきがしたい」ジャイブから引用)

 写真上部の端が耳かき状になっていることがわかります。

 平安末期から鎌倉初期のもののようです。

 女性たちが髪を結い,装飾品として簪を差すのがおしゃれだったようで,その簪の先に実用的な耳かきをつけ,耳をかいたり,頭の地肌をかくことに使われたようです。

 この話を知って,ふと思い出した耳かきがあります。

 日本刀の笄(こうがい)の耳かきです。(「日本刀の笄(こうがい)の耳かき -山口県山口市-」参照)

 日本刀の鐔(つば)の穴に差す笄は,男性の髪を手入れするだけでなく,耳かきとしても使われました。

 この話も含めると,日本の女性は簪を使い,男性は笄を使って耳かきをしていたと考えられます。

 これは日本耳かき史(文化史)の研究に値する重要な事実ではないかと思います。


<参考文献>
 上野玲「耳かきがしたい」ジャイブ

<関連リンク>
 「蜃気楼の向こう側」(今回の本を御紹介いただいた「サウスジャンプ(つなまよ)」さんのブログです。本・音楽・御本人のイラストなどを楽しく,興味深く紹介されています。)

2018年2月 4日 (日)

宇宙食の世界3 -宇宙白飯とスペースカレー,宇宙食のナトリウム量制限とその実例-

 スペースワールドで売られていた宇宙食のシリーズの最終回は,宇宙食の白ご飯とカレーを一度に使って,カレーライスにして味わってみたいと思います。

 まずはご飯の用意からです。


宇宙白飯

 宇宙で味わう日本のお米「宇宙白飯(SPACE RICE)」です。

(「宇宙白飯(SPACE RICE)」包装)
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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が認証した製法により,尾西食品株式会社(亀田製菓グループ)が製造した製品です。

 お湯か水を注ぐだけでふんわりご飯が出来上がるようですが,念のため袋の裏の作り方を確認しておくこととしました。

(宇宙白飯の作り方)
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 袋を開けて,その中に直接熱湯か水を注ぎ込み,袋のチャックを閉めて,熱湯なら15分,水なら60分待てばご飯ができると説明されています。

 水で作る方法は宇宙空間での調理を想定してかも知れませんね。

 私はカレーライスにしたいので,熱湯を注ぐことにしました。

 調理法を確かめた上で,袋を開封しました。

(宇宙白飯(開封時の様子))
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 開封し,上から眺めた様子です。

 乾燥したご飯のほかに,プラスチックのスプーンと乾燥剤も入っています。

 ご飯が干からびた感じです。

 このご飯は,一度炊いたご飯を乾燥させて作る「干し飯(ほしいい)」(アルファ化米)そのものだと思いました。

 昔からある非常食(兵糧食)の発想が,宇宙食に応用されているのですね。

 袋の中に熱湯を注ぎ,15分待ちました。

 出来上がったご飯がこちらです。

(宇宙白飯)
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 見事なご飯が出来上がりました。

 一度水分を飛ばしているので,米粒は若干ボソボソした感じはありますが,ふっくらとなって,ご飯として十分美味しいレベルでした。

 宇宙で白いご飯が食べられるのは,よく考えてみるととても贅沢なことではないでしょうか。


スペースカレー(宇宙日本食レトルトカレー)

 続いて,カレーを用意します。

 カレーはハウス食品が製造している「スペースカレー(宇宙日本食レトルトカレー)」です。

(スペースカレー(宇宙日本食レトルトカレー))
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 箱には「ウコン,カルシウムを多く含み,無重力の宇宙空間での生活をサポート 宇宙ステーション長期滞在用に特別に開発されたビーフカレー」と説明されており,カレーの写真のほかに,国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」の写真も掲載されています。

 箱の裏面には詳しい説明書きがありました。

(箱(裏面)説明書き)
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 その説明書きには,
(1)世界15カ国が協力して計画を進めている国際宇宙ステーション(ISS)に日本初の宇宙有人実験施設「きぼう」が取りつけられていること

