2019年7月13日 (土)

中国料理の特徴と主な料理 -水豆鼓炒蛋(貴州納豆の卵炒め)-

 中国少数民族料理を味わいたいと思い,神奈川県藤沢市の中国料理店「茶馬燕(ちゃーまーえん)」を訪問しました。

 今回の一番のお目当ては発酵食の「水豆鼓(スイドウチ)」の料理です。

 お店でいただいた料理を御紹介します。


お茶と前菜

 最初にお茶をいただきました。

 お茶の種類が「凍頂烏龍茶」,「東方美人」,「プーアル茶」,「茉莉花茶(ジャスミン茶)」から選べたので,私は台湾で有名な「東方美人」をホットでいただきました。

 しばらくお茶を楽しんでいると,前菜プレートが用意されました。

(前菜)
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 写真左上が「自家製叉焼(チャーシュー)」,右上が「カブの甘酢」,中心が「おつまみ唐辛子」,左下が「台湾スパイシー枝豆」,そして右下が「マダコの香菜ソース」です。

 「自家製叉焼」は,厚めにカットされていて,ジューシーなチャーシューでした。

 「カブの甘酢」は,日本の紅白なますと同じような,さっぱりと酸味の効いた前菜でした。

 「おつまみ唐辛子」は,大きめの唐辛子から辛味成分を抜いた,辛くない唐辛子のチップスとナッツのセットでした。
 辛味を抜いた唐辛子というのは初めてで,なぜ辛味を抜くことができるのだろうかととても不思議に思いながらいただきました。

 「台湾スパイシー枝豆」は,茹でた枝豆を殻ごとスパイスと一緒に炒めた料理でした。

 「マダコの香菜ソース」はマダコの刺身に香菜(シャンツァイ,コリアンダー)のソースをかけた料理でした。


水豆鼓炒蛋(貴州納豆の卵炒め)

 前菜を味わった後,いよいよ私が一番味わってみたかった料理が登場しました。

 「水豆鼓炒蛋(スイドウチ チャオダン)」(貴州納豆の卵炒め)です。

 「水豆鼓」は,中国雲南省,湖南省,四川省の一部などでよく使われる大豆発酵食品です。
 ※湖南省では「腊八豆(ラァバァドゥ)」とも呼ばれます。

 糸を引かない納豆のような食品で,こちらのお店では知らない人でもイメージしやすいよう「貴州納豆」と呼ばれています。

 日本の納豆との大きな違いは,納豆は納豆菌で発酵させるのに対し,水豆鼓(貴州納豆)は乳酸で発酵させ,さらに大豆の茹で汁に漬けて熟成させることです。

 納豆菌ではないため,糸は引きません。

 では料理を御紹介します。

(水豆鼓炒蛋(貴州納豆の卵炒め))
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 水豆鼓(貴州納豆)を卵でふんわりと炒め合わせたシンプルな料理です。

 いただいてみました。

 大粒の納豆をお湯で洗ってねばりを落とし,サラサラにした納豆を卵とじにしたような感じです。

 発酵させているので大豆はとてもやわらかく,乳酸発酵なので酸味も強く感じました。

 香りは納豆よりも醤油や魚醤に近く,醤油になりかけの大豆をいただいているような感じでした。

 納豆と卵の相性が良いように,水豆鼓(貴州納豆)と卵の相性もとても良かったです。

 そして納豆・卵と言えば,やはり白ご飯ですよね。

(水豆鼓炒蛋(貴州納豆の卵炒め)と白ご飯)
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 追加で白ご飯を御用意いただいたので,レンゲで水豆鼓炒蛋(貴州納豆の卵炒め)をご飯の上にのせていただきました。

 まさに納豆卵かけご飯!相性は抜群でした。


白きくらげとメロンのコンポート

 デザートは「白きくらげとメロンのコンポート」をいただきました。

(白きくらげとメロンのコンポート)
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 白きくらげと一口大のメロンを優しい甘さのシロップに漬けたお菓子で,肉桂(シナモン)の香りも感じました。


 初めての料理や珍しい料理も多く,堪能させていただきました。

 会計の際,「茶馬燕」の中村秀行シェフも執筆された中国少数民族料理の本「ハーブ中華・発酵中華・スパイス中華」が販売されていたので購入しました。

 お店のメニューには,中国の定番料理だけでなく,「雲南タイ族白身魚の揚げなれずし」,「雲南ジノー族風チベットティーのスープ」,「猛毒豆腐」など興味をそそる中国少数民族料理もたくさんありました。

 またいつか訪問し,いろんな中国料理を味わいたいです。


<関連サイト>
 「茶馬燕」(神奈川県藤沢市南藤沢20-15 第一興産18号館6F)

<参考文献>
 小山内耕也・中村秀行・水岡孝和「ハーブ中華・発酵中華・スパイス中華」柴田書店
 「料理通信 2019年5月号 世界が夢中!"発酵"レッスン」料理通信社

2019年7月 6日 (土)

ビッグ錠先生の世界3 -ビッグ錠先生との出会いと私の似顔絵-

 2019年6月30日,神奈川県藤沢市湘南台へ行ってきました。

 こちらの「北都館」で「ハッピーフェア」というイベントがあり,ビッグ錠先生もお越しになられるとの情報を「アルスノーバ」のマスターからいただいたからです。

(ハッピーフェア(チラシ))
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※画像をクリックすると拡大します。

 画像は,ビッグ錠先生が作成されたハッピーフェアのチラシです。

 当日,14時に湘南台に着いたのですが,「アルスノーバ」のマスターからビッグ錠先生の会場入りは15時頃と伺ったので,湘南台駅前のカフェでしばらく休憩した後,「北都館」へ向かいました。

 「北都館」は初訪問だったので,少し不安な気持ちでお店に向かったのですが,歩き始めてすぐにその不安は消えました。

 私の目の前に空色のアロハシャツに麦わら帽子をかぶったビッグ錠先生らしき人が歩いておられたからです。

 私は「あっ,この方がビッグ錠先生に違いない。この人の後ろをついていけば,きっと今日の会場にたどり着けるだろう。」と心の中でつぶやき,「でも間違えていたら…」という一抹の不安もあったので,その方のすぐ後ろをストーカーのようについて歩きました(笑)

 すると北都館の手前までたどり着いたので,これはもうビッグ錠先生御本人に間違いないと確信し,私は少し勇気を出して,「あのー,ビッグ錠先生ですよね。広島から参りました。」とお声掛けしました。

