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2022年5月15日 (日)

美術館とカフェ・レストランの魅力5 -ウッドワン美術館企画展「つながる美人画」とコラボ膳「つながる美人飯」-

ウッドワン美術館

 広島県廿日市市吉和(旧:吉和村)は,広島県北西部,隣は山口県と島根県に位置する地域です。

 その廿日市市吉和にある「ウッドワン美術館」を訪問しました。

 ウッドワン美術館は,木質建材メーカーの株式会社ウッドワンが所蔵する美術品を中心に展示・公開されている美術館です。

 西中国山地の自然環境豊かな場所にあります。

(ウッドワン美術館全景)
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 写真右側の建物が本館,左側の建物が新館です。

(ウッドワン美術館・庭園)
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 正門を入ると,本館の前に美しい庭園が広がっていました。

(麗子ちゃんのお庭)
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 庭園に「麗子ちゃんのお庭」というコーナーがありました。

 この「麗子ちゃん」は,ウッドワン美術館の代表的な所蔵作品・岸田劉生の「毛糸肩掛せる麗子肖像」(麗子像)に由来するウッドワン美術館のオリジナルキャラクターの名前です。

 この「麗子ちゃんのお庭」に花を持参し,植えた人は当日の入館料が無料になるイベントも実施されていました。

 しばらく庭を観賞した後,美術館に入場しました。


企画展「つながる美人画」

 ウッドワン美術館で「つながる美人画」というテーマの企画展が開催されていました。

(企画展「つながる美人画」チラシ)
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 (ウッドワン美術館企画展「つながる美人画」チラシを引用)

 私には芸術の才能や知識がないので,どれが私の好み・タイプかという観点で鑑賞することにしました(笑)

 私がいいなと思った作品は,上村松園「舞仕度」,山本芳翠「婦人像」(チラシ一番下の絵),藤島武二「女の顔」,和田英作「ミカンを摘む少女」などです。

(上村松園「舞仕度」)
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 (ウッドワン美術館絵葉書 上村松園「舞仕度」の一部を引用)

 こちらは上村松園(うえむら しょうえん/1875-1949)の「舞仕度(まいじたく)」という作品の一部です。

 女性が舞をするための仕度をしている様子を描いた作品です。

 細部まできれいに描かれており,色彩も鮮やかです。

 そして私が何より驚いたのは,この絵の作者・上村松園が女性であることです。

 こうした美人画は男性の視点から見た女性を,男性が描くものと勝手に思い込んでいた私にとっては衝撃的でした。

 これは私の「アンコンシャス・バイアス」(無意識の思い込み・偏見)だった訳ですが,この上村松園のほかにも,浅見松江や伊藤小坡など,女性が描いた美人画が数多く展示されていて,女性の魅力を女性が描いた作品にとても興味を持ちました。


ウッドワン美術館コラボ膳「つながる美人飯」

 ひととおり作品を観賞し,休憩を兼ねて食事をとることにしました。

 併設の「カフェ・マイセン」で軽食・喫茶をと思っていたのですが,受付の方に尋ねると,施設メンテナンスで現在休業中とのことでした。

 そして隣接する「レストランめがひら」を御紹介いただきました。

(ウッドワン美術館・中庭)
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 本館から中庭を通って新館へ,新館2階から連絡通路を渡って「レストランめがひら」へ行きました。

(レストランめがひら)
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 お店の入口に「ウッドワン美術館コラボ膳『つながる美人飯』」の案内がありました。

(ウッドワン美術館コラボ膳「つながる美人飯」案内板)
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 企画展にちなんだこのような食事が用意されていることは全く知らなかったので,こうした美術館とレストランとの「つながり」があることをとても嬉しく思いました。

 この「つながる美人飯」を注文しました。

(ウッドワン美術館コラボ膳「つながる美人飯」)
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 「ご飯(吉和米・吉和名水)」,「香の物」,「発酵美人鍋」(鶏手羽元,豆もやし,ごぼう,豆腐,あわび茸),「サーモン・アボカド・トマト・若布のサラダ(えごまドレッシング)」,「牛フィレ一口ステーキ(トマトポン酢)」,「ヨーグルト・フルーツグラノーラ」,「豆乳プリン・デーツ」という豪華セットです。

(「つながる美人飯」ペーパーランチョンマット)
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 トレーにはオリジナルのペーパーランチョンマットが敷かれていて,それに「つながる美人飯」のお品書きが記されていました。

 ヘルシーな食材,栄養豊富な食材,美容効果が期待できる食材,そして地元の食材が使用された料理で構成されていました。

 発酵美人鍋の具として,廿日市市吉和特産の「あわび茸」が入っていました。

(発酵美人鍋のあわび茸)
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 コリコリした,海のアワビのような食感のキノコです。

(「ヨーグルト・フルーツグラノーラ」と「豆乳プリン・デーツ」)
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 こちらはフルーツグラノーラのヨーグルトがけと,デーツがのせられた豆乳プリンです。

