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2014年5月31日 (土)

あずきの研究10 -白小豆とはどんな小豆か-

○あずきの疑問
 「白小豆とはどんな小豆なのか。」

 小豆は大きく「普通小豆」,「大納言小豆」,「白小豆」の3種類に分類されます(「あずきの研究3 -大納言小豆と普通小豆-」)。
 赤い普通小豆や大納言小豆は,身近に売られており,親しみがありますが,白小豆はどんな小豆なのか,恥ずかしながらよく知りませんでした。

 普通小豆や大納言小豆でつくられた餡を赤あんと呼ばれるのに対し,手亡や白小豆などで作られた餡は白あんと呼ばれます。

 そこで,今回は手亡と白小豆を購入し,白あんを作ってみることとしました。

 店頭やインターネットで価格を調べてみると,200gあたり,手亡は270円,小豆が260円,白小豆が北海道産で約500円,備中白小豆が約1,000円でした。以前購入した「備中だるまささげ」は「備中白小豆」と同程度の価格です。つまり,国産で言えば,普通小豆の価格を1とすると,手亡もほぼ同程度,大納言小豆が約1.3倍,白小豆が約2倍,ブランドの備中白小豆や備中ささげとなると約4倍となるようです。主産地の北海道,ブランドの備中,丹波というイメージです。

(手亡について)
 「手亡(てぼう)」は,「菜豆(いんげんまめ)」の一種で,白いんげん豆とも呼ばれています。「手亡」の名前の由来ですが,(公財)日本豆類協会によれば,「普及当初の品種が半蔓性であったため,蔓性のいんげんまめで用いられる手竹(てだけ)と呼ばれる竹の支柱がいらないためと言われています。」と説明されています。小豆と同様,北海道が代表的な産地で,品種には「姫手亡」や「雪手亡」などがあります。一般的に白あんの原料と言えば,この手亡が用いられます。

 今回購入した手亡は北海道産です。
 普通小豆(全長約7~8mm)を一回り大きくしたような形・大きさ(全長約10mm)で,つやはあまりありませんが,さすが白あんの材料となるにふさわしい見事な白色です。

(手亡)
Photo_8


(白小豆について)
 小豆は「普通小豆」,「大納言」,「白小豆」に分けられますが,その中の白小豆は,赤系統の色をした他の小豆とは異なる黄白色で,普通小豆や大納言に比べ,栽培が難しく収量も少ないため,栽培農家も減少傾向にあり,国内流通量はきわめて限られています。北海道,備中(岡山),丹波が代表的な産地で,品種には,「ホッカイシロショウズ」,「きたほたる」,「備中白小豆」,「丹波白小豆」などがあります。高価なため,和菓子では通常,白あんと言えば手亡が用いられており,白小豆は高級和菓子として用いられています。

 今回購入した白小豆は「備中白小豆」です。白小豆自体,店頭で見かけることはできず,インターネット通販で購入しました。届いてまず驚いたのは,豆の大きさでした。普通小豆と同じ大きさを想像していたのですが,実際は普通小豆より一回り小さく,全長約5~6mmです。そして豆の色ですが,白と言うよりは肌色に近いです。

(白小豆)
Photo


(手亡と白小豆の対照実験)
 「あずきの研究6 -小豆とささげの違い-」で行った,ささげ(小豆)の実験と同様,水を入れ,時間を計測しながら茹で上がる状態をみてみます。(手亡については,半日水に浸したものを使いました。)

○15分後
 手亡…形は崩れず,歯応えがあるが食べられる。
 白小豆…まだ少し生。かなり固い。

 煮汁は,小豆もささげも大して変わりはなく,茹でた色もほぼ一緒です。

○30分後
 手亡…かなり煮崩れが生じる。十分なやわらかさになる。
 白小豆…少し歯応え残るが食べられる固さ。

 豆の味で言えば,よく似ており,驚くほどの差はありませんでしたが,煮汁については,手亡が他のいんげん豆と同じような香りがするのに対し,白小豆は赤い小豆を茹でている時と全く同じ香りがしました。

○45分後
 手亡…煮崩れが生じ,あんに近いやわらかさとなる。
45


 白小豆…煮崩れが生じ,食べられるやわらかさになる。
45_2


 この時点でそれぞれ,火を止め,砂糖と水あめで甘みを加え,あんこを作りました。

 さて,結果は…

 手亡は,半日水に浸して吸水させたこともあり,かなりやわらかくなっており,楽にあんこが作れました。ねっとりとした粘りがあり,この粘りは小豆以上です。日本人の好むテクスチャである「粘り」があり,甘味を加えて加工しやすいことから,和菓子としての成立要件を満たしています。色は真っ白ではありませんが,白く明るい色です。特有の香りも含め,馴染み深い白あんができたように思います。
(白く明るい手亡白あん)
Photo_3

 一方,白小豆は,普通の赤い小豆と同じ,煮崩れ,煮汁の香り,粘りで,違うのは色だけでした。色は,黄身を帯びた白で,白色を求めるなら手亡の方がより白に近いです。
(手亡白あんに比べ,黄色味の強い白小豆あん)
Photo_4

(まとめ)
 手亡は,香りが小豆とは異なるものの,普通小豆とほぼ同じ価格で仕入れることができ,十分な粘りがあり,白く明るい色であることから,白あんの材料として優れていると思います。
 白小豆は,普通小豆に比べ,高価で希少な小豆だけに,普通小豆とは何か違う特徴があるだろうと期待していたのですが,色と大きさ以外の違いはないように思いました。ただ,それだけに,赤い小豆と同様の製法で,小豆特有の風味を生かした白あんを作ることができるので,小豆本来の風味が味わえる色彩豊かな上生菓子を仕上げることができることに優れていると思います。

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