2018年11月18日 (日)

ビッグ錠先生の世界 -石巻カレー全集「食堂パレスの黄色いレトロカレー」とArs Novaの特製ハヤシライス-

料理・グルメ漫画の第一人者 ビッグ錠先生

 私の食文化に興味を持ったきっかけは,子供の頃に読んだ料理・グルメ漫画です。

 そのため,大人になった今でもよく読んでいます(笑)。

 日本の料理・グルメ漫画家の第一人者と言えばビッグ錠先生が挙げられるでしょう。

 私が今まで読んだビッグ錠先生の本は,代表作の「包丁人味平」や「一本包丁満太郎」をはじめ,「釘師サブやん」,「スーパーくいしん坊」,「ピンボケ写太」,「塾師べんちゃん」,「一発怒漢」,「仕事塾」,「きまぐれキッチン」,「ちゃんこ包丁十番勝負」,「サバーイ闘士郎」,「流れ陶二郎けんか窯」,「発電ドクター走る!」,「電気ロード見聞録」,「味師銀平 妖刀伝」,「スタジオHELP」,「球五郎列球伝」,「ぼへみあん」,「電車痛勤あるある」などで,イラストを描かれた本(森枝卓士「食の冒険地図 交じりあう味,生きのびるための舌」など)も合わせると相当数になります。

 自宅にあるビッグ錠先生の本を並べてみました。

(ビッグ錠先生の本)
Photo

 これだけではなく,実家にもビッグ錠先生の本がたくさんあります。

 今回は,こんなビッグ錠ファンの私が,ビッグ錠先生と深いかかわりのある料理やお店などを御紹介したいと思います。


石巻カレー全集3「食堂パレスの黄色いレトロカレー」

 宮城県石巻市に,石ノ森章太郎先生ゆかりの「石ノ森萬画館」があります。

 石巻市は東日本大震災で大きな被害を受けましたが,その震災以降に「石巻市を訪れた人たちに石巻らしいお土産を」と考案されたのが,人気の料理カレーと漫画をセットにした「石巻カレー全集」です。

 石巻のお店のカレーと「石ノ森萬画館」に御縁のある漫画家に描いてもらった漫画をセットにして売られているもので,現在全8巻(※)が発売されています。

※第1巻・うえやまとち,第2巻・土山しげる,第3巻・ビッグ錠,第4巻・倉田よしみ,第5巻・はやせ淳,第6巻・久住昌之,第7巻・井上きみどり,第8巻・麻宮騎亜

 私は東北旅行の際,仙台駅構内のお土産店で「石巻カレー全集3 食堂パレスの黄色いレトロカレー・ビッグ錠」を購入しました。

(石巻カレー全集3 食堂パレスの黄色いレトロカレー(箱))
Photo_2

 ビッグ錠先生が描かれたカレーの漫画が食欲をそそります。

(石巻カレー全集3 食堂パレスの黄色いレトロカレー(漫画))
Photo_3

 箱を開くと,「ビッグ錠先生とカレー」,「ビッグ錠先生と石巻」という題でビッグ錠先生のカレーと石巻にまつわるお話が漫画で紹介されていました。

 ちなみにビッグ錠先生は,「包丁人味平」の味平カレーやブラックカレーなど,カレーについても深く研究され,漫画にされていることでも有名です。

 レトルトを温め,ご飯と一緒にカレーを盛り付けました。

(食堂パレスの黄色いレトロカレー)
Photo_4

 石巻市住吉町にある「食堂パレス」の「黄色いレトロカレー」です。

 確かにかなり黄色いカレーです。具は玉ねぎと豚肉です。

 小麦粉のルーのとろみがあり,香辛料が控え目な代わりに鰹節のダシが効いている和風のカレーとなっています。

 カレーうどん(そば)のカレーあんに似たカレーで,昔から愛される和のテイストのカレーを美味しくいただきました。


湘南台のArs Nova

 ビッグ錠ファンの私は,関東に旅行するたびに,いつか訪問したいと思うお店がありました。

 神奈川県藤沢市湘南台にある「Ars Nova(アルスノーバ)」というお店です。

 ビッグ錠先生は現在藤沢市にお住まいで,Ars Novaを「寄港地」にされているとの情報を得ていたからです。

 ビッグ錠先生に少しでも近づくことができたらという思いで,広島から新幹線,地下鉄ブルーライン,相鉄を利用して湘南台のお店を訪問しました。

(相鉄・湘南台駅)
Photo_5

 11時過ぎにお店に到着しました。すると…

(「Ars Nova(アルスノーバ)」)
Photo_6

 「CLOSED」。開店してない…。

 ショックでしたが仕方ないとあきらめ,湘南台駅に戻りました。

 でもあきらめきれず,せっかくここまで来たのだから,ほかにも何か手掛かりはないかと,駅構内の観光パンフレットやポスターを見て回りました。

 すると,ふと湘南台のタウンマップが目にとまりました。

 そして,その絵がビッグ錠さんの描かれたものだとすぐにわかりました。

 このタウンマップを湘南台訪問の記念にできないかと思い,再びArs Novaの前を通って「湘南台文化センター」まで戻り,市民窓口の方にお願いしてマップをいただくことができました。

 これでひと安心と,再び湘南台駅に戻ろうとArs Novaの前を通りました。

 すると…ドアが開けられ,「OPEN」となっていました。ランチタイムは11時30分スタートだったのです。

 目の前がパーッと明るくなりました。

 嬉しさ一杯で「寄港地」にお邪魔しました。

 お店の皆さんに広島から伺った旨をお伝えすると,驚いておられました。

 私はカウンターに案内していただいたのですが,席の真正面にビッグ錠先生の描かれた,このお店のマスターの似顔絵が飾ってありました。

(マスターの似顔絵(ビッグ錠))
Photo_7

 マスターがカクテルをシェイクされています。
 絵の右下でArs Nova20周年に乾杯している人物がビッグ錠先生なのでしょう。

 ビッグ錠先生お気に入りのお店であることを実感しました。

 ランチタイムということで,私は「今日のおすすめ」の特製ハヤシライスを注文しました。

(特製ハヤシライス)
Photo_8

 肉厚の牛肉と玉ねぎをサッと炒め,牛肉のジューシーさと玉ねぎのシャキシャキ感を残しつつ,トマト風味を生かしたデミグラスソースで仕上げられた美味しいハヤシライスでした。

