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2016年2月14日 (日)

マシュマロの和洋菓子とホワイトデーの誕生 -チョコレートチャンクピザ・鶴乃子・チョコマシュマロ-

チョコレートチャンクピザ

 イスラエルで創業し,ニューヨークを拠点にチョコレートバー,レストランを展開する「MAX BRENNER(マックス ブレナー)」のチョコレートチャンクピザです。

(チョコレートチャンクピザ)
Photo

 見た目のインパクトが強いスイーツ系ピザです。

 厚めのピザ生地の上にミルクチョコレートとホワイトチョコレートのチャンク(chunk,大きめに刻んだかたまり)をのせ,更にその上にトーストしたマシュマロをのせて焼かれたピザです。

 ピザ生地は,甘くない,パンのような生地なのですが,その分,チョコレートやマシュマロの甘味が強くなっています。

 焼き立て,または温めて食べると,あつあつにとけたマシュマロとチョコレートソースの濃厚な甘味があり,ピザ生地がその濃厚な味をうまく受けとめて,全体が上手く調和する仕上がりとなっています。

 味,材料の組み合わせ,ボリュームとも,アメリカナイズされたお菓子と言えるでしょう。

なぜピザにマシュマロをのせるのか

 マシュマロに熱を加えると,淡雪のようにやわらかく,クリーミーになります。

 この特徴を生かし,ピザ生地にマシュマロをのせて焼くと,ピザを引っ張った時に,そのやわらかさで,まるで溶けたチーズのようにマシュマロが糸を引いて長く伸びます。

 そして,食べた時に口の中でふわっととろける生クリームのような味や食感を味わうことができるのです。

 また,今回のチョコレートチャンクピザでは,トマトソースの代わりにミルクを入れて溶けやすくしたチョコレートがソースとなっていますが,厚めのピザ生地は,こうして溶けこぼれそうなチョコレートソースやマシュマロをうまく支える皿の役割も果たしていると言えます。


鶴乃子・チョコマシュマロとホワイトデーの誕生

 博多銘菓「鶴乃子」(石村萬盛堂)は,マシュマロ生地の中に黄身あんが入ったお菓子です。

(鶴乃子)
Photo_2

 ふんわりやわらかく,真っ白いマシュマロと,中の黄身あんで,甘い玉子のような見た目,味となっています。

 「鶴乃子」は,和菓子の饅頭からヒントを得たお菓子だと言えるでしょう。

 ちなみに,この「鶴乃子」とは逆に,アメリカのパイ菓子からヒントを得て,マシュマロをパイではさみ,チョコレートでコーティングしたお菓子が,森永製菓の「エンゼルパイ」であることは,とても興味深い話です。

 そして,この「鶴乃子」と同じ製法で,黄身あんの代わりにチョコレートを入れた菓子が,同じ石村萬盛堂の「チョコマシュマロ」です。

(チョコマシュマロ)
Photo_3

 石村萬盛堂は,バレンタインデーのお返しの日として3月14日を「マシュマロデー」として創設し,この「チョコマシュマロ」を売り始めました。

 これが後にマシュマロの白を連想させる「ホワイトデー」と名前を変え,他のお菓子業界の参入もあって,今やすっかり日本の行事として定着し,現在に至っています。

 石村萬盛堂は,創業以来,日本三大銘菓である「鶏卵素麺」を製造しておられる会社です。

 この「鶏卵素麺」は卵黄しか使わず,どうしても卵白だけが残るために,卵白だけ使ったお菓子であるマシュマロの製造にも力を入れるようになりました。

 そのマシュマロを使ったお菓子が銘菓「鶴乃子」です。

 更に,この「鶴乃子」の製法を生かし,マシュマロの中にバレンタインデーのチョコレートを入れて,男性から女性へのお返し用のお菓子として売り出されたのがこの「チョコマシュマロ」なのです。

 ということは,現在のホワイトデーは,はるか昔,ポルトガルから伝来した南蛮菓子「鶏卵素麺」が発端となり,様々な要因・歴史を経て生まれた日本の行事だと言うことができるでしょう。

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コメント

バレンタイン・デーもホワイト・デーも
お菓子業界に踊らされてる?って思って
現在は、あまり積極的に参加しない私です。
でも、バブルの頃に20代だったころ、
デパートで山盛りの義理チョコを買い、会社で配りまくり、
ホワイトデーには、山盛りのお返しを貰ってましたね~
経済の活性化に貢献してました
この記事読んで、そういえば、昔は『マシュマロデー』って言ってたような・・・
そうか、マシュマロ・デーからホワイト・デーに発展したのか~
チョコレート・チャンク・ピザもホワイト・デーも
何にせよ、最初に考えた人って凄いな

食いしん坊倶楽部・海 さま

今回の記事は,食いしん坊倶楽部・海さんからチョコレートチャンクピザのお問い合わせがあったことを受け,その説明をさせていただこうと書き始めたものですが,マシュマロについてまとめているうちに,ホワイトデーの話にまで及びました。
この記事で「そうか」と思っていただけたことが1つでもあったなら,とても嬉しいです。
この記事は2月14日に掲載しましたが,よく考えると,「そうか」,この日は「ホワイトデー」ではなくて「バレンタインデー」でしたね(笑)。
お話のとおり,最初に考えた人はすごいですが,その多くはひらめきではなく,何らかの必要性や関連性があってのことがほとんどだと思います。
鶏卵素麺→マシュマロ→鶴乃子→チョコマシュマロ→ホワイトデーの流れのように,その食にまつわる物語を知ること,それこそが食文化を学ぶことにつながるのでしょうね。
コウジ菌

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