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2017年11月

2017年11月21日 (火)

昆虫食の研究5 -岐阜県恵那市「くしはらヘボまつり」ヘボの刺傷被害-

ヘボが多く飛び回る危険なイベント

 今回はヘボ(クロスズメバチ,シダクロスズメバチ)の刺傷被害について御報告したいと思います。

 昨年(2016年),私はスズメバチが黒色に対して激しく攻撃することを知らず,黒いジャンパーに黒いジーンズ姿,そして無帽の黒髪,黒い靴,黒いリュックサック,黒いカメラ…とまさに全身黒一色の無防備な姿で会場へ行き,帰りにヘボに刺されてしまいました。

 それを反省し,今年は白いジャージ上下,帽子,軍手を持参し,会場に着いたらその場で着ている服の上から着用しようと考えていました。

 しかしながら…。

 会場に着き,バスを降りた瞬間からヘボがたくさん飛び回っており,ジャージを着用しようとしても,服の中にヘボが飛び込んでくるほど多く飛び回っていたので,服の上からジャージを着用することすら大変な思いをしました。

 「今年は昨年以上にヘボがたくさん飛び交っている。刺されないよう気をつけないと。」というのが,会場に着いた時の感想でした。

 何とかジャージ上下,帽子,軍手を着用し,これで今年はひとまず安心と思いつつ,メイン会場へ向かいました。

 ヘボの巣の出品者やイベント関係者はもとより,見学客の皆さんも,ヘボに刺されないようしっかり防護されている方が多いように思いました。


ヘボが多く飛び回っていた理由

 ヘボが多く飛び回っていた理由として考えられるのは,

(1)晴天で日差しが強く,ヘボが活動しやすい天候・気温であったこと。

(2)ヘボの巣を車で移動させたり,会場で取り出したり,出品するために袋詰めにするなど,巣を防衛しようとするヘボに対し,過度に興奮・怒らせる行動をとっていたこと。

(3)ヘボの巣が1か所に集中するため,巣から飛び出すヘボを制御しきれないこと。

(4)スズメバチは黒に対して激しく攻撃する習性があり,それは主に人間をターゲットにしているからと言われているが,今回のイベントでは,そのターゲットである人間が多く存在していたこと。

(5)会場で飲食する人が多く,ヘボ飯やヘボ五平餅,ジュースなどヘボが好む炭水化物源が多く存在したこと。

 などが挙げられると思います。

(ヘボの巣コンテストの様子)
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(柳原望『高杉さん家のおべんとう 3』第20話「Have a good ヘボタイム」から引用)


人間が美味しいと思うものはヘボだって美味しい?

 私がヘボまつりで楽しみにしているのは,飲食物などが販売されている販売会場です。

 昨年以上にヘボがたくさん飛び交っているのを警戒してか,会場内で最もヘボが多く飛び交っているコンテスト会場周辺は,イベント主催者,ヘボの巣の出品者,購入予定者など関係者以外の見学客は,あまり長居せず,販売会場の方へ向かわれる方が多いように思いました。

 私も今回刺されたら危険ですし,どちらかと言えば興味があるのはヘボの食文化の方なので,早々に飲食物などが販売されている販売会場の方へ向かいました。

(販売会場の様子)
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 まだこちらの販売会場の方が飛び交うヘボの数が少なく,安全な様子でした。

 そこで私は人気のくしはら名物「ヘボ五平」を購入するため,列に並んで順番を待っていました。

 しかしやはり,立ち止まっていると,販売会場にまでヘボがどんどん飛んできて,振り切るためにじっと立っていられないという状況で,ヘボに慣れない私は大変でした。

 逆に,私の後ろで並んでおられた地元の御夫婦は,先程ヘボに刺されたにもかかわらず,平気な様子で順番を待っておられました。

 私には信じられないことです。

 私はスズメバチ研究者の山内博美さんと御一緒させていただいたので,お互いヘボが体にとまったら(手で払いのけるのは危険なので)フッと息を吹きかけてヘボを追い払うことで何とかしのぎ,無事ヘボ五平餅を購入することが出来ました。

(くしはら名物「ヘボ五平」の看板)
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 「日本でここだけ!?…かも。」と案内されていますが,そのとおりだと思います(笑)。

(五平餅にヘボ入り味噌だれを塗る様子)
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 味噌だれに混ざっている黒い粒々がヘボです。

 飛び回っているヘボも,この香ばしくて甘味のある味噌だれが好物のようです。

(くしはら名物「ヘボ五平」)
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 くしはら名物「ヘボ五平」です。

 ヘボまつりへ来たからには,押さえておきたい一品です。

 私が五平餅を買っている間に,山内さんが「へぼ御飯」を2人分買ってきてくださいました。

 「へぼ御飯」は,醤油,酒,みりんなどで調味されたヘボの蜂の子入り炊き込みご飯で,蜂の子は幼虫から成虫に近いものまで,様々な成長過程のヘボが具として混ぜ込まれています。

