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2023年9月

2023年9月24日 (日)

幻の高級魚・アコウ(キジハタ)の魅力 -広島県尾道市「尾道あこう祭り」のあこう煮付御膳・おこぜ唐揚げ-

アコウ(キジハタ)について

 「アコウ(キジハタ)」と呼ばれる魚を御存知でしょうか。

 「冬のフグ、夏のアコウ」と評される高級魚で、全国的に水揚げ量が少ないため、「幻の高級魚」と呼ばれています。

 釣りの対象魚としても人気の魚で、広島県でも尾道市の「しまなみ海道」エリアなどで釣ることができるようです。

 茶褐色で、赤色やオレンジ色の斑点があり、見た目はカサゴ(ホゴメバル)やアイナメに似ています。

 私は過去に一度だけ、尾道の食堂でアコウの煮付けを食べたことがあります。

 その食堂は、棚に陳列されているおかずの中から食べたいものを取るセルフサービスのお店だったのですが、アコウのことを知らなかった私は「アイナメの煮付けだ」と思ってそのおかず皿を選び、いただきました。

 「脂がのって、とても美味しいアイナメだったな」と満足しつつ、帰りにレジで精算すると、予想をはるかに上回る金額を請求され、驚きました。

 そしてその時初めて、お店の方からこの煮魚がアコウであったことを教えていただきました。

 これが私のアコウとの出会いです。


尾道あこう祭り

 尾道で「尾道あこう祭り」が開催されています。(令和5年9月1日~30日)

(尾道あこう祭りチラシ(開催案内))
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 黒色と金色をベースにした、高級感のあるチラシです。

 尾道のアコウを広く知ってもらうことを目的に、尾道の飲食店16店舗でアコウ料理が提供されるイベントです。

 あこうの煮付けのほか、雑炊、アクアパッツァ、洗い(刺身)、ほうろく焼き、釜めし、キノコと貝のソース(パスタ)、活き造りと様々な料理が御用意されています。


事前予約しても食べられない可能性がある魚

 「尾道あこう祭り」でアコウ料理を食べようと決意し、2日前の夜、お店に予約の電話をしました。

 するとお店の方から「アコウが入荷できるかどうか、漁によって決まるのですが、今日はお店が休みなので、当日になってみないとわかりません。それでもよろしいですか」とお話がありました。

 まずは、知らなかったとは言え、お店が休みの日に電話してしまったことをお詫びしました。

 私の頭の中で、(遠く尾道まで行ってでも、アコウが味わえない可能性もあるのか…それでも賭けてみる価値があるだろうか…)と一瞬考え込みましたが、お店の方の誠意を感じ、「この方ならきっとアコウの入荷に一生懸命動いてくださる。それでもなかったなら、それを快く受け入れよう。あってもなくても尾道へ行こう」と思い、予約をお願いしました。

 漁で水揚げがあるかどうかに左右されるとは、やはりアコウは幻の魚なのだと実感しました。


尾道水道と尾道の街並み

 予約当日。広島のアコウ浪士は覚悟を決め、尾道へ向かいました。

(向島行き渡船と尾道水道)
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 写真手前は尾道と向島を結ぶ渡船、写真奥が尾道大橋です。

 穏やかな港町の様子は、いつも心を癒してくれます。

 尾道の路地も散策しました。

(尾道の路地(テーラーアダムと千光寺))
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 レトロな看板の先には千光寺の赤い本堂が見えました。

(尾道の路地(ひねもすのたり))
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 路地では、カラフルな旗や赤い鳥居が一層映えて見えました。

 尾道は海だけでなく、路地も魅力です。


尾道「青柳」の「あこう煮付御膳」

 予約時刻を迎えたので、お店を訪問しました。

(「青柳」店舗)
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 尾道市土堂海岸通りにあるお食事処「青柳」です。

(「青柳」と「尾道あこう祭り」ポスター)
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 店頭には「尾道あこう祭り」のポスターも掲示されていました。