 食後には,マスターがサイフォンで丁寧に淹れられたコーヒーをいただきました。

(コーヒー)
Photo_9

 店内のお客さんの中にも,ビッグ錠先生のことをよく御存知の方がおられ,自然と会話が盛り上がりました。


マスターとビッグ錠先生からのサプライズ

 コーヒーをいただきながら,しばらくお店でくつろいでいたその時です。

 お店の外でしばらくお電話されていたマスターが私にスマートフォンを差し出され,「ビッグ錠さんですよ。どうぞ。」とお電話を代わっていただいたのです。

 私の熱意を汲み取っていただいたマスターからのサプライズに,心の準備ができてなかった私はびっくりしました。


私:「もしもし」

ビッグ錠先生:「あーどうも,ビッグ錠です。」

私:「本日は広島から湘南台へ参りまして,今Ars Novaさんでお世話になっています。」

ビッグ錠先生:「ありがとう。うちに来ればいいのに。」

私:「いえいえ。こうしてお話できただけでも大変光栄です。一生の思い出となりました。ありがとうございました。」


 実際はかなり舞い上がってしまい,会話はしどろもどろでした(笑)。

 夢じゃないかと思うような時間でした。

 粋なプレゼントをしていただいたマスターをはじめArs Novaの皆さんに深くお礼申し上げ,湘南台を後にしました。

 帰りの電車の中で,アルスノーバの皆さんとビッグ錠先生に温かいおもてなしを受けたことへの感謝の気持ちと,広島から訪問して本当に良かったという気持ちが入り混じり,しばらく興奮が冷めやらない状態が続きました。

 湘南台の皆様のやさしさや温かさに触れることができた,感動的な旅になりました。

 Ars Novaの皆さん,そして尊敬するビッグ錠先生,この度は本当にありがとうございました!


<関連リンク>
 「石ノ森萬画館」(宮城県石巻市中瀬2-7)
 「墨汁一滴」(石ノ森萬画館オンラインショップ・石巻カレー全集販売)

<参考文献>
 にちぶんMOOK「グルメ漫画家の隠れ家酒場」日本文芸社

<関連記事>
 次の記事の作成は,ビッグ錠「包丁人味平」(包丁試し編)で紹介されている包丁塚・包丁式を読んで学んだことがきっかけとなりました。
 「包丁塚と包丁供養
 「包丁式 -日本料理と包丁の関係-

2018年11月15日 (木)

聖マルティンの日とドイツのヴェックマン(パイプマン)

 毎年11月11日は聖マルティンの日です。

 ヨーロッパを中心に聖マルティンにちなんだ様々な行事が行われます。

 聖マルティンはキリスト教の聖人で,「凍てつく寒い夜,聖マルティンが着ていたマントを剣で2つに切り裂き,裸同然で寒さに震えていた乞食に分け与えた」という話で有名です。

 聖マルティンの日は食文化関連の本でもたびたび登場します。

 こうした本には,たいてい「(聖マルティンの日は,)収穫祭と一致し,迫り来る厳しい冬に備えて豚を大量に処理(屠殺)し,生肉を食べ,ハム・ソーセージ・ベーコンなどの保存食が作られてきた日」だと説明されています。

 私もその話しか知らなかったのですが,広島のカフェ「Cafe Igel あかいはりねずみ」で,聖マルティンの日にちなんだ面白いパンが販売されているのを見つけました。

(パンマン)
Photo_2

 人の形をしたパンです。

 ドイツでは「ヴェックマン(Weckmann)」とか,「パイプマン(司教の杖を意味するパイプを持った姿のパンであることから)」などと呼ばれています。

 ただ,このパンは(パイプが日本で売られておらず,)パイプを持っていないため,「パイプマン」ではなく「パンマン」と呼ぶのだそうです(笑)。

 毎年11月11日に行われるドイツの聖マルティン祭には欠かせない食べ物のようです。

 さらに店主さんから,「ドイツではガチョウ料理やガチョウの玉子を食べる日でもある」というお話も伺いました。

 さかのぼれば,パンがキリストの肉であるという思想に基づいたパンなのでしょう。

 実際にこのパンをいただきましたが,あまりにもリアルなので,手や足,頭をちぎりながら食べるのことに少し抵抗を感じてしまいました(笑)。


<関連リンク>
 「Cafe Igel あかいはりねずみ」(広島市南区的場町1-7-2)

<参考文献>
 宮崎正勝「知っておきたい「食」の世界史」角川ソフィア文庫

2018年11月11日 (日)

パレスチナ料理の特徴と主な料理 -ピタパン・パレスチナ オリーブオイル・フムス・セージティー-

イスラエルとパレスチナの歴史

 パレスチナは地中海東岸にある地域の名称で,アラブ人による自治政府が置かれています。

 隣接するイスラエルとパレスチナの関係は,中東問題としてよくニュースになりますが,なかなか理解が難しい地域でもあります。

 イスラエルとパレスチナの歴史を簡単にまとめると,

 イスラエル王国(ユダヤ教)→イスラム帝国(イスラム教)の侵入→聖地奪還に向けた十字軍(キリスト教)の遠征→アイユーブ朝・オスマン帝国(いずれもイスラム教)による支配→イギリスによる「二重外交」(※)によりアラブ人とユダヤ人が同じ地域で国家建設を巡って対立(パレスチナ問題)→イスラエルとパレスチナ(自治政府)の併存で現在に至る。

