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2015年10月

2015年10月25日 (日)

バナナピーマン -なぜピーマンが嫌いな子供が多いのか-

バナナピーマン

 職場の方から,自宅の畑で採れた「バナナピーマン」という野菜をいただきました。

 その方は,他人と同じ野菜を作っても面白くないと,珍しい野菜の種や苗をインターネットで取り寄せ,自分の畑で育てておられるようです。

 私が知らないのをいいことに,「中にバナナが入っている」とか,「バナナのようなピーマンのような味がする」などと,からかわれました。

 からかわれた私は,それならと,いただいた目の前で,さっと水で洗っただけのバナナピーマンを丸ごとかぶりついてみました。

 すると,さすがにバナナの味や香りは感じられませんでしたが,青臭さや苦味の少ない,やわらかくて食べやすいピーマンでした。

 私は,そのバナナピーマンを少し分けていただき,自宅でもいただくことにしました。

 これがそのバナナピーマンです。

(バナナピーマン)
Photo

 緑色の一般的なピーマンに比べ,薄緑色(※)で,パプリカのように果肉に厚みがあります。中の種も柔らかく,丸ごと食べても抵抗感はありませんでした。

※バナナピーマンは熟度に応じ,黄緑色→クリーム色→黄色→オレンジ色→赤色(完熟)と変化するが,食べごろは黄緑色の時で,以降,完熟度が増すと果肉が固くなる。


バナナピーマンのナムル

 夜帰宅し,時間がない中,このバナナピーマンを使って,すぐに作れるおかずはないかと考えた結果,たまたま目に飛び込んだ醤油とゴマ油などを使って,ナムルを作ることにしました。

 バナナピーマンを適当な長さに切って,醤油とゴマ油を入れたボウルの中に入れてしばらく漬け,それを皿に盛って,仕上げにゴマをかければ完成です。

(バナナピーマンのナムル)
Photo_2

 今回は,醤油はカンジャンと呼ばれる朝鮮半島の醤油を使い,かくし味としてエゴマの粉を少し混ぜてみました。

 加熱料理はもちろん,生でそのまま食べてもおいしいので,サラダとしていただくのもよいかと思います。


バナナピーマンをめぐる疑問・考察

 このバナナピーマンを職場でいただいた際,「一般的なピーマンに比べて食べやすいのに,なぜあまり流通してないのか」,「バナナピーマンならピーマンが嫌いな子供でも喜んで食べるのではないか」という話題で盛り上がりました。

 順に検証してみたいと思います。


バナナピーマンの流通量が少ない理由

 流通量が少ない理由は,品種改良を重ねてできたマイナーな作物であることから,栽培管理方法(栽培期間,病害虫など)での課題があったり,知名度や消費者ニーズの低さなどの理由が挙げられるでしょう。ただ,これらの要因は,今後変化していく可能性は大いにあります。


ピーマンが嫌いな子供もバナナピーマンなら喜んで食べるのか

 職場の皆さんの話では,「バナナピーマンなら子供も喜んで食べるだろう」という考えばかりでしたが,私はあまりそうは思いません。

 「色が食欲に与える影響と食品マーケティング -倉敷のデニムまん-」の記事でも御紹介しましたが,子供がピーマンをはじめとする緑黄色野菜を好まないのは,緑や青,紫色の食べ物が,植物の未熟さ,毒性を示すことを直感的に判断するからです。
 この理論から言えば,視覚からみて,緑黄色のバナナピーマンは不利で,赤や黄色のパプリカの方がまだ有利とも言えるでしょう。

 また,嗅覚からみても,ピーマンに比べて少ないとは言え,やはり青臭さはあり,それは子供にとって未熟さの判断材料となってしまいます。

 さらに,味覚においても,アルカロイドなどから生じる苦味は,子供にとって毒性を示す判断材料となってしまいます。ピーマンに比べれば,甘さも強いので,さほど抵抗はないと思いますが,子供が喜んで食べるまでにはなかなかつながらないと思います。


大人は経験でものを食べている

 では,なぜ大人は,バナナピーマンなら子供に受けがいいだろうと思うのでしょうか。
 それは,大人は子供に比べ,様々な食べ物を食べてきた分,

(1)ピーマンに青臭さや苦さがあることを経験的に理解し,それ自体も美味しいと思えるレベルに達している。

(2)「ピーマンに比べ,バナナピーマンはくせが少なく食べやすい」と比較・判断できる能力が備わっている。

 から一方的にそう思うのであり,口にした食べ物が少なく,まだ視覚・嗅覚・味覚などの直感に頼らざるを得ない子供が思うようなことではありません。


ピーマンが嫌いな子どもへの対処方法

 そうなると,「子供がピーマンなど緑黄色野菜が嫌いなままでいいのか」という話にも発展しそうですが,いま御説明したお話で説明すると,「成長し,様々な食べ物を食べていくうちに,食材の持つ奥深さがわかるようになり,食べ物の好き嫌いも減ってくるのが自然な流れ」なので,どう対処したらよいかなどと頭を悩ませる必要はないと思います。

