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2022年8月

2022年8月28日 (日)

新潟の食文化探訪5 -日本のイタリア料理史・「イタリアン」と呼ばれる料理・新潟の「イタリアン」-

 「イタリアンを食べに行こう!」と聞けば,皆様は何を想像されるでしょうか。

 私はイタリア料理店のイタリア料理,パスタやピザなどが思い浮かぶのですが,全国ではもっと幅広く,麺料理の愛称として用いられている事例があります。

 今回はこの「イタリアン」と呼ばれる料理について,新潟の「イタリアン」を中心に御紹介したいと思います。


長崎と新潟から展開する日本のパスタの歴史

 日本で最初にパスタが食べられたのは幕末で,横浜外国人居留地にいた外国人向けだったようです。

 そして日本で初めてパスタ(マカロニ)を製造した人物が,長崎に住んでいたフランス人神父「マルク・マリー・ド・ロ」です。

 このド・ロ神父が,明治16(1883)年頃,長崎市外海町にマカロニ工場を建て,製造したのが始まりとされています。

 ド・ロ神父と言えば,長崎で社会福祉活動に尽力された人物という印象が強いですが,長崎の人々にマカロニ・素麺・パンなどの製造技術を伝えるなど,食文化の分野でも大きく尽力されています。
 (フランス人でありながら,イタリアのマカロニや中国・日本の素麺の製造技術を知っていたとはスーパースターです)

 ちなみに,現在でも「サンフリード」(長崎県長崎市)から「ド・ロさまそうめん」や「長崎スパゲッチー」といったド・ロ神父にちなんだ麺食材が販売されています。

 その後,大正時代になると,新潟県加茂町(現在の加茂市)の製麵業者が日本人として初めてパスタ(マカロニ・「穴あきうどん」)製造機の開発に成功し,以降,パスタ(マカロニ)は徐々に全国展開していきました。

 その後,戦後のアメリカ進駐軍によるスパゲティの紹介と小麦粉の配給,喫茶店やファミリーレストランを通じたスパゲティ(パスタ)の浸透,イタリア料理店(イタリアン)の増加,1990年代の「イタめし」ブームなどを経て,パスタはすっかり日本の国民食としての地位を築き上げ,現在に至っています。


新潟とイタリア料理の関係

 新潟市中心部・西堀通沿いに新潟を代表する老舗ホテル「ホテル イタリア軒」があります。

(ホテル イタリア軒)
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 このホテルは,「日本で初めてイタリア人が開いたレストラン」,そして「日本で初めてミートソースを提供したレストラン」として知られています。

(イタリア軒の看板)
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 先程御紹介した「新潟県加茂町の製麵業者が日本人として初めてパスタ製造機の開発に成功した」お話も含めると,新潟は日本のイタリア料理やイタリアの食文化をリードしてきた地域だと言えます。


大阪・名古屋の「イタリアン」

 日本でイタリア料理が浸透してくるにつれ,様々なイタリア料理が登場することになりました。

 そしてイタリア本国には存在しない,日本独特の「イタリア料理」も生み出されることとなります。

 そんな料理の1つが「イタリアン」です。

 「イタリアン」と言えば,一般的には「イタリア料理(店)」を意味しますが,特定の麺料理をそのイメージから「イタリアン」と呼ぶ地域もあります。

 有名なのが,大阪を中心とした西日本で「ナポリタン(スパゲティ)」のことを「イタリアン」と呼ばれている事例です。

(大阪のイタリアン(ナニワめし暮らし))
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 (はたのさとし「ナニワ飯暮らし 2」第10話の一部を加工・引用)

 ナポリタン(スパゲティ)は,玉ねぎ,ピーマン,ソーセージ,マッシュルームなどを炒め,トマトケチャップで味付けし,それをスパゲティに絡めて炒めた麺料理です。

(大阪のイタリアン紹介(ナニワめし暮らし))
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 (はたのさとし「ナニワ飯暮らし 2」双葉社の一部を加工・引用)

 「大阪やとこれナポリタン言わんとイタリアンっていうんやね」
 「ケチャップの味がなんか懐かしいて めっちゃ好きやわぁ」

 もう1例御紹介します。

(名古屋の「イタリアン」(おおきに!喫茶メモリーズ))
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 (治島カロ「おおきに!喫茶メモリーズ」少年画報社の一部を加工・引用)

 「ケチャップ味で炒めたスパゲッティをなんでか大阪では『イタリアン』言うんですわ」
 「地域名称ですな」
 「名古屋やと『鉄板で出すから板リアン』とかいう説もあるらしいですけども」

 名古屋では卵焼きの上にケチャップのスパゲティを乗せ,鉄板で出されるのが「イタリアン」だと紹介されています。

(大阪のイタリアン(おおきに!喫茶メモリーズ))
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 (治島カロ「おおきに!喫茶メモリーズ」少年画報社の一部を加工・引用)

 こちらは大阪の「イタリアン」の紹介です。

 「甘くケチャップのきいた赤い麺に」
 「ベーコンとマッシュルームがたっぷり」
 「時々たまねぎがシャリッとして」
 「ピーマンの緑が良く映える」

 ちなみに,私の住む広島では「ナポリタン」という名称が一般的です。

 ケチャップで味付けしたスパゲティ「ナポリタン(イタリアン)」は,「ドリア」や「プリンアラモード」とともに,神奈川県横浜市の老舗ホテル「ホテルニューグランド」が発祥とされています。

 ではなぜ「イタリアン」と呼ばれる地域があるのか,はっきりしたことはわかりませんが,料理がイタリアのイメージに当てはまることから「イタリアン」と呼ばれるようになったとか,関東の「ナポリタン」への対抗意識で「イタリアン」と呼ばれるようになったといった理由が考えられます。