という複雑な歴史を経ています。

※第一次世界大戦中,イギリスは敵対国としていたオスマン帝国に対抗するため,パレスチナ地域のアラブ反乱軍に対し,アラブ国家建設の支援を約束(フサイン・マクマホン協定)した一方で,戦費捻出のためユダヤの金融資本を利用することを画策し,ユダヤ人に対し,パレスチナにユダヤ人国家を建設することも約束(バルフォア宣言)した。
 さらにイギリス,フランス,ロシアがオスマン帝国の領土分割を決めたサイクス=ピコ協定を含めてイギリスの「三枚舌外交」とも呼ばれる。


 簡単にまとめると言いながら,結局複雑な話になってしまいました。

 つまり,アラブ人とユダヤ人の対立がある中で,聖地エルサレムがあるキリスト教圏の人々も関係している地域なのです。

 そのため,食文化においても,アラブ料理を基調としつつも,こうした歴史的背景や,ヨーロッパ,アフリカ,アジアに近いという地理的条件から生まれた料理も多くみられます。


ピタパン・パレスチナ オリーブオイル・フムス・セージティー

 以前,当ブログで東京に世界各国の朝ごはんが味わえるお店があると御紹介しましたが(「ギリシャ料理の特徴と主な料理2 -ティロピタ・グリークサラダ・ギリシャヨーグルト・フルーツ・ガラトピタ-」参照),広島にも同様のお店があります。

 広島駅に近い広島市南区的場町にある「Cafe Igel あかいはりねずみ」というカフェです。

 東京まで行かなくても,私の住む広島市南区内で世界の朝ごはんが味わえるとは嬉しい話です。

 今週は珍しいパレスチナ料理が味わえるとのことだったので,ワクワクしながらお店を訪問しました。

 お店のモーニングは,パンとドリンクからなるレギュラーメニューと世界の料理が味わえる週替わりメニューがあったので,私はパレスチナ料理が味わえる週替わりメニューを注文しました。

(モーニングセット(パレスチナ料理))
Photo

 メインプレートとセージティーのセットです。

 メインプレートには,右側にピタパン,その左横・皿中央にキュウリとトマトのサラダ,その左横にはブラックオリーブの実,その上にイタリアンパセリがのせられた白チーズ,そして皿の上側に赤いパプリカの粉末がかけられたフムスが盛り付けられています。

 ピタパンは,丸く平べったいパンで,インドのナンにも似ています。
 中東で広く食べられている代表的なパンで,そのまま食べるだけでなく,パンを2つに開き,好きな具をサンドして食べられます。

 野菜のサラダ(キュウリとトマト)や白チーズ(今回は乳牛でした)には,パレスチナのオリーブオイルがかけられていたのですが,このオリーブオイルがフルーティーで,野菜やチーズの味を美味しく引き立てていました。

 ブラックオリーブの実も地中海ならではの食材です。

 フムスはひよこ豆をマッシュポテトのようにペースト状にした料理で,調味には「タヒーニ」と呼ばれる白い練りゴマ,オリーブオイル,レモンの絞り汁,ガーリックが使われていました。
 フムスもピタパンと同様に中東のソウルフードとなっており,お店の方の話によると「日本の味噌汁,いや朝鮮半島のキムチと同じような,毎度の食事に欠かせない料理」なのだそうです。
 私はフムフムとうなずきながらフムスをいただきました。

 そしてドリンクはセージティーです。
 ハーブの一種セージが入った甘いホット紅茶です。
 私が一口飲んで「あっ,これはトルコのチャイと似ている」とつぶやいたところ,お店の方から「もともとトルコ(オスマン帝国)から伝わった飲み物なのですよ」と教えてただきました。
 これも,かつてオスマン帝国の支配を受けたことによる食文化の伝播だと言えそうです。


食文化から世界を理解する

 食事後,コーヒーをいただきながら,しばらく店主とお話しさせていただいたのですが,「世界各国の食を理解しようと思えば,その国の地理・歴史・文化・宗教をも理解する必要がある」という話で盛り上がりました。

 世界の料理を勉強するために世界各国を旅行されたようで,現地で得た生の情報や知識をフル活用し,ここ広島で世界の朝食をはじめ,パン,ドリンク,軽食などを提供されています。

 店主はドイツなどでパンを学ばれた経験があり,パン(粉もの)の研究にも力を注がれているため,パン(粉もの)を中心に世界の料理を組み立てることが出来るという強みもお持ちです。

 世界の料理を人に提供したり,紹介するためには,それだけ自分自身が理解しておかなければならないこともたくさん出てくるのですが,これを繰り返すことにより,自分自身の知識や世界観も広がることは間違いありません。

 食文化を通じた異文化理解はもっとも身近で理解しやすいアプローチであり,そうした観点からも,とても興味深い取組みをされているお店だと思います。


<関連リンク>
 「Cafe Igel あかいはりねずみ」(広島市南区的場町1-7-2)
 「Da bin ich! -わたしはここにいます-」(「Cafe Igel あかいはりねずみ」店主のブログ)

<参考文献>
 宮崎正勝「早わかり世界史」日本実業出版社

2018年11月 7日 (水)

