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2017年7月

2017年7月29日 (土)

ドイツ・ウィーン菓子の特徴と主な菓子2 -フェアレンゲルター・カイザーシュマーレン・トプフェンクヌーデル-

 ヨーロッパで歴史的にカフェが有名な都市と言えば,パリ,ロンドン,ウィーンです。

 パリのカフェは政治論議の場やフランス革命の発信源として,ロンドンのカフェは海上保険や株式売買など情報交換の場として,そしてウィーンのカフェは文学の拠点として,それぞれ賑わいを見せました。

 現代のウィーンのカフェは,飲み物だけでなく,ケーキや菓子類もたくさん用意されており,ウィーン菓子の伝統と誇りを感じることができます。

 今回は,ウィーンに本店のある東京・青山の「カフェラントマン」でいただいたコーヒーやお菓子を御紹介します。


フェアレンゲルター

 「フェアレンゲルター」は「薄めのコーヒー」といった意味で,アメリカンコーヒーの意味でも使われています。

(フェアレンゲルター)
Photo

 アメリカンコーヒーを「フェアレンゲルター」と表現されていると,全く別の飲み物のように聞こえますね(笑)。


トプフェンクヌーデル

 オーストリアでは,料理でもお菓子でも「クヌーデル(団子)」がよく登場します。

 小麦粉が加えられるので,「メール・シュパイゼ(粉もの料理・菓子)」とも呼ばれます。

 クヌーデルはそのまま料理の付合せにされたり,スープに入れて食べられたり(クヌーデル・ズッペ),デザートとしても食べられており,オーストリアではポピュラーな食べ物です。

 今回御紹介するお菓子「トプフェンクヌーデル」の「トプフェン」はチーズという意味で,要するにチーズ団子のお菓子です。

 クリームチーズに砂糖・バター・玉子・小麦粉などを加えて団子にして茹で,その団子に焼いたパン粉をまぶしたお菓子です。

 時のオーストリア皇帝フェルディナント1世(1835~48)が好んだ菓子でもあります。

(トプフェンクヌーデル)
Photo_3

 チーズを丸め,焼いたパン粉をつけて,粉砂糖をまぶしたクヌーデルです。

 皿にはベリーソースが添えられています。

(トプフェンクヌーデル(中身))
Photo_4

 トプフェンクヌーデルの中の様子です。

 やわらかいカッテージチーズ(牛乳に酢やレモン汁を加えて凝固させて作られるチーズ)がフィリングとなっています。

 チーズ特有のクセが少なく,ベリーソースを添えながら美味しくいただきました。

 チーズや小麦粉で作られた団子ということもあって,とても食べ応えのあるデザートでした。


カイザーシュマーレン

 カイザーシュマーレンは,レーズン入りのパンケーキのお菓子です。

 「カイザーシュマーレン」の「シュマーレン」は「無価値なもの,くだらないもの」という意味です。

 この意味からすると,イギリスの「トライフルケーキ」(「トライフル」は「つまらないもの」という意味)と同じニュアンスのケーキだと言えるでしょう。

 意訳すれば「ありあわせの食材で作られたケーキ」という意味となります。

 シュマーレンは,もともとはアルプス地方の料理だったようです。

 このケーキは,時のオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ(1848~1916)が好んだ菓子としても有名です。

 ここでピンときた方もおられるでしょうが,「カイザーシュマーレン」の「カイザー(皇帝)」とは,この場合,皇帝フランツ・ヨーゼフを意味します。

 このカイザーシュマーレンには逸話があります。

 カイザーシュマーレンは当初,フランツ・ヨーゼフの皇紀エリザベートに出されたお菓子なのですが,彼女はこれに手をつけようとすらしなかったのです。

 この様子を見兼ねた夫のフランツ・ヨーゼフは,このお菓子を口にし,残すことなく全部召し上がったそうです。

 こうしたいきさつから,宮廷菓子料理人が当初は「カイゼリン(皇紀)シュマーレン」と命名しようとしたお菓子が「カイザーシュマーレン」と命名されることとなり,後にオーストリアを代表するお菓子となりました。