(2)「スペースカレー」は,ハウス食品が宇宙航空研究開発機構(JAXA)とともに開発し,正式認証されていること

(3)ISSの中(無重力状態)で食べることを想定し,ウコン・カルシウムを多く含ませ,スパイシーで味を濃くしていること
 が説明されています。

 無重力状態では食べ物の重みだけでなく,舌で感じる味まで軽くなったように感じるのかも知れません。

 スペースカレーの箱を開け,レトルトを鍋に入れて熱湯で温めました。

 スペースカレーも完成です。


宇宙食で作ったカレーライス「スペースカレーライス」

 宇宙白飯を皿に盛りつけ,スペースカレーをかけました。

 これで宇宙食のみで作った「スペースカレーライス」の完成です。

(「スペースカレーライス」)
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 素晴らしいです。そして贅沢な組み合わせです。

 しばし感動を覚えながら,実際に「スペースカレーライス」を味わってみました。

 スペースカレーはビーフカレーなので,基本食材として牛肉が使われていますが,具材として一番多いのは「きのこ」類です。

 舞茸,エリンギ,マッシュルームといろんな種類のきのこが入っており,「きのこビーフカレー」と表現するとぴったり当てはまると思いました。

 味は洋風のカレーで,ハウス食品のお馴染みのレトルトカレーの味と大差はないように思いました。

 ただ,説明書きにもあったように,若干味が濃くて,こしょう系のスパイスもやや強く感じられる味に仕上げられています。

 この濃くてスパイシーなスペースカレーが宇宙白飯と一緒に食べるとちょうどよい味となり,途中からは宇宙食であることを忘れ,普通にカレーライスとして美味しくいただきました。

 なかなか楽しい宇宙食体験でした。


宇宙食に求められるナトリウム量制限と実例

 「宇宙日本食」は宇宙航空研究開発機構(JAXA)が認証した日本版の宇宙食のことで,和食に限らず日本で通常食べられているものが対象とされています。

 ただ,宇宙食である以上,やはり厳しい条件を数多くクリアしなければならないようです。

 例えば,「食品中のナトリウム量を1,000mg以下に抑える」という制限が設けられています。

 宇宙食の場合,なぜナトリウム量を制限する必要があるのでしょうか。

 宇宙空間は重力が微少となるため,骨からのカルシウム喪失が増加し,骨量が減少しやすくなります。

 こうした環境にあって,宇宙飛行士がカルシウムの代謝を促進させるナトリウムを多く摂取すると,骨量が減少するリスクをさらに高めてしまうこととなるのです。

 こうした事態を防ぐため,ナトリウム量に制限が設けられているという訳です。

 裏を返せば,カルシウムを強化した食品が望ましいとも言えます。

 今回の「スペースカレー(宇宙日本食レトルトカレー)」も,この骨量減少が考慮された食品となっています。

 具体的には,ビタミンD(※)やイソフラボンが添加されることで,カルシウムの調整・強化・吸収の促進や骨密度の強化が図られているのです。
 (※ビタミンD2,D3を含む食品として,魚肉,肝臓,鶏卵,きのこ,海藻類などがある。)

 先にこのスペースカレーは「きのこビーフカレー」という表現が合うとお話ししましたが,これはビタミンDを強化するため,ひいては人間の骨密度を安定させるためにきのこ類が多く入れられているとも言えるのです。

 この条件のほか,スペースカレーの場合は,宇宙放射線による細胞の酸化を考慮し,抗酸化作用のあるウコン(ターメリック)が強化(通常製品比 2倍強)されているなど,様々な工夫がなされています。

 レトルトカレー1つとっても,美味しさだけでなく,地球とは異なる宇宙の環境で働く宇宙飛行士の健康までも考慮された食品でないと,宇宙食と成り得る条件をクリア出来ないのです。

 宇宙飛行士の栄養確保・健康維持に必要不可欠な宇宙食。

 宇宙では宇宙データ観測,科学実験,医学実験など様々な活動が行われていますが,こうした活動を行えるのも,美味しい宇宙食があってこそです。

 宇宙食の確保・品質向上は,人間が宇宙で研究活動を行うための前提条件の1つと言えるでしょう。


<関連リンク>
 「国際宇宙ステーション(ISS)」(宇宙航空研究開発機構(JAXA))
 「宇宙日本食」(宇宙航空研究開発機構(JAXA))
 「スペースカレー<ビーフ>」(ハウス食品株式会社)
 「アルファ米を知る(宇宙日本食)」(尾西食品株式会社)

<関連記事>
 「宇宙食の世界1 -スペースブレッド- スペースワールド グランドフィナーレを迎えて
 「宇宙食の世界2 -ライスケーキ(おもち)-

2018年1月30日 (火)