 お店に入り、予約した名前を告げると、奥におられたお店の方が笑顔で「アコウ入っております」とおっしゃいました。

 目の前がパッと明るくなり、「それは良かったです」とお応えしながらテーブル席に着きました。

 「あこう煮付御膳」が出来上がるのを待つ間に、食事券の応募用紙を持ってきていただきました。

(尾道あこう祭り・食事券応募用紙)
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 「尾道あこう祭り」でアコウ料理を食事された方の中から抽選で20名に2,000円のクーポン券が当たるという企画です。

 しばらくして、待望の「あこう煮付御膳」が運ばれてきました。

(あこう煮付御膳)
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 思わず「おおっ」と声が出るほど大きなアコウでした。

 ご飯、味噌汁、小鉢3種(レンコン・ゴボウ・人参のきんぴら、厚焼き卵、青菜とミョウガの酢の物)、漬物がセットになっていました。

(あこう煮付け)
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 見てください、このボリューム、そして美味しそうな色つや!

 今日はやっと1尾だけ入荷できたとのことで、とても貴重な一皿となりました。

 あこうの煮付けをいただきました。

 とても新鮮で、その証拠に身がまだ骨にぎゅっとくっついていました。

 たっぷりと脂がのった白身は、弾力があってプリプリでした。

 見た目からはメバルやアイナメの煮付けをイメージしますが、脂の含有量が全然違います。

 上品で旨味が凝縮された白身は、鯛やフグに勝るとも劣らない味でした。

 私は魚の煮付けが大好物で、行く先々のお店で「猫にあげるエサがなくなった」と言われるほど、頭から尻尾まで身をきれいに食べ尽くしてしまいます。

(あこうの骨)
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 今回もこんな感じで食べ尽くしました(笑)

 お店の方が頃合いを見計らって、デザートを運んで来られました。

(わらび餅)
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 ただ、この時点では、ご飯と味噌汁はまだ半分程度残していました。

 なぜなら、もう1品注文するつもりでいたからです(笑)


尾道「青柳」の「おこぜ唐揚げ」

 このお店の看板料理であり、アコウより前から尾道の地魚として有名な「オコゼ」の唐揚げを追加注文しました。

 しばらくして、揚げたてアツアツの「おこぜ唐揚げ」が運ばれてきました。

(おこぜ唐揚げ)
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 オコゼの頭をぶつ切りにし、唐揚げにした一品です。

 魚の頭を丸ごと唐揚げにして提供されるとは、よほどの自信を持っておられる証拠です。

 いただきました。

 鰻のような、ねっとりとしてたっぷりと脂がのった白身でした。

(おこぜの身)
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 淡白なメバルの唐揚げをイメージしていた私は、衝撃的な体験でした。

 アコウが無理だった場合、オコゼの料理をいただこうと思っていたのですが、オコゼの唐揚げも注文して正解でした。


まとめ

 食事を終え、帰り際にお店の方にお礼とアコウとオコゼをいただいた感想をお伝えしました。

 アコウが漁の水揚げに左右され、「あこう祭り」の時でさえも安定的に提供できないことも学びました。

 私が「予約を受けておられても、お客さんに提供できない時はつらいですね」とお話しすると、お店の方も「そうなんです。明日もお二人御予約いただいてますが、今日は漁がないので…多分入荷できないでしょう…」とおっしゃってました。

 東京や大阪などの大都市では世界各国・全国各地から食材が集まり、様々な料理を味わうことができます。

 でも、今回御紹介したアコウやオコゼのように、その地方へ行かないと味わえない新鮮な食材や料理、そして感動があることも事実で、それが地方の強みだと言えます。

 お近くの新鮮な地魚を御賞味ください。

 そして機会があれば、美味しいアコウやオコゼの料理が味わえる尾道へもお越しください。


<関連サイト>
 「尾道季節の地魚の店」(尾道季節の地魚の店連絡協議会)
 「青柳」(広島県尾道市土堂2-8-15)

2023年9月17日 (日)

