2023年5月28日 (日)

東海道新幹線の車内販売で名店のお菓子を味わう -オーボンヴュータンのプティフールセック-

AU BON VIEUX TEMPS(オーボンヴュータン)

 東京・尾山台に伝統フランス菓子の店「AU BON VIEUX TEMPS(オーボンヴュータン)」があります。

 このお店のシェフ・河田勝彦さんは日本のフランス伝統菓子の第一人者で,辻口博啓さんもこのお店でフランス菓子を学ばれました。

 私もお店に伺ったことがあるのですが,実に多くの種類のフランス菓子があり,またシャルキュトリー(食肉加工品)のコーナーもあって,フランスの気分を味わうことができました。

 東京・日本橋高島屋にも店舗があるので,新幹線や飛行機を利用される際には,こちらの店舗を利用されると便利です。


東海道新幹線・車内販売の新幹線スイーツ

 東京・日本橋高島屋のオーボンヴュータンへは、夕方から夜にかけて何度か伺ったことがありますが,この時間帯だと目当ての商品がすでに売り切れていることが多く,しばらくオーボンヴュータンの味に飢えていました。

 そんな中,東海道新幹線の車内販売「新幹線スイーツ」でオーボンヴュータンのお菓子「プティフールセック」が販売されていることを知りました。

 「プティフールセック(petits fours secs)」は,プティ(petit)が「小さい」,フール(four)が「オーブン・窯・かまど」,セック(sec)が「乾燥した・ドライな」という意味で,合わせると「(オーブンで焼いた)小さな焼菓子」・「小干菓子」という意味になります。

 このお菓子に興味を持った私は,車内販売での購入を試みました。

 しかしながら,この「プティフールセック」は数量限定で車内販売されていないケースが多く,なおかつ私が新幹線に乗る時間帯は早朝か深夜なので,まだ用意されていないか,もう売り切れてしまったケースも多いため,なかなか購入できませんでした。

 このお菓子の購入をあきらめかけていた頃,チャンスが訪れました。

 夕方,品川駅から東海道・山陽新幹線に乗って広島へ帰る途中,車内販売のパーサーから「オーボンヴュータンのお菓子はいかがでしょうか」と紹介があったのです。

 その瞬間は買いそびれてしまいました。

 「折り返しの車内販売が来るまでの間,売り切れるなよ…」と心の中で祈りました。

 そして折り返し車内販売が来た際,私はパーサーさんに尋ねました。

 「あの,オーボンヴュータンのお菓子はありますか?」

 「はい!ございます。」

 パーサーさんは嬉しそうに応じてくださいました。

 「よし,やったぞ!」と気持ちは高揚し,ホットコーヒーも注文しました。

 お菓子とセットで買うと,コーヒーが安くなることを確認して(笑)

(プティフールセックとホットコーヒー)
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 こちらがオーボンヴュータンの「プティフールセック」とコーヒーです。

 「プティフールセック」は720円です。

 「AU BON VIEUX TEMPS」と書かれた外箱には,サイクリストとフランスの地図が描かれています。

 フランスのパリとブレストを結ぶ自転車レースに由来するお菓子「パリブレスト」が思い浮かびました。


オーボンヴュータンのプティフールセック

 「プティフールセック」の箱を開けてみました。

(プティフールセックとホットコーヒー(開封))
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 小さな焼菓子が箱にきれいに詰められていました。

(プティフールセック)
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 小箱に焼菓子がぎっしりと詰められており,全部で7種類もありました。

 写真左が「エピス」(エピスのきいたサブレと木苺ジャム),中央が「コルネ」(シガレット生地のコルネにプラリネ),右が「ディスク」(サブレと赤スグリのジュレ)です。

 その奥には,「プレオール」(カラメリゼされたサクサクな焼菓子),「ドワ」(バターとアーモンドベースの生地にジャンドゥーヤ),「ガレット・ナンテーズ」(ナントの焼菓子),「サン・ノン」(アーモンドをつけたディアマン)が詰められていました。

 ※エピス…スパイス・香辛料
 ※プラリネ…ローストしたナッツと砂糖をキャラメリゼしたもの
 ※ジャンドゥーヤ…ヘーゼルナッツを加えペースト状にしたチョコレート
 ※ディアマン…クッキーの周りをグラニュー糖で装飾すること。ダイヤモンドという意味

 甘さ控えめでサクサクの生地,ほろ苦いカラメル,コクのあるアーモンド,芳醇な香りのバター,甘酸っぱいベリージャム…7種類もあるので,少し持って帰ろうと思っていたのですが,美味しさの勢いで一気にいただきました。

 オーボンヴュータンのお菓子は高価なイメージがありますが,7種類で720円,1個約100円で幸せな気分になれるなら,これはお得だと思いました。

 オーボンヴュータンの店頭や通信販売でも「プティフールセック」が販売されていますが,そのデギュスタシオン(degustation・お試し版)とも言えるでしょう。

 ホットコーヒーともよく合いました。

 フランスの古き良き時代(オーボンヴュータン)をイメージさせるような,伝統的なフランスの焼菓子でした。


<関連サイト>
 「AU BON VIEUX TEMPS」(尾山台店・日本橋高島屋店)
 「東海道新幹線車内販売」(ジェイアール東海パッセンジャーズ)

<参考文献>
 日仏料理協会編「仏和・和仏料理フランス語辞典」(白水社)

2023年5月21日 (日)

G7広島サミットと食 -お好み焼(参加各国)・カナダドライ(カナダ)・ドクターペッパー(アメリカ)-

G7広島サミット開催地の状況

 2023年5月19日から21日までの3日間、広島で「G7広島サミット」が開催されています。

 メイン会場は広島市南区のホテル(グランドプリンスホテル広島)で、各国要人が来られるということで、厳重な警備体制がとられています。

 このサミットの期間中、広島市内や周辺地域の人々の生活も変化を余儀なくされています。

 例えば、
・一般道路や高速道路の交通規制
・公共交通機関の減便・運休
・全国から集まった警察官・警察車両による厳重な警備
・昼夜を問わないヘリコプターの上空飛行
・会社の休業・テレワーク対応、学校の休校
・物流の停滞に伴う品不足、消費者の買いだめ、荷物の遅延発生
・行動自粛要請に伴う広島市中心部の空洞化・脱広島化
・広島県内宿泊施設の不足
などが挙げられます。

 今後、G7サミット開催地・広島として有名になることを考えれば大きな経済効果が期待できるのでしょうが、サミット期間中の経済効果は限定的なイメージを持ちます。

 私は広島市南区の自宅でテレワークをしながら、ふと「緊急事態宣言」が発令された時の状況に似ているように思いました。

 ただ、こうした状況は一過性のものですし、「G7広島サミット」の開催自体は地元民にとって名誉なことです。

 むしろこうした状況を楽しむぐらいの余裕を持ちたいものです。

 ということで、今回はG7参加国にちなんだ食を御紹介したいと思います。


G7広島サミット参加国にちなんだお好み焼


 近所のスーパーマーケットでG7広島サミット参加国にちなんだお好み焼が紹介されていました。

 広島のソースメーカー「オタフクソース」が考案されたお好み焼レシピです。

 G7各国別のお好み焼を御紹介します。

(アメリカ・ハンバーガー×お好み焼とカナダ・メープルシロップ×お好み焼)
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 (オタフクソース「ENJOY!OKONOMIYAKI」資料から引用・一部抜粋)