 デーツは中近東や北アフリカを中心に栽培されているナツメヤシの実です。

 食べやすくドライフルーツにされたものがのせられていました。

 デーツは,広島の食品メーカー・オタフクの「お好みソース」で「甘みのもと」としても使われています。

 食物繊維が豊富で,カリウムやマグネシウムなどのミネラルも多く含まれるデーツは,まさに美と健康の味方なのデーツ。


 地元食材が使用され,美や健康にも配慮された数々の料理を堪能しました。

 美味しくて美しくなれる,まさに美食御膳でした。


まとめ

 食事後,ウッドワン美術館・レストランめがひら周辺を散策しました。

 すぐ後ろにスキー場(めがひらスキー場)があり,こういう場所に来ているのかと驚きました。

(めがひらスキー場)
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 写真右側にリフトが見えます。雪に覆われたスキー場の光景をイメージしました。

 冬は全長2,300mの超ロングダウンヒルが楽しめるスキー場になるようです。

 そして施設入口にはニュージーランドからやってきた「ビッグカウリ」と呼ばれる大木(樹齢1,000~1,200年)が展示されていました。

(ビッグカウリ)
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 木材メーカー「ウッドワン」ならではのスケールの大きな展示品です。

 廿日市市は「ウッドワン」をはじめとする木材・木工メーカーが多いまちで,木工玩具「けん玉」発祥の地でもあります。

 また,廿日市市とニュージーランド・マスタートンは平成10年(1998年)に姉妹提携が締結されており,今も交流が続けられています。

 その関係もあるからだと思いますが,「レストランめがひら」のステーキには,ニュージーランドのビーフやラムが使われています。

 このレストランには1ポンド(約453.6グラム)超えの「Megaステーキ」というメニューもあり,私は美人画以上にこのメニューに注目しました。

 麗子ちゃんの好物も「Megaステーキ」だったりして…(笑)


<関連サイト>
 「ウッドワン美術館」(広島県廿日市市吉和4278)
 「廿日市の一品 あわび茸」(廿日市市観光課)
 「デーツ」(オタフク)
 「けん玉発祥の地 はつかいち」(廿日市市産業振興課)

<関連記事>
 「野菜と果物から作られるオタフクお好みソース -オタフクスペシャルとベジラビットオリジナルソース-

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コメント

上村松園といえば「序の舞」が有名ですが、個人的には「舞仕度」の方が好みですね^ ^
おんなのひとに「凛々しさ」よりもたおやかさや、やさしさを求めるオトコのエゴなのかもしれませんが^^;
葛飾北斎も娘の葛飾応為の方が美人画は上手だと褒めていました。
最近のアニメでは「男の娘」が人気のようですが、作者も読者も女性が多いのでしょか^^
「つながる美人飯」というネーミングもうまいですね😋
鳥取の大山にスキー場があるのは知っていましたが、広島に本格的なスキー場があるのは知りませんでした^o^
広島は暖かいところと、勝手に思い込んでいた私には衝撃的でした^ ^

こんな山あい(失礼!)に美術館があるんですねえ。
上村松園は鑑定の某テレビ番組で知りましたが、あの時代に女性の画家がいたことに驚きました。
私が無知すぎなだけかもしれませんが(^^;)
このランチ(ですよね?)、これで1500円とはかなりお得じゃないですか?
最近デーツをよく見かけるようになりましたね。

なーまん 様

なーまんさん,こんばんは!
いつもコメントいただき,ありがとうございます<(_ _)>

上村松園を御存知なんですね。さすがなーまんさん!
「序の舞」,ネットで確認しました。確かにこちらも美しい女性が描かれていますね。
女性の方が,女性の美しさ・特徴がわかる分,美人画を描くのに有利なのかも知れませんね。
よく考えれば,漫画なども女性漫画家の描く女性の絵は上手いですもんね。

「男の娘」,恥ずかしながら初めて知りました(^^ゞ
今後の美人画はどんな人物が描かれることになるのか,不思議な気持ちになりました。

広島県北部には,スキー場がたくさんあります。
広島県は東西南北に広い県ですので,みかんやレモンが採れる温暖な地域もあれば,りんごが採れる豪雪地域もあります。
そのため,広島県は日本の縮図とも呼ばれています,
今回訪問した所も,春から秋にかけては美術館やアウトドア施設が賑わい,冬はスキー場が賑わうので,うまくできているなと感心しました(^-^)

chibiaya 様

chibiayaさん,こんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます\(^o^)/

そうです,中国山地の山あいで,広島市の自宅から結構遠いので,なかなか行く機会がなく,今回初めて訪問しました。
上村松園,御存知とはスゴイです。私は解説を読むまで,ずっと男性浮世絵師の作品だと思っていました(笑)
明治の頃は,まだまだ女性画家は少なかったことと思いますが,その分,彼女たちの絵を描く才能は抜群だったのだなと思いました。

「つながる美人飯」はランチでいただきました。
確かに1人用の鍋やステーキまで付いて1,500円ならお安いと思いました。
ただ,周りのお客さんは丼ものや麺類,カレーなどの単品料理を注文される方が多く,私が訪問した時間帯に「つながる美人飯」を食べていたのは私だけのようでした。
料理を1つ1つ味わってメモを取り,アクリルパーテーションを移動させてまで料理写真を撮って…と気合い入れまくりで食事していたので,私はさぞかし浮いていたことでしょう(笑)
デーツ,そちらでも販売されているんですね!広島だけかと思ってました(^-^)

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