2017年11月21日 (火)

昆虫食の研究5 -岐阜県恵那市「くしはらヘボまつり」ヘボの刺傷被害-

ヘボが多く飛び回る危険なイベント

 今回はヘボ(クロスズメバチ,シダクロスズメバチ)の刺傷被害について御報告したいと思います。

 昨年(2016年),私はスズメバチが黒色に対して激しく攻撃することを知らず,黒いジャンパーに黒いジーンズ姿,そして無帽の黒髪,黒い靴,黒いリュックサック,黒いカメラ…とまさに全身黒一色の無防備な姿で会場へ行き,帰りにヘボに刺されてしまいました。

 それを反省し,今年は白いジャージ上下,帽子,軍手を持参し,会場に着いたらその場で着ている服の上から着用しようと考えていました。

 しかしながら…。

 会場に着き,バスを降りた瞬間からヘボがたくさん飛び回っており,ジャージを着用しようとしても,服の中にヘボが飛び込んでくるほど多く飛び回っていたので,服の上からジャージを着用することすら大変な思いをしました。

 「今年は昨年以上にヘボがたくさん飛び交っている。刺されないよう気をつけないと。」というのが,会場に着いた時の感想でした。

 何とかジャージ上下,帽子,軍手を着用し,これで今年はひとまず安心と思いつつ,メイン会場へ向かいました。

 ヘボの巣の出品者やイベント関係者はもとより,見学客の皆さんも,ヘボに刺されないようしっかり防護されている方が多いように思いました。


ヘボが多く飛び回っていた理由

 ヘボが多く飛び回っていた理由として考えられるのは,

(1)晴天で日差しが強く,ヘボが活動しやすい天候・気温であったこと。

(2)ヘボの巣を車で移動させたり,会場で取り出したり,出品するために袋詰めにするなど,巣を防衛しようとするヘボに対し,過度に興奮・怒らせる行動をとっていたこと。

(3)ヘボの巣が1か所に集中するため,巣から飛び出すヘボを制御しきれないこと。

(4)スズメバチは黒に対して激しく攻撃する習性があり,それは主に人間をターゲットにしているからと言われているが,今回のイベントでは,そのターゲットである人間が多く存在していたこと。

(5)会場で飲食する人が多く,ヘボ飯やヘボ五平餅,ジュースなどヘボが好む炭水化物源が多く存在したこと。

 などが挙げられると思います。

(ヘボの巣コンテストの様子)
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(柳原望『高杉さん家のおべんとう 3』第20話「Have a good ヘボタイム」から引用)


人間が美味しいと思うものはヘボだって美味しい?

 私がヘボまつりで楽しみにしているのは,飲食物などが販売されている販売会場です。

 昨年以上にヘボがたくさん飛び交っているのを警戒してか,会場内で最もヘボが多く飛び交っているコンテスト会場周辺は,イベント主催者,ヘボの巣の出品者,購入予定者など関係者以外の見学客は,あまり長居せず,販売会場の方へ向かわれる方が多いように思いました。

 私も今回刺されたら危険ですし,どちらかと言えば興味があるのはヘボの食文化の方なので,早々に飲食物などが販売されている販売会場の方へ向かいました。

(販売会場の様子)
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 まだこちらの販売会場の方が飛び交うヘボの数が少なく,安全な様子でした。

 そこで私は人気のくしはら名物「ヘボ五平」を購入するため,列に並んで順番を待っていました。

 しかしやはり,立ち止まっていると,販売会場にまでヘボがどんどん飛んできて,振り切るためにじっと立っていられないという状況で,ヘボに慣れない私は大変でした。

 逆に,私の後ろで並んでおられた地元の御夫婦は,先程ヘボに刺されたにもかかわらず,平気な様子で順番を待っておられました。

 私には信じられないことです。

 私はスズメバチ研究者の山内博美さんと御一緒させていただいたので,お互いヘボが体にとまったら(手で払いのけるのは危険なので)フッと息を吹きかけてヘボを追い払うことで何とかしのぎ,無事ヘボ五平餅を購入することが出来ました。

(くしはら名物「ヘボ五平」の看板)
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 「日本でここだけ!?…かも。」と案内されていますが,そのとおりだと思います(笑)。

(五平餅にヘボ入り味噌だれを塗る様子)
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 味噌だれに混ざっている黒い粒々がヘボです。

 飛び回っているヘボも,この香ばしくて甘味のある味噌だれが好物のようです。

(くしはら名物「ヘボ五平」)
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 くしはら名物「ヘボ五平」です。

 ヘボまつりへ来たからには,押さえておきたい一品です。

 私が五平餅を買っている間に,山内さんが「へぼ御飯」を2人分買ってきてくださいました。

 「へぼ御飯」は,醤油,酒,みりんなどで調味されたヘボの蜂の子入り炊き込みご飯で,蜂の子は幼虫から成虫に近いものまで,様々な成長過程のヘボが具として混ぜ込まれています。

(「へぼ御飯」(クローズアップ))
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 昨年,左手をヘボに刺されて激痛が走る中,複雑な思いで夕食としていただいた「へぼ御飯」。思い出深い一品です。

 当日,会場に来られると伺っていた大手衛生薬品メーカーの研究員Hさんとも合流でき,山内さん,Hさん,私の3人でヘボ料理の昼食をとることとなりました。

 販売会場周辺にもヘボがたくさん飛び回っていたので,さらに離れた場所の芝生広場に座って食事しました。

 それでも…いざ「ヘボ五平」や「へぼ御飯」を広げて食事しようとすると,ヘボが食べ物を目掛けてたくさん寄ってきました。

(「へぼ御飯」を食べるヘボ)
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 炭水化物源はヘボの好物なのでしょうが,これ共食いに近いですよね…。

 ゆっくり腰を落ち着けて食事や会話を楽しみたいと思ったのですが,どこへ行ってもヘボがたくさん飛び回っており,じっとしていると体にとまるので,その状況に耐えられず,私は立って移動しながら食事しました。

 行儀悪いなんて言っている状況ではないのです。

 一方で,山内さんとHさんは,私とは対照的に落ち着いて座ったまま食事をされていました。

 初めて参加されたHさんは,むしろ寄ってくるヘボと遊んでおられるようにさえ見受けられました。

 Hさんから会場内の施設「マレットハウス」で購入されたオオスズメバチの焼酎漬けを紹介していただきました。

 その時のHさんの目がとても輝いておられたのが印象的でした。


当日の刺傷被害状況

(芝生広場での刺傷被害)

 3人でヘボ料理を味わい,会話を楽しんでいた最中,山内さんがヘボに口元を刺されました。

 ヘボまつり参加5回目にして初めて刺されたらしく,すぐに水洗いし,救護所に行かれて応急処置を受けられていました。

 「口元は痛いだろうな」,「アナフィラキシー(ショック)は起きないだろうか」など山内さんのお体を心配しつつ,しばらく様子を伺ったのですが,大丈夫とのお話だったので,ひとまず安心しました。

 人間だけでなくヘボも「ヘボ五平」や「へぼ御飯」が大好物なのでしょう。
 ヘボが間断なく食べ物目がけて飛んでくるので,早々に食べ切って芝生広場から移動することとしました。

 3人で移動中,私が「こんなにヘボが呼び寄せる食べ物は持ち歩きたくない」と思っていたところ,「せっかくだからお土産に買って帰ろう」とさらに「ヘボ五平」を買っておられたHさんには,さすがだなと思わずにはいられませんでした。

(商業施設「マレットハウス」での刺傷被害)

 車で来場されたHさんは引き続き会場をまわり,ヘボの巣の出品者などにヒアリングされるとのお話だったので,帰りのバスの時刻が迫っていた山内さんと私はここで失礼させていただき,バスが来る時刻まで近くの施設「マレットハウス」でお土産などを見ながら過ごすこととしました。