 ビッグ錠先生も私のことを覚えてくださっていて,一緒にお店に入り,お店のカウンター席に並んで座り,しばらくお話させていただきました。

 ドリンクはブランデーバックを注文しました。

(ブランデーバック(アルスノーバ))
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 ブランデーベースの甘いカクテルです。
 レモンが入っていてさっぱりと飲みやすく,私のお気に入りのカクテルです。

 中におられるお客さん達も,私は広島から湘南台へ遊びに来るビッグ錠ファンとして少し有名になっているみたいで,皆さん温かく迎え入れてくださいました。

 イベントは,ピアノ音楽あり,歌あり,タロット占いあり,マジックあり,似顔絵コーナーありと盛りだくさんの内容でした。

 しばらくして,私はビッグ錠先生に私の似顔絵を描いていただくようお願いしました。

 ビッグ錠先生は快く引き受けてくださり,お互い向き合う形で,似顔絵を描いていただきました。

 色紙に鉛筆で下書きをされ,その上からマジックペンで輪郭を描かれた上で,水彩絵具を使って色付けされました。

 鼻田香作のブラックカレー,全日本おにぎり選手権,お好み女王の広島焼きなど,グルメ漫画「包丁人味平」や「一本包丁満太郎」に登場する話を中心にいろんな話もさせていただきました。

 特に面白かったのは,ビッグ錠先生からのお話で,「過去に絵の作成に集中するあまり,水彩画の筆を洗おうと水の入った容器に筆を突っ込んだつもりが,同じ机で食べていたラーメンスープの中にその筆を突っ込んでしまった」というお話でした(笑)

 そんな楽しい会話をしているうちに,私の似顔絵が完成しました。

(似顔絵)
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 ワイシャツ姿でリュックを背負っていた様子や,翌日東京へ中華粥を食べに行く予定だとお伝えしたことを絵に表現していただきました。

 ただ,ネクタイや背景の瀬戸内海・宮島の大鳥居などは,ビッグ錠先生の想像の世界で描かれたものです(笑)

 満面の笑顔で,嬉しさのあまり食べ物をこぼしながら各地の食を楽しむ,私らしい似顔絵となりました。

 この後しばらくしてビッグ錠先生は帰られ,私は引き続き会場の皆さんと楽しくお話をさせていただきました。

 その後,夕食や「アルスノーバ」での打ち上げ会まで御一緒させていただき,夜遅くまで盛り上がりました。

 22時を過ぎ,東京の宿泊先へ向かわなければならない時刻となったので,お世話になったマスターをはじめ,お店や常連客の皆様に御挨拶して店を出ようとしたその時です。

 「来たよ~」と再びビッグ錠先生がお店に来られました。

 私が出発することを知ったマスターが,ビッグ錠先生に連絡してくださったのです。

 最後の最後に,喜びは最高潮に達しました。

 ビッグ錠先生と握手をし,私はお店の皆さんに大きな声で「湘南台,最高でした!ありがとうございました。」と申し上げて,お店を出ました。

 この時,お店の外まで見送ってくださった方から「今が一番の笑顔よ!」とおっしゃっていただき,「あ,そうですか」と少し照れながら,お店を後にしました


 湘南台の皆さんに温かく迎え入れていただいたことで,本当に楽しい時間を過ごさせていただきました。

 ビッグ錠先生や「アルスノーバ」のマスターだけでなく,湘南台の皆さんのファンになりました。

 また機会を見つけて訪問したいです。

 当日お世話になった皆さんに,この場をお借りして心からお礼申し上げます。


<関連記事>
 「ビッグ錠先生の世界1 -石巻カレー全集「食堂パレスの黄色いレトロカレー」とArs Novaの特製ハヤシライス-
 「ビッグ錠先生の世界2 -ビッグ錠先生からのビッグなプレゼント-

2019年6月29日 (土)

スペイン料理の特徴と主な料理 -ソパ デ アホ・スペイン風サラダ・たことジャガイモ・コシード風煮込み・ボカディージョ-

 広島市内のカフェで「ドン・キホーテの夜(Noche de Don Quixote)」と称したスペイン料理を味わうイベントがありました。

 今回はスペインの代表的な料理を御紹介しながら,スペインの食文化の特徴についてまとめてみたいと思います。


ドン・キホーテの夜

 スペインの代表的な料理をプレートに盛られて御用意いただきました。

(スペイン料理プレート)
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 それぞれの料理を御紹介します。

【ソパ・デ・アホ】

(ソパ・デ・アホ)
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 スペイン語で「ソパ」がスープ,「アホ」がニンニクで,ニンニクのスープという意味です。

 スペイン料理は,ニンニクやオリーブオイルを使った料理が多いのが1つの特徴ですが,このソパ・デ・アホもそうした料理の1つです。

 そしてこの料理のもう1つの大きな特徴は,スープの中に乾燥したパンが入れられることです。

 食事で余ったパンは,乾燥してすぐにカチカチに固まってしまいますが,ソパ・デ・アホは,そうしたパンを捨てずに食べ尽くすための料理でもあるのです。
 (スペインに限らず,スープはもともと乾燥したパンを液体に浸して食べるための料理であり,スープにクルトンを浮かべるのはその名残りだと言えます。)

 今回のソパ・デ・アホも,ニンニクが効いたスープの中に,ふわふわの玉子と一口大にちぎったパンが入っていて,とろみのある美味しいスープに仕上がっていました。

 ちなみに,スープにパンを入れる量が多いとドロドロの,少ないとサラサラのスープになります。

【スペイン風サラダ】

(スペイン風サラダ)
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 レタス,トマト,ピーマン,レンズ豆,ツナなどのスペイン風サラダ(ピカディーリョ)です。

 オリーブオイルで生野菜をいただくと,野菜の甘みが増すように思いました。


【たことジャガイモ】

(たことジャガイモ)
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 スペイン人は,日本人と同様,魚介類や米をたくさん食べるという特徴があります。

 魚介類で言えば,タラ,イカ,タコ,海老,ムール貝などが食べられますが,この中に他のヨーロッパ人が「悪魔の使い」として忌避するタコまで入っていることが興味深いです。

 最近は日本でも,スペイン料理店などで惣菜・タパスの1つとして,ガリシア地方の「タコのガリシア風」という料理もよく見かけるようになりました。

 今回の料理は,タコと一緒に茹でたジャガイモが添えられていますが,これも定番料理の1つです。


【コシード風煮込み】

(コシード風煮込み)
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 コシードとは,肉や野菜,豆などを使った煮込み料理のことです。

