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2021年9月19日 (日)

福島県桑折町「献上桃の郷」の川中島白桃 -桃の特徴・美味しい桃の選び方・グローバルギャップ-

「フルーツ王国」・「くだもの王国」福島県

 福島県はりんご,桃,梨,ぶどうなど果物の栽培が盛んな県で,「フルーツ王国」・「くだもの王国」と呼ばれています。

 JR東日本の磐越西線・東北本線では「フルーティアふくしま」という観光列車が運行されており,フルーツをふんだんに使ったオリジナルスイーツを味わうことが出来ます。

 今回はそんな「フルーツ王国」・「くだもの王国」福島県の桃に注目してみたいと思います。


福島の桃

 江戸時代まで,桃は主に花を愛でる観賞用として栽培されていました。

 福島で現在のような食用の桃の栽培が始まったのは,明治24年頃のことです。

 阿武隈川流域(現在の桑折町や伊達市など)に中国・河北系や欧米系品種の桃が導入され,栽培されたのが始まりと言われています。

 現在では,福島県の桃は山梨県に次いで全国第2位の生産量を誇り,福島県の代表的な果物の1つとなっています。


「献上桃の郷」福島県桑折町

 今回,私は「献上桃の郷」として知られる福島県桑折町(こおりまち)の桃をお取り寄せしました。

 「献上桃」とは,皇室や宮家へ献上される桃のことで,「献上桃の郷」は,それだけ立派で美味しい桃が生産・出荷されているふるさとの地という意味です。

 この桑折町の農家さんから送っていただいた魅力的な桃と,その農家さんから教えていただいた桃にまつわるお話などを御紹介したいと思います。


福島県桑折町「はねだ桃園」の桃をお取り寄せ

 2021年8月下旬に,福島県桑折町「はねだ桃園」の桃をお取り寄せしました。

 その約1か月前にネットで注文したのですが,その時点では「その時期にもっともおいしい(桃の)品種をお届けするため,品種の指定はできません」とのお話だったので,どんな品種の桃が届くのかワクワクしながら到着日を待ちました。

 そして,待ちに待った福島の桃が自宅に届きました。

 福島から遠い道のりを経て広島まで届いたかと思うと,とても感慨深いものがあります。

 箱を開けてみました。

(川中島白桃(箱詰め))
Photo_20210919111101

 大きな「川中島白桃」が4個,箱詰めされていました。

 普段お店で見かける桃に比べて,一回り大きな印象を受けました。

(川中島白桃(拡大))
Photo_20210919111201

 手に取ると,ずっしりと重みを感じました。そして,桃の甘い良い香りがしました。

(川中島白桃(サイズ))
Photo_20210919111202

 川中島白桃のサイズ(直径)は約11cmありました。

 「はねだ桃園」の羽根田幸将さんからのメッセージカードも添えられていました。

 そのメッセージには,次のとおり書かれていました。

 こんにちは。はねだ桃園です。
 本日収穫したばかりの『川中島白桃』をお届けしました。
 川中島白桃は晩成の桃を代表する品種です。
 肉質がしっかりしていて,もっちりとした食感と強い甘みが特徴の品種です。
 暑い日が続きますが,旬の桃を食べて健やかな日をお過ごしください。
 直射日光を避け,風通しの良い涼しい場所で保管してください。
 やや硬いと感じたら数日間追熟してください。
 はねだ桃園 羽根田幸将

