麦ご飯の研究 -押し麦と丸麦の違い-
(私の食生活)
このブログでは,様々な料理を記事にしていますが,私の普段の食事は質素なもので,朝食は麦ご飯,味噌汁,目玉焼,昼食は手作り弁当(麦ご飯がメインでそれに玉子焼きやソーセージ,惣菜,煮豆,夕食の残り物など),夕食は麦ご飯と味噌汁に,焼き魚か肉,惣菜のメイン1品に副菜として納豆や冷奴などで,この内容の繰り返しです。
現代日本の食生活の実態を知れば知るほど,原材料が不明確で濃い味付けの加工食品よりは,シンプルな素材で自分好みの味に仕上げるおかずの方がよいと思うようになりました。一見安そうな外食や弁当などの中食よりも,自宅で作る内食の方が安いことも理解しました。そして何より,美味しいのです。
もし「美味しい」と思えないなら,しんどい思いをして毎日食事を作ろうとは思いません。ただ,実際のところは,夜,仕事から帰ってから食事を作っているので,時間がなく,週の半分ぐらいはメインを揚げ物などの惣菜(中食)に頼っていますし,休日は楽をしたい気持ちが強く,外食や中食に頼っていますので,決して自慢できるお話ではありませんが…。
そんな私の主食が麦ご飯(押し麦ご飯)です。刑務所の麦ご飯が米:麦=7:3との話ですが,私の作る麦ご飯は6:4,もしくはそれ以上に麦の割合が高いので,健康には良いはずです(笑)。たまに外食で茶碗に盛られた白いご飯を見ると,本当にキラキラ輝く「銀シャリ」に見えます。押し麦の軽さに慣れ過ぎて,白米だけのご飯だと,すぐお腹一杯になってしまいます。
(押し麦ブーム)
その麦ご飯に使う押し麦が,この約1ヵ月ほど,スーパーの陳列棚から消えました。私は普段,全くと言っていいほどテレビなどは見ませんが,どうやら最近,押し麦の大きなブームがあったようです。
[押し麦]
押し麦の水溶性食物繊維「βグルカン」が血糖値の上昇を抑え,糖尿病の改善,ダイエット,便秘解消などに効果があると紹介されているようです。
最近の健康志向はよい傾向だと思いますが,何か紹介されれば,過剰に反応し,しばらくするとまた別のものに飛びつくという行動は,個人的には少し疑問に思います。
(押し麦と丸麦の違い)
押し麦がなくて困っていたころ,ドライブで寄った道の駅に,丸麦が売られていました。早速購入し,実験です。
[丸麦]
押し麦は大麦の吸水性をよくし,食べやすくするため,蒸気で加熱し,平らに伸ばして乾燥させてたものです。対して丸麦は,大麦を精白しただけで,熱処理はされていません。
押し麦で麦ご飯を作るのはいたって簡単で,まず米だけを水でとぎ,その中に押し麦をそのまま入れ,米だけで炊く場合に比べて若干少な目(好みによります)の分量の水を加えて,あとは炊くだけです。
丸麦の場合はどうでしょうか。買った袋には作り方の記載がなかったのですが,とりあえず丸麦だけを水でとぎ,米を炊く要領で,鍋で炊いてみました。
[炊いた丸麦]
この炊いた丸麦を,同じく炊いた押し麦と比較してみます。
[炊いた押し麦]
炊いた丸麦は,ローラーで平らに伸ばされておらず,米粒に似た原形のままを炊いているので,出来上がりも丸みを帯びています。一方,炊いた押し麦は,加工されている分,元の丸麦ほどには形が戻らず,やや扁平形となっています。
では,次に白米と一緒に麦ご飯にした場合の比較です。
[丸麦ご飯]※多少黒ずんでいることについては,次の「麦ご飯の留意点」を参照。
[押し麦ご飯]
押し麦はといだ米にそのまま加えて炊きますが,丸麦は米と一緒に水でといでから炊きました。見た目はほぼ同じに炊き上がりますが,食感はかなり違いがあります。押し麦ご飯は,押し麦が吸水性に優れ,やわらかく仕上がっているので,ご飯との一体感があり,かつ,白米のみのご飯より軽いのですが,丸麦ご飯は,押し麦に比べ,粘りと弾力性が強く,しかも,米粒よりも1粒1粒が大きいため,ご飯から独立した感があり,玄米と同様,よく噛んで食べる必要があります。
(麦ご飯の留意点)
私は,帰宅後の負担をなるべく少なくするため,朝,炊飯器のタイマーをセットし,帰宅時に炊き上がるようにしています。日中水に浸している間,米は水を吸収するだけなのでいいのですが,押し麦や丸麦の場合は,特に夏場は半煮えの状態になり,たまに黒ずんでしまうことがあります。
押し麦の場合は水に浸さず炊く直前に,丸麦の場合は炊く前に少しの間水に浸してから,といだ米に加えて炊けばよいのだと思いますが,私も含めて,タイマー炊飯で対応せざるを得ない方もおられるでしょうから,あえて留意点としました。ちなみに味には影響ありません。
[黒ずんだ丸麦]
私は,押し麦ご飯の軽い食感に慣れており,丸麦だけではご飯の食感に若干違和感を感じるので,丸麦がある間は,押し麦と丸麦をブレンドして麦ご飯を作ることとしました。麦ご飯に塩をかけて食べるのが,私の好みの食べ方です。
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