日本各地の食文化

2018年7月14日 (土)

福岡県北九州市「藍昊堂(あおぞらどう)」の「旦過名物レモンチーズまんじゅう」

 北九州市の玄関口,小倉駅から南へ向かって徒歩約15分のところに「旦過市場(たんがいちば)」があります。

 「旦過市場」は鮮魚,青果,惣菜など約120もの店舗が肩を寄せ合っており,「北九州の台所」と呼ばれています。

 そんな食の宝庫「旦過市場」で,ふと気になるお菓子を見つけました。

 旦過市場内の製菓・製パン店「藍昊堂(あおぞらどう)」の「旦過名物レモンチーズまんじゅう」です。

(「旦過名物レモンチーズまんじゅう」販売の様子)
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 商品説明には,「甘く漬けこんだレモンピール入りチーズまんじゅう。国産レモンの砂糖漬けをトッピングし,レモンアイシングでコーティング。夏にピッタリのレモンケーキ風のチーズまんじゅうです。」とあります。

 確かに見た目がレモンケーキのような形とコーティングとなっています。

 興味を持ち,購入してみました。

(「旦過名物レモンチーズまんじゅう」)
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 長さ約7.5cm,幅約5cm,高さ約3cmのレモンケーキの形をしたお菓子です。

 スコーンに似たケーキ生地の上にレモンアイシングがコーティングされており,三角形の国産レモンの砂糖漬けがトッピングされています。

(「旦過名物レモンチーズまんじゅう」中身)
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 中には饅頭のあんの代わりに固形の白いチーズが入れられています。

 実際にいただいてみました。

 サクサクとしたケーキ生地は,甘さ控えめで,厚切りのレモンピールも練り込まれているので,レモン風味のスコーンのようです。

 中の白いチーズはあっさりとしてクセがなく,ケーキ生地と一緒にいただくと,チーズのわずかな塩気がほのかな甘味のケーキ生地を引き立て,見事に調和していました。

 レモン風味のレモンピール入りケーキ生地,レモン風味のアイシング,そしてレモンの砂糖漬けと,様々なレモンの風味・酸味を一度に楽しむことが出来る洋菓子でした。

 それにしても,見た目も味も洋菓子そのものなのに,なぜ「まんじゅう」と呼ばれるのでしょうか。

 これは「藍昊堂」のウェブページにもあるのですが,どうやら宮崎銘菓の「チーズ饅頭」にヒントを得て作られたお菓子であることに理由があるようです。


 小倉にお越しの際は,旦過市場を訪問し,いろんな食べ物を探してみられるのも面白いと思います。


<関連リンク>
 「藍昊堂(あおぞらどう)」(福岡県北九州市小倉北区魚町4-2-23)
 「チーズ饅頭」(宮崎市観光協会)

2018年6月10日 (日)

青森のソウルフード探訪記2 -味噌カレー牛乳ラーメン・味噌カレー牛乳煎餅・味噌バターカレー牛乳どらやき-

 青森県青森市を訪問しました。

 弘前駅から奥羽本線で青森駅へ向かったのですが,青森駅のホームに降り立つと,本州北端のターミナル駅なので,感慨深いものがありました。

 この駅の先にあるのは,かつての青森と函館を船で結んだ青函連絡船の旅客ターミナルです。

 現在は八甲田丸が係留保存され,一般公開されています。

(青森駅に停車する701系電車と青森ベイブリッジ)
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青森のソウルフード「味噌カレー牛乳ラーメン」

 青森駅周辺を歩いていると,お土産店や飲食店で「味噌カレー牛乳ラーメン」という珍しいネーミングのラーメンをよく目にしました。

 このラーメン,知る人ぞ知る青森のソウルフードなのです。

 そこで,この「味噌カレー牛乳ラーメン」が一体どんなラーメンなのか,味わってみることとしました。

 私は牛乳(生乳)が全く飲めないので,少しためらいもあったのですが,食文化に興味を持つ者として,珍しい青森の郷土料理を味わうことなく帰る訳にはいかないと思い,「味噌カレー牛乳ラーメン」で有名なお店を訪問しました。

 お店のメニューには,味噌ラーメン,塩ラーメン,しょうゆラーメン,カレーラーメン,バターラーメンなどシンプルな味のラーメンも用意されていました。

 そうした単体の味がいろいろと組み合わされることでメニューが増やされ,味噌バター,味噌カレー,牛乳(バター入り),味噌カレーバターとだんだんと複雑なメニューとなり,その頂点に「味噌カレー牛乳ラーメン(バター入り)」が君臨しているのです。

 個人的には,札幌ラーメンなら味噌バター,冒険して味噌カレーバターまでがストライクゾーンかなと思ったのですが,青森のソウルフードは「味噌カレー牛乳ラーメン」なので,少し勇気を出して,このラーメンを注文しました。

(味噌カレー牛乳ラーメン(バター入り))
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 これが「味噌カレー牛乳ラーメン(バター入り)」です。

 味噌の褐色,カレーの黄色,牛乳の白色が混ざり,明るめの黄色いスープとなっています。

 具はもやし,メンマ,わかめ,チャーシューで,その上にバターの塊がのせられています。

 スープの表面がテカテカしており,相当こってりしているのではないかという印象を持ちました。

 テーブルには梅干しも用意されていました。

 スープがたっぷり注がれ,麺が見えないので,麺をアップで撮影してみました。

(味噌カレー牛乳ラーメン(麺))
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 黄色く太いちぢれ麺です。

 牛乳と表面の油脂で麺に光沢があります。

 ドキドキしながらラーメンをいただいてみました。

 スープは,味噌ベースのスープに牛乳を加え,カレー粉を加えた感じで,味噌の風味とスパイシーなカレー粉(カレールウではない)のおかげで見た目ほどこってりしておらず,牛乳っぽさも感じない仕上がりとなっていました。

 それぞれの味がうまく協調し合って,独自の美味しさを生み出しています。

 このスープをうまく受け止めているのが,札幌ラーメン系の太くコシのあるちぢれ麺です。

 スープと同じ黄色い麺で,色の一体感もあります。

 味の強さは商品名の順番と同じく,強い順に味噌味,カレー味,牛乳味そしてバター味だと感じました。

 「この味ならいける」と思い,完食しました。

 食べ終えた後になって,メニュー表に「味付けはいかようにも致します。お申し付けください。」と書かれていることに気付きました。

 そこで,レジでの精算時,お店の方に,「例えば牛乳を少なめとか注文できるのですか。」と尋ねたところ,あっさりと「はい,できますよ。」と教えていただきました。

 牛乳は少なめにお願いすればよかった…。

 お店を出ると,お店の入口で味噌カレー牛乳ラーメンを紹介する映像が流れていました。

(「味の札幌 大西」入口)
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 その映像で味噌カレー牛乳ラーメンの作り方が紹介されていたので,興味を持ってひととおり観てみました。

 味噌カレーラーメンの作り方は,
(1)ラーメン丼に自家製味噌ペーストを入れる。
(2)このペーストに牛乳とカレー粉を加える。
(3)このスープベースを豚骨と鶏ガラベースの熱いスープで溶く。
(4)太ちぢれ麺を入れ,もやし,チャーシュー,メンマ,わかめ,そしてバターの塊をのせて完成。
というものでした。

 私にとっては,味噌ペーストに牛乳パックの牛乳をそのまま入れていた場面の映像が衝撃的でした。

 やはり…牛乳は少なめにお願いすればよかった(笑)。


味噌カレー牛乳煎餅

 青森のソウルフード「味噌カレー牛乳ラーメン」にちなんだ味噌カレー牛乳味のお菓子もあります。

 「味噌カレー牛乳煎餅」です。

(味噌カレー牛乳煎餅(包装))
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 「味噌のコクとスパイシーなカレー,牛乳のまろやかさが絶妙なご当地名物味のせんべいです。」と説明されています。

 包装の裏面には,青森味噌カレー牛乳ラーメンについて説明書きがありました。

(味噌カレー牛乳煎餅(包装裏面))
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 味噌カレー牛乳ラーメンには,バターが自動的にトッピングされること(だから名称に「バター」が入ってないのですね。),30年以上の間,青森市民に愛され続けるソウルフードであることなどが説明されています。

 開封し,煎餅を取り出してみました。

(味噌カレー牛乳煎餅)
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 中心が盛り上がった一辺が約4.5cmの正方形で,黒ゴマが加えられた南部せんべい風のせんべいです。

 ただ,市販の南部せんべいと比べて軽い食感で,味は明治「カール カレーあじ」(2017年5月25日販売終了)に似ているように感じました。

 カレー粉と牛乳の味が前面に出ており,ほんのりと味噌味を感じました。

 この煎餅を汁の中に入れると,青森県八戸市の名物「せんべい汁」を進化させた「味噌カレー牛乳せんべい汁」ができそうです(笑)。


味噌バターカレー牛乳どらやき

 「青森市文化観光交流施設 ねぶたの家 ワ・ラッセ」内にある「青森ふるさとショップアイモリー」で面白いお菓子を見つけました。

 (ドラえもんの口調で)「味噌バターカレー牛乳どらやきー」(笑)。

(味噌バターカレー牛乳どらやき(包装))
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 味噌カレー牛乳ラーメン以上に味の想像がつかない食べ物です。