 昨年,店内だから大丈夫と油断していた私がヘボに左手を刺された場所です。

 しばらく見て回っていると,山内さんがまたヘボに刺されてしまいました。

 今度は右手の親指です。

 親指の爪の近くだったこともあり,大きく腫れあがることはなかった様子ですが,もうこりごりだという御様子でした。

 「マレットハウス」を出て,なるべくメイン会場から離れた場所で帰りのバスを待つことにしました。

(バスを待つ道路上での刺傷被害)

 山内さんと私は,メイン会場からなるべく離れた場所へ移動して帰りのバスを待っていたわけですが,それでも今年のヘボは数が多く,ひっきりなしに私達の体に襲ってきました。

 お互いヘボが体にとまっていないか確認し,相手にヘボがとまっているのがわかると,お互いが息を吹きかけてヘボを追い払うという対処を何度も繰り返しながら,バスが来るのを待ちました。

 その時,私は首の後ろ側,カッターシャツの襟の奥の方がゴソゴソする感じがしました。

 後ろ側なので直接様子がわからなかったこともあるのですが,つい後ろに手を伸ばし,寄ってきたヘボを手で払い除けようとしてしまいました。

 その瞬間です。

 「いててててーっ!!!」

 私の首筋をヘボが刺してきました。

 二度目は危ないと,あれほど恐れていたことが起きてしまったのです。

(ヘボに刺された首筋)
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 大丈夫なんだろうかと不安に思いながら,私も救護所に駆け込みました。

(救護用品)
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 救護所には「エクストラクター」(写真左上の黄色い器具)や「インセクトポイズンリムーバー」(写真中央の3本の白い器具)といった毒液を吸い出すための器具や軟膏(写真右上)が用意されていました。

 私は針が残っていないか患部を見てもらい,これを塗って応急処置していただきました。

(キンカン)
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 キンカンです。

 山奥の会場で,ヘボに刺されたぐらいで動揺してはいけないのです(笑)。

 後でよく考えたら,首の後ろ側だったこともあり,毒出しの水洗いもしていませんでした。

 でも不思議と,去年刺された時のように後で激痛に襲われることもなく,腫れも蚊に刺された程度の大きさで済みました。

 むしろ首筋に鍼治療を受け,肩が軽くなったような感じすらしました。

 鍼治療と言っても,スズメバチの毒針ですが…(笑)。

 冗談はさておき,私の気持ちが軽くなったことは確かです。

 なぜなら,山内さんが同日ヘボに2か所も刺されてしまったので,私が山内さんをヘボまつりにお誘いしたことを申し訳なく思うようになっていたのですが,そんな矢先に私もヘボに刺されたからです。

 これでおあいこ。

 ヘボに刺された箇所は少し痛かったですが,その分気持ちや肩も軽くなって帰路につきました。

 ※スズメバチに刺された時の対処法につきましては,山内さんが「スズメバチに刺された時の対処法」としてまとめておられますので,こちらを参考になさってください。


ヘボに刺された私が癒されたのは…

 明知鉄道明智駅に向かうバスの中で,山内さんと「昨年診察してもらった広島の病院にはもう行けない。またヘボまつりへ行って刺されたなんて報告したら医者から怒られるに決まっている…。」と真面目に冗談話をしました。

 明智駅の駅舎では,数量限定で「寒天かすていら」が販売されていました。

(寒天かすていら)
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 恵那市は岩村町のカステラや山岡町の細寒天が有名なのですが,そのコラボ商品です。

(寒天かすていら(中身))
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 寒天入りのカステラなので,とてもしっかりした,弾力のある生地に仕上がっていました。

 甘味の強い,昔ながらの素朴なカステラという印象を持ちました。寒天入りなので,体にも良いことでしょう。

 恵那行きの電車を待っていると,駅構内やホームにアニメキャラか何かの着ぐるみをした皆さんがおられました。

 せっかくなので,記念に何枚か写真を撮らせていただきました。

(着ぐるみキャラ(セーラー服))
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(着ぐるみキャラ(ペア))
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 写真撮影している間は夢中になり,ヘボに刺されたことなどすっかり忘れていました。

 この着ぐるみキャラの皆さんと一緒の電車で恵那駅まで戻り,恵那駅からはJR中央本線で名古屋駅へ。名古屋駅近くの喫茶店で山内さんとしばし会話を楽しんだ後,山内さんは帰宅され,私も新幹線で広島に戻りました。


ヘボの刺傷被害に遭わないために

 最後に,昨年に続き今年もヘボに刺された私が,その経験をもとにヘボまつりでヘボに刺されないための対策をまとめておきます。

 それは次の2つだと思います。

(1)ヘボが体にとまっても手で払い除けようとしないこと。

(2)そで口や襟元など衣服の開口部をしっかりふさいでおくこと。

 ヘボまつりではヘボが異常に飛び回っているので,黒い服・持ち物を避けるというのはもはやあまり関係ないレベルでした。

 実際,今回は山内さんも私も黒はなるべく避けたにもかかわらず,ヘボ刺された訳ですから。

 それよりも,巣の移動・搬入などですでに興奮し,怒っているヘボをこれ以上怒らせず(※(1)の対策),巣のような進入路を設けない(※(2)の対策)ことが防止策となるように思いました。

 そのためには,場の雰囲気を和ませ,全身を衣装で覆った「着ぐるみキャラ」の皆さんのような格好で参加するのが一番なのかも知れません(笑)。

(クロスズメバチ(ヘボ)の対処法)
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(柳原望『高杉さん家のおべんとう 3』第20話「Have a good ヘボタイム」から引用)

 今年もヘボに刺されてしまいましたが大したことはなく,山内さんとの再会やHさんとの出会いもあって,忘れられない良き思い出となりました。

 御興味を持たれた方は,ぜひ恵那へお越しください。


<関連リンク>
 「ヘボの巣コンテスト2017」(「都市のスズメバチ」山内博美氏 この記事と同じ刺傷被害が紹介されています。)
 「くしはらヘボまつり」(「え~な恵那」恵那市観光協会)
 「くしはらヘボまつり(ヘボの巣コンテスト)」(「ぎふの旅ガイド」岐阜県観光連盟)
 「明智鉄道株式会社

<関連記事>
 「昆虫食の研究1 -岐阜県恵那市「くしはらヘボまつり」ヘボの巣コンテスト-
 「昆虫食の研究2 -岐阜県恵那市「くしはらヘボまつり」ヘボ五平餅とヘボ飯-
 「昆虫食の研究3 -岐阜県恵那市「くしはらヘボまつり」ヘボの甘露煮とヘボ・蚕のロースト-
 「昆虫食の研究4 -岐阜県恵那市「くしはらヘボまつり」ヘボミュージアムとヘボ料理-

<参考文献>
 山内博美『都市のスズメバチ』中日出版社
 柳原望『高杉さん家のおべんとう 3』メディアファクトリー

2017年11月18日 (土)

福岡ソフトバンクホークスの耳かき -福岡県福岡市-

 ホークスグッズのショップ「ダグアウト小倉店」で購入しました。

 福岡ソフトバンクホークスのロゴ「Sh」の飾りが付けられた公式グッズの耳かきです。

 950円(2017年現在)しましたが,透明なケースに入れられており,ホークスファンの人への贈り物や福岡のお土産としても良さそうです。

 私は福岡ソフトバンクホークスの「いざゆけ若鷹軍団」という公式球団歌が好きです。

 地元ではダイエー時代にスーパーやダイエーグループ各店舗でBGMとして頻繁にかけられていた歌らしく,「この歌を聞くとスーパーを想像する」と言う人もいました(笑)。

 私の場合,この歌を聞くと福岡に来たことを実感します(笑)。

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 祝 2017年福岡ソフトバンクホークス パ・リーグ優勝!日本一!