ビッグ錠先生の世界11 -アルスノーバでの再会・映画「散歩屋ケンちゃん」鑑賞(高円寺シアターバッカス)-

バーの常連さんと湘南台の焼肉店へ

 2023年8月下旬に1日夏休みを取得し、久しぶりに神奈川県藤沢市湘南台の「アルスノーバ」に伺いました。

 当日、お店の常連さんに連絡したところ、「それならアルスノーバへ行く前に一緒に夕食を食べましょう」とお誘いいただきました。

 湘南台駅から近い「亀八」という焼肉店で、地元の人に人気のお店とのことでした。

 地元の人がおすすめのお店なら間違いないと思い、喜んでお受けしました。

 そして、その常連さんと「亀八」で合流しました。

 カルビ、ハラミ、上タン、ホルモンなどを注文し、目の前のロースターで焼きました。

(焼肉(亀八))
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 肉が新鮮でやわらかく、脂ものっていて、「あっ、いい肉を使っておられる。地元で人気のお店というのもわかる気がする」と思いました。

 このあとバーへ行こうとする客であれば、焼肉店でのドリンクもビールや酎ハイなどで乾杯するのが普通なのでしょうが、私は最初からウーロン茶とライスを注文しました(笑)

 でもその分、美味しくいただきました。


アルスノーバでマスターとビッグ錠先生に再会

 夕食を済ませた後、湘南台のバー「アルスノーバ」に伺いました。

 マスターに前もって今日伺うことをお伝えしていたこともあるのですが、「あっ、来たね」という感じで普通に受け入れてくださいました。

 それがとても心地よく、嬉しかったです。

 「何飲む?」と聞かれ、お酒の知識が乏しい私は「以前いただいたスイートベルモットが美味しかったので、それを使ったカクテルをお願いします」と注文しました。

 それなら…と作っていただいたのがこれです。

(ネグローニ)
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 ジン、スイートベルモット、カンパリで作られたカクテルです。
(後でネットで検索したら「ネグローニ」という名称のようですが、マスターがそれを意識して作られたのかどうかはわかりません…)

 普通のお店では飲めない、とびっきり良いお酒なのだそうです。

 普通のお店でも飲めない私が(笑)、これは美味しいと飲み干したのですから、雰囲気も手伝ったとは言え、やはり良いお酒だったのでしょう。

 隣の常連さんのカクテルと並べてみました。

(ダイキリ・ネグローニ)
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 写真左がダイキリ、右がネグローニです。

 常連さんから「ダイキリも少し飲んでみる?」と言われ、ほんのちょっといただきました。

 (心の中で)「わっ、アルコールが強い」

 マスターは私がお酒に弱いことを御存知なので、私の分はアルコール弱めに作ってくださっていることがわかりました。

 しばらくして、突然、ビッグ錠先生がお店に来店されました。

 偶然だったのか、マスターがビッグ錠先生にお話くださったのかわかりませんが、嬉しい再会です。

(スプモーニ)
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 2杯目は「スプモーニ」をいただきました。

 とびっきり良いジンがあるとのことで、今回はこのジンをベースにグレープフルーツジュースとトニックウォーターで作っていただきました。

 このスプモーニを片手に、ビッグ錠先生と楽しくお話ししました。

 翌日(ビッグ錠先生が出演されている映画)「散歩屋ケンちゃん」を観に行こうと思っている旨をビッグ錠先生にお話しすると、映画全般の話題で盛り上がりました。

 映画のお話をたくさん教えていただきましたが、「映画はテレビよりもはるかに高いお金がかけられている」というお話が強く印象に残りました。

 スプモーニもすべて飲み、続いてアルスノーバ特製のコーヒーをいただきました。

(アルスノーバ特製コーヒー)
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 会話は尽きませんでしたが、次第に夜も更け、ビッグ錠先生は帰宅されました。


ささやかな誕生日パーティー

 私も頃合いを見て精算を済ませ、最後の最後、帰りがけにマスターと常連さんに「実は今日、私の誕生日なんです。おかげさまで素敵な1日になりました」とお話ししました。

 「(気を遣っていただくことになるので)最後までこの話はしないでおこう」と思っていたのですが、嬉しさのあまり、結局話してしまいました。

 すると、常連さんが「ちょっと待ってて」とおっしゃり、深夜だというのにコンビニへ駆けつけ、お祝いに杏仁豆腐を買ってきてくださいました。

(杏仁豆腐)
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 マスターもお店のシャッターを下ろされたにもかかわらず、再びコーヒーを御用意してくださり、お二人に私の誕生日を祝っていただきました。