 「2012年ふるさと食品コンクール」で青森県知事賞を受賞した青森県推奨土産品認定商品です。

(味噌バターカレー牛乳どらやき)
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 袋を開けた瞬間,カレーの香りが広がりました。

 どらやきの皮は,小麦粉・卵・砂糖のほか,地元津軽の味噌が加えられており,水の代わりに牛乳でこねて焼き上げられたものです。

 味噌や牛乳が加えられていますが,一般的な甘いどらやきの皮とよく似ています。

 特徴的なのは中のあんです。

 甘い白あんにカレーが混ぜられているため,ベースは甘いのですが,カレーのスパイシーな風味も感じられる不思議な味のカレーあんに仕上がっています。

 そして写真のどらやきをよく御覧いただくと,カレーあんと皮の間に黄色の薄い層があることが御確認いただけるかと思います。

 これはバターの層です。

 バターがたっぷり塗られていることで,味噌,牛乳,カレーあんの味をうまく包み込み,全体がうまく調和した味に仕上がっているのです。

 このどらやきはバターが重要な役割をしているので,商品名も「味噌カレー牛乳」ではなく「味噌バターカレー牛乳」とされているのでしょう。

 味噌カレー牛乳をお菓子にするというアイデアも面白いのですが,「面白い,珍しい」にとどまらず,その味をうまくまとめ,立派な青森のお菓子に仕上げられていることが素晴らしいです。

 もちろん,ドラえもんにもおすすめです。


 味噌カレー牛乳にバターまで加わった青森のソウルフード,いかがでしたでしょうか。

 私はこう思いました。

 「わいは,めぇ!」(これはびっくり,うまい!)


<関連サイト>
 「味の札幌 大西」(青森市古川1-15-6 大西クリエイトビル1F)
 「有限会社マルカワ渋川せんべい」(青森市新田1-9-17)
 「青森ふるさとショップアイモリー」(青森市安方1-1-1)
 「松栄堂」(青森市栄町1-5-4)

<関連記事>
 「青森のソウルフード探訪記1 -万茶ンの太宰ブレンド・りんごジュース自動販売機・イギリストースト-

2018年5月16日 (水)

広島の名物・郷土料理4 -でんがく・ホルモンおでん,田楽とおでんの食文化史-

 広島には「ホルモン天ぷら」のお店が数多くありますが,こうしたお店の中には,天ぷら以外にもホルモンを使った広島ならではの料理が用意されていることがあります。

 その代表的な料理が「でんがく」と「ホルモンおでん」です。

 今回は,この2つの料理を御紹介したいと思います。


でんがく

 店内のメニューには「でんがく(汁)」や「でんがくうどん」と表記されているのですが,実際に出されてみないと名前だけで理解するのは難しい料理だと思います。

 「でんがく」は,地元広島でも御存知の方は少ない料理でしょう。

(でんがく)
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 これがその「でんがく」です。

 ひらがなで表現されたやさしいイメージとのギャップを感じてしまうような見た目です(笑)。

 「でんがく」は,一言で表現すれば,ホルモン汁のことです。

 具は,小腸,チギモ(脾臓),ヤオギモ(肺),センマイ(牛の第三胃袋),ガリ(軟骨)など様々な種類のホルモンと,キャベツや春菊などの野菜で構成されています。

 ホルモンを煮込むことで抽出されるだしを塩味で整えたシンプルな味付けですが,様々な部位のホルモンを入れて煮込むことで,ホルモン本来のうまみや,脂のコクが凝縮された奥深い味の汁に仕上がっています。

 キャベツや春菊といった野菜は,口内をさっぱりとリフレッシュさせる効果もあります。

 ホルモン天ぷらとは違い,見た目そのままのホルモンが入っているので,野趣あふれる料理ですが,やわらかく煮込まれており,いろんなホルモンを確認しながら味わえるというメリットがあります。

 この「でんがく」に,うどんを加えると「でんがくうどん」,そうめんを加えると「でんがくにゅうめん(でんがくそうめん)」と呼ばれる料理になります。

 広島の「でんがく」は,様々なホルモンを一度に,そのうまみを余すことなく味わえる汁だと定義することができるでしょう。


ホルモンおでん(牛スジ・ヤオギモ)

 「でんがく」はホルモンの煮込み汁ですので,「おでん」に近い料理だと言えます。

 ところが,「でんがく」を提供している広島のホルモン天ぷら店には大抵,牛すじやホルモンを出汁にした黒い汁が特徴の「ホルモンおでん」も提供されているのです。

 こちらがその「ホルモンおでん」です。

(ホルモンおでん)
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 上の串が牛スジ,下の大きな塊の肉が牛の肺です。

 スジ肉は,市販のおでんの具としてもよくみかけますね。

 ただ,今回のスジは,ホルモンを扱う店のスジだけに,一回り大きく,肉付きも多いように思いました。

 一方,牛の肺(フワ)は,広島では「ヤオギモ」と呼ばれます。

 かなり大きく重い塊なので,箸でつまみ上げるのは難しく,お店の方に大きな金網で掬い上げてもらいました。

 広島以外の方には馴染みが薄い肉かも知れませんが,広島にはこの「ヤオギモ」を醤油,砂糖,生姜などで甘辛く煮た「牛やおぎも煮」という料理があり,専門店のみならず広島市内のスーパーの惣菜コーナーなどでもよく販売されています。

 ですので,「ヤオギモ」のおでんは,地元広島の方であれば,そんなに抵抗ないという方も多いでしょう。

 この黒い汁が特徴の広島の「おでん」と,すまし汁に近い広島の「でんがく」は,同じ煮込み料理でありながら対照的な料理となっています。


「田楽」と「おでん」の食文化史

 今回御紹介した広島の「でんがく」は,豆腐やこんにゃくなどに味噌を塗って焼いた「田楽(でんがく)」と関係があるのでしょうか。

 このことを考える前提として,「田楽」と「おでん」の食文化史にも少し触れておきたいと思います。

 「田楽」という名称は,平安時代に田楽法師が竹馬に乗り,田植えの豊作を祈願して舞い踊る姿が,豆腐に長い串を刺し味噌をつけて焼く料理に似ていたことに由来しています。

(豆腐の味噌田楽(愛知県岡崎市))
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 この「田楽」が,のちに接頭語の「お」を付けた「おでんがく」となり,略されて「おでん」と呼ばれるようになりました。

 「田楽」に用いる食材も,豆腐のほかにこんにゃくも使われるようになり,醤油も登場することによって,焼く料理から煮込む料理へと組み替えがなされるようになりました。

(こんにゃくの味噌田楽(愛知県岡崎市))
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 そして,具材も鳥獣肉や魚肉練り製品にまで広がり,「おでん」という料理に変化して現在に至っています。

 つまり「おでん」は元々の「田楽」という料理からは別物の,独立した料理へと進化したわけです。


広島の「でんがく」の意味を考える

 こうした「田楽」と「おでん」の食文化史を踏まえた上で,改めて広島の「でんがく」という名称の由来について考察してみたいと思います。

 広島の「でんがく」はホルモンを煮込んで作られる「おでん」とよく似た料理です。

 しかしながら,広島ではホルモンは「おでん」を作る際の出汁や具材としても使われていますので,ホルモン煮込み汁のことまで含めて「おでん」と呼ぶと,それぞれの料理の区別が付かなくなってしまいます。

 そこで,「おでん」とは別の料理という意味で,おでんのルーツとなった名称である「でんがく」という呼び名が用いられるようになったのではないでしょうか。

 このお話は私の推論に過ぎませんが,広島の「でんがく」という料理の名称は,何らかの形で「おでん」や「田楽」と関係性があるのではないかと考えます。


<関連記事>
 「広島の名物・郷土料理1 -ホルモン天ぷら,ホルモン天ぷらの種類と特徴-
 「広島の名物・郷土料理2 -ホルモン天ぷら(ビチ・チギモ),スマートな注文方法-

2018年5月12日 (土)

青森のソウルフード探訪記1 -万茶ンの太宰ブレンド・りんごジュース自動販売機・イギリストースト-

太宰治も通った喫茶店「万茶ン」

 青森県弘前市を訪問しました。

(弘前駅に停車する701系電車)
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 弘前駅の発車メロディーは,津軽三味線による「津軽じょんがら節」です。

 弘前では,「奇跡のりんご」のスイーツが味わえる「パティスリー山崎」や,バナナ最中の「旭松堂」,「弘前市立観光館(想い出ショップさくらはうす)」,弘前城などを巡りました。

 見どころ満載の弘前市内において,太宰治ファンなら押さえておきたい店があります。

 喫茶店「万茶ン(まんちゃん)」です。

(喫茶店「万茶ン」)
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 創業が昭和4年と東北最古の喫茶店で,文豪 太宰治をはじめ,洋画家の阿部合成や作家の石坂洋次郎なども通い,この店で珈琲を楽しんだようです。

