日本各地の食文化

2018年1月 4日 (木)

長野県東御市の風土とフード -信濃くるみ・黒糖くるみ・くるみおはぎ・クソ爺のこだわり・花豆チョコ-

 2017年11月に長野県東御(とうみ)市を訪問しました。

 同市内の「ヴィラデスト ガーデンファームアンドワイナリー」を訪問した後,しなの鉄道田中駅に隣接する「東御市観光情報ステーション(信州とうみ観光協会)」へ行き,東御市の観光名所などを教えていただくこととしました。

(しなの鉄道田中駅と115系電車)
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 しなの鉄道田中駅に停車していた115系電車です。
 赤とグレーの「しなの鉄道色」が印象的です。

 観光協会の方から,「北国街道『海野宿(うんのじゅく)』へ行けば,お土産屋さんも多く,千曲川(ちくまがわ)の景色もきれいですよ。」と教えていただいたので,車で訪問してみました。

(夕暮れの千曲川)
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 海野宿の起点,白鳥神社付近から眺めた夕暮れの千曲川です。

(海野宿・重要伝統的建造物群保存地区)
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 北国街道の宿場町として栄えた海野宿の重要伝統的建造物群保存地区の様子です。

 岡山県倉敷市の美観地区や島根県津和野町の町並みと雰囲気が似ているように思いました。

 海野宿で見つけた東御市の名産を御紹介したいと思います。


信濃くるみ

 「道の駅 雷電くるみの里」の海野宿店,「せせらぎ」というお店に伺いました。

 店内には,東御市の特産品「信濃くるみ」やその加工食品を中心にたくさんのお土産が販売されていました。

 私がお店の方に「くるみを割るためにはくるみ割り器が必要ですよね…」とお話しすると,お店の方は「器具がなくても,マイナスドライバーやかなづちがあれば簡単に割れますよ。」とおっしゃり,実際にくるみを割って試食させていただきました。

 次々といとも簡単にくるみを割られる様子を目の当たりにし,驚きました。

(信濃くるみ)
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 やさしいクリーム色の殻をした信濃くるみです。
 
 一度割ったら,殻は意外にもろいので,中のナッツは手で取り出せます。

 信濃くるみはコクがありますが,脂肪のしつこさがなく,一度食べたら止まらないおいしさでした。


信濃くるみの黒糖菓子

 信濃くるみに黒糖がまぶされたお菓子も売られていたので,購入しました。

(信濃くるみの黒糖菓子)
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 信濃くるみに黒糖がまぶされたもので,かくし味の塩も甘みを引き立てています。

 大豆やピーナッツに黒糖をコーティングしたお菓子はよく見かけますが,くるみというのは珍しいですね。


くるみおはぎ

 道の駅雷電くるみの里の人気商品,くるみおはぎも購入しました。

(くるみおはぎ)
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 地元産のもち米とくるみを使ったおはぎです。

 細かく擂ったくるみに砂糖,塩,醤油を加え,もち米の表面にまぶしたおはぎです。

 きな粉おはぎに似ていますが,くるみの持つ深いコクと香ばしさを味わうことができます。

 醤油の味も手伝って,甘じょっぱい味にどこか懐かしさを感じるおはぎでした。


「クソ爺のこだわり」

 続いて海野宿の入口付近にある「齋藤商店」を訪問しました。

 散策していてとても気になる看板を見つけたからです。

(齋藤商店看板)
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 「クソ爺のこだわり?」

 これはちょっとお話を聞いてみなければと思い,それらしき人を探しました。

 すると真田幸村の赤い甲冑を身に付けた男性がおられたので,つい私はこう話かけてしまいました。

 「あなたがクソ爺さんですか?(笑)」

 「はいそうです。」というお返事をいただいてから,おもしろおかしく二人で会話が盛り上がりました。

 こちらがその「クソ爺のこだわり」です。

(「クソ爺のこだわり」包装)
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 「クソ爺のこだわり」とは椎茸のフライのことでした。

(「クソ爺のこだわり」)
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 小ぶりの椎茸をカラカラによく油で揚げ,ブドウ糖,食塩,胡椒で味付けたスナックです。

 しょっぱそうなスナックに見えると思いますが,実はとても甘いのです。

 まるで白あんを食べているかような甘味があります。

 椎茸特有のにおいもほとんどなく,椎茸が得意でない人もおいしく食べられるよう工夫がされています。

 それもそのはず,「クソ爺」さん御自身が椎茸が苦手なのだそうです(笑)。

 御自分は椎茸が苦手なのに,人にはこだわりの商品として売っておられるのです(笑)。

 とてもおもしろい商売をされているな,これが魅力なのだろうなと感心しました。


「花豆チョコ」

 もう1つ,「新商品を開発したから」とすすめられたのが「花豆チョコ」です。

(「花豆チョコ」)
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 長野は花豆の生産地でもあります。

 その花豆の甘納豆にチョコレートをコーティングしたお菓子です。

 ゴディバのチョコレートが使われているそうです。

 大きく食べ応えのある花豆とチョコレートの相性が良く,これなら自信を持って商品として売れるのではと思いました。


長野県東御市の風土と食文化

 「クソ爺」こと齋藤さんから,くるみをいただきながら,なぜ東御市がくるみの産地になったのかお話を伺うことが出来ました。

 くるみはもともと,東御市の東にある軽井沢で栽培されていたようです。

 軽井沢と言えば,明治以降,避暑地として多くの外国人が滞在し,国際的リゾート地として発展してきた地です。

 滞在する外国人から,くるみ(ウォルナッツ)の需要も出てきたのでしょう。

 しかし,軽井沢の気候は,くるみの栽培地としては適さなかったようで,くるみの栽培地は徐々に西へ向かうこととなります。

 そしてくるみの栽培に適していた地が東御市だったようです。

 雨が少なく,水はけがよく,日照時間が長く,昼夜の寒暖差が大きく,土壌の質が良い東御市は,良質なくるみを栽培するのに最もふさわしい場所とされ,本格的なくるみの産地になったというお話でした。

 軽井沢に滞在する外国人の需要と東御市の風土が合致して,くるみの一大産地となったのですね。

 ここまでお話を伺って,ふと「ヴィラデスト ガーデンファームアンドワイナリー」を訪問した時のことを思い出しました。

 東御市は「千曲川ワインバレー」と呼ばれるほどワイナリーが多い地域でもあります。

 くるみと同様に,東御市の風土に合うブドウやリンゴを栽培し,ワインやシードル(リンゴ酒)を作るというのは,理に適っていることなのです。

 軽井沢が近いことと洋酒であるワインやシードルの需要があることにも何らかの関連性があることでしょう。

 このあたりまで理解できると,食のフィールドワークを通じた地域の研究は面白いと感じていただけるのではないでしょうか。


<関連サイト>
 「信州とうみ観光協会」(長野県東御市田中279)
 「道の駅 雷電くるみの里 海野宿店『せせらぎ』」(長野県東御市本海野1100)
 「千曲川ワインバレー」(NAGANO WINE応援団運営委員会・長野県産業労働部)

<関連記事>
 「長野県東御市 ヴィラデスト ガーデンファームアンドワイナリー訪問ノート

2017年11月 5日 (日)

長野県東御市 ヴィラデスト ガーデンファームアンドワイナリー訪問ノート

玉村豊男さんの本から食の世界の面白さを学ぶ

 私が食の世界に興味を持つようになったきっかけは,玉村豊男さんの本によるところが大きいと言っても過言ではありません。

 玉村さんの作品は,世界や日本での食体験やそれにまつわる食文化を中心として,深く研究された成果を,読みやすく痛快な文章で読者に紹介されていることが魅力となっています。

 また,玉村さんはパリ大学に留学されていたことから,私が好きなフランスやイギリスについても精通されており,少しマニアックに(笑)紹介された作品もあります。

 さらには,『食卓は学校である』や『今日よりよい明日はない』など,食の世界だけでなく,人生観まで学べる作品も数多くあります。

 そんな玉村さんの本の1つに,『田舎暮らしができる人,できない人』という本があります。

 東京生まれ,東京育ちの玉村さんが長野に移住し,ワイナリーを開設されるまでのストーリーを苦労話を折り混ぜながら紹介されている本ですが,この作品を読んでから,長野に開設されたワイナリーとはいったいどんなところなのか,いつか訪問してみたいと思うようになりました。