 こちらが,そのカイザーシュマーレンです。

(カイザーシュマーレン)
Photo_4

 レーズン入りのパンケーキが一口大にちぎられ,表面に粉砂糖がまぶされています。

 写真上側のソースは,スモモとリンゴのフルーツソースです。

 これらのソースをつけていただきました。

 食感や味から例えると,厚めに焼かれたレーズン入りのホットケーキを一口大にちぎったものが近いように思いました。

 シンプルな味のパンケーキなので,フルーツソースにつけていただくと変化が楽しめ,より一層美味しくいただけました。


 今回,私は欲張って,通常はデザート1皿のところを,単品でもう1皿デザートをお願いし,一度に2皿もデザートをいただきました。

 「夢のようだ」と喜んだのもつかの間,いずれもメール・シュパイゼなので,食べ続けるうちに,動くのも面倒になるほどお腹が一杯になりました。

 「食べ応えがあるかどうか」もお菓子の大切な要素の1つとされ,今に伝えられているのでしょう。


<参考文献>
 関田淳子『ハプスブルク家の食卓』新人物往来社

<店舗情報>
 「カフェ ラントマン」(東京都港区北青山3-11-7 AOビル4F)

<関連記事>
 「ハプスブルク家皇妃 エリザベートとスミレ -美容とダイエットの先駆者-
 「ドイツ・ウィーン菓子の特徴と主な菓子1 -シュトロイゼルクーヘン・レープクーヘン・バウムクーヘン-
 「オーストリア料理の特徴と主な料理 -カイザーゼンメル,グーラッシュ,キプフェル,ウィンナーシュニッツェル-

2017年7月22日 (土)

オーストリア料理の特徴と主な料理 -カイザーゼンメル,グーラッシュ,キプフェル,ウィンナーシュニッツェル-

オーストリア料理の主な特徴

 オーストリアは,ウィーンを中心にハプスブルク家をはじめとする宮廷文化が栄えた国です。

 そのため,食の世界においても宮廷料理・菓子を中心とした食文化が形成され,「オーストリア料理」として確立しました。

 また,様々な言語・文化を持つ人々で構成される多民族国家であったため,全ての道は帝都ウイーンに通じるという意味から「ウィーン料理」とも称されます。

 オーストリア料理の主な特徴としては,

(1)イタリア,ドイツ,フランス,ハンガリーなどの影響を受けながら,洗練された貴族料理を形成している。
(2)海がなく山に囲まれ,冬の寒さが厳しい気候風土のなかで,食材の持ち味がよく生かされている。
(3)牛肉をはじめとする煮込み料理が多く,野鳥や野菜も多用される。
(4)ウィンナーコーヒー,ウィンナーソーセージ,ウィンナーロール,ウィンナーシュニッツェルなど「ウィンナー(ウィーン風)」と名付けられ,日本でも親しみのある料理が多い。
(5)ザッハ・トルテやアプフェル・シュトゥルーデルなど,「ウィーン菓子」とも称される伝統的な菓子が多い。

 ことが挙げられます。


オーストリア料理の代表的な名称

 オーストリア料理には,次のような名称がよく用いられていますので,覚えておくと便利です。

(料理)
 シュパイゼ…料理,食事
 クラプフェン…揚げパン
 クヌーデル…団子
 グーラッシュ…牛肉,パプリカ,玉ねぎなどの煮込み料理
 シュニッツェル…薄切り肉のカツレツ
 カイザー…皇帝の
 ズッペ…スープ

(菓子)
 クーヘン…ケーキ菓子
 トルテ…円形のケーキ
 シュトゥルーデル…渦巻き
 マンデル…アーモンド
 コッホ…ビスケットやゼンメルパンなどを砕いて加えたお菓子


カイザーゼンメル

 それでは,実際にいくつかオーストリア料理を御紹介したいと思います。

 まずはパンを御紹介します。
 
 カイザーゼンメルは小型の丸いロールパンで,パンの表面に王冠のような独特の模様が描かれているのが特徴です。

(カイザーゼンメルと前菜)
Photo

 写真左上のパンがカイザーゼンメルです。

 カイザーは「皇帝の」,ゼンメルは「(小型の)パン」という意味になります。

 シンプルなロールパンなので,どんな食事にも合うように思いました。

 なお,手前の前菜(フォアシュパイゼ)は,上から時計回りに,ウィーン風ポテトサラダ(じゃがいも,玉ねぎなどの材料で,マヨネーズを使わず酢などで調味されるポテトサラダ),グリーンサラダ,サーモンのマリネ・サワークリーム添え,パテのベリーソース添えです。