 店内は静かで落ち着いた雰囲気で,旅の疲れを癒してくれました。

 私は昭和の珈琲「太宰ブレンド」を注文しました。

 店内を見回してみると,私が座った席の真後ろに太宰治の本が集められていました。

(太宰治の本)
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 「人間失格」,「走れメロス」,「斜陽」,「お伽草子」,「女生徒」…中高生時代にいろんな作品を読んだなと懐かしく思いました。

 カウンターではマスターがサイフォンでコーヒーを丁寧に淹れておられました。

 コーヒーが出来上がり,テーブルに運ばれてきました。

(「万茶ン」の「太宰ブレンド」)
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 コーヒーがカップに注がれた後,置いていかれたサイフォンの中にもう一杯分のコーヒーがあったので,コーヒーを2杯分ゆっくりと楽しむ事ができました。

 深みがあり,後味がすっきりした味わいのコーヒーでした。

 私の旅はいつも駆け足の「走れメロス」状態なのですが,できればこの喫茶店でしばらくゆっくりしたいなと思うほど,落ち着いて雰囲気の良いお店でした。


青森駅・りんごジュースの自動販売機

 続いて青森市を訪問しました。

 青森駅で降り,ねぶたの展示・体験施設「ねぶたの家 ワ・ラッセ」やりんごを中心に青森のグルメを集めたショップ「AーFACTORY」,「青函連絡船メモリアルシップ八甲田丸」などを散策しました。

(青森駅周辺施設)
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 3月中旬だったので,まだ雪が積もっていますが,写真の橋が「青森ベイブリッジ」,橋のふもと,写真左側が「AーFACTORY」,写真右側手前が「ねぶたの家 ワ・ラッセ」,さらに写真中央奥には青函連絡船として活躍した八甲田丸も見えます。

 青森駅構内を歩いていると,青森らしい自動販売機がありました。

(青森駅・りんごジュースの自動販売機)
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 青森のりんご(ふじ・トキ・つがる・きおう)100%のジュースだけがずらりと販売されています。

 りんごジュースの飲み比べができるなんて,青森らしくていいアイデアですね。


工藤パンの「イギリストースト」

 青森駅から青森市街を散策していると,コンビニエンスストアで面白い商品案内を見つけました。

(イギリストースト商品案内)
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 「青森県のソウルフード イギリストーストありま~す♪」

 青森県のソウルフード?青森とイギリス?

 興味を持って店内に入り,イギリストーストなるものを購入してみました。

 宿泊先のホテルで開封し,いただきました。

(イギリストースト(包装))
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 イギリスの旗,ユニオンジャックがデザインされた「イギリストースト」。

 地元青森の工藤パンの商品です。

 なるほど,山形の食パンをイギリスパンと呼ぶことから,イギリスなんですね。(工藤パンでは山形の食パンを「イギリスブレッド」として販売されています。)

 でもトーストされて(焼かれて)ないのに,トーストとは面白いネーミングです。

(イギリストースト(中身))
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 イギリスパンが二枚合わせになっており,中にマーガリンとグラニュー糖のフィリングがはさまれています。

 グラニュー糖がたっぷりで,ジャリジャリした食感が楽しめます。

 マーガリンとグラニュー糖のコンビ。

 そう言えば,二枚合わせではありませんが,食パンの上にマーガリンとグラニュー糖が塗られた「シュガーマーガリン」という昔ながらの菓子パンがあります。

 「イギリストースト」は,この「シュガーマーガリン」を二枚合わせにした菓子パンのことです。

※「シュガーマーガリン」,私の住む広島だけではないですよね…。広島では,シュガーマーガリンにさらにイチゴジャムまで塗られたパンも見かけるのですが,全国区かと言われれば少し自信がありません。

 訪問したお店では,ほかにもグラニュー糖が多い「ジャリ増し」や,ラスクも売られていました。

(「イギリストースト ラスク」)
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 ラスクの方がトーストっぽい気もします。

 ラスクなら,ジャリ感とともにバリバリ感も味わえます。

 イギリストーストに関するウェブサイトを見てみると,地元青森ではオリジナル商品のほかにも,チョコレートやコーヒークリーム,小倉あん,ジャムなどいろんな種類のイギリストーストが販売されているようです。

 中には,フレンチトーストやフレンチトースト・ピザ風まで販売されたこともあるようで,こうなると,イギリスなのかフランスなのかイタリアなのか,一体どこの国のパンなのかわからなくなってしまいます(笑)。

 ちなみに,以前当ブログで,青森や秋田ではバナナが好まれ,バナナ最中という郷土菓子まであることを御紹介しましたが,「工藤パン」でも,「スペシャルバナナ」や「バナナオムレット」などバナナのパンも販売されているようです。


 青森には魅力的な食べ物や飲み物がたくさんありますので,食をテーマにした旅行もおすすめです。


<関連サイト>
 「万茶ン」(青森県弘前市土手町36-6)
 「青森りんごシリーズ」(「acure(アキュア)」JR東日本ウォータービジネス)
 「工藤パン」(イギリストースト)

<関連記事>
 「青森・秋田の郷土菓子 バナナ最中 -青森・秋田でバナナ最中が好まれる理由-
 「青森のソウルフード探訪記2 -味噌カレー牛乳ラーメン・味噌カレー牛乳煎餅・味噌バターカレー牛乳どらやき-

2018年4月15日 (日)

青森・秋田の郷土菓子 バナナ最中 -青森・秋田でバナナ最中が好まれる理由-

青森・秋田にあるバナナのお菓子

 青森県や秋田県北部には「バナナ最中」と呼ばれる郷土菓子があります。

 バナナ風味の白あんを最中の皮で包んだお菓子です。

 北東北に位置する青森や秋田で,南国の果物であるバナナのお菓子が人々に好まれ,長年愛されているのはなぜか,秋田と青森のバナナ最中を御紹介しながら,その謎を解明したいと思います。


煉屋菓子舗の「煉屋バナナ」・「煉屋ミニバナナ」

 秋田市の「あきた県産品プラザ」で,「煉屋菓子舗(ねりやかしほ)」の「煉屋バナナ」と「煉屋ミニバナナ」を購入しました。

(「煉屋バナナ」・「煉屋ミニバナナ」(包装))
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 写真の上側がレギュラーサイズの「煉屋バナナ」,下側がミニサイズの「煉屋ミニバナナ」です。

 レギュラーサイズは,バナナの実物大を意識してか,かなり大きいです。

(煉屋菓子舗「煉屋バナナ」・「煉屋ミニバナナ」)
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 最中の皮に「煉屋バナナ」と刻印されています。

 そしてバナナ風味のあんが包まれています。

 あんは白あんをバナナ風味にし,バナナをイメージする黄色に仕上げられています。

 あんのバナナ風味がとても強く,ねっとりとして,口に含むととろけるような食感もあるので,生のバナナそのものをいただいているような感覚になりました。

 やわらかくふんわりした仕上がりの最中と,バナナそっくりの香り・食感がするバナナあんが見事に調和した一品です。


旭松堂の「バナナ最中」

 青森のバナナ最中を求めて,青森県弘前市の「旭松堂(きょくしょうどう)」を訪問しました。

(旭松堂店舗)
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 老舗の和菓子店という感じですが,「エンゼルケーキ」と呼ばれる白いバタークリームケーキなど,洋菓子も販売されています。

(旭松堂「バナナ最中」(包装・しおり))
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 旭松堂のバナナ最中です。

 大きさは上品な小ぶりのサイズで,秋田の「煉屋ミニバナナ」に近いです。

 箱に入っていたしおり(写真上側)には,「夢菓子」と「む」という文字が書かれています。

 「ゆめがし」ではなく「むがし」と読むのか,と思いましたが,このしおりを眺めていて,ふと気付きました。

 しおりの上から順に「夢菓子(むかし) なつかし バナナ最中」と読めばよいのですね!

