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2022年5月22日 (日)

群馬の食文化の特徴を探る(5)-桐生市・武正米店の「ポテト入り焼きそば」と「子供洋食」-

 2021年12月末に,群馬県桐生市の武正米店を訪問しました。

 前回の訪問が2017年5月初めなので,約4年8か月ぶりです。

 これで3回目の訪問となります。

 広島から飛行機で羽田空港へ行き,東武鉄道浅草駅から「特急りょうもう」赤城行に乗車して,桐生を目指しました。

(浅草駅・特急りょうもう・赤城行)
Photo_20220522115401

 浅草駅から東武鉄道を利用する際は,松屋で浅草のお菓子を買って車内で味わうのが私の楽しみです。

(特急りょうもう・行先表示器)
Photo_20220522115501

 特急りょうもうに乗車し,東武伊勢崎線・桐生線を経て桐生市の相老(あいおい)駅で下車しました。

 相老駅からは,わたらせ渓谷鐡道に乗り換え,桐生駅を目指しました。

(桐生駅・わたらせ渓谷鐡道「トロッコわっしー号」)
Photo_20220522115601

 桐生駅に到着した「トロッコわっしー号」です。

 桐生駅からは徒歩で武正米店へ向かいました。

(武正米店)
Photo_20220522115602

 武正米店です。米店とクリーニング店と飲食店を兼業されています。

 久しぶりの訪問なので,少し緊張しました。

 「こんにちはー」と周りを伺いながらお店に入ると,奥様がおられ,私を御覧になった瞬間「あー広島の方!」と応対してくださいました。

 当日お店が開いているかどうかを確認するため,あらかじめ電話はしましたが,御負担にならないよう,私が広島から伺うとはお伝えしませんでした。

 それにもかかわらず,ちゃんと覚えてくださっていました。

 奥様は「今ももらったはがきを貼ってるからわかるよ」とおっしゃり,配達に出ておられた御主人に電話してくださいました。

 私は「あっ,今もちゃんと貼ってくださっているんですね」と少し照れながら,はがきを確認しました。

(店内・お礼のはがき)
Photo_20220522130901

 有名人のサイン色紙がずらりと展示されている中に私のはがきも紹介してくださっていることに,申し訳なさとありがたさを感じつつ,席に座りました。

 前回私が訪問した後で,大変な時期もあったようで,それを見事に克服されてお店を続けられているとのことでした。

 しばらくして御主人が配達から戻ってこられました。

 お互いに再会を喜んだあと,御主人から親しみを込めて「今日は何にする?」と聞かれたので,私は「原点に戻り,ポテト入り焼きそばと子供洋食をお願いします」と基本メニューの2品を注文しました。

 配達から戻ってこられたばかりでお疲れにもかかわらず,張り切って作ってくださいました。

 しばらくして「ポテト入り焼きそば」が出来上がりました。

(ポテト入り焼きそば)
Photo_20220522131201

 茹でたじゃがいもともやしが入った焼きそばです。

 仕上げに青のりがかけられ,紅生姜も添えられています。

 大阪や広島のお好み焼に使われる濃厚甘口ソースではなく,ウスターソースの風味に近いさらりとした焼きそばソースが使われています。

 もっちりとした麺,ホクホクのじゃがいも,シャキシャキのもやしが甘いソースとからまり,ボリューム満点の美味しい焼きそばに仕上がっていました。

 続いて「子供洋食」が出来上がりました。

(子供洋食)
Photo_20220522131801

 出来たて・アツアツです。

 子供洋食は,茹でたじゃがいもと刻んだねぎ,干し海老をソースで炒め,仕上げに青のりをかけて,紅生姜を添えた料理です。

 じゃがいもにソースがねっとりと絡みつき,ねぎの甘みや干し海老の香ばしさも加わって,焼きそばやお好み焼と同等の立派な料理となっています。

 特別見栄えのする料理ではなく,豪華な食材を使っているわけでもありませんが,はるばる遠方からでも味わいたいと思わせる,魅力にあふれた郷土食です。

 食事しながら,御夫婦とテーブルを囲んで会話を楽しみました。

 その時のお話をいくつか御紹介します。


【じゃがいもの調達】
 じゃがいもが不作で値段が高騰していた時期だったので,大変なのではと心配したのですが,「地元(群馬)の農家からじゃがいもを調達できているので大丈夫」とのお話を伺い,安心しました。

【桐生と養蚕・織物工業】
 桐生第一高等学校は,裁縫の学校が前身だと伺いました。
 群馬大学理工学部も前身は桐生高等染織学校であり,桐生が養蚕・織物工業を中心に発展した街であることを再認識しました。
 「子供洋食」も,そうした養蚕・織物工業に携わる織工さんやその子供たちの軽食・おやつとして食べられ,現在まで受け継がれているのでしょう。

【ニューイヤー駅伝】
 年末に訪問したため,街中で群馬県を舞台に行われるニューイヤー駅伝の看板を多く見かけました。
 武正米店のすぐ近くもコースになっており,お店の方もボランティアで大会に協力されるとのことでした。

【お店の紹介】
 「子供洋食」や「ポテト入り焼きそば」を多くのマスコミに紹介してもらったお話を伺いました。
 また,東京・銀座の群馬県アンテナショップ「ぐんまちゃん家」で「子供洋食」を紹介されたこともあるようです。