 今回,岐阜へ行く用事があったので,「せっかくの機会だから足を延ばして玉村さんのワイナリーにも行ってみよう」と思い立ち,ヴィラデスト ガーデンファームアンドワイナリー内のヴィラデストカフェに予約をさせていただきました。


ヴィラデストカフェを予約

 予約時,私は少し勇気を出して,カフェの御担当に「玉村豊男さんのファンです。当日直接お会いすることは難しいでしょうが,玉村さんのサイン入りの本を御用意いただき,訪問時に購入させていただけないでしょうか。無理でも食事の予約が可能なら喜んで伺いたいと思います。」と私の素直な気持ちやお願いをお伝えしました。

 すると,翌日,カフェの御担当からメールで「ご予約を承りました。御希望の本はショップでお取り置きしておきます。なお,当日玉村はこちらに居る予定です。」とのお返事をいただきました。

 訪問当日,玉村さんが同じ場所におられる,そしてもしかしたら玉村さんにお会いできるかもしれないと思うと,予約の時点で既に興奮し,待ち遠しく思いながら,当日を迎えました。


ヴィラデスト ガーデンファームアンドワイナリー訪問

 私は出来るだけゆっくりと食事をしたかったので,平日に長野県東御市(とうみし)にあるヴィラデストを訪問しました。

 とは言え,広島を出発してランチ予約時刻の13時30分までに,全く地理感のない長野県東御市まで行くことは大変でした。

 東御市は軽井沢に近く,群馬県と接しており,関東寄りの場所にあるからです。

 前日の夜,仕事を終えて,夜行の高速バスで広島から名古屋へ向かい,翌朝に名古屋に着きました。
 名古屋から電車で岐阜県の中津川まで行き,中津川からはレンタカーで中央道,長野道,岡谷インターからは国道142号,国道152号などを走り,やっとの思いで13時前にヴィラデストに到着しました。

 予約時刻まで少し余裕があったので,ガーデンファーム・ワイナリーなどを見学させていただきました。

(フラワー・ハーブガーデン)
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 色とりどりの花やハーブが植えられた庭園です。

 旅の疲れを癒してくれました。

(ヤギ子とブドウ畑)
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 「ヤギ子」ちゃんとブドウ畑(ソーヴィニョン・ブラン)です。

(ブドウ畑)
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 ヴィラデストカフェ側から眺めたブドウ畑の様子です。

 シャルドネ,メルロー,ピノ・ノワールなどが栽培されています。

 ひととおり見学した後,はやる気持ちを抑えながらヴィラデストカフェに向かいました。


ヴィラデストカフェ

(ヴィラデストカフェ・ショップ遠景)
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 第1駐車場から歩道を下りた先にヴィラデストカフェ・ショップがあります。

(ヴィラデストカフェ・ショップ)
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 こちらがヴィラデストカフェ・ショップの正面です。

 入口にショップがあり,その奥がカフェとなっています。

 しばらくショップを眺めた後,お店の方に名前を告げると,「お待ちしておりました。お席は御用意できております。玉村も来ると思います。」と御案内いただきました。

 最後の言葉が気になり,私は動揺して「えっ,あっ,ハイ。お願いします。」とお答えし,席を御案内いただきました。

 プリフィックス方式のランチコースなのでメイン料理と飲み物を選んで注文し,いよいよ待ちに待った食事の開始です。

(マッシュルームのファルス)
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 アミューズはマッシュルームのファルスでした。

 ファルスは,肉,魚,野菜などを細かく刻んで(挽いて)調味した「詰め物」を言います。

 今回のファルスは,マッシュルームに細かく刻んだ肉やパプリカを詰め,オーブンで焼かれた料理でした。

(フラワーシャンパン)
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 今日は私にとって記念日のようなものなので,飲み物でも雰囲気を盛り上げようとノンアルコールの「フラワーシャンパン」を注文しました。

 エルダーフラワーのシャンパンで,軽い口当たりがアミューズや前菜とよく合いました。

(前菜・パン・本日のスープ)
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 コースの前菜とパン,そして別に注文した本日のスープです。

 パンはバスケットに温かい3種類のパンを御用意いただきました。

 「秋のヴィラデスト」と名付けられた前菜は,ガラスカップに盛られたコールスロー,カブ・大根・山芋という白い根菜のグリル,サツマイモのバター煮,サラダでした。

 コールスローには,キヌアも入っていました。

 根菜のグリルに添えられた緑のソースは春菊のソースで,根菜の甘味とさわやかな春菊の風味を味わうことができました。

 バターで煮たサツマイモは,スイートポテトのような感じで,前菜のアクセントにもなっていました。

 サラダはレタスにスプラウトがのせられていますが,その中にはさらに麦や赤米などの雑穀も添えられ,ドレッシングには黒酢が使われていたので,どことなく和風のサラダに仕上げられていました。

 本日のスープですが,こちらはお店の方から「本日はバターナッツ・スカッシュのスープです。」と御説明いただいたことから,興味を持って追加注文しました。

 と言うのも,最近,広島でも産直市やスーパーなどでこのバターナッツと呼ばれるカボチャをよく目にするからです。

 この場をお借りして,少しバターナッツも御紹介します。

(バターナッツ)
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 バターナッツは黄色いヒョウタン形のカボチャです。バターナッツ・スカッシュとも呼ばれます。

(バターナッツ(断面))
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 縦に半分に切ってみると,カボチャの一種であることがよくわかります。

 底の丸い箇所は甘くてやわらかく,茎のような上部の細長い箇所はあっさりしていて,やや繊維質があります。

 形の珍しいカボチャだと理解していただければいいのですが,本日のスープはこのバターナッツ・スカッシュが使われた甘くとろみのあるスープでした。

 次のメインを待つ間,ドリンクメニューに「ヴィラテスト リンゴジュース」と呼ばれるソフトドリンクがあったので,お店の方に「こちらで作られているリンゴジュースですか」と尋ねたところ,「はい,スタッフがリンゴを絞って作ったジュースです。」とお話があったので,興味を持って注文しました。

(ヴィラデスト リンゴジュース)
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 そのお店の名称を冠している料理・お菓子・飲み物は,店のプライドもあり,外してしまう可能性は低いですが,このヴィラデスト リンゴジュースも同じことが言えると思いました。

 手作りのリンゴジュースは,食物繊維が一緒になるので,白く濁ってしまいますが,ヴィラデスト リンゴジュースは透明ですっきりした甘さのジュースに仕上げられていました。

(信州豚のコンフィと手作りソーセージ 白いんげん豆と茸のトマト煮を添えて)
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 メイン料理をどれにするか少し迷ったのですが,地元の信州豚と手作りソーセージに魅かれ,こちらの料理に決めました。

 写真手前が太い手作りソーセージ,奥が信州豚のコンフィ,下に添えられているのが白いんげん豆と茸のトマト煮です。

 粗挽きの太い手作りソーセージは,とてもジューシーで肉本来の味が楽しむことができました。

 信州豚のコンフィは,信州豚の塊を約60℃の油でじっくり茹で煮された料理で,厚めの塊ですが中はやわらかく,トマト煮のソースとの相性も抜群でした。

 白いんげん豆と茸のトマトソースもよく煮込まれており,それだけでも十分美味しいソースでした。

 白いんげん豆と肉を煮込んだフランスの料理「カスレ」をイメージするような,ボリュームがあってパンともよく合う,とても美味しい料理でした。

(デザートプレート)
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 さあ,お待ちかねのデザートです。

 写真手前が栗のアイスクリームの巨峰ソース添え,奥がキャラメルムースです。

 アイスクリームには栗がふんだんに入っており,モンブランをいただいているかのようでした。長野で有名な巨峰の甘酸っぱいソースともよく合いました。
 お口直しにチュイール(フランス語で「瓦」のこと)ものせられています。
 私は今回のコースで一番のお気に入りでした。

