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2023年8月

2023年8月27日 (日)

菅原道真ゆかりの地(大阪府藤井寺市道明寺)で道明寺粉と道明寺桜餅について学ぶ

道明寺桜餅と道明寺

 和菓子の桜餅は、小麦粉の生地で作られた関東風の「長命寺桜餅」と、もち米(道明寺粉)で作られた関西風の「道明寺桜餅」の2種類に分類できます。

 その「道明寺」という名称のルーツである大阪府藤井寺市の道明寺。

 和菓子好きな方、和菓子を作っておられる方、食文化に興味をお持ちの方などで、このお寺の名前を御存知の方も多いと思います。

 今回、道明寺粉と道明寺桜餅について学ぶため、大阪府藤井寺市道明寺を訪問しました。


近鉄・道明寺駅と道明寺天神通り商店街

 近鉄南大阪線・準急列車で近鉄・道明寺駅に到着しました。

(近鉄列車と道明寺駅ホーム(準急・河内長野行きと普通・柏原行き))
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 道明寺駅は近鉄・南大阪線と道明寺線の駅です。

 駅を出てすぐの場所に、「大坂夏の陣・道明寺合戦記念碑」がありました。

(大坂夏の陣・道明寺合戦記念碑)
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 道明寺合戦は、大坂夏の陣で真田幸村軍と伊達政宗軍が激突した戦いです。

 それから約400年の時を経た夏、ようやく私が道明寺の地にたどり着きました(笑)

 道明寺駅周辺の地図を見ると、道明寺と道明寺天満宮があり、その寺社に続く商店街「道明寺天神通り商店街」がありました。

(道明寺天神通り商店街)
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 どこか懐かしさを感じる、地域に密着した商店街です。

 道明寺を訪問する前に、ぜひとも調達しておきたい食べ物がありました。

 桜餅です。

 道明寺周辺のお店で桜餅を買って、道明寺境内でいただく、名付けて「道明寺作戦」。

 戦いの火ぶたが切って落とされ、スマートフォンを片手に「桜餅はどこじゃ、どこにあるのじゃ」と目の色を変えて和菓子店を探しました。

 そうして見つけたお店が「御菓子司 梅屋店舗」です。

(御菓子司 梅屋店舗)
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 「見つけたり!」

 でもお店のシャッターがちょっと気になり…さらにお店に近づいてみると…。

(休業の貼り紙)
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 「誠に勝手ながら しばらくの間休業させていただきます」

 「無念じゃ、安芸の国から参ったのに、実に無念じゃ…」

 明らかにトーンダウンして引き戻しました。

 でも気分だけでも味わいたいと思い、道明寺近くのスーパーマーケットへ行きました。

(食品館アプロ 道明寺店)
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 和菓子コーナーへ行くと、季節外れなので桜餅はなかったものの、土用餅と柏餅のセットが販売されていました。

 この和菓子セットを購入し、道明寺へ向かいました。


道明寺

 道明寺入口にたどり着きました。

(道明寺入口)
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 少し緊張しつつ、山門に向かいました。

(道明寺山門)
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 気を引き締めて、山門をくぐりました。

 入ってすぐのところに、道明寺略縁起(りゃくえんぎ、起源・由来)がありました。

(道明寺略縁起)
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 道明寺の由来については、後ほどまとめて御紹介します。

(道明寺案内板)
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 こちらは道明寺の案内板で、現代版「道明寺略縁起」です。

(道明寺本堂(遠景))
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 こちらが道明寺の本堂です。

 さらに歩いて近づいてみました。

(道明寺本堂)
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 道明寺本堂を正面から眺めた様子です。

 心ばかりのお賽銭を納め、手を合わせました。

(伊藤柏翠の句碑)
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 境内に句碑がありました。

 その1つ、伊藤柏翠(いとう はくすい)の「大安で吉日 梅の道明寺」という句碑です。

 いくら桜餅に道明寺粉が使われようと、菅原道真と言えばやはり「梅」なのですね。

 ひととおり境内を散策した後で、椅子に腰かけ、休憩を兼ねて和菓子をいただきました。

 境内で食べることに少し申し訳なさを感じましたが、お賽銭を納めたことでお許しをいただこうと思います。

(土用餅・柏餅)
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 道明寺でいただいた土用餅と柏餅です。

 ここで道明寺桜餅をいただきたかった…(笑)


道明寺天満宮

 道明寺に隣接して道明寺天満宮があります。

 天満宮と言えば、菅原道真を祭神とする神社で、北野天満宮(京都)、大宰府天満宮(福岡)、防府天満宮(山口)など全国各地にありますが、道明寺天満宮もその1つです。

 この道明寺天満宮を訪問しました。

(道明寺天満宮神門)
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 天満宮の梅の紋章もあります。

(道明寺天満宮注連柱・灯籠)
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 道明寺天満宮の注連柱(しめばしら)と灯籠(とうろう)です。