 今回のコシード風煮込みは,豚肉,ソーセージ,ひよこ豆,人参,玉ねぎ,キャベツなどの食材で作られていました。

 角切りの豚肉やひよこ豆がやわらかくなるまでじっくり煮込まれていて,ボリューム感もある美味しい料理でした。


ボカディージョ

 ボカディージョは,スペイン版のサンドイッチのことです。

(ボカディージョ)
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 細長いバゲットに切れ目を入れて,中にハム(生ハムなど)やチーズ,トルティージャ(スペイン風オムレツ),タラ(バカリャウ)の天ぷら,イカのフライなどの具をはさんだサンドイッチで,バルなどで気軽に食べられている国民食です。

 今回のボカディージョは,バゲットにトルティージャをはさんだものを御用意いただきました。

(ボカディージョ(中身))
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 皮がパリパリで中がもっちりとしたバゲットにトルティージャがよく合い,シンプルな美味しさを感じました。

 ちなみに今回のバゲットは,広島県東広島市の「Boulangerie Chez Georges」(ブーランジュリ シェ ジョルジュ)のパンです。


 今回のイベントでは,ドリンクとしてスペインビールやラ・マンチャ(地方)のワインも用意されていました。

 お酒に弱い私はいただきませんでしたが,ラ・マンチャには古くは「ティナハ」と呼ばれる素焼きの甕でワインが作られてきた歴史があり,セルバンテス「ドン・キホーテ」のゆかりの地でもあるので,今となっては多少酔ってでもラ・マンチャのワインを味わっておくべきだったと少し後悔しています。


スペインの豚食とドン・キホーテ

 スペインの代表的な食材として,オリーブ(オイル)・米・ブドウ(ワイン)・豚肉(生ハム)などが挙げられますが,このうちオリーブ(オイル)や米についてはイスラム教徒がイベリア半島にもたらした食材で,逆にワインや豚肉(生ハム)についてはイスラム教徒が決して口にすることのない,キリスト教徒ならではの食材です。

 こうした食材が混在する背景には,かつてのイスラム教徒によるイベリア半島占領と,それを受けたキリスト教徒によるイスラム教徒からのイベリア半島奪還運動(「国土回復運動(レコンキスタ)」)が深く関係しています。

 レコンキスタによりイスラム教徒から国土を奪還したキリスト教徒は,イスラム教徒やユダヤ教徒,そしてレコンキスタによりキリスト教に改宗した「新キリスト教徒」と区別するための手段として,「豚肉(主に生ハム)が食べられるかどうか」を「踏絵」として利用しました。

 こうした時代背景を物語っている文学作品が,セルバンテスの「ドン・キホーテ」です。

 「ドン・キホーテ」の舞台であるラ・マンチャは,かつて多くのイスラム教徒が住んだ地方であり,物語の主人公(アロンソ・キハーダ,ドン・キホーテ・デ・ラ・マンチャ)や作者のセルバンテス自身は「改宗ユダヤ教徒(コンベルソ)」,ロレンソ(ドゥルシネーア姫)などは「改宗イスラム教徒(モリスコ)」であったとする研究成果があります。

 そして豚(食)と差別に関係する話が頻繁に登場することから,当時のスペインの世相を皮肉たっぷりに表現した作品だと説明することができるのです。

 スペインやその影響を受けたフィリピン(国名はスペイン国王・フェリペ2世に由来)などの国で豚肉の料理が多いのも,豚肉がスペイン人のアイデンティティに関わる食べ物だからと言えます。


 今回のスペイン料理イベント「ドン・キホーテの夜」では,ラ・マンチャ(地方)の話題などで盛り上がりましたが,「ドン・キホーテ」については,「♪ドン ドン ドン ドン・キー,ドン・キ ホーテ♪」とディスカウントストア「ドン・キホーテ」の話題となり,ドンドン話が別の方向へ進んでいきました。

 私も「夜のドン・キホーテ」の話題で盛り上がった客の1人ですが(笑)


<関連サイト>
 「Cafe Igel あかいはりねずみ」(広島市南区的場町1-7-2)
 「Boulangerie Chez Georges(ブーランジュリ シェ ジョルジュ)」(東広島市西条東北町2-14-101)

<参考文献>
 神田外語大学編「連続講義 <食べる>ということ 「食」と「文化」を考える」神田外語大学出版局
  (Ⅰ 世界の<食> 「6 スペインの豚食」本田誠二教授(スペイン文学))
 沼野恭子編「世界を食べよう!東京外国語大学の世界料理」東京外国語大学出版会

2019年6月22日 (土)

あずきの研究15 -福井県鯖江市のカップソフト水ようかん・水ようかんバーガー-

 2018年12月末に福井県鯖江市の「道の駅 西山公園」を訪問しました。

 この施設は「鯖江市西山動物園」に隣接し,鯖江市の観光拠点の1つとなっているので,店内のお土産コーナーには地元鯖江市のお土産のほか,レッサーパンダをはじめとする西山動物園関連グッズなど様々なお土産が売られています。

 同施設の飲食コーナーに,福井・石川など北陸の冬を代表するお菓子「水ようかん」を使ったちょっと珍しい小豆スイーツが販売されていました。

 今回はそのちょっと珍しい小豆スイーツを2種,御紹介したいと思います。


カップソフト水ようかん

 冬季限定で,水ようかんとソフトクリームを組み合わせた「カップソフト水ようかん」が販売されていました。

(カップソフト水ようかん・商品案内)
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 商品案内には,「福井の冬の味 水ようかんをおやつに!水ようかんとソフトクリーム甘いけど合います コーヒー味は,特に最高のコンビで新発売!」とありました。

 小豆あんと生クリームのコンビは,菓子パンやパフェなどでもお馴染みのように,相性が良いことは皆さんも御存知のとおりです。

 「甘いけど合います」とありますが,私を含む甘い小豆あん好きの人間には,むしろ甘い方がありがたいのです(笑)

 単に,冬に水ようかんが提供されるだけでも遠方からの観光客にとっては珍しいことなのですが,ソフトクリームと組み合わせることによって,より豪華なカフェスイーツになるよう工夫されています。

(カップソフト水ようかん)
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 カップの中に渦巻き状にバニラソフトクリームが盛られ,その上に円形のものを4等分した水ようかんがのせられていました。

 水ようかんは,一般的な小豆ようかんに比べてすっきりとした甘さなので,バニラソフトクリームとあわせても甘すぎることはなく,むしろお互いの良さを引き立てていました。

 ぜんざいやおしるこの甘さはちょっと…という方も,これなら新鮮な感覚で美味しくいただけると思います。


水ようかんバーガー

 続いては,商品案内を見た瞬間,思わず「えっ?」とつぶやいてしまったほどユニークな組み合わせのスイーツを御紹介します。

 こちらの商品案内を御覧ください。

(水ようかんバーガー/コーヒー水ようかんバーガー・商品案内)
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 「えっ?水ようかんバーガー?」