 キャラメルムースにはキャラメルソースと少しブリュレした(焦がした)甘めの生クリームや巨峰がのせられていました。

 こちらも異なるキャラメルの味が一度に楽しめ,口いっぱいに幸せを感じました。

(ハーブティー)
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 デザートと一緒にいただいた飲み物は,ハーブティーです。

 普段はコーヒーしか選びませんが,ハーブ園を目の前にするとやはりハーブティーを飲みたいと思いました。

 窓からブドウ畑や信州の山々を眺めながら,香り豊かなハーブティーをゆっくりと味わい,ランチをしめくくりました。


玉村豊男さんとお会いする

 食事中にもしかしたら玉村さんがレストランにお見えになるかもという一抹の期待を持っていましたが,そんな様子でもなかったので,「有名な方だから,お会いできなくて当然。」と思い,玉村さんと同じ空間で食事できたことを素直に喜び,会計を済ませて帰ろうと入口のレジへ向かいました。

 その時です。

 何とレジ近くの厨房カウンターで玉村豊男さん御本人がお待ちくださっていたのです。

 「うわぁー。」言葉にならない感動が込み上げてきました。

 美味しい料理を堪能出来たことや,こうして会っていただけたことについて,深々とお礼申し上げ,いろんな本を拝読してファンであることをお伝えしました。


玉村さん「今日は東京から来たの?」

私「(地理的に関東から来られる人の方が多いのだろうなと思いつつ)広島から参りました。」

スタッフの方「こちらがお取り置きしておいた本です。こちらにサインを。」

玉村さん「それではサインしますね。」

(お願いしておいた2冊の本(『料理の四面体』,『おいしいものは田舎にある 日本ふーど記』)に私のフルネームとともに玉村さんのフルネームの直筆サインをいただく)

私「ありがとうございます。この本は一生の宝にします。もし良かったら(「コウジ菌のブログ」を紹介する名刺を差し出し)こちらのブログも御覧いただければ幸いです。食文化について私なりの視点でまとめているブログです。」

玉村さん「わかりました。コウジ菌…あーお名前と同じですね(笑)。」

私「そうです。麹は酒・味噌・食酢・醤油など日本の食文化に欠かせませんので,麹(菌)と私の名前とかけてコウジ菌としています(笑)。ヴィクトリアケーキの記事など,玉村さんの本を参考にさせていただくことも多いんですよ。」

玉村さん「そうですか。」

私「あのー,もしよろしかったら,一緒に写真撮らせていただけませんか。」

玉村さん「もちろん,いいですよ。」

(満面の笑みで私の背中に手を差し伸べてくださった玉村さんと,緊張気味で不自然な笑顔の私(笑)とで記念撮影。)

玉村さん「写真,ブログに載せてもいいよ(笑)。」

私「あっ,本日はどうもありがとうございました。Merci Beaucoup!(メルシーボーク,フランス語で「大変ありがとうございました」の意)」


 「最後に何言ってるんだ私は…」と,今思い出しても恥ずかしいのですが(笑),そんなこんなでサプライズで玉村さんとお会いすることができ,お話しもすることもできました。

 玉村さんにお礼申し上げ,ヴィラデストカフェを後にしました。

 よく「自分で自分をつねって,これは夢ではないか」と思うシーンがありますが,玉村さんにお会いした瞬間は,まさにそんな感じでした。

 その日の晩,松本市内のホテルでヴィラデストカフェの皆様にお礼のメールをお送りしました。

 玉村さんにお会いできたこともとても嬉しかったですが,そのために私の気持ちを汲み取り,御準備いただいていたスタッフの皆様のサービスにも強く感動したからです。

 一生の思い出になる1日となりました。

 また機会を見つけて訪問したいです。


<関連サイト>
 「ヴィラデスト ガーデンファームアンドワイナリー」(長野県東御市和6027)

<関連記事>
 「イギリス料理の特徴と主な料理4 -ヴィクトリアケーキ-
(ヴィクトリア女王について玉村豊男『ロンドン旅の雑学ノート』(新潮文庫)を参考にさせていただきました。)

 「しょうゆの研究6 -しょうゆは日本独自の調味料なのか(前編)-
 「イースター(復活祭)を基準としたキリスト教行事 -なぜ卵とウサギが一緒なのか-
(袁枚の『随園食単』の話やカーニバル・四旬節の話は玉村豊男『グルメの食法』(中公文庫)を参考にさせていただきました。)

2017年10月30日 (月)

「アパ社長カレーショップ」1号店が広島にオープンした理由 -テストマーケティングからの考察-

 石川県小松市で創業し,今や日本全国にホテルを展開されているアパホテル。

 ホテルとともに数多くのレストランも経営されていますが,日本で唯一,広島でしか味わえないアパオリジナルの料理があります。

 「アパ社長カレー」です。

 2017年2月19日にアパホテル広島駅前に隣接する「アパ社長カレーショップ広島駅前店」(広島市南区松原町10-11)がオープンしました。

 オープン後,ずっと気になっていた「アパ社長カレー」をいただきに,アパ社長カレーショップ広島駅前店へ伺いました。


アパ社長カレーショップ広島駅前店

 お店のドアには,カレーを手にしたシェフ姿のアパホテルの社長 元谷芙美子氏のオリジナルマークがありました。

(「アパ社長カレー」オリジナルマーク)
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 コック帽にはアパホテルのロゴ入りです。

 ドアの隣には,「アパ社長カレー」の広告ポスターもありました。

(「アパ社長カレー」広告ポスター)
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 モンドセレクション銀賞を受賞されたカレーです。

 「アパ社長カレー」レセプション&無料食事会のアンケートで,

 「99.3%の人が「美味しい」と回答」
 「94.3%の人が「備蓄用・日常用に適している」と回答」

 されたと紹介されています。

 もし私がまずいと感じたら,わずか0.7%の仲間に入ることになるのです(笑)。

 大いなる期待を胸に,店内に入りました。


「牛ステーキ社長カレー」

 入口の券売機で食券を購入し,席に着いて注文する方式でした。

 「アパ社長カレー」のほかに,「ロースカツ社長カレー」,「ラタトゥイユ社長カレー」,「ハンバーグ社長カレー」,「エビフライ社長カレー」など様々なカレーが用意されていました。

 どれにしようか考え,せっかくなら豪華なカレーをと思い,一日5食限定の「牛ステーキ社長カレー」の大盛を注文させていただきました。

 お店の方から「こちらのカレーは約10分程度お時間をいただくこととなりますが」とお話がありましたが,私は笑顔で「はい構いません」とお答えしました。

 優雅な気持ちでしばらく待っていると,注文したカレーが出来上がりました。

 これが日本で唯一,広島でしか味わえない「アパ社長カレー」の,さらに一日限定5食しか販売されない,まさに超レアなカレー「牛ステーキ社長カレー」(大盛)です。

(牛ステーキ社長カレー(大盛))
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 なんと華麗なカレーでしょう。

 ほどよい焼き加減の牛のモモ肉のステーキをスライスし,「アパ社長カレー」にトッピングされています。

 カレーはよく煮込まれた欧風ビーフカレーで,カレールーがライスと別々ではなく,ライスの上にかけられているため,ドライカレーのようにライスとの一体感があります。

 千切りキャベツが添えられており,ステンレス製のカレー皿も独特です。

 ここまで御説明するとピンときた方もおられると思いますが,「アパ社長カレー」は全国的に有名になった「金沢カレー」がベースになっているのです。

 濃厚な欧風カレールー,一体感のあるカレールーとライス,キャベツの千切り,ステンレス製のカレー皿,トンカツやハンバーグなどボリュームのあるトッピング,先割れスプーンなど,アパグループの創業地石川県の「金沢カレー」の特徴が生かされたカレーとなっています。

 「アパ社長カレー」で用意される先割れスプーンもアパオリジナルで,スプーンの柄には「アパ社長カレー」と刻印されています。

(アパ社長カレー専用スプーン)
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 コクと深みのある欧風ビーフカレーライスと絶妙な焼き加減の牛ステーキを交互にいただきながら,贅沢なひとときを過ごすことができました。