新潟の「イタリアン」

 「イタリアン」と呼ばれる麵料理は新潟にも存在します。

 ただ,新潟の「イタリアン」は,「ナポリタン」や大阪・名古屋の「イタリアン」とは全く異なる独自の麺料理です。

 その大きな特徴は,麺が焼きそばであること,そして仕上げにミートソースを中心としたソースがかけられることです。

 新潟県民・新潟県出身者にとっての「イタリアン」は,イタリア料理(店)ではなく,新潟オリジナルの麺料理「イタリアン」なのです。

 それでは新潟県の代表的な2店舗の「イタリアン」を御紹介します。


新潟市「みかづき」のイタリアン

 新潟市中心部の「万代シティ」へやってきました。

(万代シティ)
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 グルメ,ショッピング,イベントなどが楽しめる複合商業施設で,バスセンターを有する交通拠点でもあります。

(万代シティPRキャラクター「ばんにゃい」)
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 「ばんにゃい」がドーナツを食べてます。かわいいな。

 施設内には「バスセンターのカレー」,「イタリアン」,「おにぎり」など新潟の名物料理を提供されているお店があります。

 その店舗の1つ,新潟市を中心に展開されている「イタリアン」のお店「みかづき」を訪問しました。

(「みかづき」万代店(照明なし))
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 開店前から並び…

(「みかづき」万代店(照明あり))
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 照明が付いて開店しました(笑)

(「みかづき」メニュー看板)
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 メニューを見ると,定番のミートソース以外にも,ホワイトソースやカレーソースなど多彩な「イタリアン」が用意されています。

 210円プラスでフライドポテトとドリンクが付くお得な「ポテトセット」も用意されています。

 定番の「イタリアン」を注文しました。

 注文を受けてから調理されるため,番号札を持ってテーブルでしばらく待ちました。

 そして待望の「イタリアン」が出来上がりました。

(イタリアン(みかづき))
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 これが新潟の「イタリアン」です。

 焼きそばの応用料理ですが,ミートソースがかかったスパゲティ風なので「イタリアン」と呼ばれています。

 白生姜(生姜の酢漬け)が添えられるのも,こちらのお店の特徴です。

(イタリアンの麺(みかづき))
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 もちもちとした弾力のある太麺の焼きそばです。

 具はキャベツともやしです。

 ミートソースにはコーンが入っています。

 これをフォークで食べるのも「イタリアン」のイメージによるものです。

 ミートソースが加わるため,焼きそばのソースはやや控えめに味付けされています。

 確かに,焼きそば単品でいただくよりも,ミートソースを添えていただく方が多彩な味と濃厚な旨味を楽しめ,より美味しくいただけました。


長岡市「フレンド」のイタリアン

 続いて新潟駅から信越本線に乗り,長岡駅へ向かいました。

(新潟駅ホーム・E129系・信越本線・長岡行)
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 あえて普通列車に乗り,新潟の景色を楽しみながら移動しました。

 約1時間10分かけて長岡駅に到着しました。

(長岡駅ホーム・駅名標とE129系(信越本線))
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 長岡駅に併設する「CoCoLo長岡」の1階にあるお店「フレンド」を訪問しました。

(「フレンド」CoCoLo長岡店)
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 「みかづき」と同様,新潟の「イタリアン」を提供する代表的なお店です。

 メニューには,定番の「イタリアン」のほか,ハンバーグをトッピングした「ハンバーグイタリアン」や「カレーイタリアン」,「オムレツイタリアン」などがありました。

 ハンバーグ(ドイツ),カレー(インド),オムレツ(フランス)などのメニューは,イタリアを超えた創作メニューとなっています。

 さらに,ギョウザ(中国)とセットでいただくのが地元流のようです。

 何と多国籍な(笑)

 定番の「イタリアン」を注文しました。

(イタリアン(フレンド))
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 こちらが「フレンド」の「イタリアン」です。

 焼きそばを炒め,ミートソースがかけられています。

(イタリアンの麺(フレンド))
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 麺はもちもちとした弾力のある太麺です。

 具はキャベツ,もやし,コーンです。

 ミートソースには挽き肉がたっぷり入っています。

 こちらのお店はフォークではなく,箸でいただくスタイルです。

 焼きそばとミートソーススパゲティを一緒にいただいているような,すごく得した気分になれる美味しい麺料理でした。


まとめ

 最後に,これまで御紹介した日本のイタリア料理史や「イタリアン」の事例から,新潟のイタリア料理と「イタリアン」についてまとめてみたいと思います。

 新潟は,日本で初めて日本人によるパスタ(マカロニ・「穴あきうどん」)製造機の開発に成功したり,日本で初めてイタリア人によるレストランが開業される(「イタリア軒」)など,早い時期からイタリア料理を日本に広め,普及させた地域です。

 その分,新潟の人々は昔からイタリア料理の存在を知り,意識してきたと言えるでしょう。

 ただ多くの人々にとって,イタリア料理に憧れは抱きつつも,レストランでイタリア料理を食べるのは高嶺の花だったのではないでしょうか。

 そこで登場したのが新潟の「イタリアン」です。

 既に流行していた「ナポリタン(イタリアン)」への対抗意識もあってスパゲティではなく焼きそばを使い,新潟の老舗「イタリア軒」のメニューと同様にミートソースやカレーをかけることでイタリア料理の雰囲気を出し,フライドポテト・ドリンク・ギョウザなどをセットに「ファストフード」として提供することで,より身近な食事・おやつとしたのが新潟の「イタリアン」なのです。

