バウムクーヘン博覧会 2021 -AI焼き立てバウムクーヘン・全国バウムクーヘン食べ比べ・バウムフリット・切り売りバウムクーヘン・詰め合わせセット-
バウムクーヘン博覧会と広島
バウムクーヘンで有名な「ユーハイム」の創業者,カール・ユーハイムは,日本軍の捕虜として現在の広島市南区似島の捕虜収容所に連行されたドイツ人で,彼の焼き上げたバウムクーヘンを広島県物産陳列館(現在の原爆ドーム)でお披露目したことにより,日本で初めてバウムクーヘンが知られることとなりました。
このお披露目をしたのが1919年3月4日のことで,これを記念して毎年3月4日は「バウムクーヘンの日」とされています。
そんなバウムクーヘンとゆかりのある広島で,今年も「バウムクーヘンの日」に近い2021年3月18日~23日に「バウムクーヘン博覧会 2021」が開催されました。
(「バウムクーヘン博覧会 2021」ポスター)
広島そごうの特設会場には,全国47都道府県,約150ブランドのバウムクーヘンがずらりと勢ぞろいしました。
全国各地のバウムクーヘンの販売はもちろん,AIバウムクーヘン職人「THEO(テオ)」が焼き上げる「AI焼き立てバウムクーヘン」,全国47都道府県・47種類の中から好きなバウムクーヘン5種を食べ比べることができる「バウムクーヘン47」,バウムクーヘン博覧会限定バッグに5種類のバウムクーヘンが入った「バウムクーヘン詰め合わせセット」の販売など,バウムクーヘンにまつわる様々なイベントが用意されていました。
今回はこの「バウムクーヘン博覧会 2021」について御紹介したいと思います。
「AI焼き立てバウムクーヘン」
これまでのバウムクーヘン博覧会では,会場内の実演コーナーで,ユーハイムのマイスターの方が自らバウムクーヘンを焼き上げておられましたが,今回はAIバウムクーヘン職人「THEO(テオ)」がバウムクーヘンを焼き上げていました。
(バウムクーヘン専用オーブン・THEO(テオ))
会場には2台のTHEOが設置され,順番にバウムクーヘンを焼き上げていました。
THEOはユーハイムが開発したAI搭載のバウムクーヘン専用オーブンです。
バウムクーヘンの生地の焼き具合を画像センサーが読み取り,機械学習したAIが職人と同等のバウムクーヘンを焼き上げるというしくみです。
(THEOで焼き上げたバウムクーヘンのカット)
THEOで焼き上げたバウムクーヘンをユーハイムの菓子職人さんがカットしている様子です。
私も整理券をもらって並んで購入しました。
(焼き立てバウムクーヘン整理券)
THEOと一緒に私のテオ少し写しています。
私はこの焼き立てバウムクーヘンにメープルシロップをトッピングしていただきました。
(AI焼き立てバウムクーヘン・メープルシロップがけ)
弾力があり,しっとりとしたバウムクーヘンに仕上がっていました。
「THEO(テオ)」(株式会社ユーハイム)
全国のバウムクーヘン食べ比べ「バウムクーヘン47」
全国47種類の中から食べたいバウムクーヘンを5種選んで,食べ比べができる「バウムクーヘン47」。
(「バウムクーヘン47」会場)
今回はどれを味わってみようかとしばらく悩んだ末,選んだのが次の5種です。
(バウムクーヘン47(北海道・山梨・愛知・愛媛・鹿児島))
北海道:柳月の「三方六」
山梨県:エイトバウムの「コーヒーエイト」
愛知県:三寿園の「三寿園バウムクーヘン 大」
愛媛県:ソルシエの「キャラメルブロッシュ」
鹿児島県:菓子工房konomotoの「竹林の小径」
北海道河東郡音更町・柳月(りゅうげつ)の「三方六(さんぽうろく)」は,白樺の薪に見立てた珍しいバウムクーヘンです。
しっとりした生地にホワイトチョコレートとミルクチョコレートがコーティングされています。
山梨県甲斐市・エイトバウムの「コーヒーエイト」は,コーヒーが練り込まれたバウムクーヘンです。