アパ社長コーヒーとアパオリジナル「うまい棒」

 贅沢なひとときに食後のコーヒーは欠かせないと思い,券売機へ戻って追加で「アパ社長コーヒー」の食券を購入し,注文しました。

 お店の方から,コーヒーとともに,記念のアパオリジナル「うまい棒」もいただきました。

(「アパ社長コーヒー」とアパオリジナル「うまい棒」)
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 「アパ社長コーヒー」よりも「うまい棒」の方が目立ちますが(笑),コーヒーはすっきりとして雑味がなく,私好みの味でした。

 一方のアパオリジナル「うまい棒」は,「うまい棒」を販売している「株式会社やおきん」とアパグループのコラボ食品で,非売品です。

(アパオリジナル「うまい棒」)
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 ソース,青さ,紅生姜が入った「たこやき味」の「うまい棒」です。

 やおきんオリジナルの「うまい棒」にも「たこやき味」がありますが,よく似た味だと思いました。


「アパ社長カレー」が広島だけで販売されている理由

 食事後,お店の方に「アパ社長カレー」が広島だけで販売されている理由を伺ってみました。


私:「アパ社長カレーのお店は,広島だけのようですね。」

お店の方:「そうですね。全国でこの広島だけです。」

私:「社長さんのお考えとか,何か理由がおありなんですか。」

お店の方:「私もはっきりとした理由を知っているわけではありませんが,社長が広島が好きだからという話は伺ったことがあります。」

私:「へぇー,そうなんですか。それは嬉しいお話です。カレーもコーヒーもとても美味しかったです。」

お店の方:「それはどうもありがとうございます。」


 広島の人間としては嬉しい限りのお話でした。


テストマーケティングに適した地 広島

 ここまで広島限定というお話を強調してきましたが,今後は2017年11月1日に首都圏1号店となる「アパ社長カレー飯田橋駅南店」(東京都千代田区飯田橋3-1-4)を,同年11月7日には関西1号店となる「アパ社長カレー御堂筋本町駅東店」(大阪市中央区瓦町2-3-6)をオープンされるようです。

 広島1号店から1年を待たずして,東京・大阪で「アパ社長カレーショップ」をオープンされるのです。

 ここで私は,アパホテルの元谷芙美子社長さんが広島がお好きだからという理由のほかにも,広島に1号店を先行オープンされた理由があったのではないかと思いました。

 その理由とは,広島がテストマーケティング(全国展開する前に試験的に販売すること)に適した地だからというものです。

 広島がテストマーケティングの地として選定されやすい理由としては,


(1)全国企業の支店が集まるブランチ(支店)経済であること

(2)所得や人口が全国の平均的な水準で,日本の縮図となっていること

(3)周囲を山と海に囲まれ,特定の地域に人が集中しているため,他地域の影響を受けにくく,人々の嗜好が把握しやすいこと

(4)広島圏内で完結したメディアが存在していること

(5)中国・四国・九州地方の企業は,一般的に,当初は関西圏への進出を試みるが,広島の企業は当初から東京(首都圏)への進出を試みる傾向が強いこと

(6)物価が高く,首都圏や関西圏と肩を並べる水準であること

(7)熱しやすく冷めやすい県民性から,広島で成功すれば他の地域でも成功する可能性が高いと見込まれること



 などが挙げられると思います。

 こうした広島の状況を踏まえた上で,アパホテルが全国展開されている状況や「アパ社長カレー」の今後の展開を考えると,広島にアパカレーショップ1号店をオープンされた理由が経営学的見地から説明することも出来るのです。


まとめ

 後半はマーケティングの話にまで発展しましたが,広島に住む私としては,元谷芙美子社長さんが広島がお好きで広島に1号店をオープンされたというお話を素直に喜び,嬉しかったことがこの記事を作成しようと思った動機であることは確かです。

 広島1号店でのマーケティング結果をもとに,「アパ社長カレー」が全国の人々に身近で愛されるカレーになることを心からお祈り申し上げます。

 なお,レトルトパウチの「アパ社長カレー」については,オンラインストア,全国のアパホテルフロント,アパホテル直営レストランでも販売されているようです。

 「アパ社長カレー」に興味を持たれた方は,通販やお店でぜひ召し上がってみてください。


<関連リンク>
 「アパ社長カレーショップ広島駅前店」(「アパホテルズ&リゾーツ」アパホテル<広島駅前>)
 「アパ社長カレー【2016年度モンドセレクション銀賞】」 (「アパホテルズ&リゾーツ」ニュース)

2017年10月 5日 (木)

広島の名物・郷土料理3 -海田町のひまわり菓子-

 今回は私の故郷,広島県安芸郡海田町のお土産を御紹介します。


海田名所煎餅

 海田の名所や著名人が焼印された甘いたまごせんべいです。

 公益社団法人海田町シルバー人材センターで製造されています。

(海田名所煎餅)
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 写真左上の焼印は「日浦山(ひのうらやま)」です。

 標高345.9mの小高い山で,頂上まで登ると海田町全体を眺めることができます。

 気軽に登山でき,頂上からは素晴らしい眺望が望めることから海田町のシンボルの1つとなっています。

 右に移動し,写真右上の焼印は「旧千葉家住宅」です。

 海田は旧山陽道(西国街道)の宿場町として栄えた街ですが,旧千葉家住宅は江戸時代に御茶屋(本陣)や脇本陣に準ずる施設として大名など要人が使用した施設です。

 写真左下の焼印は「織田幹雄」氏です。

 アムステルダムオリンピックの三段跳で日本人初の金メダルを獲得された方です。

 右に移動し,写真右下の焼印は「ひまわり大橋」です。

 海田町の町花が「ひまわり」で,かつて海田が「鼓浦」と呼ばれていたことにちなみ,楽器の鼓をデザインした橋となっています。

 こうした海田の名所や著名人に思いを馳せながらいただくことができる,素朴でほんのり甘いたまごせんべいです。


海田ひまわり煎餅

 「海田名所煎餅」と同じシリーズのせんべいです。

 中央に海田町の町花「ひまわり」の種がのせられています。

(海田ひまわり煎餅)
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 「海田名所煎餅」の原材料は,小麦粉,砂糖,卵,食塩ですが,この「海田ひまわり煎餅」はさらにバターやはちみつが加えられており,厚みもあって,より洋菓子っぽく仕上げられています。

(「海田名所煎餅」・「海田ひまわり煎餅」(包装))
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 公益社団法人海田町シルバー人材センターでは,この2種類のせんべいのほか,生姜・抹茶・黒米(古代米)の3つの味わいを楽しめる雷おこしに似た「海田おこし」というお菓子も製造・販売されています。

 「海田名所煎餅」,「海田ひまわり煎餅」,「海田おこし」は海田町内の主要店舗や広島市内の「ひろしま夢ぷらざ」などで購入することができます。


ひまわりがいっパイ

 海田町南本町にある老舗洋菓子店「カルム」の看板菓子の1つ「ひまわりがいっパイ」です。

(ひまわりがいっパイ(包装))
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 ローストしたひまわりの種がのせられたあん入りパイ饅頭です。

 オリジナルは抹茶あんで,そのほかにも,小豆,ごま,ミルク,カボチャなど様々な味が用意されています。

(ひまわりがいっパイ)
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 写真の左が抹茶あん,右が小豆あんです。

 抹茶あんは,白インゲン豆をベースに抹茶が入ったあんで,抹茶あんの緑,小麦色の丸いパイ,中心部のひまわりの種により,ひまわり畑に咲くひまわりのように見えます。

 一方の小豆あんは,つぶあんで,かくし味として藻塩が使われています。

 バター風味のパイと和菓子のあんとの相性が抜群であることは言うまでもありません。


ひまわり畑のフロランタン 広島のレモンの恵み

 2017年9月1日から販売が開始された海田町の新銘菓「ひまわり畑のフロランタン 広島のレモンの恵み」です。

(ひまわり畑のフロランタン 広島のレモンの恵み(包装))
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 海田町の町制施行60周年を記念して実施された広島安芸商工会の「特産品コンテスト」で最優秀賞を受賞し,商品化されたお菓子です。