 新潟・大阪・名古屋と,それぞれ独自に「イタリアン」と呼びながらも,どこか真面目に「ナポリタン」の流儀(麺をケチャップやトマトソースで味付け,小判形(楕円形)のお皿で提供など)を守っているというのも面白いところです。

 「ナポリタン(イタリアン)」は今も昔も人気の高い料理で,だからこそ新潟の「イタリアン」をはじめ,長崎の「トルコライス」,岩手・花巻の「ナポリカツ」など様々な創作料理も生まれ,地元飯として愛され続けているのでしょう。

 新潟,そして日本各地の「イタリアン」は,イタリア料理への敬意と親しみを込めた愛称だと思います。

 今後は,新潟とイタリア,新潟と米のつながりから,新潟の美味しいお米を使った「リゾット」(イタリア料理)の新メニュー・ご当地グルメの開発も面白いかも知れませんね。

(長岡駅ホーム・上越新幹線)
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 1泊2日,実質1日の短い訪問でしたが,新潟の数多くの食文化を学び,味わうことが出来ました。


<関連サイト>
 「サンフリード」(長崎県長崎市田中町584-1)
 「イタリア軒」(新潟市中央区西堀通七番町1574)
 「ホテルニューグランド」(神奈川県横浜市中区山下町10番地)
 「万代シティ」(新潟市中央区万代1-6-1)
 「みかづき」(「万代店」新潟市中央区万代一丁目6-1 バスセンタービル2F ほか)
 「フレンド」(「CoCoLo長岡店」新潟県長岡市城内町1-611-1 ほか)

<関連記事>
 「新潟の食文化探訪1 -なぜ燕・三条地域で金属産業が発達し,背脂ラーメンが誕生したのか-
 「新潟の食文化探訪2 -佐渡岩もずく・南蛮海老・のどぐろ・のっぺ・笹川流れ藻塩・新潟すし三昧「極み」-
 「新潟の食文化探訪3 -おにぎり・神楽南蛮・みどりのラー油・笹団子・醬油おこわ・柿の種・新潟のお菓子-
 「新潟の食文化探訪4 -新潟県長岡市・山本五十六の水まんじゅうと洋風カツ丼-

<参考文献>
 池上俊一「パスタでたどるイタリア史」岩波ジュニア新書
 日本パスタ協会「パスタの歴史
 新潟日報教育モア「知ってた?新潟県内の「日本初」意外と身近にいっぱい!
 はたのさとし「ナニワ飯暮らし2 第10話「ふたりをつなぐ「鉄板イタリアン」」双葉社
 治島カロ「おおきに!喫茶メモリーズ」少年画報社

2022年8月25日 (木)

佐渡朱鷺(トキ)の耳かき-新潟県佐渡市-

 金色の朱鷺(トキ)の耳かきです。

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 燕三条地場産業振興センターで購入しました。

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 このセンターの物産館には,約10,000点の洋食器・刃物の他キッチン用品・鍋・工具などを展示・即売されていますが,その中で見つけたのがこの金属製の朱鷺の耳かきです。

 燕三条駅構内にある燕三条駅観光物産センター「燕三条Wing」でも同じ耳かきが販売されていました。

 朱鷺の裏面には「佐渡 朱鷺」と刻印されています。

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 金色は佐渡金山を表しているのでしょう。

2022年8月21日 (日)

山本五十六が好んだ「水まんじゅう」 -山本五十六はなぜ「酒まんじゅう」に砂糖をかけて食べたのか-

 新潟県長岡市は,海軍で活躍した山本五十六(やまもといそろく)の生誕地・ゆかりの地です。

(山本五十六の胸像)
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 山本記念公園(長岡市坂之上町)内にある山本五十六の胸像です。

(山本五十六の生家)
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 同じ公園内の山本五十六の生家(復元)です。

 今回は,山本五十六が好んだ「水まんじゅう」を御紹介し,山本五十六がなぜこの「水まんじゅう」を作って食べていたのか,その謎にも迫ってみたいと思います。


山本五十六が好んだ「水まんじゅう」とは

 山本五十六は甘党として知られ,羊羹やお汁粉,饅頭などを好んだようです。

 中でも好物だったのが「水まんじゅう」です。

 「水まんじゅう」は,葛粉やわらび粉で作られた透明な生地であんこ(小豆のこしあんなど)を包み,冷やした饅頭です。

(水まんじゅう)
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 一般的にイメージするのは写真のようなお菓子ではないでしょうか。

 しかしながら,山本五十六が好んで食べた「水まんじゅう」は,こうした葛粉やわらび粉で作られたものとは異なっていたようです。

 山本五十六の「水まんじゅう」は,水を入れたどんぶりに塩小豆の酒まんじゅうを入れ,それに雪(氷)や砂糖を加えて,甘み・冷たさ・やわらかさを加えた山本五十六オリジナルのおやつなのです。

 つまり山本五十六は,ほかの人とは違う珍しい食べ方をされていたわけです。


酒まんじゅう(塩小豆・甘)

 この山本五十六の好んだ独自の「水まんじゅう」は新潟県長岡市の和菓子店「川西屋本店」の「酒まんじゅう(塩小豆)」を使って再現することができます。

 興味を持ち,通信販売を利用して購入しました。

(酒まんじゅうと切りパン(宅配便))
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 「うむ,長旅御苦労(敬礼)」

 新潟・長岡のお菓子やパンが,山本五十六が海軍の要衝・呉(広島県)へ来られたのとほぼ同じ距離を経て,私の元に届きました。

 今回私が注文したのは,「酒まんじゅう(塩小豆)」,「酒まんじゅう(甘・あま)」そして「切りパン」の3種類です。

(酒まんじゅう(包装))
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 写真左側(白色のデザイン)が「酒まんじゅう(塩小豆)」,写真右側(茶色のデザイン)が「酒まんじゅう(甘)」です。