 これは珍しいと思い,カップソフト水ようかんと一緒に注文しました。

(水ようかんバーガー)
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 丸く平べったい水ようかんとホイップクリームがバンズではさまれています。

 中身も確かめてみましょう。

(水ようかんバーガー(中身))
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 程よく焼いて温められたバンズにバターときなこを塗り,丸く平べったい水ようかんとホイップクリームがはさまれています。

 きなこバターとホイップクリームと水ようかんの組み合わせが絶妙で,とても美味しいバーガーでした。

 小倉ホイップやあんバター,名古屋の小倉マーガリン系のパンに似た味です。

 お店の方に「福井ならではの珍しいメニューですね。面白い取組みだと思います。」とお話しすると,とても喜んでくださいました。

 今回御紹介した「水ようかんバーガー」のほかに,「清雲堂」(鯖江市深江町)のコーヒー味の水ようかんが使われたバーガーもあったようです。

 これらのバーガーは冬季限定商品ですが,ほかの時期にも,鯖江市の伝統野菜「吉川ナス」や薬味の「山うに」などが使われたバーガーなど,ご当地ならではの料理・お菓子も提供されています。


 北陸の冬を代表するお菓子「水ようかん」。

 地元では水ようかんそのものだけでなく,水ようかんをさらに応用したお菓子もあることがわかりました。

 こうした地元・ご当地ならではのお菓子・料理を探す旅も楽しいと思います。


<関連サイト>
 「道の駅 西山公園」(福井県鯖江市桜町3-950)

<関連記事>
 「石川の冬・正月を代表するお菓子 -水ようかん・福梅-
 「あずきの研究12 -なぜ冬に水ようかんを食べる地方があるのか-

2019年6月21日 (金)

成田山絵馬の耳かき -千葉県成田市-

大本山成田山新勝寺の絵馬の耳かきです。

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職場の方から千葉のお土産としていただきました。

この方,私の影響でご当地耳かきコレクターの道に少し目覚められたようで,
・昔からあるようなお土産店を中心に探す
・ご当地の特色が表現されていて,できれば地名が入っている耳かきを選ぶ
・購入場所がわかるように包装紙も取っておく
といった具合に,まるで御自分がコレクションされているかのように旅行先で耳かきを見つけては,私にプレゼントしていただけるようになりました(笑)

千葉県のご当地耳かきは,東京ディズニーランド・ディズニーシーの耳かきと千葉ロッテマリーンズ(スティッチ)の耳かきしか持ってなかったので,いつか千葉の観光地・成田山へ行って探してみようと思っていたのですが,この方に先回りされました(笑)

でも,本当に欲しいと思っていただけに,とても嬉しかったです。

ちなみに,絵馬の裏はこんな感じになっています。

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この耳かきの台紙には,
「成田山は不動明王を御本尊として開山されました。たくさんのご利益があり,多くの参拝者が訪れます。」
と説明書きがあります。

またいつか広島空港からLCCで成田空港へ行き,今度は「私が」成田山の耳かき探しをしてみたいです。

2019年6月15日 (土)

昆虫食の研究6 -コオロギラーメン-

 2019年6月,広島市内の飲食店で「虫」をテーマにしたグルメイベント「広島 eat labo 01」が開催されました。

 そのイベントでは,「ANTCICADA(アントシカダ)」地球少年さんのコオロギラーメンなど,普段なかなか味わえない料理もたくさん用意されている様子だったので,これは私もムシできないと思い,参加させていただきました。


コオロギラーメン

 お店に用意された当日限りのメニューを見ると,「コオロギラーメン1,300円(椎茸出汁 和牛チャーシュー+500円)」とあったので,この椎茸と和牛チャーシュートッピングありの特製コオロギラーメンを注文しました。

 溢れんばかりのお客さんで盛り上がる店内でワクワクしながら待っていると,しばらくして特製のコオロギラーメンが運ばれてきました。

(コオロギラーメン)
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 スープにコオロギの粉末が混ざっていることと,和牛チャーシューの上にちょっと気になるリアルなコオロギがいることを除けば,見た目や香りは一般的なラーメンと変わりありません。

 むしろ,「六花界グループ」の霜降り和牛のチャーシューや「椎茸祭」の椎茸だしがトッピングされていることもあり,これはとても高級なラーメンだと言えます。

 「ANTCICADA」のメンバーをはじめ,すごいメンバーが広島に集まったなと思いながら,コオロギラーメンをいただきました。

 リアルなコオロギを近づいて見てみると…。

(和牛チャーシューとコオロギ)
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 霜降りのやわらかい和牛チャーシューの上に,3匹のコオロギが整列しています(笑)

 美食の極みと言える霜降り和牛と,世界的な人口増加に伴う食料危機の救世主として注目されつつあるコオロギという両極端な組み合わせです(笑)

 最初にこのコオロギをいただいてみましたが,嫌なにおいやクセは全くなく,むしろ香ばしくて,イナゴや成虫の蜂の子に似たサクサクした食感を楽しめました。

 麺は少しちぢれた黄色い麺で,弾力がある仕上がりでした。
 コオロギラーメンの紹介パンフレットによると,様々な種類のコオロギを粉末状にし,麺に練り込んだ「練り込み麺」とのことです。

 スープは,塩ラーメンと醤油ラーメンの中間のような,比較的あっさりした味のスープでした。
 煮干しやサバ節を砕いたような,粗めのコオロギの粉末もかかっています。
 パンフレットによると,ラーメン1杯に約100匹のコオロギを使用した出汁やコオロギで作られた「コオロギ醤油」などが使われているとのことでした。

 「ANTCICADA」のメンバーの方ともお話しさせていただきました。

 コオロギラーメンには,淡泊で上品な味が特徴の「ヨーロッパイエコオロギ」と,旨味が強い「フタホシコオロギ」という2種類のコオロギをブレンドして使用されているそうです。

(コオロギの味・種類の説明)
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※コオロギラーメンの紹介マンガから一部抜粋・引用

 「エビやカニに近い風味に,煮干しやスルメに似た旨味…この味はコオロギしか出せない!」
 「高タンパク 低脂質」

 イナゴから果てはゴキブリまで,様々な昆虫を食べ尽くされた結果,ラーメンにはコオロギが最適という結論に至ったとのことです。

 コオロギ出汁を取った後の,コオロギの出汁がらも用意されており,試食を勧めていただきました。

(コオロギの出汁がら)
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 このコオロギ達が生きていたら,私はダメだと思います(笑)

