2021年4月11日 (日)

瀬戸内の観光列車「etSETOra(エトセトラ)」の旅(復路:尾道駅-広島駅編) -TEA STAND GENの尾道浜茶とたい焼き・エトセトラオリジナルカクテルとおつまみ-

 瀬戸内の観光列車「etSETOra(エトセトラ)」の旅。

(etSETOra・尾道駅)
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 今回は尾道で訪問したお茶のお店と,エトセトラ・復路の旅(尾道駅から広島駅まで)を御紹介したいと思います。


尾道の「TEA STAND GEN」

 往路,広島駅からエトセトラに乗車し,呉線経由で終点・尾道駅に到着しました。

(尾道駅2階から眺めた駅前の様子)
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 復路のエトセトラの出発時刻まで約2時間あったので,その時間を利用して尾道のお店を訪問しました。

 限られた時間なので,お店を絞る必要がありました。

 そこで私が選んだお店が,お茶が楽しめるお店「TEA STAND GEN」です。

 このお店の煎茶は,すでに当ブログ・エトセトラの記事でも御紹介しています。

 「瀬戸内の観光列車「etSETOra(エトセトラ)」の旅(往路:海田市駅-尾道駅編) -オリジナルグッズ,瀬戸の小箱,煎茶,観光・リゾート列車の魅力-」でお菓子の「瀬戸の小箱」と一緒に御紹介している煎茶がそうです。

(「瀬戸の小箱 ~和~」と煎茶)
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 往路のエトセトラ車内で「TEA FACTORY GEN」の煎茶をいただいたのですが,その「TEA FACTORY GEN」の直販店・カフェが今回御紹介する「TEA STAND GEN」です。

 尾道駅から徒歩でお店を訪問しました。


尾道浜茶とたい焼き

 尾道駅から海岸通り沿いを東へしばらく歩いていると,「TEA STAND GEN」の入口を示す小さな置物があります。

(尾道・海岸通り・「TEA STAND GEN」の置物)
Tea-stand-gen

 写真中心部の置物なのですが,実際に歩いていても見落とすぐらい小さな置物なので,置物を拡大してみましょう。

(尾道・海岸通り・「TEA STAND GEN」の置物(拡大))
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 湯沸かし用のやかんが目印となっています。

 矢印に従って路地に入ると,まもなくお店が見えてきます。

(「TEA STAND GEN」店舗(外観))
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 これもちょっと拡大してみる方が良さそうです(笑)

(「TEA STAND GEN」店舗(外観・拡大))
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 尾道ならではの狭い路地を入り,控えめなお店の看板なので,初めての方はお店にたどり着くのが少し大変かも知れません。

 私は2回目なのですが,初訪問の時は少し迷いました。

 お店は1階が厨房と喫茶スペース,2階が喫茶スペースとなっています。

 店内の様子です。

(「TEA STAND GEN」店内)
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 温かみのある店内で,1階はカウンター席でお茶をいただくことができます。

 このお店でゆっくりとお茶をいただくと,本当に心が和みます。

 メニュー表をひととおり見て,「尾道浜茶」というお茶に興味を持ちました。

 店主さんにお話を伺うと,茶葉を尾道の海風にさらしたお茶とのことでした。

 尾道ならではのお茶だと思い,このお茶とたい焼きのセットを注文しました。

 前回訪問した際は,たい焼きが売り切れていたので,たい焼きも楽しみでした。

 出来上がるのを待つ間,店主さんから扱っておられる様々な茶葉を見せていただきました。

(茶葉5種(茶花茶・尾道浜茶・ほうじ茶・和紅茶・煎茶))
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 茶葉5種,写真左から順に,茶花茶,尾道浜茶,ほうじ茶,和紅茶,煎茶です。
(少し記憶違いがあるかも知れませんが…。)

 茶花入りのお茶や和紅茶,また,縫い針のように細長い葉が特徴の手摘み一番煎茶・紅茶も取り扱っておられます。

 ほうじ茶は,注文を受けてから茶葉を焙じていただけます。

 店主さんやお客さんとの会話を楽しんでいるうちに,尾道浜茶とたい焼きが出来上がりました。

(尾道浜茶とたい焼きのセット)
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 いれたての尾道浜茶と焼きたてのたい焼きです。

 店主さんから,尾道浜茶は中国の白茶(中国茶の種類,緑茶・白茶・黄茶・青茶・紅茶・黒茶・花茶の1つ)に近いと教えていただきました。

 初めていただきましたが,雑味がなく,さっぱりとして,ほのかに甘みも感じる飲みやすいお茶でした。

 このお茶は名前のとおり,茶葉を尾道の浜風(潮風)にさらして作られたお茶で,この製法により,茶葉の甘みが増すのだそうです。

 尾道では小さなヒラメやカレイを潮風にさらして作る「デベラ」という干物がありますが,これも尾道浜茶のヒントになっているようです。

 お湯を足していただき,二煎目,三煎目も楽しみました。

(尾道浜茶(姫レモンピール入り))
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 三煎目は愛媛県・岩城島の「姫レモン」(見た目はオレンジに似ているレアなレモン)の乾燥させた皮を少し加えていただきましたが,とてもさわやかな香りがお店いっぱいに広がって,ほかのお客さんも「いい香り~」とおっしゃってました。

 お茶と一緒にたい焼きもいただきましたが,焼きたてで皮がパリパリ,中のあんこも程良い甘さで,お茶受けにぴったりでした。


「TEA STAND GEN」で伺ったetSETOra(エトセトラ)のお話

 「TEA STAND GEN」・「TEA FACTORY GEN」の店主さんに,今回私は観光列車エトセトラに乗って広島から伺ったこと,そして,その車内で「TEA FACTORY GEN」の煎茶をいただいたことをお話ししました。

 店主さんからは,
 「当初はティーバッグでなく,急須で提供してほしいとお願いされたこと」
 「煎茶の採用にあたって,JR西日本の方が広島県世羅町の茶畑まで見学に来られたこと」
 「エトセトラで煎茶を味わったお客さんの中には,お茶を目当てに尾道駅からお店まで走って来る方もおられること」
 「店主さんはまだエトセトラに乗車されたことがないこと」
などなど,いろんな興味深いお話が伺えました。

 店主さんにお礼を言い,「次回尾道を訪れた際もまたお店に行こう」と心に誓って,お店を後にしました。


etSETOra(エトセトラ)復路・尾道駅から広島駅へ

 尾道駅に戻った私は,復路・宮島口行きのエトセトラを待ちました。

(尾道駅改札口・発車案内表示器)
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 待合スペースでは,往路の車内でお見かけした人もちらほら。

 改札を済ませ,ホームに入場すると,すでにエトセトラ入線待ちの方も多くいらっしゃいました。

 エトセトラが尾道駅ホームに入線すると,一斉に写真撮影が始まりました。

(etSETOra・尾道駅ホーム入線)
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 やはり人気の観光列車なんだと実感しました。

(JR西日本・尾道駅の皆さんからのお見送り)
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 「またお越しください 日本遺産の街 尾道へ!」

 JR西日本・尾道駅の皆さんから温かいお見送りを受けながら,エトセトラはゆっくり宮島口・広島方面へ走り出しました。


トレインバーでオリジナルドリンクとおつまみを楽しむ

 復路は山陽本線経由で広島・宮島口を目指します。

 尾道駅-広島駅間は,復路の山陽本線経由だと,往路の呉線経由に比べて約1時間早く到着します。

 その関係もあってか,復路は広島駅行きではなく,さらに延長した宮島口駅行きに設定されています。

 復路は2号車(往路は1号車)に乗車しました。

(etSETOra・車内・2号車)
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 2号車は床が尾道の石畳を,座席が瀬戸内の山の新緑をイメージした内装デザインです。

 復路のテーマは「上質なトレインバーで,せとうちの余韻に酔いしれる」で,車内に設置されたバー(トレインバー)で,酒どころ広島の様々なお酒(カクテル・ビール・ウイスキー・日本酒・ワイン・浄酎)やおつまみを購入して楽しめる趣向となっています。

(バーカウンターメニュー)
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 お酒に弱い私ですが,この日はせっかくなので少しお酒を飲もうと心に決めていました。

 エトセトラオリジナルカクテル「SETOUCHI BLOSSOM」を味わいたいと。

 しかしながら,往路の列車内でふと気付いたのです。

 「そう言えば,自宅から広島駅まで車を運転して来ている…」

 普段お酒を飲まない私は,お酒を飲んだ後のことまで想像することができなかったのです。

 「失敗したな…」と思ったのですが,そんな私にぴったりのドリンクがありました。

 エトセトラオリジナルのノンアルコールカクテル「SETOUCHI BLOSSOM」です。

 バーカウンターへ行き,このノンアルコールカクテルとおつまみ「牡蠣のオリーブオイル漬け」を注文しました。

 席へ持ち帰り,このドリンクとおつまみを味わいました。

(「SETOUCHI BLOSSOM」と「牡蠣のオリーブオイル漬け」)
Setouchi-blossom

 「SETOUCHI BLOSSOM」(ノンアルコール)は,フルーツスプレッド「まるごと果実 オレンジ」(広島県竹原市「アヲハタ」)入りのすっきりした甘さのドリンクです。

 広島はレモンが有名ですが,その輪切りものせられています。

 アルコール入りは,ジャパニーズクラフトジン「桜尾」(広島県廿日市市「サクラオブルワリーアンドディスティラリー」)が入っています。

 「牡蠣のオリーブオイル漬け」(広島県東広島市安芸津町「マルイチ商店」)は,安芸津・三津湾でとれた牡蠣をオリーブオイル漬けにしたものです。

 牡蠣のオリーブオイル漬けや燻製は少し値が張りますが,それに勝る美味しさがあるので,ぜひお試しいただきたい広島の味です。

 ドリンクとおつまみを味わいながら,ゆったりと広島県内の列車旅を楽しみました。

 私の席の向かいにもお客さんが乗車され,お酒とおつまみで楽しんでおられました。


瀬戸内の山々・街並みを眺めながら広島駅へ

 このあとエトセトラは日本三大酒処(灘・伏見・西条)の1つ,西条(広島県東広島市)に停車し,広島・宮島口に向けて走りました。

 私にとっては過去の通勤路線で,毎日のように眺めていた風景でしたが,エトセトラの車窓から眺めると,不思議とどこか違う感じがしました。

 名残惜しさを感じつつ,エトセトラは広島駅に到着しました。

(etSETOra・広島駅到着)
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 別れを惜しみながら,エトセトラを撮影してまわりました。

(etSETOraのショップ・バーカウンター)
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 何度も足を運んだ,エトセトラのショップ・バーカウンターです。

 エトセトラはこの後さらに,宮島口へと向かいます。

(広島駅3番ホーム・発車案内表示器とエトセトラ)
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 各駅でお見送りいただきましたが,とうとう私がお見送りする番となりました。

(宮島口駅へ向けて出発するetSETOra)
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 人気列車なので,きっぷが入手できるかどうかわかりませんが,また乗車して瀬戸内の列車旅を楽しみたいです。

 次回はお酒も楽しめるように,駅へは車ではなくバスを利用して(笑)

 エトセトラオリジナルのお菓子やドリンク,思い出に残るオリジナルグッズ,車内での楽しい演出や観光案内,各駅でのお見送り,尾道での散策,オリジナルカクテルとおつまみ,様々な人との出会い…それから,それから…etc(エトセトラ)。

 名前のコンセプトどおり,えっと(たくさん),せと(瀬戸)を楽しむことができました。

 広島の魅力を再発見する旅でもありました。


 etSETOra(エトセトラ),素敵な旅をありがとう!