 広島県立海田高等学校家政科の生徒が考案しました。

 しおりの表紙には,ひまわりの花と種,輪切りのレモンが描かれています。

(ひまわり畑のフロランタン 広島のレモンの恵み)
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 一口サイズの四角いフロランタンが1袋に2個入っています。

 海田町花「ひまわり」の種と広島県特産のレモンが使われています。

 通常,フロランタンと言えば,クッキー生地にキャラメルベースのアーモンドスライスをのせたものを意味しますが,このお菓子はアーモンドスライスの代わりにローストされたひまわりの種が使用されています。

 と,ここまでの説明ならある程度の味の想像はできるかと思いますが,実はキャラメルの味がサプライズなのです。

 しおりの表紙に「広島県特産のレモンをふんだんに使い」とあるとおり,キャラメルソースにふんだんに広島レモンの果汁が入れられているのです。

 キャラメルの味に負けないくらいレモンの風味・酸味を強く感じます。

 フロランタンの見た目で味を想像して食べたら,そのギャップに驚かれることでしょう。

(ひまわり畑のフロランタン 広島のレモンの恵み(しおり))
Photo_8

 私の母校でもある海田高校の生徒が考案し,広島市内の洋菓子店「gra・gr(グラグール)」により商品化された海田の新銘菓「ひまわり畑のフロランタン 広島のレモンの恵み」。

 海田町内の主要店舗,広島市内の「ひろしま夢ぷらざ」,「gra・gr(グラグール)」などで購入することができます。


<関連記事>
 「高校生がレシピを考案。海田町に甘酸っぱい新焼き菓子が誕生」(広島安芸商工会)

<関連リンク>
 「ひろしま夢ぷらざ」(広島市中区本通8-28)
 「gra・gr(グラグール)」(広島市中区三川町4-8)
 「広島県立海田高等学校

2017年6月25日 (日)

広島の名物・郷土料理2 -ホルモン天ぷら(ビチ・チギモ),スマートな注文方法-

 地元の人間でも知る人ぞ知る広島の隠れた名物「ホルモン天ぷら」。

 前回の記事に続き,改めて別の日にホルモン天ぷら店を訪問し,いただいたホルモン天ぷらを御紹介します。


ホルモン天ぷら(ビチ,チギモ)

(ホルモン天ぷら(ビチ,チギモ))
Photo

 皿の左側がビチ,右側がチギモの天ぷらです。

 それぞれの天ぷらの特徴などを簡単に御紹介します。

 なお,広島での呼び名を尊重して名称を記載していますので,御留意ください。


○ビチ(ギアラ)

 前回の記事でも御紹介しましたように,ビチは牛の第四胃袋です。

 今回のビチは大きな塊を天ぷらにしているため,豚足を食べているような食感でした。

 内側の脂肪やゼラチン質の多い白い肉と,外側の皮のような褐色の肉の層とから構成され,2種類の異なる食感や味を同時に楽しむことができます。


○チギモ(チレ,タチギモ)

 チギモは牛の脾臓(ひぞう)です。

 平べったく,周囲が薄い皮で覆われているのが特徴です。

 食感は辛子明太子のような感じで,外側の弾力のある薄皮と,レバーのようなやわらかく食べやすい食感を持つ肉とで構成されています。

 クセの少ないレバーに近い味・風味を楽しむことができます。


ホルモン天ぷらをスマートに注文する方法


 この記事を書くようになって何度か広島のホルモン天ぷら店に通いましたが,やはり場数を踏むことでホルモンの部位が少しずつわかってきて,お店の人ともより深い話ができるようになる気がします。

 また,店によって当日提供可能なホルモンの種類も若干変動します。

 ですので,慣れておられない方や,広島に旅行や出張でお越しになってホルモン天ぷらを食べてみたいと思われる方は,お店の人に必要な個数を言っておまかせで出してもらうとか,今日はどんな天ぷらがあるのかお店の人に尋ねた上で,好みの(または好みと思われる)天ぷらを注文されるのがよいかと思います。

 でも,決して敷居が高い訳ではなく,アットホームな雰囲気で食事ができますので,興味を持たれた方はぜひ広島で味わってみてください。


<関連記事>
 「広島の名物・郷土料理1 -ホルモン天ぷら,ホルモン天ぷらの種類と特徴-

2017年6月17日 (土)

広島の酒菓子 -東広島市・西条の日本酒ケーキと大吟醸バターケーキ-

 広島県東広島市の西条は,兵庫の灘や京都の伏見と肩を並べる酒どころとして有名です。

 そのため,同市内には酒類に関する研究機関「独立行政法人酒類総合研究所」が設置されています。

 2005年には,同研究所もメンバーとして参画した「麹(こうじ)菌ゲノム解析コンソーシアム」が麹菌の全ゲノム(全遺伝情報)の解読に成功し,話題となりました。

 こうした日本の酒の拠点となっている西条では,様々な銘柄の日本酒が製造・販売されていますが,その数に負けないぐらい酒菓子(酒スイーツ)も多いことに気付きました。

 広島では,この西条のほかにも呉や三原など県内各地で日本酒が作られ,酒菓子が販売されています。

 元来私はお酒が飲めない体質なので酒菓子はあまり買うことがなく,言わば未開拓の分野だったのですが,お土産屋さんなどに行くと改めて広島の酒菓子の多さに気付き,新鮮な興味を持ちました。

 そして広島の酒菓子の魅力について,少しでも皆様にお伝えできたらと思うようになりました。

 このようないきさつから,今回は「酒都」西条で販売されている酒菓子を2種類御紹介したいと思います。


シュクレラボ・ガーベラ「日本酒ケーキ」

 東広島市西条町御園宇にある洋菓子店「シュクレラボ・ガーベラ」の「日本酒ケーキ」です。

(シュクレラボ・ガーベラ「日本酒ケーキ」(包装))
Photo

 平たい菊形の焼菓子です。

(シュクレラボ・ガーベラ「日本酒ケーキ」)
Photo_2

 生地の上に黒豆がのせられており,日本酒の原材料と合わせて,和の要素も取り入れた洋菓子に仕上げられています。

(シュクレラボ・ガーベラ「日本酒ケーキ」(中身))
Photo_3

 袋を開封した時から,さわやかな日本酒の香りを感じました。

 西条の日本酒「西條鶴」が使用されています。

 断面を見ると,生地の中身が真っ白なことに驚きました。

 実際にいただいてみると,生地が見た目よりかなり柔らかく,ふわふわでした。

 そして口の中一杯に日本酒の良い香りが広がりました。

 こうした生地の特徴は,原材料に日本酒や太白胡麻油,生クリームなどが使われているからだと思います。

 しおりに「冷蔵庫で冷やすとさらに美味しくお召し上がりいただけます。」とあったのですが,このふわふわなケーキなら納得です。

 日本酒はあまり飲めなくても,やはり日本酒の香りがよくきいたお菓子の方が美味しいのだと実感できた洋菓子です。


 「シュクレラボ・ガーベラ」東広島市西条町御園宇6225-1


レヴェイユ・ドゥ・ラムール「大吟醸バターケーキ」

 続いては,東広島市西条中央6丁目にある洋菓子店「レヴェイユ・ドゥ・ラムール」の「大吟醸バターケーキ」を御紹介します。

(レヴェイユ・ドゥ・ラムール「大吟醸バターケーキ」(包装))
Photo_4

 包装には,東広島市の観光マスコット「のん太くん」が描かれています。

 ちなみにこの「のん太くん」,酒の入った徳利を持ち歩いており,飲んだらほっぺたが赤くなります(笑)。

(レヴェイユ・ドゥ・ラムール「大吟醸バターケーキ」)
Photo_5

 ケーキの形は,厚みのあるフィナンシェという表現が合うと思います。

 袋を開封した瞬間,深みのある日本酒の良い香りがしました。

 これは西条にある酒蔵の大吟醸酒かすが使用されているからです。

(レヴェイユ・ドゥ・ラムール「大吟醸バターケーキ」(中身))
Photo_6

 また,生地には小麦粉ではなく東広島産の米粉が使用されているので,コクのあるバターケーキに仕上がっています。
 さらにそのバターケーキの中には,小豆あん(つぶあん)が詰められています。

