食文化事例研究

2018年12月31日 (月)

日本各地のレモン菓子・レモンケーキ2 -愛媛の青いレモンと湘南のグリーンレモン-

 日本各地で売られているレモン菓子・レモンケーキを御紹介します。

 今回はちょっと珍しい,愛媛の青いレモンや湘南のグリーンレモンが使われたレモンケーキなどを御紹介したいと思います。


愛媛県松山市・チュチュ「レモンケーキ」

 愛媛県松山市にある洋菓子店・カフェ「チュチュ(chuchu)」の「檸檬ケーキ」です。

 松山観光港で購入しました。

(チュチュ「レモンケーキ」(包装))
Photo

 「青いレモンの島」として有名な岩木島(愛媛県越智郡上島町)産のレモン「いわぎレモン」が使用されています。

(チュチュ「レモンケーキ」)
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 厚みのあるレモンチョコが表面いっぱいにコーティングされています。

(チュチュ「レモンケーキ」(中身))
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 ケーキ生地はしっかりと詰まっていて,バターの風味を強く感じる仕上がりとなっています。

 青いレモンが使われているからか,レモンチョコに強い酸味を感じました。


 「チュチュ(chuchu)」(愛媛県松山市南江戸4-3-58)


永久堂「瀬戸内レモンケーキ」・「青いレモンケーキ」

○「瀬戸内レモンケーキ」
 愛媛県新居浜市にある洋菓子店「永久堂」の「瀬戸内レモンケーキ」です。

 愛媛県新居浜市の「マイントピア別子」で購入しました。

(永久堂「瀬戸内レモンケーキ」(包装))
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 愛媛県今治市大三島産のレモンが使われています。

(永久堂「瀬戸内レモンケーキ」)
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 サイズは横約8cm,幅約5cm,高さ約3.5cmで,やや大きめです。

 黄色いレモンチョコがコーティングされています。

(永久堂「瀬戸内レモンケーキ」(中身))
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 きめ細かいしっとり系のケーキ生地で,大きめのレモンピールも入っています。

 カスタード風味のケーキ生地に,ほんのりレモン風味も感じました。


○「青いレモンケーキ」
 続いて,同じ「永久堂」の「青いレモンケーキ」です。

(永久堂「青いレモンケーキ」(包装))
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 愛媛県今治市の「タオル美術館」のショップで購入しました。

(永久堂「青いレモンケーキ」)
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 青いレモンの輪切りが乗せられており,握り寿司のようなレモンケーキです(笑)

 黄色いレモンチョコが浅めにコーティングされ,その上に砂糖がまぶされた輪切りの青いレモンが乗せられています。

 サイズは同店の「瀬戸内レモンケーキ」と同じです。

(永久堂「青いレモンケーキ」(中身))
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 御覧のとおり,ケーキ生地の中にも青いレモンピールが入っています。

 青いレモンそのものや,ほろ苦いレモンピールの味も楽しめるレモンケーキとなっています。


 「永久堂」(愛媛県今治市又野1-4-32)


プチ・フルール「湘南グリーンレモンケーキ」・「湘南グリーンレモンパイ」

 横浜市を中心に店舗展開されている洋菓子店「プチ・フルール」の「湘南グリーンレモンケーキ」と「湘南グリーンレモンパイ」です。

 新横浜駅構内の「プチ・フルール キュービックプラザ新横浜店」で購入し,東海道・山陽新幹線車内でいただきました。

(プチ・フルール「湘南グリーンレモンケーキ」・「湘南グリーンレモンパイ」(包装))
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 湘南の「潮風かをる緑の恵み」が味わえるレモンケーキ・レモンパイです。

 神奈川県小田原市根府川の廣井園芸で収穫された早摘みレモンが使用されています。

 産学連携プロジェクトにより,関東学院大学や湘南信用金庫などが商品開発を支援されました。

(プチ・フルール「湘南グリーンレモンケーキ」・「湘南グリーンレモンパイ」)
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○「湘南グリーンレモンケーキ」
 レモンケーキは,グリーンレモンの緑色になっています。

 全体が緑色のレモンケーキというのも珍しく,よもぎ餅のようです(笑)

 ケーキ生地の中に大きめにカットされたレモンピールがザクザク入っています。

 いただいてみると,ライムのような,さわやかで強い酸味が口の中いっぱいに広がりました。

○「湘南グリーンレモンパイ」
 レモンパイは,細長いスティック状になっています。

 パイの中にレモン風味の白あんが詰められています。

 サクサクのパイにグリーンレモンあんのさわやかな酸味・甘味がうまく調和したお菓子です。


 この「湘南グリーンレモンケーキ」と「湘南グリーンレモンパイ」は,神奈川のお土産としても喜ばれると思います。


 「プチ・フルール」(「キュービックプラザ新横浜店」神奈川県横浜市港北区新横浜2-100-45 キュービックプラザ新横浜2階ほか)


 以上,レモン菓子・レモンケーキを購入される際の参考になれば幸いです。


<関連リンク>
 「レモンのお菓子」(「chibiaya日記」)
 chibiayaさんが,関東で販売されているレモンケーキを中心に,レモンケーキの情報を詳しく紹介されています。

<レモンケーキ関連記事>
 「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化事例研究」にある「レモンケーキ・レモン菓子」を御参照ください。

2018年12月 2日 (日)

パンの研究4 -アイルランドのソーダブレッドとギネス煮込みシチュー,興亜パン,熊本県菊池市のニッケ饅頭-

ソーダブレッド・クイックブレッド

 日本で一般的なパンは,小麦粉,塩,水を練った生地にパン酵母(イースト,天然酵母など)を加え,発酵させて膨らませた生地を焼き上げることで作られます。

 その一方で,パン酵母による発酵に頼らず,重曹(重炭酸ソーダ,炭酸水素ナトリウム)やベーキングパウダーなどの膨張剤を使って生地を膨らませ,パンを作る方法もあります。

 こうしたパンは「ソーダブレッド」と呼ばれています。

 ふっくらふんわりしたパンを作るには,やはり生地を発酵させることが基本となりますが,重曹やベーキングパウダーを使うと,生地を膨らませるための時間が短くて済むというメリットがあります。

 そのため,重曹やベーキングパウダーが使われたパンは,すぐ出来上がるパンという意味で「クイックブレッド」とも呼ばれています。

 今回はそんな重曹やベーキングパウダーが使われたパンやお菓子を御紹介したいと思います。


ソーダブレッドとギネス煮込みシチュー

 広島市南区のカフェ「Cafe Igel あかいはりねずみ」でいただいたアイルランドのソーダブレッドとギネス煮込みシチューです。

(ソーダブレッドとギネス煮込みシチュー)
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 写真手前がギネス煮込みシチュー,その上にあるパンがソーダブレッドです。

 ギネス煮込みシチューは,ギネスビールでジャガイモ,玉ねぎ,人参,牛肉などの具を煮込んだシチューです。

 ワインではなくビールで煮込むところにアイルランドらしさを感じました。

 スープに浮かべられている赤いものは「デトロイト」と呼ばれるベビーリーフです。

 次にソーダブレッドです。

 このパンは,ちぎったり,かじった際にポロポロとパンくずがこぼれますが,それこそがソーダブレッドの醍醐味でもあります。

 ライ麦入りの黒パンのような風味・食感のパンでした。

 素朴であるがゆえに,スープや他の料理との相性も良いです。

 店主にお話を伺うと,店主がヨーロッパでパンの修業をされていた時,台の上からパッパッと「打ち粉」を振ろうとすると,「アイルランド人のように…」と注意を受けた御経験があるそうです。