<関連サイト>
 「etSETOra(エトセトラ)」(JRおでかけネット)
 「せとうちパレットプロジェクト」(JRおでかけネット・JR西日本)
 「TEA FACTORY GEN」(広島県尾道市土堂一丁目14-10)
 「アヲハタ」(広島県竹原市忠海中町一丁目1番25号)
 「サクラオブルワリーアンドディスティラリー」(広島県廿日市市桜尾一丁目12番1号)
 「マルイチ商店」(広島県東広島市安芸津町三津4069-5)

<関連記事>
 「観光列車「etSETOra(エトセトラ)」の旅(往路:広島駅-海田市駅編) -うれしみプリン,パンを食べるサンド-
 「瀬戸内の観光列車「etSETOra(エトセトラ)」の旅(往路:海田市駅-尾道駅編) -オリジナルグッズ,瀬戸の小箱,煎茶,観光・リゾート列車の魅力-
 観光列車・イベントの記事については,パソコン版サイト「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化体験・イベント」も御覧ください。

<参考文献>
 大森正司著「おいしい「お茶」の教科書」PHP研究所
 「etSETOra(エトセトラ)」パンフレット(JR西日本)
 「JR gazzete(JRガゼット)2020年11月号・etSETOraとSEA SPICA」(交通新聞社)
 「JR時刻表 2020年11月号・よくばり列車旅 広島編 etSETOra」(交通新聞社)

2021年4月 4日 (日)

瀬戸内の観光列車「etSETOra(エトセトラ)」の旅(往路:海田市駅-尾道駅編) -オリジナルグッズ,瀬戸の小箱,煎茶,観光・リゾート列車の魅力-

 瀬戸内の観光列車「etSETOra(エトセトラ)」の旅。

(etSETOra・ドア付近・ロゴマーク)
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 今回はエトセトラのオリジナルグッズやお菓子・ドリンクを御紹介したいと思います。


etSETOra(エトセトラ)のオリジナルグッズと車内販売のお菓子

 エトセトラは山陽本線と呉線の分岐駅・海田市駅を出発し,呉線経由で尾道駅を目指しました。

 車内の一角に,沿線の駅スタンプ帳と,エトセトラ・瀬戸内マリンビュー(エトセトラの前の観光列車)のミニチュアが展示されていました。

(駅スタンプ帳とエトセトラ・瀬戸内マリンビューのミニチュア)
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 呉駅の間で,車内販売のメニュー表が配られました。

(車内販売メニュー表)
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 広島市,呉市,竹原市,三原市,尾道市など広島県内のお菓子・おつまみ・ソフトドリンク・アルコールドリンク,そしてオリジナルグッズなどが販売されています。

 しばらくして,アテンダントの方がワゴンで車内販売に来られました。

 エトセトラ限定販売のオリジナルグッズとして,コースター(2種),キーホルダー,ランチトートが販売されていたので,私はコースターとランチトートを購入しました。

 また,一緒に「だるまベリー」という三原のお菓子も購入しました。

(etSETOra(エトセトラ)のコースターとランチトート・だるまベリー)
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 当初はコースターかランチトート,どちらか1つにしようと思っていたのですが,どちらも魅力的で,結局両方買いました。

 コースターは,JR西日本と「寄せ書き屋本舗(タフコム株式会社)」のコラボレーションにより商品化されたものです。

 寄せ書き屋本舗のある広島県府中市は「府中家具」で有名な街なのですが,アテンダントの方から,このコースターにも地元の木材が使われていると伺いました。

 UV印刷機とレーザー彫刻機を使い,「etSETOra」のち密な文字・デザインのコースターが見事に作られています。

 ランチトートは,深い紺色の生地に金色の文字・イラストが記載された高級感ある手提げ袋です。

 普段使いしようと買ったのですが,なかなかその勇気がありません。

 一方,車内販売のお菓子でチョイスしたのが「だるまベリー」というイチゴのお菓子です。

(だるまベリー)
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 広島県三原市の和風スイーツ店「共楽堂(きょうらくどう)」が,地元「三原だるま」をモチーフに開発したお菓子で,見た目がだるまそっくりです。

 フリーズドライのイチゴに,まるでチョコレートの塊をいただいているかのようにホワイトチョコがたっぷり浸み込んでいます。

 丸ごとイチゴの香り・甘酸っぱさが,甘いホワイトチョコレートと見事にマッチングしています。

 サクサクしたフリーズドライのイチゴと,口どけの良いホワイトチョコレートが口の中で合わさって,まさに新食感のスイーツです。

 お土産としてまとめ買いされる方もおられました。


エトセトラ限定・「瀬戸の小箱 ~和~」と煎茶

 車内販売を楽しんでいるうちに,エトセトラは呉駅に到着しました。

(etSETOra・呉駅)
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 呉は,かつて戦艦大和をはじめとする軍艦を建造し,横須賀,舞鶴,佐世保に並ぶ海軍の要衝として栄えたまちです。

 このことに由来して,呉駅のホームで流れるメロディーは「宇宙戦艦ヤマト」となっています。

 呉駅を出発して間もなく,ネットで事前予約したお菓子が席に届きました。

 このお菓子はエトセトラ限定で,乗車日の3日前までに事前予約しておく必要があります。

 名称は「瀬戸の小箱」で,和菓子(広島・呉「旬月 神楽」)と洋菓子(広島「カスターニャ」)から選べ,これに飲み物としてコーヒー(宮島「伊都岐珈琲」)か煎茶(尾道「Tea Factory Gen」)が付いて2,000円(税込)です。

 今回は「瀬戸の小箱 ~和~」を予約注文しておきました。

 飲み物はその場で選べるので,私は煎茶を注文しました。

(「瀬戸の小箱 ~和~」と煎茶)
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 こちらが「瀬戸の小箱 ~和~」と煎茶です。

 箱の中にお品書き(写真右下)と和菓子の詰合せが入っていました。

 それぞれのお菓子と飲み物を御紹介します。

(「瀬戸の小箱 ~和~」)
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【上生菓子 ~三つの広島春物語~】
 春を感じさせるピンクや薄緑色の一口サイズの練り切りが3種類用意されていました。
 「広島城の花見」(写真左下)は,桜が描かれたピンク色の練り切りです。
 「春の厳島」(写真下中央)は,宮島の大鳥居が描かれた練り切りです。
 「猫の街・尾道」(写真右下)は,猫の鈴をイメージした薄緑色の練り切りです。
 広島・宮島・尾道と,エトセトラの停車駅にちなんだ練り切りとなっており,どれも美しい仕上がりでした。

【お手作り最中 ~広島の情景と共に~】
 最中の皮とあんこが別々に詰められていて,自分であんこを詰めていただく手作り最中2種です(写真左上と中央)。
 最中の皮には,宮島の鹿と大鳥居が描かれていました。
 パリパリの皮に甘い粒あんをたっぷり詰めていただきました。

【胡桃菓子 ~黒糖と広島産黄な粉の二重奏~】
 胡桃(くるみ)に黒糖ときな粉がまぶされたお菓子です(写真右上)。
 コクのある胡桃に,黒糖のやさしい甘味ときな粉の香ばしさが加わって,食べ始めると止まらなくなるお菓子でした。
 「広島産黄な粉」が使われていますが,きな粉は地元・広島ではお馴染みの食材で,「青きな粉」と呼ばれる全国的に珍しい青大豆のきな粉もあります。

【煎茶】
 尾道でお茶の販売・店舗経営をされている「TEA FACTORY GEN」の煎茶をいただきました。
 こちらのお店では,広島在来の茶葉で煎茶や紅茶などを作られています。
 ティーバッグで抽出した煎茶をいただきました。
 瀬戸内らしい,穏やかでやさしい味わいのお茶でした。


 エトセトラは広駅にしばらく停車し,こちらでゆっくりとお菓子とお茶を楽しみました。

(広駅ホームと227系(レッドウイング))
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 広駅のホーム向かい側に停車している列車は広島シティネットワークのメイン列車・227系(通称:レッドウイング)です。


瀬戸内の絶景を眺めながら終点・尾道駅へ

 その後,エトセトラは再び尾道駅へ向けて走りだしました。

 観光列車に乗ると,ワクワク・ソワソワして落ち着くまでに少し時間がかかるのですが,1時間経ったぐらいからやっと落ち着き始めます。

 ここから先は,車窓を眺めながらのんびりと列車の旅を楽しみました。

 呉線はずっと海沿いを走るので,瀬戸内の絶景を存分に楽しむことができます。

 車窓から,海に浮かぶ牡蠣いかだや牡蠣打ち場・直販店が見えました。

(牡蠣いかだ・牡蠣打ち場・直販店(安浦駅-風早駅間))
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 「牡蠣いかだ 今日も 丸めた肩越しに見る 冬の朝 ここは瀬戸内 父さんの海」
 (「ここは瀬戸内」中村千栄子 作詞・芥川也寸志 作曲)

 瀬戸内海は,普段はほとんど波がないので,他の地方の人からはよく「湖みたいだ」と言われます。
 地元ではこれが普通なのですが…(笑)

 しばらくして,エトセトラは竹原駅に到着しました。

(etSETOra・竹原駅)
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 竹原市は,儒学者の頼山陽,ニッカウヰスキーの創業者で「日本のウイスキーの父」と呼ばれる竹鶴政孝,内閣総理大臣を務めた池田勇人の出身地です。

 製塩・ぶどう栽培・酒造などで発展してきました。

 竹の街としても有名で,道路沿いに街路樹として幼竹が植えられているのを見つけた時は,ちょっとしたサプライズでした。

 竹原駅を出発したエトセトラは,再び海に沿って尾道駅を目指しました。

(車窓からの瀬戸内海とフェリー(安芸幸崎駅-須波駅間))
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 穏やかな瀬戸内海をゆったりと航行するフェリー。これも瀬戸内らしい光景です。

(etSETOra・1号車・車内の様子)
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 私が乗車したエトセトラ1号車の車内の様子です。

 宮島の千畳閣をイメージし,宮島の落ち着いた秋の雰囲気が表現されたデザインとなっています。

 グリーン車仕様で,席ごとのスペースが広く,ゆったりとした時間を過ごすことができました。

 このあとエトセトラは三原駅に停車し,さらに少し進んで終点・尾道駅に到着しました。

(尾道駅に到着したetSETOra)
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観光・リゾート列車の魅力について

