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2021年5月 5日 (水)

島根県出雲市のビーントゥバーチョコレート -La Chocolaterie Nanairo(ラ ショコラトリ ナナイロ)-

ビーントゥバーチョコレートを求めて島根県出雲市へ

 島根県出雲市には,カカオ豆の買い付けから選別,焙炒,テンパリング,成形,包装まで全ての行程を自社工房で一貫して行う「Bean to Bar(ビーントゥバー)」のチョコレートを製造・販売されているお店があります。

 出雲市斐川町にあるチョコレート専門店「La Chocolaterie Nanairo(ラ ショコラトリ ナナイロ)」です。

 このお店は,広島大学名誉教授の佐藤清隆先生の講演会でお話を伺ったり,料理雑誌で紹介されているのを拝読したりと,チョコレートに興味を持つ私はいつか行ってみたいお店でした。

 そこで私はゴールデンウイークを利用してこのお店を訪問し,カフェでチョコレートをいただくこととしました。

 出雲市駅から一畑電車に乗り,川跡(かわと)駅経由で雲州平田駅で下車しました。

(一畑電車・雲州平田駅)
Photo_20210505155301

 出雲市と松江市を結ぶ一畑電車,愛称「ばたでん」です。

 こちらの駅でレンタサイクル(電動自転車)を借り,片道約4kmの道をひたすらこいでお店に到着しました。

(La Chocolaterie Nanairo 店舗)
La-chocolaterie-nanairo

 店内はお客さんで一杯でした。

 私はカウンター席に御案内いただきました。

 メニュー表には,チョコレート,ケーキ,ショコラショー(ホットチョコレート),コーヒー,カカオティー(紅茶)などが御用意されていました。

 今回私は,カカオティーとチョコレートの「コレクション6種」を注文しました。


カカオティー

 出雲市斐川町の西製茶所の和紅茶(べにふうき)にお店オリジナルのカカオパウダーがブレンドされたドリンクです。

 カカオパウダー入りの紅茶とは珍しいと思い,注文しました。

(カカオティー)
Photo_20210505155601

 カカオパウダー入りだからか,濃いオレンジ色の紅茶でした。

 和紅茶のやさしい味わいを大切に,カカオパウダーは和紅茶の風味をそっと引き立てる程度に加えられている紅茶でした。

 砂糖やミルクを加えても美味しいと伺い,後半は砂糖を少し加えていただいたのですが,こうすると甘味とコクが加わり,ひと味違ったカカオティーを楽しめました。


コレクション6種

 このお店では,シーズンごとに作られる4種類のダークチョコレートと季節の素材を取り入れたトッピングチョコレート,そしてホワイトチョコレートの全6種類のチョコレートを御用意されています。

 「コレクション6種」は今シーズンのチョコレートを全て味わうことができるセットです。

 今シーズン「Spring/Summer Collection 2021」は,ドミニカのカカオ豆を使ったダークチョコレート4種とホワイトチョコレート,そしてみかんをトッピングしたチョコレートの6種類がラインナップされています。

 ダークチョコレートには「バッチナンバー(BATCH No.)」がナンバリングされています。

 目の前でチョコレートを1つ1つ丁寧に盛り付けていただきました。

(La Chocolaterie Nanairo コレクション6種)
La-chocolaterie-nanairo_20210505160201

 プレートを運んでいただいた際,お店の方からチョコレートの配置を説明していただきました。

 この写真では手前(写真左下)から奥(写真右上)に向かって,順番にNo.56,No.57,No.58,No.59,みかんトッピングチョコレート,ホワイトチョコレートという配置となります。

 確かにダークチョコレートは見た目では区別することができないので,番号順などの規則性がないと,私のような素人にはバッチナンバーと実物のチョコレートを照らし合わせることができません。

 バッチナンバー別のフレーバーノートもお借りして,それを見ながら順番にチョコレートの味や香りを楽しみました。

(フレーバーノート(BATCH No.59 ドミニカカカオ75%))
Batch-no59-75

 ダークチョコレート4種について,私は「フルーティーな香り」,「ナッツの香り」,「酸味がある」,「ほろ苦さを感じる」程度のレベルしか特徴を見い出すことができなかったのですが,お店のフレーバーノートに紹介されている説明書きは全く次元が違いました。

 例えば「BATCH No.59 ドミニカカカオ75%」の場合だと,
「ビルベリーとチェリーのパイに,グレープフルーツのようなすっきりとした柑橘の香り,キャラメルアーモンドの香ばしさとドライプルーンの甘酸っぱさ,ほうれん草とサーモンのポタージュスープに,そば粉のガレット,ラム酒が香るミルクジャムの懐かしい香りと微かに感じるフランキンセンスの香り。琥珀色に輝く幸せの青い鳥をイメージしたチョコレートです。」
と説明されています。