 この例えは,「アイルランド人のように節約して使いなさい」という意味なのだそうです。

 アイルランドは,1845年にジャガイモ畑の立ち枯れ病に端を発する大飢饉(いわゆる「ジャガイモ飢饉」)が発生し,イングランド,アメリカ,カナダなどに多くの人が逃れる事態となりました。

 こうした経験があったからこそ,アイルランドの人々は食べ物を大切にするという精神が根付き,周辺国の人々からは「アイルランド人=節約する人々」と思われているのかも知れません。


太平洋戦争時の「興亜パン」

 太平洋戦争時の日本では,食糧がない中で,ふくらし粉(ベーキングパウダー)を使ったパンが考案されました。

 メリケン粉(小麦粉)に大豆・海藻・魚などで作られた粉や野菜などを混ぜた蒸しパンで,「興亜パン」とか「興亜建国パン」などと呼ばれました。

 節米と国民の栄養合理化をかかげ,メリケン粉にいろんな「混ぜ物」をして,かさを増し,栄養価を高めた食べ物を作ることが目的だったようです。

(「興亜パン」の材料)
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斎藤美奈子「戦下のレシピ 太平洋戦争下の食を知る」岩波現代文庫 p41から引用

 ふくらし粉を使えば,生地にいろんなものを混ぜても,比較的容易に膨らませることができるというメリットがあったのでしょう。

 この「興亜パン」,当時の食糧管理者や栄養指導者が普及を目論んだようですが,実際の人気はいまひとつだったようです。


熊本県菊池市のニッケ饅頭

 熊本県菊池市の「きくち観光物産館」や「道の駅 旭志(きょくし)」でニッケ饅頭という郷土菓子を見つけました。

(ニッケ饅頭(包装))
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 地元の手作りおはぎやお弁当,パンなどが売られているコーナーで売られています。

 食品表示を見ると,「小麦粉,小豆,砂糖,炭酸ソーダ,ニッケの葉,卵」となっており,炭酸ソーダ(重曹)によって作られた蒸し饅頭であることがわかります。

 黄色い俵むすびのようです。

 地元では,「シナモン」や「ニッキ」ではなく,「ニッケ」と呼ばれているようですね。

(ニッケ饅頭)
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 ニッケ饅頭の中には粒あんがたっぷり入っています。

 粒あんの多さは「おはぎ」レベルです。

 そして饅頭の底にはニッケの葉が敷かれています。

 ニッケ(シナモン)は通常樹皮が使われるのですが,この饅頭には葉っぱが使われており,興味深いです。

 蒸し器にくっつかず,抗菌効果もあるからでしょう。

 実際にいただいてみると,皮はパリっと,中の生地はサクッとしていて,ニッケの香りが良いアクセントとなっていました。

 例えるなら,「粒あん入り八ッ橋風味の蒸し饅頭」といった感じです。

 ローズマリーにも似た香りがしました。

 では,なぜ熊本でニッケ饅頭が作られているのでしょうか。

 そのことを説明したサイトは見あたりませんが,次のような理由が考えられるでしょう。

1 熊本は日本有数のニッケの産地であること。
2 短時間で作れる,小麦粉の皮で作るという点で熊本郷土菓子「いきなり団子」とよく似ており,その製法が今日まで同じように伝えられてきたこと。
3 鎖国時代,長崎・出島に滞在したオランダ人からパンが,中国人から蒸しパンの「饅頭(まんとう)」が日本に伝えられたが,熊本はその長崎から地理的に近いこと。

 3の理由はちょっと無理があるかも知れませんが,1と2の理由は正解に近いのではないかと思います。

 「そーだ」よね?くまモン(笑)


まとめ

 こうしたパンや菓子をみてみると,重曹やベーキングパウダーには,(1)パン酵母(イースト,天然酵母など)による発酵ほど温度管理に左右されず,(2)色々な食材を混ぜても生地を膨らませることができ,(3)発酵に比べて短時間でパンや饅頭に仕上げられる,といった特長があるように思います。


<関連サイト>
 世界新聞「【世界の朝食】ソーダブレッドがポロポロこぼれる理由
 「Cafe Igel あかいはりねずみ」(広島市南区的場町1-7-2)

<関連記事>
 「さつまいもグルメのまち・川越」(川越の「いも恋」と熊本の「いきなり団子」の違いについて)

<参考文献>
 21世紀研究会編「食の世界地図」文春新書
 斎藤美奈子「戦下のレシピ 太平洋戦争下の食を知る」岩波現代文庫
 ジル・ノーマン「スパイス完全ガイド」山と渓谷社

2018年10月28日 (日)

日本各地のレモン菓子・レモンケーキ1 -福岡県那珂川町,岡山市,横浜市,長崎市-

 日本各地で売られているレモン菓子・レモンケーキを御紹介します。


ヴィザヴィ「九州のレモンケーキ」

 福岡県那珂川町にある洋菓子店「ヴィザヴィ(VISAVIS)」の「九州のレモンケーキ」です。

(ヴィザヴィ「九州のレモンケーキ」(包装))
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 九州産レモンが使われていることや,卵がたっぷり使用されていることが特長です。

(ヴィザヴィ「九州のレモンケーキ」)
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 サイズは横約7cm,幅約5cm,高さ約3.5cmです。

 黄色いレモンチョコがほぼ全体に厚めにコーティングされています。

(ヴィザヴィ「九州のレモンケーキ」(中身))
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 ケーキ生地の中には大きめのレモンピールがたくさん入っています。

 レモンチョコ,ケーキ生地ともにしっかりとレモンの酸味が感じられ,全体がレモンの風味でうまくまとめられています。

 私は「KITANO ACE 広島T-SITE店(北野エース)」で購入しましたが,デパートの九州物産展でも同じレモンケーキが販売されていましたので,イベント等を通じて全国販売されているのかも知れません。


 「ヴィザヴィ(VISAVIS)」(福岡県筑紫郡那珂川町中原3-80ほか)


清風庵「おかやま檸檬ケーキ」

 岡山市北区にある御菓子処「清風庵」の「おかやま檸檬ケーキ」です。

(清風庵「おかやま檸檬ケーキ」(包装))
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 岡山県瀬戸内市牛窓(うしまど)産のレモンと,蒜山(ひるぜん)高原のジャージー牛のバター・ミルクが使用されています。

(清風庵「おかやま檸檬ケーキ」)
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 サイズは横約8cm,幅約5cm,高さ約4cmと大きめです。

 レモンチョコはホワイトチョコの白を基調とした薄い黄色で,ケーキ生地の底までしっかりコーティングされています。

(清風庵「おかやま檸檬ケーキ」(中身))
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 レモンチョコは酸味が控えめで,しっかりと甘味を感じます。

 ケーキ生地はきめ細やかでシャリシャリしており,中にレモンピールも入っているので,様々な食感を楽しむことができます。

 岡山県産の食材で作られたレモンケーキなので,岡山のお土産としても喜ばれると思います。


 「御菓子処 清風庵」(岡山県岡山市北区下伊福1-4-6)


横濱スコーンクラブ「レモンケーキ」・「オレンジケーキ」

 神奈川県横浜市にある洋菓子店「横濱スコーンクラブ」の「レモンケーキ」・「オレンジケーキ」です。

(横濱スコーンクラブ「レモンケーキ」・「オレンジケーキ」(包装))
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 レモンケーキは「瀬戸内レモン使用」と記載され,オレンジケーキはオレンジ色の包装がされています。

(横濱スコーンクラブ「レモンケーキ」・「オレンジケーキ」)
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 レモンケーキだけでなく,レモンケーキと同じ形のオレンジケーキまであるのは珍しいですね。