 広島駅から尾道駅まで,エトセトラで約3時間の列車旅を楽しみました。

 広島駅から尾道駅までJR在来線で移動する場合,山陽本線でも呉線でも行くことが出来ますが,瀬戸内海沿線を走る呉線は山陽本線に比べて約1時間多く時間がかかります。

 ただ,瀬戸内の絶景を眺めながらゆっくりと列車旅を楽しむには呉線の方が魅力的です。

 私は以前,秋田駅-青森駅間を走るリゾート列車「リゾートしらかみ」に乗車したことがありますが,この列車と状況がよく似ています。

 秋田駅-青森駅間は,内陸を走る奥羽本線の特急を利用すれば片道約2時間40分で到着するところを,「リゾートしらかみ」は奥羽本線・五能線経由で眺めの良い日本海沿いを約5時間かけて走るのです。

 このように,観光・リゾート列車は車窓からの眺めの良さや一定の乗車時間の確保が優先され,逆に利便性・速達性などを考慮する必要はありません。

 地方のローカル路線こそ,観光・リゾート列車に適した条件を持つ可能性が高いとも言えるでしょう。

 また観光・リゾート列車の乗客は,列車の旅を楽しむ意識が高い人ばかりですから,車内販売でもいろんな商品が飛ぶように売れます。

 近年,利用者の低迷から食堂車・ビュッフェ・車内販売が廃止される傾向にありますが,観光・リゾート列車はその逆をすることで好評を得ているのも興味深い話です。

 観光・リゾート列車は,観光客・旅行客と鉄道会社のみならず,沿線の地域にもメリットが期待できることが大きな魅力です。


<関連サイト>
 「etSETOra(エトセトラ)」(JRおでかけネット)
 「せとうちパレットプロジェクト」(JRおでかけネット・JR西日本)
 「寄せ書き屋本舗(タフコム株式会社)」(広島県府中市出口町505-8)
 「共楽堂」(広島県三原市皆実2-6-10)
 「旬月 神楽」(広島市西区庚午北2-11-18)
 「TEA FACTORY GEN」(広島県尾道市土堂一丁目14-10)
 「上万糧食製粉所(青きな粉)」(広島市安佐南区伴南二丁目5-19-13)

<関連記事>
 「観光列車「etSETOra(エトセトラ)」の旅(往路:広島駅-海田市駅編) -うれしみプリン,パンを食べるサンド-
 「秋田と青森を結ぶリゾート列車「リゾートしらかみ」の魅力 -ジョイフルキャンディー・マグカツドック-
 観光列車・イベントの記事については,パソコン版サイト「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化体験・イベント」も御覧ください。

<参考文献>
 「etSETOra(エトセトラ)」パンフレット(JR西日本)
 「JR gazzete(JRガゼット)2020年11月号・etSETOraとSEA SPICA」(交通新聞社)
 「JR時刻表 2020年11月号・よくばり列車旅 広島編 etSETOra」(交通新聞社)

2021年3月27日 (土)

バウムクーヘン博覧会 2021 -AI焼き立てバウムクーヘン・全国バウムクーヘン食べ比べ・バウムフリット・切り売りバウムクーヘン・詰め合わせセット-

バウムクーヘン博覧会と広島

 バウムクーヘンで有名な「ユーハイム」の創業者,カール・ユーハイムは,日本軍の捕虜として現在の広島市南区似島の捕虜収容所に連行されたドイツ人で,彼の焼き上げたバウムクーヘンを広島県物産陳列館(現在の原爆ドーム)でお披露目したことにより,日本で初めてバウムクーヘンが知られることとなりました。

 このお披露目をしたのが1919年3月4日のことで,これを記念して毎年3月4日は「バウムクーヘンの日」とされています。

 そんなバウムクーヘンとゆかりのある広島で,今年も「バウムクーヘンの日」に近い2021年3月18日~23日に「バウムクーヘン博覧会 2021」が開催されました。

(「バウムクーヘン博覧会 2021」ポスター)
2021

 広島そごうの特設会場には,全国47都道府県,約150ブランドのバウムクーヘンがずらりと勢ぞろいしました。

 全国各地のバウムクーヘンの販売はもちろん,AIバウムクーヘン職人「THEO(テオ)」が焼き上げる「AI焼き立てバウムクーヘン」,全国47都道府県・47種類の中から好きなバウムクーヘン5種を食べ比べることができる「バウムクーヘン47」,バウムクーヘン博覧会限定バッグに5種類のバウムクーヘンが入った「バウムクーヘン詰め合わせセット」の販売など,バウムクーヘンにまつわる様々なイベントが用意されていました。

 今回はこの「バウムクーヘン博覧会 2021」について御紹介したいと思います。


「AI焼き立てバウムクーヘン」

 これまでのバウムクーヘン博覧会では,会場内の実演コーナーで,ユーハイムのマイスターの方が自らバウムクーヘンを焼き上げておられましたが,今回はAIバウムクーヘン職人「THEO(テオ)」がバウムクーヘンを焼き上げていました。

(バウムクーヘン専用オーブン・THEO(テオ))
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 会場には2台のTHEOが設置され,順番にバウムクーヘンを焼き上げていました。

 THEOはユーハイムが開発したAI搭載のバウムクーヘン専用オーブンです。

 バウムクーヘンの生地の焼き具合を画像センサーが読み取り,機械学習したAIが職人と同等のバウムクーヘンを焼き上げるというしくみです。

(THEOで焼き上げたバウムクーヘンのカット)
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 THEOで焼き上げたバウムクーヘンをユーハイムの菓子職人さんがカットしている様子です。

 私も整理券をもらって並んで購入しました。

(焼き立てバウムクーヘン整理券)
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 THEOと一緒に私のテオ少し写しています。

 私はこの焼き立てバウムクーヘンにメープルシロップをトッピングしていただきました。

(AI焼き立てバウムクーヘン・メープルシロップがけ)
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 弾力があり,しっとりとしたバウムクーヘンに仕上がっていました。

 「THEO(テオ)」(株式会社ユーハイム)


全国のバウムクーヘン食べ比べ「バウムクーヘン47」

 全国47種類の中から食べたいバウムクーヘンを5種選んで,食べ比べができる「バウムクーヘン47」。

(「バウムクーヘン47」会場)
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 今回はどれを味わってみようかとしばらく悩んだ末,選んだのが次の5種です。

(バウムクーヘン47(北海道・山梨・愛知・愛媛・鹿児島))
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 北海道:柳月の「三方六
 山梨県:エイトバウムの「コーヒーエイト」
 愛知県:三寿園の「三寿園バウムクーヘン 大」
 愛媛県:ソルシエの「キャラメルブロッシュ」
 鹿児島県:菓子工房konomotoの「竹林の小径」

 北海道河東郡音更町・柳月(りゅうげつ)の「三方六(さんぽうろく)」は,白樺の薪に見立てた珍しいバウムクーヘンです。
 しっとりした生地にホワイトチョコレートとミルクチョコレートがコーティングされています。

 山梨県甲斐市・エイトバウムの「コーヒーエイト」は,コーヒーが練り込まれたバウムクーヘンです。
 八方から厳選した素材が使われており,香り高いコーヒーの香りが楽しめるバウムクーヘンです。

 愛知県豊明市・三寿園(さんじゅえん)の「三寿園バウムクーヘン 大」は,手焼きのバウムクーヘンです。
 御縁を大切にするお店で,厚みがあってきれいな円形の層に仕上げられています。
 贈答用の高級感あふれるバウムクーヘンです。

 愛媛県松山市・ソルシエの「キャラメルブロッシュ」はハードタイプのバウムクーヘンです。
 ザックリとした生地で,キャラメルのほろ苦さと香ばしさを楽しめるバウムクーヘンです。

 鹿児島県薩摩郡さつま町,菓子工房konomoto(このもと)の「竹林の小径(ちくりんのこみち)ハードバウム」は,鹿児島産のサツマイモでんぷんや島砂糖が使用された手作りバウムクーヘンです。
 じっくり硬めに焼き上げられています。
 地元の厳選素材が使われているので,ハードタイプですが,とてもやさしい味わいのバウムクーヘンです。


バウムフリット

 ユーハイムのコーナーで,出来立てのバウムフリットが販売されていました。

 バウムクーヘンを揚げたお菓子のようです。

 お店の方に「このバウムフリットは普段でも販売されているのですか?」と伺ったところ,「いえ,今回のバウムクーヘン博覧会限定商品となります」とのことでした。

 100gあたり300円(税込み324円)だったので,100g購入しました。

 自宅で開封してみると,思ったよりたくさん入っていたので驚きました。

(バウムフリット(開封))
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 一口サイズのバウムクーヘンを揚げたお菓子です。

(バウムフリット)
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 バウムクーヘンの水分が抜け,サクサクのクッキーのような状態になっていました。

 一度食べ始めると止まらなくなるような,美味しいお菓子でした。


切り売りバウムクーヘン

 同じユーハイムで,バウムクーヘンの切り売りコーナーもありました。

 1カット108円(税込)です。

(切り売りバウムクーヘン)
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 こちらは,広島市内の「ユーハイム福屋店(ユーハイム・カールユーハイム)」で購入した切り売りバウムクーヘン(2カット)です。

 バウムクーヘンをすくいとるように「そぎ切り」されています。

 この切り売りバウムクーヘンは,バウムクーヘン博覧会だけでなく,ユーハイムの一部店舗で常時サービスされており,1カットから購入できます。


バウムクーヘン詰め合わせセット

 会場で,バウムクーヘン博覧会オリジナルのトートバッグに5ブランドのバウムクーヘンが入った「バウムクーヘン詰め合わせセット」が販売されていました。

(バウムクーヘン詰め合わせセット販売コーナー)
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 各日限定100セット・1人1セット限りの販売で,2,160円(税込)でした。

 持ち帰り用の紙袋もバウムクーヘン博覧会オリジナルでした。

(バウムクーヘン博覧会オリジナル紙袋)
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 バウムクーヘン博覧会オリジナルトートバッグの中身はこんな感じでした。

(バ博トートバッグとバウムクーヘン)
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 5種類のミニバウムクーヘンが詰め合わされています。

(バウムクーヘン詰め合わせセット)
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 バウムクーヘン詰め合わせセットのオリジナルトートバッグとバウムクーヘンです。

 次の5種類のバウムクーヘンが入っていました。

 滋賀県:クラブハリエの「バウムクーヘンmini」
 富山県:フェルヴェールの「バウムクーヘン」
 静岡県:治一郎の「治一郎のバウムクーヘンカット」
 東京都:洋菓子ヴィヨンの「プレーンバウムクーヘン」
 兵庫県:ユーハイムの「リーベスバウム」

(詰め合わせバウムクーヘン5種)
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 バウムクーヘンを並べてみました。

 写真中央がクラブハリエの「バウムクーヘンmini」,右上から時計まわりにフェルヴェールの「バウムクーヘン」,治一郎の「治一郎のバウムクーヘン」,洋菓子ヴィヨンの「プレーンバウムクーヘン」,そしてユーハイムの「リーベスバウム」です。

 一口サイズにカットし,同じ配列で並べてみました。

(詰め合わせバウムクーヘン5種(カット))
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 滋賀県近江八幡市・クラブハリエの「バウムクーヘンmini」は,ミニサイズの丸いバウムクーヘンで,外側は薄いアイシングがなされています。
 生地はとても薄い層が重なり,やわらかくて甘いバウムクーヘンです。
 ちなみにクラブハリエは,最中などの和菓子で有名な「たねや」と同じグループです。