 しおりの裏には,「バナナ最中 古都弘前.....昭和のはじめ,バナナという果物を食べた人は少なく 初代,万次郎が上京の際 高価で芳香な果物を食し後に,菓子で模したのがはじまりです....。」
と説明書きがありました。

(旭松堂「バナナ最中」)
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 最中の皮には「バナナ」と刻印されています。

 中のあんは,白く上品なバナナ風味の白あんです。

 あんのバナナ風味が強く,とてもきめ細やかな仕上がりで,しっとりととろけるような食感もあります。

 香ばしくしっかり焼き上げられた最中の皮と一緒に食べることにより,バナナあんのとろけるような食感が強調され,生のバナナそのものを包んだ最中をいただいているような感覚になりました。


バナナ最中の一番の特徴とは

 当初,私がバナナ最中に抱いていたイメージは,「バナナカステラの中に入っているバナナ風味の白あん(バナナあん)を最中の皮で包んだお菓子」というものでした。

 バナナ最中を実際にいただいてみて,そのイメージに近いとは思いましたが,予想外の驚きもありました。

 バナナあんの食感です。

 バナナ最中のあんは,バナナ風味が強いだけでなく,とてもきめ細やかでねっとりとしているので,生のバナナをいただいているような風味や食感が楽しめるのです。

 これがバナナ最中の一番の特徴だと思います。


日本独自のパン・洋菓子の特徴とバナナ最中

 このように,バナナ最中は本物のバナナと風味や食感がそっくりに作られているのが特徴です。

 南国の果物であるバナナが高価で入手困難だった昭和初期,青森や秋田でもバナナの風味・食感に似た手頃なお菓子をと津軽の菓子職人により考案されたのがバナナ最中なのです。
(もっとも,現代ではバナナ最中1本より本物のバナナ1本の方が安いのですが…。)

 私はこうしてバナナ最中についてまとめているうちに,ふとレモンケーキのことが頭に浮かびました。

 私はレモンケーキについてまとめた際,昔から幅広い層に支持を得ている日本独自のパン・洋菓子には,

(1)果物とパンまたは焼菓子という組み合わせが多い。
(2)饅頭にヒントを得たあんパンなど,どこか和菓子の要素も取り入れている。
(3)昔はまだ珍しかった果物を加えたり,香り付けとして用いたりすることで,西洋の趣を持たせている。

という特徴が見出せ,そうした考えから生まれた菓子の1つがレモンケーキではないかとまとめました。

 この特徴は,青森や秋田で昔から支持されているバナナ最中にもそのまま当てはめることができます。

 バナナ最中の場合は,(1)果物(バナナ)と焼菓子(最中の皮)の組み合わせで,(2)最中という和菓子の要素を取り入れ,(3)昔はまだ珍しかった果物(バナナ)を白あんの香り付けとして用いている,と説明できるからです。

 ちなみにこの発想は,バナナカステラ,メロンパン,パインパンなどにも当てはまると思います。

 最近のお菓子では,東京土産の1つとなっている「東京ばな奈」もこうした特徴をうまくとらえたお菓子だと言えるでしょう。

 それに青森や秋田と同様,東京だってバナナの産地ではありませんよね(笑)。


青森・秋田でバナナ最中が好まれる理由

 このように考えると,場所は違えど,バナナ最中はレモンケーキと同じ発想から考案されたお菓子で,だからこそ今も昔も幅広い層から好まれているのだと説明できます。

 青森・秋田のバナナ最中は,遠い南国の果物であるバナナへの強い憧れが原動力となり,当時身近な和菓子であった最中にヒントを得て,白あんの香り付けや食感を本物のバナナそっくりに仕上げることで,多くの人に支持を得て,今も愛され続けている郷土菓子なのです。


<関連サイト>
 「煉屋菓子舗」(秋田県大館市泉町4-3)
 「旭松堂」(青森県弘前市本町102)

<関連記事>
 「広島のレモン菓子・レモンケーキ1 -和菓子から生まれた日本独自の洋菓子-

2018年4月 2日 (月)

秋田の食文化探訪 -がっこ・なた漬け・きりたんぽ鍋・くじらかやき-

 岩手県盛岡市から秋田新幹線こまちを利用して秋田県秋田市を訪問しました。

(秋田駅に停車する秋田新幹線こまち)
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 秋田駅に停車する秋田新幹線こまちです。

 写真右奥には,秋田支社色のピンク色のラインが入った奥羽本線701系電車も見えます。

 新幹線と在来線が同じ駅のホームを利用する様子は,とても興味深いものがあります。

(JR東日本「行くぜ,東北。」キャンペーンのぼり旗)
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 秋田駅構内に設置されていたJR東日本「行くぜ,東北。」キャンペーンののぼり旗が私を迎えてくれました。

 広島から「来たぜ,東北。」

 秋田駅から秋田市の繁華街「川反(かわばた)通り」沿いにある郷土料理店へ行き,秋田の郷土料理を堪能することとしました。


がっこ

(がっこ盛合せ)
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 「がっこ」(漬物)の盛合せです。

 写真左上から時計回りに,ピンク色の「あねっこ漬け」,「いぶりがっこ」,器に盛られた「やたら漬け」,皿の右下へ回って「人参漬け」,「さっと干し大根(柿漬け)」,「いぶりがっこチーズのせ」で,計6種類のがっこ盛合せです。

 「あねっこ漬け」は,きゅうりや大根などの漬物を刻み,梅酢で色をつけたもち米と混ぜ合わせた漬物で,その見た目や食感が初々しい娘さんを想像させることから名付けられた漬物です。

 「いぶりがっこ」は,大根をいったん燻(いぶ)し,その燻した野菜を米ぬかで漬けこんだ漬物です。

 秋田では漬物のことを「がっこ」と呼びますが,この言い方は「香の物(=漬物)」を意味する「こうこ」や,「雅香」に由来するようです(その他諸説あります)。

 大根を薫製にする理由ついては,生のままだと大根が辛いためとか,漬物にする大根が寒さで凍ってしまうのを防ぐためとか,囲炉裏の上でいったん薫製にすると美味しかったためといったことがあるようです。

 「やたら漬け」は,ありあわせの野菜を「やたら」めったら塩漬けし,味噌や醤油で調味した漬物です。

 私は山形市を訪問した時にいただいた「丸八やたら漬」のやたら漬けを思い出しました。
 いぶりがっこと同様,生活の知恵から生み出した漬物と言えるでしょう。

 「人参漬け」は,人参版のいぶりがっこです。

 「さっと干し大根(柿漬け)」は,さっと軽く干した大根に柿を加えて漬けたもので,柿の上品な風味がする漬物です。

 「いぶりがっこチーズのせ」は,いぶりがっこにチーズをのせたもので,薫製とチーズの相性の良さを生かした漬物です。


なた漬け

 秋田の漬物「なた(鉈)漬け」です。

(なた漬け)
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 大根を「なた」(包丁)で切って麹(甘酒)に漬けた漬物です。

 米麹のほんのりとした甘味が感じられる漬物で,べったら漬けとよく似ています。

 私はこの「なた漬け」を味わって,石川の「かぶら寿司」を思い出しました。

 「かぶら寿司」は大根ではなく蕪(かぶ)をブリや人参とともに麹で漬けた料理ですが,麹とともに漬け込み,麹と一緒に食べるという意味で共通していると思いました。

 漬物(がっこ)だけでもたくさんの種類があり,食べ応え十分でした。


きりたんぽ鍋

 秋田を代表する郷土料理と言えば「きりたんぽ鍋」が挙げられるでしょう。

 きりたんぽ鍋を注文すると,1人だったこともあり,お椀で提供していただきました。

(きりたんぽ鍋(きりたんぽとせり))
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 「きりたんぽ」の語源は,粗くつぶしたご飯を棒に巻き付けて焼いた「たんぽ」を切って鍋に入れたことに由来します。

 今回のきりたんぽ鍋は,このきりたんぽのほかに,比内地鶏,舞茸,白ねぎ,糸こんにゃく,せりなどが入った醤油仕立ての鍋に仕上げられていました。

 お椀の中の緑色の野菜が「せり」で,お椀の右下部分に見えるもやしのような食材が,せりの根です。

 せりの根まで食べられているのかととても興味を持ちました。

 せりの根をいただいてみると,シャキシャキした食感で,醤油仕立てのだし汁とよく合いました。

 きりたんぽも,ご飯を焼いた香ばしさと鍋のだし汁をたっぷり吸ったもちもち感がありました。

 全て食べ終え,お腹が一杯になったところへ,2椀目のきりたんぽ鍋が提供されました。

(きりたんぽ鍋(きりたんぽと比内地鶏))
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 一瞬「えっ?」と思い,お店の方に伺うと,1つの椀にきりたんぽを2つ入れており,2椀でたんぽ1本分(きりたんぽ4つ分)になるからだそうです。

 具材は1椀目と一緒です。手前に比内地鶏の肉やもつ(内臓)も見えます。もつも一緒に煮込まれているので,良いだしが出ていました。


くじらかやき

 ここまででかなりお腹一杯になったのですが,最後にどうしても味わってみたかった秋田の郷土料理を注文しました。

 「くじらかやき」という料理です。

 こちらの店に来る途中,川反通りの料理店を眺めながらを歩いていると,「くじらかやき」と記載されたお品書きがやたらと目に付きました。

 鯨料理なのだろうとは想像はできますが,なぜ秋田で鯨が食べられているのか,鯨と言えば山口の下関や仙崎,和歌山の太地など限られた地域しか頭に浮かばない私には不思議でした。

 そこでこの「くじらかやき」を味わってみることとしました。

(くじらかやき)
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 「くじらかやき」は,ナスと塩クジラを煮込んだ味噌仕立ての料理です。

 具を取り皿に盛ってみました。

(くじらかやき(具材))
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 ナスも塩クジラも拍子木切り(細長い棒切り)に揃えられています。