2017年11月12日 (日)

昆虫食の研究4 -岐阜県恵那市「くしはらヘボまつり」ヘボミュージアムとヘボ料理-

今年(2017年)も「くしはらヘボまつり」に参加

 毎年11月3日(文化の日)には,岐阜県恵那市串原で「くしはらヘボまつり」(ヘボの巣コンテスト)が開催されます。

 ※ヘボ:クロスズメバチ,シダクロスズメバチの東濃地方での呼び名

 昨年(2016年),初めてこのイベントに参加して以来,私は職場などですっかり「虫好き」な人間とされてしまい(本当は大の苦手なのですが…),よく虫(昆虫食)の話題が出るようになりました。

 そうなると,開催日の11月3日が近づくにつれ,「くしはらヘボまつり」を意識するようになってしまいます。

 また,この日が近づくにつれ,昨年会場でお会いしたスズメバチ研究者の山内博美さんにもまたお会いできればと思うようになりました。

 ただ,私は昨年参加した際にヘボに刺されてしまい,病院でも医者に散々脅かされたので,今回も刺されたらアレルギー反応(アナフィラキシーショック)で最悪の場合生死に関わるのではないかという恐ろしさもありました。

 参加するかどうか数日悩みましたが,リスクを考えていたらリターンも得られないのは当然のことです。

 そこで,思い切って私から山内さんに連絡してみたところ,「会いましょう」と快諾していただけたため,今年も参加する決意を固めました。

 前日に長野県東御市にある「ヴィラデスト ガーデンファームアンドワイナリー」へ行き,同県松本市内のホテルに宿泊したため,今回は松本市から会場へ向かうこととしました。

 早朝,松本市からレンタカーで中央自動車道を走行して岐阜県中津川市へ向かいました。
 中津川駅からはJR中央本線で恵那駅へ行き,恵那駅にて山内さんと合流することができました。
 そして山内さんと一緒に恵那駅発の明智鉄道に乗って終点の明智駅へ行き,明智駅からは「恵那市自主運行バス」に乗って会場の串原に到着しました。

(明智駅に到着する急行「大正ロマン1号」)
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くしはらヘボまつり会場

 昨年広島から訪問するのも大変でしたが,今回松本から訪問するのも大変でした。

 当日はよく晴れており,日差しも強く感じました。

 それも影響してか,会場に着き,バスを降りた瞬間からたくさんのヘボが飛び回っていました。

 「危ないな,刺されないよう気をつけねば」と思いつつ,メイン会場に向かいました。

(日程表)
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(ヘボの巣コンテスト会場周辺の様子)
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 会場は今年も大勢の人で賑わっていました。

(ヘボの巣コンテスト会場の様子)
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 見学客の皆さんも,ヘボに刺されないようしっかり防護されている方が多いように思いました。

(車でヘボの巣が搬入される様子(ビニールハウス内))
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 会場奥のビニールハウス内でヘボの巣の搬入作業が行われていました。

 覆っているビニールシートにも,巣から飛び出したヘボがたくさんとまっています。

 搬入されたヘボの巣は,計量審査が行われた後,袋詰めされ,隣の展示会場で展示・販売されます。

(ヘボの巣の展示・販売)
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 展示会場いっぱいに山積みされた出品者自慢のヘボの巣です。

 ヘボの巣と一緒に,飛び交うヘボもたくさん袋詰めされていました。

 ヘボの巣の単価は1kgあたり8,000円となっていました。

 昨年は1kgあたり9,000円だったので,少し安くなっています。

 今年は全部で144の出品があったようです。

 私が買って,中でヘボがブンブン飛び回っているヘボの巣の袋を新幹線に持ち込んだら…恐らく規則違反で途中で降ろされ,広島には帰れないでしょう。それどころかニュースになって…。


ヘボミュージアム

 ヘボの巣コンテスト会場の一角に,今回初めて見る施設がありました。

 岐阜県立恵那農業高等学校(HEBO倶楽部)が2017年10月に制作した「ヘボミュージアム」です。

(ヘボミュージアム)
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 木造の小さな小屋で温かみのある手作り感いっぱいのミュージアムです。

(ヘボミュージアム案内ポスター)
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 入口にヘボミュージアムの案内ポスターが掲示されていました。

 ポスターには,ヘボやヘボ五平餅の写真とともに,「東濃のソウルフード”ヘボ” とる・そだてる・たべる 自然を味わい・活かす文化を受け継ぎたい。桧の小屋に私達の思いを詰めました。恵那農業高校 HEBO倶楽部」と書かれています。

 私もブログを通じてヘボの食文化をお伝えし,その一助になればと思いつつ,中を見学させていただきました。

(ヘボの巣)
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 ヘボの巣の標本が展示されていました。

 「新女王の巣盤の巣房の1セルは一回り大きい」と説明されています。

 働きバチがシングルルーム,女王バチがスイートルームに泊まっているようなイメージでしょうか。

 こうした標本それぞれの説明文が,日本語だけでなく英語も併記してされていることにも感心しました。

(パネル「ヘボは食べ物」)
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 ヘボはかつて全国各地で食べられていたようです。

 左半分の日本地図を見ると,宮城・千葉・大阪・徳島・佐賀以外は過去の文献・資料でヘボの記載が確認されていることがわかります。

 私自身も,広島に戻って職場で蜂の子のお土産を配った際,「昔クロスズメバチ(ヘボ)の巣を探して,巣の幼虫を食べていた。」と証言する人がいて,広島県の中山間地域でも食用としていた地域があることに驚きました。

 右半分の中部地方の地図を見ると,岐阜や長野を中心にヘボの食文化が広がっており,一般的にはヘボを煎る・煮付けるという調理法で食べられているのですが,ヘボの混ぜご飯や寿司,五平餅といったさらに手の込んだ調理法を持つ地域となると恵那市や中津川市に多いことが説明されています。

(パネル「ヘボ飯の準備と調理」)
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 ヘボ飯の準備と調理方法を紹介するパネルです。

 パネル中央上部から,時計回りにすごろくのように紹介されています。

 910g(9,000円)のヘボの巣を入手し,巣室から蜂の子を1匹ずつ引き抜く作業だけで約4時間!

 この作業で蜂の子が600g採れたとあります。ということは実質100gあたり1,500円(9,000円÷(600g÷100g))の食材!黒毛和牛やうなぎと同等の値段ですね。

 そうして苦労して採取した蜂の子(お好みでゴボウ,ショウガも加える)を醤油,砂糖,酒で煮付け,煮汁で炊いたご飯とまぜて,ヘボ飯の出来上がりです。

 ヘボの巣を自分で育てるとなると,さらに時間が必要となる訳で,ヘボ飯に限らず,ヘボを使った料理には想像をはるかに超えた時間や労力,お金が必要となることが御理解いただけるかと思います。

(ヘボ料理の紹介)
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 ミュージアムの中央に様々なヘボ料理が紹介されていました。

 食器の上に料理の写真が貼られたイメージ展示品ですが,ヘボを食べるといっても,佃煮やローストだけでなく,いろんな料理があるものだと思いました。

 紹介されている料理は,少し見えづらいと思いますが,左下から時計回りにヘボ飯,オオスズメバチ焼酎,ヘボ朴葉寿司,ヘボのデザート(柿とチーズ),ヘボ煮付け(佃煮),ヘボ成虫のかき揚げ,ヘボちらし寿司,ヘボ箱寿司などです。

 中山間部で貴重なタンパク源であるヘボを様々な料理に応用し,美味しく食べる工夫がなされてきたことがよく理解出来ます。


ヘボ料理を民俗学の視点から理解する

 今回,ヘボの食文化という視点からヘボミュージアムの展示品や資料を見学させていただきましたが,改めて思ったのは「ヘボ料理は『ハレ』の日のごちそう」だということです。

 ヘボを佃煮やローストにして保存性を高め,おかずとして日常から食べられていたかも知れませんが,ここまで手間暇かかる料理が毎日のように作られていたわけではないでしょう。

 当日,地元の方にお話を伺った際にも,「ヘボ料理はお祝いの日など特別な日に食べる高級料理だ」とおっしゃっていました。

 民俗学の世界では,お祝いごとなど特別な日を「ハレ」,日常を「ケ」と定義して民俗研究を行う方法があります。

 民俗学者 柳田国男の研究では,日常(ケ)の食事が粒食(主に雑穀)中心なのに対し,特別な日(ハレの日)の食事は粉食(小麦粉,米粉,餅(米),そば粉など)が中心であるとまとめられています。

