ひろこうフェスタ in 広島拘置所(前編) -性格テスト,人権・薬物クイズ,拘置所内見学-
広島拘置所は,広島市の中心部,国の行政・司法機関が集まっている場所にあります。
(広島拘置所遠景)
私は広島拘置所の向かいの病院で生まれました。
小学生の時,その病院に一時入院したのですが,病室の窓から眺める向かいの大きな建物は一体何なのだろうと思いながら入院生活を過ごしたものです。
そんな思い出のある広島拘置所で,「ひろこうフェスタ」というイベントが開催されることを知り,訪問しました。
(「ひろこうフェスタ」チラシ)
開催時刻少し前に到着したので,表門で少し待つこととなりました。
(広島拘置所表門)
やがて開催時刻の9時を迎え,刑務官の「開門!」という発声とともに,重厚な扉が開けられ,少し緊張気味に構内に入りました。
入ってすぐのメイン会場では,ステージでの演奏・合唱,広島矯正管区管内の各刑務所(鳥取・松江・岡山・山口)による刑務所作業製品の展示即売,広島県警によるパトカー・白バイ展示などがあり,開催当初から大変賑やかでした。
私はまず建物内の矯正広報コーナーへ行き,パネル展示を見学したり,矯正医療の現状についてお話を伺ったりしました。
特に矯正医療については,「ムショ医 女子刑務所のカルテ」(佐藤智美 芳文社コミックス)を読んだことがあるので,イメージしやすかったです。
せっかくなので,腰を据えて,じっくり拘置所内を見学させていただくこととしました。
広島少年鑑別所による性格テスト
拘置所の面会待合室で,広島少年鑑別所の性格テストを受けました。
設問にマークシートで回答し,コンピュータにより即時に性格を分析してもらうものです。
私の性格の分析結果は次のとおりです。
「あなたは人に悪く思われたり,非難されたりすることを気にしやすく,まわりに気をつかって,自分を抑えることが多い人のようです。
きまじめで,適当にふざけたりいいかげんにしたりすることができず,まわりからはかたくるしいと思われることがあるかもしれません。
もっと肩の力を抜いてゆったりやってはいかがでしょうか。」
きまじめで,適当にふざけたりいいかげんにしたりすることなく回答した結果でしょうか。適当にふざけてるところもあるのですが…(笑)。
広島法務局の人権クイズ
私は現在,職場の人権学習に取り組んでいることもあり,人権についても理解を深めようと,クイズに参加してみました。
人権クイズは全部で5問あり,点字ブロックの意味,ピクトグラム(絵文字)の意味,色鉛筆のうち「はだいろ」の選択,人権シンボルマークの意味,車につける身体障害者標識の選択という設問だったのですが,見事全問正解でした。
そのうちで印象深かったのが,色鉛筆の「はだいろ」はどれかという設問で,はだいろに近い色が20種類近く用意されており,(1)○番,(2)△番と□番,(3)全部 の3択でした。
白い肌に近い色,褐色の肌に近い色が選択肢に入っており,少し迷いましたが,「もしかして,これがはだいろですと決めつけること自体が人種差別につながるのではないか」と思い,「(3)全部」で回答したところ,考え方も含めて正解でした。
中国四国厚生局麻薬取締部のクイズ
薬物に関するクイズに答え,銃の的当てに命中すれば記念品がもらえるというイベントでした。
クイズは,「危険ドラッグは麻薬や覚せい剤に比べて安全だと思うか」など,下手に間違えたら,そのまま逮捕されそうな内容でしたが,無事クリアし,的当ても命中して,記念品をいただきました。
(「STOP the 薬物」記念品)
拘置所内見学ツアー
受付を済ませ,広島拘置所の中を見学しました。
厳粛な雰囲気の中,実際の運動場,洗濯場,居室などを見学することができました。
運動場で,刑務官に「ここでタバコも吸えるのですか。」と質問したところ,「タバコどころか,火気厳禁です。」と教えていただきました。
どうやら私は警察の留置場と混同していたようで,その留置場でも現在は禁煙とされているようです。
居室は畳部屋で奥にトイレ部屋もありましたが,想像していたより広く明るい部屋でした。
冬は寒そうですが,イベント当日のようにドアを開けておくことは絶対ないので,風が入ることはないそうです。
食事についてのパネル展示もあり,性別,年齢,体格,作業内容などにより,男性が1日約1,200~1,600kcal,女性が1,100~1,400kcal,少年が1,200~1,700kcalと決められています。
若干カロリーが少ないかなとも思うのですが,外出しない分,エネルギー消費量も少なく計算されているのかも知れないと思いました。
食費は1人1日約530円,行事用の特別食として1人年間約600円となっています。
行事用の特別食については,年末年始の食事代がメインになるのでしょう。
麦ご飯の米と麦の割合は7対3と決められているそうです。
私が普段食べている麦ご飯は,それと同じか,むしろ麦の割合が多いぐらいなのですが,私はもはやすっかりこの割合に慣れていて,たまに米だけのご飯を同じ量食べようとしてもお腹一杯になってしまいます。
このほか,会場内に「塀の中のマルシェ」と名付けられた軽食コーナーもあり,ネーミングも含めて,よく考えられているなと思いました。
「ひろこうフェスタ in 広島拘置所(後編) -革製品制作体験・刑務所製コッペパン・記念品-」に続きます。
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コメント
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市の中心部にあるのですか~??スゴイ。
滅多には入れませんよね~(笑)
留置所と拘置所の違いは~???頭が混乱(笑)
投稿: ヒナタ | 2016年12月 5日 (月) 13時59分
ヒナタ 様
広島市の一等地にあり,裁判所に隣接してます。
こういうイベントでもないと,なかなか様子がわからないので,今回とても勉強になりました。
留置場も拘置所も刑が確定するまでの人が入所する施設ですが,留置場は主に警察署内にあり,検事に起訴されるまでの間に入所する施設,拘置所は法務省の所管で,裁判中の人が主に入所される施設となっているようです。
でも,拘置所でも刑務所と同様の作業をする方もおられ,このような方は拘置所での作業期間も刑期に参入されるとのお話でした。
拘置所は基本的に懲役を行う施設ではなく,刑が確定するまでの間の人や死刑囚を収容する施設なので,刑務官の方に,運動場でタバコを吸うことができますかという質問をしてみた訳です。
実際は,叱られるような感じで否定され,恥ずかしい思いをしましたが…(笑)。
投稿: コウジ菌 | 2016年12月 5日 (月) 22時15分
(笑)やはり、それだけ、厳しいのでしょうね^^;
分かりやすく、説明頂きありがとうございます。
そう言えば、時々、色んな小物とか木材で作られたタンスやイスとか
展示販売していたような気がします。
投稿: ヒナタ | 2016年12月 6日 (火) 14時20分
ヒナタ 様
おっしゃるとおり,厳しい制限は色々あると思います。
施設内見学の際にも,携帯電話やカメラなどは別の袋に入れ,ライターなどの持ち物は絶対に落とさないようにとお願いがありました。
「矯正展」などの名称で刑務所作業製品の展示・即売が行われていますね。
会場内で,食べ物関係で何かないか見て回ったところ,コッペパンや麺などが売られていました。
その内容は,後編の記事で御紹介できればと思います。
さすがヒナタさん,耳かきに続き,勘が鋭いですね(笑)。
投稿: コウジ菌 | 2016年12月 7日 (水) 00時27分
あまり、褒められたことないので~(笑)
後編楽しみにしてま~す(*´ω`*)
投稿: ヒナタ | 2016年12月 7日 (水) 16時06分