 深い愛情を込めて育てられた桃なのだろうなと思いながら,読ませていただきました。

 メッセージカードの裏には,羽根田幸将さんの描かれた絵がありました。

(羽根田幸将さんの絵「黄金桃」)
Photo_20210919111701

 羽根田幸将さんは絵画がお得意で,美術を学ばれた御経験もあります。

 羽根田さんのお人柄そのもののような,やさしさや穏やかさが感じられる絵です。


最高の桃を最高の食べ方でいただく

 川中島白桃をじっくり眺めてみると,表面に細かな産毛がたくさん生えていることがわかりました。

(川中島白桃)
Photo_20210919111901

 桃を氷水で冷やし,皮付きで食べるのが最高の食べ方なのだとか。

 桃を冷蔵庫でなく氷水で冷やす方法は,私が通うフランス料理店のシェフからも教わったことがあります。

 桃は冷やしすぎるとその甘みを感じにくくなってしまうからです。

 また,桃は皮と身の間に甘みや栄養素が最も多く含まれているため,皮付きのまま食べても美味しいようです。

 ならば最高の桃を最高の食べ方で食べてみようと,まずは桃を氷水で約15分間冷やしました。

(桃を氷水で冷やす様子)
Photo_20210919112401

 桃を冷水に入れると,水面にたくさんの産毛(うぶげ)が浮きました。

 そこで,水の中で桃の表面をやさしくこすり,産毛を取り除きました。

(桃の産毛を取り除いた様子)
Photo_20210919112601

 産毛を取り除くと,桃の皮が鮮やかな赤色に変化しました。

 この桃に,包丁で種にそってぐるりと切れ目を入れ,アボカドの種を取るように種から果肉を取り外しました。

(川中島白桃(四等分))
Photo_20210919112701

 完熟の桃は種の周りの赤い部分も甘いため,カットは最小限にし,皮付きと皮なしの両方を味わいました。

(川中島白桃(皮付き・皮なし))
Photo_20210919112901

 まずは皮付きからいただきました。

 桃の甘く魅惑的な果汁が口の中でほとばしり,一瞬にして幸せな気持ちになりました。

 皮も全く渋みがなく,桃の香りが一層引き立っていました。

 続いて皮なしをいただきました。

 皮を取り除くと,桃の果実の食感だけになり,贅沢感が増しました。

 結果的に私は「皮なし」が好みでしたが,皮付きの食べ方をおすすめできるとは,栽培に自信を持っておられ,安全な桃であることの証明だと思いました。


桃について理解を深める

 福島県桑折町「はねだ桃園」の羽根田 幸将さんと南 和希さんのお話をウェブで伺うことが出来ました。

 農園見学あり,桃にまつわるクイズありの楽しいひとときで,桃について色々と学べる機会となりました。

 今回,桃について学んだことなどを御紹介したいと思います。

【1本の木からできる桃の数】
 桃の木1本から約500個の桃ができる。

【桃栗三年柿八年】
 桃は果実がなるまで約3年かかり,4年目ぐらいから出荷できるようになる。その後10年から15年が結実のピークで,20年程度で寿命(桃の生産量減少)となる。

【桃がお尻の形をしている理由】
 桃はもともと左右に角が生えたような形をした果実だった。その後の品種改良によって徐々に現在の丸い形となった。

【美味しい桃の選び方】
 「色」…桃の軸があった方(日が当たってない方)の色(地色)がクリーム色のものがよい。
 「果点(かてん)」…太陽にしっかり当たった桃は,表面に白いそばかす(果点)ができる。これが多い桃は甘い。
 「大きさ・形」…縫合線(割れ目)から左右対称の桃を選ぶ。横幅が広がり過ぎている桃は,中の種が割れて渋くなっている可能性大。
 「触感」…表面がスベスベしている桃が食べ頃。(※鳥などに食べてもらいやすいよう,熟すと表面がスベスベになる。)

【収穫時期の違いによる特徴】
 「早生(わせ)」(早い時期に収穫する品種)の桃はジューシーで肉厚,「晩生(おくて)」(遅い時期に収穫する品種)の桃は甘くて大きい。

【摘果(桃の間引き)】
 桃が多くなりすぎると木に負担がかかるため,「摘果(てきか)」が行われる。
 摘果した桃は,そのまま土に戻し,肥料とされる。

【地面からも太陽光】
 桃の木の地面に反射シートを敷き,下からも桃に太陽光を当てている。

【商品となる桃は1%の超エリート】
 桃の元になる100個の花芽(はなめ)から,選別作業が繰り返され,最後に商品になる桃はたった1個。

【日本の桃の生産量トップ3】
 1位:山梨県,2位:福島県,3位:長野県 (この3県で生産量の約6割を占める)