【群馬県の位置】
 群馬県が,栃木県・埼玉県・長野県・新潟県そして福島県と接していることを教えていただきました。
 私が思わず「えっ,新潟や福島ははるか遠くのイメージですが…」とお話しすると,御主人から「私たちから見れば,広島ははるか遠くに感じますよ」とお返事があり,それもそうだと納得しました(笑)

 食後に奥様がコーヒーを淹れてくださり,コーヒーをいただきながら会話を楽しみました。

(コーヒー)
Photo_20220522135601

 1時間を過ぎた頃,私が次の用事があることを察して,御主人が車を用意してくださいました。

 私は奥様に広島のお土産をお渡しし,お礼を述べたあと,御主人に車で桐生駅まで送っていただくこととしました。

 桐生駅に着き,御主人にお礼を申し上げた後,感謝を込めて車が見えなくなるまでお見送りしました。

 久しぶりに実家へ帰り,実家で家庭料理を食べたような感じでした。

 ワンコインでおつりがくる「子供洋食」や「ポテト入り焼きそば」を求め,はるばる広島から訪問する理由は,料理そのものの魅力はもちろん,お店の方の温かな人情に触れることが出来るからです。

 またいつかお店を訪問することを心に誓い,桐生を後にしました。


<関連サイト>
 「武正米店(食べログ)」(群馬県桐生市浜松町1-6-35)

<関連記事>
 「群馬の食文化の特徴を探る(2) -桐生市「子供洋食」からわかる群馬の食文化-
 「群馬の食文化の特徴を探る(4) -「子供洋食」と「ミックス ポテト入り焼きそば」-

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コメント

有名人の色紙と一緒に写真付きのハガキが飾られていたら、「見たことない人だけどこれ誰だろう?」ってなるでしょうね~(笑)
特急りょうもうで食べた浅草のお菓子が何なのか気になるんですが(^^;)
見てたら焼きそばが食べてくなってきました。

過去記事から拝見致しました^ ^
きりゅうな人、きりゅうな川、そして今回はきりゅうな列車ですね(^.^)
コウジ菌様の旅の記事を拝見すると、いつも心が温まります^^
世界ウルルン滞在記を思い出しますね(^_^)
やはり、お人柄の賜物でしょうか。
個人的には、東日本は稲作よりも畑作や牧畜に向いた土地だと思っています。
秦氏の定住した土地は、富士吉田も秦野も、そして群馬も埼玉も畑作が盛んでうどんやほうとうが名物!
養蚕も得意ですが、稲作漁撈が得意な純粋な弥生人ではない気がします。
私も米を食べない日はあっても、パンや麺類を食べない日はありません^^
欧米化?それとも秦氏の子孫なのか?
畠山ではありませんが(^。^)

chibiaya 様

chibiayaさん,こんばんは。
早速コメントいただき,ありがとうございます。

有名人の中に1人だけ謎の広島の人物がいる…。
お客さんから「この人誰ですか?」と聞かれた時,お店の人は何と答えてらっしゃるのでしょうね…。
奥様からは「(はがきを送ってくるぐらいなので)学校の国語の先生ですか?」と聞かれましたが違います(笑)

今回松屋で買って食べたお菓子は,浅草「梅園」の梅園饅頭です。
上品な甘さのこしあんの饅頭でした。

焼きそば,ソースも麺も西日本のものとは異なる味・食感で,西日本に住む私にとっては,このお店ならではの焼きそばとなっています。

実はこのあと,御紹介いただいた栃木市の「岩下の新生姜ミュージアム」へも寄ろうかと考えていたのですが,話が盛り上がり時間がなくなったので,次回のお楽しみとさせていただきました(^-^)

なーまん 様

なーまんさん,こんばんは。
過去の記事も読んでくださったのですね。
とても嬉しいです。どうもありがとうございます<(_ _)>

「きれい」を「きりゅう」と言い換えた話,武正米店の御主人は気付いていただけず,何度も繰り返したのですが,さすがなーまんさん,要点を押さえていただきありがとうございます。

旅先での出会いや感動を大切にしたいと思っていて,その趣旨に温かく共感していただけるなーまんさんに感謝申し上げます。

世界ウルルン滞在記のお話,カンボジアの子供たちとの出会いと別れの話の際にもしていただきましたね。
嬉しかったのでよく覚えています。

おっしゃるとおり,関東は畑作や牧畜に向いた土地が多いように思います。
飛行機で羽田空港へ降りる際,眼下に広がる景色は黒っぽい土の畑とゴルフ場,そして街並みなのが印象的です。
小麦,ねぎ,芋などの食材を使った郷土料理・ご当地グルメも多いですね。
桐生などでは,焼きそばなどのソース料理にじゃがいもが入ってますが,広島だとお好み焼きにご飯が入ったりします(^^♪

古代史から群馬の食文化を解明するのも興味深いですね。

パンや麺類をよく召し上がるのですね。
神奈川や兵庫(神戸)など,古くから海外との貿易が盛んな地域の方々は,パン屋さんもたくさんあり,パン食に馴染み深いのではと思いました。

私は平日は麦ご飯中心で,休日の朝はパンです。パンだとテンション上がります。

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