(「へぼ御飯」(クローズアップ))
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 昨年,左手をヘボに刺されて激痛が走る中,複雑な思いで夕食としていただいた「へぼ御飯」。思い出深い一品です。

 当日,会場に来られると伺っていた大手衛生薬品メーカーの研究員Hさんとも合流でき,山内さん,Hさん,私の3人でヘボ料理の昼食をとることとなりました。

 販売会場周辺にもヘボがたくさん飛び回っていたので,さらに離れた場所の芝生広場に座って食事しました。

 それでも…いざ「ヘボ五平」や「へぼ御飯」を広げて食事しようとすると,ヘボが食べ物を目掛けてたくさん寄ってきました。

(「へぼ御飯」を食べるヘボ)
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 炭水化物源はヘボの好物なのでしょうが,これ共食いに近いですよね…。

 ゆっくり腰を落ち着けて食事や会話を楽しみたいと思ったのですが,どこへ行ってもヘボがたくさん飛び回っており,じっとしていると体にとまるので,その状況に耐えられず,私は立って移動しながら食事しました。

 行儀悪いなんて言っている状況ではないのです。

 一方で,山内さんとHさんは,私とは対照的に落ち着いて座ったまま食事をされていました。

 初めて参加されたHさんは,むしろ寄ってくるヘボと遊んでおられるようにさえ見受けられました。

 Hさんから会場内の施設「マレットハウス」で購入されたオオスズメバチの焼酎漬けを紹介していただきました。

 その時のHさんの目がとても輝いておられたのが印象的でした。


当日の刺傷被害状況

(芝生広場での刺傷被害)

 3人でヘボ料理を味わい,会話を楽しんでいた最中,山内さんがヘボに口元を刺されました。

 ヘボまつり参加5回目にして初めて刺されたらしく,すぐに水洗いし,救護所に行かれて応急処置を受けられていました。

 「口元は痛いだろうな」,「アナフィラキシー(ショック)は起きないだろうか」など山内さんのお体を心配しつつ,しばらく様子を伺ったのですが,大丈夫とのお話だったので,ひとまず安心しました。

 人間だけでなくヘボも「ヘボ五平」や「へぼ御飯」が大好物なのでしょう。
 ヘボが間断なく食べ物目がけて飛んでくるので,早々に食べ切って芝生広場から移動することとしました。

 3人で移動中,私が「こんなにヘボが呼び寄せる食べ物は持ち歩きたくない」と思っていたところ,「せっかくだからお土産に買って帰ろう」とさらに「ヘボ五平」を買っておられたHさんには,さすがだなと思わずにはいられませんでした。

(商業施設「マレットハウス」での刺傷被害)

 車で来場されたHさんは引き続き会場をまわり,ヘボの巣の出品者などにヒアリングされるとのお話だったので,帰りのバスの時刻が迫っていた山内さんと私はここで失礼させていただき,バスが来る時刻まで近くの施設「マレットハウス」でお土産などを見ながら過ごすこととしました。

 昨年,店内だから大丈夫と油断していた私がヘボに左手を刺された場所です。

 しばらく見て回っていると,山内さんがまたヘボに刺されてしまいました。

 今度は右手の親指です。

 親指の爪の近くだったこともあり,大きく腫れあがることはなかったようですが,もうこりごりだという御様子でした。

 「マレットハウス」を出て,なるべくメイン会場から離れた場所で帰りのバスを待つことにしました。

(バスを待つ道路上での刺傷被害)

 山内さんと私は,メイン会場からなるべく離れた場所へ移動して帰りのバスを待っていたわけですが,それでも今年のヘボは数が多く,ひっきりなしに私達の体に襲ってきました。

 お互いヘボが体にとまっていないか確認し,相手にヘボがとまっているのがわかると,お互いが息を吹きかけてヘボを追い払うという対処を何度も繰り返しながら,バスが来るのを待ちました。

 その時,私は首の後ろ側,カッターシャツの襟の奥の方がゴソゴソする感じがしました。

 後ろ側なので直接様子がわからなかったこともあるのですが,つい後ろに手を伸ばし,寄ってきたヘボを手で払い除けようとしてしまいました。

 その瞬間です。

 「いててててーっ!!!」

 私の首筋をヘボが刺してきました。

 二度目は危ないと,あれほど恐れていたことが起きてしまったのです。

(ヘボに刺された首筋)
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 大丈夫なんだろうかと不安に思いながら,私も救護所に駆け込みました。

(救護用品)
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 救護所には「エクストラクター」(写真左上の黄色い器具)や「インセクトポイズンリムーバー」(写真中央の3本の白い器具)といった毒液を吸い出すための器具や軟膏(写真右上)が用意されていました。