グーラッシュ

 ハンガリー発祥の牛肉・玉ねぎ・パプリカなどを煮込んだ料理で,「ハンガリー風牛肉煮込み料理」とも呼ばれるウイーンの代表的な料理です。

 ハンガリーでは「グヤーシュ」と呼ばれています。

(グーラッシュスープ)
Photo_2

 かつてハプスブルク帝国は,ハンガリーの独立運動を抑制しつつハプスブルク家による支配を存続させるため,両国に政府と議会を置きながらも,オーストリア皇帝がハンガリー王を兼ねるという「オーストリア=ハンガリー二重帝国」を成立させました。

 こうした歴史の中で,オーストリアとハンガリーの食文化の交流も図られ,グーラッシュも広まっていったと考えられます。

 この料理で重要なのは何と言ってもパプリカ,そして牛肉です。

 パプリカは,オスマン帝国のトルコ人によってハンガリーに持ち込まれた食材とされ,「パプリカなくしてハンガリー料理は存在しない」と言われるほど,ハンガリー料理には必要不可欠な食材となっています。

 また,「グヤーシュ」はもともと「牛飼い」・「牛の群れ」という意味で,ハンガリー人の祖先が騎馬民族だった頃の煮込み料理だったことから,牛肉も重要な食材となっています。

 今回御紹介しているグーラッシュスープは,パプリカで牛肉をコトコト煮込むことにより,ビーフシチューのような深い味わいのスープとなっており,パンと一緒に美味しくいただけました。


キプフェル

 キプフェルは三日月形のパンです。

(キプフェル)
Photo_5

 三日月形のパンは,ハンガリーに攻め込んできたオスマン帝国の旗印(三日月はイスラム教の象徴)をかたどったもので,ハンガリーを発祥とする説が有力です。

 それがウィーンに伝わり,後にオーストリア(ウィーン)が本場のパンとなりました。

 その後さらにフランスに渡り,クロワッサンとして広く親しまれるようになりました。

 そのため,フランスでは,クロワッサンはブリオッシュとともに「ヴィエノワズリ(ウィーン趣味)」のパンと呼ばれています。

 今回のキプフェルは,「塩パン」のようなシンプルでやわらかいパンで,香り付けのキャラウェイシードにより,さわやかな感じの仕上がりとなっていました。


ウィンナーシュニッツェル

 オーストリア(ウィーン)を代表する料理と言えばウィンナーシュニッツェルでしょう。

 ウィンナーシュニッツェルは,ウィーン風薄切り肉のカツレツという意味となります。

 仔牛などの肉を叩いて薄くのばし,パン粉をつけてバターなどの油で揚げ焼きしたカツレツです。

(ウィンナーシュニッツェル)
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 このウィンナーシュニッツェルは,仔牛のカツレツの上に揚げたパセリがのせられ,キャラウェイシードを振ったじゃがいもが添えられています。

 皿に添えられたレモンをかけ,甘いベリーソースをつけながらいただきました。

 カツレツにレモン汁はまだしも,甘いベリーソースをつけるのはいかがなものかと思いながらいただきましたが,ベリーソースをつけることでカツレツの持つ揚げ物のしつこさが消え,甘酸っぱい味がアクセントとなって不思議とよく合い,食が進みました。

 お店の方からも,「オーストリア人は様々な料理にこの甘いベリーソースをつけて食べるのが好き」だと伺いましたが,実際いただいてみて理解できるようになりました。

 なお,このウィーン風カツレツは,イタリア・ミラノの料理「ミラノ風カツレツ」(仔牛肉を薄くのばし,チーズ入りのパン粉をつけて揚げ焼きしたカツレツ)がルーツとされています。

 ヨハン・シュトラウス1世作曲の有名な「ラデツキー行進曲」は,北イタリアの独立運動制圧のためにミラノへ遠征したオーストリア軍のラデツキー将軍の功績をたたえて作られた曲ですが,このラデツキー将軍がミラノから「ミラノ風カツレツ」をウィーンに持ち帰り,カツレツが広まったと言われています。

 さらに,こうしたウィーン風カツレツやミラノ風カツレツをもとに,日本では明治以降「カツレツ」が作られるようになり,昭和のはじめになると「とんかつ」が誕生することとなります。