 塩クジラは皮と皮下脂肪の部位が使われています。

 ナスと塩クジラのみ,味付けは味噌というシンプルな料理です。

 鯨は皮下脂肪の塊なので,味噌の汁にあぶらがかなり溶け出しています。

 ナスは塩クジラ(脂肪)との相性が良く,交互に美味しくいただきました。

 この「くじらかやき」と呼ばれる郷土料理について,店主さんから詳しくお話を伺うことができました。

 お話によると「くじらかやき」は,

(1)かつて秋田県男鹿市では鯨がたくさん捕獲できたため,捕鯨業が栄えた。

(2)鯨の売り上げで地元はうるおい,後に「くじら学校」と呼ばれる校舎まで新築された。(現在の秋田県男鹿市立船川第一小学校)

(3)捕鯨は出稼ぎの一つとなり,捕鯨に携わった人々を通じて,鯨の食文化も広がっていった。

(4)そうした鯨料理の1つが「くじらかやき」。

(5)「くじらかやき」は,「鯨貝焼き」が語源で,もともとは貝(ホタテ貝など)を鍋代わりにし,鯨とナスを煮込んで作られた。

(6)ナスを入れることからもわかるように,これは夏の料理。夏の重労働を克服するため,鯨の脂肪や塩分を摂取してスタミナをつける意味もあった。

(7)ナスの代わりに「ミズ」と呼ばれる山菜が入れられることもある。

 とのことでした。

 男鹿半島にも立派な鯨の食文化があったのですね。

 ちなみに,秋田には「くじらかやき」と似た「なんこかやき(なんこ鍋)」と呼ばれる料理もあります。

 「なんこ」とは「馬肉」のことで,干支で南(南向(なんこう))は「午(馬)」があてられることに由来しています。

 つまり「なんこかやき(なんこ鍋)」とは,馬脂を溶かして馬肉を炒め,野菜とともに味噌で煮た鍋のことなのですが,その発想や調理法は「くじらかやき」とよく似ていることは注目に値します。

 秋田の食文化は奥が深く,興味が尽きません。


 今回訪問した秋田の郷土料理店「お多福」では,店主さんや板前さんから,この「くじらかやき」のお話をはじめとして,秋田の食文化や伝統文化について多くのことを教えていただきました。

 カウンターでお店の方と楽しくお話ししながらいただいた秋田の郷土料理。

 秋田の人のあたたかさに触れることができ,思い出深い食事となりました。


<関連サイト>
 「お多福」(秋田市大町4丁目2番25号)
 「丸八やたら漬」(山形市の漬物・郷土料理店)
 「なた漬け」(お宝!日本の「郷土」食)「農林水産省広報誌「aff(あふ)」2011年4月号」」

<関連記事>
 「山形の食文化の特徴2 -芋煮,納豆汁,ひょう干し煮,あさつきの酢味噌和え,そば-」(「丸八やたら漬」の食事処「香味庵まるはち」でいただいた郷土料理を紹介しています)
 「鯨の食文化2 -下関の鯨料理-」(鯨料理(各部位)を紹介しています)

2018年3月24日 (土)

岩手の食文化探訪2 -福田パンのコッペパン-

岩手・盛岡のソウルフード 福田パンのコッペパン

 今回は岩手・盛岡のソウルフード,福田パンのコッペパンを御紹介します。

 盛岡駅前でレンタサイクルをお借りし,盛岡市長田町にある福田パン本店を訪問しました。

 私は15時前にお店に着きましたが,コッペパンを求めるお客さんが店内で列をなしており,駐車場も頻繁に車が出入りしていました。

(福田パン本店)
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 店内の右側で好みのコッペパンを注文し,お店の方にそのコッペパンを作っていただきながら左側に移動し,レジで精算という方式です。

 お店の右端は椅子とテーブルが用意され,イートインスペースとなっています。


50種類以上のメニュー

 列で待っている間,おしながきを見て何を注文するか決めようと思いましたが,その種類の多さに驚きました。

(おしながき)
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 ざっと50種類以上,これに加えてデミグラスハンバーグやエビカツサンドなど店舗限定メニューまで用意されているのです。

 初心者にとっては,適当に行列がないと,考えて選ぶ暇がありません(笑)。

 メニューは「甘い系」と「調理系」に分けられ,「甘い系」は,あん,バター,ジャム,ピーナッツなど,「調理系」は,たまご,ポテトサラダ,カレー,焼きそば,メンチカツなどが用意されています。

 「ピーナツ」と「ザ★ピーナツ2」の違いや,「れんこんしめじキャベツ」など,何度か通わないとわからないようなメニューもありました。

 私は戸惑いながらも,東北らしく「ずんだあん」や「すりおろしりんご」にしようと心に決めて注文の順番を待っていました。


「ミックス」か「半々」か

 
順番が近づくにつれ,列の前の人が注文する内容が聞こえてくるようになりました。

 単品で注文される方もいますが,「つぶあんとクリームを半々で!」と言った具合に複雑な注文をされている方も多くいらっしゃいました。

 この様子を見て,私は香川の讃岐うどんの注文を思い出しました。

 麺を熱くするか冷たくするか,つゆを熱くするか冷たくするかで,「あつあつ」,「あつひや」,「ひやあつ」,「ひやひや」と細かく注文できる店があるのです。
 これに似ていると思いました。

 こうしたある程度通い慣れた人でないと流暢に注文できない店は,初心者は少し「ひやひや」しますが,それをクリアすると自分もすっかり常連に仲間入りした気分になって,人に語りたくなるのも確かです。

 私もあんな風にかっこよく注文したいと思いながら店内を見回してみると,「ミックス」と「半々」の違いについて説明書きがありました。

(「ミックス」と「半々」説明書き)
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 「ミックス」はパンの縦方向(上半分と下半分)に別々のペーストを塗り,それを重ね合せて2種類のペーストをミックスした状態にする注文方法,「半々」はパンを横向きにし,中心から右側と左側で別々のペーストを塗って2種類のペーストが混ざらない状態にする注文方法となっています。

 味が混ざる「ミックス」の方が定番の塗り方なのかと思いつつ,注文内容を考えました。

 注文する順番が回ってきたので,私は「渋川マロンとあんのミックスと,ずんだあんとすりおろしりんごの半々を1個ずつください。」と注文しました。

 「ミックス」と「半々」の違いを理解したかったからです。

 注文を受けたお店の方は,大きなコッペパンを片手に,アイスクリームケースのようなたくさんの種類のペースト・具材が揃えられたケースの中から,手際よく注文を受けたペーストを塗り,具材を詰めておられました。


コッペパン実食

 購入したコッペパンを併設されているイートインコーナーでいただくこととしました。

 今回私が注文したコッペパンです。

(「渋川マロン」と「あん」,「ずんだあん」と「すりおろしりんご」)
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 写真左が「渋川マロン」と「あん」の「ミックス」,右が「ずんだあん」と「すりおろしりんご」の「半々」です。

 長さ約17cm,幅約9cm,高さ約6cmと大きいサイズのコッペパンです。

 袋にシールが貼ってありますが,斜め平行に貼るか,両端に水平に貼るかによって,中身が「ミックス」なのか「半々」なのかが判別できるようにされているのでしょう。


「渋川マロン」と「あん」ミックス

 「渋川マロン」と「あん」のミックスを開けてみました。

(「渋川マロン」と「あん」中身)
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 なるほど,コッペパンを一度はさんだことですでにミックスされていますが,パンの左半分に「渋川マロン」が,右半分に「あん」が塗られて一緒になっていることがわかります。

 次に断面の様子を確認してみます。

(「渋川マロン」と「あん」断面)
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 「渋川マロン」と「あん」が見事に二層になっています。

 私の大好物の組み合わせで,これはミックスにすると合うだろうと思い,注文したのですが,予想どおりぴったり合う味でした。

 モンブランやあんこがお好きな方におすすめの組み合わせです。


「ずんだあん」と「すりおろしりんご」半々

 続いて,「ずんだあん」と「すりおろしりんご」の半々をみてみましょう。

(「ずんだあん」と「すりおろしりんご」中身)
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 これはわかりやすいですね。

 コッペパンの上半分に「ずんだあん」,下半分に「すりおろしりんご」が塗られています。

 断面の様子です。

(「ずんだあん」と「すりおろしりんご」断面)
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 「ずんだあん」の味が楽しめ,食べ進めると残りの半分は「すりおろしりんご」の味が楽しめるようになっています。

