特急リバティ会津・会津鉄道リレー号の旅2 -浅草今半の牛肉重・くるみゆべし大福・会津産紅玉のジュース・会津栗モンブラン-
特急リバティ会津・会津鉄道リレー号で会津若松へ
2022年10月,東京の東武浅草駅から特急「リバティ会津」に乗り,会津若松へ行きました。
「リバティ会津」は,「東武鉄道」(浅草-新藤原),「野岩鉄道」(新藤原-会津高原尾瀬口),「会津鉄道」(会津高原尾瀬口-会津田島)と3つの鉄道会社線を走り抜ける特急です。
(東武浅草駅・発車案内表示器とリバティ会津横断幕)
日本の私鉄で最長の乗車時間(浅草-会津田島間 約3時間20分)とトップレベルの距離(浅草-会津田島間 190.7km)を誇ります。
会津田島駅から先は「会津鉄道リレー号」を利用し,西若松駅へ向かいました。
今回は,このリバティ会津・会津鉄道リレー号と会津若松の旅を御紹介します。
リバティ会津乗車(東武浅草駅)
東武浅草駅で改札を済ませてホームへ向かうと,9時30分発「リバティ会津113号」が出発を待っていました。
(特急リバティ(後方車両)・東武浅草駅)
下今市駅までは,東武日光行きの「リバティけごん13号」と連結して走ります。
(特急リバティ(中間車両)・東武浅草駅)
東武浅草駅はホームが緩やかにカーブしており,それに合わせて列車も停車しています。
このカーブで列車とホームにすき間ができるため,ドア入口の足元にはタラップが用意されます。
(特急リバティ(前方車両)・東武浅草駅)
前方車両はホームの先端に位置し,ホームの幅がとても狭くなります。
車両を撮り終え,私は2号車に乗車しました。
会津田島へ向け,特急リバティ出発進行!
浅草今半の牛肉重
特急リバティは,埼玉県を経て,栃木県の鬼怒川温泉駅に到着しました。
(SL大樹3号・鬼怒川温泉駅)
車窓から,下今市駅と鬼怒川温泉駅を結ぶ「SL大樹3号」を見ることができました。
鬼怒川温泉駅で大勢のお客さんが下車され,車内は落ち着いた空間になりました。
お昼時を迎えたこともあり,東武浅草駅の売店「ACCESS+浅草店」で購入した浅草今半の「牛肉重」をいただくことにしました。
※「ACCESS+浅草店」は2022年10月1日にオープンした期間限定のポップアップショップです。
(浅草今半・牛肉重(包装))
浅草今半の「牛肉重」です。
「弁当売り場」用ではなく「お届け専門」用のお弁当でした。
(浅草今半・牛肉重)
牛肉,玉ねぎ,糸こんにゃく,焼き豆腐のすき焼き弁当です。
紅しょうがとグリーンピースが添えられています。
牛肉は脂が乗ってやわらかく,玉ねぎは甘みがあってシャキシャキに,糸こんにゃくは甘辛のタレがしっかりと浸み込んで適度な歯応えを残し,焼き豆腐はすき焼きの旨味をたっぷり吸いこんでふんわりと,それぞれの食材の持ち味や特長がきちんと生かされた仕上がりのお弁当となっていました。
会津田島駅からリレー号に乗り換え西若松駅へ
特急リバティ会津は,野岩鉄道を経由し,会津鉄道の会津田島駅に到着しました。
ここが終点となります。
(会津田島駅・リレー113号とリレー138号)
写真左のピンク色の車両が「リレー113号」(会津若松行),右の赤色の車両が「リレー138号」(会津高原尾瀬口行)です。
会津田島駅から先は非電化区間なので,普通列車「リレー113号」に乗り換え,会津若松方面へ向かいました。
(会津鉄道・リレー113号車内)
列車のボディも内装も,劇場版「にゃん旅鉄道」に登場するねこで一杯です。
リレー113号に約1時間乗車し,西若松駅に到着しました。
(会津鉄道・リレー113号・西若松駅)
西若松駅で下車し,「ねこちゃんバイバイ」とお別れをしました。
そして,向かいのホームを眺めると…。
(西若松駅と会津鉄道)
「あっ,また同じねこちゃん達だ(笑)」
西若松駅からは歩いて鶴ヶ城(会津若松城)を目指しました。
鶴ヶ城・たけとう茶屋
西若松駅から鶴ヶ城までは,地図で想像していたよりも結構距離がありました。
(鶴ヶ城(会津若松城))
会津若松市の訪問は2回目ですが,前回は鶴ヶ城をバス車内からチラ見した程度だったので,今回は城内をゆっくり散策しました。
鶴ヶ城を後にし,続いて会津若松市内の喫茶「たけとう茶屋」を訪問しました。
(たけとう茶屋)
会津で最古の商家建築で,国の有形文化財にも登録されています。
このお店は2回目の訪問となります。
竹細工のお店ということで,前回は耳かきを購入するために伺ったのですが,今回は喫茶スペースで「くるみゆべし大福」を味わうために訪問しました。