愛媛県新居浜市 「東洋のマチュピチュ」別子銅山遺跡とマチュピチュカレー

「東洋のマチュピチュ」別子銅山遺跡

 ペルーのアンデス山脈にあるマチュピチュ遺跡。

 標高2,280mの高地にあるインカ帝国の天空都市の遺跡です。

 信じられないような高地に都市遺跡があることで有名ですが,実は日本にも「東洋のマチュピチュ」と称される観光地があります。

 愛媛県新居浜市にある別子銅山遺跡です。

 別子銅山は,標高750m前後の東平(とうなる)地区を拠点に,赤石山系の山中から海面下約1,000mまで広範囲に採鉱された銅山です。

 元禄3(1690)年に銅の露頭が発見された翌年から住友が採掘を開始し,昭和48(1973)年の閉山までの283年間で総出鉱量約3,000万トン,産銅量約65万トンを記録しました。


別子銅山と住友,新居浜市の郷土料理「いずみや」

 別子銅山は,現在の住友グループの基礎を築いた母なる銅山でもあります。

 東平には最盛期には5,000人余りの銅山関係者とその家族が住み,劇場や「私立住友別子尋常高等小学校」(教員は住友社員)も設置されてました。

 現在はレンガ造りの銅山関連施設や生活関連施設の面影を残すのみとなっていますが,その遺跡群は確かにペルーのマチュピチュを彷彿させるものがあります。

(東平から新居浜市街地・瀬戸内海を望む)
Photo

 写真手前上方の遺跡が「貯鉱庫跡」,下方の遺跡が「索道停車場跡」,写真右上は新居浜市街地と瀬戸内海です。

 新居浜市内には「リーガロイヤルホテル新居浜」がありますが,都市型の大型ホテル「リーガロイヤルホテル」が新居浜市にあるのも,住友の企業城下町ならではと言えるでしょう。

 また,新居浜市には「いずみや」と呼ばれる郷土料理もあります。

 コノシロやアジなどの魚に「おから」を合わせる押し寿司で,そのルーツは江戸時代に住友家からもたらされた寿司飯の押し寿司にあります。

 当時貴重だった米に代わって「おから」を用いた押し寿司が新居浜の料理となったのです。

 住友家由来の料理ということで,料理名は住友家の屋号「泉屋」に由来しています。

 ちなみに現在の住友グループの「井桁マーク」もこの「いずみ」に由来したものです。


別子銅山遺跡と銅食器

 東平から山側を眺めました。

(東平から赤石山系を望む)
Photo_2

 「索道停車場跡」から赤石山系を撮影した写真です。

 東平の奥にもさらに高い山々が連なっているのがわかります。


 続いて「小マンプ」(短いトンネル)内の鉱山運搬機器を見学しました。

(小マンプ内鉱山運搬機器展示場)
Photo_3

 銅鉱石運搬車両や蓄電車など住友金属鉱山株式会社から新居浜市に寄贈された運搬機器・車両が展示されています。


 その後,「東平歴史資料館」を見学しました。

(銅食器などの銅製品)
Photo_4

 銅食器は見た目の美しさや熱伝導率の良さが特長として挙げられます。

 そう言えば,フランス料理店の厨房でもキャスロール鍋などの銅製調理器具をよく見かけるように思います。


マチュピチュカレー

 「マイントピア別子・東平ゾーン」施設内のレストラン「もりの風」で食事をしました。

 特色のあるメニューの中から,私は最も別子銅山らしいと思った「マチュピチュカレー」を注文しました。

(マチュピチュカレー)
Photo_5

 「SNS映え」,「インスタ映え」しそうな料理です(笑)。実際,周りのツーリング仲間からも注目されました。

 お店の方から,「両側のライスが別子銅山の山を,カレー中央の白い生クリームが山あいを流れる足谷川を表現しています。」と教えていただきました。

 ライスに刺さったレンコンやサツマイモは別子銅山の遺跡でしょうか。

 ライスの形が左右異なっており,起伏のある山々がうまく表現されていると思いました。

 ライスの山を少しずつ採掘する楽しみを味わいながら,美味しくいただきました。

 カレーライスの具を「インカのめざめ」にすると,より話題性のあるマチュピチュカレーに仕上がるかも知れませんね。


 別子銅山周辺は,飲食店・お土産店・鉱山観光・資料館・温泉など楽しめる施設が集まった魅力あふれる観光地です。

 四国の観光にぜひ御利用ください。


<関連リンク>
 「住友の歴史 別子銅山」(住友グループ広報委員会)
 新居浜の郷土料理「いずみや」(えひめ愛フード推進機構)
 「マイントピア別子

<参考文献>
 尾形希莉子・長谷川直子「地理女子が教えるご当地グルメの地理学」ベレ出版

2018年11月 3日 (土)

チンアナゴの耳かき・ちんあなごクッキー -広島県広島市-

 広島市西区観音新町のベイエリアにある「マリホ水族館」のグッズショップ「空海館」で購入したチンアナゴの耳かきです。

3415236

 ヒョロッとしたチンアナゴと細長い耳かきの棒がうまく一体化していますね。

 チンアナゴは「マリホ水族館」で人気の魚で,グッズショップにもいろんなチンアナゴグッズが売られています。

 また,チンアナゴとよく似た縞模様のニシキアナゴのグッズも販売されています。

 さらに,食品のお土産として,チンアナゴのアイシングクッキーや,そのクッキーが添えられたソフトクリーム「チンアナゴソフト」も販売されています。

 クッキーを購入してみました。

(ちんあなごクッキー)
34152361

 広島市安佐南区西原の西洋菓子処「バイエルン」で作られたチンアナゴ(写真左)とニシキアナゴ(写真右)のアイシングクッキーです。

 チンアナゴにニシキアナゴ,そして広島の名物アナゴ料理。

 広島はアナゴづくしです(笑)。


 「マリホ水族館」(広島市西区観音新町四丁目14-35)
 「西洋菓子処 バイエルン」(広島市安佐南区西原1-9-22)

2018年11月 1日 (木)