(コーヒーと杏仁豆腐)
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 深夜の静まり返った店内で、涙が出るほど嬉しかった瞬間です。

 お二人に深々とお礼を申し上げ、お店を後にしました。

 宿泊先へ向かう途中、湘南台駅でイベントポスターを見つけました。

(湘南台まちたんポスター)
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 湘南台の街歩き探検(ウォークラリー)イベント「湘南台まちたん」です。

 ビッグ錠先生の漫画「一本包丁満太郎」の満太郎と「スーパーくいしん坊」の香ちゃんが描かれています。

 イラストの右下に小さく「錠」と書かれたサインもあります。

 ビッグ錠先生も一緒になって湘南台の街を盛り上げておられる様子が伺えました。


高円寺シアターバッカスと映画「散歩屋ケンちゃん」

 翌日、映画「散歩屋ケンちゃん」を観賞するため、東京・高円寺を訪問しました。

(高円寺純情商店街)
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 この日は「高円寺阿波おどり」の開催日だったこともあり、街全体が大勢の人で賑わっていました。

 高円寺純情商店街をしばらく歩き、映画館「高円寺シアターバッカス」を目指しました。

 お酒が弱い私が「バッカス(酒の神)」を目指すのも不思議な話ですが(笑)

(高円寺シアターバッカス入口)
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 入口に看板がなく、ビルの3階にあるので、初めての人にはわかりづらいのですが、ビルに入ると案内表示がありました。

(高円寺シアターバッカス案内表示)
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 案内表示と一緒に「散歩屋ケンちゃん」のポスターも掲示されていました。

 映画館に着くと、映画をこよなく愛する館長さんや映画を学ぶ学生さんがおられました。

 上映時間となり、ゆっくりくつろいで「散歩屋ケンちゃん」を観賞しました。

 スクリーンに映るビッグ錠先生を拝見すると、昨夜カウンターで御一緒した時のお姿と重なって見え、何とも不思議な気持ちになりました。

 主人公ケンちゃん(いしだ壱成さん)の父がグルメ漫画家の「ゆでぷりん先生」(石田純一さん)で、その漫画はビッグ錠先生が描かれたものという面白い設定でした。

 映画を観たあと、記念に映画のパンフレットを購入しました。

(散歩屋ケンちゃんを100倍楽しむパンフレット(表紙))
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 「散歩屋ケンちゃん」の解説・撮影秘話などが盛り込まれていて、映画鑑賞後も楽しめました。

(ラストシーン)
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 (「散歩屋ケンちゃんを100倍楽しむパンフレット」の一部を引用)

 感動的なラストシーン。でも映画では「完」ではなく「未完」となっています(笑)

 映画のサブタイトル「A Lifework Orange」にも「みかん(未完)のライフワーク」という意味が込められているのだとか。

 「散歩屋ケンちゃん」。ユーモアとペーソスあふれる映画です。


<関連サイト>
 「散歩屋ケンちゃん」(「散歩屋ケンちゃん」製作委員会
 「高円寺シアターバッカス」(東京都杉並区高円寺北2-21-6 レインボービル3F)

<参考文献>
 「散歩屋ケンちゃん」製作委員会「散歩屋ケンちゃんを100倍楽しむパンフレット」

2023年9月10日 (日)

メキシコ料理の特徴と主な料理 -ウェボスディボルシアドス・トルティーヤ・トマティーヨ・フリホーレス・ワカモレ・チョリソ・チチャロン-

メキシコの食文化

 メキシコ料理は、マヤ文明やアステカ文明など先住民から受け継がれてきた食文化と、スペインの征服によって持ち込まれたスペインの食文化が融合して形成されています。

 メキシコはトウモロコシ、トマト、アボカド、ピーマン、唐辛子などの食材の原産地で、これらの食材はスペインを通じて世界に広まりました。

 メキシコの代表的な料理として、トウモロコシを使ったパンや料理(「トルティーヤ」(トウモロコシの平焼きパン)、「タコス」(トルティーヤに肉や刻み野菜をはさんだ料理)、「エンチラーダ」(トルティーヤに炒めた肉や野菜を詰め、ソースやチーズをかけてオーブンで焼いた料理、「ポソレ」(豚肉とトウモロコシのスープ)など)、サボテンを使った料理、豆・唐辛子・トマトなどを使ったスープ、トマト・玉ねぎ・唐辛子などで作られる調味料「サルサ」、カカオや唐辛子を砕いて作られる「モレ(ソース)」、アボカドのディップ「ワカモレ」などがあります。