 さらに中へと進みました。

(道明寺天満宮拝殿)
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 こちらが道明寺天満宮の拝殿です。

 梅の紋章があちこちに配されています。

 ならば天神さまお使いの「牛」もいらっしゃるのではないかと探してみると…

(撫で牛)
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 やはりいらっしゃいました。

 ここで私も一句。

 「東風(こち)吹かば におひおこせよ 桜餅 桜なしとて 餅を忘るな」

 意味「(道明寺や道明寺天満宮に)桜のおもかげはなくとも、桜餅のことも忘れないでほしい。せめて桜餅の匂いだけも感じられたら…」

 道明寺桜餅への深い思い入れが感じられる一句です(笑)


道明寺粉についてわかったこと

 今回道明寺や道明寺天満宮を訪問し、道明寺粉についてわかったことをまとめてみます。

○土師氏の寄進により建立された尼寺で、当初は「土師寺」と呼ばれていた。

○菅原道真の伯母の覚寿尼(かくじゅに)が住職をしていたこともあり、菅原道真自身もよくこのお寺を訪問した。

○菅原道真は、土師氏の後裔(こうえい)にあたる。

○本尊の国宝十一面観音菩薩像は、菅原道真が自ら刻んだ像だと伝えられている。

○菅原道真の左遷が決まった時、菅原道真は土師寺を訪れ、覚寿尼と別れを惜しんだ。

○菅原道真の死後、「土師寺」は菅原道真の号「道明」にちなんで「道明寺」と改められた。

○桜餅の材料として有名な「道明寺粉(糒、ほしい、ほしいい)」は、菅原道真が太宰府に左遷された後、覚寿尼が毎日お供えした御膳のお下がりを多くの人に分け与える為に乾燥・貯蔵したことが始まり。

 道明寺粉は、お供えした後のごはんをパラパラに乾燥させた「干し飯(ほしいい)」のことで、それを蒸したり茹でたりすることで、再びごはんやお餅に戻して食べられたようです。

 「菅原道真へのお供えしたご飯のお下がり」が「道明寺糒(道明寺粉)」へとつながり、やがてその道明寺粉が和菓子の材料として用いられるようになり、道明寺粉の名前を冠した道明寺桜餅として西日本を中心に広まったのです。


まとめ

 藤井寺市道明寺は、「道明寺桜餅」発祥の地というよりは、桜餅の材料となる「道明寺粉(糒、干し飯)」発祥の地であり、菅原道真ゆかりの地であることがわかりました。

 そのため、本来は菅原道真と関わりの深い「梅」の街なのですが、全国的には道明寺粉を使った道明寺桜餅が有名になったため、「桜」の街だと思われることもあるのです。

 ちなみに、後になって知ったのですが、道明寺では「道明寺糒(どうみょうじほしい)」が1本千円で販売されているようです。

 私も「あっ、ほしい」と思ったのですが、時すでに遅しでした。

(近鉄列車と道明寺駅ホーム(普通・古市行きと普通・柏原行き))
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 菅原道真ゆかりの地を訪問したことで、様々なことを学べました。


<関連サイト>
 「蓮土山 道明寺」(大阪府藤井寺市道明寺1-14-31)
 「道明寺天満宮」(大阪府藤井寺市道明寺1-16-40)

<関連記事>
 「関東の和菓子と関西の和菓子 -和菓子の比較検証-

2023年8月20日 (日)

北海道の食文化探訪5 -「ココトマカフェ」のコーヒーとレモンケーキ、とまチョップサブレ、とまチョップ旨味ほっき貝ひも、新千歳空港の「えびそば」-

苫小牧駅・とまチョップ・苫小牧西港フェリーターミナル

 札幌駅から北海道苫小牧市を目指しました。

 札幌駅ホームで「ロイズタウン駅開業1周年記念特別列車」を見かけました。

(ロイズタウン駅開業1周年記念特別列車(はまなす編成)と普通列車(札幌駅ホーム))
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 写真右側のピンク色の列車が、札幌駅とロイズタウン駅を往復する特別列車(はまなす編成)です。

 ロイズタウン駅は、北海道のチョコレートメーカー「ロイズ」の生産拠点が置かれていることにちなんで設置された駅です。

 この日は工場見学・体験施設「ロイズカカオ&チョコレートタウン」の見学など、様々なイベントが用意されていたようです。

 やがて向かいのホームに、私が乗車する特急北斗・函館行きが入線しました。

(特急北斗と快速エアポート(札幌駅ホーム))
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 この特急北斗(写真左側の列車)に乗車し、苫小牧駅へ向かいました。

(苫小牧駅)
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 札幌駅から約50分で苫小牧駅に到着しました。

 苫小牧市は日本を代表する港湾都市であることから、いつか訪問したいと思っていました。

(苫小牧駅と特急列車)
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 苫小牧駅の周辺を散策してみました。

(苫小牧駅と製紙工場の煙突)
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 苫小牧は製紙業が盛んで、苫小牧駅のすぐ近くにも王子製紙の工場があります。