焼き鳥の串の耳かき -広島県広島市-

 職場の方からいただきました。

 広島市内の居酒屋で,お店の方が焼き鳥の串を削って作られた耳かきなのだそうです。

3414235

 即興で作られたようですが,とてもうまく作られています。

 実際に耳掃除に使ってみましたが,市販の耳かきに比べて幅が広く,やさしい掻き心地で,普段使いとしても十分な仕上がりでした。

 この耳かきをいただいた時,まずはその串がにおわないか思わず嗅いでしまいました(笑)。

 きれいに洗浄されており,焼き鳥のにおいは残ってなかったのですが,いただいた相手に少し失礼なことをしたなと反省しています…。

 また1つ,私のおもしろ耳かきが増えました。

2018年10月28日 (日)

日本各地のレモン菓子・レモンケーキ -福岡県那珂川町,岡山市,横浜市,長崎市-

 日本各地で売られているレモン菓子・レモンケーキを御紹介します。


ヴィザヴィ「九州のレモンケーキ」

 福岡県那珂川町にある洋菓子店「ヴィザヴィ(VISAVIS)」の「九州のレモンケーキ」です。

(ヴィザヴィ「九州のレモンケーキ」(包装))
Photo_7

 九州産レモンが使われていることや,卵がたっぷり使用されていることが特長です。

(ヴィザヴィ「九州のレモンケーキ」)
Photo_9

 サイズは横約7cm,幅約5cm,高さ約3.5cmです。

 黄色いレモンチョコがほぼ全体に厚めにコーティングされています。

(ヴィザヴィ「九州のレモンケーキ」(中身))
Photo_10

 ケーキ生地の中には大きめのレモンピールがたくさん入っています。

 レモンチョコ,ケーキ生地ともにしっかりとレモンの酸味が感じられ,全体がレモンの風味でうまくまとめられています。

 私は「KITANO ACE 広島T-SITE店(北野エース)」で購入しましたが,デパートの九州物産展でも同じレモンケーキが販売されていましたので,イベント等を通じて全国販売されているのかも知れません。


 「ヴィザヴィ(VISAVIS)」(福岡県筑紫郡那珂川町中原3-80ほか)


清風庵「おかやま檸檬ケーキ」

 岡山市北区にある御菓子処「清風庵」の「おかやま檸檬ケーキ」です。

(清風庵「おかやま檸檬ケーキ」(包装))
Photo_11

 岡山県瀬戸内市牛窓(うしまど)産のレモンと,蒜山(ひるぜん)高原のジャージー牛のバター・ミルクが使用されています。

(清風庵「おかやま檸檬ケーキ」)
Photo_12

 サイズは横約8cm,幅約5cm,高さ約4cmと大きめです。

 レモンチョコはホワイトチョコの白を基調とした薄い黄色で,ケーキ生地の底までしっかりコーティングされています。

(清風庵「おかやま檸檬ケーキ」(中身))
Photo_13

 レモンチョコは酸味が控えめで,しっかりと甘味を感じます。

 ケーキ生地はきめ細やかでシャリシャリしており,中にレモンピールも入っているので,様々な食感を楽しむことができます。

 岡山県産の食材で作られたレモンケーキなので,岡山のお土産としても喜ばれると思います。


 「御菓子処 清風庵」(岡山県岡山市北区下伊福1-4-6)


横濱スコーンクラブ「レモンケーキ」・「オレンジケーキ」

 神奈川県横浜市にある洋菓子店「横濱スコーンクラブ」の「レモンケーキ」・「オレンジケーキ」です。

(横濱スコーンクラブ「レモンケーキ」・「オレンジケーキ」(包装))
Photo_7

 レモンケーキは「瀬戸内レモン使用」と記載され,オレンジケーキはオレンジ色の包装がされています。

(横濱スコーンクラブ「レモンケーキ」・「オレンジケーキ」)
Photo_8

 レモンケーキだけでなく,レモンケーキと同じ形のオレンジケーキまであるのは珍しいですね。

 両方とも(レモン)チョコのコーティングはありません。
 焼菓子(スコーン)専門店のノウハウが生かされたケーキなのでしょう。

(横濱スコーンクラブ「レモンケーキ」・「オレンジケーキ」(中身))
Photo_10

 それぞれ実際にいただいてみました。

(レモンケーキ)
 ケーキ生地はきめ細かく,レモンピールが入っています。
 また,レモン果汁がたっぷり含まれているため,さわやかなレモン風味が口いっぱいに広がりました。
 全体的にバター風味よりもレモン風味を重視したレモンケーキに仕上げられています。

(オレンジケーキ)
 ケーキ生地はきめ細かく,オレンジピール(マーマレード)が入っています。
 ケーキ生地に占めるオレンジピールの割合が多く,オレンジ果汁も含まれているため,オレンジ好きにはたまらないケーキに仕上げられています。

 いずれのケーキも,その風味が重視されています。

 「横濱スコーンクラブ」(神奈川県横浜市神奈川区浦島町377)


茂木一○香本家「レモンケーキ」

 長崎県長崎市にある和洋菓子店「茂木一○香本家」の「レモンケーキ」です。

(茂木一○香本家「レモンケーキ」(包装))
Photo_4

 お取り寄せ・インターネット販売でも人気が高い商品のようです。

(茂木一○香本家「レモンケーキ」)
Photo_5

 サイズは横約8cm,幅約5.5cm,高さ約4cmと大きめです。

 ケーキ生地全体にレモンチョコが底までコーティングされています。

 包装を開けるとさらに白い袋に包まれた状態でレモンケーキが入っていたのですが,このコーティングも考慮されているからなのでしょう。

(茂木一○香本家「レモンケーキ」(中身))
Photo_6

 ケーキ生地の中には,大きめのオレンジピール(レモンピールではありません!)が入っています。

 そしてこのレモンケーキの最大の特徴は,ケーキ生地とレモンチョコの間に「あんずジャム」の層があることです。

 レモンケーキをあんずジャムやオレンジピールと一緒に味わえるので,贅沢な気分が味わえます。

 「茂木一○香本家」(長崎県長崎市茂木町1805)


