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2015年10月 4日 (日)

ハプスブルク家皇妃 エリザベートとスミレ -美容とダイエットの先駆者-

エリザベート

 
ハプスブルク家の皇帝 フランツ・ヨーゼフ1世の皇妃であり,ヨーロッパ宮廷随一の美貌の持ち主としても知られたエリザベート。
 ミュージカルでもよく取り上げられ,「シシー」の愛称で,今なお人々を魅了してやまない女性です。

(エリザベート)
Photo
(菊池良生『図解雑学ハプスブルク家』から引用)

 
エリザベートはその美貌と体型を維持するために,美容やダイエットに大変熱心だったようで,涙ぐましいまでの美容法,ダイエット法を試みたようです。


エリザベートの美容・ダイエット法

 
『ハプスブルク家の食卓』(関田淳子)によると,主な美容・ダイエット法として,

・「ジュース療法」…オレンジなど果物(汁)だけで食事を済ませる
・「乳清療法」…ミルクや乳清だけで食事を済ませる
・「肉ジュース療法」…子牛のもも肉をプレスして絞り出した血を(薬として)飲む
・「生肉パック」…子牛の生肉で肌をパックする
・「オリーブ油風呂」…しなやかな肌を保つため,オリーブ油の風呂に入浴する
・「運動」…美容体操,器械体操,乗馬,競歩など過激なまでの運動をし,運動後には体重を測る

 などが挙げられています。

 現代の栄養学・美容法から考えれば,疑問に思う方法もありますが,当時の本人は必死だったのでしょう。

 食事に関して言えば,用意された料理を受け付けず,決まったものしか食べなかったため,宮廷料理人泣かせだったようです。


ザッハトルテ

 
そんなエリザベートのお気に入りと言ってまず思い浮かぶのが,ウィーン菓子を代表するチョコレートケーキ「ザッハトルテ」でしょう。

(ザッハトルテ)
Photo_2

 甘いものが大好物だったようで,ときにはケーキを食事代わりにしていたようです。
 褒められた話ではありませんが,ほかの女性と同じく,甘いもの好きの一女性としての様子が伺え,親しみが持てます。


スミレを使ったデザート

 甘いものが大好きな一方でダイエットに励むエリザベートのため,宮廷の菓子料理人は,なるべく低カロリーで美味しいデザートの開発に力を注ぎました。

 そこで生まれた数々のデザートのうち,エリザベートが好んだのが,スミレを使ったアイスクリームやシャーベットでした。

 スミレのアイスクリームは,スミレをミルクの中で煮立て,冷やし固めたものだったようです。
 また,スミレのシャーベットは,スミレの花を乳鉢ですりつぶして砂糖水に入れ,冷凍させたものだったようです。

 いずれもダイエットのために生クリームは一切使われなかったという徹底ぶりです。


スイートバイオレット(ニオイスミレ)

 
スミレのシャーベットを作って,エリザベートと同じ気分を味わってみたいと思い,園芸店でスイートバイオレット(ニオイスミレ)を探してみました。

 時期的な理由もあるのでしょうが,広島市内の園芸店やホームセンターではなかなか見当たらず,かろうじて1件,苗が販売されていたので,購入し,育ててみることにしました。

(スイートバイオレットの説明書き)
Photo_3

 この説明書きを読んで,素人の私でも,スイートバイオレットが食べられる花(エディブルフラワー)であることを確認できました。

(スイートバイオレット(紫))
Photo_4

 スミレの花と言えば,一般的にこの紫色を思い浮かべますが,白色やクリーム色もあったので,そちらの苗も購入しました。

(スイートバイオレット(白))
Photo_5

(スイートバイオレット(クリーム))
Photo_6

 苗を肥料入りの土を盛った長方形のプランターに移し替え,水をあげて…。
 一面に咲くスミレを期待していたのですが,数週間後に枯れてしまいました。
 かろうじて残った花を砂糖漬けにしたのですが,こちらも水気が多かったのか,冷蔵庫内でカビが生える始末。やはり素人でした…。

 スミレのシャーベットは幻となり,スイートバイオレットにもかかわらず,苦い思い出となりました。

 それでもせっかくだからと,スイートバイオレットを少し食べてみましたが,強い香りがするでもなく,決め手となるような味も感じられず,色や見た目重視の食材のような感想を持ちました。


エリザベートとスミレ

 
ウイーン宮廷での生活を窮屈に感じ,旅に生きがいを求めたエリザベート。

 当時のウイーンには「食材」としてのスミレが,エリザベートを優しく受け入れるように,あちこちに咲いていたのではないでしょうか。

 そしてスミレのデザートは,エリザベートにとって,ウイーン宮廷での数少ない安らぎを与えてくれる食べものだったに違いありません。

<参考文献>
関田淳子『ハプスブルク家の食卓』新人物往来社
菊池良生『図解雑学ハプスブルク家』ナツメ社

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宗教・食文化史」カテゴリの記事

コメント

こんにちはhappy01
スミレ、時期を考えると水やりが多かったとかかも。
手をかけすぎると、だめだったりします。
楽しみにしていたのに残念でしたね。
私も育てて、デザートを作ってみたくなりました。
お近くでしたら、お花のお裾分けをしたいです。
いつも楽しい記事をありがとうございますshine

心葉 様

コメントいただき,ありがとうございます。

水やりが多すぎたり,手をかけすぎてもだめだとは知りませんでした。
やはり育てる相手のことを深く理解しておかないといけませんね。

このスミレはほぼ1日使って,広島市やその近郊の園芸センターを何店も回った上で,唯一,苗でスミレを売っていた店があったので,そこで購入したものです。

苦労して入手しただけに,すくすくと育ち,花をつけてもらい,スミレの花で色付いたデザートを作ってみたかったのですが…。

今になって考えれば,市販のポット苗を移植して育てるより,種を蒔いて一から育てる方が,素人でも確実に育てることができたのかなとも思います。

心葉さんがお近くなら,お花を分けていただきたいのですが,なんせ私は広島ですからね(笑)。
でも,心葉さんの優しいお気持ちはしっかりと受け止めました。感謝しております。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

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