 この違いを一言で説明すると,「料理を作るのに手間暇かかるかどうかの違い」だと言うことが出来ます。

 ヘボ料理は粒食か粉食かで区別されるものではありませんが,ヘボの巣を見つけ,育て,(または高額なお金を出して購入して,)その巣から蜂の子を何時間もかけて取り出し,さらにそれを調理する作業は,とても手間暇かかるということを踏まえれば,明らかに「ハレ」の日の食事に分類されることとなるでしょう。

 こうした観点でヘボミュージアムで紹介されているヘボ料理を振り返ってみると,餅(五平餅は山の講(山の神)にお供えしたのが起源とされる)や寿司など「ハレ」の日を象徴する料理が多いことに気付きます。

 言い換えると,ヘボ料理は「ハレ」の日の料理が中心で,特に現代においては日常から作られる機会があまりないため,地域の食文化として継承させることは大変なことでもあるのです。

 だからこそ,岐阜県立恵那農業高等学校やくしはらヘボ愛好会などを中心とした「ヘボ食文化」の継承・情報発信活動は,地元恵那市にとっても大きな文化的・社会的意義を持った活動であると評価できるのです。


<関連リンク>
 「ヘボの巣コンテスト2017」(「都市のスズメバチ」山内博美氏のホームページ)
 「岐阜県立恵那農業高等学校
 「くしはらヘボまつり」(「え~な恵那」恵那市観光協会)
 「くしはらヘボまつり(ヘボの巣コンテスト)」(「ぎふの旅ガイド」岐阜県観光連盟)

<関連記事>
 「昆虫食の研究1 -岐阜県恵那市「くしはらヘボまつり」ヘボの巣コンテスト-
 「昆虫食の研究2 -岐阜県恵那市「くしはらヘボまつり」ヘボ五平餅とヘボ飯-
 「昆虫食の研究3 -岐阜県恵那市「くしはらヘボまつり」ヘボの甘露煮とヘボ・蚕のロースト-

<参考文献>
 山内博美『都市のスズメバチ』中日出版社
 岡田 哲『食の文化を知る事典』東京堂出版
 福田アジオ『柳田国男の民俗学』吉川弘文館
 毎日新聞社編『東海の味』毎日新聞社

2017年11月 5日 (日)

長野県東御市 ヴィラデスト ガーデンファームアンドワイナリー訪問ノート

玉村豊男さんの本から食の世界の面白さを学ぶ

 私が食の世界に興味を持つようになったきっかけは,玉村豊男さんの本によるところが大きいと言っても過言ではありません。

 玉村さんの作品は,世界や日本での食体験やそれにまつわる食文化を中心として,深く研究された成果を,読みやすく痛快な文章で読者に紹介されていることが魅力となっています。

 また,玉村さんはパリ大学に留学されていたことから,私が好きなフランスやイギリスについても精通されており,少しマニアックに(笑)紹介された作品もあります。

 さらには,『食卓は学校である』や『今日よりよい明日はない』など,食の世界だけでなく,人生観まで学べる作品も数多くあります。

 そんな玉村さんの本の1つに,『田舎暮らしができる人,できない人』という本があります。

 東京生まれ,東京育ちの玉村さんが長野に移住し,ワイナリーを開設されるまでのストーリーを苦労話を折り混ぜながら紹介されている本ですが,この作品を読んでから,長野に開設されたワイナリーとはいったいどんなところなのか,いつか訪問してみたいと思うようになりました。

 今回,岐阜へ行く用事があったので,「せっかくの機会だから足を延ばして玉村さんのワイナリーにも行ってみよう」と思い立ち,ヴィラデスト ガーデンファームアンドワイナリー内のヴィラデストカフェに予約をさせていただきました。


ヴィラデストカフェを予約

 予約時,私は少し勇気を出して,カフェの御担当に「玉村豊男さんのファンです。当日直接お会いすることは難しいでしょうが,玉村さんのサイン入りの本を御用意いただき,訪問時に購入させていただけないでしょうか。無理でも食事の予約が可能なら喜んで伺いたいと思います。」と私の素直な気持ちやお願いをお伝えしました。

 すると,翌日,カフェの御担当からメールで「ご予約を承りました。御希望の本はショップでお取り置きしておきます。なお,当日玉村はこちらに居る予定です。」とのお返事をいただきました。

 訪問当日,玉村さんが同じ場所におられる,そしてもしかしたら玉村さんにお会いできるかもしれないと思うと,予約の時点で既に興奮し,待ち遠しく思いながら,当日を迎えました。


ヴィラデスト ガーデンファームアンドワイナリー訪問

 私は出来るだけゆっくりと食事をしたかったので,平日に長野県東御市(とうみし)にあるヴィラデストを訪問しました。

 とは言え,広島を出発してランチ予約時刻の13時30分までに,全く地理感のない長野県東御市まで行くことは大変でした。

 東御市は軽井沢に近く,群馬県と接しており,関東寄りの場所にあるからです。

 前日の夜,仕事を終えて,夜行の高速バスで広島から名古屋へ向かい,翌朝に名古屋に着きました。
 名古屋から電車で岐阜県の中津川まで行き,中津川からはレンタカーで中央道,長野道,岡谷インターからは国道142号,国道152号などを走り,やっとの思いで13時前にヴィラデストに到着しました。

 予約時刻まで少し余裕があったので,ガーデンファーム・ワイナリーなどを見学させていただきました。

(フラワー・ハーブガーデン)
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 色とりどりの花やハーブが植えられた庭園です。

 旅の疲れを癒してくれました。

(ヤギ子とブドウ畑)
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 「ヤギ子」ちゃんとブドウ畑(ソーヴィニョン・ブラン)です。

(ブドウ畑)
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 ヴィラデストカフェ側から眺めたブドウ畑の様子です。

 シャルドネ,メルロー,ピノ・ノワールなどが栽培されています。

 ひととおり見学した後,はやる気持ちを抑えながらヴィラデストカフェに向かいました。


ヴィラデストカフェ

(ヴィラデストカフェ・ショップ遠景)
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 第1駐車場から歩道を下りた先にヴィラデストカフェ・ショップがあります。

(ヴィラデストカフェ・ショップ)
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 こちらがヴィラデストカフェ・ショップの正面です。

 入口にショップがあり,その奥がカフェとなっています。

 しばらくショップを眺めた後,お店の方に名前を告げると,「お待ちしておりました。お席は御用意できております。玉村も来ると思います。」と御案内いただきました。

 最後の言葉が気になり,私は動揺して「えっ,あっ,ハイ。お願いします。」とお答えし,席を御案内いただきました。

 プリフィックス方式のランチコースなのでメイン料理と飲み物を選んで注文し,いよいよ待ちに待った食事の開始です。

(マッシュルームのファルス)
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 アミューズはマッシュルームのファルスでした。

 ファルスは,肉,魚,野菜などを細かく刻んで(挽いて)調味した「詰め物」を言います。

 今回のファルスは,マッシュルームに細かく刻んだ肉やパプリカを詰め,オーブンで焼かれた料理でした。

(フラワーシャンパン)
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 今日は私にとって記念日のようなものなので,飲み物でも雰囲気を盛り上げようとノンアルコールの「フラワーシャンパン」を注文しました。

 エルダーフラワーのシャンパンで,軽い口当たりがアミューズや前菜とよく合いました。

(前菜・パン・本日のスープ)
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 コースの前菜とパン,そして別に注文した本日のスープです。

 パンはバスケットに温かい3種類のパンを御用意いただきました。

 「秋のヴィラデスト」と名付けられた前菜は,ガラスカップに盛られたコールスロー,カブ・大根・山芋という白い根菜のグリル,サツマイモのバター煮,サラダでした。

 コールスローには,キヌアも入っていました。

 根菜のグリルに添えられた緑のソースは春菊のソースで,根菜の甘味とさわやかな春菊の風味を味わうことができました。

 バターで煮たサツマイモは,スイートポテトのような感じで,前菜のアクセントにもなっていました。

 サラダはレタスにスプラウトがのせられていますが,その中にはさらに麦や赤米などの雑穀も添えられ,ドレッシングには黒酢が使われていたので,どことなく和風のサラダに仕上げられていました。