 画像上側は、アメリカにちなんだ「ハンバーガーのお好み焼」です。

 お好み焼の生地をバンズの形に焼き、挽き肉で作ったハンバーグ・トマト・スライスチーズをはさんだ料理です。

 これはボリューム満点です。

 画像下側は、カナダにちなんだ「メープルシロップがけのお好み焼」です。

 焼き上げた生地にお好みソースを塗り、その上からさらにメープルシロップをかけた料理です。

 お好みソースは甘いことが売りなので、メープルシロップも合うと思いますが、メープルシロップの割合が多いとホットケーキに近くなるような気もします(笑)

(イギリス・フィッシュ&チップス×お好み焼とフランス・ケークサレ×お好み焼)
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 (オタフクソース「ENJOY!OKONOMIYAKI」資料から引用・一部抜粋)

 続いて、画像上側はイギリスにちなんだ「フィッシュ&チップスのお好み焼」です。

 お好み焼の上にポテトフライと白身魚の天ぷら(フィッシュ&チップス)をトッピングした料理です。

 フィッシュ&チップスとお好みソースは合いそうです。

 画像下側はフランスにちなんだ「ケークサレのお好み焼」です。

 お好み焼ミックス粉で作った生地を型に流し込み、オーブンで焼いて「ケークサレ(塩味の総菜ケーキ)」に仕上げた料理です。

 お好み焼ミックス粉でこうした応用料理もできるのかと感心しました。

(イタリア・ピザ×お好み焼とドイツ・ソーセージ&ポテト×お好み焼)
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 (オタフクソース「ENJOY!OKONOMIYAKI」資料から引用・一部抜粋)

 続いて、画面上側はイタリアにちなんだ「ピザ風お好み焼」です。

 出来上がったお好み焼にピザ用チーズをまぶし、加熱して表面のチーズが溶けたら、その上にスライストマトとスイートバジルをのせて仕上げた料理です。

 日本のピザ(お好み焼)と本場イタリアのピザを融合させた創作料理です。

 最後に日本のお好み焼です。

(日本・お好み焼)
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 (オタフクソース「ENJOY!OKONOMIYAKI」資料から引用・一部抜粋)

 家庭用のお好み焼ミックス粉を使った関西風お好み焼が紹介されています。

 広島風お好み焼は、調理に一定の技術と設備が必要となるので、調理はプロに任せ、お店で食べるかテイクアウトで食べるのが一般的です。

 今回御紹介した料理は、オタフクソースのウェブサイトに紹介されていますので、御興味を持たれた方は御覧ください。


カナダの「カナダドライ」とアメリカの「ドクターペッパー」

 G7参加国にまつわる料理として、カナダの場合は、今回のお好み焼のようなメープルシロップを使った料理が数多く紹介されていました。

 そこで私からはちょっと変化球として、カナダの「カナダドライ」を御紹介したいと思います。

 あわせて、カナダドライと同じブランドであるアメリカの「ドクターペッパー」も御紹介したいと思います。


【カナダドライ(CANADA DRY)】

 「カナダドライ(CANADA DRY)」は、1904年にカナダで誕生した炭酸飲料です。

(カナダドライ)
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 シャンパンのドライな味わいと洗練された色に魅了されたカナダの薬剤師「ジョン・J・マクローリン」が、1904年に甘さ控えめのジンジャーエール「CANADA DRY PALE GINGER ALE」を開発しました。

(カナダドライ・ラベル)
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 ラベルにも「シャンパンに惹かれて開発され、110年以上も変わらず そのゴールド色とドライな大人の味わいが愛され続けています。」と記載されています。

 カナダで誕生したカナダドライは、やがてアメリカへ渡り、全世界へと広がっていきます。

 日本においても長年愛され続け、馴染み深いソフトドリンクとなっています。


【ドクターペッパー(Dr Pepper)】

 「ドクターペッパー(Dr Pepper)」は、1885年にアメリカで誕生した炭酸飲料です。

 アメリカ・テキサス州の薬剤師「チャールズ・オルダートン」がドラッグストア内でフレーバー付きの炭酸飲料「ドクターペッパー」を製造し、その場で客に売ったのが始まりとされています。

(ドクターペッパー)
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 この商品名は、知り合いのペッパー医師から命名したとされています。

 当時の宣伝文句は「おなかの調子を整える飲み物」というもので、当時から薬のような味がするドリンクだったようです。

 飲んでみると…確かに薬のような風味を感じました。

 お香と胃薬を混ぜたような香り、そして濃厚なベリーのような味がしました。

 コーラと同様、ハマると美味しいドリンクだと思います。


【薬・健康飲料から清涼飲料へ】

 カナダドライとドクターペッパーは、いずれも薬剤師が作ったドリンクで、産業化が進み、健康志向が高まる中での薬・健康飲料として、また、禁酒運動の高まりを受けての脱アルコール飲料(ハードドリンク(お酒)に対するソフトドリンク)として人気を博し、世界各地に展開します。

 また、コカ・コーラも1886年にアメリカ・ジョージア州の薬剤師「ジョン・S・ペンバートン」が開発した飲料で、当初はコカインを使用し(その後使用中止)、神経衰弱・頭痛・二日酔いに効く薬として販売されました。

 さらにペプシコーラも1898年にアメリカ・ノースカロライナ州の薬剤師「キャレブ・ブラッドハム」が開発した飲料で、商品名は胃の酵素(ペプシン)に由来し、当初は胃の消化不良を助ける薬として販売されました。

 つまり、カナダドライもドクターペッパーもコカ・コーラもペプシコーラも、ほぼ同時期に薬剤師によって薬や健康飲料として開発され、産業化と健康志向の流れに乗って普及し、やがて人々の意識が「利便性の高い清涼飲料」へと変化して世界に展開した飲料なのです。

 アメリカやカナダは多民族国家であり、これらの国で作られたもの・受け入れられたものがやがて世界標準化するという特徴がありますが、今回御紹介した炭酸飲料は、こうした特徴を示す1つの事例だと言えるでしょう。


まとめ

 G7サミットの開催地となった広島では、食の分野でもG7参加国にちなんだ料理や飲み物がたくさん紹介され、お店で提供されました。

 さらには、海外の食だけでなく、地元広島の食を海外に発信する機会にもつながりました。

 今後はサミットの開催に合わせて、各国のグルメ(Gourmet)やガストロノミー(Gastronomie)の交流を目的とした食のイベント「G7」・「G20」なども開催されると面白そうです。

 飛び入り参加も大歓迎です(笑)


<関連サイト>
 「お料理レシピ」(オタフクソース)
 「カナダドライ ブランドヒストリー」(日本コカ・コーラ)
 「ドクターペッパー」(日本コカ・コーラ)
 「世界のペプシの歴史」(サントリー)

<参考文献>
 鈴木 透「食の実験場アメリカ ファーストフード帝国のゆくえ」中公新書

2023年5月19日 (金)

ホッキョクグマの耳かき -北海道旭川市-

ホッキョクグマ(白熊)の耳かきです。

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ホッキョクグマが耳かきをしている様子です。

気持ち良さそうに大きな口を開けて耳掃除をしています。

眠たくなって、あくびしているのかも(笑)

2023年5月14日 (日)