 お酒では、リュウゼツランから作られる蒸留酒(テキーラ・メスカルなど)やビール(コロナ・エキストラなど)が有名です。


メキシコの朝ごはんプレート

 東京・外苑前の「World Breakfast Allday」(ワールド・ブレックファスト・オールデイ)を訪問しました。

 2023年8月・9月のスペシャルメニューは,「メキシコの朝ごはん」です。

 今回は,この「メキシコの朝ごはん」を御紹介します。


【ウェボス・ディボルシアドス】

 今回のプレートのメイン料理は「ウェボス・ディボルシアドス」です。

(ウェボス・ディボルシアドス)
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 お店のリーフレットによると、「ウェボス・ディボルシアドス」は、メキシコの朝ごはんの定番「ウェボス・ランチェロス(※)」の一種で、直訳すると「離婚した卵」という意味を持つ料理なのだそうです。
 ※トルティーヤに卵と赤いサルサ(サルサ・ランチェラ)をかけた料理。「牧場の卵」という意味。

 トルティーヤに赤いサルサと緑のサルサがかけられているのが特徴です。

 日本の赤いきつねと緑のたぬきを一度に味わうような贅沢感があります(笑)

 赤と緑はメキシコの国旗にも採用されている、メキシコを象徴する色でもあります。

 写真左側はトウモロコシを原料とした濃い紫色のトルティーヤと赤いサルサの組合せ、写真右側はトウモロコシ粉や小麦粉を原料とした白いトルティーヤと緑のサルサの組合せです。

 赤いサルサ(サルサ・ロハ)はトマト・玉ねぎ・ニンニク・唐辛子などで、緑のサルサ(サルサ・ベルデ)はトマティーヨ(ほおずきトマト)・玉ねぎ・ニンニク・緑色の唐辛子などで作られています。

(トマティーヨ)
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(「World Breakfast Allday Mexico」紹介リーフレットから一部抜粋・引用)

 「トマティーヨ」は、見た目も呼び名も緑色のトマトを連想させますが、食用ホオズキの一種です。

 半熟卵の黄身をくずし、トルティーヤやサルサにまぶしていただきました。

(ウェボス・ディボルシアドス(目玉焼きの黄身をくずした様子))
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 トルティーヤの生地がサルサや卵でやわらかくなっており、フランスのガレットに似た料理だと思いました。

 プレートの中央には、2種類のトルティーヤの仲を取り持つように「フリホーレス」(塩茹でしたいんげん豆を炒めたペースト状の料理)がかけられ、その上に2種類のトルティーヤチップスが飾られていました。

(フリホーレスとトルティーヤチップス)
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 フリホーレスは、粘りとコクがあるいんげん豆のペーストで、トルティーヤチップスに添えたり、サルサと共にトルティーヤにまぶしたりしていただきました。

 また、プレート上部にはアボカドのディップ「ワカモレ」や挽き肉と唐辛子を炒めた「チョリソ」、「赤玉ねぎのピクルス」が盛り付けられており、こちらもトルティーヤやトルティーヤチップスと一緒にいただきました。

(ワカモレ)
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 こちらは「ワカモレ」です。

 アボカドに細かく刻んだトマトや玉ねぎなどを加え、ライム(レモン)と塩で味を調えたディップ(浸しソース)で、アボカドの濃厚なコクと旨味を楽しむことができました。


チチャロン

 単品で「チチャロン」を注文しました。

 「チチャロン」は、豚皮を油でカリカリに揚げた「豚皮せんべい」です。

 スペイン発祥のスナックなので、メキシコだけでなく、ペルーやフィリピンにも似た名称のスナックが存在します。

(チチャロン)
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 お皿にドサッと大量に盛られていました。