 手に取って少しいただいてみたのですが,出汁がらということもあり,特に味はなく,パサパサした食感で,小さな殻付きエビをいただいているような感じでした。

 クセが少ないのは,コオロギを絶食させて糞抜きをしたり,炒ったりと,丁寧な下処理がなされているからでもあります。

 また,コオロギのお話以外にも,
○イナゴよりも雑食のコオロギの方が風味がよいこと
○タガメは洋梨フレーバーがすること
○カブトムシは腐葉土のにおいがするため美味しくないこと
○(衛生的な飼育をされた)ゴキブリは意外と美味しいこと
など,昆虫食にまつわる興味深いお話をたくさん伺うことが出来ました。

 私はこの特製コオロギラーメンを,スープの最後の一滴まで飲み干しました。

 これで私は一度に約100匹のコオロギをいただいたことになります(笑)

 今回は出張販売でしたが,近々,東京都中央区日本橋にレストランを開店される計画をお持ちだと伺いました。
 どんなお店をオープンされるのか,今からとても楽しみです。

 今回のイベントでは,このコオロギラーメンのほかに,タガメが入った「タガメジン」(ANTCICADA)や,「イモムシテキーラ(メキシコの蒸留酒メスカル)」(タコス屋ハルディン)など,「虫」をテーマにした珍しい料理・ドリンクが用意されていました。


まとめ

 いただいたコオロギラーメンのパンフレットに「私たちが日々食べている食事は,世界の生き物の0.02%程度のものでつくられています。」と紹介されていたのが印象的でした。

 この割合を100%に近づけることは,人間を含む世の中のありとあらゆる生き物を食用とすることを意味するので現実的な話ではありませんが,0.02%という数字は,まだまだ食の対象となり得る生き物が存在することを示唆しているようにも思えます。

 誤解や偏見,食わず嫌いの世界から一歩踏み出す勇気と冒険心があれば,新たな食の世界が切り開けることは間違いありません。


<関連サイト>
 「ANTCICADA

<参考文献>
 内山昭一「昆虫食入門」平凡社新書
 水野壮 監修「昆虫を食べる!昆虫食の科学と実践」洋泉社

2019年6月 8日 (土)

マツダ OPEN DAY 2019 -TSUNAGARI Cafeのお子様ランチ・特製剣淵コロッケ・タリーズコーヒー マツダ広島本社店-

 2019年6月1日,2日の2日間にわたって「マツダ OPEN DAY 2019」が開催されました。

 私は6月2日の招待状が入手できたので,2年ぶりに参加させていただきました。


マツダ本社ロビー展示

(マツダ本社ロビー「ロードスターと平成の30年展」)
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 マツダ本社ロビーで「ロードスターと平成の30年展」というテーマで歴代のロードスターが展示されていました。

(ロードスター10周年記念車)
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 青いロードスター10周年記念車です。

 車体にびっしりとファンの方々のサインが書かれています。

 1つや2つの名前だったら落書きですが(笑),ここまでびっしり書かれていると,もはや芸術の域です。

(マツダブランドシンボル(デミオミニカー))
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 同じくマツダ本社ロビーの一角に,マツダのブランドシンボルマークの記念撮影スポットがありました。

 マツダ「デミオ」の白いミニカーでマツダのマークが作られています。

 このほか,本社工場エリアを中心に,電波暗室見学,車両強度試験見学&体験,車両展示見学,パワートレイン技術展示&見学などを楽しみました。


マツダ社員食堂「TSUNAGARI Cafe」のランチ

 さあ,お待ちかねのランチの時間です。

 今年はどんなランチが用意されているのか,ワクワクしながらマツダ社員食堂「TSUNAGARI Cafe」を訪問しました。

 お店の外には,食券を買い求める人々の列ができていました。

 その列に並び,事前にメニュー表を見せていただきました。

(「TSUNAGARI Cafe」メニュー表)
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 ランチは,
①「KID'Sランチ(ミニカー付き)」
②「宮崎県産 霧島黒豚ハンバーグ」
③「あん!たっぷり!かに玉天津飯」
④「新宿中村屋監修 バターチキンカリー」
⑤「海老天うどん・そば(おにぎり2個付き)」
⑥「一風堂監修 元祖博多とんこつラーメン(おにぎり2個付き)」
の6種類が用意されていて,海老名・北海道メロンパンも販売されていました。

 突然ですが,問題です。

 これらのメニューの中で,私はどの料理を選んだでしょうか。(ヒント:私は特徴のある料理を選ぶ傾向にあります。)

 答えはこちらです。

(KID'Sランチ)
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 「KID'Sランチ」,いわゆるお子様ランチです。

 お子様用なので,私が注文するのは申し訳ないという気持ちもあったのですが,お店の方に注文可能かどうか確認した上で,こちらを注文させていただきました。

 なぜこのランチを選んだのか。その理由は,このランチにはマツダのミニカーが付いていて,一番マツダらしさを感じたからです。

 コロッケ,チキンナゲット,ミートボール,エビフライ,ウィンナー,フライドポテト,茹で野菜(ブロッコリー),プチトマト,ロールパン,オレンジジュース,ミニカー(マツダ「ロードスター」)がセットになっていました。

 食の分野でも,もっとマツダらしさを前面に出されて,ブランドアピールの機会にされると良いのではないかと思いました。

 この「TSUNAGARI Cafe」で,多くの方々が働いておられる自動車工場ならではの発想だなと思ったものがあります。

 食堂入口に設置されていたこちらの看板です。

(「TSUNAGARI Cafe」案内MAP)
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 選んだメニュー別に,進むルートがきちんと決められていました。

 大勢のお客様に対応するための工夫だと思いますが,自動車工場の製造ラインのようなこの仕組みは,マツダならではと思いました。


ウオクニ「特製剣淵(けんぶち)コロッケ」

 大きなマツダ工場内には給食センターがあり,1日約8千食もの食事が作られています。

 その給食業務を担っておられるのがウオクニ株式会社です。

 売店コーナーで,ちょっと気になる商品案内を見つけました。

(ウオクニ「特製剣淵コロッケ」商品案内)
Photo_74

 商品案内には,
「マツダ耐寒試験場のある北海道上川郡剣淵町のじゃがいも農家さんからウオクニが『キタアカリ』1トン!を買いつけ,おいしいコロッケにしました。」
とありました。