 バスで苫小牧港フェリーターミナルへ行き、フェリーを見学したいと思い、苫小牧駅に隣接する「ふれんどビル」の1階にある「苫小牧観光案内所」に伺いました。

(とまチョップ(苫小牧観光案内所))
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 苫小牧市公式キャラクター「とまチョップ」です。

 3月の卒業シーズンに訪れたことから、とまチョップも学生服で卒業証書を手に持っています。

 学生帽がホッキ貝(苫小牧は日本でトップクラスの水揚げ量を誇ります)のデザインとなっています。

 観光案内所の職員の方にフェリーターミナル行きのバスについて尋ねると、苫小牧駅と苫小牧西港フェリーターミナルを結ぶ「道南バス・フェリー線」が1日3往復半運行されており、そのうちの1便がもうすぐ苫小牧駅から出発するとのお話でした。

 簡単に歩いて行って帰れる距離ではないため、御案内いただいたバスに乗ってフェリーターミナルへ向かうこととしました。

 バスは苫小牧駅を11時10分に出発し、苫小牧西港フェリーターミナルには11時27分に到着しました。

 このバスは折り返し苫小牧駅へ向かうのですが、停車時間はわずか3分しかありません。

 「よーいドン!」

 駆け足でフェリーターミナル施設に入場しました。

(苫小牧西港フェリーターミナル待合ロビーから眺めたフェリー)
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 ロビーからフェリーを約30秒眺め、フェリーターミナルショップで北海道ご当地耳かきがないか約1分半探し回り(結局ありませんでしたが…)、駆け足で玄関のバス停に戻りました。

(苫小牧西港フェリーターミナルと道南バス)
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 「出発するなよー」と祈る気持ちで撮影した1枚です(笑)

 こうして再び同じバスに乗り、苫小牧駅へ戻りました。

 バスの車窓からもカーフェリーなどの大型船舶が係留されている様子を見ることができ、苫小牧港の雰囲気は何となくわかりました。


「ココトマカフェ」のコーヒー・レモンケーキと苫小牧のお土産

 再び「ふれんどビル」に戻った私は、カフェで少し休憩することにしました。

 施設内のカフェ「ココトマカフェ」に立ち寄ってみると、レモンケーキが山積みで販売されていました。

 このレモンケーキに吸い寄せられるようにカフェに入店しました。

 コワーキングスペースが併設されており、子供たちが遊んだり、大人たちが会話を楽しんだりして、のびのびと過ごしておられました。

 しばらくして、コーヒーとレモンケーキを御用意いただきました。

(ココトマカフェのコーヒーとニシムラファミリーのレモンケーキ)
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 北海道のカフェでコーヒーとレモンケーキを味わえるとは、嬉しい偶然です。

(ニシムラファミリーのレモンケーキ)
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 「ニシムラファミリー(合同会社どさんこエナジー)」のレモンケーキです。

 北海道産の小麦粉、鶏卵、砂糖、バター、食用こめ油が使われており、包装には「道産原料使用登録食品」のシールが貼られています。

(ニシムラファミリーのレモンケーキ(中身))
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 いただいてみると…きめ細かいケーキ生地の中に大きなオレンジピール漬けがザクザク入っていました。

 表面にはレモンチョコレートが厚めにコーティングされていました。

 今回の北海道旅行では、札幌グランドホテル「ザ・ベーカリー&ペイストリー」のレモンケーキと、この「ニシムラファミリー(合同会社どさんこエナジー)」のレモンケーキをいただきましたが、どちらも「当たり」で、取り寄せてでも食べたいレモンケーキでした。

 コーヒーはブラックで、レモンケーキと一緒にその深いコクとほろ苦さを味わいました。

 「苫小牧観光案内所」で苫小牧のお土産を購入しました。

 カフェのテーブルをコワーキングスペースとさせていただき、お土産を並べてみました。

(とまチョップサブレ、とまチョップボールペン、とまチョップ旨味ほっき貝ひも)
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 とまチョップがデザインされた「とまチョップサブレ」、その箱の上にあるのが「とまチョップ」ボールペン、写真右側にあるのが「とまチョップ旨味ほっき貝ひも」です。

 「とまチョップサブレ」は、北海道銘菓「よいとまけ」で有名な「三星(みつぼし)」の商品です。

 「とまチョップ旨味ほっき貝ひも」は、地元の大丸水産が、お刺身ほっきのヒモをピリ辛の珍味に仕上げた商品です。

 苫小牧駅に隣接する「ふれんどビル」で、カフェを楽しんだり、お土産を買ったりと、有意義なひとときを過ごすことができました。


新千歳空港の大空ミュージアムとスタンプラリー

 北海道旅行の締めくくりは、新千歳空港で楽しみました。

 新千歳空港は北海道の玄関口として利用者も多いことから、数多くのグルメスポットやエンターテイメントスポットがあります。

(新千歳空港・飛行機とマーシャラー)
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 待合ロビーでマーシャラーが飛行機を誘導されている様子です。