 中心部はトマト・玉ねぎ・ハーブ・唐辛子などを細かく刻み、ビネガー(酢)をベースに調味したサルサです。

 一瞬、「油で揚げた豚皮をこんなにたくさん食べられるだろうか」と思いましたが、豚皮の存在を感じさせないほど軽く、中国・東南アジアの海老せんべいのようなパリッとした食感で、スナック菓子感覚でいただけました。

 ビネガーベースのサルサを添えると、さっぱりとしてより一層美味しくいただけました。


 今回いただいたメキシコ料理は、いずれも酸味や辛さが生かされており、サルサやディップを添えることにより、多様な味を楽しむこともできました。

 「ビバ メキシコ!」(メキシコ万歳!)


<関連リンク>
 「World Breakfast Allday」(外苑前店・東京都渋谷区神宮前3-1-23-1F ほか)

<参考文献>
 「メキシコ」(「World Breakfast Allday」リーフレット)
 地球の歩き方編集室「世界のグルメ図鑑」(学研プラス)
 「大使館の食卓 おうちで簡単レシピ集」(産経新聞出版)

2023年9月 3日 (日)

大阪・長居公園の「YANMAR MARCHÉ NAGAI(ヤンマーマルシェ長居)」と「OSSO MARKET&KITCHIEN(オッソマーケット&キッチン)」

大阪・長居公園

 大阪市東住吉区の長居公園(ながいこうえん)を訪問しました。

(長居公園・エントランス広場)
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 長居公園は大阪メトロ・御堂筋線の長居駅を下車してすぐの場所にあり、梅田やなんばからのアクセスも抜群です。

(長居公園マップ)
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 広大な敷地には、ヤンマースタジアム長居・ヤンマーフィールド長居(陸上競技場)、ヨドコウ桜スタジアム、長居障がい者スポーツセンター、プール、庭球場などのスポーツ施設のみならず、植物園や自然史博物館、飲食施設、ユースホステルまで揃っています。

 2022年春から夏にかけて一大リニューアルされ、注目を集めている公園です。

 興味深いのは、この公園が「食を楽しむ」公園でもあることです。

 レストランやカフェ、マルシェで食事や買い物ができたり、キッチンカーがやってきたり、食のイベントが開催されたりと、様々な「食」を楽しむこともできる公園なのです。

 長居公園のエントランス広場付近には、食のショップが集まっています。

(長居公園・ショップエリア)
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 3つのショップが並んでいます。

 写真右側から「confiteria S(コンフィテリア・エーセ)」、「桜珈琲 長居公園店」、「ヤンマーマルシェ長居」です。

 「confiteria S」はケーキや焼き菓子が揃った洋菓子店、「桜珈琲 長居公園店」は南大阪で人気のある喫茶店(特に14時までのモーニングがおすすめ)、そして「ヤンマーマルシェ長居」は農業機械などで有名な「ヤンマー」の直営レストランです。


ヤンマーマルシェ長居(YANMAR MARCHÉ NAGAI)

 「ヤンマーマルシェ長居」でランチをいただきました。

(ヤンマーマルシェ長居(店舗・遠景))
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 オープンテラス席もあります。

(ヤンマーマルシェ長居(店舗))
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 おしゃれな店舗で、ヤンマーのロゴマーク入りの看板も見えます。

 お店に入りました。

(セレッソ大阪・ユニフォーム等の展示)
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 店内には、セレッソ大阪(ヤンマーディーゼルサッカー部が前身)のユニフォームなどが展示されていました。

 ヤンマーのキャラクター、ヤン坊とマー坊も飾られています。

 「♪2人あわせてヤンマーだ、きみとぼくとでヤンマーだ(笑)」

 ヤンマーは農業との関わりが深い会社であることから、その強みやノウハウを生かしたメニューが揃えられています。

 レジで料理を注文し、テーブル席で待っていると、しばらくして料理が出来上がりました。

(特製ローストビーフとグリルなトマト&オニオン・特製グレイヴィーなニンニク醤油ソース)
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 お店の看板メニューの1つ「特製ローストビーフとグリルなトマト&オニオン・特製グレイヴィーなニンニク醤油ソース」です。

