イギリス料理の特徴と主な料理5 -タンノックのミルクチョコレートキャラメルウェハース-
タンノックのミルクチョコレートキャラメルウェハース
仕事帰りに職場の後輩から,イギリス(スコットランド)のお菓子をいただきました。
タンノック社(Tunnock's)のミルクチョコレートキャラメルウェハースです。
イギリスを旅行した際に現地で食べてとても気に入ったお菓子なのだそうです。
イギリスではスーパーマーケットなどでも簡単に入手でき,帰国後のお土産にもなるので気に入ったらしいのですが,日本国内では売られていないため,通信販売で購入したとのことでした。
タンノック社(スコットランド・グラスゴー)のウェブサイトによると,タンノック・ミルクチョコレートキャラメルウェハースは,トーマス・タンノックさん(ベーカリーショップ・ティールームの創業者)の息子さんのアーチーさんが,お店で販売するケーキよりも日持ちするお菓子を作ろうと,ウェハースとキャラメル,チョコレートを使って開発されたお菓子なのだそうです。
(タンノック・ミルクチョコレートキャラメルウェハース(パッケージ))
タンノックのミルクチョコレートキャラメルウェハースのパッケージです。
このパッケージの中にミルクチョコレートキャラメルウェハースが8本詰められています。
そのうちの2本をいただきました。
(タンノック・ミルクチョコレートキャラメルウェハース(パッケージ・裏面))
こちらはパッケージの裏面です。
日本語で記載された食品表示シールがないのは,個人輸入ならではです。
(タンノック・ミルクチョコレートキャラメルウェハース(個包装))
個包装の様子です。
それでは中身を取り出してみます。
(タンノック・ミルクチョコレートキャラメルウェハース)
ウェハースがミルクチョコレートでコーティングされています。
ウェハースの中には,溝を埋めるようにキャラメルがサンドされています。
いただいてみました。
キャラメルがウェハースと交互に薄く何層にもサンドされており,キャラメルの粘りがあります。
その粘りを軽いウェハースが受け止め,チョコレートも薄くコーティングされているので,思ったよりもずっと軽い食感でした。
キットカットを膨らませて軽い食感に仕上げたようなチョコレート菓子です。
チョコレートとキャラメルとウェハース,それぞれ異なる食感が口の中で一緒になり,溶け合う楽しみがあります。
とても甘いチョコレートバーではないかと少し構えていましたが,実際にいただいてみると,チョコレートとキャラメルの甘さを,香ばしくてサクサクのウェハースがうまく受け止め,ちょうど良い甘さでした。
ウェハースを美味しく味わうためのチョコレート菓子だと思いました。
ちょっとしたおやつやティータイムにぴったりのお菓子です。
スコットランドとウェハース
イギリス北部に位置するスコットランドは,ウェハースとの関わりが密接な地域です。
その理由として,寒冷なスコットランドで栽培される主要穀物「オーツ麦(エンバク・カラス麦)」とスコットランドの伝統食「オーツ・ケーキ(オーツ麦のビスケット)」の存在があります。
オーツ麦はグルテンの含有量が少ないため,焼いてもパンのように膨らまず,ウェハースのように平たく焼き上がります。
チョコレートでコーティングされたビスケット・ウェハースは,イギリス北部・スコットランドで好まれる傾向にあるのですが,「チョコレートの世界史」の著者・武田尚子さんはその理由として,「ウェハースがオーツ・ケーキを日常的に食べるブリテン島北部の消費者の好みに合っていたからでは」とまとめられています。
タンノック社の「ミルクチョコレートキャラメルウェハース」は,イギリスのロウントリー家・キャドバリー家・フライ家を中心としたココア・チョコレート製造業の発達と,「オーツ・ケーキ」を伝統食とするスコットランドの食文化を背景に生まれたお菓子だと言えるでしょう。
<関連サイト>
「Tunnock's」(34 Old Mill Road, Uddingston, Glasgow, United Kingdom)
<関連記事>
「イギリス料理の特徴と主な料理1 -キットカット-」
<参考文献>
武田尚子「チョコレートの世界史」中公新書
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コメント
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完全に油断しておりました!あいすいませんm(^.^)m
ブリテン島には行った事がありますが、スコットランドには行った事がありません(⌒-⌒; )
なーまん的には、ウェハースをつまみにウイスキーボンボンを食べたいと思います(^.^)
素敵な後輩に恵まれ、羨ましい限りですv(^^)
投稿: なーまん | 2022年1月15日 (土) 21時05分
なーまん 様
なーまんさん,こんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます。
いつもとペースが違うにもかかわらず,お気遣いいただき,大変恐縮しております。
ブリテン島へ行かれたお話,思い出しました。
お酒がお好きな方は,スコットランドと言えばウェハースよりはスコッチウイスキーですよね(笑)
ウェハースをつまみにウィスキーボンボンですか(^-^)
かなり変わった食べ方ですが(笑),確かにこれは美味しいでしょうね。
私としては,ウィスキーとビターチョコレートをカッコよく召し上がるなーまんさんをイメージします。
後輩は,自分が食べたいと思って取り寄せたお菓子の一部を分けてくれたのですが,その優しさへの感謝の気持ちを込めて,この記事をまとめました。
投稿: コウジ菌 | 2022年1月15日 (土) 22時01分