 私は針が残っていないか患部を見てもらい,これを塗って応急処置していただきました。

(キンカン)
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 キンカンです。

 山奥の会場で,ヘボに刺されたぐらいで動揺してはいけないのです(笑)。

 後でよく考えたら,首の後ろ側だったこともあり,毒出しの水洗いもしていませんでした。

 でも不思議と,去年刺された時のように後で激痛に襲われることもなく,腫れも蚊に刺された程度の大きさで済みました。

 むしろ首筋に鍼治療を受け,肩が軽くなったような感じすらしました。

 鍼治療と言っても,スズメバチの毒針ですが…(笑)。

 冗談はさておき,私の気持ちが軽くなったことは確かです。

 なぜなら,山内さんが同日ヘボに2か所も刺されてしまったので,私が山内さんをヘボまつりにお誘いしたことを申し訳なく思うようになっていたのですが,そんな矢先に私もヘボに刺されたからです。

 これでおあいこ。

 ヘボに刺された箇所は少し痛かったですが,その分気持ちや肩も軽くなって帰路につきました。

 ※スズメバチに刺された時の対処法につきましては,山内さんが「スズメバチに刺された時の対処法」としてまとめておられますので,こちらを参考になさってください。


ヘボに刺された私が癒されたのは…

 明知鉄道明智駅に向かうバスの中で,山内さんと「昨年診察してもらった広島の病院にはもう行けない。またヘボまつりへ行って刺されたなんて報告したら医者から怒られるに決まっている…。」と真面目に冗談話をしました。

 明智駅の駅舎では,数量限定で「寒天かすていら」が販売されていました。

(寒天かすていら)
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 恵那市は岩村町のカステラや山岡町の細寒天が有名なのですが,そのコラボ商品です。

(寒天かすていら(中身))
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 寒天入りのカステラなので,とてもしっかりした,弾力のある生地に仕上がっていました。

 甘味の強い,昔ながらの素朴なカステラという印象を持ちました。寒天入りなので,体にも良いことでしょう。

 恵那行きの電車を待っていると,駅構内やホームにアニメキャラか何かの着ぐるみをした皆さんがおられました。

 せっかくなので,記念に何枚か写真を撮らせていただきました。

(着ぐるみキャラ(セーラー服))
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(着ぐるみキャラ(ペア))
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 写真撮影している間は夢中になり,ヘボに刺されたことなどすっかり忘れていました。

 この着ぐるみキャラの皆さんと一緒の電車で恵那駅まで戻り,恵那駅からはJR中央本線で名古屋駅へ。名古屋駅近くの喫茶店で山内さんとしばし会話を楽しんだ後,山内さんは帰宅され,私も新幹線で広島に戻りました。


ヘボの刺傷被害に遭わないために

 最後に,昨年に続き今年もヘボに刺された私が,その経験をもとにヘボまつりでヘボに刺されないための対策をまとめておきます。

 それは次の2つだと思います。

(1)ヘボが体にとまっても手で払い除けようとしないこと。

(2)そで口や襟元など衣服の開口部をしっかりふさいでおくこと。

 ヘボまつりではヘボが異常に飛び回っているので,黒い服・持ち物を避けるというのはもはやあまり関係ないレベルでした。

 実際,今回は山内さんも私も黒はなるべく避けたにもかかわらず,ヘボに刺された訳ですから。

 それよりも,巣の移動・搬入などですでに興奮し,怒っているヘボをこれ以上怒らせず(※(1)の対策),巣のような進入路を設けない(※(2)の対策)ことが防止策となるように思いました。

 そのためには,場の雰囲気を和ませ,全身を衣装で覆った「着ぐるみキャラ」の皆さんのような格好で参加するのが一番なのかも知れません(笑)。

(クロスズメバチ(ヘボ)の対処法)
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(柳原望『高杉さん家のおべんとう 3』第20話「Have a good ヘボタイム」から引用)

 今年もヘボに刺されてしまいましたが大したことはなく,山内さんとの再会やHさんとの出会いもあって,忘れられない良き思い出となりました。

 御興味を持たれた方は,ぜひ恵那へお越しください。


<関連リンク>
 「ヘボの巣コンテスト2017」(「都市のスズメバチ」山内博美氏 この記事と同じ刺傷被害が紹介されています。)
 「くしはらヘボまつり」(「え~な恵那」恵那市観光協会)
 「くしはらヘボまつり(ヘボの巣コンテスト)」(「ぎふの旅ガイド」岐阜県観光連盟)
 「明智鉄道株式会社

<関連記事>
 「昆虫食の研究1 -岐阜県恵那市「くしはらヘボまつり」ヘボの巣コンテスト-
 「昆虫食の研究2 -岐阜県恵那市「くしはらヘボまつり」ヘボ五平餅とヘボ飯-
 「昆虫食の研究3 -岐阜県恵那市「くしはらヘボまつり」ヘボの甘露煮とヘボ・蚕のロースト-
 「昆虫食の研究4 -岐阜県恵那市「くしはらヘボまつり」ヘボミュージアムとヘボ料理-

<参考文献>
 山内博美『都市のスズメバチ』中日出版社
 柳原望『高杉さん家のおべんとう 3』メディアファクトリー

2017年11月18日 (土)

福岡ソフトバンクホークスの耳かき -福岡県福岡市-

 ホークスグッズのショップ「ダグアウト小倉店」で購入しました。

 福岡ソフトバンクホークスのロゴ「Sh」の飾りが付けられた公式グッズの耳かきです。

 950円(2017年現在)しましたが,透明なケースに入れられており,ホークスファンの人への贈り物や福岡のお土産としても良さそうです。

 私は福岡ソフトバンクホークスの「いざゆけ若鷹軍団」という公式球団歌が好きです。

 地元ではダイエー時代にスーパーやダイエーグループ各店舗でBGMとして頻繁にかけられていた歌らしく,「この歌を聞くとスーパーを想像する」と言う人もいました(笑)。

 私の場合,この歌を聞くと福岡に来たことを実感します(笑)。

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 祝 2017年福岡ソフトバンクホークス パ・リーグ優勝!日本一!