 小豆あんとバターの相性が良いことは,名古屋の小倉トーストでも実証されていますが,それに日本酒が加わることによって,さらに深みとコクそして高級感が増し,和と洋のテイストがうまく調和しているように思いました。

レヴェイユ・ドゥ・ラムール」東広島市西条中央6-6-8


 今回御紹介した酒菓子は,いずれも洋菓子に和の食材である日本酒,酒かす,黒豆,太白胡麻油,米粉,小豆あんなどを組み合わせたもので,基本は洋菓子でありながら和の味わいもあるお菓子となっていることが印象的でした。

 私はお酒が飲めないこともあり,今まで酒菓子にはあまり興味を持たなかったのですが,今回酒菓子をいただいたことで酒菓子の魅力が理解でき,食の世界が広がったようで,とても得した気分になりました。

 コウジ菌と名乗っておきながら,なぜお酒に弱いのか,また,どうやったらお酒に強くなれるのか,独立行政法人酒類総合研究所で私のゲノムを解読し,教えていただけると助かるのですが…(笑)

2017年5月25日 (木)

茨城県水戸市「黄門そば」のけんちんそばと我孫子駅「弥生軒」の唐揚げそば

 今回は,関東で有名なボリュームたっぷりのそばを御紹介します。


けんちんそば

 群馬県桐生市からJR両毛線で栃木県足利市・栃木市を訪問した後,小山駅からJR水戸線に乗り,茨城県水戸市を訪問しました。

(水戸駅前)
Photo

 水戸は,水戸黄門こと水戸藩主 徳川光圀をはじめ,徳川斉昭,徳川慶喜などの名君を輩出した水戸藩の城下町として栄えた街です。

(水戸駅前「水戸黄門と助さん格さん像」)
Photo_2

 水戸を中心とした茨城の郷土料理「けんちんそば」。

 全国的にはあまり知られてない料理ですが,地元の人達に愛されている郷土料理です。

 水戸在住のグルメや鉄道にお詳しい読者の方から,けんちんそばや後述の唐揚げそばの魅力を教えていただいていたこともあり,いつかいただいてみたいと思っていた料理です。

 そんなけんちんそばをいただきに,水戸駅から銀杏坂(国道50号)を少し上がったところにある「黄門そば」を訪問し,けんちんそばを注文しました。

 しばらく待っていると,山盛りのそばとけんちん汁がセットで提供されました。

(「黄門そば」のけんちんそば)
Photo_3

 すごいボリュームです。

 大きなザルに山のように盛られたかなり太めのそば。そして,大きめの丼によく煮込まれた具だくさんのけんちん汁のセットです。

 念のためにお店の方に食べ方を伺ったところ,そばをけんちん汁につけ,白ネギをかけていただくとのお話でしたので,そのようにしていただきました。

 けんちん汁につけていただくので,「つけけんちんそば」とも呼ばれています。

(けんちん汁にそばをつけた様子)
Photo_4

 けんちん汁の具が丼の中に一杯入っているので,そばを入れても中に沈みません(笑)。

 甘めの濃い醤油のつゆとそばがよく合います。

 麺はうどんに近いほど太く,箸で持ち上げるとずっしり重いです。

 メニューにはそばの大盛も用意されていますが,こちらは約1kgもあるそうです。

 けんちん汁の具は,大根,里芋,人参,ごぼう,厚揚げ,豆腐,こんにゃくで,全て大きめに切られ,褐色になるほどよく味が浸み込んでいます。

 そばとけんちん汁の具を交互にいただいたのですが,いずれも量が多いので,完食するまでに時間がかかりました。

 「もういいでしょう。」

 無事食べ終えて箸を置き,このセリフが出たのはお店に入ってから約45分後でした。

 完全に黄門そばにひれ伏しました。
 大満足でお店を後にし,次の地へ漫遊することとしました。


我孫子駅「弥生軒」の唐揚げそば


 続いて水戸駅からJR常磐線に乗り,千葉県我孫子市の我孫子駅へ行きました。

 この我孫子駅のホームに「弥生軒」という鉄道ファンの間で有名な駅そば屋さんがあります。

(我孫子駅「弥生軒」)
Photo_5

 かつて画家の山下 清さんも働いておられた「弥生軒」。
 このお店の看板商品「唐揚げそば」をいただきました。

 注文は食券制で,鶏の唐揚げは1個入りか2個入りか選べるのですが,広島に住む私はせっかくの機会で,次にいつ来れるかもわからないので,「唐揚(2ケ)そば・うどん」の食券を買い,注文しました。

 お店の方に食券をお渡しして間もなく,唐揚げそばが提供されました。

(唐揚げそば(2個入))
Photo_6

 噂どおりすごいボリュームです。

 そばにのせられた鶏の唐揚げが大きすぎて,丼からはみ出しています。

 そばつゆは,鶏の唐揚げのわずかなすき間からかけておられました。
 まともに唐揚げの上からつゆをかけると,唐揚げに遮られ,ほとんどが丼の外にこぼれてしまうからです。

 今回の唐揚げそばは,鶏の唐揚げが川の字に3個入っていました。

 鶏の唐揚げ1個は,約170gなのですが,大小の差が生じるため,小さめのが揚がると,「ニコイチ」(2個で1個扱い)にするのもお店の心意気なのだそうです。

 お店の心意気をありがたく感じながら,唐揚げそばをいただきました。

 鶏の唐揚げは,カリカリに揚がった醤油味の竜田揚げで,そのままでも美味しくいただけます。

 実際,この唐揚げを単品のお持ち帰りで注文されている方も多くおられました。

 また,そば抜きで,唐揚げ単品につゆをかけもらっていただくこともできます。

 そしてメインのそばは…唐揚げが大きいので,まずは唐揚げをある程度食べてからでないとそばまでたどり着けませんでした。

(唐揚げそば(そばとつゆ))
Photo_7

 そばは白くて太めの麺です。醤油の色が濃いつゆは,関東ならではの味です。

 どっしりとしたそばなので,そばも食べ応えがありました。

 店内は限られたスペースしかないので,食べ慣れた人はホームのベンチに持って行って食べておられました。

 野に咲く花のように,行き交う人々を和やかにしてくれるお店だと思いました。

 我孫子駅はJR常磐線とJR成田線との乗り換え駅なので,JR成田線が発車する待ち時間にこのお店を利用される方も多いようです。

 私も唐揚げそばでしっかり腹ごしらえした後,JR成田線に乗り換えて成田空港へ向かい,成田空港から広島空港行きのLCCに乗って広島に戻りました。

2017年5月11日 (木)

群馬の食文化の特徴を探る(4) -「子供洋食」と「ミックス ポテト入り焼きそば」-

再び群馬県桐生市の武正米店へ

 群馬県桐生市の武正米店を訪問しました。

 今回で2回目の訪問です。

 前回初めて訪問した際に,御主人が「広島から来てくれたか!」ととても喜んでくださり,閉店間際の夕食時だったにもかかわらず,御家族まで一緒になって,桐生や広島の話で盛り上がりました。

 こうした家族ぐるみの温かいおもてなしを受けたことが忘れられず,広島に戻ってすぐに御主人と一緒に撮った記念写真付きのはがきをお送りし,感謝とお礼の意をお伝えしました。

 その後も,広島から桐生は遠く離れていますが,機会があればまたいつか訪問したいと思っていました。

 そんな折,2017年5月4日から5日にかけて,広島空港と成田空港間に就航しているLCCを利用して関東方面に行くことにしました。

 その際,もし群馬の武正米店がその日に営業されているようなら,訪問してみようと思いました。

 武正米店にお電話すると,当日営業されているとのお話だったので,これは良いチャンスだと思い,事前にお店へ伺いたい旨をお伝えしました。

 当日は,広島市内の自宅から自転車,JR山陽本線,空港連絡バス,広島空港から成田空港まで飛行機,成田空港から京成電鉄成田スカイアクセス線,JR武蔵野線,東武鉄道伊勢崎線,わたらせ渓谷鐡道と乗り継ぎ,桐生駅に到着しました。