 それでも何とか子供にピーマンを食べてもらいたいと思うなら,料理の中に刻んで入れるような努力をするよりは,隣で大人がおいしそうに食べている姿を見せ,自発的に食べてみたいと思わせた上で,ピーマンの味に慣れさせる方が,よっぽど効果的で近道だと思うのですが,いかがでしょうか。


食育が求められる理由


 子供に限らず大人でも,食べ物の好き嫌いを無くす何よりの方法は,食の世界に興味を持つことだと思います。

 食の世界に興味を持てば,料理などを通じて,素材本来の美味しさや食べ物のありがたさがわかるようになり,食べ物を平気で捨てたり残したりしなくなります。

 食料自給率が低く,海外からの輸入に頼る日本の状況を考えると,国を挙げて食育に取り組んでいるのも理解できるような気がします。

 子供が「面白い」,「もっと学んでみたい」と思えるような魅力のある食育が求められています。

2015年10月18日 (日)

パキスタン料理の特徴と主な料理 -パキスタンスイーツ・ハラルとハラム-

神戸のハラルフード食材店

 
神戸ムスリムモスク(イスラム教寺院)の真向かいに,「北野グロサリーズ(KITANO GROCERIES)」というハラルフード食材店があります。

 店内で珍しい食品がないか探したところ,冷蔵ケースの中に「パキスタンスイーツ」というお菓子がありました。

 箱詰めされて中身は見えませんでしたが,パキスタンの食べ物で珍しいことや,お土産用に箱詰め・ラッピングされていること,値段が1,000円もすることなどから,これは贈答用の高級菓子ではないかと思い,買ってみることとしました。

 レジには,ヒジャブ(頭髪を隠すスカーフ)を着用した,イスラム圏の国出身と思われる女性店員がおられました。

 日本語で大丈夫かなと恐る恐る商品を差し出すと,彼女から「これ,むっちゃ甘いですよ~。」と関西弁で言われ,見た目と言葉のギャップが楽しかったです。

 私は「OK。甘い食べ物OKよ!」と気楽な気持ちで答えて購入し,冷蔵ケースの中に入っていたので,帰りに氷まで買って,大事に大事に広島まで持って帰ったのでした。


パキスタンスイーツ ラスグラ

 これがパキスタンスイーツの外観です。

 パキスタン南部の都市カラチにある「Rehmat-e-Shereen」という大手食品メーカーのお菓子です。

(パキスタンスイーツ外箱)
Photo

 ずっしりと重量感があります。
 それなりの値段もしたので,期待は膨らむ一方です。

(原材料表示)
Photo_2

 内容物として,ドライフルーツ,Khoya(牛乳),砂糖,Meda(小麦粉?),デシ・ギー(インドのバター),認可された着色料,そして製造過程でナッツの成分が含まれていると書かれています。

 そしていよいよ箱を開けてみました。

(パキスタンスイーツの中身)
Photo_3

 様々な種類のお菓子の詰合せを想像していたのですが,中には小さい俵むすびのようなクリーム色のお菓子が入ってました。

 レジの女性との会話に続き,今度は,想像していたお菓子とのギャップを感じました(笑)。

 包まれているビニールは,溶け出した砂糖でねちゃねちゃしており,激甘スイーツを想像させてくれます。

 パキスタンスイーツとしか表記されていませんが,これはどうやら「ラスグラ」というお菓子のようです。

(パキスタンスイーツ ラスグラ)
Photo_4

 これがパキスタンスイーツ ラスグラです。

 饅頭のように中にあんが入っている訳でもなく,代わりに,指で押さえるとシロップが染み出るぐらい,砂糖のシロップに漬けこまれた揚げドーナッツです。

 わずかなミルクの香りのするとても甘い菓子です。


(メモ)
ハラルとハラム
 ハラル(Halal)は,イスラムの教えで許された食品などのこと。「許された,禁じられていない」という意味。食肉の場合,屠殺の前に祈りを唱え,頭を聖地メッカの方に向けて殺した肉をハラルと呼ぶ。
 逆に食べることが禁じられている食品は,「ハラム(Haram)」または「ノン・ハラル」と呼ばれる。
 また,ハラルかハラムか疑わしいものは,「シュブハ(Shubuha)」と呼ばれ,できるだけ食べることを避けることとされている。

2015年10月16日 (金)