 それぞれの饅頭の中身を確認してみましょう。

 まずは一般的な「酒まんじゅう(甘)」から。

(酒まんじゅう(甘))
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 米麹を使って発酵させた生地(小麦粉と餅米粉)に小豆あん(こしあん)を入れて蒸し上げた饅頭です。

 饅頭は,肉まんやあんまんに近いフカフカの生地で,ほのかに麹の香りがしました。

 中のこしあんもほど良い甘さで,イメージどおりの酒まんじゅうでした。

 続いてお店のオリジナル,山本五十六が好んだ「酒まんじゅう(塩小豆)」を見てみましょう。

(酒まんじゅう(塩小豆))
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 「酒まんじゅう(塩小豆)」は,饅頭の生地は「甘」と同じですが,中に塩で味付けされた小豆が入っているのが特徴です。

 砂糖ではなく塩で煮られているからか,中のあんが多少パサパサしています。

 実際にいただいてみると,一般的な酒まんじゅうとは全く異なる味でした。

 想像していたよりもはっきりと塩味がついた小豆で,これはお菓子ではなく,おやきだと思いました。

 材料は小豆ですが,期待する小豆あんの味がしない全く別物の饅頭で,慣れない私は再びこしあんの酒まんじゅうを食べてホッとしました。


切りパン

 続いて,酒まんじゅうと一緒に注文した「切りパン」を御紹介します。

(切りパン(包装))
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 長さ約30cm,幅約10cm,高さ約4.5cmの大きなパンで,酒まんじゅうと同じ生地で作られています。

(切りパン)
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 切りパンを切った様子です。

 シンプルな味のパンを想像していたのですが,いただいてみると生地に馴染み深い旨味を感じました。

 しばらく考えて,この旨味は醤油によるものだとわかりました。

 表面に薄く醤油で味付けされた蒸しパンなのです。

 このパンを味も形もギュッと凝縮させたら,醤油せんべいか柿の種になりそうです。

 塩小豆の酒まんじゅうと同様,今まで食べたことのない不思議な味でした。


山本五十六が好んだ「水まんじゅう」を作る

 塩小豆の酒まんじゅうが入手できたので,山本五十六オリジナルの「酒まんじゅう」を作ってみました。

 雪のかたまりは調達できないので,かき氷で代用することとしました。

 自宅にかき氷機はないので,職場で親睦会所有のかき氷機を一晩だけ借りました。

(電動氷かき器)
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 器に冷たい水を張り,その中に「酒まんじゅう(塩小豆)」を浸し,さらにかき氷を加えて冷たくしました。

(酒まんじゅうを水に浸してかき氷で冷やした様子)
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 見た目にも涼しげな状態になりました。

 数分待ち,酒まんじゅうに冷たい水が十分に浸み込んだところで,砂糖をまぶしました。

(冷たい酒まんじゅうに砂糖をまぶした様子)
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 普段あまり砂糖を使わない私には,この量でも多めですが,山本五十六がまぶした量は,もっともっと多かったはずです。

(山本五十六の「水まんじゅう」を切り分けた様子)
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 こうして出来上がった「水まんじゅう」は,饅頭の生地が水を吸ってズブズブにやわらかくなっており,簡単に切り分けることが出来ました。

 饅頭の直径が当初の約8cmから約9cmと少し大きくなりました。

(山本五十六の「水まんじゅう」(一口サイズ))
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 塩小豆は粘りがないので,一口サイズに切ってスプーンですくうと,ポロポロと汁の中に落ちてしまいます。

 いよいよ実食の時がきました。

 「塩小豆の塩気が砂糖の甘みを引き立てるのだろう」と思って口にしたのですが,実際は小豆の塩気と砂糖の甘みを別々に感じました。

 元々砂糖が入ってない饅頭なので,「多すぎるのでは?」と思うぐらい大量の砂糖をかけてちょうどよいぐらいなのでしょう。

(山本五十六の「水まんじゅう」の汁)
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 砂糖をかけて甘くなった汁もいただいてみました。

 汁の方は,塩小豆の塩気と砂糖の甘みがうまく混ざり合って,さっぱりしたぜんざいのような仕上がりになっていました。

 冷たくて甘い汁で,これは美味しいと感じました。

 映画「聯合艦隊司令長官 山本五十六 太平洋戦争70年目の真実」のワンシーンでも,山本五十六が饅頭に砂糖をたっぷりかける様子が描かれていましたが,山本五十六は現代で言う「ギルトフリー」など意識しない,かなりの甘党であったことがよくわかりました(笑)


なぜ山本五十六は「酒まんじゅう」に砂糖をかけて食べたのか

 現代の感覚から言えば,わざわざ甘くない饅頭に砂糖をかけて食べなくても,最初から甘い饅頭を食べれば済むし,そちらの方が美味しいと思ってしまいます。

 山本五十六が甘くない「酒まんじゅう」にわざわざ砂糖をかけて食べた謎を解くカギは,彼が生きた時代にあるようです。

 山本五十六が生きた時代(1884(明治17)年~1943(昭和18)年)は軍部が台頭し,日本が様々な国と戦争をしていた時代と重なります。

 そして次第に戦局は悪化し,国民は食糧難に苦しむこととなったのです。

 そんな時代において,砂糖はとても貴重なもので,庶民が簡単に口にできるものではありませんでした。

 和菓子屋で砂糖ではなく塩を使った塩小豆の饅頭が販売されたのも,海外から砂糖の輸入が困難となり,砂糖が非常に高価な材料となったことも影響しているのではないかと思います。

