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2018年11月18日 (日)

ビッグ錠先生の世界1 -石巻カレー全集「食堂パレスの黄色いレトロカレー」とArs Novaの特製ハヤシライス-

料理・グルメ漫画の第一人者 ビッグ錠先生

 私が食文化に興味を持ったきっかけは,子供の頃に読んだ料理・グルメ漫画です。

 そのため,大人になった今でもよく読んでいます(笑)。

 日本の料理・グルメ漫画家の第一人者と言えばビッグ錠先生が挙げられるでしょう。

 私が今まで読んだビッグ錠先生の本は,代表作の「包丁人味平」や「一本包丁満太郎」をはじめ,「釘師サブやん」,「スーパーくいしん坊」,「ピンボケ写太」,「塾師べんちゃん」,「一発怒漢」,「仕事塾」,「きまぐれキッチン」,「ちゃんこ包丁十番勝負」,「サバーイ闘士郎」,「流れ陶二郎けんか窯」,「発電ドクター走る!」,「電気ロード見聞録」,「味師銀平 妖刀伝」,「スタジオHELP」,「球五郎列球伝」,「ぼへみあん」,「電車痛勤あるある」などで,イラストを描かれた本(森枝卓士「食の冒険地図 交じりあう味,生きのびるための舌」など)も合わせると相当数になります。

 自宅にあるビッグ錠先生の本を並べてみました。

(ビッグ錠先生の本)
Photo

 これだけではなく,実家にもビッグ錠先生の本がたくさんあります。

 今回は,こんなビッグ錠ファンの私が,ビッグ錠先生と深いかかわりのある料理やお店などを御紹介したいと思います。


石巻カレー全集3「食堂パレスの黄色いレトロカレー」

 宮城県石巻市に,石ノ森章太郎先生ゆかりの「石ノ森萬画館」があります。

 石巻市は東日本大震災で大きな被害を受けましたが,その震災以降に「石巻市を訪れた人たちに石巻らしいお土産を」と考案されたのが,人気の料理カレーと漫画をセットにした「石巻カレー全集」です。