 「ラデツキー行進曲」とカツレツの関係。ちょっとした話のネタにすれば,「ラデツキー行進曲」の演奏会のように,周りから自然と拍手が沸き起こるかも知れません(笑)。


オーストリアの歴史を物語る数々の料理

 いくつか料理を御紹介してきましたが,こうした料理はオーストリアの歴史そのものを物語っているとも言えます。

 オーストリアは中央ヨーロッパに位置しており,かつては,神聖ローマ帝国の誕生やハプスブルク家の活躍もあって,「陽の沈まない帝国」の中心地としてヨーロッパに強い影響力を持っていた国です。

 その結果として,独自の宮廷文化が栄えることとなりましたが,一方で言語や文化の異なる多民族国家をまとめる必要が生じ,近隣諸国との衝突も数多く経験することとなりました。

 こうした歴史的背景のもとに,現在に継承されるオーストリアの食文化が形成されることとなったわけです。

 今回御紹介した料理も,「カイザー」(皇帝の)と名の付く宮廷ゆかりの「カイザーゼンメル」,オスマン帝国(トルコ)やハンガリーの影響を受けた「キプフェル(三日月パン)」や「グーラッシュ」,ミラノなど北イタリアをオーストリアに奪還した際にラデツキー将軍が持ち帰ったとされる「ウィンナーシュニッツェル」という具合に,それぞれの料理がオーストリアの歴史を物語っているのです。

 このようなお話を踏まえた上で,オーストリア料理の特徴をまとめるなら,「ハプスブルク家を中心とした宮廷文化に育まれ,近隣諸国の異なる食文化をうまく融合させながら発展してきた料理」だと定義できるでしょう。


<参考文献>
 岡田 哲「世界の味探究事典」東京堂出版
 関田淳子「ハプスブルク家の食卓」新人物文庫
 菊池良生「図解雑学 ハプスブルク家」ナツメ社
 21世紀研究会編「食の世界地図」文春新書

<参考サイト>
 「オーストリア政府観光局公式サイト

<店舗情報>
 「カフェ ラントマン」(東京都港区北青山3-11-7 AOビル4F)

<関連記事>
 「ハプスブルク家皇妃 エリザベートとスミレ -美容とダイエットの先駆者-
 「ドイツ・ウィーン菓子の特徴と主な菓子 -シュトロイゼルクーヘン・レープクーヘン・バウムクーヘン-

2017年7月19日 (水)

ブルース・リーの耳かき -神奈川県横浜市-

横浜中華街には,中華料理店はもちろんのこと,中華食材店やお土産店など中国関連のお店が勢ぞろいしていて,まるで中国を旅しているような気分になれます。

そんな横浜中華街のお店で見つけたのが,このブルース・リーの耳かきです。

龍の絵に耳かきを意味すると思われる「耳」と書かれた赤いしおりが入っていました。

両手にお得意のヌンチャクを持ち,横目で相手をにらむお馴染みのポーズをしています。

ブルース・リーの人形が重いので,「アチョー」と叫びながらヌンチャクのように耳かきを振り回すのも楽しそうです。

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2017年7月13日 (木)

「近大発ナマズ」の魅力に迫る -「なまずの蒲焼」-

7月2日はナマズの日

 毎年7月2日はナマズの日です。

 埼玉県吉川市,福岡県大川市,広島県神石高原町などナマズにゆかりのある全国の自治体で構成される「全国なまずサミット」により制定された記念日で,ナマズ「702」の語呂にちなんだものです。

 2017年7月2日には,広島市南区のマツダスタジアムで「第2回全国なまずサミット」が開催され,広島県立油木(ゆき)高等学校で養殖したナマズ丼も販売されて大いに賑わったようです。

 広島県立油木高等学校によると,同校産業ビジネス科の「ナマズ・プロジェクト」として,広島県神石高原町にある「油木百彩館」で,毎月第4土曜日にはナマズカレーを,第4日曜日にはナマズ料理をそれぞれ味わえるようです。