 そんな中,軍人には「嗜好品である菓子は兵士の士気を高める」(給糧艦「間宮」艦長ほか)という考えで優先的にお菓子が提供されていたようです。

 こうした時代背景を踏まえた上で,山本五十六の「酒まんじゅう」が誕生した理由としては,次のようなことが考えられます。

(1)戦時中,長岡では砂糖が入っていない塩小豆の酒まんじゅうが市販されていた。
(2)戦時中であっても,軍人で高い地位にあった山本五十六は砂糖を入手することができた。
(3)甘党の山本五十六にとって,甘くない酒まんじゅうは満足できるお菓子ではなかった。

 さらに,山本五十六の出身地・長岡は,小豆を使わず醤油で色付けした全国的にも珍しい「長岡赤飯」という料理があることから,砂糖だけでなく小豆もとても貴重な食材の1つだったはずです。

 つまり,山本五十六の「水まんじゅう」は,山本五十六が特権階級であったからこそ実現できたお菓子であり,一般的な国民には到底真似することができなかったお菓子なのです。

 そう考えると,長岡の庶民に好まれた,全く甘みのない「酒まんじゅう(塩小豆)」そのものにも深い意味があり,歴史が刻まれていることがわかります。

 「切りパン」が醤油で味付けされているのも,同じく醬油で味付けされる「長岡赤飯」と同様の発想(商人の街で,おかずがなくても食べられたこと)や地域特性(昔から醤油づくりが盛んな街だったこと)が関係しているように思います。

 今回御紹介した「酒まんじゅう(塩小豆)」,「水まんじゅう」,「切りパン」は,まさに長岡と山本五十六の歴史を物語る食べ物だと言ってよいでしょう。

 山本五十六の好んだ「水まんじゅう」,「やってみせ 言って聞かせて させてみて」やっと理解できました。

 これで山本五十六さんからほめていただけるかな(笑)


<関連サイト>
 「山本五十六記念館」(新潟県長岡市呉服町1-4-1)
 「山本五十六と酒まんじゅう」(「川西屋本店」新潟県長岡市殿町1-7-2)
 「戦時中にスイーツを食べられたのは軍人だけだったってホント?」(国立公文書館・アジア歴史資料センター)

<関連記事>
 「新潟の食文化探訪4 -新潟県長岡市・山本五十六の水まんじゅうと洋風カツ丼-
 「新潟の食文化探訪3 -おにぎり・神楽南蛮・みどりのラー油・笹団子・醬油おこわ・柿の種・新潟のお菓子-
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2022年8月14日 (日)

新潟の食文化探訪4 -新潟県長岡市・山本五十六の水まんじゅうと洋風カツ丼-

新潟から信越本線で長岡へ

 新潟駅から信越本線の電車に乗り,長岡を目指しました。

(新潟駅ホーム・E129系・信越本線・長岡行)
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 新潟市周辺は,上越新幹線,信越本線,越後線,白新線,羽越本線,磐越西線と様々な路線が乗り入れています。

 新潟駅から長岡駅へは上越新幹線を利用するのが早くて便利ですが,新潟の様々な路線の電車に乗り,地元の雰囲気を味わいながら旅をしたいと思い,信越本線での移動を選択しました。

 約1時間10分電車に揺られ,長岡駅に到着しました。

(長岡駅ホーム・駅名標とE129系(信越本線))
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 長岡駅前には「アオーレ長岡」という隅研吾氏が設計した複合型公共施設がありました。

 とても大きく立派な建物だったので気になって中に入ってみると,長岡市役所庁舎を兼ねた複合型公共施設でした。


山本記念公園と山本五十六記念館

 長岡は,海軍で活躍した山本五十六(やまもといそろく)の生誕地・ゆかりの地でもあります。

 市街地を歩いていると,山本五十六にちなんだ山本記念公園がありました。

(山本五十六の胸像)
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 山本五十六連合艦隊司令長官であります。

 同じ公園内に山本五十六の生家(復元)もありました。

(山本五十六の生家)
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 かつて山本五十六は,この家で好物の「水まんじゅう」を食べていたのかもしれません。

 ただ,山本五十六が好んで食べた「水まんじゅう」は,一般的な葛で作られたものとは異なり,水を入れたどんぶりに塩小豆の酒まんじゅうを入れ,それに氷(雪)や砂糖を加えて,甘く冷たくしたお菓子だったようです。

 ちなみに,山本五十六の好んだ独自の「水まんじゅう」は「川西屋本店」(長岡市殿町1-7-2)の酒饅頭(塩小豆)を使って味わうことが出来ます。

 山本記念公園を少し歩いた先に「山本五十六記念館」がありました。

(山本五十六記念館)
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 館内には,山本五十六一行が海軍一式陸上攻撃機でソロモン諸島バラレ島へ向かう途中,ブーゲンビル島(パプアニューギニア)で米軍戦闘機の襲撃を受け,墜落した時の攻撃機の左翼をはじめ,遺品や書簡,絵画など山本五十六にまつわる様々なものが展示されています。


「レストランナカタ」の洋風カツ丼

 長岡駅から徒歩約10分,市街地にある洋食店「レストランナカタ」を訪問しました。

(レストランナカタ入口)
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 看板メニューのカレーは,辛さを選ぶことができます。

 カレーの辛さは,普通の辛さ「1倍」から極極辛い「20倍」,さらには「50倍」まで選ぶことができます。

 辛さが増すにつれ,女の子(ポッポちゃん)が大変なことになってます(笑)

