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2018年4月 8日 (日)

キャロブ(いなご豆)チップス -チョコレートと何が同じで何が違うのか-

 自然派食品のお店で,「キャロブ(いなご豆)チップス」と呼ばれるお菓子が売られていました。

 ラベルには「カフェインフリーキャロブチップス。チョコレートの代用としてお使い頂けます。」と記載されています。

 キャロブ(いなご豆)をチョコレートそっくりに加工した「キャロブ(いなご豆)チップス」。

 興味を持って購入してみました。


キャロブ(いなご豆)チップス

(キャロブ(いなご豆)チップス(包装))
Photo_6

 原材料表示を見ると,「大麦シロップ,コーンシロップ,ヤシの実油,いなご豆,乳化剤(大豆由来)」とあります。

 キャロブ(いなご豆)をカカオ豆,大豆シロップとコーンシロップを砂糖,ヤシの実油をカカオバター・油脂と置き換えると,チョコレートの原材料構成と同じであることがわかります。


キャロブ(いなご豆)について

 キャロブ(いなご豆)は,主に地中海付近で栽培される豆で,コーヒーやココアの代用品として用いられているようです。

 キャロブの種子は,大きさや重さが均一であることから,宝石の単位「カラット」(1カラット=0.2g)の語源になったり,はかりの分銅にされたりと,意外と人間との生活にかかわりの深い豆でもあります。


キャロブ(いなご豆)チップスの特徴

 開封して中身を確認してみました。

(キャロブ(いなご豆)チップス)
Photo_2

 このキャロブ(いなご豆)チップスについて,私の気付きや感想をまとめてみました。

○形・見た目
 チョコチップと同じ形に作られており,見た目はチョコレートと全く変わりません。

○香り
 袋を開けた瞬間,チョコレートと同じ香りがしました。
 当然ながら100%ではなく,50~60%程度チョコレートの香りと一緒かなと感じる程度でした。
 チョコレートメーカー「ハーシー社」の調べでは,カカオの香りの成分は約1500種類から成り立っているとの話ですし,発酵やメイラード反応(褐変反応)がもたらす香りもあるので,チョコレートと香りを合わせることが一番難しいと言えるでしょう。

○味
 チョコレートに近く,何の先入観や知識もなく出されたらチョコチップだと思うレベルです。

○食感
 チョコレートに比べ,粘性がやや欠けるように思いました。
 ざらつきはありませんが,伸びが若干少ないのです。
 チョコレートに比べ,油脂が抑えられているからでしょう。

○加熱時の変化
 せっかくなので,電子レンジで加熱した時の変化も調べてみました。

(キャロブ(いなご豆)チップス(電子レンジ加熱))
Photo_4

 キャロブチップスを小皿に盛り,電子レンジで加熱すると,チョコレートと同様に溶け出してきました。
 加熱することにより,なめらかになり,照りやツヤも出ています。
 
 こうした変化はチョコレートとそっくりです。

 さらに,この溶けたキャロブチップスを引っ張り,伸びを確かめてみました。

(キャロブ(いなご豆)チップス(加熱後の伸び))
Photo_3

 チョコレートのように溶けながら伸びると思っていましたが,油脂より糖分の割合が多いからか,綿菓子を引っ張った時のように,綿をちぎったような感じに切れました。
 そして程なく再び固まりました。

 これはチョコレートとは異なる性質です。

 チョコレート特有のなめらかな口当たりを,油脂よりも大麦シロップやコーンシロップの糖分によって補われているから起きる現象なのでしょう。

 製品が板チョコではなくチョコチップの形がメインとなっているのも,こうした性質を踏まえ,チョコレート感覚を味わえる最適な形と判断されたからではないかと思います。


キャロブ(いなご豆)のメリット

 チョコレートの代用としてキャロブ(いなご豆)を用いるメリットとしては,

 (1)カフェインフリー(カフェインが含まれていない)であること

 (2)粉乳など乳製品を使わなくてもチョコレートのような味になること

 (3)キャロブ(いなご豆)自体にほのかな甘味があること

 (4)チョコレートに比べて脂肪分が低いこと

 (5)動物性の食材(バターなど)なしでも加工できること

などが挙げられるでしょう。

 ただ,今回のキャロブ(いなご豆)チップスの場合,製造工場で乳製品などを含む製品を製造していること(アレルギー)や,加工の段階で糖分が加えられていること(糖分摂取)は考慮しておいた方がよいと思います。