 14時まではドリンクバーが付いています。

 メインのローストビーフをご飯の上に盛り付け、新鮮なサラダもたっぷり添えられています。

 美味しいご飯や生産者の顔が見える新鮮な野菜も売りだからです。

(特製ローストビーフ・特製グレイヴィーなニンニク醤油ソースとライス)
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 ローストビーフには、肉汁をニンニク醤油で調味したグレイビーソースがたっぷりとかけられています。

 プレートに添えられたマヨネーズを付けていただくこともできます。

 ご飯には細かく刻んだ大葉が混ぜられており、そのさわやかな風味がローストビーフやグレイビーソースとよく合いました。

 ローストビーフがたっぷりで、お昼から贅沢な気分になりました。

 続いてサラダなどの野菜をいただきました。

 サラダは、フタ付きの筒状のガラス容器に詰められて提供されます。

(サラダ(フタ付き))
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 このフタをとり、ドレッシング(4種類の中から選べます)をかけていただきます。

(サラダ・すりおろし野菜ドレッシング・グリルなトマト&オニオン)
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 筒状の容器の中に葉物野菜を中心としたサラダがたっぷり詰められており、ドレッシング(写真右上)もたっぷり用意されているので、思いっきりサラダを食べたい人にもおすすめです。

 また「グリルなトマト&オニオン」は、厚切りのトマト、玉ねぎ、ニンニクをグリルした料理で、どれも甘みがあって美味しくいただけました。

 このトマトと玉ねぎは、同店のハンバーガーの具と同じものだと思いますが、これならハンバーガーも美味しいに違いありません。

 追加でデザートもいただきました。

(スフレなパンケーキ with 自家製はちみつレモン)
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 「スフレなパンケーキ with 自家製はちみつレモン」です。

 ランチタイムを終えた14時から販売されるスイーツです。

 私はこのパンケーキも食べたかったので、ランチタイムから長居して14時になった時点で注文しました。

 長居公園は長居しても許されるのです。知らんけど(笑)

(スフレなパンケーキ with 自家製はちみつレモン(中身))
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 このパンケーキの一番の売りは、生クリームにお米を加えて泡立てたシャンティクリーム(ホイップクリーム)が使われていることです。

 ふわっふわのスフレパンケーキに、甘酸っぱいレモンソース、お米のシャンティクリーム、自家製はちみつレモンを添えていただきました。


 大阪の「ヤンマーマルシェ長居」に続き、東京・八重洲にも「ヤンマーマルシェ東京」がオープンしておりますので、御興味を持たれた方はどうぞ。


オッソマーケット&キッチン(OSSO MARKET&KITCHIEN)

 続いて、同じ長居公園内にある食のお店「オッソマーケット&キッチン(OSSO MARKET&KITCHIEN)」を訪問しました。

(オッソマーケット&キッチン(店舗))
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 「おいしいをおすそわけ」、「おいしいが行き交う場所」がコンセプトのマーケット・カフェです。

 マーケットでは、大阪や関西圏の地場野菜のほか、九州の特産品・名産品なども販売されています。

 特に野菜は、大阪で100年以上栽培されている独自品種「なにわの伝統野菜」など、地元大阪ならではの新鮮なこだわり野菜がたくさん用意されています。

 私もいくつか購入しました。


【ゆず水なす】

 大阪府南部・泉州は「泉州水なす」の産地です。

(ゆず水なす)
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 こちらは、大阪府貝塚市の小池商店から販売されている「泉州水なす」の漬物です。

 水分が多くてやわらかく、漬物というよりは味付けした水なすそのものをいただいているように思いました。

 ゆずの皮も入っており、ゆずのさわやかな風味と水なすの相性が抜群でした。


【えごまの実入りバナナケーキ】

 店内には大阪府産の「えごま」を使った加工品・お菓子のコーナーもありました。

(えごまの実入りバナナケーキ(包装))
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 大阪府富田林市の「愛菜農園」で作られた「えごまの実」が入ったバナナケーキです。

 「えごまの実」は、見た目や大きさがポピーシードやマスタードシードに似た小さくて丸い実で、香ばしさとプチプチとした食感が特徴です。

(えごまの実入りバナナケーキ)
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 しっとりとしたバナナケーキにプチプチのえごまの実が良いアクセントになっていました。