 以上,レモン菓子・レモンケーキを購入される際の参考になれば幸いです。


<関連リンク>
 「レモンのお菓子」(「chibiaya日記」)
 chibiayaさんが,関東で販売されているレモンケーキを中心に,レモンケーキの情報を詳しく紹介されています。

<レモンケーキ関連記事>
 「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化事例研究」にある「レモンケーキ・レモン菓子」を御参照ください。

2018年10月23日 (火)

オーストリア料理の特徴と主な料理2 -UCCコーヒー博物館とカフェ・マリアテレジア-

UCCコーヒー博物館

 神戸の「UCCコーヒー博物館」へ行きました。

 三宮からポートライナーに乗り,南公園駅で降りてすぐの場所にあります。

(UCCコーヒー博物館とUCC本社)
Photo

 写真手前の丸い建物がUCCコーヒー博物館,その奥のブルーの近代的な建物がUCC本社です。

 UCCコーヒー博物館は,1987年10月1日(10月1日は「コーヒーの日」)に創業地の神戸に誕生した日本で唯一のコーヒー専門の博物館です。

 館内は,コーヒーの「起源」,「栽培」,「鑑定」,「焙煎」,「抽出」,「文化」と6つのテーマ別展示室や体験コーナー,ミュージアムショップなどで構成されています。


コーヒーテイスティングとコーヒー豆の挽き方

 館内のテイスティングコーナーでコーヒーの試飲を体験させていただきました。

(コーヒーテイスティング)
Photo_2

 写真左のブルーの取っ手のカップが「中細挽き」,写真右のピンクの取っ手のカップが「粗挽き」のコーヒーです。

 「中細挽き」はコーヒー豆をグラニュー糖程度の大きさに挽いたもので,一般的なレギュラーコーヒーの挽き目です。
 ペーパードリップやコーヒーメーカーで抽出されます。

 一方,「粗挽き」はコーヒー豆をザラメ程度の大きさに挽いたものです。
 粗い分,長い抽出時間が必要となるため,パーコレーターなどで抽出されます。

 一般的にコーヒー豆の粒が細かくなるほど色や味が短時間でよく抽出されるようになります。

 そのため,短時間で抽出するイタリアの「エスプレッソ」(「エクスプレス(急行)」が語源)のコーヒー豆は「極細挽き」で,「ダッチコーヒー」とも呼ばれる「水出しコーヒー」のコーヒー豆は「細挽き」が適しているとされています。

 試飲したコーヒーは,「中細挽き」が深みのある味わいを,「粗挽き」がクリアな味わいを感じました。


カフェ・マリアテレジア

 館内をひととおり見学した後,喫茶室「UCCコーヒーロード」に寄りました。

 このカフェでは,「ブルーマウンテンNo.1」や「コナ」をはじめ,「ゲイシャ」や「イルガチェフェ」など世界各地の珍しいスペシャルティコーヒーを味わうことが出来ます。

 できればこちらも味わいたかったのですが,今回は前から興味を持っていたアレンジコーヒーの1つをいただきました。

 それが「カフェ・マリアテレジア」です。

 マリア・テレジアは,神聖ローマ皇帝フランツ1世の妻で,ハプスブルク家の女帝として活躍した人物です。

 政務だけでなく,16人もの子供をもうけ(その15番目の子がマリー・アントワネットです。),旺盛な精神力と屈強な体力を持ち合せていた人物です。

(マリア・テレジア夫妻とその家族)
Photo_3
菊池良生「図解雑学 ハプスブルク家」ナツメ社 p31から引用

 絵の右側の椅子にかけている女性がマリア・テレジアです。

 彼女はその活力の源として「オリオ・スープ」と呼ばれる仔牛,ウサギ,ベーコン,山ウズラ,野ガモ,牛肉,根菜類などを煮込んだ高カロリーなスープを好み,精進日(肉断ちの日)でも自室でこっそり肉を食べていたという逸話も残っています。

 そんな彼女が好んだ飲み物の1つとされるのが,これから御紹介する「カフェ・マリアテレジア」です。

 「カフェ・マリアテレジア」はコーヒーにオレンジリキュールを注ぎ,ホイップクリームをのせたウィーンのコーヒーです。

 コーヒーにホイップクリームをのせた,いわゆる「ウィンナー・コーヒー」を応用したコーヒーです。

(カフェ・マリアテレジア)
Photo_4

 今回私が味わったカフェ・マリアテレジアはコーヒーにオレンジリキュールを注ぎ,ホイップクリームを浮かべたもので,彩り豊かなオレンジピール,ピスタチオ,スパイスものせられていました。(ホイップクリームに色とりどりの小粒のキャンディーをのせるレシピもあります。)

 たっぷりのホイップクリームが温かいコーヒーで徐々に溶け,カフェオレのような感じになりました。

 カップの底には静かに注がれたオレンジリキュールが入っているので,飲み進めるとカフェオレの後にスッとオレンジリキュールが口の中に入ってきました。

 コーヒーの香ばしい風味とオレンジリキュールの爽やかなオレンジ風味をホイップクリームがうまく包み込み,飲みやすいオレンジ風味のコーヒーに仕上がっていました。

 「マリア・テレジア」という名称の由来については,彼女の好物だったからとか,彼女が大のコーヒー好きでコーヒー文化を浸透させたからなど諸説あります。

 いずれにせよ,当時はコーヒーにホイップクリームを浮かべたり,リキュールを注いだり,オリエンタルなムード漂うナッツやスパイスをのせることが流行し,そうした風潮の中で創作・命名されたコーヒーなのでしょう。

