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2019年12月 1日 (日)

カンボジア料理の特徴と主な料理5 -プラホックを使った料理(ソムロー・コーコー・焼きプラホック)と揚げ魚-

 前回の記事に引き続き,カンボジアの伝統的な調味料「プラホック」を使った料理を御紹介したいと思います。


ソムロー・コーコーと焼きプラホック

 ホームステイ3日目の昼食で「ソムロー・コーコー」と呼ばれる料理をいただきました。

 鶏肉,魚,カボチャなどの具材を,プラホックや「クルーン」(モリンガやレモングラスなど数多くのハーブ・スパイスを使った調味料)で味付けして煮込んだスープです。

(モリンガ)
Photo_20191130221401

 モリンガの写真です。日本ではあまり馴染みがありませんが,東南アジアなど熱帯・亜熱帯地域ではよく利用されている植物です。

 カンボジアではお土産用に「モリンガ茶」も売られていました。

 このモリンガをレモングラスなどとともに石臼でペースト状にすり潰し,スープに加えておられました。

(ソムロー・コーコー)
Photo_20191130221501

 こちらの写真が完成したソムロー・コーコーです。

 ソムロー・コーコーはとろみがあるスープなのですが,このとろみは「パアー」と呼ばれる炒り米によるものです。

(炒り米(パアー))
Photo_20191130221601

 炒った米を臼と杵で搗いて平べったくした食べ物です。

 私はシェムリアップからコンポントムへ向かう車中から,沿道で臼と杵を使って炒り米を作り,販売されている様子を何度も見ました。

 それぐらいカンボジアでは馴染み深い食材なのでしょう。

 こうして出来上がったソムロー・コーコーは,ご飯にかけて「汁ご飯」にしても美味しい,クセがなくやさしい味のスープでした。

 この日の昼食では,ほかに「焼きプラホック」と「揚げ魚」のおかずもいただきました。

(焼きプラホック)
Photo_20191130222001

 「焼きプラホック」は,その名のとおりプラホックをそのまま焼いた料理です。

 塩分がかなり強く,表面は塩で結晶化していました。

 これもわずかな量で主食のご飯をたくさん食べることができるおかず(日本で言えば梅干しのようなおかず)の1つなのだと思いました。

 塩分がかなり強い焼き魚を想像していただければよいと思います。


揚げ魚

 一方の「揚げ魚」についても触れておきます。

 材料の魚は鯉かその仲間だと思うのですが,朝,ホームステイ先の方が行商の方から野菜などと一緒に購入されていました。

(行商から食材を購入する様子)
Photo_20191130222601

 市場や食料品店へ買い物に行く時間や手段がない人々にとって,家までバイクで売りに来る行商は重宝されている様子でした。

 カンボジアの道を走ると,まだ幼い少年・少女がオートバイを運転している姿をよくみかけました。

 いったい何歳からバイクに乗っていいのだろうかと疑問に思い,確認してみると,何と125cc以下のバイクには年齢制限がなく,個人の責任で乗ることができるとのお話でした。

 交通事情や家庭の事情を考慮し,やむを得ない措置なのでしょう。

 ただ,バイクに乗れなかったり,家事や仕事で遠くの市場まで買い物に出かけられない人々にとって,このようなバイクの行商は必要不可欠な存在となっています。

 今回のホームステイ先でも,こうした行商から入手した食材を使って食事を作っていただきました。

(魚をさばく様子)
Photo_20191130223101

 食材を包丁で切ったり,下拵えしたりするのは,全てこの写真のように縁台の上に座った状態でされていました。

 子供達が外で遊ぶ姿を見ながらお母さん達が料理されていました。

 魚をぶつ切り・骨切りし,油をひいた中華鍋で揚げます。

(揚げ魚を調理する様子)
Photo_20191130223201

 やはりカンボジアは中国料理の影響を強く受けていると感じました。

(揚げ魚)
Photo_20191130223202

 皮がパリッと,中はジューシーな仕上がりとなっていました。


 これらのおかずとご飯を1つの皿に盛り,昼食をいただきました。

(昼食(ご飯,ソムロー・コーコー,揚げ魚,焼きプラホック))
Photo_20191130223301

 1皿に盛ったご飯とおかずを食べ,足りない場合は食べたいものを食べたいだけ自分の皿に盛るという食事スタイルです。

 ホームステイ中は終始こうした食事スタイルでした。


違和感がないカンボジア料理

 食事も魚や野菜中心の辛さやスパイシーさの少ないマイルドな味付けのおかずばかりで,必ずご飯やおかゆがセットだったので,普通に日本の日常的な家庭料理をいただいているような感じでした。

まとめると,
「海外の料理を食べているという感覚がない」
「日本の家庭料理と違和感がない」
というのが,現地で実際にカンボジア料理をいただいた私の感想であり,これがカンボジア料理の大きな特徴の1つだと思いました。


カンボジアの子供達との思い出

 夕方,私はカンボジアの子供達と一緒に鬼ごっこや追いかけっこをして遊び,夕食が出来上がるのを待ちました。

 お互い言葉は一切通じないのに,私に甘えてキャッキャッとはしゃぐ子供達ととても楽しいひとときを過ごしました。

 料理だけでなく,子供達とも何ら違和感がなかったのです。

 ホームステイ最終日,今日でお別れを悟った子供達は,皆どこかさみしげな表情に変わりました。

 出発・見送りの際に奥に隠れて出てこなくなった女の子もいました。

 私も別れを惜しみながら,ホームステイ先を後にしました。

 子供達との交流も,カンボジアでの良き思い出の1つです。


<関連記事>
 「カンボジア料理の特徴と主な料理1 -アモック・プラホック・クティ・ラパウ・ソンクチャー・Go to Cambodia!-
 「カンボジア料理の特徴と主な料理3 -カンボジアの発酵調味料「プラホック」作り体験-
 「カンボジア料理の特徴と主な料理4 -プラホックを使った料理(プラホック・チャー,バナナの葉包み焼き)・カンボジアの食文化-

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コメント

記事を拝見していて「世界ウルルン滞在記」という番組を思い出しました( ◠_◠ )
同じ釜の飯を食べていると、自然と心が通い合うのでしょうか( ̄▽ ̄)
同じ稲作漁労の民という事もあるのでしょうが(^_^)v

なーまん様

なーまんさん,こんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます<m(__)m>

実は,私が職場で今回の記事のような話をしたところ,職員から「世界ウルルン滞在記のようですね」と,なーまんさんと全く同じ感想をもらいました(^o^)

「世界ウルルン滞在記」には大きく2つの見せ場があったようで,1つは未知の食との遭遇シーン,もう1つが涙のお別れシーンなのだそうです。

確かに,特にカンボジアで毎日遊んだ子供達とのお別れは私自身もつらく,車窓から「遠い日本に帰るけど,元気でね!」とずっと心の中でつぶやきながら帰りました。

ホームステイで,カンボジアに住む人たちと全く同じ食事をいただいたことも打ち解けた理由の1つでしょうね。

私がカンボジア人とよく似ているからかも(笑)

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