 フレーバーノートを1枚1枚めくりながら,いつの間にかテイスティングよりも,その説明書きを感心しながらじっくり読みふけってしまいました。

 しばらくしてお店の方から「チョコレートの違いはわかりましたか」とお話いただき,ハッと我に返りました。

 私は,
○4種類のダークチョコレートについては,順にカカオ分(カカオマス)が多くなり,ほろ苦さが強まって,カカオの味わいが深くなっているように感じたこと
○ホワイトチョコレートの甘いフレーバーとシャリシャリした食感は初体験で,これがカカオバターから作られた本物のホワイトチョコレートかと感動したこと
をお伝えしました。

 するとお店の方から,
○4種類のダークチョコレートは,いずれも同じ産地のカカオ豆で,カカオマスの割合など製法をほんの少し変えただけのチョコレートであること
○同じ産地のカカオ豆でも,製法の変化や作る時期によってフレーバーやテイストが異なるチョコレートができあがること
○ホワイトチョコレートはお店の人気商品で,このホワイトチョコレートを求めて来店・購入されるお客さんも多いこと
を教えていただきました。

 テストの答え合わせのような感じですが(笑),改めてフレーバーノートをパラパラめくってみると,カカオの割合はほぼバッチナンバー順に高く配合されており(No.56が65%,No.57が70%,No.58が80%,No.59が75%),見当違いの感想ではなかったのだとホッと胸をなでおろしました。

 同じ産地のカカオ豆でも,製法や時期が少し違うだけで,異なる香り・味をもつチョコレートができあがることを知り,チョコレートの理解が深まりました。

 そしてホワイトチョコレートです。

 一般的なホワイトチョコレートでイメージする味・食感とは異なっていて,驚きと感動の味でした。

 チョコレートの文献などで,ホワイトチョコレートがカカオバターから作られることは理解していましたが,その製法で作られたホワイトチョコレートをいただくのは初めてでした。

 フレーバーノートにホワイトチョコレートの工程が紹介されていました。

(ホワイトチョコレートの工程)
Photo_20210505162201
 「La Chocolaterie Nanairo」フレーバーノートを一部加工・引用

 カカオバター,全粉乳,砂糖だけで作られるホワイトチョコレートです。

 これまでホワイトチョコレートにはあまり関心を持ってなかったのですが,今回の体験で価値観が変わりました。

 みかんトッピングのチョコレートも,隠岐の島海士町産の乾燥みかんの濃縮された甘い香りと酸味が,ほろ苦いダークチョコレートのアクセントとなっている美味しいチョコレートでした。


縁結びの国・出雲を実感

 多くのお客さんでお忙しい中,お店の方からチョコレートについていろいろと教えていただきました。

 会話の中で,少しだけ佐藤先生の話題にも触れたのですが,それを聞いておられた店主さんが,私に自己紹介してくださった上で,「よろしければお名前を教えていただけませんか。今度,佐藤先生がこちらにいらっしゃる予定なので,お伝えしたいと思うのですが。」とおっしゃっていただきました。

 そのお気持ちが何よりも嬉しく,私は名刺とこのブログの紹介名刺をお渡ししました。

 ここ最近,新型コロナウイルスの関係で,チョコレートのイベント・講演会などでお会いする機会がない佐藤先生と,出雲の地でつながりを感じられるとは思ってもいませんでした。