 公私ともに多忙を極めたマリア・テレジアのことですから,景気付けに「酒でも飲まなきゃやってらんないわ」とコーヒーにリキュールを注いで飲んでいたのかも知れませんね(笑)。


<関連サイト>
 「UCCコーヒー博物館」(神戸市中央区港島中町6丁目6番2号)

<参考文献>
 UCCコーヒー博物館著「図説コーヒー」河出書房新社
 福田幸江原作・吉城モカ作画・川島良彰監修「僕はコーヒーが飲めない」ビッグコミックス
 菊池良生「図解雑学ハプスブルク家」ナツメ社
 関田淳子「ハプスブルク家の食卓」新人物文庫

2018年10月20日 (土)

六甲ケーブル(レトロタイプ)の耳かき -兵庫県神戸市-

 神戸の六甲山頂にある「六甲おみやげ館」で購入しました。

2808234

 六甲ケーブルの車両には,クラシックタイプ(1号車)とレトロタイプ(2号車)があるのですが,この耳かきはレトロタイプ(2号車)です。

 レトロタイプは旧阪神電車や旧神戸市電をイメージして作られた車両です。(ちなみに,広島市内では神戸市電だった路面電車が今なお現役で走っています。こちらはイメージ車両ではなく,本物です!)

 ケーブルカーの車輪の形が左右で異なっているのが特徴です。

 そのため,中間地点で2台のケーブルカーが左右に分かれてすれ違う時も,右なら右ばかり,左なら左ばかりを走ってすれ違うようになっています。

 この耳かきは「六甲おみやげ館」のほか,六甲ケーブル 六甲山上駅構内にあるお土産ショップ「ショップ737」でも販売されています。

 耳かきコレクターでなくても,六甲旅行のお土産・記念品として最適だと思います。

<関連記事>
 「夜景写真 -摩耶山掬星台(兵庫県神戸市)-

2018年10月14日 (日)

埼玉県秩父地域の国産メープルシロップ・カエデ糖菓子2 -秩父のカエデ糖菓子と天然カエデ樹液(メープルウォーター)-

秩父のカエデ糖菓子

 埼玉県・秩父の森には日本全国に生息するカエデのほぼ全ての種類(28種類あるうちの21~22種類)が生息していると言われています。

 そんな秩父では,地域活性化の一環として,秩父のカエデを使った様々なカエデ糖菓子が販売されています。

 今回はこの秩父のカエデ糖菓子を御紹介したいと思います。

(秩父のカエデ糖菓子(包装))
Photo

 秩父では,カエデ糖(メープルシュガー)やメープルシロップ入りのケーキ,ゼリー,タルト,クッキーなど様々な種類のお菓子が販売されています。

 「メープル」よりも和名の「カエデ」という名称を使った商品が多いのですが,これは国産・秩父産を意識されているからとも説明できるでしょう。

 それでは,それぞれのお菓子を御紹介したいと思います。


すのうぼうる・秩父の森の贈り物・カエデ山の玉手箱・カエデの樹

(すのうぼうる・秩父の森の贈り物・カエデ山の玉手箱・カエデの樹)
Photo_2

 写真右上から時計回りに,「すのうぼうる」,「秩父の森の贈り物」,「カエデ山の玉手箱」,「カエデの樹」です。

(「すのうぼうる」)
 「和銅鉱泉旅館 栗助」の「すのうぼうる」です。
 秩父カエデ糖とアーモンドプードル入りのクッキーです。
 ホロッとやわらかく,ほのかにメープルとアーモンドの香りがするクッキーです。

(「秩父の森の贈り物」)
 「有限会社ちちぶ工房」の「秩父の森の贈り物」です。
 メープルシュガーとメープルシロップが使われた寒天ゼリーです。
 弾力があるゼリーで,甘露飴のような味わいです。
 オブラートに包まれており,昔ながらの果物味の寒天ゼリーに似た食感です。

(カエデ山の玉手箱)
 「御菓子司 栄誠堂」の「カエデ山の玉手箱」です。
 秩父カエデ糖で作られたメープルケーキです。
 ケーキ生地の上にはカエデ糖で煮詰めたクルミがのせられ,中にはうぐいす豆,干しブドウ,栗と色々な食材が入っています。
 まさに秩父の恵みいっぱいの玉手箱のようなお菓子です。

(カエデの樹)
 「株式会社 水戸屋本店」の「カエデの樹」です。
 カエデ形の最中生地に秩父カエデ糖と生クリーム,バター,蜂蜜を煮詰めたヌガーをのせたお菓子です。
 キャラメルとメープルの風味に,スライスアーモンドも加わり,香ばしさとコクを堪能することができます。
 なお,これと似たお菓子はモミジを売りとする広島でも,「もみじのもなか」(パティスリー・イマージュ)や「もみじキャラメルフィーユ」(バッケンモーツァルト)などの名称で販売されています。


メープルウォーターゼリー・秩父カエデ糖タルト・かえでモン・カエデのしずく

(メープルウォーターゼリー・秩父カエデ糖タルト・かえでモン・カエデのしずく)
Photo_3

 写真右上から時計回りに,「メープルウォーターゼリー」,「秩父カエデ糖タルト」,「かえでモン」,「カエデのしずく」です。

(メープルウォーターゼリー)
 「本家 松月」の「メープルウォーターゼリー」です。
 カエデ樹液とメープルシロップで作られたやわらかいゼリーです。
 かすかに紅茶の風味もあります。
 カエデ樹液をそのままゼリーにしたような,ほのかなメープルの香りとスッキリとした甘みを楽しむことができるゼリーです。

(秩父カエデ糖タルト)
 「水戸屋」の「秩父カエデ糖タルト」です。
 クッキーのような厚手のタルトカップに秩父カエデ糖,バター,蜂蜜などで作られたキャラメルを流し込んだタルトです。
 やわらかいキャラメルの中にスライスアーモンドとクルミがたっぷりと入っており,甘味と深いコクを楽しめるお菓子となっています。