2017年11月12日 (日)

昆虫食の研究4 -岐阜県恵那市「くしはらヘボまつり」ヘボミュージアムとヘボ料理-

今年(2017年)も「くしはらヘボまつり」に参加

 毎年11月3日(文化の日)には,岐阜県恵那市串原で「くしはらヘボまつり」(ヘボの巣コンテスト)が開催されます。

 ※ヘボ:クロスズメバチ,シダクロスズメバチの東濃地方での呼び名

 昨年(2016年),初めてこのイベントに参加して以来,私は職場などですっかり「虫好き」な人間とされてしまい(本当は大の苦手なのですが…),よく虫(昆虫食)の話題が出るようになりました。

 そうなると,開催日の11月3日が近づくにつれ,「くしはらヘボまつり」を意識するようになってしまいます。

 また,この日が近づくにつれ,昨年会場でお会いしたスズメバチ研究者の山内博美さんにもまたお会いできればと思うようになりました。

 ただ,私は昨年参加した際にヘボに刺されてしまい,病院でも医者に散々脅かされたので,今回も刺されたらアレルギー反応(アナフィラキシーショック)で最悪の場合生死に関わるのではないかという恐ろしさもありました。

 参加するかどうか数日悩みましたが,リスクを考えていたらリターンも得られないのは当然のことです。

 そこで,思い切って私から山内さんに連絡してみたところ,「会いましょう」と快諾していただけたため,今年も参加する決意を固めました。

 前日に長野県東御市にある「ヴィラデスト ガーデンファームアンドワイナリー」へ行き,同県松本市内のホテルに宿泊したため,今回は松本市から会場へ向かうこととしました。

 早朝,松本市からレンタカーで中央自動車道を走行して岐阜県中津川市へ向かいました。
 中津川駅からはJR中央本線で恵那駅へ行き,恵那駅にて山内さんと合流することができました。
 そして山内さんと一緒に恵那駅発の明智鉄道に乗って終点の明智駅へ行き,明智駅からは「恵那市自主運行バス」に乗って会場の串原に到着しました。

(明智駅に到着する急行「大正ロマン1号」)
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くしはらヘボまつり会場

 昨年広島から訪問するのも大変でしたが,今回松本から訪問するのも大変でした。

 当日はよく晴れており,日差しも強く感じました。

 それも影響してか,会場に着き,バスを降りた瞬間からたくさんのヘボが飛び回っていました。

 「危ないな,刺されないよう気をつけねば」と思いつつ,メイン会場に向かいました。

(日程表)
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(ヘボの巣コンテスト会場周辺の様子)
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 会場は今年も大勢の人で賑わっていました。

(ヘボの巣コンテスト会場の様子)
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 見学客の皆さんも,ヘボに刺されないようしっかり防護されている方が多いように思いました。

(車でヘボの巣が搬入される様子(ビニールハウス内))
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 会場奥のビニールハウス内でヘボの巣の搬入作業が行われていました。

 覆っているビニールシートにも,巣から飛び出したヘボがたくさんとまっています。

 搬入されたヘボの巣は,計量審査が行われた後,袋詰めされ,隣の展示会場で展示・販売されます。

(ヘボの巣の展示・販売)
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 展示会場いっぱいに山積みされた出品者自慢のヘボの巣です。

 ヘボの巣と一緒に,飛び交うヘボもたくさん袋詰めされていました。

 ヘボの巣の単価は1kgあたり8,000円となっていました。

 昨年は1kgあたり9,000円だったので,少し安くなっています。

 今年は全部で144の出品があったようです。

 私が買って,中でヘボがブンブン飛び回っているヘボの巣の袋を新幹線に持ち込んだら…恐らく規則違反で途中で降ろされ,広島には帰れないでしょう。それどころかニュースになって…。


ヘボミュージアム

 ヘボの巣コンテスト会場の一角に,今回初めて見る施設がありました。

 岐阜県立恵那農業高等学校(HEBO倶楽部)が2017年10月に制作した「ヘボミュージアム」です。

(ヘボミュージアム)
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 木造の小さな小屋で温かみのある手作り感いっぱいのミュージアムです。

(ヘボミュージアム案内ポスター)
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 入口にヘボミュージアムの案内ポスターが掲示されていました。