広島のレモン菓子・レモンケーキ8

 広島で売られているレモン菓子・レモンケーキを御紹介します。


あじば農園「自然派レモンケーキ」

 広島県尾道市瀬戸田町の「あじば農園」と広島県安芸郡府中町の社会福祉法人 福祉の郷「なないろ作業所」のコラボにより誕生した「自然派レモンケーキ」です。

(あじば農園「自然派レモンケーキ」(包装))
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 あじば農園の無農薬レモン,東広島市福富町「はやしナチュラルファーム」の「こだわりたまご」,国産のバター・小麦粉・砂糖が使われた自然派のレモンケーキです。

(あじば農園「自然派レモンケーキ」)
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 サイズは横約7cm,幅約4.5cm,高さ約3.5cmです。

(あじば農園「自然派レモンケーキ」(中身))
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 レモンケーキの表面が,約5mmの厚さで濃い黄色になっているのがお分かりになるでしょうか。

 このレモンケーキは,表面をレモンチョコでコーティングする代わりに,表面を酸味の強いレモンシロップで浸したような加工がされています。

 中のしっかりと詰まったケーキ生地と表面のやわらかくレモンの酸味の強い生地の2層構造となっており,レモンチョコのアクセントとはひと味違ったレモンの酸味・風味の変化を楽しむことが出来ます。

 シンプルな見た目ですが,なかなか個性的なレモンケーキです。

 あじば農園では,このレモンケーキのほか,「ちーとすいー」(ちょっと酸っぱめのレモンケーキ),「ぶちすいー」(かなり酸っぱめのレモンケーキ),「ほろよいれもん」(お酒入りレモンケーキ),「はちみつれもん」(はちみつ入りレモンケーキ)などのレモンケーキがラインナップされています。

 「あじば農園」(広島県尾道市瀬戸田町高根187)
 「なないろ作業所」(広島県安芸郡府中町浜田三丁目9-1)


フランス菓子工房 ドルセ「せとのかレモンケーキ」

 福山市三吉町三丁目にあるカフェ・洋菓子店「フランス菓子工房 ドルセ」の「せとのかレモンケーキ」です。

(フランス菓子工房ドルセ「せとのかレモンケーキ」(包装))
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 ドルセのレモンケーキは,1977年の開店当時からの看板商品だそうです。

(フランス菓子工房ドルセ「せとのかレモンケーキ」)
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 サイズは横約8cm,幅約5cm,高さ約4cmで,レモンケーキの中では大きめです。

 黄色いレモンチョコがケーキの表面全体にコーティングされています。

(フランス菓子工房ドルセ「せとのかレモンケーキ」(中身))
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 ケーキ生地はショートケーキ生地のような,きめ細かくふわふわな仕上がりとなっています。

 小さなレモンピールも入っています。

 バター風味よりも若干レモン風味の方が強いケーキ生地に,程よい酸味のあるレモンチョコがかけられ,バランスのとれたレモンケーキとなっています。

 「フランス菓子工房 ドルセ」(福山市三吉町三丁目9-25)


メゾン・ラブレ「広島ケーキ」

 
広島市中区本川町一丁目にあるフランス菓子店「メゾン・ラブレ」の「広島ケーキ」です。

(メゾン・ラブレ「広島ケーキ」(包装))
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 レモンケーキではなく「広島ケーキ」と呼ばれています。

 レモンの実と葉がデザインされた包装です。

(メゾン・ラブレ「広島ケーキ」)
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 レモンの形ではなく,円形となっています。

 サイズは直径約8cm,高さ約2.5cmです。

 白いレモンチョコ(ホワイトチョコ)にレモンピールがのせられています。

(メゾン・ラブレ「広島ケーキ」(中身))
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 ケーキ生地はしっとりとしたバター風味となっています。
 そしてケーキ生地にも細かなレモンピールが入っています。

 ケーキ生地はもちろん,白いレモンチョコにもしっかりとレモンの酸味・風味があり,なおかつ上にのせられたやわらかく甘酸っぱいレモンピールもアクセントになっています。

 一度に様々なレモンの風味を味わえる,面白いレモンケーキです。

 「メゾン・ラブレ」(広島市中区本川町一丁目1-24)