(かえでモン)
 「菓子工房玉木家」の「かえでモン」です。
 バター,砂糖,小麦粉,卵,メイプルシロップなどを原料に作られたホットケーキのようなしっとりとしたケーキです。
 メイプルシロップの香りがアクセントとなっています。

(カエデのしずく)
 「御菓子司 栄誠堂」の「カエデのしずく」です。
 カエデの若葉で作られた「カエデ茶」から作られた「かえでのラムネ」入りのゼリーです。
 コラーゲンが配合されているため,半透明でサックリとした食感のゼリーに仕上がっています。
 ほのかなメープル風味が楽しめるお菓子で,ゼリーの中には深緑色のカエデの形をしたゼリーも入っています。


Chichibu MAPLE WATER(天然カエデ樹液)

 「秩父観光土産品協同組合」の「Chichibu MAPLE WATER(天然カエデ樹液)」です。

 毎年2月~3月のひと月だけ採れる秩父の天然カエデの樹液で,2018年は3千本の限定商品です。

 「MAPLE BASE(メープルベース)」で購入しました。

(Chichibu MAPLE WATER(天然カエデ樹液))
Chichibu_maple_water

 シリアルナンバーは「1341」とあり,限定3千本のうちの1341本目であることがわかります。

 御覧いただくとお分かりのように,見た目は水のような透明な液体です。

(Chichibu MAPLE WATER(天然カエデ樹液)(封緘紙))
Chichibu_maple_water_2

 ビンの封緘紙には,「この商品の事業収益は,秩父の森林資源の再生に還元されます」と記載されています。

 ちなみに,この商品は360ml入りで756円(税込)です。

 市販の水やソフトドリンクに比べるとずいぶんと高い飲み物なので,多少緊張しながら栓を開け,いただきました。

 水に比べて多少ドロッとした粘りがある透明な液体でした。

 スポーツドリンクとまではいかなくても,ニアウォーターぐらいの甘さはあるだろうと想像していたのですが,実際に飲んでみると,本当に甘味があるのかどうか判断が難しいほどかすかな甘味しかありませんでした。

 水だと言って出されたら,その価値もわからないままゴクゴクと飲み干してしまうでしょう(笑)。

 ちなみにこのカエデ樹液の糖度は約2度です。

 ゴクゴクと飲み干せるような値段の飲み物ではないので,ゆっくり味わっていただきました。


天然カエデ樹液からメープルシロップを作る

 「Chichibu MAPLE WATER(天然カエデ樹液)」を味わいながら,ふと,「この天然カエデ樹液を煮詰めたらメープルシロップが作れるのではないか」と思いつきました。

 そこで少々もったいない気もしましたが,この天然カエデ樹液を鍋に注ぎ,ガス火でゆっくりと煮詰めてみました。

 ビンの約3分の1の量の樹液を半分ずつ,2回に分けて約10分間煮詰めてみました。

 するとだんだんと褐色を帯びた色に変化し,あのメープル独特の甘い香りが漂ってきて,飴のような粘りも出てきました。

 元の天然カエデ樹液と出来上がったメープルシロップを並べてみました。

(天然カエデ樹液と手作りメープルシロップ)
Photo_4

 写真左が「Chichibu MAPLE WATER(天然カエデ樹液)」の原液,写真右がその原液を鍋で煮詰めて作った手作りメープルシロップです。

 カナダ産に比べてミネラル分が多いからか,多少濁りも出ました。

 約120mlのカエデ樹液から出来上がったメープルシロップはわずかティースプーン1杯。この量で約250円です。

 秩父産メープルシロップは高価なのですが,天然カエデ樹液を約40分の1・糖度約67度になるまで時間と労力をかけて煮詰めて作られることを考えると,相応の価格なのだろうと思います。

 この煮詰めて作ったメープルシロップは感動的な美味しさでした。

 そして,甘みがあるかないか程度のカエデの樹液を煮詰めて甘いメープルシロップを作り出すことを発見した先人はすごいなと思いました。


 今回御紹介したカエデ糖菓子は各店舗のほか,「秩父地場産センター 物産館」や西武秩父駅前温泉「祭の湯」施設内の「ちちぶみやげ市」,「MAPLE BASE(メープルベース)」などで購入できます。

 「秩父地場産センター 物産館」や「ちちぶみやげ市」には秩父のカエデ糖菓子が揃っていて,バラ売りもされているので,いろんな種類のお菓子を味わってみたい方はこちらが便利です。


 東京(池袋)から秩父へは西武池袋線・秩父線の特急で約1時間20分です。

(西武鉄道(特急レッドアロー・ちちぶ36号・池袋行))
Photo_5
西武秩父駅にて撮影

 秩父のメープルスイーツやメープル料理を味わう旅はいかがでしょう。

 きっと楽しい旅行になると思います。


<関連リンク>
 「カエデ樹液プロジェクト」(特定非営利活動法人「秩父百年の森」)
 「西武秩父駅前温泉「祭の湯」」(埼玉県秩父市野坂町1-16-15)
 「秩父地場産センター」(埼玉県秩父市宮側町1-7)
 「MAPLE BASE(メープルベース)」(埼玉県秩父郡小鹿野町長留1129-1 秩父ミューズパーク内)

<関連記事>
 「埼玉県秩父地域の国産メープルシロップ・カエデ糖菓子1 -メープルドック・パンケーキとメープルシロップ食べ比べ-

<参考文献>
 尾形希莉子・長谷川直子「地理女子が教えるご当地グルメの地理学」ベレ出版

«六甲ケーブル(クラシックタイプ)の耳かき -兵庫県神戸市-

最近のトラックバック

2018年11月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  
無料ブログはココログ