 両方とも(レモン)チョコのコーティングはありません。
 焼菓子(スコーン)専門店のノウハウが生かされたケーキなのでしょう。

(横濱スコーンクラブ「レモンケーキ」・「オレンジケーキ」(中身))
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 それぞれ実際にいただいてみました。

(レモンケーキ)
 ケーキ生地はきめ細かく,レモンピールが入っています。
 また,レモン果汁がたっぷり含まれているため,さわやかなレモン風味が口いっぱいに広がりました。
 全体的にバター風味よりもレモン風味を重視したレモンケーキに仕上げられています。

(オレンジケーキ)
 ケーキ生地はきめ細かく,オレンジピール(マーマレード)が入っています。
 ケーキ生地に占めるオレンジピールの割合が多く,オレンジ果汁も含まれているため,オレンジ好きにはたまらないケーキに仕上げられています。

 いずれのケーキも,その風味が重視されています。

 「横濱スコーンクラブ」(神奈川県横浜市神奈川区浦島町377)


茂木一○香本家「レモンケーキ」

 長崎県長崎市にある和洋菓子店「茂木一○香本家」の「レモンケーキ」です。

(茂木一○香本家「レモンケーキ」(包装))
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 お取り寄せ・インターネット販売でも人気が高い商品のようです。

(茂木一○香本家「レモンケーキ」)
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 サイズは横約8cm,幅約5.5cm,高さ約4cmと大きめです。

 ケーキ生地全体にレモンチョコが底までコーティングされています。

 包装を開けるとさらに白い袋に包まれた状態でレモンケーキが入っていたのですが,このコーティングも考慮されているからなのでしょう。

(茂木一○香本家「レモンケーキ」(中身))
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 ケーキ生地の中には,大きめのオレンジピール(レモンピールではありません!)が入っています。

 そしてこのレモンケーキの最大の特徴は,ケーキ生地とレモンチョコの間に「あんずジャム」の層があることです。

 レモンケーキをあんずジャムやオレンジピールと一緒に味わえるので,贅沢な気分が味わえます。

 「茂木一○香本家」(長崎県長崎市茂木町1805)


 以上,レモン菓子・レモンケーキを購入される際の参考になれば幸いです。


<関連リンク>
 「レモンのお菓子」(「chibiaya日記」)
 chibiayaさんが,関東で販売されているレモンケーキを中心に,レモンケーキの情報を詳しく紹介されています。

<レモンケーキ関連記事>
 「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化事例研究」にある「レモンケーキ・レモン菓子」を御参照ください。

2018年8月 2日 (木)

広島のレモン菓子・レモンケーキ11 -菓子・パンメーカーの全国展開と地域(店舗)限定ビジネス-

 広島で売られているレモン菓子・レモンケーキを御紹介します。


不二家「瀬戸内大長レモンケーキ」

 「不二家」の「瀬戸内大長(せとうちおおちょう)レモンケーキ」です。

(不二家「瀬戸内大長レモンケーキ」(包装))
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 「大長(おおちょう)みかん」で有名な広島県呉市豊町大長地区で採れたレモンが41%使用されています。

(不二家「瀬戸内大長レモンケーキ」)
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 開封した瞬間,さわやかなレモンの香りが広がりました。

 サイズは横約7cm,幅約4.5cm,高さ約3cmです。

 レモンチョコのコーティングはありませんが,レモンピールがざくざく入っており,表面にもいくつかレモンピールが確認できます。

(不二家「瀬戸内大長レモンケーキ」(中身))
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 ケーキ生地はしっとりとしており,バターよりもレモン風味を強く感じる,レモン好きには嬉しい仕上がりとなっています。


 「不二家」(広島県内の各店舗ほか)


八天堂「ひろしま檸檬ケーキ」

 広島県三原市で創業し,今や全国で知られるようになったパン屋「八天堂」の「ひろしま檸檬ケーキ」です。

 広島空港に近いスイーツパン工房「八天堂カフェリエ」で購入しました。

(八天堂「ひろしま檸檬ケーキ」(包装))
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 レトロなイメージの包装紙がレモンケーキとよく合っています。

(八天堂「ひろしま檸檬ケーキ」)
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 ケーキとは言え,パン屋さんで売られているケーキなので,横約12cm,幅約7cm,高さ約3cmと,広くひらべったい形をしており,その大きさは菓子パンに近いです。

 レモンチョコはなく,カステラのようなふわふわしたとてもやわらかい生地です。

 これは看板商品の「くりーむパン」と同様,スイーツのようなパンを作る発想が生かされているからでしょう。

(八天堂「ひろしま檸檬ケーキ」(中身))
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 ケーキ生地には,レモンピールが練り込まれており,その食感を楽しみながらいただくことができます。


 「八天堂カフェリエ」(広島県三原市本郷町善入寺用倉山10064番190)


ガトーフェスタ ハラダ「ティグレス シトロン」

 ラスク「グーテ・デ・ロワ」で有名な「ガトーフェスタ ハラダ」から,広島限定のレモンケーキ「ティグレス シトロン」が販売されています。(2018年7月10日販売開始)

(ガトーフェスタ ハラダ「ティグレス シトロン」(包装))
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 チラシには,
 「シトロンとは,フランス語でレモンを意味します。『ティグレスシトロン』は,ガトーフェスタ ハラダ自慢のチョコレートケーキ『ティグレス』を広島限定でレモンテイストにアレンジしたお菓子です。
 瀬戸内のレモンの果皮と果汁を生地に使用することで生み出される,フレッシュなレモンの魅力を焼き菓子にそのまま封じ込めたかのような味わいは,レモン本来の爽やかな酸味と香りを感じることができる逸品です。」
 と説明されています。

 そして,よく見ると,ロゴマークがレモン絞り器のデザインとなっています(笑)。

(ガトーフェスタ ハラダ「ティグレス シトロン」(レモンロゴマーク))
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 遊び心もありますね。

 期待を胸に,開封してみました。

(ガトーフェスタ ハラダ「ティグレス シトロン」)
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 横約7cm,幅約5.5cm,高さ約2cmの小判形(楕円形)です。

 中のくぼんだ部分にレモンチョコがたっぷりと入っています。

(ガトーフェスタ ハラダ「ティグレス シトロン」(中身))
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 断面を御覧いただくと,ケーキ生地にレモンチョコが厚めに流し込まれている様子がお分かりいただけるかと思います。

 このレモンチョコは,「酸っぱい」と感じるほどレモンの酸味が強く,レモンケーキ全体のレモン風味を引き立てています。

 ケーキ生地もしっとりとしてレモン風味が効いており,中には大きめのレモンピールもたくさん混ぜ込まれています。

 レモンケーキというよりは,レモンのショートケーキのような印象を持ちました。

 暑い時期は冷やすとより一層美味しくいただけるように思います。

 ちなみにガトーフェスタ ハラダでは,この広島限定ティグレスのほかにも,「ティグレス ノースホワイト」(ホワイトチョコ・北海道限定),「ティグレス 小倉餡」(小倉餡・愛知限定),「ティグレス マッチャ」(抹茶チョコレートと黒豆・京都限定)など地域限定菓子・お土産用菓子にも力を入れておられるようです。


(補足)「ティグレス」の意味について

 「ティグレス(Tigresse)」はどういう意味だろうかと手元のフランス語辞典で調べてみると,「ティグル(Tigre,「トラ」)」の女性名詞で「雌のトラ」という意味でした。

 フランス菓子の中に「ティグレ」と呼ばれる菓子があります。

 チョコチップなどを混ぜ込んだフィナンシェ生地の中心部にチョコレートなどを流し込んだ菓子で,その名称はフィナンシェ生地がトラ柄(ヒョウ柄)に見えることに由来しているものと思われます。