 用途に合わせて,純粋なキャロブ(いなご豆)の粉末を購入してお菓子を作るというのもよい利用法だと思います。


 キャロブ(いなご豆)パウダーやチョコレートの代用品となるキャロブ(いなご豆)チップスをうまく活用し,豊かなお菓子ライフを楽しめたらいいですね。


補足

 記事掲載後,当ブログの読者(tomoさん,パティシエの御経験あり)から,チョコレート(キャロブ(いなご豆)チップス)を電子レンジで加熱し,溶かすのは誤りとのコメントをいただきました。

 確かにおっしゃるとおりで,この記事のままだと私はキャロブ(いなご豆)チップスの性質をきちんと御紹介できていないと思いました。

 そこで残っていたキャロブ(いなご豆)チップスを湯せんし,再度加熱後の伸びを確かめてみました。

(キャロブ(いなご豆)チップス(湯せん))
Photo_3

 湯せんで溶かすと,確かに電子レンジで加熱した時に比べ,ぐんと長く伸びました。

 ただ,やはり油脂よりも大麦シロップやコーンシロップの糖分の割合が多いからか,冷めるとカチカチに固まるのも早く,一般的なチョコレートよりもかたくなることもわかりました。

(キャロブ(いなご豆)チップス(湯せん後砕いた様子))
Photo_2

 となると,かたい板チョコよりはチョコチップの形でいただく方が食べやすいのではないかと改めて感じました。

 勉強になりました。

 こういう本音でいただくコメントこそ,嬉しいです。

 tomoさん,この度のコメントありがとうございました!

 良い記事を作りたいので,今後もビシバシとよろしくお願いします(笑)。


<関連記事>
 「メイラード反応
 「チョコレートの新しい潮流2 -ハイカカオと機能性チョコレート,発酵の重要性-

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コメント

おお、キャロブ!懐かしい

ショコラに比べてカロリー値が低いのでヘルシー志向の方が好んで食されていますね

eyeglass・・・コウジ菌さん、1ついいですか

水分飛ぶだけじゃなくて油分、成分すらもが分離しちゃうので

ショコラ同様、溶かす時は電子レンジは絶対使ってはダメ~!

すみません、元菓子屋としては言わずにはいられなかった

何時もクッキーやカップケーキとかにそのまま入れちゃって溶かしたこと無いけど

湯銭で溶かした後に伸ばすとまた違う感じになりますよ^^

tomo 様

コメントいただき,ありがとうございます。

さすがtomoさん。ごもっともです。

記事に「補足」を足してみましたので,御確認の上,また何かお気づきの点などありましたら,お知らせいただければ幸いです。

湯せん,電子レンジに比べて手間がかかりますが,その分きちんと溶けますね!
普段,お菓子作らないからこんなことしてしまうんです(笑)

これからも遠慮なく本音をおっしゃってくださいね。

それだけ私の事を思ってくださってるんだと,とてもありがたく思いました。(本当に!)

記事の精度を高め,皆さんと食の情報を共有することが一番の目的ですから。

これからもよろしくお願いします(^_^)/

流石、コウジ菌さん
「湯せん」されたんですね
慣れないと結構大変だったでしょうに

しかし、そのおかけで電子レンジとの比較検証的な
まるで論文のような深い内容になりましたね

私の場合、そこからお菓子に使うには~に続きますが
コウジ菌さんの場合は、するどい仮説と考察が効いているので
キャロブを知っている人が読んでも
知らない人が読んでも大変興味深い記事だと思います

また、私が口をはさめることが
あったらば是非とも参加させて頂きますので
こちらこそよろしくお願いします(*゚▽゚)ノ

tomo 様

コメントいただき,ありがとうございます。

そうですね。私の記事はどちらかと言えば,「こんな食材がありますよ」と紹介することがメインで,「その食材でこういう料理やお菓子が作れますよ」とまでなかなか行きません(笑)。

だから湯せんという発想もなかったのだと思います。

もし何か作るとすれば,私の場合,マクロビオテック向け,乳などアレルギーの人向け,ベジタリアン向けのチョコチップクッキーを考えると思います。

これからもどんどん口をはさんでください!

正直に口をはさんでくださる人がいることを幸せに思います。

そうしていただくと,私もすごく勉強になりますので!!

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