 本日のスープですが,こちらはお店の方から「本日はバターナッツ・スカッシュのスープです。」と御説明いただいたことから,興味を持って追加注文しました。

 と言うのも,最近,広島でも産直市やスーパーなどでこのバターナッツと呼ばれるカボチャをよく目にするからです。

 この場をお借りして,少しバターナッツも御紹介します。

(バターナッツ)
Photo_9

 バターナッツは黄色いヒョウタン形のカボチャです。バターナッツ・スカッシュとも呼ばれます。

(バターナッツ(断面))
Photo_11

 縦に半分に切ってみると,カボチャの一種であることがよくわかります。

 底の丸い箇所は甘くてやわらかく,茎のような上部の細長い箇所はあっさりしていて,やや繊維質があります。

 形の珍しいカボチャだと理解していただければいいのですが,本日のスープはこのバターナッツ・スカッシュが使われた甘くとろみのあるスープでした。

 次のメインを待つ間,ドリンクメニューに「ヴィラテスト リンゴジュース」と呼ばれるソフトドリンクがあったので,お店の方に「こちらで作られているリンゴジュースですか」と尋ねたところ,「はい,スタッフがリンゴを絞って作ったジュースです。」とお話があったので,興味を持って注文しました。

(ヴィラデスト リンゴジュース)
Photo_12

 そのお店の名称を冠している料理・お菓子・飲み物は,店のプライドもあり,外してしまう可能性は低いですが,このヴィラデスト リンゴジュースも同じことが言えると思いました。

 手作りのリンゴジュースは,食物繊維が一緒になるので,白く濁ってしまいますが,ヴィラデスト リンゴジュースは透明ですっきりした甘さのジュースに仕上げられていました。

(信州豚のコンフィと手作りソーセージ 白いんげん豆と茸のトマト煮を添えて)
Photo_13

 メイン料理をどれにするか少し迷ったのですが,地元の信州豚と手作りソーセージに魅かれ,こちらの料理に決めました。

 写真手前が太い手作りソーセージ,奥が信州豚のコンフィ,下に添えられているのが白いんげん豆と茸のトマト煮です。

 粗挽きの太い手作りソーセージは,とてもジューシーで肉本来の味が楽しむことができました。

 信州豚のコンフィは,信州豚の塊を約60℃の油でじっくり茹で煮された料理で,厚めの塊ですが中はやわらかく,トマト煮のソースとの相性も抜群でした。

 白いんげん豆と茸のトマトソースもよく煮込まれており,それだけでも十分美味しいソースでした。

 白いんげん豆と肉を煮込んだフランスの料理「カスレ」をイメージするような,ボリュームがあってパンともよく合う,とても美味しい料理でした。

(デザートプレート)
Photo_2

 さあ,お待ちかねのデザートです。

 写真手前が栗のアイスクリームの巨峰ソース添え,奥がキャラメルムースです。

 アイスクリームには栗がふんだんに入っており,モンブランをいただいているかのようでした。長野で有名な巨峰の甘酸っぱいソースともよく合いました。
 お口直しにチュイール(フランス語で「瓦」のこと)ものせられています。
 私は今回のコースで一番のお気に入りでした。

 キャラメルムースにはキャラメルソースと少しブリュレした(焦がした)甘めの生クリームや巨峰がのせられていました。

 こちらも異なるキャラメルの味が一度に楽しめ,口いっぱいに幸せを感じました。

(ハーブティー)
Photo_15

 デザートと一緒にいただいた飲み物は,ハーブティーです。

 普段はコーヒーしか選びませんが,ハーブ園を目の前にするとやはりハーブティーを飲みたいと思いました。

 窓からブドウ畑や信州の山々を眺めながら,香り豊かなハーブティーをゆっくりと味わい,ランチをしめくくりました。


玉村豊男さんとお会いする

 食事中にもしかしたら玉村さんがレストランにお見えになるかもという一抹の期待を持っていましたが,そんな様子でもなかったので,「有名な方だから,お会いできなくて当然。」と思い,玉村さんと同じ空間で食事できたことを素直に喜び,会計を済ませて帰ろうと入口のレジへ向かいました。

 その時です。

 何とレジ近くの厨房カウンターで玉村豊男さん御本人がお待ちくださっていたのです。

 「うわぁー。」言葉にならない感動が込み上げてきました。

 美味しい料理を堪能出来たことや,こうして会っていただけたことについて,深々とお礼申し上げ,いろんな本を拝読してファンであることをお伝えしました。


玉村さん「今日は東京から来たの?」

私「(地理的に関東から来られる人の方が多いのだろうなと思いつつ)広島から参りました。」

スタッフの方「こちらがお取り置きしておいた本です。こちらにサインを。」

玉村さん「それではサインしますね。」

(お願いしておいた2冊の本(『料理の四面体』,『おいしいものは田舎にある 日本ふーど記』)に私のフルネームとともに玉村さんのフルネームの直筆サインをいただく)

私「ありがとうございます。この本は一生の宝にします。もし良かったら(「コウジ菌のブログ」を紹介する名刺を差し出し)こちらのブログも御覧いただければ幸いです。食文化について私なりの視点でまとめているブログです。」

玉村さん「わかりました。コウジ菌…あーお名前と同じですね(笑)。」

私「そうです。麹は酒・味噌・食酢・醤油など日本の食文化に欠かせませんので,麹(菌)と私の名前とかけてコウジ菌としています(笑)。ヴィクトリアケーキの記事など,玉村さんの本を参考にさせていただくことも多いんですよ。」

玉村さん「そうですか。」

私「あのー,もしよろしかったら,一緒に写真撮らせていただけませんか。」

玉村さん「もちろん,いいですよ。」

(満面の笑みで私の背中に手を差し伸べてくださった玉村さんと,緊張気味で不自然な笑顔の私(笑)とで記念撮影。)

玉村さん「写真,ブログに載せてもいいよ(笑)。」

私「あっ,本日はどうもありがとうございました。Merci Beaucoup!(メルシーボーク,フランス語で「大変ありがとうございました」の意)」


 「最後に何言ってるんだ私は…」と,今思い出しても恥ずかしいのですが(笑),そんなこんなでサプライズで玉村さんとお会いすることができ,お話しもすることもできました。

 玉村さんにお礼申し上げ,ヴィラデストカフェを後にしました。

 よく「自分で自分をつねって,これは夢ではないか」と思うシーンがありますが,玉村さんにお会いした瞬間は,まさにそんな感じでした。

 その日の晩,松本市内のホテルでヴィラデストカフェの皆様にお礼のメールをお送りしました。

 玉村さんにお会いできたこともとても嬉しかったですが,そのために私の気持ちを汲み取り,御準備いただいていたスタッフの皆様のサービスにも強く感動したからです。

 一生の思い出になる1日となりました。

 また機会を見つけて訪問したいです。


<関連サイト>
 「ヴィラデスト ガーデンファームアンドワイナリー」(長野県東御市和6027)

<関連記事>
 「イギリス料理の特徴と主な料理4 -ヴィクトリアケーキ-
(ヴィクトリア女王について玉村豊男『ロンドン旅の雑学ノート』(新潮文庫)を参考にさせていただきました。)

 「しょうゆの研究6 -しょうゆは日本独自の調味料なのか(前編)-
 「イースター(復活祭)を基準としたキリスト教行事 -なぜ卵とウサギが一緒なのか-
(袁枚の『随園食単』の話やカーニバル・四旬節の話は玉村豊男『グルメの食法』(中公文庫)を参考にさせていただきました。)

2017年10月30日 (月)