 そういう目で見てみると,ガトーフェスタ ハラダのティグレスシリーズは,パッケージがいずれも縦の縞模様ですし,ケーキ生地もチョコチップや小豆,黒豆などを混ぜ込んだトラ柄(ヒョウ柄)に仕上げられています。

 今回御紹介した「シトロン」の場合はレモンピールがそれに該当するのでしょう。


 「ガトーフェスタ ハラダ」(そごう広島店で販売)


 以上,レモン菓子・レモンケーキを購入される際の参考になれば幸いです。


<応用研究>
菓子・パンメーカーの全国展開と地域(店舗)限定ビジネス

 今回御紹介したレモンケーキは,いずれもオリジナル商品の強みを生かして全国に展開されている会社の商品です。

 ある地域の人気商品が全国で支持される人気商品へと発展し,やがて定番商品となると,新たな需要を喚起する新商品の開発も求められることとなります。

 そうした新商品を開発する際の有力な方法の1つが,地域の特長やオリジナリティを生かした「地域(店舗)限定商品」の掘り起しではないでしょうか。

 全国の店舗で人気のオリジナル商品を販売する一方で,地域・店舗を限定した商品にも力を入れるというビジネスモデルです。

 このビジネスモデルについては,とりわけ菓子・パンメーカーで顕著に取り組まれているように思います。

 地域の菓子・パンメーカーが全国展開し,やがて店舗を構える地域の特色を生かした「地域(店舗)限定商品」の開発・販売が行われ,その商品が地域(店舗)でヒットすれば再び全国展開させるという地域と全国の循環型ビジネスは,とても興味深いものがあります。


<関連リンク>
 「レモンのお菓子」(「chibiaya日記」)
 chibiayaさんが,関東で販売されているレモンケーキを中心に,レモンケーキの情報を詳しく紹介されています。

<レモンケーキ関連記事>
 「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化事例研究」にある「レモンケーキ・レモン菓子」を御参照ください。

2018年6月 2日 (土)

広島のレモン菓子・レモンケーキ10

 広島で売られているレモン菓子・レモンケーキを御紹介します。


底押製菓「レモンケーキ」・「レモンロール」

 広島市南区宇品神田五丁目にある洋菓子店「底押(そこおし)製菓」の「レモンケーキ」です。

(底押製菓「レモンケーキ」(包装))
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 レトロ感のあるレモンの絵に「Lemon Cake」と書かれた銀色のパッケージです。

(底押製菓「レモンケーキ」)
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 開封した瞬間,レモンの香りが広がりました。

 サイズは横約7cm,幅約4.5cm,高さ約2.5cmです。

 レモンチョコが底までまんべんなくコーティングされています。

 店名にもあるとおり,そこ(底)がいち押しなのでしょう(笑)。

(底押製菓「レモンケーキ」(中身))
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 中のケーキ生地はレモンのように黄色く,レモンピールは入ってませんが,レモン風味を強く感じました。

 レモンケーキとは別に,「レモンロール」というレモン菓子も販売されていたので,こちらも購入しました。

(底押製菓「レモンロール」(包装))
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 パッケージには「レモンケーキ」と書かれていますが,裏面には商品名「レモンロール」と記載されており,ちょっとややこしいです(笑)。

(底押製菓「レモンロール」)
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 開封してみると,ロールケーキが入っていました。

 生地はカステラがベースになっており,しっとりとした食感です。

 濃い黄色の生地で,レモン風味も感じられます。

 表面に焼き色のついたカステラ生地を海苔巻きのようにロールさせているため,ポケモンのモンスターボールのような模様になっています。

 この形にそって甘酸っぱいレモンジャムが入っており,生地とあわせてレモンの風味を強く感じられるロールケーキに仕上がっています。

 底押製菓はレモンケーキと並んでカステラも看板商品とされているのですが,広島では,カステラ,レモンケーキ,饅頭などの和菓子を一緒に販売されている和洋菓子店もよく見かけます。


 「底押製菓」(広島市南区宇品神田五丁目3-13)


ラフール「生詰檸檬蜜」

 広島県大崎上島町にある食品会社「LAFRULE(ラフール)」の「生詰檸檬蜜」です。

 瀬戸内の島,大崎上島の白水港近くにある「大崎上島町観光案内所(風まちの時間)」で販売されており,見た目がとてもかわいいレモン加工品だったので手に取りました。

(ラフール「生詰檸檬蜜」(箱))
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 箱の裏には,「広島県の瀬戸内海に浮かぶ島で収穫されたレモンをひとつひとつ手搾りし,丁寧に手作りしています。生果汁の風味,色合いをできるだけ損なわないよう独自の『生詰製法』で瓶に詰めています。」
と説明されていました。

 フレッシュなレモンの風味を味わえるレモンシロップのようなので,これは味わってみたいと思い,購入しました。

 自宅で箱を開けてみて,はじめてビンの形がわかりました。

(ラフール「生詰檸檬蜜」(ビン詰め))
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 ビンの中にはドロッとしたレモンシロップが入っています。

 ふたを開けた瞬間,パーッとレモンの風味が広がりました。

 相当酸っぱいのかなと思いつつ,まずはそのままでいただいてみたのですが,レモンの酸味に負けないくらいシロップの甘みもあるので,そのままでも美味しかったです。

 次にレモンシロップをお湯で割ってホットレモンでいただきました。

 このシロップだけで簡単にレモン風味豊かなホットレモンができることに感動しました。

 これならと,紅茶にレモンシロップを入れてみると,見事にレモンティーができあがりました。

 このほかトーストやヨーグルト,パンケーキ等のデザートにも合うようです。


 「LAFRULE(ラフール)」(広島県豊田郡大崎上島町中野1841-12)


モロゾフ「瀬戸内レモンケーキ」

 モロゾフの「瀬戸内レモンケーキ」です。

(モロゾフ「瀬戸内レモンケーキ」(包装))
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 パッケージに「瀬戸内れもん」とあるように,広島のモロゾフ店舗で広島土産として販売されているレモンケーキです。

(モロゾフ「瀬戸内レモンケーキ」)
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 サイズは横約6.5cm,幅約5cm,高さ約3cmです。

 バター風味豊かなケーキ生地の上に,レモンチョコがたっぷり含まれた黄色いケーキ生地がのせられた二層構造のレモンケーキとなっています。

(モロゾフ「瀬戸内レモンケーキ」(中身))
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 下層のケーキ生地にはレモンピールが混ぜられています。

 しっとりきめ細かい生地で,レモン風味豊かなレモンケーキです。

 香ばしいアーモンドの香りもほのかに感じられます。

 モロゾフオリジナルの珍しいレモンケーキで,お土産にしても喜ばれることでしょう。


 「モロゾフ」(広島県内の各店舗ほか)


STICK SWEETS FACTORY「しまなみレモンケーキ」

 スティック状のケーキを中心に販売する広島の洋菓子店「STICK SWEETS FACTORY(スティック スイーツ ファクトリー)」の「しまなみレモンケーキ」です。

(STICK SWEETS FACTORY「しまなみレモンケーキ」(包装))
Stick_sweets_factory

 お店の方のお話では,このレモンケーキは今年(2018年)春から販売されている新商品で,STICK SWEETS FACTORYのおすすめ商品とのことでした。

(STICK SWEETS FACTORY「しまなみレモンケーキ」)
Stick_sweets_factory_2

 開封した瞬間,レモンの香りがただよいました。

 サイズは横約7cm,幅約5cm,高さ約3.5cmです。

 レモンチョコのコーティングは浅めです。

(STICK SWEETS FACTORY「しまなみレモンケーキ」(中身))
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 やわらかくふわふわなケーキ生地で,バターケーキよりはカステラに近い生地です。