 富山県高岡市・フェルヴェールの「バウムクーヘン」は,厚めにカットされたバウムクーヘンです。
 ドイツの伝統的な製法で作られています。
 1枚1枚の層がしっかり焼き上げられていて,生地にほどよい弾力としっとり感があるバウムクーヘンです。

 静岡県浜松市・治一郎(じいちろう)の「治一郎のバウムクーヘンカット」は,ミニバウムクーヘンが4カット詰められています。
 バウムクーヘンの外側は,薄くアイシングされています。
 カステラや卵焼きのような,やわらかさ,しっとり感,もちもち感がある,程良い甘さのバウムクーヘンです。

 東京都世田谷区・洋菓子ヴィヨンの「プレーンバウムクーヘン」は,外側に薄いアイシングがされ,丁寧に焼き上げられたバウムクーヘンです。
 生地の層が詰まっていて,しっかりした食感です。
 洋酒やスパイスが効いていて,芳醇な香りを楽しめるのも特徴です。

 兵庫県神戸市・ユーハイムの「リーベスバウム」は,ユーハイムを代表するバウムクーヘンの1つで,外側はホワイトチョコでコーティングされています。
 生地がやわらかく,繊細で上品な味わいのバウムクーヘンです。


バウムクーヘン博覧会には魅力的なバウムクーヘンが勢ぞろい

【es koyamaの「ビートル君と金色のバウム(バニラ)」】

 今回のバウムクーヘン博覧会には,兵庫県三田市の「es koyama(エスコヤマ)」も出品されていました。

 バウムクーヘン博覧会で出品された商品とは異なりますが,同店で販売されているバウムクーヘンを御紹介します。

 「ビートル君と金色のバウム(バニラ)」です。

(ビートル君と金色のバウム(バニラ))
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 1つ1つの層がしっかり焼き上げられ,外側に厚いアイシングがなされたセミハードタイプのバウムクーヘンです。

 薪をイメージして作られており,ざっくりとした食感とバターのとても豊かな香りが特徴です。

 箱が絵本になっており,ビートル君の物語も楽しめるようになっています。

【ファットリア・ダ・コジモの「ガトーピレネー」】

 今回のバウムクーヘン博覧会で味わってみたかったバウムクーヘンの1つに,福岡市南区・「ファットリア・ダ・コジモ(fattoria da Cosimo)」の「ガトーピレネー」があります。

 会場に2日通ったのですが,いずれの日も売り切れでした。

(ファットリア・ダ・コジモ「ガトーピレネー」)
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 備長炭で焼き上げるバウムクーヘンで,地元の厳選食材を使い,1本3時間かけて手焼きされるため,販売できる数量も限られています。

 いつか味わってみたいと思っています。


まとめ

 欲張って盛りだくさんの内容となりましたが,日本全国に様々なバウムクーヘンがあることが御理解いただけたかと思います。

 カール・ユーハイムが広島の地でバウムクーヘンを紹介して以来,バウムクーヘンは日本全国に広まり,日本の洋菓子の1つとして長きにわたり親しまれています。

 ドイツの伝統的な製法で作られたバウムクーヘン,フォトジェニックな「映えバウム」,リンゴ・イチゴ・サツマイモ・米・抹茶など地域の素材を生かしたバウムクーヘン,バウムパン・バウムフリットなどバウムクーヘン(の生地)が使われたお菓子など,日本には実に様々なバウムクーヘンがあります。

 お気に入りのバウムクーヘンとともに,素敵なティータイム・コーヒータイムをお過ごしください。


<関連サイト>
 「バウムクーヘン博覧会」(バウムクーヘン博覧会実行委員会)

<関連記事>
 「「バウムクーヘン博覧会 2017」 -広島からはじまる日本のバウムクーヘンの歴史-
 「日本のバウムクーヘン100周年イベント -2019広島みなとフェスタ・バウムクーヘン博覧会 2019-
 「ドイツ・ウィーン菓子の特徴と主な菓子 -シュトロイゼルクーヘン・レープクーヘン・バウムクーヘン-

2021年3月20日 (土)

観光列車「etSETOra(エトセトラ)」の旅(往路:広島駅-海田市駅編) -うれしみプリン,パンを食べるサンド-

瀬戸内の観光列車「etSETOra(エトセトラ)」

 
「せとうち広島デスティネーションキャンペーン(2020年10月1日~12月31日)」に合わせて,2020年10月3日にデビューした瀬戸内の観光列車「etSETOra(エトセトラ)」。

(JR西日本「etSETOra(エトセトラ)」パンフレット・表紙)
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JR西日本「etSETOra(エトセトラ)」パンフレットから一部引用

 「etSETOra(エトセトラ)」は,ラテン語の「エトセトラ(etc:その他いろいろ)」になぞらえたネーミングで,「et(エト)」には広島弁の「えっと(たくさん,多くの)」,「SETO(セト)」には「瀬戸」という意味を持たせ,全体で「たくさん瀬戸の魅力を感じてほしい」という想いが込められています。

 往路はJR広島駅から呉線経由でJR尾道駅まで,復路はJR尾道駅から山陽本線経由でJR宮島口駅まで運行されています。

(etSETOra運行地図)
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JR西日本「etSETOra(エトセトラ)」パンフレットから一部引用
※画像をクリックすると拡大します。

 当ブログで観光型高速クルーザー「SEA SPICA(シースピカ)」を御紹介しておりますが,往路はJR広島駅からJR三原駅までエトセトラを利用し,復路は三原港から広島港(宇品)までシースピカを利用して,観光列車と観光クルーズ船で丸1日瀬戸内観光を楽しむことも可能です。

 シースピカもエトセトラも「いつか乗ってみたい」と憧れを抱いていました。

 今回,運よくそのエトセトラに乗れる機会があり,広島県内の鉄道旅行を楽しむことができました。

 そこで今回は,このエトセトラと瀬戸内の魅力について,食の話も交えながらシリーズでお伝えしたいと思います。


エトセトラの車両と車内の様子

 今回私は,往路はJR広島駅から呉線経由でJR尾道駅まで,復路はJR尾道駅から山陽本線経由でJR広島駅まで,エトセトラの旅を楽しみました。

 2021年3月13日(土)の朝,出発時刻より少し早めにJR広島駅のホームへ行き,エトセトラの入線を待ちました。

(広島駅7番ホーム・発車案内表示器)
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(ホーム足元表示)
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 しばらくしてメロディーが鳴り,2両編成のエトセトラが7番ホームに入線してきました。

(etSETOra・広島駅・出発準備)
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 出発前の前照灯(ヘッドライト)と後尾灯(テールランプ)を同時に点けた珍しい光景です。

 ホームを歩き,車両を撮影しました。

(etSETOra・ドア付近)
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  高級感あふれる白地に青と金の塗装。暖色系の室内灯,白いレースのカーテン…特別な列車の雰囲気があります。

(etSETOra・ドア付近・ロゴマーク)
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 エトセトラの丸いロゴマークは,列車のヘッドマークにも使われています。

 グリーン車のマークも特別感があります。

 このエトセトラに乗車しました。

(etSETOra・車内・2号車)
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 瀬戸内の山の新緑をイメージした2号車の様子です。

(etSETOra・車内・丸い窓と記念撮影用プレート)
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 船にあるような丸い窓と記念撮影用プレートです。


etSETOra(エトセトラ)JR広島駅出発

 写真撮影に夢中になっているうちに出発時刻となり,エトセトラは広島駅から尾道駅へ向けて,ゆっくりと走り出しました。

 ホームからJR西日本・広島駅の皆さんによるお見送りも受け,嬉しくなりました。

(JR西日本・広島駅の皆さんからのお見送り)
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 私は1号車1番A席に座り,車窓からの眺めを楽しみました。

 しばらくして,走行音が電車とは異なることに気付きました。ディーゼル音のようです。

 車内端にある車両番号のプレートを確認しました。

(etSETOra・車両番号プレート)
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 「キロ 47 7001」

 キロ47形7001番の列車で,「キ」は気動車(ディーゼルカー),「ロ」はグリーン車(ちなみに普通車は「ハ」)を示しますので,やはりディーゼルカーです。

 JR呉線・山陽本線とも電化区間なので,気動車でなければならない理由はないのに,なぜ気動車なのでしょうか。

 疑問に思い,後ほど駅員さんや車掌さんに伺ってみると,エトセトラはかつて呉線を走っていた「瀬戸内マリンビュー」(気動車)の後継だからなのだそうです。

 広島では芸備線(非電化)で気動車が運行されており,キハ47形などが運行されているため,このことも関係しているのかも知れません。

 しばらくして,車掌さんからエトセトラの特製きっぷホルダーをいただきました。

 せっかくなので,きっぷを挿してみました。

(etSETOra特製きっぷホルダーときっぷ)
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 きっぷホルダーには「きっぷをお持ち帰りの際は駅係員にお申し出ください」と書かれており,駅係員に申し出るとスタンプを押して持ち帰ることができます。

 記念にきっぷを持ち帰れるとは,さすがJR西日本。きっぷがいいお話です。


うれしみプリン・パンを食べるサンド

 朝食として,広島駅のショッピング施設「ekie(エキエ)」で買ったプリンとサンドイッチをいただきました。

(うれしみプリン・パンを食べるサンド)
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 写真左から「パンを食べるサンド」,「うれしみプリン」,そして乗客全員に配られるエトセトラの紙製コースターです。

 「うれしみプリン」は,広島市安佐南区の「SWEETS LABO Laugh&Rough(スイーツラボ ラフ&ラフ)」から販売されている地元・広島県産の食材にこだわったプリンです。

 看護師を経験された店主さんが考案された体と心に優しいプリンです。

(うれしみプリン)
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 表面はザックリしているのに,中はカスタードクリームのようにトロトロの美味しいプリンでした。

 ほかに砂糖が使われてない低糖プリン「やさしみプリン」なども販売されています。

 一方,「パンを食べるサンド」は「HIROSHIMA UMAMI SAND(ひろしまうまみサンド)」という名称で,広島市中区の「レトワールフリヨン」から販売されているサンドイッチです。

 分厚い海老カツ・タルタルソースのサンドイッチをいただきました。

 それにしても「パンを食べるサンド」とはちょっと変わったネーミングですよね。

 なぜなら,パンを食べることが目的ならば,サンドイッチの具はどんなものでも,いや,そもそもサンドイッチにしなくてもよいはずですから。

 サンドイッチのパンは,酵母に「ホシノ天然酵母」,小麦に「キタノカオリ」,水に「波動水」が使われた天然酵母パンです。

 天然酵母パンで作られたサンドイッチは全国的にも珍しいようです。

 「パンを食べるサンド」というネーミングの秘密は,実際にいただいてみるとわかりました。

 薄くスライスされた食パンを噛みしめると,ムギュムギュと心地よい弾力を感じ,確かにパンだけでも美味しいのですが,具と一緒に食べると具の美味しさをより一層引き立ててくれるのです。

 この食パンは初めての食感で,その珍しさと美味しさに気をとられ,そもそも海老カツが食べたくて買ったはずなのに,海老カツの味は忘れてしまいました(笑)