 北海道剣淵(けんぶち)町には,自動車の冬季耐寒試験(雪上テスト・融雪テストなど)が行われる「マツダ剣淵試験場」があるのですが,その剣淵町産のジャガイモで作られたコロッケなのです。

 これこそマツダらしい食べ物だと思い,購入しました。

(ウオクニ「特製剣淵コロッケ」)
Photo_75

 粗めにつぶしたジャガイモのみで作られたシンプルなコロッケでした。

 ジャガイモがホクホクでほどよい甘みがあり,とても美味しいコロッケでした。


タリーズコーヒー・マツダ広島本社店

 マツダ OPEN DAYの締めくくりに,休憩を兼ねていつも利用させていただいているお店が,マツダ本社ロビーの一角にある「タリーズコーヒー・マツダ広島本社店」です。

 ホットコーヒー(ブラックスリー)と渦巻きデザインのスワークルクッキーをいただきました。

(ブラックスリーとスワークルクッキー,記念品コースター)
Photo_76

 コーヒーやクッキーと一緒に,今回のオープンデーの記念品としていただいたコースターを並べてみました。

 カフェでコーヒーとクッキーを味わいながら,マツダオープンデーの楽しかったイベントの数々を思い出し,しばらくその余韻に浸りました。

 今回2日間行われた「マツダ OPEN DAY 2019」では,昨年までの人数を大幅に上回る約8,300人もの来場者を記録されたようです。

 来年(2020年),マツダは創業100周年を迎えられます。

 その記念すべき年に向け,地元広島はもちろん,全国・全世界のマツダファンが一体となって機運を盛り上げたいものです。


<関連サイト>
 「マツダ株式会社
 「マツダの第二のふるさと,北海道剣淵町へ行ってみました。」(マツダ公式ブログ「ZOOM-ZOOM BLOG」)

<関連記事>
 「マツダ OPEN DAY 2016 -TSUNAGARI Cafeのダブルカレーライス-
 「マツダ OPEN DAY 2017 -TSUNAGARI Cafeのオムバーグ・カルビー「ポテりこ」-

2019年6月 1日 (土)

天使の富士山の耳かき -山梨県富士吉田市-

富士山の耳かきです。

1903245

職場の方から富士山のお土産としていただきました。

富士山五合目の売店で販売されていたそうです。

立体的な富士山で,後ろ(背中)に金色の天使の羽根があることから,「天使の富士山」とネーミングされています。

キラキラしたラメが雪のようです。

手作り感あふれる,これぞ定番の富士山の耳かきと言える耳かきです。

2019年5月25日 (土)

セルビアの朝食(コーンブレッド・アイバル・ヨーグルト)と手作りアイバル

 広島市内のカフェでセルビアの朝食を味わう機会がありました。

 いつか「アイバル」を味わってみたいと思っていた私は,興味を持ってこのセルビアの朝食を注文しました。


コーンブレッド・アイバル・ヨーグルト

(コーンブレッド・アイバル・ヨーグルト)
Photo_62

 写真左上の黄色の四角いパンが「コーンブレッド」,写真右上の小皿に入った赤色のペーストが「アイバル」,写真手前の小皿に入った白い食べ物が「ヨーグルト」です。

【コーンブレッド】
 コーンブレッドは,小麦粉のほかにトウモロコシ粉を混ぜた生地を,ベーキングパウダーで膨らませて焼いたパンです。
 ベーキングパウダーで膨らませているので,サクサクとした食感のパンに仕上がっていました。

【アイバル・ヨーグルト】
 アイバルは,セルビアなどバルカン半島の国々で広く食べられているパプリカのペーストです。
 セルビアはその位置関係から,トルコやハンガリーの食文化の影響を受けた料理が多いのですが,アイバルについてはトルコが起源とされています。
 パプリカの皮を直火やオーブンで黒焦げになるぐらい焼いて取り除き,オイル・ニンニク・塩などとあわせて煮込み,ペースト状にした保存食です。
 このアイバルやプレーンヨーグルトをコーンブレッドに塗って,美味しくいただきました。


アイバルを自分で作ってみる

 パプリカの表面を黒焦げになる程焼くと皮がむけることは知っていましたが,これまでやってみたことはありませんでした。

 また,「パプリカの皮さえむけば,パプリカはやわらかく調理しやすくなるのではないか」とも思ったので,実際に試してみることにしました。

 仕事帰りに赤色と黄色のパプリカを購入しました。

 購入直後に「赤色と黄色だったら,一緒に調理すると色が混ざってしまう」ことに気付いたのですが…(笑)

(パプリカ(赤・黄))
Photo_63


【パプリカの皮を焼く・皮を取り除く】

 パプリカの芯をフォークで刺し,ガスコンロの直火でクルクル回しながら焼きました。

(パプリカを直火で焼く様子)
Photo_64

 パプリカの皮に黒い焦げ目がつくまでに,結構時間がかかりました。

(パプリカの皮を焼いた様子)
Photo_65

 黒焦げになる程焼くと,ズルズルと皮をむくことができました。

 ただ,「まんべんなく」,「しっかりと」焼かないと,こうはなりません。

(パプリカの皮を取り除いた様子)
Photo_66

 黄色のパプリカは皮を焼いたことで,ややくすんだ色になりました。

【パプリカをペーストにする】

○大根おろしを使ってみる
 レシピには,皮を取り除いたパプリカをミキサーやフードプロセッサなどでペースト状にすると説明されているのですが,私は持ってないので,大根おろしでパプリカをすりおろしてみました。
 これで簡単にできると思ったのですが,実際は皮をむいていることもあり,ツルツル滑ってまともにすりおろせませんでした。   
 またパプリカをすりおろすと無駄に水分も出てしまい,ペースト状にはならないこともわかりました。
 仕方なく,調味用のニンニクだけすりおろしました。

○パプリカを煮詰める
 次に,パプリカを煮詰めたらやわらかくなるかもと思い,フライパンにオリーブ油をひき,みじん切りにしたパプリカとすりおろしたニンニクを入れ,塩で味を調えてしばらく煮詰めてみました。
 しかし私の予想に反し,少々煮詰めた程度ではパプリカはやわらかくなりませんでした。

○パプリカをすり鉢でする
 パプリカはちょっとやそっとではやわらかくならないことがよく理解できました。
 しかしここであきらめるわけにはいきません。
 そこですり鉢を用意し,その中へみじん切りにしてしばらく煮詰めたパプリカを入れ,すりこぎですってみることにしました。