フィンランド料理の特徴と主な料理3 -カルヤランピーラッカ・ムナボイ・ロソッリ・キノコソテー・スモークサーモン・ラスキアイスプッラ-

フィンランドの食文化

 北欧に位置するフィンランド。

 フィンランドの人々は自分の国を「スオミ(Suomi)」と呼びますが,このスオミには「湖の国」という意味があるようです。

 シベリウス作曲の「フィンランディア」にある「フィンランディア賛歌」にも「スオミ」と歌われますが,これはフィンランドの国を意味します。

 18万8千もの湖と広大な森,そして海とともに生活するフィンランド人は,その自然環境から魚(カワカマス,サーモン,ニシンなど),きのこ,果実(コケモモ,ビルベリー,ラズベリーなど),肉(鹿,トナカイなど)の食料を得て食文化を形成してきました。

 一般的な主食は全粒穀物のパンやジャガイモです。

 冬が長く,寒さが厳しいため,魚,肉,野菜,果物などを塩漬け,燻製,ジュース,ジャムなどに加工する,保存食作りも盛んに行われています。


フィンランドの朝ごはんプレート

 東京・外苑前の「World Breakfast Allday」(ワールド・ブレックファスト・オールデイ)を訪問しました。

 2023年2月から3月までの期間のスペシャルメニューは,「フィンランドの朝ごはん」でした。

 今回は,この「フィンランドの朝ごはん」を御紹介します。

(フィンランドの朝ごはんプレート)
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 フィンランドの代表的な料理がワンプレートに盛られています。

 それでは,それぞれの料理を御紹介します。


【カルヤランピーラッカ・ムナボイ】

 「カルヤランピーラッカ」は,ミルク粥をライ麦粉の生地で包んで焼いたフィンランド東部・カレリア地方の伝統料理で,「カレリアパイ」とも呼ばれています。

(カルヤランピーラッカとムナボイ)
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 ゆで卵を潰してバターを混ぜた黄色い「ムナボイ」がのせられています。

 外側の生地は,ライ麦粉を薄くのばして焼き上げたもので,全粒粉のクレープ(ガレット)に似ています。

 中のミルク粥はゆるい「ポテトサラダ」のイメージ,ムナボイは塩気の効いた「たまごサンドの具」のイメージです。

 オープンサンドイッチのような,食べ応えのあるパンです。


【ロソッリ】

 「ロソッリ」は,茹でたビーツやジャガイモをサワークリームで和えたサラダです。

(ロソッリ)
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 ディルが添えられています。ふりかけられているのはオールスパイスだと思います。

 ビーツの鮮やかな赤色が特徴で,クリスマスの時期に食べられます。

 サワークリームのさわやかな酸味と,ビーツとジャガイモの異なる食感を楽しめました。


【キノコソテー】

 森の恵み,きのこのソテーです。

(キノコソテー)
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 ジロール(アンズ茸),ブナピー,ブナシメジ,ヒラタケのソテーです。

 様々なきのこを味わうことができました。


【スモークサーモン】

 フィンランドではサーモンがよく食べられています。

(スモークサーモン)
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 サーモンを燻製にしたスモークサーモンは,フィンランドの代表的な保存食であり,オープンサンドイッチの具としても活躍します。


【ラスキアイスプッラ】

 デザートとして「ラスキアイスプッラ」を注文しました。

 キリスト教には,イースター(復活祭)前に40日間の断食期間(四旬節)を設ける慣習があります。

 ラスキアイスプッラは,その四旬節に入る前日(告解の火曜日)に食べられる伝統菓子です。

 隣のスウェーデンから伝わったお菓子(スウェーデンでは「セムラ」と呼ばれます)だと言われています。

(ラスキアイスプッラ)
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 卵・牛乳・バターを使ったふかふかのパン「プッラ」の中心をくり抜き,中に生クリームとベリージャムがたっぷり詰められています。

 このお菓子がスウェーデンからフィンランドに伝わった際には,アーモンド(アーモンドペーストやマジパン)が使われていましたが,アーモンドが高価だったため,フィンランドではアーモンドの代わりにジャムも使われるようになりました。

(ラスキアイスプッラ(中身))
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 生クリームの奥に,甘いベリージャムがたっぷり詰められていました。

 断食に入る前に贅沢なもの,豪華なものを食べておきたいという願望から生まれたお菓子パンなのでしょう。

 この考えは,断食期間(四旬節)に入る前に行うお祭り「謝肉祭(カーニバル)」と相通じるものがあります。

 ショートケーキのような,リッチな気分になれるフィンランドの伝統菓子です。


<関連リンク>
 「World Breakfast Allday」(外苑前店・東京都渋谷区神宮前3-1-23-1F ほか)

<関連記事>
 「フィンランド料理の特徴と主な料理1 -日本フィンランド外交関係樹立100周年・ムーミンバレーパーク・フィンランドフェア-
 「フィンランド料理の特徴と主な料理2 -ムーミンビスケット・サルミアッキ・ソルティッド リコリス・チョコレート リンゴンベリー-
 「東京都渋谷区恵比寿・世界のパン「パダリア」-コンチャ,カルヤラン・ピーラッカ,ムナボイ,ハチャプリ-

<参考文献>
 「フィンランド」(「World Breakfast Allday」リーフレット)
 地球の歩き方編集室「世界のグルメ図鑑」(学研プラス)
 「大使館の食卓 おうちで簡単レシピ集」(産経新聞出版)

2023年5月 7日 (日)

広島の名物・郷土料理7 -G7岸田総理刻印饅頭・吾作饅頭・白みそもみじ・餅ずんだ-

平安堂梅坪の「G7岸田総理刻印饅頭」

 2023年5月19日から21日の3日間,広島市で「G7広島サミット(主要国首脳会議)」が開催されます。

 開催地・広島では,この「G7広島サミット」を盛り上げようと,様々な応援フェアや関連イベントが行われています。

 食の関係で言えば,広島県産食材やお酒のPRイベント,広島県食材を使った料理・スイーツの食事イベント,G7各国(フランス,アメリカ,イギリス,ドイツ,日本,イタリア,カナダ)の料理やスイーツが楽しめるイベントなどが開催されています。

 その1つとして,広島の代表的な和菓子店「平安堂梅坪」から,期間限定で「G7岸田総理刻印饅頭」が販売されています。

 平安堂梅坪へ行き,この饅頭を購入しました。

(G7岸田総理刻印饅頭)
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 2個セットで500円(税込)です。

 G7広島サミットロゴマークと岸田総理の顔が描かれた饅頭です。

 「えっ,本当にこんな名前の饅頭?」

 と思われる方もいらっしゃると思いますが,食品表示の商品名にもちゃんと明記されています。

(食品表示(G7岸田総理刻印饅頭))
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 この饅頭が店舗に山積みされていました。

 広島のお土産として購入する方もいらっしゃると思います。

 G7広島サミットロゴマークの饅頭と岸田総理の饅頭,それぞれ1個ずつ入った組合せが基本ですが,G7広島サミットロゴマークの饅頭が2個入った組合せも販売されていました。

 続いてこの饅頭の中身を確認してみましょう。

 G7広島サミットロゴマークと岸田総理の饅頭,どちらをカットするか…非常に悩ましい問題ですが,私の出した結論は次の写真です。

(G7岸田総理刻印饅頭(中身))
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 岸田総理,申し訳ございません(笑)

 このように薄皮の中には,北海道産小豆で作られた粒あんがぎっしり詰まっていました。

 昔ながらの薄皮で,ほどよい甘さの粒あんを包んだ,まさに日本を象徴する和菓子です。

 この饅頭がG7広島サミットの場で各国首脳に出されたら,「ミスターキシダ!」みたいな感じで盛り上がりそうです(笑)


平安堂梅坪の「吾作饅頭」

 平安堂梅坪を代表する銘菓が「吾作饅頭」です。

(吾作饅頭(包装))
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 包装紙に丸が描かれていますが,これは禅僧・仙厓(せんがい)和尚の「一円相画賛」にある「円相」(丸)に由来するものです。

