広島かき・レモンマドレーヌ
広島市水産振興センターで開催された「第25回広島市水産まつり」に行ってきました。
会場は,新鮮でお買い得な広島かきや魚介類などを買い求める人で,開始時刻前から賑わっていました。
私が今回訪問した目的は,鈴峯女子短期大学の皆さんが考案された広島かきの料理を見学することでした。
先日,広島市植物公園で広島大学の佐藤清隆先生による講演会「チョコレートのサイエンスロマン」を聴講し,昨年同様,佐藤先生にチョコレートについて色々と伺い,勉強させていただきました。
その講演会に鈴峯女子短期大学の新田由美子先生もお見えになっており,今度の「広島市水産まつり」で広島かきを使った新たな料理を発表されるというお話を伺ったことから,興味を持ったのが今回訪問したきっかけです。
会場には鈴峯女子短期大学のブースがあり,新たな広島かきのレシピや試食品が用意されていました。
今回は新たな広島かきの料理では「カキのひね生姜煮」が,お菓子では「広島かき・レモンマドレーヌ」が発表されていました。
「カキのひね生姜煮」は,体が温まり,薬効も多いひね生姜を使い,醤油ベースのだし汁でやわらかく煮たかきは,絶妙な味付けでした。かきの特性をよく研究され,うま味を最大限生かした料理だと思いました。
そして,やはり気になったのが,かきのお菓子です。これは難関です。
(広島かき・レモンマドレーヌ説明)
考案された鈴峯女子短期大学の高野先生にお話を伺うと,広島かきを丸ごとフードプロセッサで細かくして,マドレーヌの生地に混ぜ込んでおり,一般的なマドレーヌに比べて若干色が濃くなっているとのことでした。
(広島かき・レモンマドレーヌ)
こんなに大きなマドレーヌを無料で試食させていただいていいのかと少し遠慮気味に,でもその分しっかりと味わっていただきました。
生地には広島かき(ピューレ)が10%,広島レモンが5%入っているとのことですが,かきの生臭みは全くなく,レモンの風味がよく効いていました。広島名産のかきとレモンを用いて,しかも美味しく仕上げるためには,かなり研究されたことと思います。
個人的にはもう少しかきの風味を前面に出してもいいのではないかと思いましたが,かきが苦手な人でも美味しく食べられるようにするためには,むやみにかきの風味を増やせば済む話ではなく,その割合が難しいところです。
かきを丸ごと入れているので,他の和洋菓子に比べて栄養があるでしょうし,広島名産が入っていることで,お土産にもなりそうです。一般的なマドレーヌと比べてコストはかかるでしょうが,栄養価が高いことや,広島の名産であることを前面に出し,高付加価値を付けることでクリアできる道はあると思いました。
実際,広島湾北部の海域で養殖されたかきは,炭水化物などを多く含むので,甘味が引き立ち,美味しさの点で優れているとのことです。
(広島かきと標準的なかきの栄養成分比較)
※広島市かき養殖連絡協議会,鈴峯女子短期大学調べ
アンケートには,「(ほたて貝の形をした一般的なマドレーヌを参考に)かきの形にしてみられたらいかがでしょうか。」と感想を書かせていただきました。
マドレーヌ(madeleine)はフランスのロレーヌ地方コメルシーでマドレーヌ・ポルミエが考案した説が有力ですが,次第にパリでも好評を得て,やがてフランスを代表する銘菓となりました。
鈴峯女子短期大学の皆さんが熱心に考案されている広島かきを使った料理・お菓子からも,新たな郷土料理や銘菓が生まれるのではないかと期待しています。
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