(飛行機(新千歳空港)と北海道の模型)
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 航空体験施設「大空ミュージアム」へも行ってみました。

(大空ミュージアム・お仕事体験ソーン・飛行機用コンテナ展示)
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 飛行機用コンテナが展示されていました。

 上底が広く下底が狭い、独特な形をしたコンテナですが、これは円筒形をした飛行機の機体の下部にすき間なく積み込むための形(扇形、四分円)なのだそうです。

(大空ミュージアム・お仕事体験ソーン・キャビンアテンダント体験コーナー)
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 キャビンアテンダント体験コーナーでは、キャビンアテンダントの座席に座り、インターフォンを使って機内アナウンスの体験をすることができます。

 こうした業務に憧れを持ち、本当にやってみたいと思っている私は、周りに子供がいないことを確認した上で(笑)、インターフォン片手に機内アナウンス体験を楽しみました。

 空港内の施設を巡るスタンプラリーも開催されていたので、これも子供だけが対象でないことを確認した上で(笑)参加しました。

 新千歳空港の施設をひととおり見て回ることができるポイント設定になっていました。

 6か所のポイントでスタンプを押し、台紙をゴールのショップへ持参すると、新千歳空港のオリジナルグッズの1つがプレゼントしていただける企画です。

 全てクリアした私は新千歳空港のクリアファイルをいただきました。

(新千歳空港スタンプラリー台紙とクリアファイル)
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 新千歳空港の良い思い出となりました。


「えびそば一幻」のえびそば

 新千歳空港で夕食をいただきました。

 新千歳空港ターミナルビル3階の「北海道ラーメン道場」にある「えびそば一幻」に伺いました。

 甘エビの旨味と風味を凝縮させたスープでいただくラーメン「えびそば」で有名なお店です。

 メニューには、塩スープがベースの「えびしお」、味噌スープがベースの「えびみそ」、そして醤油スープがベースの「えびしょうゆ」の3種類が用意されていました。

 お店の方に「塩か味噌かどちらかにしようと思いますが、どちらが人気ですか?」と尋ねると、「どちらも同じ、半々ぐらいですね」と教えていただいたので、「えびしお」を注文しました。

 あわせて「えびおにぎり」も注文しました。

(えびそば(えびしお))
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 こちらが「えびそば(えびしお)」です。

 えびスープ、えび風味の天かす、えび粉と、まさに海老づくしのラーメンです。

 太麺に濃厚な海老のスープが絡み、海老の美味しさがダイレクトに伝わるラーメンでした。

(えびおにぎり)
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 こちらはサイドメニューの「えびおにぎり」です。

 海老の旨味と風味がきいたおにぎりで、焼き海苔に包んでいただきました。

 このおにぎりを、えびそばの残りのスープに入れると雑炊風に楽しめるとのことなので、こちらも試してみました。

(えびそばスープにえびおにぎりを加えた様子)
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 確かに、えびそばスープとえびおにぎりの相乗効果で、とても濃厚な海老の旨味と風味が楽しめる雑炊になりました。

 お腹を満たし、幸せな気分に浸りながら出発ロビーへ向かいました。


まとめ

 広島から飛行機で北海道へ行き、道内では主に「ANAきた北海道フリーパス」を活用して千歳市、北広島市、札幌市、小樽市、稚内市、白老町、苫小牧市を訪問しました。

 北海道はとても広いので、限られた時間内に、しかも公共交通機関のみでこれだけの場所を訪問しようとすると、スケジュール作りにとても苦労しました。

 予想外の出来事で、現地でスケジュールを再調整することも多々ありましたが、その分、思わぬ発見や新たなチャンスにも恵まれました。

 食の宝庫「北海道」。

 またいつか訪問できればと思いつつ、新千歳空港から飛行機で広島空港へ戻りました。


<関連サイト>
 「苫小牧西港フェリーターミナル」(北海道苫小牧市入船町一丁目2-34)
 「COCOTOMA(ココトマ)」(北海道苫小牧市表町五丁目11-5)
 「ニシムラファミリー」(北海道千歳市新富2丁目4-1ほか)
 「三星(みつぼし)」(北海道苫小牧市字糸井141)
 「大丸水産」(北海道苫小牧市新開町4-8-15)
 「えびそば一幻」(「新千歳空港店」新千歳空港国内線ターミナルビル3F ほか)

<関連記事>
 「北海道の食文化探訪1 -北広島市と広島のつながり・「くるるの杜」の農村レストラン・農畜産物直売所-
 「北海道の食文化探訪2 -小樽「美園」のアイスクリーム・札幌「日曜日のクッキー。」・札幌「ノースマン」-
 「北海道の食文化探訪3 -札幌グランドホテル ノーザンテラスダイナーの「北海道朝食」とザ・ベーカリー&ペイストリーの「レモンケーキ」-
 「北海道の食文化探訪4 -宗谷黒牛の照り焼きステーキ てっぺん丼・稚内駅弁「四大かに弁当」-