 「ずんだあん」は,ずんだもちに使われるあんで,さわやかなずんだの風味と粒々の食感を楽しめました。

 「すりおろしりんご」は,すりおろしたりんごをコトコト煮詰めたりんごジャムで,甘さ控えめなので,りんご本来の味を味わうことができました。

 ずんだとりんごの組み合わせ,これは味が混ざらない半々の方が良いと思いました。

 私が考えた「東北スペシャルパン」です。


福田パンが人気の理由

 ここまで主に中身のお話をしましたが,実は私が一番感動したのはコッペパンそのものの味です。

 コッペパンと言えば,つい中の具に注目しがちですが,福田パンはコッペパンそのものも美味しいのです。

 外の皮はパリッと,中身のクラムはしっとりやわらかで,主張し過ぎない程度に程よく塩味が効いているので,「甘い系」と「調理系」どちらにもよく合います。

 小型のフランスパン「クッペ」に近いと思います。

 そのパリッとした皮を楽しむためにも,作り立てをすぐいただくのが一番だと思います。

 コッペパンが美味しく,豊富なメニューから選んで組み合わせる楽しみがあり,その手作りの具1つ1つも美味しく,大きなコッペパンにたっぷりと具を詰めてもらえる贅沢感があり,この内容で1個139円から359円(2017年3月現在)というお手頃価格となれば,人気があって当然だと思います。

 福田パンをあとにし,レンタサイクルをお返しした際,駐輪場の職員の方に福田パンなどを訪問したことを御報告すると,「(福田パン)本店へ行かれましたか。良いプランでしたね。あのコッペパンは1個で十分昼食になりますよ。」とおっしゃいました。

 確かに…私も2個全部は食べられませんでした(笑)。

 岩手の福田パン,お腹を空かせてお出かけください。


<関連リンク>
 「福田パン」(岩手県盛岡市長田町12-11ほか)

<関連記事>
 「パンの研究1 -コッペパンの基礎知識と給食のコッペパン-

2018年3月21日 (水)

岩手の食文化探訪1 -沢菊「ぶすのこぶ」・食道園「平壌冷麺(盛岡冷麺)」-

 岩手県盛岡市を訪問しました。

 広島の自宅を出発し,広島空港からIBEXエアラインズの飛行機で仙台空港へ,仙台空港から電車(仙台空港アクセス線)で仙台駅へ,仙台駅から東北新幹線はやぶさを利用して盛岡駅へ到着しました。

(盛岡駅)
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 盛岡駅から徒歩で開運橋近くの「盛岡駅前自転車駐車場」へ行き,こちらでレンタサイクルをお借りして盛岡市内を移動することとしました。

(開運橋から眺めた北上川と岩手山)
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 盛岡駅前の開運橋から北上川と岩手山を眺めた様子です。

 「盛岡駅前自転車駐車場」の職員の方から伺った話では,なんと,この盛岡市の中心部まで鮭が遡上してくるのだそうです。

 北上川はとてもきれいな川なのですね。

 慣れない雪道に悪戦苦闘しながら,自転車で盛岡市内をめぐりました。


沢菊「ぶすのこぶ」

 盛岡市菜園にある特産品プラザ「らら・いわて盛岡店」で面白い名前のお菓子を見つけました。

 岩手県久慈市の銘菓「ぶすのこぶ」です。

(「ぶすのこぶ」包装)
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 写真手前右側がオリジナル,奥左側の黒い包装が「ごまあずき」の「ぶすのこぶ」です。

 製造されている沢菊のウェブページによると,「ぶす」は久慈渓流に住んでいたアイヌ一族の名前,「こぶ」はカニさん達が好んで集まったくぼ地の名称なのだそうです。

(「ぶすのこぶ」)
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 皮がゴツゴツした感じに仕上げられた饅頭です。

 写真右側がオリジナル,左側がごまあずきです。

 皮は砂糖,小麦粉,卵,マーガリン,バターが用いられ,洋風に仕上げられています。

 中のあんは,オリジナルは粒あん,ごまあずきは黒ゴマペースト入りのこしあんとなっています。

 味は,オリジナルが洋風粒あん饅頭,ごまあずきが月餅のような感じでした。

 「ブス」や「こぶ」がそのままの意味で用いられている訳ではありませんが,その姿かたちや,同社から「桃べっぴん」という商品名のお菓子も製造・販売されていることを考えると,意識されているような,されてないような…(笑)。

 その微妙さがこの商品の面白さ,魅力なのだと思います。

 「沢菊」(岩手県久慈市)


食道園「平壌冷麺(盛岡冷麺)」

 続いて,盛岡市大通にある焼肉店「食道園」を訪問しました。

 1954(昭和29)年創業の盛岡冷麺発祥のお店です。

(食道園 店舗)
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 食道園の外観です。

 「元祖 平壌冷麺」と年季の入った木製看板とのれんに,期待が膨らみます。

 自転車は私が乗ったレンタサイクルです。

 冷麺の辛さを特辛,辛,普通,別辛から選ぶことができます。

 私は普通で注文しました。

(「平壌冷麺(盛岡冷麺)」)
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 こちらが「平壌冷麺(盛岡冷麺)」です。

 麺は黄色がかった半透明の麺で,しこしこ,むっちりととても弾力があります。

 朝鮮半島の冷麺の麺はそば粉が使われることが多いのですが,盛岡の麺はじゃがいものでんぷんと小麦粉で作られることが多いようです。

 スープは牛骨・牛肉ベースです。カクテキ(大根キムチ)がのせられているので,赤いスープになっています。

 カクテキ,牛肉,茹で玉子,キュウリ,白ねぎ,そして白ゴマがのせられています。

 韓国の料理漫画「食客」で,カクテキなどのキムチは同じ朝鮮半島でも大陸に近づくほど切り方が大きく豪快になることや,汁気の多い水キムチ(ムルキムチ,大根の水キムチの場合は「トンチミ」と呼ばれる)がスープとして使われることが紹介されているのですが,平壌冷麺をお手本にした盛岡冷麺にもその特徴が表れているのではないかと思います。

 具の肉は,牛のもも肉を甘辛く煮込んだものです。

 とても強い弾力のある麺,すっきりとした牛骨・牛肉ベースのスープ,さわやかな酸味と辛さのあるカクテキ,甘辛くやわらかい牛肉など,様々な味や食感を一度に味わうことが出来ます。

 ちなみに,こちら食道園は焼肉もおすすめです。

 焼肉の食べ方が独特で,焼いた肉をすき焼きのように溶いた生卵にくぐらせていただくのです。

 私はこの焼肉の話を,この後に訪問した秋田の郷土料理店の店主から教わりました。

 私がその店主に,「盛岡で食道園の冷麺をいただきましてね。」とお伝えすると,店主から,「盛岡の食道園なら焼肉を食べなきゃ。あれこそ珍しい食べ方をするのに。」とお話しがありました。

 すき焼きのように溶いた生卵にくぐらせていただく食道園の焼肉。

 次回訪問時はぜひこの焼肉も味わってみたいです。

2018年1月 4日 (木)

長野県東御市の風土とフード -信濃くるみ・黒糖くるみ・くるみおはぎ・クソ爺のこだわり・花豆チョコ-

 2017年11月に長野県東御(とうみ)市を訪問しました。

 同市内の「ヴィラデスト ガーデンファームアンドワイナリー」を訪問した後,しなの鉄道田中駅に隣接する「東御市観光情報ステーション(信州とうみ観光協会)」へ行き,東御市の観光名所などを教えていただくこととしました。

(しなの鉄道田中駅と115系電車)
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 しなの鉄道田中駅に停車していた115系電車です。
 赤とグレーの「しなの鉄道色」が印象的です。

 観光協会の方から,「北国街道『海野宿(うんのじゅく)』へ行けば,お土産屋さんも多く,千曲川(ちくまがわ)の景色もきれいですよ。」と教えていただいたので,車で訪問してみました。

(夕暮れの千曲川)
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 海野宿の起点,白鳥神社付近から眺めた夕暮れの千曲川です。

(海野宿・重要伝統的建造物群保存地区)
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 北国街道の宿場町として栄えた海野宿の重要伝統的建造物群保存地区の様子です。

 岡山県倉敷市の美観地区や島根県津和野町の町並みと雰囲気が似ているように思いました。

 海野宿で見つけた東御市の名産を御紹介したいと思います。


信濃くるみ

 「道の駅 雷電くるみの里」の海野宿店,「せせらぎ」というお店に伺いました。

 店内には,東御市の特産品「信濃くるみ」やその加工食品を中心にたくさんのお土産が販売されていました。

 私がお店の方に「くるみを割るためにはくるみ割り器が必要ですよね…」とお話しすると,お店の方は「器具がなくても,マイナスドライバーやかなづちがあれば簡単に割れますよ。」とおっしゃり,実際にくるみを割って試食させていただきました。

 次々といとも簡単にくるみを割られる様子を目の当たりにし,驚きました。

(信濃くるみ)
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 やさしいクリーム色の殻をした信濃くるみです。
 
 一度割ったら,殻は意外にもろいので,中のナッツは手で取り出せます。

 信濃くるみはコクがありますが,脂肪のしつこさがなく,一度食べたら止まらないおいしさでした。


信濃くるみの黒糖菓子

 信濃くるみに黒糖がまぶされたお菓子も売られていたので,購入しました。

(信濃くるみの黒糖菓子)
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 信濃くるみに黒糖がまぶされたもので,かくし味の塩も甘みを引き立てています。