 コーティングされているレモンチョコとケーキ生地のいずれもレモン風味が強く,レモンピールも入っているため,レモン好きにはたまらないレモンケーキだと思います。

 現時点では広島での販売が中心のようですが,全国のSTICK SWEETS FACTORY店舗で販売される日が来るといいなと思います。


 「STICK SWEETS FACTORY」(広島県内の各店舗ほか)


 以上,レモン菓子・レモンケーキを購入される際の参考になれば幸いです。


<関連リンク>
 「レモンのお菓子」(「chibiaya日記」)
 chibiayaさんが,関東で販売されているレモンケーキを中心に,レモンケーキの情報を詳しく紹介されています。

<レモンケーキ関連記事>
 「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化事例研究」にある「レモンケーキ・レモン菓子」を御参照ください。

2018年5月26日 (土)

島根県松江市の不昧公三大銘菓(山川・若草・菜種の里)と日本茶カフェ

 島根県松江市を訪問しました。

 尾道松江線(中国やまなみ街道)が開通したおかげで,以前と比べてずいぶんアクセスがよくなり,所要時間も短くなりました。

 松江城を囲むお堀をめぐる遊覧船です。

(堀川めぐり遊覧船(甲部橋付近))
Photo

 大勢の観光客が乗船されているのですが,これから低い橋(甲部橋)の下を通るということで,屋根が降ろされ,人は船内でかがんだ状態になっています。

 福岡県柳川市のお堀めぐり(川下り)と雰囲気がよく似ています。


不昧公と松江のお茶・和菓子文化

 松江市街を散策すると,お茶や和菓子の店を多く見かけます。

 これは普段の生活にまでお茶の文化が浸透している証拠でもあります。

 松江は京都・金沢と並ぶ「日本三大菓子処」の1つなのです。

 そうした松江のお茶の文化の礎(いしずえ)を築いたのが,江戸時代に活躍した松江藩の七代藩主 松平治郷(まつだいら はるさと)です。

 松平治郷は松江にお茶の文化を広めた茶人としても有名な人物で,「不昧公(ふまいこう)」という名で今も多くの人に親しまれています。

 不昧公はお茶会で数多くのお茶菓子を用いましたが,とりわけ自らが命名した3つのお茶菓子を好んだようです。

 それが「山川」,「若草」,「菜種の里」です。

 今回はその3つのお茶菓子を御紹介します。


三英堂「不昧公三大銘菓」

 
松江市の和菓子店「三英堂」では,「山川」,「若草」,「菜種の里」が2個ずつ詰め合わせられたお試しセットが販売されています。

(三英堂「不昧公三大銘菓」(包装))
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不昧公三大銘菓を食べ比べることができるセットで,お土産としても喜ばれることでしょう。

(三英堂「不昧公三大銘菓」(中身))
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写真手前左下から写真奥右上に向かって,順に「山川」,「若草」,「菜種の里」です。

 それでは,1つずつ御紹介したいと思います。


「山川」

 「山川」は,「越乃雪」(新潟県・大和屋),「長生殿」(石川県・森八)と並ぶ「日本三大銘菓」(※)の1つとされています。
※「日本三大銘菓」を,「越乃雪」,「長生殿」,「鶏卵素麺」(福岡県・松屋)とする説もあります。

 「山川」は紅白の一対の落雁です。

(「山川」)
Photo_3

 
不昧公の時代に作られたこのお菓子は,時の流れとともに製法の伝承が途絶え,一時姿を消してしまったのですが,松江の和菓子店「風流堂」の二代目・内藤隆平がわずかに残された文献や古老・茶人からの話などを元に「山川」を復刻させ,現在では松江の代表的な銘菓となっています。

 「山川」の名の由来は,不昧公の歌
「散るは浮き 散らぬは沈む紅葉(もみじば)の 影は高尾の山川の水」
に詠まれる山川にちなんでいると言われています。

 赤が紅葉の山を,白が川をそれぞれ表現しています。

 紅葉で有名な京都市右京区の高雄山の情景を詠った歌なのでしょう。

 主に「寒梅粉」(かんばいこ,もち米を加工した粉)と砂糖で作られています。

 しっとりふんわりと固められているため,いただくと徐々に口の中でやさしく溶けていくような食感が楽しめます。

 抹茶など濃いお茶に合うように甘みが強いのも特徴です。


「若草」

 
不昧公三大銘菓を代表する銘菓「若草」です。

 「若草」は,「求肥」(ぎゅうひ,もち米を石臼で水挽きし,水あめや砂糖を加えて練り上げたやわらかい餅)に,薄緑色で砂糖入りの寒梅粉をふんわりとまぶしたお菓子です。

(「若草」)
Photo_5

 
写真の断面を見ていただくと,長方形の求肥の周りに薄緑色の寒梅粉が均一にまぶされている様子がお分かりになるかと思います。

 「山川」と同様,「若草」も時の流れとともに製法の伝承が途絶え,姿を消してしまったのですが,松江の和菓子店「彩雲堂」の初代・山口善右衛門が当時の史料や言い伝えなどを元に「若草」をよみがえらせ,現在では松江の代表的な銘菓となっています。

 「若草」の名の由来は,不昧公の歌
「曇るぞよ 雨ふらぬうち 摘んでおけ 栂尾山の春の若草」
に詠まれる若草にちなんでいる言われています。

 栂尾(とがのお)山は京都市右京区にあり,僧の明恵上人によって日本ではじめてお茶が栽培されたことで有名な山です。

 ということは,この歌に詠まれる「若草」とは茶葉の意味ではないでしょうか。

 真相はあきらかではありませんが,茶道とかかわりの深い菓子であることは間違いありません。

 薄緑色の甘い寒梅粉と,中のほのかな甘さの求肥を一緒にいただくと,ちょうど良い甘さとなり,寒梅粉のサクサク・シャリシャリ感や求肥のモチモチ感といった異なる食感も楽しめるお菓子となっています。


「菜種の里」

 
不昧公三大銘菓の中で珍しい銘菓「菜種の里」です。

(「菜種の里」)
Photo

 
クチナシで黄色く色付けした寒梅粉や砂糖などをふんわりと固めた落雁です。

 上にある白い点のようなものは,炒り米(ポン菓子)です。

 黄色く染まった春の菜畑に白い蝶が飛び交う様子が表現されたお菓子です。

 不昧公は,
「寿々菜さく 野辺の朝風そよ吹けは とひかう蝶の 袖そかすそふ」
と詠み,「菜種の里」と命名したとされています。

 「山川」と同様,しっとりふんわりと固められており,いただくと徐々に口の中でやさしく溶けていくような食感が楽しめる甘いお菓子です。

 この「菜種の里」は,松江の和菓子店「三英堂」のみで販売されている珍しいお菓子です。


気軽にお茶を楽しめる日本茶カフェ

 
不昧公は晩年,作法や形式にとらわれない「不昧流茶道」を創設しました。

 そのため松江では現代においても,日常生活にもお茶や和菓子を取り入れ,気軽にお茶の時間を楽しまれる方が多いようです。

 街中にも気軽にお茶や和菓子を楽しめるカフェスタイルの甘味処が多くあります。

 私も気軽にお茶を楽しんでみたいと思い,松江市京店地区にある日本茶カフェ「スカラベ別邸」を訪問しました。

 お店のメニューには,抹茶と和菓子のセットのほかに,抹茶パフェ,抹茶エスプレッソ,抹茶ラテ,抹茶マキアート,抹茶スムージー,抹茶デセール(抹茶の洋菓子)などお茶にまつわる様々なドリンクやスイーツが用意されていました。