 仙厓和尚は筆で饅頭のような丸を描き,「これ食ふて茶のめ」と記されています。

 筆できれいな丸を描くことは,実はとても難しい技のようです。

 ちなみにこの饅頭は,広島を描いた漫画「ましろ日(ひ)」(原作:香川まさひと,作画:若狭星 小学館)でも登場します。

(吾作饅頭)
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 クルミがのせられた小豆あんの饅頭です。

(吾作饅頭(中身))
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 中のあんこは,G7岸田総理刻印饅頭と同じ粒あんです。

 クルミの香ばしさとコクが嬉しい広島の銘菓です。

 ちなみに,吾作饅頭の「吾作」は,「見た目は不細工だけれども,こころは優しい吾作さん」に似ていることにちなんでおられるのだとか。

 この饅頭がG7広島サミットの場で各国首脳に出されたら,「ミスターゴサク!」みたいな感じで盛り上がりそうです(笑)


やまだ屋の「白みそもみじ」

 広島駅や広島市内のスーパーマーケットでちょっと珍しいもみじ饅頭を見つけました。

 もみじ饅頭の老舗「やまだ屋」と味噌の老舗「新庄みそ」がコラボレーションしたもみじ饅頭「白みそもみじ」です。

(白みそもみじ(包装))
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 新庄みその創業100周年を記念して作られたもみじ饅頭で,2023年4月27日から4万個限定で販売されています。

 「新庄しんちゃん」がかわいいですね。

 富山「日本海みそ」の「雪ちゃん」や,新潟「田中屋本店」の「あかねちゃん」などもそうですが,田舎のほのぼのとした子供のキャラクターを見かけると,放っておけないのです(笑)

 開封しました。

(白みそもみじ)
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 形は一般的なもみじ饅頭と同じです。

 中身を見てみましょう。

(白みそもみじ(中身))
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 カットした瞬間から,白みその良い香りがしました。

 いんげん豆をベースに,「新庄みそ」の白みそを混ぜたあんこです。

 こうじのやさしい甘味と味噌の芳醇な香りが楽しめる,甘じょっぱい白みそあんです。

 そしてこの白みそあんは,もみじ饅頭のカステラ生地ともよく合います。

 石川・能登などに「みそまんじゅう」がありますが,この饅頭と風味がよく似ています。

 ちなみに,宮島の老舗もみじ饅頭店「紅葉堂」では,呉の老舗みそメーカー「ますやみそ」とコラボレーションした「揚げもみじ 白みそあん」が販売されているようで,こちらも要チェックです。


やまだ屋の「餅ずんだ」

 同じ「やまだ屋」で,「餅ずんだ」という和菓子が期間限定で販売されています。

(餅ずんだ(包装))
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 「えっ,東北のずんだ餅のお菓子?」
 「広島のお菓子としては,随分はずんだ発想のお菓子だな」

 店頭に堂々とたたずんだ姿は,私の目を釘付けにしました。

 開封してみると…もみじ饅頭の形ではなく,四角でした。

(餅ずんだ)
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 カットして中身を確かめてみましょう。

(餅ずんだ(中身))
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 枝豆を細かくすりつぶして甘みを加えた「ずんだ」の鮮やかな黄緑色です。

 もっちりした生地にさわやかなずんだが包まれていて,まさに「ずんだ餅」の風味・食感でした。

 「やまだ屋」の看板商品「桐葉菓(とうようか)」や,京都「京菓子司 満月」の「阿闍梨餅(あじゃりもち)」,福岡から全国展開されている「もち吉」の「えん餅」などと同じ系統の,もっちりとした生地が特長の饅頭です。

 ずんだあんを餅生地の中に詰めるという逆転の発想で,ネーミングも「ずんだ餅」をひっくり返して「餅ずんだ」。

 ずんだ餅は仙台など東北地方を中心としたお菓子で,西日本では珍しいのですが,「餅ずんだ」は,その美味しさや魅力に着目し,餅生地製造のノウハウを生かして誕生したお菓子だと言えるでしょう。


<関連サイト>
 「平安堂梅坪」(福屋八丁堀本店 広島市中区胡町6-26ほか)
 「G7広島サミット 公式サイト」(外務省)
 「やまだ屋」(宮島本店 広島県廿日市市宮島町835-1ほか)
 「新庄みそ」(広島市西区三篠3丁目12-23)

2023年5月 6日 (土)

恐怖のメロン熊の耳かき -北海道夕張市-

夕張メロンの産地,北海道夕張市。

その夕張市に生息すると言われる「メロン熊」の耳かきです。

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夕張メロンの一部が熊に変身しています。

北海道は熊や鮭にちなんだお土産がたくさんあります。

しかも熊本のご当地キャラクター「くまモン」のような「ゆるキャラ」ではなく,木彫りなどのリアルな熊・鮭のお土産が多いです。

そういえば,熊本もメロンの一大産地!

冗談半分でネットで検索したら,本当にくまモンのメロンがあるようです。

これまでのくまモンのイメージを覆す「恐怖のメロンくまモンの耳かき」もお願いしま~す(笑)

2023年4月30日 (日)

東京・銀座「資生堂パーラー」のレストラン -ポタージュ・サラダ・ミートクロケット・ビーフシチュー・カスタードプリン-

東京・銀座の資生堂パーラー

 東京・銀座の資生堂パーラーは,1902(明治35)年に銀座の街に開店した,120年以上の歴史を持つカフェ・洋食レストランです。

 資生堂薬局の一角で製造されたソーダ水やアイスクリームが販売され,もの珍しさやモダンなイメージもあって,たちまち人気を博したようです。

 やがて,谷崎潤一郎や夏目漱石といった文化人が集うサロンにもなりました。

 資生堂パーラーは,日本の洋食レストラン・カフェの先駆者であり,その伝統を今に受け継いでおられる日本の代表的なお店の1つです。

(東京銀座資生堂ビル)
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 銀座八丁目にある東京銀座資生堂ビルです。

(資生堂パーラー店舗(花椿通り))
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 こちらは銀座「花椿(はなつばき)通り」と資生堂パーラーです。

 「花椿通り」の名称は,出雲から寄贈された出雲椿が街路樹として植えられ,通りのシンボルとなったことに由来します。

 そして「資生堂」のシンボルマーク「花椿」とのかかわりも深いようです。

 そんな資生堂パーラーでいただいた料理・デザートをいくつか御紹介します。


カブのポタージュとサラダ

 資生堂パーラーでランチをいただきました。

 1階の受付で名前を告げると,1組ずつエレベーターでレストランへ御案内いただけます。

 私は4階のレストランに御案内いただきました。

 テーブル席に着き,注文を済ませると,お水が用意されました。

(資生堂パーラーオリジナルグラスに注がれた水)
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 よく見ると,グラスやテーブルクロスに資生堂の文字や花椿のマークが施されており,楽しむことができます。

 今回はアラカルトで注文しました。

 また,本日のスープ,サラダ,コーヒーが付くセットメニューも注文しました。

(カブのポタージュとサラダ)
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 セットメニューのスープとサラダです

 スープはカブのポタージュでした。

 レタスやトマトが盛り付けられたサラダは,和風ドレッシングかフレンチドレッシングかを選ぶことができ,選んだドレッシングをお店の方が目の前でたっぷりとかけてくださいます。