(みじん切りで煮詰めたパプリカとすり鉢(赤パプリカ))
Photo_67

(みじん切りで煮詰めたパプリカとすり鉢(黄パプリカ))
Photo_68

 この状態でアイバルだと言うのはちょっと無理がありますね…。
 でも少々煮詰めたぐらいではこの程度にしかならないのです。
 そこで,すり鉢とすりこぎですれば簡単にペースト状になるだろうと思ったのですが,実際はパプリカが固く,かなりの時間がかかりました。
 1つ1つのパプリカ片をすりこぎで押しつぶすようにしながら,何とかペースト状にまでしたものがこちらです。

(すり鉢でペースト状に仕上げた様子(赤パプリカ))
Photo_69

(すり鉢でペースト状に仕上げた様子(黄パプリカ))
Photo_70

 ペースト状にすることで,フワフワした感じになり,赤パプリカに限っては赤色から濃いオレンジ色に変化しました。
 世界広しと言えども,すり鉢とすりこぎを使ってアイバルを作った人間はなかなかいないでしょう。
 あ,威張るつもりはありませんが…(笑)

【アイバルを作ってみてわかったこと】

 これで何とかアイバルの完成です。

(アイバル(赤パプリカ・黄パプリカ))
Photo_71 

 ニンニクとオリーブ油で煮詰めたことで食欲をそそる香ばしさが出て,パプリカ本来の甘みも感じるペーストに仕上がりました。

 バターのようにパンに塗ったり,野菜などのディップソースとするなど,いろんな楽しみ方ができるように思いました。

 試しに温かいご飯にのせて食べてみたのですが,これはやり過ぎでした(笑)

 今回,アイバルを作ってみてわかったことは,
 ・パプリカの表面をまんべんなく焼かないと皮がきれいにむけない。
 ・パプリカの皮を取り除く作業は,生のイカの皮むきに似て意外と面倒。
 ・黄色のパプリカは焼くと褐色がかった色になる。
 ・皮を取り除いただけではパプリカはやわらかくならない。
 ということで,
 「アイバル作りは簡単そうで意外と時間と手間がかかる」というのが私の正直な感想です。

 自分で作ってみて,つくづくアイバルを作ることの大変さがわかりました。

 ハンガリーのスープ「グヤーシュ」などパプリカを使う料理のレシピに,パプリカではなくパプリカパウダーがよく用いられるのも,パプリカの扱いの難しさによるものではないかと思います。

 私は当初,カフェで朝食として気軽にアイバルをいただきましたが,そのアイバルを御用意された店主さんの,お客さんに伝えたかった思いや御苦労も少しは理解できたように思います。

 アイバルの手作りは確かに面倒ですが,その美味しさは格別ですので,興味を持たれた方はぜひ挑戦してみてください。


<関連サイト>
 「Cafe Igel あかいはりねずみ」(広島市南区的場町1-7-2)

<参考文献>
 沼野恭子編「世界を食べよう!東京外国語大学の世界料理」東京外国語大学出版会

2019年5月19日 (日)

福島県会津地方の食文化 -馬刺し・ニシン・鯉・くきたち菜・三五八漬け・こづゆ・天ぷら・揚げまんじゅう・そば・会津山塩・なめこ茸-

 2019年3月に福島県会津若松市を訪問しました。

 会津若松は,周りを山に囲まれた盆地にあり,交通手段が発達していない昔は,人や物資の交流もままならなかったため,独自の生活文化圏・食文化が形成されてきました。

 そのため,会津若松の食文化は,桜肉(馬肉),ソースかつ丼,輪箱(わっぱ)飯,こづゆ,会津蕎麦,日本酒,鯉料理,羊羹など,会津若松ならではの,他地域では珍しい料理もたくさんあります。