 以上,レモン菓子・レモンケーキを購入される際の参考になれば幸いです。


<関連リンク>
 「レモンのお菓子」(「chibiaya日記」)
 chibiayaさんが,関東で販売されているレモンケーキを中心に,レモンケーキの情報を詳しく紹介されています。

<レモンケーキ関連記事>
 「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化事例研究」にある「レモンケーキ・レモン菓子」を御参照ください。

2018年1月25日 (木)

金色堂小坊主の耳かき -岩手県一関市-

JR一ノ関駅構内のお土産店で購入しました。

岩手県平泉町にある中尊寺のお坊さんの耳かきです。

包装には「金色堂小坊主耳かき」と耳かきの名称が記載されていました。

JR一ノ関駅は東北新幹線,東北本線,大船渡線の停車駅で,平泉も近いことから,お土産品も充実しています。

この金色堂小坊主は,頭に金色堂の屋根の形をした黄金色の笠をかぶっています。

また,右手に杖,左手に紫色の数珠を持ち,「中尊寺」と書かれた頭陀袋を首にかけています。

こんなに派手で目立つお坊さんがいたら,松尾芭蕉もびっくりでしょう。

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2018年1月19日 (金)

イタリア料理の特徴と主な料理5 -マロッキーノ-

 広島の百貨店「福屋八丁堀本店」で開催された「イタリア展」へ行ってきました。

 その会場に東京都目黒区にあるイタリアンバール「LoSPAZIO(ロ・スパッツイオ)」のバールコーナーがあったので,お邪魔しました。

 その店のメニューにあった「マロッキーノ(marocchino)」というドリンクを飲んでみたいと思ったからです。

 マロッキーノは,チョコレート,泡立てたミルク(フォームドミルク),エスプレッソコーヒー,ココアパウダーで作られるドリンクです。

 カウンターに座り,私が「マロッキーノを」と注文すると,バリスタから「飲み慣れてらっしゃるようですね」と言っていただき,すっかりいい気持ちになりながら,バリスタの技を拝見しました。

 耐熱グラスの底に,まず液体のチョコレートソースを全体の約1割程度注ぎ,その上から静かに温かいフォームドミルクを全体の約6割注ぎます。

 その上から,ゆっくりとエスプレッソコーヒーを全体の約3割注ぐと,白いフォームドミルクと混ざった部分がカプチーノのように変化します。

 仕上げに表面にココアパウダーをかければマロッキーノの完成です。

(マロッキーノ)
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 コップの底の黒い液体がチョコレートソース,その上の薄い褐色がフォームドミルクとエスプレッソが混ざったところ,グラス上部の白い層がフォームドミルク,表面の茶褐色がココアパウダーです。

 きれいに層を成しているのがお分かりになるかと思います。

 さてこれをどうやって飲むのか。
 飲み慣れてない私は戸惑いました(笑)。

 バリスタに伺ったところ,スプーンでかき混ぜて飲むとよいとのお話でしたので,少しもったいない気もしましたが,かき混ぜていただきました。

 実は私はミルクが苦手なので,正直なところ飲めるかどうか不安もあったのですが,実際にいただいてみると,チョコレート風味のカプチーノで,とても飲みやすく仕上がっていました。

 チョコレートソースとココアパウダーによるダブルのチョコレート風味と,フォームドミルクによりマイルドになったエスプレッソの相性が抜群です。

 カウンターでマロッキーノをゆっくり味わいながら,バリスタとの会話を楽しみました。

 マロッキーノはピエモンテ州(トリノなど)やロンバルディア州(ミラノなど)で人気のドリンクで,「モロッコ風の,モロッコ人の」という意味があるそうです。

 その呼び名の理由は,トッピングのチョコレートの褐色がモロッコ(人)を想像させるからではないかとおっしゃっていました。

 日本ではまだまだ知名度が低く,メニューにあるカフェ(バール)も少ないようですが,コーヒーチェーンで言えばドトールコーヒー系の「エクセシオールカフェ バリスタ」や「illy(イリー)」などで味わえるようです。

 興味を持たれた方は,ぜひお近くのバール,イタリア料理店,コーヒーチェーンなどで味わってみてください。


<関連リンク>
 「LoSPAZIO(ロ・スパッツイオ)」(東京都目黒区鷹番3-3-5ハーデンビル1F)
 「エクセシオールカフェ バリスタ」(店舗メニュー)
 「illy(イリー)」(店舗メニュー)