 桐生駅から徒歩で武正米店に着いた頃にはすでに夕方になっていました。


店内でお礼のはがきを発見

 桐生駅から記憶を頼りにたどり着いた武正米店。

(武正米店外観)
Photo_11

 約1年半前に訪れた時と比べ,のぼりなどが新しくなっていました。

(武正米店入口のぼり)
Photo_12

 子供洋食やポテト入り焼きそばが,「桐生らしさ買えます。桐生の一押し商品」というコピーで紹介されています。

 はやる気持ちを抑えて入店すると,奥様がやさしく迎えてくださいました。
 そして一言,「あ,写真の人だ!」と。

 奥様が指差された先を見ると,何と私が送ったお礼のはがきを掲示していただいていたのです。

(店内の様子)
Photo_13

 それもテレビなどで活躍されている有名人のサイン色紙などと一緒に。

 それを見た私は,「広島から送ったお礼の気持ちを,遠く離れた桐生の武正米店の皆さんに受け止めていただいたんだ」と感じ,目頭が熱くなりました。

 今回,広島から訪問することを決めて本当に良かったと思った瞬間でした。

 ちなみに,御主人さんと一緒の写真,実は御主人さんの方から「広島から来てくれた人と一緒に記念写真を!」とお声掛けいただいて撮ったものです。
 お店の方から写真を撮ってほしいとお願いされたのは初めてで,大変驚いたとともに,とても嬉しかったことを覚えています。


「子供洋食」

 今回は「子供洋食」と「ミックス ポテト入り焼きそば」を注文しました。

 まずは「子供洋食」です。

(「子供洋食」)
2
※「子供洋食」の詳細については,「群馬の食文化の特徴を探る(2) -桐生市「子供洋食」からわかる群馬の食文化-」を御参照ください。

 
「再びこの味に出会えたな」と心の中でつぶやきました。

 実際,ゴールデンウィーク期間中だったので,桐生へ帰省された方も数多くお店に来られ,「子供洋食」や「ポテト入り焼きそば」を持ち帰りで注文されていました。

 ホクホクしたじゃがいもとソースによる,どこか懐かしくホッとする味です。

 ゆっくりと「子供洋食」を味わっていると,配達を終えた御主人さんが戻ってこられました。

 またもや感動の再会です。

 御主人は一息つく間もなくエプロンをつけ,私が一緒に注文した「ミックス ポテト入り焼きそば」を作ってくださいました。


「ミックス ポテト入り焼きそば」

 ポテト入り焼きそばは,焼きそばに茹でたじゃがいもを入れ,ソースを絡めたボリューム満点の焼きそばです。

 この焼きそばを基本に,好みに応じてトッピングで「肉(豚肉)入り」,「玉子入り」,「野菜(キャベツ)」,「コーン入り」を選ぶことができます。

 私はせっかくなので,デラックス版の「ミックス ポテト入り焼きそば」をお願いしました。

(「ミックス ポテト入り焼きそば」)
Photo_14

 焼きそばに,茹でたじゃがいも,豚肉,厚みのある玉子焼き,もやし,コーンが入り,青のりがかけられたこの上ないボリュームの焼きそばです。

 焼きそばの麺は白くてコシのあるストレート麺で,広島ではあまり見かけない美味しい麺でした。

 子供洋食と焼きそばを堪能しながら,御夫婦そして子供洋食を買いに来られた御近所の方々も一緒に,5人で1つのテーブルを囲んで,またもや会話に花が咲きました。

 全国から子供洋食を求めて来店されること,子供洋食がお子様ランチと同じだと思い大人でも食べられるか問い合わせもあること,北海道の男爵いもだと煮崩れしてしまうこと,上州の女性が養蚕・製糸・織物などで活躍した流れをくんで「かかあ天下」が日本遺産に登録されていることなど。

 桐生川はきれいな川で,染物にも適しているというお話も出たので,私はうん,そうでしょうと深くうなずき,こうお返事しました。

 「つまり桐生川はきりゅうな川なんですね。」

 二度言って気付いていただけました(笑)。

 長時間お世話になり,最後に気持ちばかりの広島のお土産をお渡しして失礼しました。

 その日は桐生市内のホテルに宿泊しましたが,しばらく感動の余韻が続きました。

 ほんの一瞬の出会い,でもその出会いが人の心を大きく動かす原動力ともなり得ることが理解できたように思います。

 武正米店の皆様,この度も大変お世話になりました。深くお礼申し上げます。


お礼のはがきの内容紹介

 最後に,武正米店さんで掲示いただいているお礼のはがきの文章を御紹介してしめくくりたいと思います。

 今回の記事は個人的な話が多かったので,反省することしきりですが,良き思い出話ということで御容赦ください。

 最後までお読みいただき,ありがとうございました。


 武正米店 様

 ありがとうございました

 先日は,おいしい「子供洋食」を御馳走いただき,ありがとうございました。
 今回の群馬旅行で一番食べたかった郷土料理を,温かいおもてなしと共にいただくことができ,とても嬉しかったです。
 「子供洋食」にまつわるお話を伺えたことで,桐生の食文化を私なりに理解することができました。
 関東ローム層,二毛作,足尾銅山などの環境による畑作中心の作物(じゃが芋,ねぎ),海から離れている地での乾物(干し海老,青のり),養蚕・織物工業を中心に,明治以降の近代化と関わりのある西洋食(ソース)が一体となり,織工さんや子供達の手軽な食事・おやつとして生まれ,親しまれてきたのが「子供洋食」ではないでしょうか。
 まるで我が家に帰ったかのような温かい人情に触れ,併せて群馬の食文化を知る機会ともなり,とても楽しい思い出になりました。
 皆様の御健康と御多幸を心からお祈り申し上げます。
 
 広島から応援しております。

 (2016年1月)


<関連記事>
群馬の食文化の特徴を探る(1) -群馬県桐生市のソースカツ丼・ひもかわ-

群馬の食文化の特徴を探る(2) -桐生市「子供洋食」からわかる群馬の食文化-

群馬の食文化の特徴を探る(3) -スバル最中,コロリンシュウマイ,花ぱん,アイスまんじゅう,食文化を通じた地域の研究-

2017年5月 6日 (土)

群馬の食文化の特徴を探る(3) -スバル最中,コロリンシュウマイ,花ぱん,アイスまんじゅう,食文化を通じた地域の研究-

 2017年5月4日から5日にかけて,広島空港と成田空港に就航しているLCCを利用し,北関東へ行ってきました。

 LCCに乗って成田空港へ行ってみたいと思ったからです。

 成田空港に着いた後にどこへ行こうかと考えた結果,多くの興味深い食文化がある群馬県を再び訪問し,群馬県を起点に北関東を旅してみようと思いました。

 群馬の誇る郷土料理や郷土菓子について,これまで御紹介してないものを中心に御紹介したいと思います。


伊勢屋の「360焼き」・「スバル最中」・「THEスバル」(群馬県太田市)

 成田空港に着いて,京成電鉄成田スカイアクセス線,JR武蔵野線,東武鉄道伊勢崎線と乗り継いでたどり着いた最初の街が群馬県太田市です。

 太田市はスバルの拠点であり,本工場(群馬製作所)がある街です。

(「伊勢屋」)
Photo

 伊勢屋は東武鉄道太田駅近く,本工場(群馬製作所)の向かいにある和菓子屋さんです。

(「スバル最中」(包装))
Photo_2

(「360焼き」・「スバル最中」・「THEスバル」)
360

 写真左上が「360(サブロク)焼き」で,「スバル360」の形をした白あんの饅頭です。

 続いて写真右上がお店の看板銘菓「スバル最中」で,「レガシイB4」の形をした小豆あんの最中です。

 最後に写真下が「THEスバル」で,瓦せんべいです。

 お店の方にスバル最中について伺ったところ,10年ぐらい前のレガシイB4がモデルになっているとのお話でした。

 まさに今,私が乗っている車です(笑)。

 このお菓子の感想に多くの言葉は要りません。

 ただ一言,「スバルしい(素晴らしい)」。


「コロリンシュウマイ」(群馬県桐生市)