 ポスターには,ヘボやヘボ五平餅の写真とともに,「東濃のソウルフード”ヘボ” とる・そだてる・たべる 自然を味わい・活かす文化を受け継ぎたい。桧の小屋に私達の思いを詰めました。恵那農業高校 HEBO倶楽部」と書かれています。

 私もブログを通じてヘボの食文化をお伝えし,その一助になればと思いつつ,中を見学させていただきました。

(ヘボの巣)
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 ヘボの巣の標本が展示されていました。

 「新女王の巣盤の巣房の1セルは一回り大きい」と説明されています。

 働きバチがシングルルーム,女王バチがスイートルームに泊まっているようなイメージでしょうか。

 こうした標本それぞれの説明文が,日本語だけでなく英語も併記してされていることにも感心しました。

(パネル「ヘボは食べ物」)
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 ヘボはかつて全国各地で食べられていたようです。

 左半分の日本地図を見ると,宮城・千葉・大阪・徳島・佐賀以外は過去の文献・資料でヘボの記載が確認されていることがわかります。

 私自身も,広島に戻って職場で蜂の子のお土産を配った際,「昔クロスズメバチ(ヘボ)の巣を探して,巣の幼虫を食べていた。」と証言する人がいて,広島県の中山間地域でも食用としていた地域があることに驚きました。

 右半分の中部地方の地図を見ると,岐阜や長野を中心にヘボの食文化が広がっており,一般的にはヘボを煎る・煮付けるという調理法で食べられているのですが,ヘボの混ぜご飯や寿司,五平餅といったさらに手の込んだ調理法を持つ地域となると恵那市や中津川市に多いことが説明されています。

(パネル「ヘボ飯の準備と調理」)
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 ヘボ飯の準備と調理方法を紹介するパネルです。

 パネル中央上部から,時計回りにすごろくのように紹介されています。

 910g(9,000円)のヘボの巣を入手し,巣室から蜂の子を1匹ずつ引き抜く作業だけで約4時間!

 この作業で蜂の子が600g採れたとあります。ということは実質100gあたり1,500円(9,000円÷(600g÷100g))の食材!黒毛和牛やうなぎと同等の値段ですね。

 そうして苦労して採取した蜂の子(お好みでゴボウ,ショウガも加える)を醤油,砂糖,酒で煮付け,煮汁で炊いたご飯とまぜて,ヘボ飯の出来上がりです。

 ヘボの巣を自分で育てるとなると,さらに時間が必要となる訳で,ヘボ飯に限らず,ヘボを使った料理には想像をはるかに超えた時間や労力,お金が必要となることが御理解いただけるかと思います。

(ヘボ料理の紹介)
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 ミュージアムの中央に様々なヘボ料理が紹介されていました。

 食器の上に料理の写真が貼られたイメージ展示品ですが,ヘボを食べるといっても,佃煮やローストだけでなく,いろんな料理があるものだと思いました。

 紹介されている料理は,少し見えづらいと思いますが,左下から時計回りにヘボ飯,オオスズメバチ焼酎,ヘボ朴葉寿司,ヘボのデザート(柿とチーズ),ヘボ煮付け(佃煮),ヘボ成虫のかき揚げ,ヘボちらし寿司,ヘボ箱寿司などです。

 中山間部で貴重なタンパク源であるヘボを様々な料理に応用し,美味しく食べる工夫がなされてきたことがよく理解出来ます。


ヘボ料理を民俗学の視点から理解する

 今回,ヘボの食文化という視点からヘボミュージアムの展示品や資料を見学させていただきましたが,改めて思ったのは「ヘボ料理は『ハレ』の日のごちそう」だということです。

 ヘボを佃煮やローストにして保存性を高め,おかずとして日常から食べられていたかも知れませんが,ここまで手間暇かかる料理が毎日のように作られていたわけではないでしょう。

 当日,地元の方にお話を伺った際にも,「ヘボ料理はお祝いの日など特別な日に食べる高級料理だ」とおっしゃっていました。

 民俗学の世界では,お祝いごとなど特別な日を「ハレ」,日常を「ケ」と定義して民俗研究を行う方法があります。

 民俗学者 柳田国男の研究では,日常(ケ)の食事が粒食(主に雑穀)中心なのに対し,特別な日(ハレの日)の食事は粉食(小麦粉,米粉,餅(米),そば粉など)が中心であるとまとめられています。

 この違いを一言で説明すると,「料理を作るのに手間暇かかるかどうかの違い」だと言うことが出来ます。

 ヘボ料理は粒食か粉食かで区別されるものではありませんが,ヘボの巣を見つけ,育て,(または高額なお金を出して購入して,)その巣から蜂の子を何時間もかけて取り出し,さらにそれを調理する作業は,とても手間暇かかるということを踏まえれば,明らかに「ハレ」の日の食事に分類されることとなるでしょう。

 こうした観点でヘボミュージアムで紹介されているヘボ料理を振り返ってみると,餅(五平餅は山の講(山の神)にお供えしたのが起源とされる)や寿司など「ハレ」の日を象徴する料理が多いことに気付きます。