<参考文献>
 辻調理師専門学校監修/近藤乃里子・合田達子・正戸あゆみ著「イタリア料理基本用語」柴田書店

2018年1月13日 (土)

広島のレモン菓子・レモンケーキ7

 広島で売られているレモン菓子・レモンケーキを御紹介します。


エトワール大池「レモンケーキ」

 広島県三原市大和町和木の洋菓子店「エトワール大池」の「レモンケーキ」です。

(エトワール大池「レモンケーキ」(包装))
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 筆で「Lemon」と書かれ,おしゃれな包装デザインとなっています。

(エトワール大池「レモンケーキ」)
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 黄色いレモンチョコが浅めにコーティングされています。

 サイズは横約8cm,幅約5cm,高さ約3.5cmです。

(エトワール大池「レモンケーキ」(中身))
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 きめ細やかで上品なケーキ生地で,まるでショートケーキを食べているかのようです。

 レモンの風味とバターの風味がバランスよく感じられる,洋菓子店らしさが表現されたレモンケーキだと思います。

 「エトワール大池」(広島県三原市大和町和木1530-1)


Madam Honey「尾道レモンケーキ」

 広島県尾道市御調町市の洋菓子店「Madam Honey(マダムハニー)」の「尾道レモンケーキ」です。

(Madam Honey「尾道レモンケーキ」(包装))
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 レモンケーキのサイズとしては比較的大きめで,ずっしりとした重量感があります。

(Madam Honey「尾道レモンケーキ」)
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 白いレモンチョコが浅めにコーティングされています。

 サイズは横約8cm,幅約6cm,高さ約4.5cmです。

(Madam Honey「尾道レモンケーキ」(中身))
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 ケーキ生地は,コクのあるしっとり系バターケーキです。

 レモン,バターそしてアーモンドの風味までも感じられるレモンケーキとなっています。

 「Madam Honey(マダムハニー)」(広島県尾道市御調町市1194-1)


手創りケーキ工房 エンジェル「広島レモンケーキ」

 広島県福山市駅家町にある洋菓子店「手創りケーキ工房 エンジェル」の「広島レモンケーキ」です。

(手創りケーキ工房 エンジェル「広島レモンケーキ」(包装))
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 2017年度の全国菓子博覧会で厚生労働大臣賞を受賞したレモンケーキです。

(手創りケーキ工房 エンジェル「広島レモンケーキ」)
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 レモンケーキでは珍しく,半球状の形をしています。
 (直径約5.5cm,高さ約4cm)

 福山市役所のウェブページによると,洋菓子店の所在地である福山の「山」の形「福の山」が表現されているとのことです。

(手創りケーキ工房 エンジェル「広島レモンケーキ」(中身))
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 レモンチョコが全体にまんべんなくコーティングされています。

 きめ細かいケーキ生地です。
 
 レモンチョコのレモンの風味と,コクのあるバターの風味が楽しめるレモンケーキに仕上げられています。

 「手創りケーキ工房 エンジェル」(広島県福山市駅家町倉光24-15)
 「イチオシ!福山ビジネス手土産~名刺と一緒に福山土産~」(福山市産業振興課)


ゆういちのパン屋「はつ恋ハートレモンタルト」

 広島県尾道市高須町にあるパン・洋菓子店「ゆういちのパン屋」の「はつ恋ハートレモンタルト」です。

(ゆういちのパン屋「はつ恋ハートレモンタルト」(包装))
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 「はつ恋」の文字からデザインされた顔が,どことなく切ない,泣いているような印象を受けるのですが,皆さんはいかがでしょうか。

(ゆういちのパン屋「はつ恋ハートレモンタルト」)
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 ハート形のタルトの上に,尾道市瀬戸田産のハート形のレモン「ハートレモン」の輪切りがのせられたレモン菓子です。

(ゆういちのパン屋「はつ恋ハートレモンタルト」(中身))
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 断面を見ると,タルト生地の上にクリームがのせられ,その上にハートレモンの輪切りがのせられていることがわかります。

 タルト生地はしっかりとかための生地です。

 クリームはカスタードとチーズで作られています。

 ハートレモンはシロップ漬けにすることで,酸味を抑え,甘さのある仕上がりになっていました。

 ハート形のレモンをお菓子に活用するだけでなく,タルト生地まで同じハート形にしてお菓子に統一感を持たせるとは,なかなか面白いアイデアですね。

 「ゆういちのパン屋」(広島県尾道市高須町東新涯4778-2)