「アパ社長カレーショップ」1号店が広島にオープンした理由 -テストマーケティングからの考察-

 石川県小松市で創業し,今や日本全国にホテルを展開されているアパホテル。

 ホテルとともに数多くのレストランも経営されていますが,日本で唯一,広島でしか味わえないアパオリジナルの料理があります。

 「アパ社長カレー」です。

 2017年2月19日にアパホテル広島駅前に隣接する「アパ社長カレーショップ広島駅前店」(広島市南区松原町10-11)がオープンしました。

 オープン後,ずっと気になっていた「アパ社長カレー」をいただきに,アパ社長カレーショップ広島駅前店へ伺いました。


アパ社長カレーショップ広島駅前店

 お店のドアには,カレーを手にしたシェフ姿のアパホテルの社長 元谷芙美子氏のオリジナルマークがありました。

(「アパ社長カレー」オリジナルマーク)
Photo

 コック帽にはアパホテルのロゴ入りです。

 ドアの隣には,「アパ社長カレー」の広告ポスターもありました。

(「アパ社長カレー」広告ポスター)
Photo_2

 モンドセレクション銀賞を受賞されたカレーです。

 「アパ社長カレー」レセプション&無料食事会のアンケートで,

 「99.3%の人が「美味しい」と回答」
 「94.3%の人が「備蓄用・日常用に適している」と回答」

 されたと紹介されています。

 もし私がまずいと感じたら,わずか0.7%の仲間に入ることになるのです(笑)。

 大いなる期待を胸に,店内に入りました。


「牛ステーキ社長カレー」

 入口の券売機で食券を購入し,席に着いて注文する方式でした。

 「アパ社長カレー」のほかに,「ロースカツ社長カレー」,「ラタトゥイユ社長カレー」,「ハンバーグ社長カレー」,「エビフライ社長カレー」など様々なカレーが用意されていました。

 どれにしようか考え,せっかくなら豪華なカレーをと思い,一日5食限定の「牛ステーキ社長カレー」の大盛を注文させていただきました。

 お店の方から「こちらのカレーは約10分程度お時間をいただくこととなりますが」とお話がありましたが,私は笑顔で「はい構いません」とお答えしました。

 優雅な気持ちでしばらく待っていると,注文したカレーが出来上がりました。

 これが日本で唯一,広島でしか味わえない「アパ社長カレー」の,さらに一日限定5食しか販売されない,まさに超レアなカレー「牛ステーキ社長カレー」(大盛)です。

(牛ステーキ社長カレー(大盛))
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 なんと華麗なカレーでしょう。

 ほどよい焼き加減の牛のモモ肉のステーキをスライスし,「アパ社長カレー」にトッピングされています。

 カレーはよく煮込まれた欧風ビーフカレーで,カレールーがライスと別々ではなく,ライスの上にかけられているため,ドライカレーのようにライスとの一体感があります。

 千切りキャベツが添えられており,ステンレス製のカレー皿も独特です。

 ここまで御説明するとピンときた方もおられると思いますが,「アパ社長カレー」は全国的に有名になった「金沢カレー」がベースになっているのです。

 濃厚な欧風カレールー,一体感のあるカレールーとライス,キャベツの千切り,ステンレス製のカレー皿,トンカツやハンバーグなどボリュームのあるトッピング,先割れスプーンなど,アパグループの創業地石川県の「金沢カレー」の特徴が生かされたカレーとなっています。

 「アパ社長カレー」で用意される先割れスプーンもアパオリジナルで,スプーンの柄には「アパ社長カレー」と刻印されています。

(アパ社長カレー専用スプーン)
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 コクと深みのある欧風ビーフカレーライスと絶妙な焼き加減の牛ステーキを交互にいただきながら,贅沢なひとときを過ごすことができました。


アパ社長コーヒーとアパオリジナル「うまい棒」

 贅沢なひとときに食後のコーヒーは欠かせないと思い,券売機へ戻って追加で「アパ社長コーヒー」の食券を購入し,注文しました。

 お店の方から,コーヒーとともに,記念のアパオリジナル「うまい棒」もいただきました。

(「アパ社長コーヒー」とアパオリジナル「うまい棒」)
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 「アパ社長コーヒー」よりも「うまい棒」の方が目立ちますが(笑),コーヒーはすっきりとして雑味がなく,私好みの味でした。

 一方のアパオリジナル「うまい棒」は,「うまい棒」を販売している「株式会社やおきん」とアパグループのコラボ食品で,非売品です。

(アパオリジナル「うまい棒」)
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 ソース,青さ,紅生姜が入った「たこやき味」の「うまい棒」です。

 やおきんオリジナルの「うまい棒」にも「たこやき味」がありますが,よく似た味だと思いました。


「アパ社長カレー」が広島だけで販売されている理由

 食事後,お店の方に「アパ社長カレー」が広島だけで販売されている理由を伺ってみました。


私:「アパ社長カレーのお店は,広島だけのようですね。」

お店の方:「そうですね。全国でこの広島だけです。」

私:「社長さんのお考えとか,何か理由がおありなんですか。」

お店の方:「私もはっきりとした理由を知っているわけではありませんが,社長が広島が好きだからという話は伺ったことがあります。」

私:「へぇー,そうなんですか。それは嬉しいお話です。カレーもコーヒーもとても美味しかったです。」

お店の方:「それはどうもありがとうございます。」


 広島の人間としては嬉しい限りのお話でした。


テストマーケティングに適した地 広島

 ここまで広島限定というお話を強調してきましたが,今後は2017年11月1日に首都圏1号店となる「アパ社長カレー飯田橋駅南店」(東京都千代田区飯田橋3-1-4)を,同年11月7日には関西1号店となる「アパ社長カレー御堂筋本町駅東店」(大阪市中央区瓦町2-3-6)をオープンされるようです。

 広島1号店から1年を待たずして,東京・大阪で「アパ社長カレーショップ」をオープンされるのです。

 ここで私は,アパホテルの元谷芙美子社長さんが広島がお好きだからという理由のほかにも,広島に1号店を先行オープンされた理由があったのではないかと思いました。

 その理由とは,広島がテストマーケティング(全国展開する前に試験的に販売すること)に適した地だからというものです。

 広島がテストマーケティングの地として選定されやすい理由としては,


(1)全国企業の支店が集まるブランチ(支店)経済であること

(2)所得や人口が全国の平均的な水準で,日本の縮図となっていること

(3)周囲を山と海に囲まれ,特定の地域に人が集中しているため,他地域の影響を受けにくく,人々の嗜好が把握しやすいこと

(4)広島圏内で完結したメディアが存在していること

(5)中国・四国・九州地方の企業は,一般的に,当初は関西圏への進出を試みるが,広島の企業は当初から東京(首都圏)への進出を試みる傾向が強いこと

(6)物価が高く,首都圏や関西圏と肩を並べる水準であること

(7)熱しやすく冷めやすい県民性から,広島で成功すれば他の地域でも成功する可能性が高いと見込まれること



 などが挙げられると思います。

 こうした広島の状況を踏まえた上で,アパホテルが全国展開されている状況や「アパ社長カレー」の今後の展開を考えると,広島にアパカレーショップ1号店をオープンされた理由が経営学的見地から説明することも出来るのです。


まとめ

 後半はマーケティングの話にまで発展しましたが,広島に住む私としては,元谷芙美子社長さんが広島がお好きで広島に1号店をオープンされたというお話を素直に喜び,嬉しかったことがこの記事を作成しようと思った動機であることは確かです。

 広島1号店でのマーケティング結果をもとに,「アパ社長カレー」が全国の人々に身近で愛されるカレーになることを心からお祈り申し上げます。

 なお,レトルトパウチの「アパ社長カレー」については,オンラインストア,全国のアパホテルフロント,アパホテル直営レストランでも販売されているようです。

 「アパ社長カレー」に興味を持たれた方は,通販やお店でぜひ召し上がってみてください。


<関連リンク>
 「アパ社長カレーショップ広島駅前店」(「アパホテルズ&リゾーツ」アパホテル<広島駅前>)
 「アパ社長カレー【2016年度モンドセレクション銀賞】」 (「アパホテルズ&リゾーツ」ニュース)