 最後の日本の桃の生産量トップ3については,中国地方(広島県)に住む私にとって「桃は岡山県」というイメージが強いので,少し意外に感じました。

 ちなみに,広島県内でも,三原市大和町の「阿部農園」(阿部白桃・阿部水蜜)や「部谷(ひや)桃園」など,オンリーワンの桃や美味しい桃が生産されています。

 何か1つでも参考になれば,そして桃に興味を持っていただけるきっかけとなれば幸いです。


まとめ

 「はねだ桃園」さんの美味しい桃を堪能し,桃のことをたくさん学べました。

 東日本大震災・福島第一原発の影響を受けた「フクシマ産」という風評被害からの克服,日本初となる桃農家の「グローバルギャップ(GLOBAL G.A.P)」の導入・販路拡大など,困難に立ち向かいながらも常に前向きに取り組まれている姿が印象的でした。
 ※農家が食品の安全性や環境保全,労働安全などに配慮して営農していることを認める国際的な認証制度。(G:GOOD(良質な),A:AGRICULTURAL(農業の),P:PRACTICES(実践・行い))

 そして,羽根田さんの「『誠実』って,言ったことを成して実らせるという意味だと思います」という言葉に,お人柄や「はねだ桃園」の桃のすべてが表されているように思いました。

 最後に私は,羽根田さんと南さんへウェブカメラから,「美味しい桃でした。桃を皮ごといただいたのは生まれて初めての経験でした(笑)」とお伝えしました。

 捨てるはずの種さえも愛おしく感じた福島県桑折町の桃。

 愛情をたっぷり込めて育てられた桃をぜひ御賞味ください。


<関連サイト>
 「はねだ桃園」(桑折町大字谷地字石近28-3)
 「献上桃の郷・桑折町」(福島県桑折町)
 「ふくしま。GAPチャレンジ」(福島県農林水産部環境保全農業課)
 「フルーティアふくしま」(のってたのしい列車・JR東日本)
 「阿部農園」(広島県三原市大和町大草20911-18)
 「部谷桃園」(広島県三原市大和町上徳良84)

<参考文献>
 「東北食べる通信」(2018年7月号「白桃」・NPO法人 東北開墾)

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コメント

桃は大好物ですが、皮を剥くのが面倒!
そう思っていたので、今回の記事は目から鱗でした^o^
コロナのせいで取材に行けないと嘆いておりましたが、コウジ菌様は通販とウェブカメラという新規軸を打ち出された様ですね^^
四月に車で甲府盆地へ行くと、一面桃の花が咲き誇りまさに桃源郷の様です(^_^)
ソメイヨシノは花を愛でるだけですが、桃はその後美味しい果実が実るのでお得感がありますね^o^

川中島白桃でありませんが、偶然にもきのう桃を買い、
皮むきが面倒だなーと思ったところです。
そうやってくし切りして食べる手があった…!(笑)

なーまん 様

なーまんさん,こんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます。

桃の皮って,新鮮過ぎても,熟し過ぎてもむきにくいですよね。
今回の桃は,皮ごと食べても美味しかったです。
皮ごと食べたら酸っぱいかな,苦いかなとも思ったのですが,そんな心配は無用でした。
皮をきれいに洗う必要はありますが,よろしければお試しください。

今回,Zoomを利用させていただいたのですが,遠く離れた人同士でも,簡単に現地の様子がわかり,コミュニケーションがとれる手段があるのは便利ですね。
私はまず職場の会議で慣らし,今回の本番を迎えました。(普通は逆ですが…(笑))

甲府盆地,神奈川県からだとそんなに遠くないようですね。
桃の花でいっぱいの光景も見てみたいです。
広島にも桃園があり,桃の収穫時期になると桃を買いに出かけることもありますが,今度いつか,桃ではなく桃の花の咲く時期に出かけてみたいです(^-^)

chibiaya 様

chibiayaさん,こんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます。

桃の時期もそろそろ終盤を迎えますが,昨日桃を購入されたんですね!
だから私も桃の記事を書こうとおもったのかな(^^ゞ
昨日のうちに頑張って掲載すればよかったですね…(笑)

桃は皮むきが簡単にできるなら,美味しいので,どんどん買って,どんどん食べそうです(笑)
洋菓子店で,桃を丸ごと1個使った「丸ごと桃のタルト」が売られているのを見かけるたびに,「こんなにきれいに皮をむけるなんてスゴイ」と感動してしまいます。

桃を1個丸ごと皮をむくのではなく,縦横に包丁で切れ目を入れ,中の種を取り除いてから,くし切りにし,その状態で先端からゆっくり皮をむくと,割と簡単にきれいにむくことが出来ました。

それ以前に,皮ごと食べるのもいいかも知れません(笑)

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