 以上,レモン菓子・レモンケーキを購入される際の参考になれば幸いです。


<関連リンク>
 「レモンのお菓子」(「chibiaya日記」)
 chibiayaさんが,関東で販売されているレモンケーキを中心に,レモンケーキの情報を詳しく紹介されています。

<レモンケーキ関連記事>
 「レモンケーキとブランデーケーキ -レモンケーキが今も支持されている理由-
 「広島のレモン菓子・レモンケーキ1 -和菓子から生まれた日本独自の洋菓子-
 「広島のレモン菓子・レモンケーキ2 -レモンケーキの分類方法-
 「広島のレモン菓子・レモンケーキ3
 「広島のレモン菓子・レモンケーキ4
 「広島のレモン菓子・レモンケーキ5 -レモンブラン-
 「広島のレモン菓子・レモンケーキ6

2018年1月 9日 (火)

ふぐで作られたふぐの耳かき -山口県下関市-

下関で有名なふぐの耳かきです。

このふぐは何と本物のふぐで作られています。

胴体はふぐの皮を乾燥させ,ふくらませて作られています。

くちばしやひれは,クサフグなど小さなふぐのものが使われているのでしょう。

目玉そして頭の麦わら帽子と花はふぐのものではありませんが…。

とてもデリケートな作りのため,ビニール袋に覆われて売られていました。

魚の干物特有のにおいまでリアルな珍しい耳かきです。

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2018年1月 4日 (木)

長野県東御市の風土とフード -信濃くるみ・黒糖くるみ・くるみおはぎ・クソ爺のこだわり・花豆チョコ-

 2017年11月に長野県東御(とうみ)市を訪問しました。

 同市内の「ヴィラデスト ガーデンファームアンドワイナリー」を訪問した後,しなの鉄道田中駅に隣接する「東御市観光情報ステーション(信州とうみ観光協会)」へ行き,東御市の観光名所などを教えていただくこととしました。

(しなの鉄道田中駅と115系電車)
115

 しなの鉄道田中駅に停車していた115系電車です。
 赤とグレーの「しなの鉄道色」が印象的です。

 観光協会の方から,「北国街道『海野宿(うんのじゅく)』へ行けば,お土産屋さんも多く,千曲川(ちくまがわ)の景色もきれいですよ。」と教えていただいたので,車で訪問してみました。

(夕暮れの千曲川)
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 海野宿の起点,白鳥神社付近から眺めた夕暮れの千曲川です。

(海野宿・重要伝統的建造物群保存地区)
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 北国街道の宿場町として栄えた海野宿の重要伝統的建造物群保存地区の様子です。

 岡山県倉敷市の美観地区や島根県津和野町の町並みと雰囲気が似ているように思いました。

 海野宿で見つけた東御市の名産を御紹介したいと思います。


信濃くるみ

 「道の駅 雷電くるみの里」の海野宿店,「せせらぎ」というお店に伺いました。

 店内には,東御市の特産品「信濃くるみ」やその加工食品を中心にたくさんのお土産が販売されていました。

 私がお店の方に「くるみを割るためにはくるみ割り器が必要ですよね…」とお話しすると,お店の方は「器具がなくても,マイナスドライバーやかなづちがあれば簡単に割れますよ。」とおっしゃり,実際にくるみを割って試食させていただきました。

 次々といとも簡単にくるみを割られる様子を目の当たりにし,驚きました。

(信濃くるみ)
Photo_3

 やさしいクリーム色の殻をした信濃くるみです。
 
 一度割ったら,殻は意外にもろいので,中のナッツは手で取り出せます。

 信濃くるみはコクがありますが,脂肪のしつこさがなく,一度食べたら止まらないおいしさでした。


信濃くるみの黒糖菓子

 信濃くるみに黒糖がまぶされたお菓子も売られていたので,購入しました。

(信濃くるみの黒糖菓子)
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 信濃くるみに黒糖がまぶされたもので,かくし味の塩も甘みを引き立てています。