 言い換えると,ヘボ料理は「ハレ」の日の料理が中心で,特に現代においては日常から作られる機会があまりないため,地域の食文化として継承させることは大変なことでもあるのです。

 だからこそ,岐阜県立恵那農業高等学校やくしはらヘボ愛好会などを中心とした「ヘボ食文化」の継承・情報発信活動は,地元恵那市にとっても大きな文化的・社会的意義を持った活動であると評価できるのです。


<関連リンク>
 「ヘボの巣コンテスト2017」(「都市のスズメバチ」山内博美氏のホームページ)
 「岐阜県立恵那農業高等学校
 「くしはらヘボまつり」(「え~な恵那」恵那市観光協会)
 「くしはらヘボまつり(ヘボの巣コンテスト)」(「ぎふの旅ガイド」岐阜県観光連盟)

<関連記事>
 「昆虫食の研究1 -岐阜県恵那市「くしはらヘボまつり」ヘボの巣コンテスト-
 「昆虫食の研究2 -岐阜県恵那市「くしはらヘボまつり」ヘボ五平餅とヘボ飯-
 「昆虫食の研究3 -岐阜県恵那市「くしはらヘボまつり」ヘボの甘露煮とヘボ・蚕のロースト-

<参考文献>
 山内博美『都市のスズメバチ』中日出版社
 岡田 哲『食の文化を知る事典』東京堂出版
 福田アジオ『柳田国男の民俗学』吉川弘文館
 毎日新聞社編『東海の味』毎日新聞社

2017年11月 5日 (日)

長野県東御市 ヴィラデスト ガーデンファームアンドワイナリー訪問ノート

玉村豊男さんの本から食の世界の面白さを学ぶ

 私が食の世界に興味を持つようになったきっかけは,玉村豊男さんの本によるところが大きいと言っても過言ではありません。

 玉村さんの作品は,世界や日本での食体験やそれにまつわる食文化を中心として,深く研究された成果を,読みやすく痛快な文章で読者に紹介されていることが魅力となっています。

 また,玉村さんはパリ大学に留学されていたことから,私が好きなフランスやイギリスについても精通されており,少しマニアックに(笑)紹介された作品もあります。

 さらには,『食卓は学校である』や『今日よりよい明日はない』など,食の世界だけでなく,人生観まで学べる作品も数多くあります。

 そんな玉村さんの本の1つに,『田舎暮らしができる人,できない人』という本があります。

 東京生まれ,東京育ちの玉村さんが長野に移住し,ワイナリーを開設されるまでのストーリーを苦労話を折り混ぜながら紹介されている本ですが,この作品を読んでから,長野に開設されたワイナリーとはいったいどんなところなのか,いつか訪問してみたいと思うようになりました。

 今回,岐阜へ行く用事があったので,「せっかくの機会だから足を延ばして玉村さんのワイナリーにも行ってみよう」と思い立ち,ヴィラデスト ガーデンファームアンドワイナリー内のヴィラデストカフェに予約をさせていただきました。


ヴィラデストカフェを予約

 予約時,私は少し勇気を出して,カフェの御担当に「玉村豊男さんのファンです。当日直接お会いすることは難しいでしょうが,玉村さんのサイン入りの本を御用意いただき,訪問時に購入させていただけないでしょうか。無理でも食事の予約が可能なら喜んで伺いたいと思います。」と私の素直な気持ちやお願いをお伝えしました。

 すると,翌日,カフェの御担当からメールで「ご予約を承りました。御希望の本はショップでお取り置きしておきます。なお,当日玉村はこちらに居る予定です。」とのお返事をいただきました。

 訪問当日,玉村さんが同じ場所におられる,そしてもしかしたら玉村さんにお会いできるかもしれないと思うと,予約の時点で既に興奮し,待ち遠しく思いながら,当日を迎えました。


ヴィラデスト ガーデンファームアンドワイナリー訪問

 私は出来るだけゆっくりと食事をしたかったので,平日に長野県東御市(とうみし)にあるヴィラデストを訪問しました。

 とは言え,広島を出発してランチ予約時刻の13時30分までに,全く地理感のない長野県東御市まで行くことは大変でした。

 東御市は軽井沢に近く,群馬県と接しており,関東寄りの場所にあるからです。

 前日の夜,仕事を終えて,夜行の高速バスで広島から名古屋へ向かい,翌朝に名古屋に着きました。
 名古屋から電車で岐阜県の中津川まで行き,中津川からはレンタカーで中央道,長野道,岡谷インターからは国道142号,国道152号などを走り,やっとの思いで13時前にヴィラデストに到着しました。

 予約時刻まで少し余裕があったので,ガーデンファーム・ワイナリーなどを見学させていただきました。

(フラワー・ハーブガーデン)
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 色とりどりの花やハーブが植えられた庭園です。

 旅の疲れを癒してくれました。

(ヤギ子とブドウ畑)
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 「ヤギ子」ちゃんとブドウ畑(ソーヴィニョン・ブラン)です。

(ブドウ畑)
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 ヴィラデストカフェ側から眺めたブドウ畑の様子です。