 そして,店主さんの機転の効いたお取り計らいに感動しました。

 出雲は本当に縁結びのスポットなのだと実感した出来事でした。

 お店の皆さんに深くお礼申し上げ,お店を後にしました。


木綿街道とご縁電車しまねっこ号Ⅱ

 帰りに少しだけ,雲州平田駅周辺を観光しました。

(瑞穂大橋・斐伊川とレンタサイクル)
Photo_20210505163901

 スサノオノミコトの八岐大蛇(ヤマタノオロチ)伝説の舞台と伝えられる斐伊(ひい)川です。

 近くには多くの銅剣が出土した「荒神谷遺跡」もあります。

 それにしてもレンタサイクルの自転車は,「茶里旅(ちゃりたび)」と書かれた前かごと言い,バックミラーといい,いい味出してます。

 出雲市平田町は,かつて木綿の生産が盛んだったことから「木綿街道」と呼ばれる町屋の通りがあります。

(木綿街道・本石橋邸)
Photo_20210505164301

 老舗の醤油屋さん,酒屋さん,和菓子屋さんなどが軒を連ねています。

(來間屋生姜糖本舗)
Photo_20210505164302

 日本の生姜糖の元祖で,島根のお土産としても有名な「來間屋生姜糖」の本店もここ木綿街道沿いにあります。

(持田醬油店)
Photo_20210505164401

 木綿街道の醤油屋さんの1つ,持田醬油店です。

(みたらし団子(持田醤油店))
Photo_20210505164601

 持田醬油店のみたらし団子です。

 大きいお団子に,ほどよい甘さの醤油だれがたっぷりかかったみたらし団子です。

 雲州平田駅でレンタサイクルをお返しし,「ばたでん」で出雲市駅へ戻りました。

 帰りの列車で,雲州平田駅から川跡駅までの区間は「ご縁電車しまねっこ号Ⅱ」でした。

(ご縁電車しまねっこ号Ⅱ)
Photo_20210505164801

 ピンクのかわいい車両です。

(島根県観光キャラクター「しまねっこ」(ご縁電車しまねっこ号Ⅱ))
Photo_20210505164802

 「しまねっこ」がお出迎え。

(ご縁電車しまねっこ号Ⅱ車内)
Photo_20210505164901

 車内もピンク一色です。

 「もしかして女性専用車両?」と一瞬戸惑いました(笑)


 竹内まりやさん(島根県出雲市出身)の名曲「縁(えにし)の糸」の歌詞のとおり,いろんな人と出会い,物語が運ばれてくる魅力的な街でした。


<関連サイト>
 「La Chocolaterie Nanairo」(島根県出雲市斐川町坂田1934)
 「西製茶所」(島根県出雲市斐川町出西2720-1)

<関連記事>
 チョコレートの記事については,パソコン版サイト「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化事例研究」にある「チョコレートの研究」も御覧ください。

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食文化事例研究」カテゴリの記事

コメント

島根にビーントゥバーのチョコレートのお店があるんですか!(失礼!!)
カカオティー、まったく味の想像がつきません。
紅茶に無糖のココアパウダーを入れた感じなのでしょうか?
木綿街道、雰囲気が素敵ですね。みたらし団子がすごく美味しそうです。

ホワイトチョコレートが何で白いのか?
よく分かりました^^
いつも苦いチョコレートばかり食べている割に苦み走っておりませんが^o^
20世紀に出雲に行った時、ばたでんに乗って松江まで行った様な記憶があります。
自転車の旅というのも良いですね♪
八岐大蛇や酒呑童子は新潟出身という説があります。
いわゆる越の国(^_^)

chibiaya 様

chibiayaさん,おはようございます。
いつもコメントいただき,ありがとうございます!(^^)!

そうなんです島根にあるんです。ビーントゥバーで有名なお店が。
同じくビーントゥバーで有名なダンデライオン・チョコレートともコラボされたことがあるようです。

カカオティーは,紅茶の味がメインで,それにほんの少しカカオパウダーを加えたドリンクでした。
おっしゃるとおり,紅茶に無糖のココアパウダーをほんの少し加えた感じでした。大正解!

木綿街道ですが,出雲市平田町はかつて綿作が盛んで,それをきっかけに商業都市・工業都市として栄えてきた街のようです。
これまで出雲大社や日御碕灯台以外に,こんな魅力的な街があったのかと驚きました。

みたらし団子は,団子が大きくてもちもちで,それにお店自慢の甘い醤油だれがかかっていて,美味しかったです。
京都の小さい団子しか知りませんでしたので…(^^ゞ
あ,醤油を塗った焼きおにぎりもメニューにありましたよ!
お近くの野田へ行った時と同じ香りがしました(笑)

なーまん 様

なーまんさん,おはようございます。
いつもコメントいただき,ありがとうございます(^^♪

ホワイトチョコレートが売りのお店は珍しいですよね。
カカオバターのシャリシャリした食感が新鮮でした。
ダークチョコレート,よく召し上がっておられるんですね。
私もダークチョコレートが好みです。
カカオ99%のチョコレートまである時代ですが,自分の好みの割合ってあるものだなと思いながらチョコレートをいただきました。

ばたでん,御存知ですか!
しかもばたでんで出雲から松江までとは!
実は私もその旅をしてみようかなと思っていたんですよ。
レンタサイクルでのんびりと出雲を観光するのも良かったです。

神話のお話,なーまんさんはきっと御興味がおありだろうと思ってました(^-^)
ヤマタノオロチや酒吞童子のルーツは新潟という説があるのですか!
どちらのお話も神様が関係してますね。
新潟へもいつか行かなきゃ(笑)

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