2017年10月28日 (土)

レモンとブロッコリーのマドレーヌ -「ひろしま給食100万食プロジェクト」-

 広島のセブンイレブンでちょっと面白い洋菓子を見つけました。

 「レモンとブロッコリーのマドレーヌ」です。

(「レモンとブロッコリーのマドレーヌ」(包装))
Photo_5

 この商品は,数年前から広島県内で実施されている「ひろしま給食100万食プロジェクト」により考案・商品化されたもので,広島県内のセブンイレブン各店で販売されています。

 「ひろしま給食100万食プロジェクト」は,広島ならではの給食メニューを開発し,給食実施校で提供したり,クックパッドでレシピを公開して家庭でも味わってもらうことによって食育の推進を目指すプロジェクトで,広島県教育委員会が実施しています。

 毎年,様々な広島らしいアイデア料理やお菓子が考案されているのですが,その中で株式会社セブン-イレブン・ジャパンによって商品化されたものの1つが,この「レモンとブロッコリーのマドレーヌ」なのです。

 レモンについては,広島はレモンの生産量日本一ですし,「広島レモン」や「瀬戸内レモン」というブランド商品としての地位を築くまでになっているので理解しやすいのですが,ブロッコリーについてはあまりピンときません。

 クックパッドで同じような「広島レモン入り小松菜マドレーヌ」のレシピが紹介されているのですが,その中で「野菜が苦手でもおいしく食べられるよう小松菜入りにした」と説明されていることから,今回の「レモンとブロッコリーのマドレーヌ」についても,広島のレモンと野菜が一緒になったお菓子というのがセールスポイントなのでしょう。

 セブンイレブンで購入した「レモンとブロッコリーのマドレーヌ」の袋を開けてみました。

(「レモンとブロッコリーのマドレーヌ」)
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 なるほど。表面の焼き色は一般的なマドレーヌと同じですが,側面の生地の色が黄緑色になっており,丸くまとまった形も含めて,見た目がブロッコリーのようです。

(「レモンとブロッコリーのマドレーヌ」(中身))
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 生地にブロッコリーのピューレが練り込まれているため,中身も薄い黄緑色をしています。

 アクセントにレモンピールも入っています。

 さて,肝心な味ですが,レモンの風味とブロッコリーの風味が半々といった感じがしました。

 レモンの香りや酸味が主張し過ぎず,ブロッコリーの風味も程よく感じられるのです。

 レモンとブロッコリーの組み合わせ。

 最初は珍しいと思いましたが,不思議とよく合い,美味しくいただくことが出来ました。

 栄養のバランスも考えられていることでしょう。

 不足しがちな野菜の摂取を補い,広島のレモンと一緒に美味しくいただけるということが大きなメリットだと思います。

 今回のお菓子に限らず,「ひろしま給食100万食プロジェクト」をきっかけに広島らしいオリジナルメニューが増えて給食の時間が楽しくなり,さらには,新たな広島の郷土料理や銘菓の誕生にまでつながればと期待しています。


<関連リンク>
 「ひろしま給食100万食プロジェクト」(広島県教育委員会)
 「クックパッド公式キッチン 広島県教委100万食」(クックパッド)

2017年10月24日 (火)

箱根寄木細工の耳かき -神奈川県箱根町-

 箱根の伝統的工芸品「寄木細工」の耳かきです。

1407206

 様々な種類の木材を組み合わせ,美しい幾何学模様が作られています。

 木は着色が施されておらず,天然の木の色が生かされています。

 この耳かきは,今朝(2017年10月24日朝),駅のホームでいつもお会いする人からお土産としていただいたものです。

 朝,通勤先は違えど,お互いいつも同じ場所から乗車することから,いつの日からか声をかけていただくようになりました。

 電車を待っている間,私がその人にご当地耳かきを集めていることをお話ししたことがあるのですが,その時の話を覚えてくださり,今回旅行先のお土産として買ってきていただきました。

 私は,ご当地らしさが感じられ,できれば地名が明記された耳かきが理想だと考えていますが,この耳かきはこの条件を見事満たしています。

 旅行先で,よくよく考えて買ってきてくださったのだと思います。

 私は「まさにこういう耳かきを集めてるんです!今日は嬉しい1日となりました。」と深々と頭を下げ,お礼申し上げました。

 相手の方からは,「嘘でもそう言ってもらえると嬉しいですよ。」と言っていただきましたが,今回のご当地耳かきは,お気持ちも含めて本当に嬉しかったです。

 私は朝,駅のホームで本を読んでいるのですが,雨の日でも傘をさしながら本を読んでいる姿が印象的なのだそうです。

 変な人間だと思われてなければよいのですが(笑)。

 冗談はさておき,私にとって貴重な耳かきとなりました。

2017年10月21日 (土)

遠刈田こけしの耳かき -宮城県蔵王町-

宮城県刈田郡蔵王町の遠刈田(とおがった)温泉を中心とした伝統的なこけしは「遠刈田(系)こけし」と呼ばれています。

これはその遠刈田こけしの耳かきです。

遠刈田こけしは,細めの胴体,頭部の赤い放射状の飾り,おかっぱ,切れ長の目,胴体の菊の模様などが特徴とされているのですが,それらの特徴が見事に表現されています。

それどころか,髪や頭の赤い飾り,菊の葉っぱなどの周囲が実際に彫られていて,精巧な作りとなっています。

耳かき用のこけしと言えども決して手を抜かない職人の心意気を感じさせてくれる耳かきです。

0402205_2

2017年10月12日 (木)

夜景写真 -皿倉山(福岡県北九州市)・火の山公園(山口県下関市)-

 私は普段,料理やご当地耳かきの写真撮影が中心なので,もっぱらコンパクトデジタルカメラを使用しています。

 コンパクトデジタルカメラは,持ち運びに優れ,いつでもどこでも気軽に撮影できるので,私にとってはこれが一番使い勝手が良いのです。

 とは言え,せっかくの一眼レフを使わずに放っておくのはもったいないですし,いざ集合写真などを撮ろうとした時に,カメラに慣れておかないとうまく撮れないので,できる限り使った方がいいことは確かです。

 そこで今回,夜景を撮影すべく,マイカーに一眼レフカメラ一式と三脚を積み込み,福岡県北九州市と山口県下関市へ出かけました。


皿倉山から眺めた北九州市・下関市の夜景


 最初に訪れたのは福岡県北九州市八幡東区にある皿倉山(さらくらやま)です。

 北九州市内には夕方着きました。

 皿倉山のふもとにある駐車場に車を止め,ケーブルカーとスロープカーに乗って山頂を目指しました。

 ケーブルカー内でカメラを持っている方はたくさんみかけましたが,大きな三脚まで持って気合い入れまくりの人間は私だけでした(笑)。

 ケーブルカーやスロープカーで山頂に近づくにつれ,眼下に宝石を散りばめたような光景が広がりました。

 ベストポジションを探し,カメラを三脚で固定してセルフタイマーで撮影しました。

(皿倉山から眺めた北九州市・下関市の夜景)
Photo
※写真をクリックすると拡大します。
ニコンD7100・AF-S DX NIKKOR 18-105mm f3.5-5.6/18mm・マニュアルモード・f11・4秒・-0.5補正・ISOオート/1800・AWB

 山頂から西側,洞海湾(どうかいわん),八幡製鉄所,スペースワールド,若戸大橋,遠く関門海峡方面を眺めた様子です。

 写真中心部の明るい箇所はスペースワールドや大型ショッピングセンターなどで,右端にはとても小さいですが関門海峡や下関の「海峡ゆめタワー」も確認できます。

 手前のオレンジ色のラインは北九州都市高速道路です。

 頂上からは,東西に渡って北九州市を一望することができ,その絶景に時が経つのを忘れてシャッターを押し続けました。

 皿倉山は「新日本三大夜景」の1つとされていて,今回御紹介した夜景はその一部だけですので,機会があればぜひ直接御覧いただき,感動を味わっていただきたいです。


火の山公園から眺めた関門橋・関門海峡

 続いて,門司側から車で関門トンネルを渡り,山口県下関市にある「火の山公園」を訪問しました。

 「火の山公園」の山頂からは,間近に関門橋や関門海峡を観賞することが出来ます。

 火の山公園の山頂の展望スポットは複数あるので,初めて訪問した私は,重いカメラや三脚を担いで,山を登ったり下りたり,納得できる撮影ポイントを見つけるまでが大変でした。