2023年8月13日 (日)

アイヌの食文化研究2 -トノト・チタタプ・オハウ・チポロシト・鮭(ルイベ)・ヒグマ・合鴨・エゾシカ・プクサ・シケレペ・エント-

札幌・すすきの

 札幌市の繁華街・すすきのを訪問しました。

(すすきの)
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 ニッカウヰスキーのネオン看板などがある「すすきの交差点」です。

 大阪・道頓堀(戎橋)のネオン看板と同様に、記念撮影する観光客の方がたくさんおられました。

 今回はすすきのにある北海道郷土料理・アイヌ料理店「海空のハル」でいただいたアイヌ料理を御紹介します。


アイヌ料理

 お店に入り、予約している旨をお伝えして、席を御案内いただきました。

 席には毛筆で私の名前とともに「イランカラプテ(こんにちは)」と書かれたメッセージカードが用意されており、その温かいおもてなしに感動しました。

 代表的なアイヌ料理が揃った「アイヌ創作料理セット」をいただきました。

(アイヌ創作料理セット)
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 木製の皿や器、笹の葉などにアイヌ料理が美しく盛り付けられています。


【トノト】

 まずは食前酒として「トノト」をいただきました。

(トノト)
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 「トノト」はお酒のことですが、「殿様の乳」に由来する言葉だそうです。

 「ピヤパ(ひえ)」と「カムタチ(麹)」を混ぜて作られたお酒です。

 ドロッとした口あたりで、ほのかに甘みも感じる、甘酒に似た飲みやすいお酒でした。


【チタタプ】

 続いては「チタタプ」です。

(チタタプ)
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 こちらは鮭のチタタプです。

 「チタタプ」は、鮭などを細かく刻んだ「たたき」のことです。

 アイヌの人々は、ナタや包丁で「チタタプ、チタタプ」と言いながら鮭などを細かくたたいて作られるそうです。

 鮭のチタタプは主にアラ(頭・エラ・中骨・ヒレ・白子・内臓など)を細かくたたいて作る料理ですが、今回御用意いただいたチタタプは食べやすさに配慮し、主に鮭の身を細かくたたいたものを御提供いただきました。

 ねっとりとした食感で、鮭の濃厚な旨味を楽しむことができました。

 ちなみに鮭の目玉はチタタプには入れず、子供の大切なおやつ(※)にされたようです。
 ※目玉を生のままくり抜き、あめ玉のようにしゃぶりながら食べられたようです。


【オハウ】

 「オハウ」は「汁物」のことです。

(オハウ)
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 このオハウは、野菜(ゴボウ、冬瓜、人参、フキ、インゲン、ネギなど)と焼き鮭が入っていました。

(オハウ(中身))
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 昆布と焼き鮭でだしをとり、塩で味を調えたシンプルな味付けの汁です。

 骨ごと焼いた鮭から香ばしさがにじみ出て、滋味深い味わいの汁でした。


【チポロシト】

 「チポロシト」です。

(チポロシト)
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 じゃがいもにデンプンを加え、油脂で揚げた「いももち」(エモシト)にイクラをのせた料理です。

 「チポロ」は「イクラ」、「シト」は「お餅、団子」という意味です。

 イクラをすり鉢ですりつぶしたものを「いももち」と一緒に食べるのが伝統的な食べ方だと教えていただきました。

 「いくらなんでも、イクラをすりつぶすなんてもったいない…」と思いましたが、すりつぶすとねっとりとして美味しさが増すのだそうです。

 モチモチしたじゃがいものお餅に、ほんのり塩気の効いたイクラがとてもよく合っていました。


【鮭の塩焼き】

 「鮭の塩焼き」です。

(鮭の塩焼き)
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 鮭はアイヌ語で「カムイチェプ(神の魚)」と呼ばれることからもわかるように、アイヌ料理には欠かせない食材の1つです。

 ほんのりと塩味が効いた、厚切りの鮭の塩焼きでした。


【北海道ジビエ(ヒグマ・合鴨・エゾシカ)】

 北海道ジビエの低温調理ロースト3種盛り(ヒグマ・合鴨・エゾシカ)です。

(北海道ジビエ(ヒグマ・合鴨・エゾシカ))
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 写真左から、ヒグマ、合鴨、エゾシカです。

 ヒグマは、肉に適度な弾力があり、赤身の美味しさを堪能できました。
 新鮮だからか、獣臭さが全くないのが不思議でした。

 合鴨は赤身がやわらかくクリーミーで、脂身は口の中で溶けてその甘みとコクを楽しめました。

 エゾシカは、やわらかくきめ細かい赤身が印象的で、ヒグマと同様に臭みは全く感じられませんでした。

 3種のジビエは、いずれも新鮮で肉がやわらかく、そのレベルの高さに驚きました。

 お店の看板メニューの1つに違いないと思いました。

 ヒグマや鮭を堪能したところで、ふと目の前の置物に目が留まりました。

(熊と鮭の置物)
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 熊が鮭を食べ、その両方を私が嬉しそうに食べている…。