 会津若松ならではの食文化を知りたいと思い,会津若松市内のそば・郷土料理店を訪問しました。


馬刺し・ニシンの山椒煮・鯉の甘煮・くきたち菜

 今回訪問したお店では,会津若松のいろんな郷土料理が一度に堪能できる「おもてなし御膳」というメニューが用意されていたので,こちらを予約注文させていただきました。

 1人でも快く予約を引き受けてくださり,きちんとした席も御用意いただいたので,遠方(広島)から訪問した私にとっては,とてもありがたかったです。

(馬刺し・ニシンの山椒煮・鯉の甘煮・くきたち菜のお浸し)
Photo_49

 写真左上が馬刺し,中央がニシンの山椒煮,右上が鯉の甘煮,左下がくきたち菜のお浸しです。

 個別に料理を御紹介します。

【馬刺し】

(馬刺し)
Photo_50

 会津地方には桜肉(馬肉)を食べる文化があり,桜肉を売る精肉店もあります。

 これは会津地方が旧越後街道の交通の要衝として栄え,人々の生活と密接に関わりを持っていたことや,会津坂下町に馬の「せり場」があったことに由来します。

 今回の馬刺しは,醤油に「にんにく唐辛子みそ」(写真手前の薬味)を溶いていただきました。

【ニシンの山椒煮】

(ニシンの山椒煮)
Photo_51

 かつて海から離れた会津地方は,海産物と言えば乾物が中心でした。

 身欠きニシン,棒タラ,スルメ,貝柱などが挙げられます。

 そのため,会津地方では,そうした乾物を一旦戻して調理した料理も多く存在します。

 ニシンの山椒煮(山椒漬け)は,そんな会津地方の保存食の1つです。

 同じような料理に,スルメを人参と漬け込んだ「いかにんじん」や,棒タラを砂糖・醤油で味付けして長時間煮込んだ「棒たら」などがあります。

【鯉の甘煮】

(鯉の甘煮)
Photo_52

 私は,会津にも鯉の甘煮があることにとても興味を持ちました。

 かつて訪問した山形県米沢市でいただいた鯉の甘煮と同じだったからです。

 会津と米沢はいずれも盆地であること,地理的にも近いこと,藩政改革をきっかけに鯉料理が食べられるようになったことなど,共通点が多くみられます。

 醤油・砂糖・酒などで甘辛く煮た鯉の甘煮は泥臭さもなく,美味しくいただきました。

【くきたち菜のお浸し】

(くきたち菜のお浸し)
Photo_53

 くきたち菜は会津に春の訪れを知らせる野菜とされています。

 辛子醤油で味付けされ,すりゴマがたっぷりかけられたお浸しでした。


三五八漬け・こづゆ

 続いて,「三五八(さごはち)漬け」と「こづゆ」を御紹介します。

【三五八漬け】

(三五八漬け)
Photo_54

 三五八漬けは,ご飯に米麹を加えて糖化させたものに塩を加えた漬け床に野菜などを漬けて作られます。

 野菜の持ち味を生かし,ほんのりとした甘味が楽しめる漬物です。

【こづゆ】

(こづゆ)
Photo_55

 こづゆは,会津地方で江戸時代後期から明治時代初期にかけて武家料理や庶民の御馳走として広まり,冠婚葬祭の料理として振る舞われる郷土料理です。

 干し貝柱,きくらげ,干しシイタケ・里芋・人参・糸こんにゃく・豆麩などが主な食材で,乾物を多く用いられることが特徴となっています。

 具だくさんのすまし汁なのですが,いろんな乾物からよい出汁が出ていました。


会津の天ぷら盛合せ・揚げまんじゅう

 会津の郷土料理でぜひ食べてみたかった料理の1つが,会津の天ぷらです。

 会津には,ほかでは例のなさそうな,珍しい食材の天ぷらが多いのです。

【会津の天ぷら盛合せ】

(会津の天ぷら盛合せ)
Photo_56

 天ぷらにすると衣で元々の食材がわかりにくいですが,写真左から右へ順に,スルメ,ニシン,鯉,まんじゅう,ふきのとうの天ぷらです。

 保存食である乾物のスルメやニシンは天ぷらにするとやわらかく,美味しくいただくことができます。

 鯉の切身を天ぷらにするのも,鯉を美味しく食べるための工夫から生まれた発想なのでしょう。

 ふきのとうは春の訪れを感じさせてくれる天ぷらでした。

 なお,今回の天ぷらに添えられた大根おろしは,金山町で採れた野生の大根「アザキ大根」です。

【まんじゅうの天ぷら】

 続いて「まんじゅうの天ぷら」です。

 この料理は会津訪問前からとても気になっていたので,単品でも注文しました。

(まんじゅうの天ぷら)
Photo_57

 この天ぷら,私はその見た目や大きさから,一瞬「しいたけの天ぷら」かと思いました。

 それでは天ぷらの中身を見てみましょう。

(まんじゅうの天ぷら(中身))
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 こしあんが入った薄皮饅頭の天ぷらです。

 私はこの饅頭を見て,福島県郡山市の日本三大まんじゅうの1つ,「柏屋の薄皮饅頭」を思い出しました。

 饅頭自体が大きい上に,衣をつけて揚げてあるので,結構ボリュームがあります。

 私はこのまんじゅうの天ぷらを,盛合せと単品を合わせて2つもいただき,とてもお腹いっぱいになりました。

 私の住む広島にもホルモンの天ぷら(広島市)やもみじ饅頭の天ぷら(宮島)といった珍しい天ぷらありますが,会津の天ぷらも強者です。


盛りそば

(盛りそば)
Photo_59

 盛りそばです。福島県が育成したオリジナルそば品種「会津のかおり」が使われています。

 白くてコシのある美味しいそばでした。


会津山塩

 会津の郷土料理を堪能した後,私はお店の方に気持ちばかりの広島のお土産をお渡しし,お礼申し上げました。

 1人の予約にも快く応じてくださり,きちんとした席も用意していただき,いろんな会津の郷土料理を味わわせていただいたことが嬉しかったからです。

 すると厨房でお忙しくされていた店主さんが出てこられ,「これをお土産にどうぞ」とお店でも使われている会津の山塩をいただきました。

(会津山塩)
Photo_60

 大塩裏磐梯温泉(福島県耶麻郡北塩原村)の温泉水を薪窯で煮詰めて作られる珍しい塩です。

 一般的な食塩に比べて,結晶が細かく,その分塩辛さも強いように感じました。

 そしてただ塩辛いだけでなく,その塩辛さをやさしく包み込むような甘味やうま味が後から追い掛けてくるようにも感じました。

 海から遠く離れた会津ならではの塩です。

 店主さんの温かい人情にも触れることができ,思い出に残る食事となりました。


地元のお店で会津の食探し

 お店から会津若松駅に向かう途中,会津ならではの食品が売られていないかと,地元のスーパーマーケット(「リオンドール千石店」)に寄ってみました。

 店内には,身欠きニシン,馬肉,揚げまんじゅうなど,会津地方ならではの食品がたくさん売られていました。

 また別のお店へ行くと,「なめこ茸」の缶詰が売られており,これも会津の名産だと伺いました。

(なめこ茸(缶詰))
Photo_61

  大根おろしと一緒にいただくのがおすすめだそうです。

 これらの食品は,会津の食生活とかかわりが深いことが理解できました。


まとめ

 今回の旅で,私は「会津の三泣き」(※)を実感しました。

 ※「会津に来たときはその閉鎖的な人間関係に泣き,なじんでくると人情の深さに泣き,去るときは会津人の人情が忘れ難く泣く」こと(福島県庁ウェブページから抜粋)

 訪問したどのお店でも広島から来た私を歓迎してくださり,話が盛り上がって自然と滞在時間が長くなりました。

 特にNHK大河ドラマ「八重の桜」で八重を演じた綾瀬はるかさん(広島市出身)の話題はどこでも盛り上がりました。

 そうした会津のみなさんの人情深さには,涙が出る思いがしました。

 そしてわずか半日の滞在でしたが,夜,会津若松駅を出発した電車の中で温かい人々にめぐり会えたことを思い出すと,会津を離れがたい気持ちになりました。

(会津若松駅・磐越西線・郡山行)
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 会津若松駅から磐越西線の電車で郡山駅へ行き,郡山駅から東北新幹線で東京駅まで戻りました。

 次回会津を訪問する際は,もっとゆっくり滞在するプランにし,また会津の温かい人情に触れたいと思いました。

 その時もきっと,西田敏行さん(福島県出身)のように,涙もろくなってしまうんだろうな(笑)


<関連リンク>
 「徳一」(福島県会津若松市東千石1-5-17)
 「電車で会津の旅 会津の隠れた名物郷土料理『鯉の甘煮(うまに)』を食べる」(東武鉄道)
 「会津山塩」(会津山塩企業組合)

<関連記事>
 「あずきの研究12 -なぜ冬に水ようかんを食べる地方があるのか-」(東山温泉「松本家」の水ようかんと湯の花羊羹)
 「山形の食文化の特徴1 -米沢の鯉料理と食用菊-
 「広島の名物・郷土料理1 -ホルモン天ぷら,ホルモン天ぷらの種類と特徴-
 「広島の名物・郷土料理2 -ホルモン天ぷら(ビチ・チギモ),スマートな注文方法-

<参考文献>
 尾形希莉子・長谷川直子「地理女子が教えるご当地グルメの地理学」ベレ出版
 「dancyu おいしい鉄道旅 2018年12月号」プレジデント社

«ムーミンの耳かき -埼玉県飯能市-

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