ミートクロケット

 ポタージュとサラダを味わったところで,一皿目のメイン料理が運ばれていました。

 「ミートクロケット」(ミートコロッケ)です。

(ミートクロケット)
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 俵型のコロッケが2つ,その上に素揚げのパセリがのせられています。

 そして赤いトマトソースが添えられています。

 総菜として売られている一般的なコロッケと比べると,かなり高価なのですが,その価値を探るべく,ミートクロケットにナイフを入れました。

(ミートクロケット(中身))
Photo_20230430143201

 こちらがミートクロケットの中身です。

 ジャガイモは使われておらず,ベシャメルソースの中に,やわらかい仔牛肉とハムの角切りがゴロゴロと入っていました。

 酸味の効いたトマトソースが,ベシャメルソースのコロッケとよく合いました。

 確かに,これは納得の一品です。

 そして忘れてはならないのが,サクサクに揚げられたパセリです。

 厨房では「フライ・パセリ」と呼ばれているようです。

 パセリは180~190℃の油でシュワシュワと約20秒ほど揚げ,引き上げてすぐ塩が振られます。

 パセリを油で揚げると緑の色素が出るので,パセリ専用の小鍋と揚げ油が使われているそうです。

 このエレガントに仕上げられたパセリは,作家・エッセイストの平松洋子さんいわく「銀座八丁目の魔法」。

 一皿に込められたシェフの熱い思いが感じられました。


ビーフシチュー

 続いて「ビーフシチュー」をいただきました。

(ビーフシチュー)
Photo_20230430143801

 ビーフシチューは陶器の壺に入れられ,卓上コンロの火にかけたアツアツの状態で運ばれます。

 具は和牛三枚肉を中心に,玉ねぎ,人参,ブロッコリーなどで構成されています。

 デミグラスソースで煮込まれた牛肉のかたまりがゴロゴロと入っており,それぞれの野菜の火加減も絶妙で,とても贅沢な気分を味わえました。

(ビーフシチューとライス)
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 続いて,セットのライスと一緒にいただきました。

 ソースポットで供されるカレーと同様に,ライス(皿)にシチューをかけるのが一般的な食べ方だと思います。

(ビーフシチューライス(シチューがけ))
Photo_20230430152301
 (山崎ヒロキ・近藤タカシ「銀座レッスン 1」集英社 p13の一部を引用)

 こんな感じで。

 私は漫画の主人公のように豪快に皿をひっくり返してドボドボ注がず,スプーンでライスの上にかけましたが(笑)

 こうした食べ方のほかに,漫画「銀座レッスン」では,逆にビーフシチューの壺の中にライスを入れて混ぜるという大胆な方法も紹介されています。

(ビーフシチューライス(ライス混ぜ))
Photo_20230430144801
 (山崎ヒロキ・近藤タカシ「銀座レッスン 1」集英社 p15の一部を引用)

 こうすると,最後のライスの1粒までソースが浸み込んで美味しいようです。

 そこで,少々お行儀が悪いのですが,私もこの方法でビーフシチューライスをいただいてみました。

(ビーフシチューライス(ライスを混ぜた様子))
Photo_20230430144901

 ビーフシチューのソースがご飯にしっかり浸み込んで,最後の一口まで美味しくいただけました。


カスタードプリン・焼菓子(プチフール)・コーヒー

 メインを2皿と欲張ったので,お腹がいっぱいになりました。

 これでコーヒーで締めくくり…と思っていると,お店の方から「デザートはいかがでしょうか」とデザートのメニュー表を持ってきていただけました。

 カフェメニューは別フロアの「サロン・ド・カフェ」でのみ味わえるものと思っていたのですが,この時初めてレストランフロアでもいただけることを知りました。

 周りを見渡すと,確かにストロベリーパフェなどのデザートを召し上がっている方が何人かおられました。

 そこで私はカスタードプリンを注文しました。

(カスタードプリン)
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 ガラスの高台の皿に,スタイルの良いカスタードプリンがのせられ,カラメルと生クリームが添えられています。

(カスタードプリンと焼菓子(プチフール))
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 焼菓子(プチフール)とともにいただきました。

 卵黄の味が濃く,しっかりとしたボディのプリンで,上品な甘さのカラメルとよく合っていました。

(コーヒー)
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 最後にコーヒーをいただきながら,ゆったりと食後のひとときを楽しみました。


まとめ

 今回,私は食べたいものをアラカルトで注文したのですが,その結果,ランチコースよりも値段が高くなってしまいました(笑)

 でも,その支払った額に見合う満足感を得ることができました。

 東京・銀座には,高い額を払うだけの価値があるお店がたくさんあります。

(銀座で価値のあるお店)
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 (山崎ヒロキ・近藤タカシ「銀座レッスン 1」集英社 p7の一部を引用)

 その価値の本質を見極めるには,知識と経験が求められますが,たとえ不慣れな場合でも,直感的に「一線を越えた何かがある」ことは理解できますし,こうした経験を積み重ねることによって本当の価値がわかるようになります。

 また,高いお金を払えば本気度やそこから得る吸収力が高まることも確かです。

 支払いの際,値段の高低にかかわらず「気持ち良くお金を使えた」と思ったなら,そのお店の商品・サービスは自分に合っていた(合っている)と言えるでしょう。

 そんなお店に出会えるといいですね。


<関連サイト>
 「資生堂パーラー」(東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル)
 「資生堂(社名の由来・花椿マーク)」(株式会社資生堂)
 「銀座花椿通りとは」(銀座花椿通り会)

<関連記事>
 「山陰本線の観光列車「あめつち」の旅(倉吉駅-出雲市駅編)-あめつち御膳・大山みどり・鳥取二十世紀梨ゼリー感動です-」(「出雲の椿と銀座・資生堂」)

<参考文献>
 原作:山崎ヒロキ 漫画:近藤タカシ「銀座レッスン 1」集英社
 「花椿(2022年9月号)」(資生堂)
 平松洋子「銀座のパセリ」(「dancyu」2022年12月号)

2023年4月23日 (日)

東京都渋谷区恵比寿・世界のパン「パダリア」-コンチャ,カルヤラン・ピーラッカ,ムナボイ,ハチャプリ-

ヱビスビールと恵比寿

 東京都渋谷区・恵比寿(えびす)を訪問しました。

(JR恵比寿駅)
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 恵比寿と言えば,サッポロビールの「ヱビスビール」が思い浮かびます。

 JR恵比寿駅の発車メロディーで,エビスビールのCMソングでもある「第三の男」が流されているからでもありますが(笑)

(「El Tercer Hombre(Remastered)」(第三の男・リマスター版)

 (YouTube「アントーン・カラス -トピック」)

 まさに恵比寿駅の発車メロディー(笑)

 「恵比寿,恵比寿,御乗車ありがとうございます。次は渋谷にとまります」と駅のアナウンスまで聞こえてきそうです。

 「恵比寿駅」や地名の「恵比寿」は,「ヱビスビール(恵比寿ビール)」にちなんだ名称です。

 1901(明治34)年,この地域に「恵比寿ビール」を輸送するための停車場が作られますが,この停車場の名称が「恵比寿ビール」の「恵比寿」の名を冠した「恵比寿停車場」となり,現在の恵比寿駅に引き継がれているのです。

 その後,1928(昭和3)年には「恵比寿(恵比寿通り一丁目・二丁目)」という地名も誕生しました。

 こうした歴史もあってか,恵比寿の街を歩くと,居酒屋やバーなどの飲酒店を多く見かけました。

 恵比寿駅から北西方向に少し歩くと,恵比寿神社があります。

(恵比寿神社(東京都渋谷区))
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 そしてもう少し北に向かって歩いたところに,今回御紹介するお店「パダリア」があります。