 大豆やピーナッツに黒糖をコーティングしたお菓子はよく見かけますが,くるみというのは珍しいですね。


くるみおはぎ

 道の駅雷電くるみの里の人気商品,くるみおはぎも購入しました。

(くるみおはぎ)
Photo_5

 地元産のもち米とくるみを使ったおはぎです。

 細かく擂ったくるみに砂糖,塩,醤油を加え,もち米の表面にまぶしたおはぎです。

 きな粉おはぎに似ていますが,くるみの持つ深いコクと香ばしさを味わうことができます。

 醤油の味も手伝って,甘じょっぱい味にどこか懐かしさを感じるおはぎでした。


「クソ爺のこだわり」

 続いて海野宿の入口付近にある「齋藤商店」を訪問しました。

 散策していてとても気になる看板を見つけたからです。

(齋藤商店看板)
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 「クソ爺のこだわり?」

 これはちょっとお話を聞いてみなければと思い,それらしき人を探しました。

 すると真田幸村の赤い甲冑を身に付けた男性がおられたので,つい私はこう話かけてしまいました。

 「あなたがクソ爺さんですか?(笑)」

 「はいそうです。」というお返事をいただいてから,おもしろおかしく二人で会話が盛り上がりました。

 こちらがその「クソ爺のこだわり」です。

(「クソ爺のこだわり」包装)
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 「クソ爺のこだわり」とは椎茸のフライのことでした。

(「クソ爺のこだわり」)
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 小ぶりの椎茸をカラカラによく油で揚げ,ブドウ糖,食塩,胡椒で味付けたスナックです。

 しょっぱそうなスナックに見えると思いますが,実はとても甘いのです。

 まるで白あんを食べているかような甘味があります。

 椎茸特有のにおいもほとんどなく,椎茸が得意でない人もおいしく食べられるよう工夫がされています。

 それもそのはず,「クソ爺」さん御自身が椎茸が苦手なのだそうです(笑)。

 御自分は椎茸が苦手なのに,人にはこだわりの商品として売っておられるのです(笑)。

 とてもおもしろい商売をされているな,これが魅力なのだろうなと感心しました。


「花豆チョコ」

 もう1つ,「新商品を開発したから」とすすめられたのが「花豆チョコ」です。

(「花豆チョコ」)
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 長野は花豆の生産地でもあります。

 その花豆の甘納豆にチョコレートをコーティングしたお菓子です。

 ゴディバのチョコレートが使われているそうです。

 大きく食べ応えのある花豆とチョコレートの相性が良く,これなら自信を持って商品として売れるのではと思いました。


長野県東御市の風土と食文化

 「クソ爺」こと齋藤さんから,くるみをいただきながら,なぜ東御市がくるみの産地になったのかお話を伺うことが出来ました。

 くるみはもともと,東御市の東にある軽井沢で栽培されていたようです。

 軽井沢と言えば,明治以降,避暑地として多くの外国人が滞在し,国際的リゾート地として発展してきた地です。

 滞在する外国人から,くるみ(ウォルナッツ)の需要も出てきたのでしょう。

 しかし,軽井沢の気候は,くるみの栽培地としては適さなかったようで,くるみの栽培地は徐々に西へ向かうこととなります。

 そしてくるみの栽培に適していた地が東御市だったようです。

 雨が少なく,水はけがよく,日照時間が長く,昼夜の寒暖差が大きく,土壌の質が良い東御市は,良質なくるみを栽培するのに最もふさわしい場所とされ,本格的なくるみの産地になったというお話でした。

 軽井沢に滞在する外国人の需要と東御市の風土が合致して,くるみの一大産地となったのですね。

 ここまでお話を伺って,ふと「ヴィラデスト ガーデンファームアンドワイナリー」を訪問した時のことを思い出しました。

 東御市は「千曲川ワインバレー」と呼ばれるほどワイナリーが多い地域でもあります。

 くるみと同様に,東御市の風土に合うブドウやリンゴを栽培し,ワインやシードル(リンゴ酒)を作るというのは,理に適っていることなのです。

 軽井沢が近いことと洋酒であるワインやシードルの需要があることにも何らかの関連性があることでしょう。

 このあたりまで理解できると,食のフィールドワークを通じた地域の研究は面白いと感じていただけるのではないでしょうか。


<関連サイト>
 「信州とうみ観光協会」(長野県東御市田中279)
 「道の駅 雷電くるみの里 海野宿店『せせらぎ』」(長野県東御市本海野1100)
 「千曲川ワインバレー」(NAGANO WINE応援団運営委員会・長野県産業労働部)

<関連記事>
 「長野県東御市 ヴィラデスト ガーデンファームアンドワイナリー訪問ノート

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