 シャルドネ,メルロー,ピノ・ノワールなどが栽培されています。

 ひととおり見学した後,はやる気持ちを抑えながらヴィラデストカフェに向かいました。


ヴィラデストカフェ

(ヴィラデストカフェ・ショップ遠景)
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 第1駐車場から歩道を下りた先にヴィラデストカフェ・ショップがあります。

(ヴィラデストカフェ・ショップ)
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 こちらがヴィラデストカフェ・ショップの正面です。

 入口にショップがあり,その奥がカフェとなっています。

 しばらくショップを眺めた後,お店の方に名前を告げると,「お待ちしておりました。お席は御用意できております。玉村も来ると思います。」と御案内いただきました。

 最後の言葉が気になり,私は動揺して「えっ,あっ,ハイ。お願いします。」とお答えし,席を御案内いただきました。

 プリフィックス方式のランチコースなのでメイン料理と飲み物を選んで注文し,いよいよ待ちに待った食事の開始です。

(マッシュルームのファルス)
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 アミューズはマッシュルームのファルスでした。

 ファルスは,肉,魚,野菜などを細かく刻んで(挽いて)調味した「詰め物」を言います。

 今回のファルスは,マッシュルームに細かく刻んだ肉やパプリカを詰め,オーブンで焼かれた料理でした。

(フラワーシャンパン)
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 今日は私にとって記念日のようなものなので,飲み物でも雰囲気を盛り上げようとノンアルコールの「フラワーシャンパン」を注文しました。

 エルダーフラワーのシャンパンで,軽い口当たりがアミューズや前菜とよく合いました。

(前菜・パン・本日のスープ)
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 コースの前菜とパン,そして別に注文した本日のスープです。

 パンはバスケットに温かい3種類のパンを御用意いただきました。

 「秋のヴィラデスト」と名付けられた前菜は,ガラスカップに盛られたコールスロー,カブ・大根・山芋という白い根菜のグリル,サツマイモのバター煮,サラダでした。

 コールスローには,キヌアも入っていました。

 根菜のグリルに添えられた緑のソースは春菊のソースで,根菜の甘味とさわやかな春菊の風味を味わうことができました。

 バターで煮たサツマイモは,スイートポテトのような感じで,前菜のアクセントにもなっていました。

 サラダはレタスにスプラウトがのせられていますが,その中にはさらに麦や赤米などの雑穀も添えられ,ドレッシングには黒酢が使われていたので,どことなく和風のサラダに仕上げられていました。

 本日のスープですが,こちらはお店の方から「本日はバターナッツ・スカッシュのスープです。」と御説明いただいたことから,興味を持って追加注文しました。

 と言うのも,最近,広島でも産直市やスーパーなどでこのバターナッツと呼ばれるカボチャをよく目にするからです。

 この場をお借りして,少しバターナッツも御紹介します。

(バターナッツ)
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 バターナッツは黄色いヒョウタン形のカボチャです。バターナッツ・スカッシュとも呼ばれます。

(バターナッツ(断面))
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 縦に半分に切ってみると,カボチャの一種であることがよくわかります。

 底の丸い箇所は甘くてやわらかく,茎のような上部の細長い箇所はあっさりしていて,やや繊維質があります。

 形の珍しいカボチャだと理解していただければいいのですが,本日のスープはこのバターナッツ・スカッシュが使われた甘くとろみのあるスープでした。

 次のメインを待つ間,ドリンクメニューに「ヴィラテスト リンゴジュース」と呼ばれるソフトドリンクがあったので,お店の方に「こちらで作られているリンゴジュースですか」と尋ねたところ,「はい,スタッフがリンゴを絞って作ったジュースです。」とお話があったので,興味を持って注文しました。

(ヴィラデスト リンゴジュース)
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 そのお店の名称を冠している料理・お菓子・飲み物は,店のプライドもあり,外してしまう可能性は低いですが,このヴィラデスト リンゴジュースも同じことが言えると思いました。

 手作りのリンゴジュースは,食物繊維が一緒になるので,白く濁ってしまいますが,ヴィラデスト リンゴジュースは透明ですっきりした甘さのジュースに仕上げられていました。

(信州豚のコンフィと手作りソーセージ 白いんげん豆と茸のトマト煮を添えて)
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 メイン料理をどれにするか少し迷ったのですが,地元の信州豚と手作りソーセージに魅かれ,こちらの料理に決めました。