 私は抹茶クレープとグリーンティーを注文しました。

(抹茶クレープとグリーンティー)
Photo_2

 
抹茶クレープは中に抹茶カスタードと小豆が入っており,アイスクリームや白玉だんごが添えられています。

 グリーンティーは甘いアイス抹茶ドリンクです。

 抹茶ラテなどミルク入りの抹茶はよくみかけますが,ミルクなしのアイス抹茶はあまり見かけないので,久しぶりに出会えた味に感動しました。

 このカフェでは抹茶だけでなく,コーヒー,紅茶,各種ジュースなども用意されており,自分の好きな飲み物やお菓子でひとときを楽しむことができます。

 「不昧流」のお茶の楽しみ方を取り入れたカフェだと表現することもできるでしょう。

 こうしたカフェで松江のお茶を楽しむのもおすすめです。


 今年(2018年)は不昧公没後200年という記念の年にあたり,松江市を中心に様々な記念事業(不昧公200年祭記念事業)が実施されます。

 こうしたイベントが,より多くの人にお茶や和菓子の世界の魅力や楽しさを知ってもらえるきっかけとなればいいですね。

 夕方,宍道湖畔の「宍道湖夕日スポット」にカメラをセットし,夕日を撮影しました。

(宍道湖夕景)
Photo_4

 不昧公はどんな気持ちでこの夕日を眺め,この地にお茶や和菓子の文化を広めていったのでしょうか。

 近くの自動販売機で買った缶コーヒーを味わいながら,しばし思いを馳せました。


<関連リンク>
 「不昧公200年祭」(不昧公200年祭記念事業推進委員会事務局)
 「風流堂」(島根県松江市矢田町250-50)
 「彩雲堂」(島根県松江市天神町124)
 「三英堂」(島根県松江市寺町47)
 「スカラベ別邸」(島根県松江市末次本町75)

<参考文献>
 「日本!食紀行 殿様が愛したスイーツ ~城下町 松江は和菓子とともに~」(公益財団法人 民間放送教育協会)

2018年4月21日 (土)

広島のレモン菓子・レモンケーキ9

 広島で売られているレモン菓子・レモンケーキを御紹介します。


とびしま柑橘工房「レモンケーキ」


 広島県呉市川尻町にある「とびしま柑橘工房」の「レモンケーキ」です。

(とびしま柑橘工房「レモンケーキ」(包装))
Photo

(とびしま柑橘工房「レモンケーキ」(包装・裏面))
Photo_2

 包装の裏面には,「とびしま海道」(広島県呉市の下蒲刈島,上蒲刈島,豊島,大崎下島,平羅島,中ノ島,愛媛県今治市の岡村島を7つの橋で結ぶ海道)の地図とともに,「愛とレモンでしまおこし」と記載されています。

(とびしま柑橘工房「レモンケーキ」)
Photo_3

 サイズは横約7cm,幅約5cm,高さ約3.5cmです。

 レモンチョコのコーティングはありません。

(とびしま柑橘工房「レモンケーキ」(中身))
Photo_4

 半分に切ると,中にレモンジャムが入っています。

 食べるとレモンのかなり強い酸味が感じられます。

 レモンチョコのコーティングがされてない分,レモンジャムはもちろん,ケーキ生地にもレモンの酸味・風味が味わえるよう工夫されています。

 生のレモンをかじったような感覚が味わえるレモンケーキです。

 「とびしま柑橘工房」(広島県呉市川尻町西5-1-5)


マロンドール「瀬戸内レモンケーキ」

 広島県福山市多治米町一丁目にある「マロンドール」の「瀬戸内レモンケーキ」です。

(マロンドール「瀬戸内レモンケーキ」(包装))
Photo

 お店では「60年の伝統の味」と紹介されていました。

(マロンドール「瀬戸内レモンケーキ」)
Photo_2

 サイズは横約8cm,幅約6cm,高さ約4.3cmと大きめです。

 粉糖のアイシングが厚めにコーティングされています。

(マロンドール「瀬戸内レモンケーキ」(中身))
Photo_3

 このアイシングにはレモン果汁とホワイトラムが入っており,酸味と深みが感じられます。

 ケーキ生地はさっくりとしており,レモンピールは入っていませんが,アイシングと一緒に食べるとレモン風味・酸味がうまく調和します。

 この厚めのアイシングが,オリジナリティと伝統を感じさせてくれます。


 「マロンドール」(広島県福山市多治米町1-6-11)


パティスリーラパン「おしい!広島レモンケーキ」

 広島市佐伯区城山一丁目にある洋菓子店「パティスリーラパン」の「おしい!広島レモンケーキ」です。

(パティスリーラパン「おしい!広島レモンケーキ」(包装))
Photo_4

 包装紙に「日本一の広島レモンを使った日本で2番目においしいレモンケーキです。おしい!」と記載されています。

 広島ではなく,何と「日本で」2番目においしいレモンケーキなのです!

(パティスリーラパン「おしい!広島レモンケーキ」)
Photo_5

 サイズは横約7cm,幅約5.5cm,高さ約3.5cmです。

 レモンチョコのコーティングはありません。

(パティスリーラパン「おしい!広島レモンケーキ」(中身))
Photo_6

 断面を御覧いただけるとお分かりのように,ケーキ生地にレモンピールがたくさん入っています。

 ケーキ生地はしっとりとしたバターケーキです。

 贅沢にたっぷり入ったレモンピールのザクザク感がレモンケーキファンにはたまらない一品です。

 えっ,まだこのレモンケーキを召し上がったことがない?
 「おしい!」(笑)


 「パティスリーラパン」(広島市佐伯区城山1-17-8)


 以上,レモン菓子・レモンケーキを購入される際の参考になれば幸いです。


<関連リンク>
 「レモンのお菓子」(「chibiaya日記」)
 chibiayaさんが,関東で販売されているレモンケーキを中心に,レモンケーキの情報を詳しく紹介されています。

<レモンケーキ関連記事>
 「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化事例研究」にある「レモンケーキ・レモン菓子」を御参照ください。

2018年4月 8日 (日)

キャロブ(いなご豆)チップス -チョコレートと何が同じで何が違うのか-

 自然派食品のお店で,「キャロブ(いなご豆)チップス」と呼ばれるお菓子が売られていました。

 ラベルには「カフェインフリーキャロブチップス。チョコレートの代用としてお使い頂けます。」と記載されています。

 キャロブ(いなご豆)をチョコレートそっくりに加工した「キャロブ(いなご豆)チップス」。

 興味を持って購入してみました。


キャロブ(いなご豆)チップス

(キャロブ(いなご豆)チップス(包装))
Photo_6

 原材料表示を見ると,「大麦シロップ,コーンシロップ,ヤシの実油,いなご豆,乳化剤(大豆由来)」とあります。

 キャロブ(いなご豆)をカカオ豆,大豆シロップとコーンシロップを砂糖,ヤシの実油をカカオバター・油脂と置き換えると,チョコレートの原材料構成と同じであることがわかります。


キャロブ(いなご豆)について

 キャロブ(いなご豆)は,主に地中海付近で栽培される豆で,コーヒーやココアの代用品として用いられているようです。

 キャロブの種子は,大きさや重さが均一であることから,宝石の単位「カラット」(1カラット=0.2g)の語源になったり,はかりの分銅にされたりと,意外と人間との生活にかかわりの深い豆でもあります。