近大発「なまずの蒲焼き」

 ナマズの日の前日の2017年7月1日,広島市内のイオンの鮮魚コーナーに「なまずの蒲焼」が販売されていました。

(「なまずの蒲焼」(包装))
Photo

 近畿大学世界経済研究所の有路昌彦(ありじまさひこ)教授監修の「近大発ナマズ」を用いて調理された蒲焼です。

 ウナギの蒲焼と同じ場所に陳列されており,1尾あたりの値段もウナギの蒲焼とほぼ一緒でしたので,現時点では決して安い商品とは言えません。

 ただ,年々ウナギの漁獲量が減少傾向にあるなか,新たな食材として注目される可能性は大いにあるので,どんな食べ物なのか興味を持ち,購入してみました。


「なまずの蒲焼」の見た目

 パックから「なまずの蒲焼」を取り出し,全体を撮影してみました。

(「なまずの蒲焼」(1尾))
Photo_2

 全長約30cmあります。

 全身がすっぽりと厚い皮に覆われています。

 次に裏側も見てみましょう。

(「なまずの蒲焼」(裏側))
Photo_3

 裏側はナマズの白身ですが,とてもやわらかく,水分も多く含まれているため,多少ふやけたような感じになっています。

 こうしてみると,ウナギとナマズでは体形が異なることもあり,見た目については,ウナギの蒲焼とは少し異なると言えるでしょう。


「なまずの蒲焼」の身の特徴

 次にウナギの蒲焼と同様に「なまずの蒲焼」をスライスしてみました。

(「なまずの蒲焼」(スライス))
Photo_4

 ナマズの皮がグニョグニョ,ネバネバしているため(弾力性と粘性が高いため),身が切りにくいです。

 また,身を切っても,皮と身の間にネバネバ(ムコ多糖類などの粘性物質)が多く,脂も多いため,皮と身がはがれやすくなっています。

(「なまずの蒲焼」(皮と身))
Photo_5

 写真のとおり,皮が厚く,皮と身を容易にはがすことができます。


「なまずの蒲焼」の実食

 「なまずの蒲焼」に添付されていたタレと山椒(ウナギの蒲焼用)を切身にかけ,実際にいただいてみました。

 蒲焼のタレと山椒をかけると,ウナギの蒲焼とよく似た感じになりました。

(「なまずの蒲焼」)
Photo_6

 ナマズの厚い皮の内側にかなり脂がのっており,その味や脂を焼いた香ばしい香りが,ウナギの蒲焼のそれととてもよく似ています。

 これは嬉しいことです。

 一方,ナマズの身については,水分が多く含まれるためか,ウナギよりも白く,淡泊な味となっています。
 私の食べた感覚では,引き締まったタラの身やアナゴの身に近いように思いました。

 ただ,ナマズを使ってここまでウナギの蒲焼に近づけるためには,相当な努力があったことは確かでしょう。

 普通に野生のナマズを捕ってきて蒲焼に調理しても泥臭さを感じてしまうと思いますが,この「なまずの蒲焼」はウナギの蒲焼に近い味・風味になっており,とても美味でした。

 希少で高嶺の花となってしまったウナギに比べ,人工ふ化や完全養殖が可能なナマズを用いて「ウナギ味のナマズ」を開発されたことは,大いに評価されるべきことだと思います。


ナマズ本来の魅力を消費者へ

 今回いただいた「なまずの蒲焼」ですが,現時点ではウナギの蒲焼とほぼ同じ値段で販売されていることから,厳しい意見を言えば,これならウナギの蒲焼を買いたいと思う消費者の方が圧倒的に多いことでしょう。

 「ウナギの代わり」として売り出す以上は,比較的値段が安いといった別の大きな魅力がないと,新たな需要の掘り起こしにつなげることは難しいと思います。

 私としては,ナマズを「ウナギの代わり」として扱うのではなく,新たな食材として蒲焼以外の料理を開発するなど,もっと幅広く可能性を探ってみることも重要なことだと思っています。

 希少となっているウナギの味に近づけることだけにとらわれず,ナマズ本来の魅力をもっと消費者に伝えることに力を注ぎ,新たな市場を開拓することも,有効な方法の1つではないでしょうか。

2017年7月11日 (火)

京都八ッ橋ちゃんの耳かき -京都府京都市-

京都のお土産の定番,八ッ橋の耳かきです。

三角の形や色の組み合わせから,正確には「京都生八ッ橋ちゃん」の耳かきでしょうね。

「旗持ち」と呼ばれる,地名やキャラクター名が書かれた旗を持っています。

旗で京都の八ッ橋であることを書き示しておかないと,キャラクターだけではおむすびか何かと間違われ,生八ッ橋だと思ってもらえない可能性もありそうです。

お腹に若干ふくらみが見られますが,これは中に小豆あんなどが入れられていることを表現したものなのでしょう。
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2017年7月 5日 (水)