 カムイ(神)は私をどう御覧になっているでしょうか(笑)

 「ヒンナヒンナ(感謝、感謝)」


【鮭のルイベ】

 続いて、単品料理をいくつかいただきました。

(鮭のルイベ)
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 鮭の身を凍らせ、厚く切った刺身です。

 昆布エキスを抽出した「海水醤油」という透明な調味料でいただきました。

 半解凍状態でひんやり冷たく、シャリッ、もちっとした食感を楽しめました。


【プクサ(行者ニンニク)の醤油漬け】

 アイヌ料理の代表的な食材の1つに「プクサ(行者ニンニク)」があります。

(プクサ(行者ニンニク))
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 (藤村久和監修「自然の恵み アイヌのごはん」デーリィマン社 p80の一部を引用)

 「キト」、「キトビロ」とも呼ばれる山菜で、ニンニクのような強い香りを持っています。

 私は石川県能登地方でいただいたことがあります。

 お店のメニューに、このプクサ(行者ニンニク)の料理があったので注文しました。

(プクサ(行者ニンニク)の醤油漬け)
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 「プクサ(行者ニンニク)の醤油漬け」です。

 シャクシャクした食感で甘味があり、「わけぎ」に似ていると思いました。


【シケレペ茶】

 シケレペを使ったお茶が御用意されていたので注文しました。

(シケレペ茶(茶器))
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 「シケレペ」はミカン科の樹木で、和名は「きはだ」です。

 茶器のフタを開けて中の様子をのぞいてみましょう。

(シケレペ茶(中身))
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 湯気とお湯でよくわかりません…(笑)

 しばらく抽出させて、カップに注ぎました。

(シケレペ茶)
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 シケレペ茶は、しょうが茶のような刺激のあるお茶でした。

 シケレペの実を取り出してみました。

(シケレペの実)
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 見た目(色・大きさ・形)は黒い粒コショウのようです。

 このシケレペの実について、お店の方から教えていただいたことは、
①たくさん食べるとお腹の調子が悪くなる可能性があるので、食べるなら少量に留めること
②実に「当たりはずれ」があり、ピリピリと辛味を感じる実も混じっていること
でした。

 シケレペの実を食べてみると、甘くて柑橘の風味を感じましたが、たまにピリピリと山椒の実のような辛い実がありました。

 その辛い実に当たると舌や口の中がしびれ、その状態がしばらく続くことになります。

(ラタシケプとエモシト)
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 これは国立アイヌ民族博物館に展示されている「ラタシケプ」と「エモシト」のサンプルですが、このラタシケプ(カボチャの和え物)にポツポツと見える黒い点がシケレペです。

 シケレペはアイヌ料理に欠かせない食材とされていますが、人によって好き嫌いが分かれるため、最近ではシケレペを使わないケースもあるそうです。


【エントプリン・エント茶】

 「エント(なぎなたこうじゅ)」はシソ科の植物で、花が咲いている時に採取し、乾燥保存させ、主にお茶として利用されます。

(エント(なぎなたこうじゅ))
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 (藤村久和監修「自然の恵み アイヌのごはん」デーリィマン社 p98の一部を引用)

 この「エント」から作られた「エントプリン」と「エント茶」のセットをいただきました。

(エントプリンとエント茶)
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 エント茶は上品な香りがするハーブティーでした。

 また、エントプリンには「ほうじ茶プリン」のような香ばしさも感じられました。


まとめ

 今回のお店や北海道白老町の「ウポポイ」でたくさんのアイヌ料理を味わい、アイヌの食文化を学ぶことができました。

 そこでわかったことは、アイヌの人々は自然の恵み(山菜・果実・魚・肉(ジビエ)・穀物など)をそのまま受け入れ、様々な工夫をして無駄なく食べておられることです。

 その根底には、自然の恵みをもたらすカムイ(神)への尊敬や感謝の気持ちがあるでしょう。

 アイヌ料理を通じて、北海道の自然の恵みを味わうことができました。


<関連サイト>
 「海空のハル」(札幌市中央区南4条西5丁目8 F-45ビル地下1F)
 「ウポポイ(民族共生象徴空間)」(北海道白老郡白老町若草町二丁目3)

<関連記事>
 「アイヌの食文化研究1 -北海道白老町「ウポポイ」のクンネチュプ・パピリカパイ・ペネイモぜんざい-

<参考文献>
 藤村久和監修「自然の恵み アイヌのごはん」デーリィマン社
 萩中美枝・畑井朝子・藤村久和・古原敏弘・村木美幸「聞き書 アイヌの食事」農山漁村文化協会

2023年8月 6日 (日)