世界のパンが味わえる店「パダリア」

 「パダリア」は世界各地のパンを販売されているお店です。

 世界の朝食が味わえる「WORLD BREAKFAST ALLDAY(ワールドブレックファーストオールデイ)」の姉妹店として,2022年11月28日にオープンしました。

(「パダリア」店舗)
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 ショートケーキを買う時のようにケースの中のパンを選び,お店の方に欲しいパンを伝えて購入するスタイルです。

 世界各地のパンが用意されているので,知らないパンもありますが,お店の方に尋ねると親切に教えていただけます。

 パンのほかにスープやコーヒーなども用意されていて,カウンター席のイートインスペースでいただくこともできます。

 私はパンをいくつか購入し,自宅でいただきました。

 今回私が購入したパンを御紹介したいと思います。


コンチャ

 メキシコのパン「コンチャ(CONCHA)」を御紹介します。

 コンチャはスペイン語で「貝殻」の意味で,貝殻を模した縞模様が施されたパンです。

(コンチャ)
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 バニラとチョコレート,2種類のコンチャが用意されていました。

 この写真はバニラのコンチャです。

 お店でコンチャの特徴を記した紹介カードをいただきました。

(「コンチャ」紹介カード)
Photo_20230423104001

 この紹介カードは,それぞれのパンに用意されており,パダリアならではのサービスとなっています。

 コンチャは,表面が甘くてサクサクのビスケット生地で包まれており,見た目も味も日本のメロンパンとそっくりなパンです。

 このコンチャをほかのお店で「メロンパン」として販売されていても,おそらく誰も違和感はないでしょう。

 日本のメロンパンは,スペインからメキシコ(かつてのスペインの植民地)へコンチャの製法が伝わり,それが米国移民を通じて日本へ伝わったという説があります(※)。

 ※第一次世界大戦で日本に捕虜として連れてこられたドイツ人が,ドイツパンの1つ「シュトロイゼルクーヘン」を日本各地に広め,それが後の日本のメロンパンにつながったとする説もあります。

 今回いただいたコンチャは,ほのかに甘いバニラ風味を楽しめました。

 メキシコで定番の菓子パンで,本国ではコーヒーなどのドリンクと一緒に食べられることが多いようです。


カルヤラン・ピーラッカ

 続いては,フィンランドのパン「カルヤラン・ピーラッカ(KARJALANPIIRAKKA)」を御紹介します。

 カルヤラン・ピーラッカは,ミルク粥をライ麦粉の生地で包んで焼いたカレリア地方の伝統料理です。

 お店の方から「このパンは別売りの「ムナボイ」と一緒に召し上がっていただくのをおすすめしております」とお話があり,カルヤラン・ピーラッカとムナボイについて教えていただきました。

 そして紹介カードもいただきました。

(「カルヤラン・ピーラッカ」紹介カード)
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 「ムナボイ」はゆで卵とバターを混ぜた具材のようです。

 そこでカルヤラン・ピーラッカとムナボイをセットで購入しました。

(カルヤラン・ピーラッカとムナボイ)
Photo_20230423105501

 写真左がカルヤラン・ピーラッカ,写真右がムナボイです。

 カルヤラン・ピーラッカにムナボイをのせ,少し温めてみました。

(ムナボイをのせたカルヤラン・ピーラッカ)
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 こちらがムナボイをのせたカルヤラン・ピーラッカです。

 カルヤラン・ピーラッカの生地は,ライ麦粉に水分を加えてクレープのように薄く伸ばし,香ばしく焼き上げたものです。

 中のミルク粥は,ゆるいポテトサラダのような仕上がりでした。

 これにゆで卵とバターを混ぜたムナボイをのせると,適度な塩気とコクが加わり,より一層美味しくいただけました。


ハチャプリ

 最後にジョージアの代表的なパン「ハチャプリ(HACHAPURI)」を御紹介します。

 「ハチョ」がチーズ,「プリ」がパンという意味で,舟形のパンの中心にチーズと半熟の卵黄がのせられているのが特徴です。

 こちらも紹介カードをいただきました。

(「ハチャプリ」紹介カード)
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 パダリアで販売されているハチャプリは,黒海沿岸・アジャラ地方のものだそうです。

(ハチャプリ)
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 舟形の大きめのパンの中心に,卵黄とたっぷりのチーズがのせられています。

 フライパンでパンを温めました。

 卵黄が焼き固まらないよう注意しながら…。

(ハチャプリ(リベイク))
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 温めると,中のチーズがトロトロに溶けました。

(ハチャプリ(溶けたチーズと玉子))
Photo_20230423110401

 卵黄を崩し,パンに卵黄と溶けたチーズをまぶしながらいただきました。

 モチモチとしてやわらかいピザ生地のようなパンに,チーズの濃厚なコクと程良い塩気,そして卵黄のうま味が加わりました。

 大きめのパンでしたがあっという間に食べてしまいました。


まとめ

 パダリアには,世界各国のパンが用意されています。

 また一部の商品は,オンラインストアでも販売されています。

 このお店にしかないような珍しいパンもありますので,御興味を持たれた方は味わってみてください。


<関連サイト>
 「パダリア」(東京都渋谷区恵比寿西1-17-2-103)
 「ヱビスビール ブランドヒストリー」(サッポロビール株式会社)
 「WORLD BREAKFAST ALLDAY」(外苑前店・東京都渋谷区神宮前3-1-23-1F ほか)

<関連記事>
 「ドイツ・ウィーン菓子の特徴と主な菓子1 -シュトロイゼルクーヘン・レープクーヘン・バウムクーヘン-
 「ジョージア(グルジア)料理の特徴と主な料理 -クヴェヴリワイン・ハルチョー・サラダ・チュルチヘラ・アジカ・ハチャプリ-

<参考文献>
 東嶋和子「メロンパンの真実」講談社文庫
 島村菜津・合田泰子・北嶋裕「ジョージアのクヴェヴリワインと食文化」誠文堂新光社

2023年4月16日 (日)

東京都江戸川区の江戸東京野菜「小松菜」3-小松菜グルメスタンプラリー・小松菜サラダ・小松菜鍋・小松菜と牛肉の五香粉炒め・小松菜の肉巻き-

東京都江戸川区の「小松菜グルメスタンプラリー」

 東京都江戸川区で「第9回小松菜グルメスタンプラリー」(2022年11月1日~2023年1月31日)が実施されました。

 私は2022年12月末に江戸川区を訪問した際に,このスタンプラリーが実施されていることを知りました。

 興味を持った私は,レンタサイクルで江戸川区内の小松菜商品販売店舗を巡り,スタンプシールを3枚集めることができました。

 後日,スタンプシールを貼り,必要事項とアンケートを記入した応募はがきをポストに投函しました。

 欲しかったのは,スタンプシール3枚達成でもれなくもらえる「こまつなくん缶バッジマグネット」です。

 応募したことも忘れかけていた2023年3月4日,自宅に大きな段ボール箱のゆうパックが届きました。

 ずっしりと重い段ボール箱を受け取り,「何だろう?」と宛名ラベルを見てみると,「小松菜グルメスタンプラリー景品(小松菜)」と記載されていました。

 段ボール箱の側面には「えどちゃんシール」が貼ってありました。

(えどちゃんシール)
Photo_20230416115001

 「えどちゃん」は,江戸川(edogawa)の「e」と,江戸川区の名産「花」と「小松菜」をイメージした「江戸川区農業応援キャラクター」です。

(えどちゃんの紹介)
Photo_20230416115101
 「江戸川区農産物直売マップ -江戸川は花と野菜のゆめ産地-」(江戸川区産業経済課都市農業係)から一部引用