 かつて呉線や山陽本線を利用して通勤していたこともあり,車窓からの眺めは見慣れた風景なのですが,観光列車に乗って,食事しながら眺める風景は,ひと味もふた味も違うように感じました。

 エトセトラはこの後,呉線経由でさらに尾道へ向けて走りました。


<関連サイト>
 「etSETOra(エトセトラ)」(JRおでかけネット)
 「せとうちパレットプロジェクト」(JRおでかけネット・JR西日本)
 「レトワールフリヨン・天然酵母サンドイッチ」(広島市中区八丁堀4-4)
 「SWEETS LABO Laugh&Rough(スイーツラボ ラフ&ラフ)」(広島市安佐南区安東2-8-15 1F)

<関連記事>
 「高速クルーザー「シースピカ」に乗って瀬戸内を楽しむ -しまたびレモンケーキ・大長レモネード・ふわりーぬ・瀬戸内広島お好みソース-
 「広島のレモン菓子・レモンケーキ14 -しまなみレモンバイク・瀬戸田レモンケーキ・瀬戸田レモネード・瀬戸内レモン丼-
 「クルーズフェリー船内でレモンケーキを味わう -シーパセオの廣島檸檬ケーキ・レモネード・軽食・パフェ,サンイートのレモンケーキ-
 観光列車・イベントの記事については,パソコン版サイト「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化体験・イベント」も御覧ください。

<参考文献>
 「etSETOra(エトセトラ)」パンフレット(JR西日本)
 「JR gazzete(JRガゼット)2020年11月号・etSETOraとSEA SPICA」(交通新聞社)
 「JR時刻表 2020年11月号・よくばり列車旅 広島編 etSETOra」(交通新聞社)

2021年3月14日 (日)

博多・長浜鮮魚市場(福岡市中央卸売市場鮮魚市場)の魅力 -鯛のあら炊き定食・長浜ラーメン-

 福岡市中央区の博多港に面した長浜地区。

 「博多・長浜鮮魚市場(福岡市中央卸売市場鮮魚市場)」があり,漁業関係者や市場関係者を中心に栄える港町です。

 そんな福岡・長浜地区に,今回は美味しい朝食を求めて訪問しました。


博多・長浜鮮魚市場(福岡市中央卸売市場鮮魚市場)訪問

 旅行先で宿泊施設以外の場所で朝食を食べようと思うと,意外とお店が限定されてしまうものです。

 とりわけ,朝食から地元ならではの料理が味わえるお店となると,見つけるのに苦労される場合が多いと思います。

 福岡・長浜地区には,そんな悩みを解消してくれる施設があります。

 「博多・長浜鮮魚市場(福岡市中央卸売市場鮮魚市場)」です。

 私は早朝,福岡市中心部の天神から西鉄バスに乗ってこちらの鮮魚市場を訪問しました。

(市場会館)
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 博多・長浜鮮魚市場の拠点となる市場会館です。

 近代的で立派な建物です。

 平日の朝の通勤時間帯に訪問したため,バスを利用してこの市場会館へ出勤されている方も多く見かけました。

 一般客でも大丈夫なのか,少し不安になりながら玄関へ向かっていると,市場会館の案内看板が設置されていました。

(市場会館の案内看板)
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 館内には飲食店,売店,お土産店,理髪店,さらには郵便局,医院,薬局,銀行まである様子です。

 特に飲食店には「うまかばい,食べていかんね。」と記載されており,一般客も歓迎のようです。

 これまで,福岡市内のお店でゴマサバの刺身やお茶漬けをいただいたり,屋台で鮮魚料理をいただいたことがありますが,総じて「福岡の鮮魚料理は旨い」というのが私の感想です。

 ですので,「鮮魚市場にある鮮魚料理店の料理こそ,本場の本場」と期待しつつ,市場会館内の飲食店を見て回りました。


鯛のあら炊き定食

 早朝から開店されている飲食店が多い中,私はある定食のサンプルに目が釘付けになりました。

 それがこちらです。

(鯛のあら炊き定食(サンプル))
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 鯛のあら炊き定食が刺身付きで900円。

 私は鯛のあら炊きが大好物なのです。

 こんなにお安いのは,鮮魚市場のお店だからか,福岡の物価が安いからか真相はわかりませんが,とにかくこのお店で味わってみることにしました。

 今回訪問したお店は「福魚食堂」です。

 さかなクンのサイン色紙もありました。

 カウンター席に座り,鯛のあら炊き定食を注文した後,厨房を眺めると,大きな鯛などの魚が次から次へさばかれていて,期待に胸が膨らみました。

 ひと仕事終えた常連の市場関係者の方もおられました。

 しばらくして,注文した定食が運ばれてきました。

(鯛のあら炊き定食)
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 かなりのボリュームがあり,思わず「やった」と心の中で叫びました。

 ご飯,みそ汁,鯛のあら炊き,刺身,小鉢(切り干し大根),漬物という内容で,刺身は鯛の刺身でした。

(鯛のあら炊き)
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 鯛のあら炊き(鯛の兜煮)を注文すると,通常は縦に半分に切った頭1枚とカマの部分1枚がセットで提供されるのですが,これは鯛一尾分の頭とカマ(半分に切った頭2枚と左右のカマ2枚)の煮付けがどーんと深皿に盛られていました。

 私は魚の煮付けが好きで,骨を取り除いて身をきれいに食べ切ってしまうため,お店の人からよく「猫がかわいそう(身が全くないので猫のエサにできない)」と言われます。

 一緒にご飯を食べることを忘れるほど夢中になって魚の煮付けを食べるのです。

 そんな私ですから,今回の鯛のあら炊きも夢中になっていただきましたが,量が多いので時間がかかりました。

 甘辛い煮汁がしっかりしみ込んでいて,やわらかい頭の身,弾力のあるホホ肉,脂の乗ったカマ,そして最後のお楽しみのドロッした目玉など,十分すぎるほど堪能しました。

 このあら炊きに刺身や小鉢まで付いて,贅沢な朝食をリーズナブルにいただくことが出来ました。


博多・長浜鮮魚市場の施設見学

 博多・長浜鮮魚市場は,一般の方も市場の一部を自由に見学することが出来ます。

(博多・長浜鮮魚市場構内)
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 市場会館から渡り廊下を歩いて「せり場(卸売場)」へ行き,2階から市場の「せり」の様子を見学することも可能です。
 (せりは早朝3時から4時頃行われますが,施設の見学はいつでも可能です。)

(せり場(卸売場))
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 ターレ(立ち乗りの三輪トラック)や積まれたトロ箱など,鮮魚市場ならではの光景を見学することが出来ました。

 また,市場会館内には「市場PRプラザ(魚っちんぐプラザ)」と呼ばれるPRブースや,高い所から博多港や福岡市内を一望できる「展望プラザ」など,お楽しみスポットもたくさんあります。

 展望プラザからの博多港・福岡市内の眺めです。

 まずは東方面から。

(展望プラザからの眺望(東方面))
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 博多港,都市高速,赤い博多ポートタワーなどが見えます。

 「♪玄界灘の~ 潮風にぃ~」

 玄界灘を目の前に,私の頭の中ではすでにプロ野球「福岡ソフトバンクホークス」の歌「いざゆけ若鷹軍団」が流れています。

 続いて西方面です。

(展望プラザからの眺望(西方面))
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 手前の屋上が駐車場になっている施設が「せり場(卸売場)」です。

 その先には,福岡ドームや福岡タワーなども見えます。

 無料でこうした博多港周辺を一望できるのは嬉しい限りです。

 併設の展望プラザには,魚の標本も展示されています。

(展望プラザ・魚の標本)
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 また,同じフロアに福岡で獲れる魚介類の紹介コーナーもあります。

(福岡で獲れる魚介類紹介ポスター)
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 「ギョギョギョ!」

 訪問されたさかなクンも大満足だったことでしょう(笑)

 このほか,海産物などを扱ったお土産コーナーもあり,福岡の観光スポットとして利用するのも良いと思いました。

 初めての訪問でしたが,ここはおすすめのスポットです。


長浜ラーメン

 鮮魚市場からの帰りに,せっかくなのですぐ近くの長浜ラーメン店へ寄り,長浜ラーメンをいただきました。

 軽めの豚骨スープ,素早く茹でられる極細麺,替え玉・替え肉(麺・チャーシューのおかわり),追加のスープダレなどが特徴の「長浜ラーメン」は,元々は多忙な市場関係者のために作られたラーメンとも言われます。

(長浜ラーメン)
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 現在は数が少なくなったようですが,夜になると屋台も並び,鮮魚料理やラーメンなどを味わうことが出来ます。

 私も何度か夜中に広島から車を飛ばし,福岡・長浜までラーメンや屋台料理を食べに出かけたものです。

 福岡・長浜と言えば長浜ラーメンと屋台というイメージが強いため,今回もお腹いっぱい食べたにもかかわらず,ラーメン店を素通りして帰る勇気はありませんでした。

 しかも「なまたま」(「なま(麺の茹で加減が超短時間)」の「たま(替え玉)」)までして…。

 元々たくさん食べられない私が,朝から一度に定食とラーメンを食べたので,寸分の隙もないくらいお腹がいっぱいになり,昼食どころか,夕食もほとんど食べられない状況になりましたが,福岡・長浜の食を満喫することが出来ました。


 福岡・長浜の味・量ともに大満足の数々の料理。

 「うまかばい,食べていかんね!」


<関連サイト>
 「博多・長浜鮮魚市場(福岡市中央卸売市場鮮魚市場)」(福岡市中央区長浜三丁目11-3)

2021年3月 7日 (日)

カンボジア料理の特徴と主な料理15 -カンポット・ペッパー・蒸し魚バナナの葉包み・バイサイチュルーク・なます・カシューナッツカレー・コンポントムのカシューナッツ加工所-

カンボジアナイト

 少し前のお話になりますが,2019年12月24日に,広島市内のカフェで開催された「カンボジアナイト」というイベントに参加させていただきました。

 カンボジアを訪問したメンバーの帰国報告会も兼ね,カフェの店主さんがカンボジアの現地で味わった料理をお客さんみんなで味わうというイベントでした。

 私もメンバーの一員として,カンボジアのアプサラ・ダンスのTシャツを着て参加し,カンボジアの思い出が満載のスナップ写真をお客さんに披露しました。

 そんな楽しいイベントで味わったカンボジア料理を御紹介します。


カンポット・ペッパー漬けジントニック

 「カンボジアの胡椒は世界一美味しい」と言われます。

 とりわけカンボジアの南西部,カンポット州やケップ特別市で栽培される胡椒は「カンポット・ペッパー」と呼ばれ,世界中の食通を魅了しています。

 そのカンポット・ペッパーで香りと辛みのアクセントを付けたジントニックをいただきました。

(カンポット・ペッパー漬けジントニック)
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 私はお酒に弱いので,ジンをかなり薄めにしてもらったのですが(笑),香り高くピリッと辛いカンポット・ペッパーが,すっきりした飲みごたえのジントニックとよく合い,キリッと清涼感のあるお酒に仕上がっていました。