北海道の食文化探訪4 -宗谷黒牛の照り焼きステーキ てっぺん丼・稚内駅弁「四大かに弁当」-

 今回は日本最北の地・北海道稚内の魅力を御紹介します。

特急宗谷で稚内へ

 朝、札幌駅から特急「宗谷」に乗り、稚内駅を目指しました。

(札幌駅・9番線)
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 札幌駅と稚内駅を結ぶ特急宗谷は、1日1往復運行されています。

(特急宗谷・運転室)
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 特急宗谷の運転室です。

 ヘッドマークには、北海道北部の地図がデザインされています。

(特急宗谷・261系ロゴマーク(4号車ドア付近))
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 こちらは特急宗谷・261系のロゴマークです。

 私は4号車(自由席車両)に乗車しました。

 やがて発車時刻の7時30分を迎えた特急宗谷は、ゆっくりと札幌駅を出発しました。

 片道(営業キロ)396.2km、所要時間5時間12分の列車旅の始まりです。

 今回私が利用したきっぷは「ANAきた北海道フリーパス」です。

(ANAきた北海道フリーパス)
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 ANAとJR北海道の共同企画きっぷで、新千歳空港駅のみどりの窓口でANA搭乗券を提示することで購入できます。

 広島空港-新千歳空港間はANA直行便で、新千歳空港から先の北北海道エリアは「ANAきた北海道フリーパス」を利用して鉄道で北海道旅行を楽しみました。

 自由席には大勢の人が乗車されていましたが、旭川駅で下車される人が多く、旭川駅から先は余裕をもって座ることができました。

 旭川から先は、北海道の大自然(山林と河川)の中を北上しました。

 途中の音威子府(おといねっぷ)駅には、木で作られた蒸気機関車が展示されていました。

(音威子府駅ホーム)
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 山林を走るため、特急宗谷は途中何度も野生の鹿に遭遇して、急ブレーキをかけていました。

 そしてその都度、遅れが発生してしまいます(笑)

 その後も特急宗谷は美しい天塩川沿いに北上を続けました。

 車窓から景色を眺める、本を読む、スマホを見る、うたた寝をするを繰り返すうち、特急宗谷は稚内駅に到着しました。

(稚内駅に到着した特急宗谷)
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 何度も野生の鹿が出没した影響で約20分の遅れが生じ、約5時間30分かかりましたが、これも旅の良い思い出です。


日本最北端の地・宗谷岬

 稚内駅からは宗谷バス・天北宗谷岬線に乗り、日本最北端の地・宗谷岬を目指しました。

(宗谷バス・天北宗谷岬線)
Photo_20230806114701

 稚内駅から宗谷岬までは約30km、バスで約50分と意外に距離があります。

 乗客の多くは宗谷岬を目指す観光客でした。

 そして日本最北端の地・宗谷岬に到着しました。

(日本最北端の地の碑)
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 日本最北端の地の碑です。

(間宮林蔵の立像)
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 近くに江戸時代に樺太に渡った探検家・間宮林蔵の立像もありました。

 なぜ正面を向いてないのでしょうか…。

(間宮林蔵の立像と日本最北端の地の碑)
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 なるほど、北を向いているのですね。

(宗谷岬沖)
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 宗谷岬というと、その先は絶壁で荒波の海を想像していたのですが、実際は遠浅の穏やかな海が広がっていました。

(「宗谷岬」音楽碑)
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 「宗谷岬」の歌もあります。
 この歌も、春を迎えた穏やかな宗谷岬の様子が歌われています。

(日本最北端の土産店「柏屋」)
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 近くに日本最北端のおみやげ店がありました。

 背後の小高い丘に登ってみました。

(大岬旧海軍望楼)
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 写真の「大岬旧海軍望楼」は、1902(明治35)年に建設されたロシアとの国境の監視所の遺構です。

(宗谷岬灯台)
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 こちらは宗谷岬灯台です。
 雪の中でも見えやすいように、赤と白のツートンカラーになっています。


宗谷黒牛の照り焼きステーキ てっぺん丼

 再び宗谷バスに乗り、稚内の市街地へ戻りました。

 バス停・港1丁目で下車し、稚内副港市場へ行きました。

(稚内副港市場)
Photo_20230806115501

 この施設に併設されている「稚内市樺太記念館」で樺太の歴史を学びました。

 その後、稚内駅へ向かって海沿いを歩きました。

(稚内港)
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 岸壁に係留する船を見ながら歩いていると、飲食店を見つけました。

(うろこ亭)
Photo_20230806115701

 「海鮮炉端 うろこ亭」(うろこ市)です。

 稚内の食材を使った料理を提供されているお店だったので、このお店で食事することとしました。

 稚内は、漁獲量日本一を誇るホッケやミズダコをはじめ、海藻の「銀杏草」、もずく、カニ、ホタテ、ウニ、宗谷黒牛、勇知いも、稚内牛乳などがそろう食の宝庫です。

 料理も、タコしゃぶ、宗谷黒牛のステーキやハンバーグ、炒麺(チャーメン)、ラーメンなど魅力ある料理がいっぱいです。

 「うろこ亭」にも、稚内の食材が使われたたくさんの料理が用意されていましたが、私はその中から「宗谷黒牛」のステーキ丼をチョイスしました。

 「うろこ亭」は海鮮料理店ですが、地元の宗谷黒牛も味わうことができます。

(宗谷黒牛の照り焼きステーキ てっぺん丼(セット))
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 こちらが「宗谷黒牛の照り焼きステーキ てっぺん丼」です。