お店で「くるみゆべし大福セット」を注文すると,店主さんから「御用意できるまでの間,店内の史料展示を御覧ください」と御案内いただいたので,店内を見学させていただきました。
(竹細工の展示)
竹細工の展示コーナーがありました。
続いて「この奥は何のコーナーだろうか」と戸を開けてみると,居間でおうちの方がテレビを見てくつろいでおられました(笑)
小声で「失礼しましたぁー」と何事もなかったかのようにそっと戸を閉め,次の展示コーナーへ向かいました。
(藁細工とヒロロ細工の展示)
こちらは,藁(わら)細工とヒロロ(スゲ)細工の展示コーナーです。
「ヒロロ(スゲ)」は,ミヤマカンスゲ・オクノカンスゲと呼ばれる植物で,乾燥させて縄を作り,様々な生活用品に加工されたようです。
会津地方では,この「ヒロロ細工」・「マタタビ細工」・「山ぶどう細工」が伝統的工芸品となっています。
「ヒロロ細工」は藁に比べてケバケバがないのが特徴で,室内履きに向いているそうです。
履物は藁草履(わらぞうり)とスゲ草履の両方が展示されていました。
また,会津地方で「ゲンベ(ゲンベイ)」と呼ばれる,かかとのある靴のような藁細工もありました。
展示コーナーを見学した後,タタミの席に戻り,御用意いただいた「くるみゆべし大福セット」をいただきました。
(くるみゆべし大福セット)
くるみゆべし大福と抹茶のセットです。
「くるみゆべし」は福島県の郷土菓子で,お土産でもたくさん販売されています。
その「くるみゆべし」の大福ということで注文しました。
(くるみゆべし大福(中身))
砂糖醤油の甘じょっぱいお餅で,香ばしいクルミが練り込まれていました。
そのお餅の中には小豆あん(こしあん)がたっぷり詰められていました。
くるみゆべし大福は,ほろ苦い抹茶とよく合いました。
ホッと一息ついていると,店主さんがりんごのジュースを用意してくださいました。
(会津産紅玉のジュース)
「アップルパイを作る時のリンゴの皮で作ったジュースですが,よかったらどうぞ」
「甘さは控えめで調整しました」
店主さんは,お菓子教室の先生をされていたとのことでした。
お気遣いに感動しつつ,続けて「会津栗モンブラン」をいただきました。
(会津栗モンブラン)
会津栗が使用された,やさしく上品な甘さのモンブランでした。
食後に温かいお茶をいただきながら,店主さんからこのお店のお話を伺いました。
・家具や生活用品で一杯だった母屋を片付け,リフォームして喫茶スペースや史料展示コーナーを作られたこと
・新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の中でのオープン(2020年5月24日)となったこと
・道路に面した間口が狭く,奥行きが長い「うなぎの寝床」になっているのは,江戸時代に間口三間ごとに課税されていた間口税に由来すること
・「うなぎの寝床」構造は,竹細工の材料となる煤竹(すすだけ)を切らずにそのまま保管できるというメリットもあったこと
・お菓子教室の経験を生かし,手作りスイーツ・料理のお店にされたこと
私が前回このお店を訪問したのは2019年3月なので,「たけとう茶屋」のオープン前ということになります。
実はこのお話を伺って初めて,今回が2回目のお店訪問だということに気付きました。
会津やお店の関連資料もたくさんいただき,閉店時刻までいろんなお話を伺うことが出来ました。
店主さんの温かく心優しいお人柄に触れられ,会津の良き思い出となりました。
会津若松駅・白虎隊士の像と赤べこ
(会津若松駅と白虎隊士の像)
会津若松駅と白虎隊士の像です。
この組み合わせがあまりにも有名ですが,私はぜひ,その近くに鎮座される「赤べこ」にも注目していただきたいと思います。
(会津若松駅の赤べこ)
赤べこの手前の赤いボタンを押すと…
「♪トコトコ会津は イーイとこ だっぺー」
と「会津 赤べこ音頭」の歌が流れます。
私が押すたびに観光客や子どもが寄ってきて,キャッキャッと盛り上がっていました。
もう通算10回以上ボタンを押したような…(笑)
とても楽しいので何度も押したい気分でしたが,ふと見上げると,駅前のロータリーに会津の有名な標語が書かれた看板がありました。
「ならぬことはならぬものです」
今回もまた会津若松の温かい人情に触れることが出来ました。
またぜひ訪問したいトコだっぺー。
<関連サイト>
「浅草今半」(東京都台東区西浅草3-1-12)
「劇場版 にゃん旅鉄道」(劇場版「にゃん旅鉄道」製作委員会)
「鶴ヶ城(会津若松城)」(会津若松観光ビューロー)
「たけとう茶屋」(福島県会津若松市中央1-2-7)