クメールプレート

 様々なカンボジア料理が盛られたクメールプレートをいただきました。

(クメールプレート)
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 プレートの料理を個別に御紹介します。

【蒸し魚 バナナの葉包み】
 カンボジアはトンレサップ湖やメコン川,シェムリアップ川など豊かな水源に恵まれ,雨季と乾季の水量の変化に伴って移動する大量の魚を食の基本とする食文化が形成されています。
 店主さんから伺ったお話では,「クメール(カンボジア)人は身の締まった魚が苦手で,川魚がよく食べられる」のだそうです。
 今回はベトナムの白身魚をカンボジアで調達されたハーブ・ペッパーで味付けし,バナナの葉で包んで蒸した料理をいただきました。

(蒸し魚 バナナの葉包み)
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 バナナの葉で包んで蒸すことにより,白身魚の旨味が外に逃げ出さず,シンプルな塩・スパイスの味付けのみで美味しく仕上がっていました。
 カンボジアなど東南アジアでは,バナナの葉が調理器具,食器,香料,発酵材料,殺菌シートと様々な役割を果たします。
 食べ終えた後は,そのままバナナの葉ごと捨てれば済むので,後片付けも楽ですね。

【バイサイチュルーク】
 「バイサイチュルーク」は,ニンニク醤油で味付けして焼いた豚肉をご飯にのせた「豚肉のせご飯」です。

(バイサイチュルーク)
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 ジューシーな豚肉と甘みのある脂が,焦げて香ばしい醤油だれとからまり,白ご飯とよく合いました。
 豚肉の照り焼き丼みたいなイメージで,日本人好みの味です。
 カンボジアでは朝食として食べられることが多い料理です。

【なます】
 なますは日本独自の料理のような感じもしますが,東アジア・東南アジアでも多くみられます。
 今回は,大根・人参・キュウリのなます(酢漬け)をいただきました。

(なます)
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 肉や魚料理の合間にいただくと,酢でさっぱりとし,美味しさがより一層引き立ちました。

【カシューナッツカレー】
 カンボジア・コンポントム産のカシューナッツがたっぷり入ったカレーです。

(カシューナッツカレー)
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 カレーには油脂がたくさん使われますが,その油脂の代わりに砕いたカシューナッツが用いられていました。
 カンボジアのカレーは,一般的に辛さが控えめでマイルドなものが多いのですが,今回のカレーもそれを忠実に再現されており,カシューナッツにより深いコクととろみのあるマイルドなカレーに仕上げられていました。
 店主さんは,カンボジア・コンポントムで入手されたカシューナッツで何を作ろうか悩んでおられましたが,その結論がこの美味しいカレーでした。
 カンボジア・コンポントムのカシューナッツについては,後ほど改めて御紹介します。


カンポット・ペッパーがけアイスクリーム

 当ブログで,「カンボジアの胡椒は世界一美味しい」というお話をさせていただきましたが(「カンボジア料理の特徴と主な料理14 -カンボジアの胡椒,カンボジア産生胡椒の塩漬け,黒胡椒オムライス-」参照),そのカンポット・ペッパーを使ったアイスクリームをいただきました。

(カンポット・ペッパーがけアイスクリーム)
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 バニラアイスに粗挽きのカンポット・ペッパーがかけられています。

 「バニラアイスに胡椒の組合せって合うのだろうか?」と半信半疑でいただきましたが,良い意味で裏切られました。

 バニラアイスに胡椒を加えることにより,胡椒とバニラがお互いの香りを高め合い,胡椒のピリッとした辛さがアイスの甘味をぐっと引き立たせてくれました。


カンボジア・コンポントムのカシューナッツとカシューナッツ加工所

 カンボジア・コンポントムの郊外にある世界遺産「サンボー・プレイ・クック」を訪問した際,露店でカシューナッツが販売されていました。

 地元・コンポントムで収穫されたカシューナッツで,試食させていただくと美味しかったので,これをお土産にしようと思い,まとめ買いしました。

(カシューナッツ(カンボジア・コンポントム産))
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 カシューナッツは,包装袋の左上の写真のような,果実の先っぽにできた種の部分の中身を言います。

 カンボジアでのホームステイ最終日,ガイドさんの案内で,コンポントム郊外にあるこのカシューナッツの加工所を見学することができました。

(カシューナッツ加工所周辺の風景)
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 のどかなコンポントム郊外の風景です。

 水たまりで子供や牛がたわむれ,ヘルメットなし・2人乗りのバイクで通学している生徒も見かけました。
 ※カンボジアはバイクがないと生活できない人も多いため,バイクに乗るための年齢制限はないそうです。

 こうしたのどかな場所で,カシューナッツが製造されていました。

 加工所の中に入らせていただくと,ローストして山積みにされたカシューナッツがありました。

(山積みされたカシューナッツ)
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 殻付きのカシューナッツが地面に山積みされていました。

 そして,奥の作業場にはカシューナッツの殻を割る工具もありました。

(カシューナッツ殻割り機)
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 殻が割られたカシューナッツもありました。

(カシューナッツとその殻)
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 意外と厚い殻に覆われていて,工具や機械を使わないと割るのが大変そうです。

 日本では加工済みのカシューナッツしか見ることはありませんが,実際には,果実を収穫したり,種子を取り出したり,硬い殻を割って内部のカシューナッツを取り出したりと,商品化されるまでにかなりの人手や手間がかかることがわかりました。

 こちらの加工所は女性の方が起業し経営されているそうです。

 加工所の入口には直売所もあり,このカシューナッツが先ほど御紹介したカシューナッツカレーとなりました。


 今回は,胡椒,バナナ(の葉),カシューナッツなど熱帯モンスーン気候のカンボジアならではの作物を使った料理や食材を御紹介しましたが,いずれも日本人好みの料理・食材でもあり,アジア食文化圏でのつながりを感じました。


<関連サイト>
 「Cafe Igel あかいはりねずみ」(広島市南区的場町1-7-2)
 「Napra-works(ナプラワークス)」(カンボジア・コンポントム州)
 (サンボー・プレイ・クック遺跡群の紹介を中心としたカンボジアのイベント・ツアー企画会社)

<カンボジア料理・菓子 関連記事>
 「食文化関連記事一覧表・索引」の「各国料理の特徴と主な料理」にある「カンボジア料理」を御参照ください。

2021年2月28日 (日)

カンボジア料理の特徴と主な料理14 -カンボジアの胡椒,カンボジア産生胡椒の塩漬け,黒胡椒オムライス-

 「カンボジアの胡椒は世界一美味しい」と言われます。

 とりわけカンボジアの南西部,カンポット州やケップ特別市で栽培される胡椒は,「カンポット・ペッパー」と呼ばれ,世界中の食通を魅了してきました。

 世界中にその名を知られたカンボジアの胡椒ですが,ポルポト政権時代には,内戦で胡椒農園も壊滅的な被害を受けました。

 その後徐々に栽培が再開され,カンボジアの「再生」の象徴,カンボジアの特産品として,再び注目され始めています。

 今回は,そんなカンボジアの胡椒の魅力について御紹介したいと思います。


カンボジアの胡椒のお土産

 カンボジア滞在の最終日,お土産を買うため,シェムリアップ・シヴォタ通り沿いのスーパーマーケットへ行きました。

 お茶,チョコレート,クッキー,パームシュガーなど,いろんなお土産が売られている中,私は胡椒を選びました。

(カンボジアの胡椒と小箱)
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 お土産用に,バナナの葉で作られたカラフルな小箱に詰められています。

 この写真はホワイト・ペッパー(白胡椒)ですが,ほかにブラック・ペッパー(黒胡椒)とレッド・ペッパー(赤胡椒)の3種類が3箱ずつ,計9箱で1セットとして販売されていました。

 小箱は一辺が約6cmの立方体で,中に1~2回分程度の粒胡椒が入っていました。

 お手頃価格で,カンボジアは胡椒が有名なことを知っていただく意味も込めて購入したのですが,まとめ買いするとトランクのかなりのスペースが埋まってしまい,代わりにカンボジアで使っていたスリッパやトイレットペーパーなどを現地に置いて帰ることとなりました。

 でも空の小箱まで再利用してくださっている様子を見かけると,苦労して持って帰って良かったと思います。


カンボジア産生胡椒の塩漬け

 広島市内のデパートの食品売場で,カンボジア産生胡椒の塩漬けが販売されていました。

(カンボジア産生胡椒の塩漬け(瓶))
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 販売はAKO株式会社で,カンボジアに移住し,起業された速水御夫妻が経営されている会社です。

 東京と広島市中区に拠点がある会社で,広島とカンボジアのつながりを感じました。

(カンボジア産生胡椒の塩漬け(開栓))
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 ふたを開けた瞬間,胡椒のさわやかな香りがパーッと広がりました。

 瓶の中には塩漬けされた黒胡椒がびっしりと詰められていました。

(カンボジア産生胡椒の塩漬け)
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 生の黒胡椒を塩漬けしたもので,表面がツヤツヤと黒光りしています。

 そのままでいただきました。

 私はスパイスのコーナーで売られている乾燥したブラック・ペッパー(ホール)のイメージしかないため,硬い粒だと覚悟を決めて食べたのですが,これは大きな間違いでした。

 胡椒の粒を噛むと,いくらを食べた時のように,やわらかい表皮がプチッとはじけ,鮮烈な香りとともに中のエキスがジュワッと飛び出してくるのです。

 これはスパイスと言うより果実です。

 口の中で粒がプチッとはじけるごとに,さわやかでピリッとした胡椒の風味が口いっぱいに広がり,幸せな気分にさせてくれます。

 市販の粉末の胡椒の良い香りを何倍にも凝縮し,薄いカプセルに詰めてられているような感じです。

 胡椒が「香辛料(スパイス)の王」と呼ばれる理由がわかりました。


香辛料(スパイス)の王・黒胡椒のオムライス

 スパイスやハーブの魅力を紹介するグルメ漫画「ぴりふわつーん」の第1巻に,カンボジアの胡椒と,その胡椒を使った料理「黒胡椒のオムライス」が紹介されています。

(ぴりふわつーん 第1巻 表紙)
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(青木幸子「ぴりふわつーん 第1巻」芳文社コミックスから一部引用)

「黒胡椒のオムライス」は,「ぴりふわつーん」第1巻の表紙カバーのイラストにもなっています。

(香辛料の王・黒胡椒のオムライス(漫画))
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(青木幸子「ぴりふわつーん 第1巻」芳文社コミックスから一部引用)

 溶き卵と溶かしバター,カンボジア産の塩漬け生胡椒で作ったオムレツをバターライスの上にのせたシンプルなオムライスです。

 黒胡椒(ブラック・ペッパー)の魅力について,主人公の柚子原 香(ゆずはら かおり)が来客に,
 「香辛料(スパイス)の王」
 「気を高め,血を巡らせ,心身の力を引き出す,勇気凛々の香辛料(スパイス)」
と紹介します。

 このオムライスが紹介された後,柚子原 香はカンボジアの「塩漬け生胡椒」についても説明します。

(カンボジア産「塩漬け生胡椒」の紹介(漫画))
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(青木幸子「ぴりふわつーん 第1巻」芳文社コミックスから一部引用)

 「本日の黒胡椒はカンボジア産『塩漬けの生胡椒』…」
 「『再生』の胡椒です」
 「カンボジアの胡椒は,この素晴らしい風味で知られていましたが-」
 「産地が戦場となり,全滅が危ぶまれるところまでいきました」
 「それが今,再び特産品として立ち上がりつつあります」
 「香辛料(スパイス)はその土地の風土の恵み-」
 「その価値を知る人がいるから!」

 手元にカンボジア産生胡椒の塩漬けがあり,その生胡椒を使った美味しそうなオムライスが紹介された漫画を読むと,私も作ってみたくなりました。

 いざ,黒胡椒のオムライスに挑戦です!