キャロブ(いなご豆)チップスの特徴

 開封して中身を確認してみました。

(キャロブ(いなご豆)チップス)
Photo_2

 このキャロブ(いなご豆)チップスについて,私の気付きや感想をまとめてみました。

○形・見た目
 チョコチップと同じ形に作られており,見た目はチョコレートと全く変わりません。

○香り
 袋を開けた瞬間,チョコレートと同じ香りがしました。
 当然ながら100%ではなく,50~60%程度チョコレートの香りと一緒かなと感じる程度でした。
 チョコレートメーカー「ハーシー社」の調べでは,カカオの香りの成分は約1500種類から成り立っているとの話ですし,発酵やメイラード反応(褐変反応)がもたらす香りもあるので,チョコレートと香りを合わせることが一番難しいと言えるでしょう。

○味
 チョコレートに近く,何の先入観や知識もなく出されたらチョコチップだと思うレベルです。

○食感
 チョコレートに比べ,粘性がやや欠けるように思いました。
 ざらつきはありませんが,伸びが若干少ないのです。
 チョコレートに比べ,油脂が抑えられているからでしょう。

○加熱時の変化
 せっかくなので,電子レンジで加熱した時の変化も調べてみました。

(キャロブ(いなご豆)チップス(電子レンジ加熱))
Photo_4

 キャロブチップスを小皿に盛り,電子レンジで加熱すると,チョコレートと同様に溶け出してきました。
 加熱することにより,なめらかになり,照りやツヤも出ています。
 
 こうした変化はチョコレートとそっくりです。

 さらに,この溶けたキャロブチップスを引っ張り,伸びを確かめてみました。

(キャロブ(いなご豆)チップス(加熱後の伸び))
Photo_3

 チョコレートのように溶けながら伸びると思っていましたが,油脂より糖分の割合が多いからか,綿菓子を引っ張った時のように,綿をちぎったような感じに切れました。
 そして程なく再び固まりました。

 これはチョコレートとは異なる性質です。

 チョコレート特有のなめらかな口当たりを,油脂よりも大麦シロップやコーンシロップの糖分によって補われているから起きる現象なのでしょう。

 製品が板チョコではなくチョコチップの形がメインとなっているのも,こうした性質を踏まえ,チョコレート感覚を味わえる最適な形と判断されたからではないかと思います。


キャロブ(いなご豆)のメリット

 チョコレートの代用としてキャロブ(いなご豆)を用いるメリットとしては,

 (1)カフェインフリー(カフェインが含まれていない)であること

 (2)粉乳など乳製品を使わなくてもチョコレートのような味になること

 (3)キャロブ(いなご豆)自体にほのかな甘味があること

 (4)チョコレートに比べて脂肪分が低いこと

 (5)動物性の食材(バターなど)なしでも加工できること

などが挙げられるでしょう。

 ただ,今回のキャロブ(いなご豆)チップスの場合,製造工場で乳製品などを含む製品を製造していること(アレルギー)や,加工の段階で糖分が加えられていること(糖分摂取)は考慮しておいた方がよいと思います。

 用途に合わせて,純粋なキャロブ(いなご豆)の粉末を購入してお菓子を作るというのもよい利用法だと思います。


 キャロブ(いなご豆)パウダーやチョコレートの代用品となるキャロブ(いなご豆)チップスをうまく活用し,豊かなお菓子ライフを楽しめたらいいですね。


補足

 記事掲載後,当ブログの読者(tomoさん,パティシエの御経験あり)から,チョコレート(キャロブ(いなご豆)チップス)を電子レンジで加熱し,溶かすのは誤りとのコメントをいただきました。

 確かにおっしゃるとおりで,この記事のままだと私はキャロブ(いなご豆)チップスの性質をきちんと御紹介できていないと思いました。

 そこで残っていたキャロブ(いなご豆)チップスを湯せんし,再度加熱後の伸びを確かめてみました。

(キャロブ(いなご豆)チップス(湯せん))
Photo_3

 湯せんで溶かすと,確かに電子レンジで加熱した時に比べ,ぐんと長く伸びました。

 ただ,やはり油脂よりも大麦シロップやコーンシロップの糖分の割合が多いからか,冷めるとカチカチに固まるのも早く,一般的なチョコレートよりもかたくなることもわかりました。

(キャロブ(いなご豆)チップス(湯せん後砕いた様子))
Photo_2

 となると,かたい板チョコよりはチョコチップの形でいただく方が食べやすいのではないかと改めて感じました。

 勉強になりました。

 こういう本音でいただくコメントこそ,嬉しいです。

 tomoさん,この度のコメントありがとうございました!

 良い記事を作りたいので,今後もビシバシとよろしくお願いします(笑)。


<関連記事>
 「メイラード反応
 「チョコレートの新しい潮流2 -ハイカカオと機能性チョコレート,発酵の重要性-

2018年2月 4日 (日)

宇宙食の世界3 -宇宙白飯とスペースカレー,宇宙食のナトリウム量制限とその実例-

 スペースワールドで売られていた宇宙食のシリーズの最終回は,宇宙食の白ご飯とカレーを一度に使って,カレーライスにして味わってみたいと思います。

 まずはご飯の用意からです。


宇宙白飯

 宇宙で味わう日本のお米「宇宙白飯(SPACE RICE)」です。

(「宇宙白飯(SPACE RICE)」包装)
Space_rice

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)が認証した製法により,尾西食品株式会社(亀田製菓グループ)が製造した製品です。

 お湯か水を注ぐだけでふんわりご飯が出来上がるようですが,念のため袋の裏の作り方を確認しておくこととしました。

(宇宙白飯の作り方)
Photo

 袋を開けて,その中に直接熱湯か水を注ぎ込み,袋のチャックを閉めて,熱湯なら15分,水なら60分待てばご飯ができると説明されています。

 水で作る方法は宇宙空間での調理を想定してかも知れませんね。

 私はカレーライスにしたいので,熱湯を注ぐことにしました。

 調理法を確かめた上で,袋を開封しました。

(宇宙白飯(開封時の様子))
Photo_2

 開封し,上から眺めた様子です。

 乾燥したご飯のほかに,プラスチックのスプーンと乾燥剤も入っています。

 ご飯が干からびた感じです。

 このご飯は,一度炊いたご飯を乾燥させて作る「干し飯(ほしいい)」(アルファ化米)そのものだと思いました。

 昔からある非常食(兵糧食)の発想が,宇宙食に応用されているのですね。

 袋の中に熱湯を注ぎ,15分待ちました。

 出来上がったご飯がこちらです。

(宇宙白飯)
Photo_3

 見事なご飯が出来上がりました。

 一度水分を飛ばしているので,米粒は若干ボソボソした感じはありますが,ふっくらとなって,ご飯として十分美味しいレベルでした。

 宇宙で白いご飯が食べられるのは,よく考えてみるととても贅沢なことではないでしょうか。


スペースカレー(宇宙日本食レトルトカレー)

 続いて,カレーを用意します。

 カレーはハウス食品が製造している「スペースカレー(宇宙日本食レトルトカレー)」です。

(スペースカレー(宇宙日本食レトルトカレー))
Photo_4

 箱には「ウコン,カルシウムを多く含み,無重力の宇宙空間での生活をサポート 宇宙ステーション長期滞在用に特別に開発されたビーフカレー」と説明されており,カレーの写真のほかに,国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」の写真も掲載されています。