 お店は階段を上がった2階にありますが,その途中の壁に50倍カレーをクリアしたお客さんの写真がぎっしりと掲示されていました。

 そんな「レストランナカタ」のもう1つの看板メニューが「洋風カツ丼」です。

 「洋風カツ丼」は,長岡の代表的なご当地グルメの1つです。

 そして「レストランナカタ」は,長岡の洋食店の草分け「小松パーラー」のソースの味を引き継ぐお店の1つとなっています。

 平日の昼間はお得なランチメニューがあり,その中の「洋風カツ丼」を注文しました。

(洋風カツ丼(レストランナカタ))
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 こちらが長岡名物「洋風カツ丼」です。

 皿に敷いたライスの上に大きなトンカツがのせられ,その上から特製ソースがかけられたボリューム満点の料理です。

 ランチでは,この洋風カツ丼にみそ汁が付くのですが,これもまた日本の洋食店ならではの組み合わせです。

 長岡は「コシヒカリ」誕生の地であり,ライスが美味しいことは御説明するまでもありません。

 トンカツは大きくてサクサクで,トッピング用のカツではなく,それだけで立派なメイン料理になるようなトンカツでした。

 そして一番気になるのがソースです。

 デミグラスソースとは似て非なる「ファミリーソース」という秘伝のソースが使われています。

 ケチャップ,醤油,砂糖などが使われ,小麦粉でとろみがつけられたソースのようです。

 広島市内にある精肉店・老舗洋食店「ますゐ」では,トンカツやハンバーグのソースとして,切れ端の肉や骨・野菜などを煮込んだスープを使ったソースが使われますが,このソースの味によく似ていると思いました。

 甘酸っぱくてもったりとしたとろみがある,昔ながらの洋食の味でした。


まとめ

 新潟県内には,今回御紹介した長岡市の「洋風カツ丼」以外にも,トンカツを醤油ダレにくぐらせて丼飯にのせた「タレカツ丼」(新潟市)など,ちょっと珍しいご当地カツ丼が味わえるお店がたくさんあります。

 過去に当ブログ記事で,「燕・三条地域にある醬油ベースの背脂ラーメンは,会津地方との人・モノの交流に伴う食文化の影響も考えられる」というお話をしましたが,その考えは新潟のカツ丼にも当てはまりそうです。

 会津地方も新潟と同様にソースカツ丼(「会津ソースカツ丼」)が好まれているからです。
 (千切りキャベツをのせるかどうかなど,両者で違いも見られますが)

 新潟と会津を訪問し,それぞれの地のカツ丼やラーメンを食べ比べてみるのも面白そうです。


<関連サイト>
 「アオーレ長岡」(新潟県長岡市大手通一丁目4-10)
 「山本五十六記念館」(新潟県長岡市呉服町1-4-1)
 「山本五十六と酒まんじゅう」(「川西屋本店」新潟県長岡市殿町1-7-2)
 「レストランナカタ」(新潟県長岡市坂之上町2-3-6)
 「伝統会津ソースカツ丼の会」(福島県会津若松市上町2-38)

<関連記事>
 「新潟の食文化探訪1 -なぜ燕・三条地域で金属産業が発達し,背脂ラーメンが誕生したのか-
 「新潟の食文化探訪2 -佐渡岩もずく・南蛮海老・のどぐろ・のっぺ・笹川流れ藻塩・新潟すし三昧「極み」-
 「新潟の食文化探訪3 -おにぎり・神楽南蛮・みどりのラー油・笹団子・醬油おこわ・柿の種・新潟のお菓子-

2022年8月11日 (木)

MARUTO(マルト)・純チタンの耳かき-新潟県三条市-

 「MARUTO(マルト)」ブランドの純チタンの耳かきです。

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 金属産業の街として有名な新潟県三条市で作られた純チタン製の高級耳かきです。

 持ち手の先端部はツボ押しとなっていて,耳のツボを押せるようになっています。
 (同梱の説明書に耳のツボの位置まで紹介されています。)

 ビニールの入れ物(ビニールサック)も付いています。

 新潟駅構内の「ぽんしゅ館 新潟驛店 クラフトマンシップ」で販売されてました。

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 1本3,000円(税抜)でしたが,迷わず購入しました。

 メガネの製造で有名な福井県鯖江市にも,チタンフレームの素材で作られた耳かきがあります。

 チタンは軽いだけでなく,金属アレルギーの人も安心して使えることも特長のようです。

 使い心地の良さを追求された耳かきということで,私にしては珍しく実際に使ってみました。

 プラスチック製かと思うほど軽く,耳の産毛までとれるほど,きれいに耳掃除出来ますよ(笑)

 「マルト長谷川工作所」(新潟県三条市土場16-1)

2022年8月 7日 (日)

新潟の食文化探訪3 -おにぎり・神楽南蛮・みどりのラー油・笹団子・醬油おこわ・柿の種・新潟のお菓子-

 今回は,新潟ならではの様々な食を御紹介し,あわせて新潟の食文化の特徴についても考えてみたいと思います。


新潟のおにぎり

 新潟は日本有数の「米どころ」として有名です。

 新潟が米の一大産地となったのは,大地・気候・水に恵まれていることにあります。

 信濃川や阿賀野川によって形成された肥沃で広大な越後平野(大地),米の生育条件に最適な平均気温・昼夜の寒暖差(気候),腐葉土の養分がたっぷり含まれた大量の雪解け水(水)と,新潟は米の栽培条件に恵まれているのです。

 そんな「米どころ新潟」ならではの飲食店の1つが,おにぎり屋さんです。

 そこで,新潟市内のおにぎり屋さん「にぎり米(にぎりまい)」を訪問し,新潟のおにぎりをいただきました。

 月曜日(平日)の朝,開店時刻の少し前にお店に着きましたが,すでに開店を待つお客さんが並ばれていました。

 このお店では,握りたてのおにぎりを味わうことが出来ます。

 25種類のおにぎりの中から,おにぎりの定番「塩むすび(えんむすび)」と新潟ならではの「神楽南蛮味噌」の2つを注文しました。

(おにぎり(にぎり米))
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 握りたてのおにぎりがパリパリの焼き海苔に包まれて提供されました。