 太田駅から桐生線に乗り換え,東武鉄道相老(あいおい)駅で下車しました。

 駅から約15分歩いたところに「コロリンシュウマイ」のお店があります。

(コロリンシュウマイ店舗)
Photo_3

 その場でいただくこととし,5個入りを注文しました。

(「コロリンシュウマイ」)
Photo_4

 しばらく待つと,蒸されて半透明になったコロリンシュウマイを出していただきました。

 青のりをかけ,ゆるめのソースをつけながらいただきます。

 その形からシュウマイと名付けられていますが,中に具が入っている訳ではありません。

 じゃがいも,じゃがいものでんぷん,玉ねぎが主な材料なので,食べるとほのかにじゃがいもの香りがします。

 でんぷんによる,むっちり,プルンとした独特の食感をソースの味とともに楽しむことができました。


花ぱん(群馬県桐生市・みどり市)

 相老駅から「わたらせ渓谷鐡道」に乗って,桐生駅へ向かいました。

(わたらせ渓谷鐡道(相老駅))
Photo_5

 ディーゼル車で,プレートに富士重工(スバル)製とありました。

 桐生駅構内にある「桐生観光物産館わたらせ」では,桐生市やみどり市の特産品が幅広く販売されています。

 私はここで「花ぱん」と「アイスまんじゅう」を購入しました。


 「花ぱん」は桐生市やみどり市で昔から作られている郷土菓子です。

(花ぱん(包装))
Photo_6

 材料の小麦粉,砂糖,鶏卵を練って焼き上げ,砂糖がけ(アイシング)した昔ながらの素朴なお菓子です。

(花ぱん)
Photo_7

 固く焼き上げた甘食,駄菓子のたまごパン,または佐賀の銘菓「丸ボーロ」に似ていると思います。

 砂糖がけの強い甘味が,子供に人気で,大人も労働の疲れを癒してくれることでしょう。


アイスまんじゅう(群馬県桐生市)

 続いて,桐生市の「シロフジ製パン所」の「アイスまんじゅう」です。

(アイスまんじゅう(包装))
Photo_8

 さすがにアイスのままで広島まで持って帰れないので(笑),桐生のホテル内で撮影し,いただきました。

 ちなみに,背景の敷物は「桐生織」で,細かい紋様までとても美しく作られていたのが印象的でした。

(アイスまんじゅう)
Photo_9

 ずんぐりしたロケットのような形をしています。

 ミルクアイスの中に小豆のあんこが入っており,まんじゅうのようなアイスとなっています。

(アイスまんじゅう(中身))
Photo_10

 あんこはこしあんで,すっきりした味わいのあんこと濃厚なミルクアイスがうまく調和していました。


食文化を通じた地域の研究

 群馬県桐生市や太田市は繊維産業や輸送機器産業で発展してきた地域で,両市には桐生高等染織学校を前身とする群馬大学工学部のキャンパスがあります。

 今回御紹介した料理やお菓子は,いずれもその地域の特色や育まれてきた食文化が色濃く反映された食べ物だと言えるでしょう。

 浅間山や赤城山など火山の影響を受けた「関東ローム層」により畑作が中心となったことから,じゃがいもや小麦が食材の中心となり,明治以降の近代化に合わせるように和洋折衷や「洋食」としてのソースが好まれるようになり,職人さん中心の地域であるがゆえにボリュームも重視される必要があったと説明することが出来るでしょう。

 このような地域特性を把握すれば,一見珍しく思える食文化も,実は生まれるべくして生まれ,育まれてきた食文化であることが御理解いただけるかと思います。

 その地域の食文化を調べることで,その地域について理解を深める。

 こうした観点からフィールドワークを行い,地域を研究する手法もあるのです。

 私が学んだ経済学の分野で言えば,地域経済学などの分野で応用出来るのではないかと思います。


<関連記事>
群馬の食文化の特徴を探る(1) -群馬県桐生市のソースカツ丼・ひもかわ-

群馬の食文化の特徴を探る(2) -桐生市「子供洋食」からわかる群馬の食文化-

2017年4月 1日 (土)

宮城県仙台市 「賣茶翁」のみちのくせんべいと「立ちそば処 杜」の鶏から揚げそば

 2017年3月に「杜(もり)の都」仙台を訪問しました。

(仙台駅)
Photo

 滞在時間が短く,駆け足での移動となりましたが,今回仙台で訪問したお店を御紹介したいと思います。


仙台の老舗和菓子店「賣茶翁」のみちのくせんべい

 仙台に,電話非公開で,開店しているかどうか行ってみないとわからない老舗和菓子店があります。

 仙台の老舗和菓子店「賣茶翁(ばいさおう)」です。

 お店は仙台市青葉区,仙台市民会館の向かいにあります。

(「賣茶翁」入口)
Photo

(「賣茶翁」玄関)
Photo_2

 仙台市の街中にあるとは思えない,伝統のある佇まいです。

 店に入り,まず最初に店内に電話機がないかひととおり見渡しました(笑)。

 お店の方に店名の由来について伺ったところ,親切に「創業者がお茶を売り歩いた賣茶翁の考えに感銘を受け,店名としていただきました。」と教えていただきました。

 私は有名な「みちのくせんべい」をお土産として購入しました。

(みちのくせんべい(箱))
Photo_3

(みちのくせんべい)
Photo_4

 直径約5.5cmの小さなせんべいです。

 軽い食感のせんべいですが,黒糖の生地で,表面にも黒糖の蜜が塗られて結晶化しているので,小さい割にはしっかりとした甘味があり,食べ応えもあります。

 お茶菓子に最適なせんべいです。

 箱の中に入っていた賣茶翁の説明文を読むと,「電話 なし」と記されており,その潔さが素晴らしいと思いました。

(賣茶翁説明文)
Photo_5

 ふと,どこかで同じようなせんべいを食べたことがあるなと思い,思い出したのが,京都祇園の和菓子店「亀屋清永」の「麩のやき」です。

(麩のやき)
Photo_6

 「麩のやき」は小麦粉や米粉を水で溶いた生地を薄くのばして焼いたもので,味噌などで味付けされて食べられたようです。

 千利休が「茶の湯」を大成した時に点心(茶の子)として重用したお菓子であり,豊臣秀吉が開催した「北野大茶会」にも出されたようです。

 亀屋清永の「麩のやき」は,もち米で作られた薄焼きせんべいで,醤油味と黒砂糖風味の2種類用意されています。

 黒砂糖風味は「みちのくせんべい」と同様,せんべいの表面に黒砂糖の蜜が塗られています。

 私は,宇治の萬福寺で開催された「全国煎茶道大会」(「黄檗山萬福寺の全国煎茶道大会 -隠元と煎茶道-」参照)に参加する際に,煎茶道の勉強のためにこの「麩のやき」を購入しました。

 その煎茶道で,私は「三癸亭賣茶流(さんきていばいさりゅう)」の先生にお世話になっているのですが,賣茶(翁)という名を冠しておられることからもわかるように,仙台の和菓子店「賣茶翁」も,「三癸亭賣茶流」も煎茶道の祖である賣茶翁を尊んでおられる点で共通しています。

 ちなみにこの「麩のやき」は,現在のお好み焼の原点でもあります。


「立ちそば処 杜」の「鶏から揚げそば」

 仙台駅2階改札口にある「立ちそば処 杜(もり)」です。

(「立ちそば処 杜」)
Photo_7

 私は以前この店を訪れた際にいただいた「鶏から揚げそば」が強く印象に残っていたので,今回再訪しました。

(鶏から揚げそば)
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 細く透きとおるような麺と,だしのきいたつゆの上に,デーンとこぶし大の鶏から揚げ2枚が乗っかっているボリューム満点のそばです。

 西日本の人間から見れば,鶏のから揚げと言うより,鶏天と言う方が合っているようにも思いますが,そんな細かいことなど考えず,豪快に味わいたいものです。

 「杜(もり)の都」仙台にある「立ちそば処 杜(もり)」。
 そこで出会った抜群の「盛り」が売りの「鶏から揚げそば」。

 いただいた後,元気モリモリで広島に帰ったことは言うまでもありません(笑)。

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