黒胡椒のオムライスを作る

 まず最初に,オムライスの中身であるバターライスを作りました。

(バターライス)
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 たっぷりのバターでご飯を炒め,塩で味を調えたバターライスです。

 続いて黒胡椒のオムレツを作りました。

 小さめのフライパンにたっぷりのバターを入れて熱し,バターがジュワジュワしてきたところで,卵3個分の卵液を注ぎました。

 その後,卵に均一に火が通るよう全体をかき混ぜ,半熟状態になったところで,カンボジア産生胡椒の塩漬けをパラパラと均一にかけました。

 オムレツの形に整え,バターライスの上にのせてオムライスの完成です。

(バターライスと黒胡椒オムレツ)
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 「言うは易く行うは難し」

 オムレツに均等に黒胡椒をかけようと時間をかけていたら,みるみるうちに半熟だった卵に火が通っていきました。

 ちょっと火が通り過ぎたオムレツ。

 恐る恐る包丁でオムレツの中心に切れ目を入れ,両側に広げてみました。

(黒胡椒のオムライス)
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 姿形はともかく,雰囲気は漫画の表紙カバーのイラストや漫画の1コマに似ています。

 少しドキドキしながらいただきました。

 「おおっ,見た目はいまいちだけど,美味しい!」

 バター風味豊かなオムレツとバターライスに,さわやかで鮮烈な香りの黒胡椒がとてもよく合います。

 黒胡椒のさわやかな香りとピリッとした辛味がオムライスのアクセントとなるのです。

 黒胡椒が少し多めだったかと思いましたが,そんなことはなく,気付けばオムライスを口に運ぶたびに黒胡椒の粒を探し,あったらそれをプチッと噛んで,ジュワッとほとばしる胡椒のエキスを楽しむという繰り返しでした。

 黒胡椒を味わうたびに,脳の中で打ち上げ花火が上がるような,ワクワク感と幸せを感じることが出来ました。

 生胡椒の塩漬けに適度な塩気があるので,溶き卵に塩を加えなくてもよいこともわかりました。

 卵かけご飯に生胡椒の塩漬けをのせていただく方法もあるようですが,確かに卵と生胡椒の塩漬けの相性は抜群です。


 香辛料(スパイス)の王と呼ばれる胡椒。とりわけ世界一と称されるカンボジアの胡椒は,名実ともに最高の香辛料(スパイス)だと思います。

 決して誇称ではありません(笑)


<関連サイト>
 「And Cambodia」(AKO株式会社(東京・広島))
 「& CAMBODIA」(AKO株式会社(東京・広島)販売サイト)
 「アンコールペッパー」(株式会社FOREST JAPAN)

<参考文献>
 青木幸子「ぴりふわつーん 第1巻」芳文社コミックス

<カンボジア料理・菓子 関連記事>
 「食文化関連記事一覧表・索引」の「各国料理の特徴と主な料理」にある「カンボジア料理」を御参照ください。

2021年2月21日 (日)

からすみの研究 手作りからすみと長崎の生からすみ -からすみが高価な理由について-

 ボラの卵巣から作られ,「日本三大珍味」(※)の1つと称される「からすみ」。
 ※日本三大珍味…うに,このわた,からすみ

 古代ローマ時代に地中海沿岸で食されていた魚卵の保存食が,中国経由で長崎へ伝来し,日本国内でも広まったようです。

 からすみは,その形が中国(唐)伝来の墨に似ていることから「唐墨(からすみ)」と呼ばれるようになったと言われています。

 今回は,このからすみについてまとめてみたいと思います。


手作りからすみとカサゴ・ホタテ貝柱・野菜のグリエ ソース・オランデーズ

 広島市内のフランス料理店で,手作りのからすみを添えた魚料理をいただきました。

 料理が出される前に,シェフが作られた特製からすみを見せていただきました。

(手作りからすみ)
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 20cmはあろうかと思われる大きなからすみが皿に盛られて披露され,びっくりしました。

 大きなボラの卵巣で作られたのでしょう。

 写真のように,からすみの原形は卵巣が一対になっていて,端っこにボラの身が付いた状態となっています。

 このからすみを薄くスライスして添えられた魚料理をいただきました。

 「温野菜とカサゴのグリエ ソース・オランデーズ からすみ添え」です。

(温野菜とカサゴのグリエ ソース・オランデーズ からすみ添え)
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 グリルで焼かれたカサゴ,ホタテの貝柱,アスパラガスなどに,自家製からすみとクレソンがあしらわれています。

 ソースは「ソース・オランデーズ(sauce hollandaise)」が中心で,グリルされた魚にたっぷりとかけられており,それに「フュメ・ド・ポワソン(fumet de poisson)」も添えられていました。

 「ソース・オランデーズ」は卵黄,澄ましバター,レモン汁,カイエンヌペッパー,塩,こしょうで作られるマヨネーズソースに似た味のソース,「フュメ・ド・ポワソン」は魚を煮出して取っただし汁です。

 からすみを加えることで,淡白な白身魚に適度な塩気と凝縮されたコク・旨味が加わり,ソースやだし汁と同等の役割をすることがわかりました。


イタリアンレストランの「カラスミパスタ」の思い出

 最近は日本のイタリア料理店でも,イタリアのからすみ「ボッタルガ」を扱っておられるお店をよく見かけるようになりました。

 その代表格がパスタ料理で,「カラスミのパスタ」や「ボッタルガのパスタ」として御用意されています。

 私は職場の後輩を誘ってイタリアンレストランでランチを食べたことがあるのですが,その時の思い出話を1つ御紹介します。

 ランチセットのパスタを選ぶ際,黒板のメニューに「イカスミのパスタ」,「カラスミのパスタ」などたくさんの種類のパスタが用意されていました。

 「どれにしようかな…」と悩む後輩。そしてちょっと深刻な顔をして私に,「カラスミのパスタって,やっぱり口の中が真っ黒になりますかね…」と質問してきました。

 午後からの勤務を気にしてのことでしょう。

 私は笑いを抑えながら「うーん,黒くならないと思うよ。注文してみたら」と答えました。

 私は,経験も兼ねて本当にカラスミのパスタを注文してみたらと良いと思ったのですが,お高いと感じたのか,本当に口が黒くなると思ったのか(笑),結局別のパスタを選んでいました。

 私がカラスミのパスタを頼んで「スミ」の誤解を解けばよかったことですね。
 スミません。


長崎の生からすみ

 2021年2月に広島市内のデパートで開催された「長崎の大物産展」へ行きました。

 たくさんのお店の中に,長崎市のからすみ専門店「味藤(あじとう)」も出店されていて,からすみのほかに「純生からすみ」も販売されていました。

 生のからすみは珍しいと思い,お店の方にお話を伺いました。

 「生からすみ」は,ボラの真子(卵巣)をからすみとして干す前に,醤油ベースで調味した食べ物です。

(純生からすみ 説明書き)
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 上品でやわらかく,女性に人気の商品とのことです。

 そのままおつまみとしていただけるほか,バタートーストにのせたり,パスタに和えたり,ご飯にのせて「からすみ丼」にしても美味しくいただけるようです。

 山芋の短冊や大根の薄切りに添えて食べるのも美味しいらしく,国際線ファーストクラスの機内食にも採用実績があるとのお話でした。

 珍しさに加え,どんな味がするのだろうと興味津々で購入しました。

(純生からすみ(瓶詰め))
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 卵の一粒一粒がキラキラと黄金色に輝いています。

(純生からすみ)
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 この生からすみをいただきました。

 魚卵の一粒一粒がわかるほどシャリシャリ・プリプリしていて,その食感は数の子とよく似ています。

 一方,魚卵一粒あたりの大きさは,たらこ(明太子)と同じくらいです。

 つまり,数の子の粒をばらし,その粒をたらこ(明太子)と同程度の大きさにして,醤油漬けにしたようなイメージの魚卵です。

 風味はウニ,より具体的には塩漬け・瓶詰めのウニにそっくりです。

 きめ細やかで上品な数の子に似た食感で,噛み締めるほどにウニのような芳醇な香りと旨味が楽しめる,高級感あふれた逸品です。

 魚卵の一粒一粒をしっかりと味わえるのは「生からすみ」ならではの特権で,干して作られたからすみとは違った生の味わい・食感を楽しむことが出来ました。

 高価なので,すみからすみまで一粒残らずいただきました。


なぜからすみは高価なのか

 私は子供の頃,父や友人と地元の瀬戸内海でよく釣りをしたのですが,アジやサバ,イワシなどを狙ってサビキ釣りをしていると,たまに大きなボラが釣れることがありました。

 私たちも含めて,釣り人は皆「外道(げどう・「釣りの対象外の魚」という意味)だ」と言って海に返していたので,ボラを刺身(洗い)などで食べた経験は数回,興味本位でしかありません。

 ボラの身はにおいが強かったり,脂が多かったりすることが理由で,一般的に釣り人からはあまり歓迎されない魚なのですが,その卵巣を加工したからすみとなると,一転して高級珍味扱いとなるから不思議です。

 からすみが高価となる主な理由は,
(1)食べて美味しいボラは,生息域が限られること
(2)からすみに適したボラの卵巣(ボラ子)が限られていること
(3)製造にかなりの手間と時間がかかること
(4)からすみが日本三大珍味として高級品扱いとなっていること
にあるでしょう。

 海や河口の水面に群れをなして泳いでいるボラは雑食性で,海底・川底の泥を丸呑みするため,汚染された海や川で獲れたものは泥の臭みが強くなります。

 そのため,美味しいからすみを作るためには,きれいな海を回遊してきたボラの卵巣を使う必要があり,生息域が限られるため,高価になるのです。

 また,原料となるボラの卵巣(ボラ子)においても,その大きさや程度(血管の多さ・切れの有無など)にバラツキがあり,それが価格に反映されます。

 さらに,からすみの製造には血抜き,塩漬け,塩抜き,酒漬け,干しなどの工程があり,その1つ1つの工程にかなりの手間と時間がかかるため,最終的にきれいに仕上げることが出来たからすみは高価になってしまうのです。

 こうした理由に加え,からすみが日本三大珍味の1つとして高級品となっており,高価でも売れる商品となっていることも理由の1つとなっています。

 ボラの魅力をうまく引き出し,高付加価値の食べ物に仕上げたのが「からすみ」なのです。


<関連サイト>
 「からすみ専門店 味藤」(長崎県長崎市白木町7-44)
 知識の宝庫!目がテン!ライブラリー「大量出現!ボラを食す #670(2003/02/23) 」日本テレビ