八方から厳選した素材が使われており,香り高いコーヒーの香りが楽しめるバウムクーヘンです。
愛知県豊明市・三寿園(さんじゅえん)の「三寿園バウムクーヘン 大」は,手焼きのバウムクーヘンです。
御縁を大切にするお店で,厚みがあってきれいな円形の層に仕上げられています。
贈答用の高級感あふれるバウムクーヘンです。
愛媛県松山市・ソルシエの「キャラメルブロッシュ」はハードタイプのバウムクーヘンです。
ザックリとした生地で,キャラメルのほろ苦さと香ばしさを楽しめるバウムクーヘンです。
鹿児島県薩摩郡さつま町,菓子工房konomoto(このもと)の「竹林の小径(ちくりんのこみち)ハードバウム」は,鹿児島産のサツマイモでんぷんや島砂糖が使用された手作りバウムクーヘンです。
じっくり硬めに焼き上げられています。
地元の厳選素材が使われているので,ハードタイプですが,とてもやさしい味わいのバウムクーヘンです。
バウムフリット
ユーハイムのコーナーで,出来立てのバウムフリットが販売されていました。
バウムクーヘンを揚げたお菓子のようです。
お店の方に「このバウムフリットは普段でも販売されているのですか?」と伺ったところ,「いえ,今回のバウムクーヘン博覧会限定商品となります」とのことでした。
100gあたり300円(税込み324円)だったので,100g購入しました。
自宅で開封してみると,思ったよりたくさん入っていたので驚きました。
(バウムフリット(開封))
一口サイズのバウムクーヘンを揚げたお菓子です。
(バウムフリット)
バウムクーヘンの水分が抜け,サクサクのクッキーのような状態になっていました。
一度食べ始めると止まらなくなるような,美味しいお菓子でした。
切り売りバウムクーヘン
同じユーハイムで,バウムクーヘンの切り売りコーナーもありました。
1カット108円(税込)です。
(切り売りバウムクーヘン)
こちらは,広島市内の「ユーハイム福屋店(ユーハイム・カールユーハイム)」で購入した切り売りバウムクーヘン(2カット)です。
バウムクーヘンをすくいとるように「そぎ切り」されています。
この切り売りバウムクーヘンは,バウムクーヘン博覧会だけでなく,ユーハイムの一部店舗で常時サービスされており,1カットから購入できます。
バウムクーヘン詰め合わせセット
会場で,バウムクーヘン博覧会オリジナルのトートバッグに5ブランドのバウムクーヘンが入った「バウムクーヘン詰め合わせセット」が販売されていました。
(バウムクーヘン詰め合わせセット販売コーナー)
各日限定100セット・1人1セット限りの販売で,2,160円(税込)でした。
持ち帰り用の紙袋もバウムクーヘン博覧会オリジナルでした。
(バウムクーヘン博覧会オリジナル紙袋)
バウムクーヘン博覧会オリジナルトートバッグの中身はこんな感じでした。
(バ博トートバッグとバウムクーヘン)
5種類のミニバウムクーヘンが詰め合わされています。
(バウムクーヘン詰め合わせセット)
バウムクーヘン詰め合わせセットのオリジナルトートバッグとバウムクーヘンです。
次の5種類のバウムクーヘンが入っていました。
滋賀県:クラブハリエの「バウムクーヘンmini」
富山県:フェルヴェールの「バウムクーヘン」
静岡県:治一郎の「治一郎のバウムクーヘンカット」
東京都:洋菓子ヴィヨンの「プレーンバウムクーヘン」
兵庫県:ユーハイムの「リーベスバウム」
(詰め合わせバウムクーヘン5種)
バウムクーヘンを並べてみました。
写真中央がクラブハリエの「バウムクーヘンmini」,右上から時計まわりにフェルヴェールの「バウムクーヘン」,治一郎の「治一郎のバウムクーヘン」,洋菓子ヴィヨンの「プレーンバウムクーヘン」,そしてユーハイムの「リーベスバウム」です。
一口サイズにカットし,同じ配列で並べてみました。