金運お守りの耳かき -京都府京都市-

本金メッキ製の金運お守りが付いた耳かきです。
金の小判の表裏には,「開運招福」,「交通安全」と記載されており,金運や財運だけでなく,様々な御利益がありそうです。
ただ,こうした独特のデザインやダジャレには,「うーん」と考え込んでしまいます。
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2015年10月12日 (月)

紅茶の研究3 -世界三大銘茶 キームン-

 ダージリン,ウバと並ぶ世界三大銘茶とされるキームン。

 「東洋の女王」,「紅茶のブルゴーニュ酒」とも称されています。

 最近では,紅茶専門店だけでなく,紅茶を幅広く取り扱う喫茶店などでもメニューで見かけるようになりました。


キームンの歴史

 
キームン(祁門,Keemun)は中国の紅茶です。

 安徽(あんき)省祁門県で14世紀頃から生産され,1906年のパリ万博,1915年のパナマ太平洋万博で金賞を受賞した頃から世界三大銘茶(紅茶)と称されるようになりました。

 昔からイギリス貴族に愛されてきた紅茶とされていますが,その背景には,当時の豊かな東洋の食文化に対して畏敬と憧憬の念を持っていたイギリス人が,中国からもたらされた紅茶にわざわざ砂糖やミルクを入れてまでも飲みやすくし,イギリス独自の紅茶文化を確立してきた歴史を垣間見ることができます。


キームンの分類

 
キームンは,中国を産地とする紅茶ですが,「中国茶」の一種でもあり,中国茶の分類(「緑茶」,「白茶」,「黄茶」,「青茶」,「紅茶」,「黒茶」,「花茶」)の「紅茶」に分類されるお茶です。


キームンの特徴

 
今回購入したキームンの茶葉は,オレンジペコー(7~11mm)からペコー(5~7mm)が中心になっていると思います。
 中国茶だけあって,紅茶に烏龍茶が混ざっているような香りがします。

(キームン茶葉)
Photo

 茶葉に熱湯を注ぐと,色は比較的出やすいですが,少し茶色が濃い赤茶色になります。(二煎目には,くすんだ赤茶色になります。)

(キームン)
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 ティーカップに注ぎ,香りを確かめると,茶葉と同様,紅茶と烏龍茶の中間のような,少しスモーキーな香りがします。
 紅茶の本には,「祁門香(きーむんこう)」と呼ばれる蘭やバラのような優雅な香りがすると説明されています。

 味も一般的なティーバッグ入り紅茶に比べると,やはりどこか烏龍茶のような,漢方茶のような味も幾分か感じられ,深いコクと,若干の渋味が感じられます。

 烏龍茶は「半発酵茶」ですが,その烏龍茶を更に発酵させたら,このような風味・味わいになるのではないかと思います。

 個人的には,まずはストレートもしくは砂糖のみで,キームンの持つ独特な香りと味を楽しむとよいのではないかと思います。
 もちろん,ミルクを入れて,まろやかなキームンを味わうのも,美味しい飲み方だと思います。


東洋文化への憧れとキームン

 
かつて緑茶や紅茶がヨーロッパに初めて輸入された当時は,ヨーロッパ人にとって,日本の茶の湯や中国の飲茶の文化は,陶磁器などの茶道具や作法も含めて,豊かな東洋文化の象徴であり,憧れの的でした。

 キームンは中国茶の紅茶という表現が合うように思います。

 その独特な味や香りが,オリエンタルな飲み物としてイギリス人を中心に支持され,世界三大銘茶の1つとして位置付けられているのではないでしょうか。

(メモ)
 キームンが「紅茶のブルゴーニュ酒」と称されるのに対し,ダージリン(主にセカンドフラッシュ)は「紅茶のシャンパン」と称されている。

2015年10月 8日 (木)

槍(風林火山)の耳かき -山梨県甲府市-

甲斐国の武将 武田信玄が軍旗に用いたことで有名な「風林火山」が書かれた槍の耳かきです。
裏面には,菱形の家紋「武田菱」のシールが貼られています。
全長が24cmもあり,お土産コーナーでもひと際目立つ耳かきです。
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2015年10月 4日 (日)

ハプスブルク家皇妃 エリザベートとスミレ -美容とダイエットの先駆者-

エリザベート

 
ハプスブルク家の皇帝 フランツ・ヨーゼフ1世の皇妃であり,ヨーロッパ宮廷随一の美貌の持ち主としても知られたエリザベート。
 ミュージカルでもよく取り上げられ,「シシー」の愛称で,今なお人々を魅了してやまない女性です。

(エリザベート)
Photo
(菊池良生『図解雑学ハプスブルク家』から引用)