 写真手前が太い手作りソーセージ,奥が信州豚のコンフィ,下に添えられているのが白いんげん豆と茸のトマト煮です。

 粗挽きの太い手作りソーセージは,とてもジューシーで肉本来の味が楽しむことができました。

 信州豚のコンフィは,信州豚の塊を約60℃の油でじっくり茹で煮された料理で,厚めの塊ですが中はやわらかく,トマト煮のソースとの相性も抜群でした。

 白いんげん豆と茸のトマトソースもよく煮込まれており,それだけでも十分美味しいソースでした。

 白いんげん豆と肉を煮込んだフランスの料理「カスレ」をイメージするような,ボリュームがあってパンともよく合う,とても美味しい料理でした。

(デザートプレート)
Photo_2

 さあ,お待ちかねのデザートです。

 写真手前が栗のアイスクリームの巨峰ソース添え,奥がキャラメルムースです。

 アイスクリームには栗がふんだんに入っており,モンブランをいただいているかのようでした。長野で有名な巨峰の甘酸っぱいソースともよく合いました。
 お口直しにチュイール(フランス語で「瓦」のこと)ものせられています。
 私は今回のコースで一番のお気に入りでした。

 キャラメルムースにはキャラメルソースと少しブリュレした(焦がした)甘めの生クリームや巨峰がのせられていました。

 こちらも異なるキャラメルの味が一度に楽しめ,口いっぱいに幸せを感じました。

(ハーブティー)
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 デザートと一緒にいただいた飲み物は,ハーブティーです。

 普段はコーヒーしか選びませんが,ハーブ園を目の前にするとやはりハーブティーを飲みたいと思いました。

 窓からブドウ畑や信州の山々を眺めながら,香り豊かなハーブティーをゆっくりと味わい,ランチをしめくくりました。


玉村豊男さんとお会いする

 食事中にもしかしたら玉村さんがレストランにお見えになるかもという一抹の期待を持っていましたが,そんな様子でもなかったので,「有名な方だから,お会いできなくて当然。」と思い,玉村さんと同じ空間で食事できたことを素直に喜び,会計を済ませて帰ろうと入口のレジへ向かいました。

 その時です。

 何とレジ近くの厨房カウンターで玉村豊男さん御本人がお待ちくださっていたのです。

 「うわぁー。」言葉にならない感動が込み上げてきました。

 美味しい料理を堪能出来たことや,こうして会っていただけたことについて,深々とお礼申し上げ,いろんな本を拝読してファンであることをお伝えしました。


玉村さん「今日は東京から来たの?」

私「(地理的に関東から来られる人の方が多いのだろうなと思いつつ)広島から参りました。」

スタッフの方「こちらがお取り置きしておいた本です。こちらにサインを。」

玉村さん「それではサインしますね。」

(お願いしておいた2冊の本(『料理の四面体』,『おいしいものは田舎にある 日本ふーど記』)に私のフルネームとともに玉村さんのフルネームの直筆サインをいただく)

私「ありがとうございます。この本は一生の宝にします。もし良かったら(「コウジ菌のブログ」を紹介する名刺を差し出し)こちらのブログも御覧いただければ幸いです。食文化について私なりの視点でまとめているブログです。」

玉村さん「わかりました。コウジ菌…あーお名前と同じですね(笑)。」

私「そうです。麹は酒・味噌・食酢・醤油など日本の食文化に欠かせませんので,麹(菌)と私の名前とかけてコウジ菌としています(笑)。ヴィクトリアケーキの記事など,玉村さんの本を参考にさせていただくことも多いんですよ。」

玉村さん「そうですか。」

私「あのー,もしよろしかったら,一緒に写真撮らせていただけませんか。」

玉村さん「もちろん,いいですよ。」

(満面の笑みで私の背中に手を差し伸べてくださった玉村さんと,緊張気味で不自然な笑顔の私(笑)とで記念撮影。)

玉村さん「写真,ブログに載せてもいいよ(笑)。」

私「あっ,本日はどうもありがとうございました。Merci Beaucoup!(メルシーボーク,フランス語で「大変ありがとうございました」の意)」


 「最後に何言ってるんだ私は…」と,今思い出しても恥ずかしいのですが(笑),そんなこんなでサプライズで玉村さんとお会いすることができ,お話しもすることもできました。

 玉村さんにお礼申し上げ,ヴィラデストカフェを後にしました。

 よく「自分で自分をつねって,これは夢ではないか」と思うシーンがありますが,玉村さんにお会いした瞬間は,まさにそんな感じでした。

 その日の晩,松本市内のホテルでヴィラデストカフェの皆様にお礼のメールをお送りしました。

 玉村さんにお会いできたこともとても嬉しかったですが,そのために私の気持ちを汲み取り,御準備いただいていたスタッフの皆様のサービスにも強く感動したからです。

 一生の思い出になる1日となりました。

 また機会を見つけて訪問したいです。


<関連サイト>
 「ヴィラデスト ガーデンファームアンドワイナリー」(長野県東御市和6027)

<関連記事>
 「イギリス料理の特徴と主な料理4 -ヴィクトリアケーキ-
(ヴィクトリア女王について玉村豊男『ロンドン旅の雑学ノート』(新潮文庫)を参考にさせていただきました。)

 「しょうゆの研究6 -しょうゆは日本独自の調味料なのか(前編)-
 「イースター(復活祭)を基準としたキリスト教行事 -なぜ卵とウサギが一緒なのか-
(袁枚の『随園食単』の話やカーニバル・四旬節の話は玉村豊男『グルメの食法』(中公文庫)を参考にさせていただきました。)

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