 大豆やピーナッツに黒糖をコーティングしたお菓子はよく見かけますが,くるみというのは珍しいですね。


くるみおはぎ

 道の駅雷電くるみの里の人気商品,くるみおはぎも購入しました。

(くるみおはぎ)
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 地元産のもち米とくるみを使ったおはぎです。

 細かく擂ったくるみに砂糖,塩,醤油を加え,もち米の表面にまぶしたおはぎです。

 きな粉おはぎに似ていますが,くるみの持つ深いコクと香ばしさを味わうことができます。

 醤油の味も手伝って,甘じょっぱい味にどこか懐かしさを感じるおはぎでした。


「クソ爺のこだわり」

 続いて海野宿の入口付近にある「齋藤商店」を訪問しました。

 散策していてとても気になる看板を見つけたからです。

(齋藤商店看板)
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 「クソ爺のこだわり?」

 これはちょっとお話を聞いてみなければと思い,それらしき人を探しました。

 すると真田幸村の赤い甲冑を身に付けた男性がおられたので,つい私はこう話かけてしまいました。

 「あなたがクソ爺さんですか?(笑)」

 「はいそうです。」というお返事をいただいてから,おもしろおかしく二人で会話が盛り上がりました。

 こちらがその「クソ爺のこだわり」です。

(「クソ爺のこだわり」包装)
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 「クソ爺のこだわり」とは椎茸のフライのことでした。

(「クソ爺のこだわり」)
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 小ぶりの椎茸をカラカラによく油で揚げ,ブドウ糖,食塩,胡椒で味付けたスナックです。

 しょっぱそうなスナックに見えると思いますが,実はとても甘いのです。

 まるで白あんを食べているかような甘味があります。

 椎茸特有のにおいもほとんどなく,椎茸が得意でない人もおいしく食べられるよう工夫がされています。

 それもそのはず,「クソ爺」さん御自身が椎茸が苦手なのだそうです(笑)。

 御自分は椎茸が苦手なのに,人にはこだわりの商品として売っておられるのです(笑)。

 とてもおもしろい商売をされているな,これが魅力なのだろうなと感心しました。


「花豆チョコ」

 もう1つ,「新商品を開発したから」とすすめられたのが「花豆チョコ」です。

(「花豆チョコ」)
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 長野は花豆の生産地でもあります。

 その花豆の甘納豆にチョコレートをコーティングしたお菓子です。

 ゴディバのチョコレートが使われているそうです。

 大きく食べ応えのある花豆とチョコレートの相性が良く,これなら自信を持って商品として売れるのではと思いました。


長野県東御市の風土と食文化

 「クソ爺」こと齋藤さんから,くるみをいただきながら,なぜ東御市がくるみの産地になったのかお話を伺うことが出来ました。

 くるみはもともと,東御市の東にある軽井沢で栽培されていたようです。

 軽井沢と言えば,明治以降,避暑地として多くの外国人が滞在し,国際的リゾート地として発展してきた地です。

 滞在する外国人から,くるみ(ウォルナッツ)の需要も出てきたのでしょう。

 しかし,軽井沢の気候は,くるみの栽培地としては適さなかったようで,くるみの栽培地は徐々に西へ向かうこととなります。

 そしてくるみの栽培に適していた地が東御市だったようです。

 雨が少なく,水はけがよく,日照時間が長く,昼夜の寒暖差が大きく,土壌の質が良い東御市は,良質なくるみを栽培するのに最もふさわしい場所とされ,本格的なくるみの産地になったというお話でした。

 軽井沢に滞在する外国人の需要と東御市の風土が合致して,くるみの一大産地となったのですね。

 ここまでお話を伺って,ふと「ヴィラデスト ガーデンファームアンドワイナリー」を訪問した時のことを思い出しました。

 東御市は「千曲川ワインバレー」と呼ばれるほどワイナリーが多い地域でもあります。

 くるみと同様に,東御市の風土に合うブドウやリンゴを栽培し,ワインやシードル(リンゴ酒)を作るというのは,理に適っていることなのです。

 軽井沢が近いことと洋酒であるワインやシードルの需要があることにも何らかの関連性があることでしょう。

 このあたりまで理解できると,食のフィールドワークを通じた地域の研究は面白いと感じていただけるのではないでしょうか。


<関連サイト>
 「信州とうみ観光協会」(長野県東御市田中279)
 「道の駅 雷電くるみの里 海野宿店『せせらぎ』」(長野県東御市本海野1100)
 「千曲川ワインバレー」(NAGANO WINE応援団運営委員会・長野県産業労働部)

<関連記事>
 「長野県東御市 ヴィラデスト ガーデンファームアンドワイナリー訪問ノート

2017年11月 5日 (日)

長野県東御市 ヴィラデスト ガーデンファームアンドワイナリー訪問ノート

玉村豊男さんの本から食の世界の面白さを学ぶ

 私が食の世界に興味を持つようになったきっかけは,玉村豊男さんの本によるところが大きいと言っても過言ではありません。

 玉村さんの作品は,世界や日本での食体験やそれにまつわる食文化を中心として,深く研究された成果を,読みやすく痛快な文章で読者に紹介されていることが魅力となっています。

 また,玉村さんはパリ大学に留学されていたことから,私が好きなフランスやイギリスについても精通されており,少しマニアックに(笑)紹介された作品もあります。

 さらには,『食卓は学校である』や『今日よりよい明日はない』など,食の世界だけでなく,人生観まで学べる作品も数多くあります。

 そんな玉村さんの本の1つに,『田舎暮らしができる人,できない人』という本があります。

 東京生まれ,東京育ちの玉村さんが長野に移住し,ワイナリーを開設されるまでのストーリーを苦労話を折り混ぜながら紹介されている本ですが,この作品を読んでから,長野に開設されたワイナリーとはいったいどんなところなのか,いつか訪問してみたいと思うようになりました。

 今回,岐阜へ行く用事があったので,「せっかくの機会だから足を延ばして玉村さんのワイナリーにも行ってみよう」と思い立ち,ヴィラデスト ガーデンファームアンドワイナリー内のヴィラデストカフェに予約をさせていただきました。


ヴィラデストカフェを予約

 予約時,私は少し勇気を出して,カフェの御担当に「玉村豊男さんのファンです。当日直接お会いすることは難しいでしょうが,玉村さんのサイン入りの本を御用意いただき,訪問時に購入させていただけないでしょうか。無理でも食事の予約が可能なら喜んで伺いたいと思います。」と私の素直な気持ちやお願いをお伝えしました。

 すると,翌日,カフェの御担当からメールで「ご予約を承りました。御希望の本はショップでお取り置きしておきます。なお,当日玉村はこちらに居る予定です。」とのお返事をいただきました。

 訪問当日,玉村さんが同じ場所におられる,そしてもしかしたら玉村さんにお会いできるかもしれないと思うと,予約の時点で既に興奮し,待ち遠しく思いながら,当日を迎えました。


ヴィラデスト ガーデンファームアンドワイナリー訪問

 私は出来るだけゆっくりと食事をしたかったので,平日に長野県東御市(とうみし)にあるヴィラデストを訪問しました。

 とは言え,広島を出発してランチ予約時刻の13時30分までに,全く地理感のない長野県東御市まで行くことは大変でした。

 東御市は軽井沢に近く,群馬県と接しており,関東寄りの場所にあるからです。

 前日の夜,仕事を終えて,夜行の高速バスで広島から名古屋へ向かい,翌朝に名古屋に着きました。
 名古屋から電車で岐阜県の中津川まで行き,中津川からはレンタカーで中央道,長野道,岡谷インターからは国道142号,国道152号などを走り,やっとの思いで13時前にヴィラデストに到着しました。

 予約時刻まで少し余裕があったので,ガーデンファーム・ワイナリーなどを見学させていただきました。

(フラワー・ハーブガーデン)
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 色とりどりの花やハーブが植えられた庭園です。

 旅の疲れを癒してくれました。

(ヤギ子とブドウ畑)
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 「ヤギ子」ちゃんとブドウ畑(ソーヴィニョン・ブラン)です。

(ブドウ畑)
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 ヴィラデストカフェ側から眺めたブドウ畑の様子です。

 シャルドネ,メルロー,ピノ・ノワールなどが栽培されています。

 ひととおり見学した後,はやる気持ちを抑えながらヴィラデストカフェに向かいました。


ヴィラデストカフェ

(ヴィラデストカフェ・ショップ遠景)
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 第1駐車場から歩道を下りた先にヴィラデストカフェ・ショップがあります。

(ヴィラデストカフェ・ショップ)
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 こちらがヴィラデストカフェ・ショップの正面です。

 入口にショップがあり,その奥がカフェとなっています。

 しばらくショップを眺めた後,お店の方に名前を告げると,「お待ちしておりました。お席は御用意できております。玉村も来ると思います。」と御案内いただきました。

 最後の言葉が気になり,私は動揺して「えっ,あっ,ハイ。お願いします。」とお答えし,席を御案内いただきました。

 プリフィックス方式のランチコースなのでメイン料理と飲み物を選んで注文し,いよいよ待ちに待った食事の開始です。

(マッシュルームのファルス)
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 アミューズはマッシュルームのファルスでした。