 
エリザベートはその美貌と体型を維持するために,美容やダイエットに大変熱心だったようで,涙ぐましいまでの美容法,ダイエット法を試みたようです。


エリザベートの美容・ダイエット法

 
『ハプスブルク家の食卓』(関田淳子)によると,主な美容・ダイエット法として,

・「ジュース療法」…オレンジなど果物(汁)だけで食事を済ませる
・「乳清療法」…ミルクや乳清だけで食事を済ませる
・「肉ジュース療法」…子牛のもも肉をプレスして絞り出した血を(薬として)飲む
・「生肉パック」…子牛の生肉で肌をパックする
・「オリーブ油風呂」…しなやかな肌を保つため,オリーブ油の風呂に入浴する
・「運動」…美容体操,器械体操,乗馬,競歩など過激なまでの運動をし,運動後には体重を測る

 などが挙げられています。

 現代の栄養学・美容法から考えれば,疑問に思う方法もありますが,当時の本人は必死だったのでしょう。

 食事に関して言えば,用意された料理を受け付けず,決まったものしか食べなかったため,宮廷料理人泣かせだったようです。


ザッハトルテ

 
そんなエリザベートのお気に入りと言ってまず思い浮かぶのが,ウィーン菓子を代表するチョコレートケーキ「ザッハトルテ」でしょう。

(ザッハトルテ)
Photo_2

 甘いものが大好物だったようで,ときにはケーキを食事代わりにしていたようです。
 褒められた話ではありませんが,ほかの女性と同じく,甘いもの好きの一女性としての様子が伺え,親しみが持てます。


スミレを使ったデザート

 甘いものが大好きな一方でダイエットに励むエリザベートのため,宮廷の菓子料理人は,なるべく低カロリーで美味しいデザートの開発に力を注ぎました。

 そこで生まれた数々のデザートのうち,エリザベートが好んだのが,スミレを使ったアイスクリームやシャーベットでした。

 スミレのアイスクリームは,スミレをミルクの中で煮立て,冷やし固めたものだったようです。
 また,スミレのシャーベットは,スミレの花を乳鉢ですりつぶして砂糖水に入れ,冷凍させたものだったようです。

 いずれもダイエットのために生クリームは一切使われなかったという徹底ぶりです。


スイートバイオレット(ニオイスミレ)

 
スミレのシャーベットを作って,エリザベートと同じ気分を味わってみたいと思い,園芸店でスイートバイオレット(ニオイスミレ)を探してみました。

 時期的な理由もあるのでしょうが,広島市内の園芸店やホームセンターではなかなか見当たらず,かろうじて1件,苗が販売されていたので,購入し,育ててみることにしました。

(スイートバイオレットの説明書き)
Photo_3

 この説明書きを読んで,素人の私でも,スイートバイオレットが食べられる花(エディブルフラワー)であることを確認できました。

(スイートバイオレット(紫))
Photo_4

 スミレの花と言えば,一般的にこの紫色を思い浮かべますが,白色やクリーム色もあったので,そちらの苗も購入しました。

(スイートバイオレット(白))
Photo_5

(スイートバイオレット(クリーム))
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 苗を肥料入りの土を盛った長方形のプランターに移し替え,水をあげて…。
 一面に咲くスミレを期待していたのですが,数週間後に枯れてしまいました。
 かろうじて残った花を砂糖漬けにしたのですが,こちらも水気が多かったのか,冷蔵庫内でカビが生える始末。やはり素人でした…。

 スミレのシャーベットは幻となり,スイートバイオレットにもかかわらず,苦い思い出となりました。

 それでもせっかくだからと,スイートバイオレットを少し食べてみましたが,強い香りがするでもなく,決め手となるような味も感じられず,色や見た目重視の食材のような感想を持ちました。


エリザベートとスミレ

 
ウイーン宮廷での生活を窮屈に感じ,旅に生きがいを求めたエリザベート。

 当時のウイーンには「食材」としてのスミレが,エリザベートを優しく受け入れるように,あちこちに咲いていたのではないでしょうか。

 そしてスミレのデザートは,エリザベートにとって,ウイーン宮廷での数少ない安らぎを与えてくれる食べものだったに違いありません。

<参考文献>
関田淳子『ハプスブルク家の食卓』新人物往来社
菊池良生『図解雑学ハプスブルク家』ナツメ社

2015年10月 2日 (金)

鯵の開きの耳かき -鳥取県境港市-

境港さかなセンターの鮮魚売り場に,何気なく売られていました。
ほかにも,鯵の開きそっくりのはがきなどがありました。
今ではよく見かけるこうしたリアルお魚グッズも,訪問当時は珍しく,境港のお土産として売られていました。
においまで伝わってきそうな耳かきです。
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