<関連記事>
 「キャビアの研究 -キャビアとランプフィッシュの卵の違い-

2021年2月13日 (土)

ゲーテの小説「若きウェルテルの悩み」とシャルロッテ -ロッテの「CHARLOTTE 生チョコレート」-

 ドイツの小説家・ゲーテの「若きウェルテルの悩み」。

 ファンの方も多いと思います。

 また内容までは知らなくても,その名前は御存知の方も多いでしょう。

 かのナポレオンも愛読し,陣中で7回読んだと言われるほど,今も昔も人気の高い恋愛物語です。

 今回は,そんな「若きウェルテルの悩み」の魅力と,その小説にまつわる会社やチョコレートの話に触れてみたいと思います。


ウェルテルとシャルロッテの出会い

 作者であるゲーテ自身の恋愛体験をもとに書かれた小説「若きウェルテルの悩み」。

 世界的な名作として,日本でも様々な本が出版されています。

(ゲーテ「若きウェルテルの悩み」)
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 この作品は,主人公の青年・ウェルテルがその親友・ウィルヘルムへ宛てた手紙(日記)を,ウェルテルの死後,ウィルヘルムが読者に紹介することで展開します。

 失恋をしたウェルテルがウィルヘルムと一緒に住んでいた街を離れ,感傷旅行をすることから物語が始まります。

 旅先のワールハイムと呼ばれる村で様々な人とふれあい,次第にその村で前向きに人生を送るようになったウェルテルにある転機が訪れます。

 知り合いから「舞踏会をしたいので,参加してほしい」とお願いされたウェルテルは,踊り相手となる女性を誘ってその舞踏会に参加することにしました。

 舞踏会当日,ウェルテルは踊り相手の女性やその従妹と一緒に馬車に乗り,会場を目指します。

 途中,同伴の女性からある提案がありました。

 「舞踏会にシャルロッテも誘いましょう。美しい方ですよ」

 ウェルテルは訳も分からないまま,これに同意します。

 すると同伴の女性の従妹から,

 「恋をなさらないように御用心を」と釘を刺されてしまいます。

 ウェルテルがその理由を尋ねると,

 「あの方はもうお決まりになっていますの」との返事。

 ウェルテルはこの話をさして気にも留めず,馬車でウェルテルの住む屋敷へと向かいます。

 しかしながら,シャルロッテの住む屋敷へ到着し,シャルロッテに出会った瞬間からウェルテルの気持ちは一転してしまいます。

(シャルロッテとの出会い)
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(ゲーテ「まんがで読破 若きウェルテルの悩み」イースト・プレスから一部引用)

 ウェルテルは亡くなった母親代わりとして幼い弟や妹たちの面倒を見ているシャルロッテに出会い,その姿,声,しぐさにすっかり心を奪われてしまいます。

 幼い子供たちもすぐにウェルテルに慣れ親しみ,寄り添ってきました。

 やがて誘いを受けたシャルロッテは身支度を整え,ウェルテルらと共に舞踏会に参加します。

 会場でウェルテルは最初に舞踏会へ誘った女性とダンスを踊るのですが,お互い相性が合わずギクシャクしてしまいます。

 そこでウェルテルはダンスを上手に踊っていたシャルロッテに「一緒に踊ってほしい」と申し入れます。

 それを受け入れたシャルロッテとワルツを踊ってみると,息がピッタリ合いました。

(ウェルテルとシャルロッテのダンス)
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(ゲーテ「まんがで読破 若きウェルテルの悩み」イースト・プレスから一部引用)

 ウェルテルはウィルヘルムに手紙でその時の様子をこう伝えています。

 「ロッテ(シャルロッテの愛称)の身ごなしの,なんと軽く,なんと人を魅了するものだろう」
 「これほどにも愛らしい娘を腕に抱いて…」
 「ほかの男とは踊らせない。たとえわが身はそのために滅びようとも…」
 「私はもう人間ではなくなった」

 最後のセリフはちょっとヤバイですね。

 こうしてウェルテルは完全に恋愛のスイッチが入ってしまい,ドロドロの恋愛劇が始まることとなります。


アルベルトの登場とウェルテルの絶望

 シャルロッテに恋心を抱いたウェルテルは,シャルロッテの弟妹(ていまい)にも気に入られたこともあり,シャルロッテの住む屋敷に足繁く通うようになります。

 ウェルテルは,シャルロッテにはアルベルトという婚約者がいることを知っていながら,旅に出ている彼の事は考えないようにして,シャルロッテやその弟妹たちと楽しく人生を謳歌していたのです。

 しかし,そんな生活も長くは続きませんでした。

 シャルロッテの婚約者アルベルトが旅から帰ってきたのです。

(アルベルトの登場)
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(ゲーテ「まんがで読破 若きウェルテルの悩み」イースト・プレスから一部引用)

 ウェルテルにとって,身分に恵まれ,才能があり,容姿端麗で,包容力があるアルベルトは到底手の届かない,ライバルにすらなれないような存在でした。

 「人間に喜悦を与えるまさにそのものが,かえってその悲惨のもととなる」

 ウェルテルは悩んだ末,シャルロッテとの付合いに終止符を打ち,ワールハイムを離れることとします。

 しかしながらシャルロッテのことが忘れられないウェルテルは,その離れた地での生活に馴染めず,結局再びシャルロッテの住むワールハイムに戻ってくるのです。

 シャルロッテに再会した時,彼女はすでにアルベルトと結婚していました。


ウェルテルの決意

 思い詰めたウェルテルは,使いの少年を通じてアルベルトへ手紙を送り,1つのお願いをします。

 その内容は「旅行がしたいので,護身用にピストルを貸してほしい」というものです。

 アルベルトは何も怪しまずに妻(シャルロッテ)に「ピストルを渡してあげなさい」と言い,使いの少年には「旅行中お大事に,と申し上げておくれ」と言付けます。

 この時シャルロッテはウェルテルの行動を悟ったのですが,夫にウェルテルとの関係を言い出せないため,震える手で使いの少年へピストルを渡します。

 やがてウェルテルのもとにピストルが届き,ウェルテルはピストル自殺を決意します。

(ピストル自殺の決意)
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(ゲーテ「まんがで読破 若きウェルテルの悩み」イースト・プレスから一部引用)

 「こいつで,すべての僕の悲惨な運命ともお別れだ」
 「僕らは永遠にひとつになれる」

 友人のウィルヘルム宛ての最後の手紙(遺書)をしたためます。

 「決まりました,ロッテ,私は死にます」

 「これは絶望ではありません。確信です。自分はたえぬいてきた,そしてあなたのために犠牲になる,その安心です」

 「われわれ3人のうち1人が去らなくてはならないのです。私がその1人になろうと思うのです」

 「弾はこめてあります。12時が鳴っています。では,ロッテ,ロッテ。さようなら,さようなら」

 そしてウェルテルの部屋に銃声が鳴り響いたのでした。

 ウェルテルの自殺の知らせに,アルベルトは驚愕し,シャルロッテは悲嘆し,ウィルヘルムは親友の苦悩に無力だった自分を責めます。

 翌日の正午12時,ウェルテルは亡くなりました。

 こうしてこの物語は静かに幕を閉じるのです。


永遠の恋人「シャルロッテ」からお口の恋人「ロッテ」へ

 お菓子メーカーの「ロッテ」の社名は,これまで御紹介した「若きウェルテルの悩み」に登場するヒロイン・シャルロッテの愛称に由来しています。

 「永遠の恋人」として知られるシャルロッテのように,世界中の人々から愛される会社でありたいという願いが込められているのです。

(ロッテ・ブフ(シャルロッテ))
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(ゲーテ(竹山道雄訳)「若きウェルテルの悩み」岩波文庫から一部引用)


ロッテの「CHARLOTTE 生チョコレート」シリーズ

 お菓子メーカーの「ロッテ」から,秋冬限定で,ずばり「CHARLOTTE(シャルロッテ)」という名称の生チョコレートが販売されています。

 「会名や店名を冠し,なおかつ少し高価な商品・メニューは,かなり気合いが入っていて,得することが多い(ハズレが少ない)」というのが私の経験談です。

 今季(2020年~2021年 秋冬)の「CHARLOTTE 生チョコレート」を購入しました。

(「CHARLOTTE 生チョコレート」(箱・2020-2021 キャラメル・カカオ))
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(「CHARLOTTE 生チョコレート」(箱・2020-2021 カカオ))
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 包装は紙製で,1枚ずつ個包装されています。

(「CHARLOTTE 生チョコレート」(2020-2021 カカオ))
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 チョコレートの表面には,シャルロッテの頭文字にちなんだ「C」と「L」のマークが施されています。

 ロッテの「CHARLOTTE(シャルロッテ)」シリーズは,平たいチョコレートの中に生チョコレート(ガナッシュ)が入っているもので,それらが口の中で溶け合い,豊かで深い味わいが楽しめるチョコレートとなっています。

 まさに「お口の恋人」と呼ぶにふさわしい,ロッテを代表するチョコレートです。

 今季のラインアップは,アクセントにヘーゼルナッツを加えた「カカオ」,ソルトを加えた「キャラメル」,そしてカシスを加えた「ストロベリー」の3種類となっています。

(「CHARLOTTE 生チョコレート」(箱・2020-2021 ストロベリー))
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 社名そのものが商品名だけに,チョコレートはもちろん,パッケージのデザインなどにもかなり力を入れておられます。


 「若きウェルテルの悩み」のウェルテルやシャルロッテに思いを馳せながら,ロッテの「CHARLOTTE 生チョコレート」を味わってみるのもいいかも知れませんね。


<関連サイト>
 「ロッテ(LOTTE)」(東京都新宿区西新宿3-20-1)

<関連記事>
 「千葉ロッテマリーンズ スティッチの耳かき -千葉県千葉市-

<参考文献>
 ゲーテ「まんがで読破 若きウェルテルの悩み」イースト・プレス
 ゲーテ(竹山道雄訳)「若きウェルテルの悩み」岩波文庫

2021年2月11日 (木)

和歌山マリーナシティの耳かき -和歌山県和歌山市-

和歌山マリーナシティのオリジナル耳かきです。

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スクリュー式の耳かきで,掃除用ブラシもセットになった,お土産用としてはちょっと珍しい耳かきです。

イルカショーも実施されることから,頭にピンク色のかわいいイルカが乗っかっています。

和歌山マリーナシティには,ヨーロッパの街並みが再現された「ポルトヨーロッパ」,マグロのテーマパーク「黒潮市場」,「紀州黒潮温泉」,「海釣り公園」,「和歌山マリーナシティホテル」,「紀ノ国フルーツ村」など,楽しい施設がたくさんあります。

JR和歌山駅から路線バスで40分ぐらいの所にあるのですが,途中のお店で和歌山ラーメンや早すし(押し寿司)を食べたり,ちょっと足を延ばして和歌山城を見学したりと,いろいろ楽しめました。

«美祢社会復帰促進センターと受刑者の食(後編) -紅はるか・受刑米「再誕の丘」-

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