 海の幸がたっぷり入ったみそ汁と小鉢、漬物がセットになっています。

(宗谷黒牛の照り焼きステーキ てっぺん丼)
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 宗谷黒牛のステーキ1枚がどーんとのせられています。

 やわらかい肉で、適度な霜降りもあり、とてもジューシーでした。

 お店の方に宗谷黒牛のお話を伺いました。

 宗谷黒牛は宗谷の海に近い、海底が隆起してできた「宗谷丘陵(北海道遺産)」にある牧場で育てられているそうです。

 牧場の草を食べ、潮風にあたりながら、すくすくと育った牛なのだとか。

 「そうや、だから旨いんや!」と納得しました。

 北海道には様々な北海道和牛が飼育されており、「にくのくに北海道」として全国に発信されています。

(北海道和牛マップ)
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 (ホクレン農業協同組合連合会「GREEN」No.315から一部引用)

(にくのくに北海道)
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 (ホクレン農業協同組合連合会「GREEN」No.315から一部引用)

 上から読んでも下から読んでも「にくのくに」。

 お肉は必ず両面を焼くからという意味も込められているそうです(笑)

 お店を後にし、少し歩いた場所から稚内港北防波堤ドームを眺めました。

(稚内港北防波堤ドーム)
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 映画のロケ地やCM撮影地に選ばれるほど美しい建築物で、北海道遺産にも指定されています。


稚内駅・四大かに弁当

 夕方、稚内駅に戻ってきました。

(稚内駅)
Photo_20230806134201

 再び特急宗谷に乗り、日帰りで札幌に戻ります。

(稚内駅発車時刻案内板(特急宗谷))
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 特急宗谷が稚内駅ホームに入線してきました。

(稚内駅・最北端の線路)
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 ここから日本の鉄道の線路は南へ延びています。

 自由席に乗車し、再び5時間超えの旅が始まりました。

 札幌駅22時56分着なので、車内で夕食をいただきました。

 夕食は、稚内駅に隣接する地域交流・観光施設「キタカラ」のショップ&グルメコーナーで販売されていた駅弁「四大かに弁当」です。

(四大かに弁当(包装))
Photo_20230806134501

 北海道の4種のカニを食べ比べることができる豪華な駅弁です。

(四大かに弁当)
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 それぞれのカニをいただきました。

(たらばがに)
Photo_20230806134801

 「たらばがに」は、白くてしっかり太めの身が特徴です。

 シャキシャキした食感で、食べ応えがありました。

 ずわいがにとよく似た味だと思いました。

(花咲がに)
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 「花咲がに」は、濃い褐色の身で、カニの風味がとても濃厚でした。

 4種のカニの中でもっとも深いコクを感じました。

(毛がに)
Photo_20230806135001

 「毛がに」は、黄色味を帯びた糸のように細い身が特徴です。

 細かい身ですが、コクがあり、しっかりと存在感のある味でした。

(ずわいがに)
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 「ずわいがに」は、上品な白い色とまとまった身が特徴です。

 カニの風味がとても良いのが印象的でした。

 北海道ならではの、カニづくしの駅弁をいただくことができました。


 やがて特急宗谷は旭川駅に到着し、この駅で大勢のお客さんが乗車されました。

 残り約137km。特急宗谷は終点・札幌駅へ向け走りました。

 そして23時近くに無事、札幌駅に到着しました。

(札幌駅に到着した特急宗谷)
Photo_20230806140101

 往復で約800km、11時間近く特急宗谷に乗車しました。

 稚内の滞在時間は約5時間30分でしたが、その倍の時間をかけて列車で移動したこととなります。

 それでも、それだけの時間を費やす価値が十分にありました。

 また機会があれば訪問したいです。


<関連サイト>
 「The Wonders of WAKKANAI(WOW!) 稚内の楽しみ方50」(わっかない観光活性化促進協議会)
 「稚内副港市場」(北海道稚内市港一丁目6-28)
 「稚内市樺太記念館」(北海道稚内市港一丁目6-28)
 「うろこ亭」(北海道稚内市中央五丁目6-8)
 「にくのくに北海道」(ホクレン農業協同組合連合会)
 「キタカラ」(北海道稚内市中央三丁目6-1)

<参考文献>
 わっかない観光活性化促進協議会「稚内公式ガイドブック The Wonders of WAKKANAI(WOW!) 稚内の楽しみ方50」
 わっかない観光活性化促進協議会「稚内市 すみっこ観光MAP」
 「GREEN No.315(2023冬号)」ホクレン農業協同組合連合会

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