野菜と果物から作られるオタフクお好みソース -オタフクスペシャルとベジラビットオリジナルソース-

「ベジラビット(Vege Love it!)」

 広島市西区の大型ショッピングセンター「LECT(レクト)」に,お好みソースで有名なオタフクソース株式会社が出店されている「ベジラビット(Vege Love it!)」があります。

 店名のとおり,ベジ(野菜,Vegetable)を主体にしたお店で,お好みソースや酢を扱うオタフクの特色を生かした野菜料理や野菜食品が揃えられています。

 「ベジコ焼」と呼ばれる野菜のお好み焼や野菜スムージー,オリジナル調味料・ドレッシングなど,野菜をおいしくたくさん食べられるよう工夫された手作り料理や調味料が用意されています。


オタフクスペシャル

 このお店で私が興味を持ったのが,野菜のスムージー「オタフクスペシャル」です。

(「オタフクスペシャル」(陳列))
Photo

 写真の説明書きにあるように,「トマト,にんじん,たまねぎ,デーツ,りんごなどオタフクお好みソースに入っている野菜と果物」で作られるスムージーなのです。

 「オタフクスペシャル」を注文すると,その場で細かく刻まれた野菜・果物がミキサーにかけられ,飲みやすいドリンク(スムージー)にしていただけます。

 こちらの写真がスムージーとなった「オタフクスペシャル」です。

(「オタフクスペシャル」)
Photo_2

 実際にいただいてみました。

 仕上がりの色もそうですが,にんじんとトマトの味や風味を強く感じました。

 また,デーツやりんごの持つほんのり自然な甘さも感じられました。

 絞られてないので,野菜や果物の食物繊維も残っており,低カロリーの割には飲み応えも十分です。

 そして,その味やドロッとした食感から,どこかオタフクお好みソースの原点のような感じもしました。


デーツについて

 ここで,御参考までにデーツについて御紹介したいと思います。

 デーツは,中近東や北アフリカを中心に栽培されているナツメヤシの実です。

(乾燥デーツ)
Photo_3

 日本でもドライフルーツのコーナーで見かけるようになりました。

 オタフクお好みソースには,「甘味のもと」として使われています。

 デーツと言えば,私は「神戸モスク」(神戸にあるイスラム教の礼拝堂)を訪問した際に入口に乾燥デーツが用意されていたことを思い出します。

 イスラム圏の人々にとって,デーツは「神の与えた食物」,「エデンの園の果実」として重要な食べ物の1つとされているのです。


オタフクお好みソースとその原材料

 私は食品表示を見て,その食品の構成などを知ることを習慣化しているのですが,今回いただいた野菜スムージー「オタフクスペシャル」の説明書きを読んだ瞬間,これはオタフクお好みソースの原材料とよく似ていると思いました。

 ここで,オタフクお好みソースについても触れておきたいと思います。

(オタフクお好みソース)
Photo_10

 今では広島の味として全国で販売されるようになりました。

 そのお好みソースの食品表示を見てみましょう。

(オタフクお好みソース(食品表示))
Photo_4

 原材料表示には,「野菜・果実(トマト,デーツ,たまねぎ,りんご,その他),…」と表示されています。

 お好みソースは,野菜や果実がたっぷり使用され,その旨味や甘味が生かされているのです。

 そして,この原材料は,先程御紹介した野菜スムージー「オタフクスペシャル」の食材(トマト,にんじん,たまねぎ,デーツ,りんごなど)とほぼ同じであることも御理解いただけると思います。

 ちなみに,このオタフクお好みソース,ノンオイルで,食生活の変化にあわせて塩分も年々下げておられるようです。

 健康にもしっかり配慮されていますね。


ベジラビットオリジナルソース

 ベジラビットの調味料コーナーに,「ベジラビットオリジナルソース」と呼ばれるソースが販売されていたので購入しました。

(ベジラビットオリジナルソース)
Photo_5

 こちらも食品表示を見たのですが,その原材料がお好みソースとよく似ています。

(ベジラビットオリジナルソース(食品表示))
Photo_6

 原材料表示には,「野菜・果実(トマト,たまねぎ,デーツ,その他),…」とあり,醸造酢や香辛料なども使われていることから,オリジナルのお好みソースを意識して作られたソースだと言えるでしょう。