 「えどちゃん」は「江戸川区農業のPRのため,元気に走り回っている」とのことですが,まさか遠く離れた広島市南区まで走ってくるとは元気全開です(笑)

 ワクワク,ドキドキしながら段ボール箱を開けてみました。

(段ボールの中身)
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 中には,小松菜グルメスタンプラリー当選通知,こまつなくん缶バッジマグネット,日本農業新聞のフリーマガジン「フレマルシェ」,そして江戸川区産の小松菜が入っていました。

(小松菜グルメスタンプラリー当選通知)
Photo_20230416132902

 こちらが当選通知です。

 参加賞の缶バッジマグネットに加え,「Wチャンス」として江戸川区産小松菜1000円分が当選しました。

 これは嬉しいプレゼントです。

 江戸川区を訪問した際,本当は江戸川区の小松菜を買って帰りたかったのですが,旅の途中だったことや,実際に東京から広島まで持って帰るのは大変なことから,断念した苦い思い出があったからです。

(こまつなくん缶バッジマグネット)
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 こちらは参加賞のこまつなくん缶バッジマグネットです。

 江戸川区内をレンタサイクルで巡った思い出を呼び起こす記念品となりました。

(小松菜の束(江戸川区産))
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 こちらがWチャンスで当選した江戸川区産小松菜です。

 当選者10名のうちの1人に選ばれたようです。

 袋詰めで販売される小松菜が多いなか,江戸川区では茎をテープで留めて結束する方法を採用しておられます。

 茎も根もシャキッと美しく束ねられた小松菜は,鮮度と品質の良さの証です。

 確かに,まだ水滴が残るほどみずみずしい小松菜がそのまま段ボールに詰められていました。

(小松菜(江戸川区産))
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 小松菜を1本取り出してみました。

 確かに白く太い根までついている小松菜は珍しいです。

 その根まできれいに洗ってくださっており,その手間を想像すると,根も含めて無駄にはできないと思いました。

 都内に鮮度の高い小松菜を出荷できるのも江戸川区産小松菜のメリットの1つです。


江戸川区産小松菜を使った料理

 いただいた江戸川区産小松菜を使って,いくつか料理を作ってみました。


【小松菜サラダ】

 江戸川区の小松菜は生でも美味しく食べられることから,純粋に小松菜の味を味わえるサラダにしました。

(小松菜サラダ)
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 醤油ベースのドレッシングをかけていただくと,シャキシャキした食感で,旨味とほのかな甘味を感じました。

 江戸川区の小松菜は,東京湾の潮風にあたって育つことで,旨味と甘味が凝縮されるようです。

 サラダであれば,いつでも手軽に小松菜をいただくことができます。


【小松菜と牛肉の五香粉炒め】

 小松菜と牛肉で炒め物を作りました。

(小松菜と牛肉炒め)
Photo_20230416134801

 小松菜と牛肉を炒め,塩こしょうで味付けした「小松菜と牛肉炒め」です。

 シャキッとした食感を残した小松菜を美味しくいただくことができ,いくら牛肉と言えども,主役は小松菜だと思わせる一品でした。

 別の日に,中国などで使われる「五香粉(ウーシャンフェン)」と呼ばれるスパイスを使った炒め物も作ってみました。

 五香粉は,スターアニス(八角),シナモン,花椒,クローブ,陳皮といった約5種類のスパイスが調合されたミックススパイスです。

 このスパイスを使うと,中国料理の「豚の角煮」や台湾料理の「魯肉飯(滷肉飯,ルーローハン)」と同じような風味を得ることが出来ます。

 今回の炒め物に使う調味液は,酒,みりん,醤油を同じ割合で加え,それに五香粉をパッパッと足したものです。

(五香粉の調味液)
Photo_20230416135301

 フライパンにゴマ油をひいて牛肉を炒め,小松菜も加えて強火でサッと炒めます。

 仕上げに五香粉入りの調味液を入れ,汁気を少し飛ばせば完成です。

(小松菜と牛肉の五香粉炒め)
Photo_20230416135501

 どろっとした甘辛い醤油と八角・シナモンの甘くさわやかな香りが,小松菜と牛肉の味をより一層引き立てます。

 手軽に本格的な中国・台湾料理を作ることができるので,オススメです。


【小松菜鍋】

 寄せ鍋の材料(白ねぎ,大根,しめじ,豚肉,海老,タラなど)に小松菜を加え,小松菜鍋を作りました。

(小松菜鍋)
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 栄養価の高い小松菜をたっぷりと食べることができることが魅力です。


【小松菜とパンチェッタのパスタ】

 小松菜とパンチェッタ(塩漬け豚肉)でパスタを作りました。

 フライパンにたっぷりのオリーブ油を入れて熱し,薄切りのニンニクで香り付けした後,小松菜と厚切りのパンチェッタを加えて炒めます。

 ほどよく炒めたところで,別に茹でておいたパスタを加え,茹で汁も少し加えてサッと炒めます。

 塩こしょうで味を調えれば完成です。

(小松菜とパンチェッタのパスタ)
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 小松菜の甘味とシャキシャキ感,パンチェッタの脂と塩気がパスタと見事にマッチしました。


【小松菜の肉巻き】

 江戸東京野菜「のらぼう菜」を肉巻きでいただいたことを思い出し,小松菜の肉巻きにチャレンジしました。

(小松菜の肉巻き(加熱前))
Photo_20230416140101

 5cm程度に切り揃えた小松菜を厚切りの豚バラ肉で巻き,つまようじで留めます。

 小松菜は葉と茎をバランスよく詰め,きれいに洗った根も入れました。

 フライパンを火にかけ,油をひいて小松菜の肉巻きをのせました。

 途中,まんべんなく火がとおるよう,フタをしてしばらく蒸し焼きにしました。

 フタをとり,塩こしょうで調味して,表面にこんがりと焼き色がつけば完成です。

 こしょうは小松菜や厚切りの豚肉をしっかり受け止める「粗挽き」がオススメです。

(小松菜の肉巻き)
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 肉巻きをガブリとかじると,旨味と甘味が凝縮された小松菜のエキスがジュワッとほとばしりました。

 同じ材料で炒め物にするよりも,肉巻きにする方が小松菜をよりジューシーにいただくことができます。

 興味を持たれた料理があれば,ぜひお試しください。


まとめ

 東京都江戸川区の小松菜について,今回を含めて3つの記事で御紹介しました。

 小松菜グルメスタンプラリーの当選通知に「今後とも江戸川区特産小松菜をはじめ,小松菜商品を応援くださいますようお願い申し上げます。」と記載されていたこともあり,何らかの形で江戸川区の小松菜を応援し,江戸川区の皆さんにお礼ができないかという気持ちを込めて執筆しました。

 また機会があれば江戸川区を再訪し,レンタサイクルで小松菜めぐりをしたいです。

 江戸川区の小松菜。

 新鮮で,クセがなく,甘味もあって,とても美味しい野菜です。

 皆様も機会があれば江戸川区の小松菜や小松菜料理・商品を御賞味ください。


<関連サイト>
 「小松菜プラスワン(KOMATSUNA+1)」(ウェルフィールド)
 「江戸川の小松菜はエライ!」(江戸川区役所産業経済課)