 まずはご飯の美味しさをダイレクトに味わえる「塩むすび」からいただきました。

(おにぎり(塩むすび))
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 ふんわりとした絶妙な握り加減で,ほどよい塩味がごはんの甘みをより一層引き立てていました。

 ご飯の美味しさをダイレクトに味わうことが出来ました。

 続いては「神楽南蛮味噌」です。

 「神楽南蛮(かぐらなんばん)」は,中越地方で生産されている唐辛子で,「神楽南蛮味噌」は,その神楽南蛮に味噌や大葉,砂糖などを混ぜ合わせた万能味噌です。

(おにぎり(神楽南蛮味噌))
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 神楽南蛮のピリ辛がアクセントとなった甘辛仕立ての味噌で,ごはんとの相性が抜群でした。

 新潟はおにぎりのお店が多く,米(ごはん)の美味しさに自信とプライドを持っておられることがわかりました。


神楽南蛮と「みどりのラー油」

 ここで,神楽南蛮について少し御紹介したいと思います。

 神楽南蛮は長岡市など中越地方で生産されている青い唐辛子の名称です。

 同じ新潟の「南蛮海老」という名称は,唐辛子(南蛮)のように真っ赤な色の海老であることに由来していますが,「神楽南蛮」の名称は,唐辛子(南蛮)の見た目が「神楽のお面」のように見えることに由来しています。

(長岡市の食材「かぐらなんばん」の紹介)
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 「長岡美食材図鑑」(長岡産ブランディング委員会)の一部を加工・引用

 長岡市役所でいただいた食材図鑑に「かぐらなんばん」が紹介されていました。

 果肉はパプリカのように肉厚で甘く,種やワタは辛味をもつため,食べると甘味の中にさわやかな辛味が感じられるそうです。

 長岡駅「CoCoLo長岡」のお土産店「ぽんしゅ館」で,神楽南蛮を使ったラー油「みどりのラー油」を購入しました。

(みどりのラー油)
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 小千谷市のへぎそば店「わたや」が開発した商品で,「調味料選手権 2020」辛味部門で最優秀賞を受賞された逸品です。

 この「みどりのラー油」を冷奴や鶏肉で味わってみました。

(冷奴(みどりのラー油))
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 冷奴に「みどりのラー油」をかけていただきました。

 一般的なラー油に比べて,さわやかでマイルドな辛さなので,冷奴の薬味として美味しくいただけます。

 続いて,塩茹でした鶏むね肉に「みどりのラー油」を合わせてみました。

(塩茹で鶏むね肉(みどりのラー油))
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 見た目はオリーブオイルのようなグリーンで,その鮮やかな色も料理に映えます。

 白髪ねぎや炒りゴマを添えてみました。

 塩茹でにより味がついていますが,「みどりのラー油」を少しつけるとグンと美味しくいただけました。


新潟市中心部散策

 新潟のおにぎり屋さんで朝食を済ませた後,新潟市中心部を散策しました。

 新潟市内を一望できる新潟日報本社ビルの最上階「新潟日報メディアシップ そらの広場」(無料)へ行ってみました。

 新潟市内の様子を御覧ください。

(新潟市内展望(南東方向))
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(新潟市内展望(南西方向))
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 写真の川が信濃川で,奥には新潟県庁も見えます。

(新潟市内展望(北西方向・萬代橋))
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 信濃川に南北に架かる橋が有名な「萬代橋(ばんだいばし)」です。

(新潟市内展望(北東方向)・朱鷺メッセ・新潟港)
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 高層ビルが朱鷺メッセで,その先は新潟港です。

 新潟市内を一望した後,萬代橋を渡り,新潟市中心街の本町(ほんちょう),古町(ふるまち)界隈を散策しました。

 途中,面白い信号機を見つけました。

(縦の車両信号と横の歩行者信号(新潟市中央区・上大川前交差点))
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 車両信号が縦になっているのは,雪国ならではの光景ですが,逆に歩行者信号は横になっているのが面白いです。

(縦の車両信号と横の歩行者信号(新潟市中央区・古町通りと新津屋小路の交差点))
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 歩行者信号が横に配置されているのは,そのすぐ上に商店街のアーケードがあるためですが,一般的には横に配置される車両信号が縦に,縦に配置される歩行者信号が横に配置されていることに興味を持ちました。


新潟の笹団子

 新潟のお土産店(お土産売場)や食品売場でよく見かけたのが「笹団子」です。

 笹団子は新潟の地元客にも観光客にも人気の食品で,実演販売されているお店も多く見かけました。

 私は,本町通り沿いにある「田中屋本店」にお邪魔しました。

(田中屋本店「笹だんご・ちまき」商品案内)
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 一般的な笹団子は,「つぶあん」と「こしあん」ですが,こちらのお店ではこのほかに「きんぴら」,「あらめ(海藻)」,「茶豆」も御用意されていました。

 甘い小豆あんが入った笹団子は「女団子」,きんぴらなどの総菜が入った笹団子は「男団子」とも呼ばれます。

 笹だんごを単品で注文すると,お店の奥のせいろから,蒸し上げられたばかりの笹だんごが出されました。

(出来立ての笹だんご)
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 笹の葉で包んだ団子を「イグサ」と呼ばれる紐(ひも)で結わえるのですが,その団子をさらにイグサで数個まとめた上で,せいろで蒸されます。

