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2014年3月22日 (土)

あずきの研究4 -北海道・十勝が主産地となっている理由-

○あずきの疑問
 「昔から全国的に食べられ,本来低温に弱いはずの小豆が,なぜ北海道・十勝で集約的に生産されているのか。」

 小豆は北海道以外でも全国的に栽培されていますが,上位の府県でも作付面積の全国シェアは1~2%程度で,点在して栽培されている状況です。全国的に広範囲で少ないながらも栽培されているということは,それだけ小豆の食文化が定着し,需要があるという証拠でもあります。

 北海道・十勝が主産地となっている理由を考えたいと思います。

 明治から大正にかけて和菓子の需要が高まり,それまで日本各地に点在していた小豆栽培を集約的に行う地として,少肥・省力で開拓農民が栽培しやすい,十勝の開拓地が選ばれました。十勝の開拓は,北海道に多く見られる官主導の屯田兵によるものではなく,依田勉三の興した晩成社(○印に「成」で,マルセイ(バター)が有名です。)をはじめ,富山,岐阜など本州からの民間の開拓移民により進められました。第一次世界大戦時には,欧州で豆がひっ迫し,十勝の豆が高騰して「豆成金」が生まれたり,戦後は小豆が「赤いダイヤ」と呼ばれ,相場の対象となったりと小豆を栽培することでの旨みもあったようです。

 また,和菓子メーカー等にとっても,大産地と取引した方が,安定してまとまった量を確保でき,流通コストも抑えられるメリットがあります。生産者・メーカー双方にとって,集約的に栽培した方がスケールメリットを得られるのです。

 あわせて,耐寒性に優れ,良質で,多くの収量がある小豆の品種改良も進められました。現在,十勝の小豆を代表する「エリモショウズ」の命名由来が,気象条件が厳しく,小豆はほとんどできない,風光明媚な襟裳岬の名をもらっていることが印象的で,大変な苦労があったことと思います。

 こうした理由から,十勝が小豆の一大産地になったと考えられます。

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