 石巻のお店のカレーと「石ノ森萬画館」に御縁のある漫画家に描いてもらった漫画をセットにして売られているもので,現在全8巻(※)が発売されています。

※第1巻・うえやまとち,第2巻・土山しげる,第3巻・ビッグ錠,第4巻・倉田よしみ,第5巻・はやせ淳,第6巻・久住昌之,第7巻・井上きみどり,第8巻・麻宮騎亜

 私は東北旅行の際,仙台駅構内のお土産店で「石巻カレー全集3 食堂パレスの黄色いレトロカレー・ビッグ錠」を購入しました。

(石巻カレー全集3 食堂パレスの黄色いレトロカレー(箱))
Photo_2

 ビッグ錠先生が描かれたカレーの漫画が食欲をそそります。

(石巻カレー全集3 食堂パレスの黄色いレトロカレー(漫画))
Photo_3

 箱を開くと,「ビッグ錠先生とカレー」,「ビッグ錠先生と石巻」という題でビッグ錠先生のカレーと石巻にまつわるお話が漫画で紹介されていました。

 ちなみにビッグ錠先生は,「包丁人味平」の味平カレーやブラックカレーなど,カレーについても深く研究され,漫画にされていることでも有名です。

 レトルトを温め,ご飯と一緒にカレーを盛り付けました。

(食堂パレスの黄色いレトロカレー)
Photo_4

 石巻市住吉町にある「食堂パレス」の「黄色いレトロカレー」です。

 確かにかなり黄色いカレーです。具は玉ねぎと豚肉です。

 小麦粉のルーのとろみがあり,香辛料が控え目な代わりに鰹節のダシが効いている和風のカレーとなっています。

 カレーうどん(そば)のカレーあんに似たカレーで,昔から愛される和のテイストのカレーを美味しくいただきました。


湘南台のArs Nova

 ビッグ錠ファンの私は,関東に旅行するたびに,いつか訪問したいと思うお店がありました。

 神奈川県藤沢市湘南台にある「Ars Nova(アルスノーバ)」というお店です。

 ビッグ錠先生は現在藤沢市にお住まいで,Ars Novaを「寄港地」にされているとの情報を得ていたからです。

 ビッグ錠先生に少しでも近づくことができたらという思いで,広島から新幹線,地下鉄ブルーライン,相鉄を利用して湘南台のお店を訪問しました。

(相鉄・湘南台駅)
Photo_5

 11時過ぎにお店に到着しました。すると…

(「Ars Nova(アルスノーバ)」)
Photo_6

 「CLOSED」。開店してない…。

 ショックでしたが仕方ないとあきらめ,湘南台駅に戻りました。

 でもあきらめきれず,せっかくここまで来たのだから,ほかにも何か手掛かりはないかと,駅構内の観光パンフレットやポスターを見て回りました。

 すると,ふと湘南台のタウンマップが目にとまりました。

 そして,その絵がビッグ錠さんの描かれたものだとすぐにわかりました。

 このタウンマップを湘南台訪問の記念にできないかと思い,再びArs Novaの前を通って「湘南台文化センター」まで戻り,市民窓口の方にお願いしてマップをいただくことができました。

 これでひと安心と,再び湘南台駅に戻ろうとArs Novaの前を通りました。

 すると…ドアが開けられ,「OPEN」となっていました。ランチタイムは11時30分スタートだったのです。

 目の前がパーッと明るくなりました。

 嬉しさ一杯で「寄港地」にお邪魔しました。

 お店の皆さんに広島から伺った旨をお伝えすると,驚いておられました。

 私はカウンターに案内していただいたのですが,席の真正面にビッグ錠先生の描かれた,このお店のマスターの似顔絵が飾ってありました。

(マスターの似顔絵(ビッグ錠))
Photo_7

 マスターがカクテルをシェイクされています。
 絵の右下でArs Nova20周年に乾杯している人物がビッグ錠先生なのでしょう。

 ビッグ錠先生お気に入りのお店であることを実感しました。

 ランチタイムということで,私は「今日のおすすめ」の特製ハヤシライスを注文しました。

(特製ハヤシライス)
Photo_8

 肉厚の牛肉と玉ねぎをサッと炒め,牛肉のジューシーさと玉ねぎのシャキシャキ感を残しつつ,トマト風味を生かしたデミグラスソースで仕上げられた美味しいハヤシライスでした。

 食後には,マスターがサイフォンで丁寧に淹れられたコーヒーをいただきました。

(コーヒー)
Photo_9

 店内のお客さんの中にも,ビッグ錠先生のことをよく御存知の方がおられ,自然と会話が盛り上がりました。


マスターとビッグ錠先生からのサプライズ

 コーヒーをいただきながら,しばらくお店でくつろいでいたその時です。

 お店の外でしばらくお電話されていたマスターが私にスマートフォンを差し出され,「ビッグ錠さんですよ。どうぞ。」とお電話を代わっていただいたのです。

 私の熱意を汲み取っていただいたマスターからのサプライズに,心の準備ができてなかった私はびっくりしました。


私:「もしもし」

ビッグ錠先生:「あーどうも,ビッグ錠です。」

私:「本日は広島から湘南台へ参りまして,今Ars Novaさんでお世話になっています。」

ビッグ錠先生:「ありがとう。うちに来ればいいのに。」

私:「いえいえ。こうしてお話できただけでも大変光栄です。一生の思い出となりました。ありがとうございました。」


 実際はかなり舞い上がってしまい,会話はしどろもどろでした(笑)。

 夢じゃないかと思うような時間でした。

 粋なプレゼントをしていただいたマスターをはじめArs Novaの皆さんに深くお礼申し上げ,湘南台を後にしました。

 帰りの電車の中で,Ars Novaの皆さんとビッグ錠先生に温かいおもてなしを受けたことへの感謝の気持ちと,広島から訪問して本当に良かったという気持ちが入り混じり,しばらく興奮が冷めやらない状態が続きました。

 湘南台の皆様のやさしさや温かさに触れることができた,感動的な旅になりました。

 Ars Novaの皆さん,そして尊敬するビッグ錠先生,この度は本当にありがとうございました!