「会津赤べこ会」(「会津 赤べこ音頭」の紹介)
<関連記事>
「特急リバティ会津・会津鉄道リレー号の旅1 -浅草 鶏シューマイ弁当と浅草の和菓子-」
「福島県会津地方の食文化 -馬刺し・ニシン・鯉・くきたち菜・三五八漬け・こづゆ・天ぷら・揚げまんじゅう・そば・会津山塩・なめこ茸-」
「あかべぇの耳かき -福島県会津若松市-」(会津若松駅「赤べこ」の紹介)
<参考文献>
佐々大河「ふしぎの国のバード」(KADOKAWA/エンターブレイン)
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リバティの運行開始でなくなったようですが、以前は浅草(春日部も停まる)から1本で会津田島まで行ける、特急料金要らずの快速電車があり、すごいな東武鉄道!と思ったものです(笑)
一度乗って行ってみたかったのに、いつでも乗れると思うとなかなか行動せず…
快速電車の運行が廃止になるとは思ってもいませんでした(T_T)
コウジ菌さんの記事を見てたら、何度も乗り換えなきゃいけなくてもいいから、やっぱり乗って行ってみたくなりました。
くるみゆべしだけでも美味しいのに、それの大福!間違いないですね(^^)
投稿: chibiaya | 2022年12月11日 (日) 16時58分
母親の実家が北埼玉の東武線沿線のなので、子供の頃はよく東武浅草駅に行きました^^
東武線もずいぶんオシャレになりましたね^ ^
牛鍋は横浜発祥ですが、牛めしは浅草が本場でしょうか?
関東風すき焼きというのは関東大震災の後、関西のすき焼きと関東の牛鍋が融合してできたと聞いた事があります^^
鶴ヶ城の天守閣の瓦は10年くらい前に、幕末当時の赤い瓦に復元された様ですね。
抹茶のお茶碗の柄と大福がコーディネートされ、菓子皿が青磁っぽいのがオシャレですね(^_^)
投稿: なーまん | 2022年12月11日 (日) 17時12分
chibiaya 様
chibiayaさん,こんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます。
春日部あたりになるとchibiayaさんを思い出します(笑)
へぇー,過去に浅草と会津田島を結ぶ快速列車があったんですね!
私はてっきり,リバティ会津が初めてだと思っていました。
同時に,会津田島から会津若松方面の電化もなかなか進まないんだなと思いました。
今もその快速列車が走っていれば,私もそちらを使うと思います。
今回の記事で乗ってみたくなられたとは,嬉しい感想をありがとうございます。
くるみゆべしに会津栗のモンブラン,会津ならではのお菓子を,会津ならではの建物で,会津ならではのお話を伺いながらいただけたのは良かったです。
くるみゆべしの素朴な味わいとこしあんがよく合っていました。
鶴ヶ城の入口では,揚げたての天ぷらまんじゅうも販売されていましたよ!
投稿: コウジ菌 | 2022年12月11日 (日) 22時02分
なーまん 様
なーまんさん,こんばんは。
いつもコメントいただき,ありがとうございます。
お母様の御実家が北埼玉というお話,ブログでも紹介されていましたね。
東武鉄道の車両,リバティやスペーシアは特別だと思いますが,昔の「けごん」や「きぬ」といったロマンスカーも味があって良かったのではと想像します。
牛鍋,おっしゃるとおり横浜が発祥のようで,今もいくつか昔ながらのお店があるようですね。
味噌ベースの牛鍋をいつか食べに行ってみたいと思っています(^-^)
牛めし,東京にあったことは確かでしょうが,浅草が最初かと言われると私もよくわかりません。
1897(明治30)年の雑誌「国民之友」に,「牛めしというものは,東京にはある。京阪にはない」との記述があるようですが…。
すき家の丼に「YOKOHAMA」と書かれていることは自信があります(笑)
関東大震災をきっかけにした「おでん(関東煮)」の話は本で読んだことがあるのですが,すき焼きと牛鍋の融合の話はよく知りませんでした。勉強になりました。
鶴ヶ城の赤瓦,ほんの10年くらい前に復元されたものなんですね。
広島は昔ながらの赤瓦の家も多いのですが,お城で赤瓦が使われるというのは珍しいですよね。
抹茶碗と菓子皿のお話,さすがきれいなお写真を撮られるだけあって,「そういう視点で御覧になっているのか」と感心致しました。
改めて眺めると,確かに奥深さを感じます。
私は食べることに夢中で,そんな器を愛でる余裕がありませんでした。お恥ずかしい話です(^^ゞ
投稿: コウジ菌 | 2022年12月11日 (日) 22時47分