 ベジラビットオリジナルソースとオタフクお好みソースを比較してみました。

(ベジラビットオリジナルソースとオタフクお好みソース)
Photo_7

 いずれも褐色で,味や香りもよく似ています。

 お好みソースは広島の人間にとって親しみのある味で,ドロリとしたソースからは,熟成された旨味や甘味を感じました。

 一方のベジラビットオリジナルソースは,野菜や果実の粒子が残っていて手作り感があり,よりフルーティーで自然な甘味を感じる軽めのソースに仕上がっているように思いました。


ベジラビットオリジナルソース焼きそばを作ってみる

 お好みソースの味・風味に近いベジラビットオリジナルソース。

 ならば,このベジラビットオリジナルソースでも焼きそばが作れるのではないかと思い立ち,そば麺や野菜・豚肉を買ってきて作ってみました。

(ベジラビットオリジナルソース焼きそば)
Photo_8

 焼きそばにソースをからめても,なかなか焼きそばらしい褐色にならず,中身をほとんど使い切ることとなりましたが,それだけ自然の味や色合いに近いソースだと言うこともできるでしょう。

 実際の味は,お好みソースで作る焼きそばとよく似ていますが,よりフルーティーで甘味の強い焼きそば,少し誇張して表現すればスイーツのような焼きそばに仕上がりました。

 とは言え,野菜・果物の摂取を強く意識した焼きそばとして十分通用する味だと思いました。


「ベジ焼きそば」と「ベジコ焼き」

 ここまでまとめると,「ベジラビット(Vege Love it!)」の「ベジ焼きそば」がどんな味なのか確かめてみたいと思う気持ちが芽生えてきました。

 そこで日を改めて再び「ベジラビット」を訪問し,「ベジコ焼き」と「ベジ焼きそば」をそれぞれ単品で注文してみました。

(「ベジ焼きそば」と「ベジコ焼き」)
Photo_9

 写真左が「ベジ焼きそば」,右が「ベジコ焼き(緑)」で,「ベジコ焼き」には店内でトマトや玉ねぎなどを煮詰めて作られた手作り洋風ソース(写真上)が付いています。

 「ベジコ焼き」は野菜中心のお好み焼で,つなぎに米粉が使われています。

 私の注文した緑のベジコ焼きは,ケール,枝豆,アスパラガスと緑色の野菜で揃えられていました。

 大きめにカットされていますが,野菜中心なのですんなりと食べられました。

 一方「ベジ焼きそば」は,そば麺を通常の約半分にし,その分野菜サラダがそば麺を覆い尽くす程たくさん盛られたヘルシー焼きそばです。

 具は,水菜,大根,人参,きのこ,細切り昆布,ちりめんじゃこ,はんぺんなどです。

 そば麺が炒められ,その上に生野菜を中心とした具が盛られていました。

 そして私が最も興味を持った焼きそばのソースですが,こちらは何とポン酢でした。

 よく考えてみれば,焼きそばの麺と野菜サラダの両方に合うヘルシーな調味料と言えばポン酢であり,しかも酢はお好みソースと肩を並べるオタフクの看板商品なのですから,ポン酢が使われているのは冷静に考えれば当たり前の話なのです。

 いずれの料理も野菜中心の手作り料理なので,健康にいいものを食べ,体も喜んでいるような気持ちになりました。


まとめ

 私が作った「ベジラビットオリジナルソース焼きそば」は,普通の焼きそばを作る感覚で作ったので,野菜だけでなく豚肉まで入れており,ベジラビットさんの趣旨からは少し外れているような気もします。

 しかしながら,お好みソースとよく似たソース「ベジラビットオリジナルソース」を使った新たな味に挑戦したという意味では,作った意義はそれなりにあろうかと思います。

 今回のお好みソースと同じ食材を用いたドリンク,ソースをいただいたことで,お好みソースには野菜や果物がたっぷりと使われており,それらの旨味が凝縮された調味料であることがよく理解できました。

 広島を代表する料理「お好み焼」。

 その味の決め手となるお好みソースの原材料についても理解を深めれば,お好み焼により一層親しみがわき,美味しく感じられるのではないでしょうか。


<関連サイト>
 「ベジラビット(Vege Love it!)

<参考文献>
 季刊誌「ほっとおたふく No.5 2017 Spring」オタフクソース株式会社

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