<関連リンク>
 「石ノ森萬画館」(宮城県石巻市中瀬2-7)
 「墨汁一滴」(石ノ森萬画館オンラインショップ・石巻カレー全集販売)

<参考文献>
 にちぶんMOOK「グルメ漫画家の隠れ家酒場」日本文芸社

<関連記事>
 次の記事の作成は,ビッグ錠「包丁人味平」(包丁試し編)で紹介されている包丁塚・包丁式を読んで学んだことがきっかけとなりました。
 「包丁塚と包丁供養
 「包丁式 -日本料理と包丁の関係-

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コメント

早速拝読致しましたm(^-^)m
包丁人味平や一本包丁満太郎は読んだ記憶があります。
どちらか忘れましたが、すき焼き対決とかヽ(´▽`)/

テレビの料理の鉄人も好きでしたが、料理対決の先駆け
といえる漫画でしょうね( ̄ー+ ̄)
湘南台は時々車で近くを通ります。
Ars Nova一度行ってみようと思います( ^ω^ )

あと、湘南台はブルーラインの終点なので、新横浜からだと
そのまま乗って行った方が乗り換えが無い分時間も運賃も
節約出来ると思いますが、余計なことですね(^-^;

このために有給とって神奈川までいらっしゃったんですね!
この日は本当に素晴らしい1日だったのではと想像します。
湘南台…レモンケーキを押している、平塚に本店がある
ケーキ屋の支店があるから行ってみたいと思っているんですよ。
(夏季限定らしいので今は売っていないですが)
もし行くことがあったら、寄ってみようかな…!?

なーまん様

早速お読みいただき,ありがとうございましたm(__)m

一本包丁満太郎のすき焼き対決を御存知でしたか(笑)さすがです!
すきやき男爵とかカレー将軍鼻田香作など,料理を極めた変わり者!?がどんどん登場して,予期しない話の展開が繰り広げられるところがビッグ錠先生の作品の魅力だと思います。

料理・グルメ漫画は,「美味しんぼ」の究極のグルメ対至高のグルメなどにもみられるように,多かれ少なかれ料理対決がありますが,おっしゃるとおり料理対決による話の展開方法を構築されたのもビッグ錠先生の功績なのでしょうね。

Ars Nova,機会があれば行かれてみてください。
私はマスターのお人柄に惚れました。
その際は「広島からビッグ錠さんのファンが来たようですね」と話のネタにしてください(笑)。

湘南台へは新横浜からブルーライン1本で行けますよね。
普通はそうすると思います。
実はお恥ずかしい話ですが…相鉄にも乗ってみたかったんです(笑)。
こんなことでもないとなかなか相鉄に乗る機会はないだろうなと思いまして…。
余計なことではなく,地元のなーまんさんにツッコミをいただくのを待っていました。
ありがとうございます(^_^)/

chibiaya 様

コメントいただき,ありがとうございます。

有給いただいて,新幹線での日帰り旅行でしたが,それだけの価値がある,とても素晴らしい1日となりました。

教えていただいた湘南グリーンレモンケーキも味わえましたし(^o^)

新横浜駅到着から地下鉄ブルーラインに乗り換えのわずか数分間でこのレモンケーキをゲットするため,新幹線は東京寄りの16号車に乗り,新横浜駅の東口改札で降り,プチ・フルールで買って,地下鉄新横浜駅へ直行しました(笑)

そうそう,行きの山陽新幹線の車内販売でレモンケーキをお願いしたら,販売終了となっており,「瑠璃浪漫」というバターマドレーヌが販売されていました。今後もチェックします!

湘南で有名なレモンケーキ,確かにがありますね!
見た目がちょっと変わってて,これは私も気になります(笑)

湘南台へもし行かれる機会があれば,Ars Novaはおすすめです。
お店の方も常連のお客さんも,皆さん気さくで温かく,楽しいひとときが過ごせると思いますよ!

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