【大阪府産天然うなぎ・八幡巻】

 冷蔵コーナーに大阪府産天然うなぎの八幡巻が販売されていました。

(大阪府産天然うなぎ・八幡巻の商品案内)
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 大阪・淀川で、江戸時代から続く伝統漁法で獲った天然うなぎが使われていると紹介されています。

 淀川で天然うなぎが獲れるのかと驚きました。

 とても珍しいので、購入しました。

(大阪府産天然うなぎ・八幡巻(包装))
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 大阪府堺市のあなご専門店「松井泉(まついいずみ)」で製造され、大阪市漁業協同組合から販売されている商品です。

 「八幡巻」は、ごぼうにうなぎをグルグルと巻き付け、醤油、砂糖、酒で甘辛く煮詰めた料理です。

 棒状の八幡巻を切って皿に盛り付けました。

(大阪府産天然うなぎ・八幡巻)
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 天然うなぎですので、身は薄いのですが、その分しっかりとした弾力がありました。

 養殖うなぎほど脂はのっていませんが、うなぎ本来の旨味が味わえました。


【OSSO特製・麻婆茄子と野菜&自家製野菜味噌ご飯】

 総菜・弁当のコーナーに、OSSOのオリジナル弁当が販売されていました。

 「OSSO特製・麻婆茄子と野菜&自家製野菜味噌ご飯」です。

(OSSO特製・麻婆茄子と野菜&自家製野菜味噌ご飯)
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 ご飯とおかずがそれぞれパッケージされ、お重のように2段重ねにして販売されていました。

(麻婆茄子と野菜・ポテトサラダ)
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 こちらはおかずの皿で、写真手前がポテトサラダ・サニーレタス・トマト(乙女の涙)、奥が「麻婆ナスと野菜」です。

 「麻婆ナスと野菜」は、細かく刻んだなす・人参・玉ねぎ、合い挽きミンチ、コールラビ、キャベツ、しめじをコチュジャンと鶏がらスープで炒め、ピリ辛のマーボー風に仕上げた料理です。

 野菜たっぷりの挽き肉料理で、コチュジャンのピリ辛な味付けも手伝って、ご飯がすすみました。

(自家製野菜味噌ご飯)
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 こちらはご飯に自家製野菜味噌が盛られた「自家製野菜味噌ご飯」です。

 「自家製野菜味噌」は、細かく刻んだズッキーニ・ナス・みょうがをゴマ油で香ばしく炒め、味噌・砂糖で味付けした一品です。

 甘辛の味噌とみょうがの香りが食欲をそそり、この野菜味噌とご飯だけで十分だと思いました(笑)

 たっぷりの野菜とマーボーの絶妙な組み合わせ。

 「♪ぼくは野菜のヤン坊 ぼくは中華のマーボー」と口ずさみながら美味しくいただきました。

 大阪の新鮮な野菜、レアな食材が購入できる「オッソマーケット&キッチン長居」。

 「ヤンマーマルシェ長居」と同様、食や農業に興味をお持ちの方におすすめのお店です。


 大阪の長居公園は、スポーツや学術だけでなく、大阪の様々な食も楽しめる魅力的な公園です。


<関連サイト>
 「長居公園」(大阪市東住吉区長居公園1-1)
 「ヤンマーマルシェ長居(YANMAR MARCHÉ NAGAI)」(大阪市東住吉区長居公園1-1)
 「セレッソ大阪
 「オッソマーケット&キッチン(OSSO MARKET&KITCHIEN)」(大阪市東住吉区長居公園1-1)
 「小池商店」(大阪府貝塚市清児518-6)
 「愛菜農園」(大阪府富田林市富田林町10-21)
 「松井泉」(大阪府堺市堺区楠町3-1-26)
 「大阪市漁業協同組合」(大阪市此花区常吉2-10-12)
 「大阪産(おおさかもん)」(大阪府環境農林水産部流通対策室ブランド戦略推進グループ)

<参考文献>
 大阪市高速電気軌道株式会社「Osaka Metro さんぽ。(2022 AUTUMN)」

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