 結局撮影ポイントは火の山ロープウェイ乗り場付近に落ち着き,三脚を設置し,本腰を入れて撮影しました。

 様々なアングルから関門橋を撮影したのですが,やはり全体が写った写真が安定しているように思い,次の写真を選びました。

(火の山公園から眺めた関門橋・関門海峡)
Photo_2
※写真をクリックすると拡大します。
ニコンD7100・AF-S DX NIKKOR 18-105mm f3.5-5.6/28mm・マニュアルモード・f11・2秒・ISOオート/4000・AWB

 火の山公園から眺めた夜の関門橋・関門海峡の様子です。

 写真の手前右側が本州(山口県下関市),関門橋をはさんで左側が九州(福岡県北九州市),写真奥側中央には北九州市門司区にある門司港レトロ地区が広がっています。

 関門海峡(関門橋)の中心あたりが山口県と福岡県の県境であり,本州と九州の分かれ目となるのですが,自動車,バス,電車,徒歩(「関門トンネル人道」と呼ばれる徒歩で渡れる海底トンネルがあります。)…いずれの交通手段でもこの関門橋や関門トンネルを通過する瞬間は別世界に入ったような特別で新鮮な気持ちになります。

 そうした特別な感情も抱くからでしょうか。
 関門橋は,壇ノ浦パーキングエリア・火の山公園・唐戸市場など下関側から眺めても,めかりパーキングエリア・和布刈(めかり)公園・門司港レトロなど門司側から眺めても,また日中でも夜でも,絵になるような気がします。

 そんな魅力いっぱいの関門橋,関門海峡にぜひお越しください。


<関連リンク>
 「皿倉登山鉄道株式会社(皿倉山ケーブルカー)
 「楽しも!(火の山公園・展望台・火の山ロープウェイ)」(下関市公式観光サイト)

<関連記事>
 「広島市南区の黄金山と「黄金山まんじゅう」」(黄金山の夜景)
 「鯨の食文化3 -捕鯨問題を文化人類学的視点から考える-」(関門橋の様子)

2017年10月 5日 (木)

広島の名物・郷土料理3 -海田町のひまわり菓子-

 今回は私の故郷,広島県安芸郡海田町のお土産を御紹介します。


海田名所煎餅

 海田の名所や著名人が焼印された甘いたまごせんべいです。

 公益社団法人海田町シルバー人材センターで製造されています。

(海田名所煎餅)
Photo

 写真左上の焼印は「日浦山(ひのうらやま)」です。

 標高345.9mの小高い山で,頂上まで登ると海田町全体を眺めることができます。

 気軽に登山でき,頂上からは素晴らしい眺望が望めることから海田町のシンボルの1つとなっています。

 右に移動し,写真右上の焼印は「旧千葉家住宅」です。

 海田は旧山陽道(西国街道)の宿場町として栄えた街ですが,旧千葉家住宅は江戸時代に御茶屋(本陣)や脇本陣に準ずる施設として大名など要人が使用した施設です。

 写真左下の焼印は「織田幹雄」氏です。

 アムステルダムオリンピックの三段跳で日本人初の金メダルを獲得された方です。

 右に移動し,写真右下の焼印は「ひまわり大橋」です。

 海田町の町花が「ひまわり」で,かつて海田が「鼓浦」と呼ばれていたことにちなみ,楽器の鼓をデザインした橋となっています。

 こうした海田の名所や著名人に思いを馳せながらいただくことができる,素朴でほんのり甘いたまごせんべいです。


海田ひまわり煎餅

 「海田名所煎餅」と同じシリーズのせんべいです。

 中央に海田町の町花「ひまわり」の種がのせられています。

(海田ひまわり煎餅)
Photo

 「海田名所煎餅」の原材料は,小麦粉,砂糖,卵,食塩ですが,この「海田ひまわり煎餅」はさらにバターやはちみつが加えられており,厚みもあって,より洋菓子っぽく仕上げられています。

(「海田名所煎餅」・「海田ひまわり煎餅」(包装))
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 公益社団法人海田町シルバー人材センターでは,この2種類のせんべいのほか,生姜・抹茶・黒米(古代米)の3つの味わいを楽しめる雷おこしに似た「海田おこし」というお菓子も製造・販売されています。

 「海田名所煎餅」,「海田ひまわり煎餅」,「海田おこし」は海田町内の主要店舗や広島市内の「ひろしま夢ぷらざ」などで購入することができます。


ひまわりがいっパイ

 海田町南本町にある老舗洋菓子店「カルム」の看板菓子の1つ「ひまわりがいっパイ」です。

(ひまわりがいっパイ(包装))
Photo_4

 ローストしたひまわりの種がのせられたあん入りパイ饅頭です。

 オリジナルは抹茶あんで,そのほかにも,小豆,ごま,ミルク,カボチャなど様々な味が用意されています。

(ひまわりがいっパイ)
Photo_5

 写真の左が抹茶あん,右が小豆あんです。

 抹茶あんは,白インゲン豆をベースに抹茶が入ったあんで,抹茶あんの緑,小麦色の丸いパイ,中心部のひまわりの種により,ひまわり畑に咲くひまわりのように見えます。

 一方の小豆あんは,つぶあんで,かくし味として藻塩が使われています。

 バター風味のパイと和菓子のあんとの相性が抜群であることは言うまでもありません。


ひまわり畑のフロランタン 広島のレモンの恵み

 2017年9月1日から販売が開始された海田町の新銘菓「ひまわり畑のフロランタン 広島のレモンの恵み」です。

(ひまわり畑のフロランタン 広島のレモンの恵み(包装))
Photo_11

 海田町の町制施行60周年を記念して実施された広島安芸商工会の「特産品コンテスト」で最優秀賞を受賞し,商品化されたお菓子です。

 広島県立海田高等学校家政科の生徒が考案しました。

 しおりの表紙には,ひまわりの花と種,輪切りのレモンが描かれています。

(ひまわり畑のフロランタン 広島のレモンの恵み)
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 一口サイズの四角いフロランタンが1袋に2個入っています。

 海田町花「ひまわり」の種と広島県特産のレモンが使われています。

 通常,フロランタンと言えば,クッキー生地にキャラメルベースのアーモンドスライスをのせたものを意味しますが,このお菓子はアーモンドスライスの代わりにローストされたひまわりの種が使用されています。

 と,ここまでの説明ならある程度の味の想像はできるかと思いますが,実はキャラメルの味がサプライズなのです。

 しおりの表紙に「広島県特産のレモンをふんだんに使い」とあるとおり,キャラメルソースにふんだんに広島レモンの果汁が入れられているのです。

 キャラメルの味に負けないくらいレモンの風味・酸味を強く感じます。

 フロランタンの見た目で味を想像して食べたら,そのギャップに驚かれることでしょう。

(ひまわり畑のフロランタン 広島のレモンの恵み(しおり))
Photo_8

 私の母校でもある海田高校の生徒が考案し,広島市内の洋菓子店「gra・gr(グラグール)」により商品化された海田の新銘菓「ひまわり畑のフロランタン 広島のレモンの恵み」。

 海田町内の主要店舗,広島市内の「ひろしま夢ぷらざ」,「gra・gr(グラグール)」などで購入することができます。


<関連記事>
 「高校生がレシピを考案。海田町に甘酸っぱい新焼き菓子が誕生」(広島安芸商工会)

<関連リンク>
 「ひろしま夢ぷらざ」(広島市中区本通8-28)
 「gra・gr(グラグール)」(広島市中区三川町4-8)
 「広島県立海田高等学校

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