 ファルスは,肉,魚,野菜などを細かく刻んで(挽いて)調味した「詰め物」を言います。

 今回のファルスは,マッシュルームに細かく刻んだ肉やパプリカを詰め,オーブンで焼かれた料理でした。

(フラワーシャンパン)
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 今日は私にとって記念日のようなものなので,飲み物でも雰囲気を盛り上げようとノンアルコールの「フラワーシャンパン」を注文しました。

 エルダーフラワーのシャンパンで,軽い口当たりがアミューズや前菜とよく合いました。

(前菜・パン・本日のスープ)
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 コースの前菜とパン,そして別に注文した本日のスープです。

 パンはバスケットに温かい3種類のパンを御用意いただきました。

 「秋のヴィラデスト」と名付けられた前菜は,ガラスカップに盛られたコールスロー,カブ・大根・山芋という白い根菜のグリル,サツマイモのバター煮,サラダでした。

 コールスローには,キヌアも入っていました。

 根菜のグリルに添えられた緑のソースは春菊のソースで,根菜の甘味とさわやかな春菊の風味を味わうことができました。

 バターで煮たサツマイモは,スイートポテトのような感じで,前菜のアクセントにもなっていました。

 サラダはレタスにスプラウトがのせられていますが,その中にはさらに麦や赤米などの雑穀も添えられ,ドレッシングには黒酢が使われていたので,どことなく和風のサラダに仕上げられていました。

 本日のスープですが,こちらはお店の方から「本日はバターナッツ・スカッシュのスープです。」と御説明いただいたことから,興味を持って追加注文しました。

 と言うのも,最近,広島でも産直市やスーパーなどでこのバターナッツと呼ばれるカボチャをよく目にするからです。

 この場をお借りして,少しバターナッツも御紹介します。

(バターナッツ)
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 バターナッツは黄色いヒョウタン形のカボチャです。バターナッツ・スカッシュとも呼ばれます。

(バターナッツ(断面))
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 縦に半分に切ってみると,カボチャの一種であることがよくわかります。

 底の丸い箇所は甘くてやわらかく,茎のような上部の細長い箇所はあっさりしていて,やや繊維質があります。

 形の珍しいカボチャだと理解していただければいいのですが,本日のスープはこのバターナッツ・スカッシュが使われた甘くとろみのあるスープでした。

 次のメインを待つ間,ドリンクメニューに「ヴィラテスト リンゴジュース」と呼ばれるソフトドリンクがあったので,お店の方に「こちらで作られているリンゴジュースですか」と尋ねたところ,「はい,スタッフがリンゴを絞って作ったジュースです。」とお話があったので,興味を持って注文しました。

(ヴィラデスト リンゴジュース)
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 そのお店の名称を冠している料理・お菓子・飲み物は,店のプライドもあり,外してしまう可能性は低いですが,このヴィラデスト リンゴジュースも同じことが言えると思いました。

 手作りのリンゴジュースは,食物繊維が一緒になるので,白く濁ってしまいますが,ヴィラデスト リンゴジュースは透明ですっきりした甘さのジュースに仕上げられていました。

(信州豚のコンフィと手作りソーセージ 白いんげん豆と茸のトマト煮を添えて)
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 メイン料理をどれにするか少し迷ったのですが,地元の信州豚と手作りソーセージに魅かれ,こちらの料理に決めました。

 写真手前が太い手作りソーセージ,奥が信州豚のコンフィ,下に添えられているのが白いんげん豆と茸のトマト煮です。

 粗挽きの太い手作りソーセージは,とてもジューシーで肉本来の味が楽しむことができました。

 信州豚のコンフィは,信州豚の塊を約60℃の油でじっくり茹で煮された料理で,厚めの塊ですが中はやわらかく,トマト煮のソースとの相性も抜群でした。

 白いんげん豆と茸のトマトソースもよく煮込まれており,それだけでも十分美味しいソースでした。

 白いんげん豆と肉を煮込んだフランスの料理「カスレ」をイメージするような,ボリュームがあってパンともよく合う,とても美味しい料理でした。

(デザートプレート)
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 さあ,お待ちかねのデザートです。

 写真手前が栗のアイスクリームの巨峰ソース添え,奥がキャラメルムースです。

 アイスクリームには栗がふんだんに入っており,モンブランをいただいているかのようでした。長野で有名な巨峰の甘酸っぱいソースともよく合いました。
 お口直しにチュイール(フランス語で「瓦」のこと)ものせられています。
 私は今回のコースで一番のお気に入りでした。

 キャラメルムースにはキャラメルソースと少しブリュレした(焦がした)甘めの生クリームや巨峰がのせられていました。

 こちらも異なるキャラメルの味が一度に楽しめ,口いっぱいに幸せを感じました。

(ハーブティー)
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 デザートと一緒にいただいた飲み物は,ハーブティーです。

 普段はコーヒーしか選びませんが,ハーブ園を目の前にするとやはりハーブティーを飲みたいと思いました。

 窓からブドウ畑や信州の山々を眺めながら,香り豊かなハーブティーをゆっくりと味わい,ランチをしめくくりました。


玉村豊男さんとお会いする

 食事中にもしかしたら玉村さんがレストランにお見えになるかもという一抹の期待を持っていましたが,そんな様子でもなかったので,「有名な方だから,お会いできなくて当然。」と思い,玉村さんと同じ空間で食事できたことを素直に喜び,会計を済ませて帰ろうと入口のレジへ向かいました。

 その時です。

 何とレジ近くの厨房カウンターで玉村豊男さん御本人がお待ちくださっていたのです。

 「うわぁー。」言葉にならない感動が込み上げてきました。

 美味しい料理を堪能出来たことや,こうして会っていただけたことについて,深々とお礼申し上げ,いろんな本を拝読してファンであることをお伝えしました。


玉村さん「今日は東京から来たの?」

私「(地理的に関東から来られる人の方が多いのだろうなと思いつつ)広島から参りました。」

スタッフの方「こちらがお取り置きしておいた本です。こちらにサインを。」

玉村さん「それではサインしますね。」

(お願いしておいた2冊の本(『料理の四面体』,『おいしいものは田舎にある 日本ふーど記』)に私のフルネームとともに玉村さんのフルネームの直筆サインをいただく)

私「ありがとうございます。この本は一生の宝にします。もし良かったら(「コウジ菌のブログ」を紹介する名刺を差し出し)こちらのブログも御覧いただければ幸いです。食文化について私なりの視点でまとめているブログです。」

玉村さん「わかりました。コウジ菌…あーお名前と同じですね(笑)。」

私「そうです。麹は酒・味噌・食酢・醤油など日本の食文化に欠かせませんので,麹(菌)と私の名前とかけてコウジ菌としています(笑)。ヴィクトリアケーキの記事など,玉村さんの本を参考にさせていただくことも多いんですよ。」

玉村さん「そうですか。」

私「あのー,もしよろしかったら,一緒に写真撮らせていただけませんか。」

玉村さん「もちろん,いいですよ。」

(満面の笑みで私の背中に手を差し伸べてくださった玉村さんと,緊張気味で不自然な笑顔の私(笑)とで記念撮影。)

玉村さん「写真,ブログに載せてもいいよ(笑)。」

私「あっ,本日はどうもありがとうございました。Merci Beaucoup!(メルシーボーク,フランス語で「大変ありがとうございました」の意)」


 「最後に何言ってるんだ私は…」と,今思い出しても恥ずかしいのですが(笑),そんなこんなでサプライズで玉村さんとお会いすることができ,お話しもすることもできました。

 玉村さんにお礼申し上げ,ヴィラデストカフェを後にしました。

 よく「自分で自分をつねって,これは夢ではないか」と思うシーンがありますが,玉村さんにお会いした瞬間は,まさにそんな感じでした。

 その日の晩,松本市内のホテルでヴィラデストカフェの皆様にお礼のメールをお送りしました。

 玉村さんにお会いできたこともとても嬉しかったですが,そのために私の気持ちを汲み取り,御準備いただいていたスタッフの皆様のサービスにも強く感動したからです。

 一生の思い出になる1日となりました。

 また機会を見つけて訪問したいです。


<関連サイト>
 「ヴィラデスト ガーデンファームアンドワイナリー」(長野県東御市和6027)

<関連記事>
 「イギリス料理の特徴と主な料理4 -ヴィクトリアケーキ-
(ヴィクトリア女王について玉村豊男『ロンドン旅の雑学ノート』(新潮文庫)を参考にさせていただきました。)

 「しょうゆの研究6 -しょうゆは日本独自の調味料なのか(前編)-
 「イースター(復活祭)を基準としたキリスト教行事 -なぜ卵とウサギが一緒なのか-
(袁枚の『随園食単』の話やカーニバル・四旬節の話は玉村豊男『グルメの食法』(中公文庫)を参考にさせていただきました。)

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