 そのため,私のように単品(バラ)で注文すると,イグサを解く作業が必要になるのです。

 「その場でいただくのが一番美味しいだろうな」と思いつつ,自宅に持ち帰っていただきました。

(笹だんご)
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 1つ1つ丁寧にイグサで結ばれているのがわかります。

 笹の葉には殺菌・防腐効果があるため,冷蔵庫がなかった昔は保存食の1つでもありました。

(笹だんご(笹とだんご))
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 イグサを解いた笹だんごの様子です。

(笹だんご(中身))
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 ヨモギだんごの中にあんこがたっぷり入っています。

 ほどよい甘さのあんこで,だんごもお餅に近いしっかりとした弾力あり,「さすが米どころ新潟のだんご」と納得できる一品でした。

 本当は「きんぴら」や「あらめ」なども購入したかったのですが,事前予約が必要とのことで,次回のお楽しみとなりました。

 参考のため,お店の方に「事前予約は数日前から必要ですか?」と伺ったところ,「2時間程度いただければ…」とのお話でした。

 それにしても「あかねちゃん」かわいかったなぁ。「あかねちゃん」グッズも買えばよかった…(笑)


醬油おこわ・醤油赤飯

 同じ「田中屋本店」で「正油おこわ」も購入しました。

(正油おこわ)
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 青えんどう豆と金時豆が入った醤油味のおこわです。

 また,長岡市には「醬油赤飯」と呼ばれる全国でも珍しい醤油味の赤飯があります。

(醬油赤飯の販売)
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 長岡駅「CoCoLo長岡」のお土産店「ぽんしゅ館」で,お土産用の醬油赤飯が販売されている様子です。

 小豆やささげの代わりに金時豆が使われ,赤飯特有の赤い色付けに醤油が使われているのが特徴です。

 新潟市内や長岡市内の餅・団子販売店,お土産店,食料品店などで販売されています。

 私も買ったのですが,新潟のお土産の1つとして差し上げました。

 自分用にもう1つ買っておけばよかった…。


柿の種・新潟のお土産

 萬代橋近くの自動販売機で,米菓「柿の種」が販売されていました。

(自動販売機で販売されている「柿の種」)
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 携帯用の「ポケパック」で販売されており,新潟市民にとって身近なお菓子なのだと改めて思いました。

 新潟県内のお土産店でも,浪花屋製菓や亀田製菓をはじめとした柿の種がよく販売されています。

 ちなみに亀田製菓の社名は地名に由来し,本社は信越本線の亀田駅が最寄り駅となっています。

(「笹団子あずきのケーキ」と「柿の種フロランタン」(包装))
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 こちらは新潟のお土産として購入した「笹団子あずきのケーキ」と「柿の種フロランタン」です。

(「笹団子あずきのケーキ」と「柿の種フロランタン」)
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 せっかくなら新潟らしいお土産をと思って選び,職場の皆さんに配ったのですが,広島では新潟の名物が笹団子だと知らない人も多かったのが印象的でした。

 「笹団子あずきのケーキ」は,ヨモギ風味のケーキに小豆あんが入ったもので,笹団子の特徴が生かされていました。

 「柿の種フロランタン」は柿の種にキャラメル生地がたっぷりかけられたお菓子で,柿の種のピリッとした辛さが楽しいアクセントになっていました。

 広島市内のスーパーマーケットでも新潟の米菓子が売られていました。

(「ばかうけ 青のりしょうゆ味」)
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 「栗山製菓(Befco・ベフコ)」の「ばかうけ 青のりしょうゆ味」です。

 3種ののり(青のり・アオサ・焼きのり)が入った米菓子(せんべい)です。

 万代島には新潟市内や日本海を見渡せる「Befcoばかうけ展望室」(無料)もあります。

 同じスーパーマーケットの米菓コーナーで,面白い「柿の種」を見つけました。

(「柿の種」焼牡蠣れもん味(瀬戸内限定)(包装))
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 広島の名産「牡蠣(かき)」の「柿(かき)」の種です(笑)

(「柿の種」焼牡蠣れもん味(瀬戸内限定))
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 広島県産レモンのパウダーが使われており,レモンの酸味と牡蠣の旨味が生かされた柿の種でした。


まとめ

 新潟の食を概観しましたが,米関連の食が多いことが御理解いただけると思います。

 また,新潟は酒米(さかまい)や酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)の栽培も盛んで,日本有数の「酒どころ」でもあります。

 売るための上等米だけでなく,残ったお米も料理やお菓子の材料として無駄なく上手に使い,一方で酒米や酒造好適米の栽培にも力を注ぐなど,まさに米とともに発展してきたのが新潟だと言えるでしょう。

 「新潟はごはんやおにぎり,お寿司はもちろん,米関連のものは何でも美味しい」と自信を持って宣言します!


<関連サイト>
 「にぎり米」(新潟市中央区東大通2-8-4)
 「みどりのラー油」(「わたや」新潟県小千谷市本町2-3-34)
 「田中屋本店」(「本町店」新潟市中央区本町通6番町1105 ほか)
 「長岡赤飯」(「江口だんご」新潟県長岡市宮本東方町52-1)
 「亀田製菓」(新潟市江南区亀田工業団地三丁目1-1)
 「浪花屋製菓」(新潟県長岡市摂田屋町2680)
 「栗山製菓(Befco・ベフコ)」(新潟市北区新崎2661)
 「ブルボン」(新潟県柏崎市駅前一丁目3-1)

<関連記事>
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<参考文献>
 「長岡美食材図鑑」長岡産ブランディング委員会(長岡市農水産政策課)
 尾形希莉子・長谷川直子「地理女子が教える ご当地グルメの地理学」ベレ出版
 野瀬泰申「食は「県民性」では語れない」角川新書

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