(詰め合わせバウムクーヘン5種(カット))
滋賀県近江八幡市・クラブハリエの「バウムクーヘンmini」は,ミニサイズの丸いバウムクーヘンで,外側は薄いアイシングがなされています。
生地はとても薄い層が重なり,やわらかくて甘いバウムクーヘンです。
ちなみにクラブハリエは,最中などの和菓子で有名な「たねや」と同じグループです。
富山県高岡市・フェルヴェールの「バウムクーヘン」は,厚めにカットされたバウムクーヘンです。
ドイツの伝統的な製法で作られています。
1枚1枚の層がしっかり焼き上げられていて,生地にほどよい弾力としっとり感があるバウムクーヘンです。
静岡県浜松市・治一郎(じいちろう)の「治一郎のバウムクーヘンカット」は,ミニバウムクーヘンが4カット詰められています。
バウムクーヘンの外側は,薄くアイシングされています。
カステラや卵焼きのような,やわらかさ,しっとり感,もちもち感がある,程良い甘さのバウムクーヘンです。
東京都世田谷区・洋菓子ヴィヨンの「プレーンバウムクーヘン」は,外側に薄いアイシングがされ,丁寧に焼き上げられたバウムクーヘンです。
生地の層が詰まっていて,しっかりした食感です。
洋酒やスパイスが効いていて,芳醇な香りを楽しめるのも特徴です。
兵庫県神戸市・ユーハイムの「リーベスバウム」は,ユーハイムを代表するバウムクーヘンの1つで,外側はホワイトチョコでコーティングされています。
生地がやわらかく,繊細で上品な味わいのバウムクーヘンです。
バウムクーヘン博覧会には魅力的なバウムクーヘンが勢ぞろい
【es koyamaの「ビートル君と金色のバウム(バニラ)」】
今回のバウムクーヘン博覧会には,兵庫県三田市の「es koyama(エスコヤマ)」も出品されていました。
バウムクーヘン博覧会で出品された商品とは異なりますが,同店で販売されているバウムクーヘンを御紹介します。
「ビートル君と金色のバウム(バニラ)」です。
(ビートル君と金色のバウム(バニラ))
1つ1つの層がしっかり焼き上げられ,外側に厚いアイシングがなされたセミハードタイプのバウムクーヘンです。
薪をイメージして作られており,ざっくりとした食感とバターのとても豊かな香りが特徴です。
箱が絵本になっており,ビートル君の物語も楽しめるようになっています。
【ファットリア・ダ・コジモの「ガトーピレネー」】
今回のバウムクーヘン博覧会で味わってみたかったバウムクーヘンの1つに,福岡市南区・「ファットリア・ダ・コジモ(fattoria da Cosimo)」の「ガトーピレネー」があります。
会場に2日通ったのですが,いずれの日も売り切れでした。
(ファットリア・ダ・コジモ「ガトーピレネー」)
備長炭で焼き上げるバウムクーヘンで,地元の厳選食材を使い,1本3時間かけて手焼きされるため,販売できる数量も限られています。
いつか味わってみたいと思っています。
まとめ
欲張って盛りだくさんの内容となりましたが,日本全国に様々なバウムクーヘンがあることが御理解いただけたかと思います。
カール・ユーハイムが広島の地でバウムクーヘンを紹介して以来,バウムクーヘンは日本全国に広まり,日本の洋菓子の1つとして長きにわたり親しまれています。
ドイツの伝統的な製法で作られたバウムクーヘン,フォトジェニックな「映えバウム」,リンゴ・イチゴ・サツマイモ・米・抹茶など地域の素材を生かしたバウムクーヘン,バウムパン・バウムフリットなどバウムクーヘン(の生地)が使われたお菓子など,日本には実に様々なバウムクーヘンがあります。
お気に入りのバウムクーヘンとともに,素敵なティータイム・コーヒータイムをお過ごしください。
<関連サイト>
「バウムクーヘン博覧会」(バウムクーヘン博覧会実行委員会)
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