<関連記事>
 「東京都江戸川区の江戸東京野菜「小松菜」1-小松菜発祥の地・小松菜の名前の由来・新小岩香取神社・小松菜屋敷・江戸川区の小松菜商品-
 「東京都江戸川区の江戸東京野菜「小松菜」2-小松菜ドリア・小松菜サラダ・小松菜ジュース-
 「関西の地場野菜「しろ菜」と関東の地場野菜「のらぼう菜」・広島県の「やさいバス」-しろ菜のおひたしと豚肉炒め・のらぼう菜の肉巻き-

<参考文献>
 「小松菜力。-東京江戸川区のおいしい魅力ガイドブック-」(江戸川区産業経済課都市農業係)
 「江戸川区農産物直売マップ -江戸川は花と野菜のゆめ産地-」(江戸川区産業経済課都市農業係)

2023年4月 9日 (日)

東京都江戸川区の江戸東京野菜「小松菜」2-小松菜ドリア・小松菜サラダ・小松菜ジュース-

 当ブログ記事で,小松菜は東京都江戸川区(小松川)が発祥の「江戸東京野菜」であることを御紹介しました。

 今回は,その東京都江戸川区でいただいた小松菜料理と小松菜ドリンクを御紹介したいと思います。


しのざき文化プラザの伝統工芸カフェ「アルティザン」

 都営新宿線・篠崎駅に直結する施設「しのざき文化プラザ」を訪問しました。

(しのざき文化プラザ)
Photo_20230409125901

 「しのざき文化プラザ」は,江戸川区の歴史・文化・産業などを様々な形で紹介するギャラリー,図書館,飲食施設などが揃った複合文化施設です。

 江戸川区の小松菜についても,図書館やギャラリーで情報を得たり,特産品ショップで関連商品(お土産)を購入したり,飲食ショップで料理・ドリンクを味わったりと,様々なニーズに活用できます。

 その「しのざき文化プラザ」内にある飲食ショップ・伝統工芸カフェ「アルティザン」で小松菜料理・小松菜ドリンクをいただきました。

(伝統工芸カフェ「アルティザン」)
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 写真中央が受付・レジ・調理スペース,写真左(手前)が飲食スペース,写真右(奥)が特産品ショップです。

 レジで料理・ドリンクを注文し,テーブル席に座りました。


小松菜料理・小松菜ドリンク

 今回私が注文した小松菜料理・ドリンクは,「小松菜ドリア」とセットの「小松菜サラダ」,そして「小松菜ドリンク」です。

 しばらくして,料理・ドリンクが出来上がりました。

(小松菜料理・小松菜ドリンク)
Photo_20230409130901

 小松菜メニューのオンパレードです!

 このほかにも小松菜を使ったメニューとして,ピザ,オムライス,パスタ,カレー,ハンバーガー,スムージー,豆乳ジュースなどが用意されていました。

 それでは,今回私が味わった料理・ドリンクを個別に御紹介します。


小松菜ドリア

 「小松菜ドリア(えび)」です。

(小松菜ドリア(えび))
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 ドリアはえびとミートの2種類があり,私はえびをチョイスしました。

 こんがり焼けた熱々・トロトロのチーズとホワイトソースがたっぷりとかかっています。

 小松菜は…チーズの中に隠れているのでしょうか。

 中を確かめてみましょう。

(小松菜ドリア(中身))
Photo_20230409131802

 主役の小松菜を見つけました!

 ホワイトソースの中には,小松菜,きのこ,ライス(もち麦ご飯)が入っていました。

 小松菜は江戸川区の石井農園から直送されたものです。

 いただいてみると,中の小松菜が温かくてシャキシャキの状態で,食感と持ち味(新鮮さや甘みなど)がよく生かされていました。

 トロトロのチーズやコクのあるホワイトソースとの相性も抜群でした。

 小松菜を表面に盛り付けず,チーズ・ホワイトソースとライスの間に入れてオーブンで焼くことで,小松菜の食感や持ち味が生かされています。

 小松菜は炒め物やおひたしに使うイメージが強かったのですが,ドリアやグラタンなどホワイトソースを用いる洋食にも応用できることがわかりました。


小松菜サラダ

 小松菜ドリアのセットとして,「ミニ小松菜サラダ」を注文しました。

(小松菜サラダ)
Photo_20230409133101

 新鮮な小松菜にクスクスとレンズ豆が添えられたサラダです。

 そして人参を使ったキャロットドレッシングがかけられています。

 生の小松菜をサラダとしていただくというのは初めてでしたが,青菜のえぐみがなく,むしろ,ほんのりとした甘みを感じました。

 シャキシャキとした食感で,ドレッシングをかけるといくらでも食べられそうな一品でした。

 江戸川区の小松菜ガイドブック「小松菜力。-東京江戸川区のおいしい魅力ガイドブック-」にも小松菜が生で食べられることが紹介されています。

(江戸川区のサラダ小松菜の紹介)
Photo_20230409133201
 「小松菜力。-東京江戸川区のおいしい魅力ガイドブック-」(江戸川区産業経済課都市農業係)から一部引用

 江戸川区の小松菜は,茎も葉もやわらかく,生でも美味しく食べられます。
 ※区内農家・弘前大学・江戸川区で構成する「えどがわ農業産学公プロジェクト」のまとめ

 サラダ向けの「サラダ小松菜」も,伝統工芸カフェ「アルティザン」などで販売されています。

 サラダであれば,毎日お手軽に小松菜をいただくことができますね。


小松菜ジュース

 最後に「小松菜ジュース」を御紹介します。

(小松菜ジュース)
Photo_20230409133601

 この青汁にも似た小松菜ジュースが一番気がかりでした(笑)

 江戸川区石井農園直送の新鮮な小松菜をミキサーにかけ,100%アップルジュースと合わせて飲みやすくしたジュースです。

 小松菜の甘みや爽快さ,そして若干青臭さも感じましたが,それらを含めて小松菜の特徴をストレートに味わえるドリンクだと思いました。

 小松菜ジュースは常温に近い状態でしたが,これも新鮮な小松菜が使われているからこそで,リアリティがあって好感が持てました。

 小松菜の味・フレーバーをストレートに楽しめる,小松菜発祥の地・江戸川区ならではのドリンクです。


まとめ

 小松菜は,今や全国各地で見かけるメジャーな野菜となりましたが,その発祥の地で小松菜の特徴や歴史をじかに学び,小松菜(商品)を扱うお店(直売所)を巡り,飲食店で地元の小松菜を使った料理やドリンクを味わえば,より一層小松菜への親しみがわき,江戸川区の皆さんがいかに小松菜に愛着を持っておられるかを知ることができるでしょう。

 徳川吉宗になった気分で,江戸川区の小松菜の魅力を探る「小松菜ツアー」はいかがでしょうか。


<関連サイト>
 「伝統工芸カフェ アルティザン」(東京都江戸川区篠崎町7-20-19)
 「小松菜プラスワン(KOMATSUNA+1)」(ウェルフィールド)
 「江戸川の小松菜はエライ!」(江戸川区役所産業経済課)

<関連記事>
 「東京都江戸川区の江戸東京野菜「小松菜」1-小松菜発祥の地・小松菜の名前の由来・新小岩香取神社・小松菜屋敷・江戸川区の小松菜商品-

<参考文献>
 「小松菜力。-東京江戸川区のおいしい魅力ガイドブック-」(江戸川区産業経済課都市農業係)
 「江戸川区農産物直売マップ -江戸川は花と野菜のゆめ産地-」(江戸川区産業経済課都市農業係)

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