 箱の裏面には詳しい説明書きがありました。

(箱(裏面)説明書き)
Photo_5

 その説明書きには,
(1)世界15カ国が協力して計画を進めている国際宇宙ステーション(ISS)に日本初の宇宙有人実験施設「きぼう」が取りつけられていること

(2)「スペースカレー」は,ハウス食品が宇宙航空研究開発機構(JAXA)とともに開発し,正式認証されていること

(3)ISSの中(無重力状態)で食べることを想定し,ウコン・カルシウムを多く含ませ,スパイシーで味を濃くしていること
 が説明されています。

 無重力状態では食べ物の重みだけでなく,舌で感じる味まで軽くなったように感じるのかも知れません。

 スペースカレーの箱を開け,レトルトを鍋に入れて熱湯で温めました。

 スペースカレーも完成です。


宇宙食で作ったカレーライス「スペースカレーライス」

 宇宙白飯を皿に盛りつけ,スペースカレーをかけました。

 これで宇宙食のみで作った「スペースカレーライス」の完成です。

(「スペースカレーライス」)
Photo_6

 素晴らしいです。そして贅沢な組み合わせです。

 しばし感動を覚えながら,実際に「スペースカレーライス」を味わってみました。

 スペースカレーはビーフカレーなので,基本食材として牛肉が使われていますが,具材として一番多いのは「きのこ」類です。

 舞茸,エリンギ,マッシュルームといろんな種類のきのこが入っており,「きのこビーフカレー」と表現するとぴったり当てはまると思いました。

 味は洋風のカレーで,ハウス食品のお馴染みのレトルトカレーの味と大差はないように思いました。

 ただ,説明書きにもあったように,若干味が濃くて,こしょう系のスパイスもやや強く感じられる味に仕上げられています。

 この濃くてスパイシーなスペースカレーが宇宙白飯と一緒に食べるとちょうどよい味となり,途中からは宇宙食であることを忘れ,普通にカレーライスとして美味しくいただきました。

 なかなか楽しい宇宙食体験でした。


宇宙食に求められるナトリウム量制限と実例

 「宇宙日本食」は宇宙航空研究開発機構(JAXA)が認証した日本版の宇宙食のことで,和食に限らず日本で通常食べられているものが対象とされています。

 ただ,宇宙食である以上,やはり厳しい条件を数多くクリアしなければならないようです。

 例えば,「食品中のナトリウム量を1,000mg以下に抑える」という制限が設けられています。

 宇宙食の場合,なぜナトリウム量を制限する必要があるのでしょうか。

 宇宙空間は重力が微少となるため,骨からのカルシウム喪失が増加し,骨量が減少しやすくなります。

 こうした環境にあって,宇宙飛行士がカルシウムの代謝を促進させるナトリウムを多く摂取すると,骨量が減少するリスクをさらに高めてしまうこととなるのです。

 こうした事態を防ぐため,ナトリウム量に制限が設けられているという訳です。

 裏を返せば,カルシウムを強化した食品が望ましいとも言えます。

 今回の「スペースカレー(宇宙日本食レトルトカレー)」も,この骨量減少が考慮された食品となっています。

 具体的には,ビタミンD(※)やイソフラボンが添加されることで,カルシウムの調整・強化・吸収の促進や骨密度の強化が図られているのです。
 (※ビタミンD2,D3を含む食品として,魚肉,肝臓,鶏卵,きのこ,海藻類などがある。)

 先にこのスペースカレーは「きのこビーフカレー」という表現が合うとお話ししましたが,これはビタミンDを強化するため,ひいては人間の骨密度を安定させるためにきのこ類が多く入れられているとも言えるのです。

 この条件のほか,スペースカレーの場合は,宇宙放射線による細胞の酸化を考慮し,抗酸化作用のあるウコン(ターメリック)が強化(通常製品比 2倍強)されているなど,様々な工夫がなされています。

 レトルトカレー1つとっても,美味しさだけでなく,地球とは異なる宇宙の環境で働く宇宙飛行士の健康までも考慮された食品でないと,宇宙食と成り得る条件をクリア出来ないのです。

 宇宙飛行士の栄養確保・健康維持に必要不可欠な宇宙食。

 宇宙では宇宙データ観測,科学実験,医学実験など様々な活動が行われていますが,こうした活動を行えるのも,美味しい宇宙食があってこそです。

 宇宙食の確保・品質向上は,人間が宇宙で研究活動を行うための前提条件の1つと言えるでしょう。


<関連リンク>
 「国際宇宙ステーション(ISS)」(宇宙航空研究開発機構(JAXA))
 「宇宙日本食」(宇宙航空研究開発機構(JAXA))
 「スペースカレー<ビーフ>」(ハウス食品株式会社)
 「アルファ米を知る(宇宙日本食)」(尾西食品株式会社)

<関連記事>
 「宇宙食の世界1 -スペースブレッド- スペースワールド グランドフィナーレを迎えて
 「宇宙食の世界2 -ライスケーキ(おもち)-

2018年1月30日 (火)

広島のレモン菓子・レモンケーキ8

 広島で売られているレモン菓子・レモンケーキを御紹介します。


あじば農園「自然派レモンケーキ」

 広島県尾道市瀬戸田町の「あじば農園」と広島県安芸郡府中町の社会福祉法人 福祉の郷「なないろ作業所」のコラボにより誕生した「自然派レモンケーキ」です。

(あじば農園「自然派レモンケーキ」(包装))
Photo

 あじば農園の無農薬レモン,東広島市福富町「はやしナチュラルファーム」の「こだわりたまご」,国産のバター・小麦粉・砂糖が使われた自然派のレモンケーキです。

(あじば農園「自然派レモンケーキ」)
Photo_2

 サイズは横約7cm,幅約4.5cm,高さ約3.5cmです。

(あじば農園「自然派レモンケーキ」(中身))
Photo_3

 レモンケーキの表面が,約5mmの厚さで濃い黄色になっているのがお分かりになるでしょうか。

 このレモンケーキは,表面をレモンチョコでコーティングする代わりに,表面を酸味の強いレモンシロップで浸したような加工がされています。

 中のしっかりと詰まったケーキ生地と表面のやわらかくレモンの酸味の強い生地の2層構造となっており,レモンチョコのアクセントとはひと味違ったレモンの酸味・風味の変化を楽しむことが出来ます。

 シンプルな見た目ですが,なかなか個性的なレモンケーキです。

 あじば農園では,このレモンケーキのほか,「ちーとすいー」(ちょっと酸っぱめのレモンケーキ),「ぶちすいー」(かなり酸っぱめのレモンケーキ),「ほろよいれもん」(お酒入りレモンケーキ),「はちみつれもん」(はちみつ入りレモンケーキ)などのレモンケーキがラインナップされています。

 「あじば農園」(広島県尾道市瀬戸田町高根187)
 「なないろ作業所」(広島県安芸郡府中町浜田三丁目9-1)


フランス菓子工房 ドルセ「せとのかレモンケーキ」

 福山市三吉町三丁目にあるカフェ・洋菓子店「フランス菓子工房 ドルセ」の「せとのかレモンケーキ」です。

(フランス菓子工房ドルセ「せとのかレモンケーキ」(包装))
Photo_4

 ドルセのレモンケーキは,1977年の開店当時からの看板商品だそうです。

(フランス菓子工房ドルセ「せとのかレモンケーキ」)
Photo_5

 サイズは横約8cm,幅約5cm,高さ約4cmで,レモンケーキの中では大きめです。

 黄色いレモンチョコがケーキの表面全体にコーティングされています。

(フランス菓子工房ドルセ「せとのかレモンケーキ」(中身))
Photo_6

 ケーキ生地はショートケーキ生地のような,きめ細かくふわふわな仕上がりとなっています。

 小さなレモンピールも入っています。

 バター風味よりも若干レモン風味の方が強いケーキ生地に,程よい酸味のあるレモンチョコがかけられ,バランスのとれたレモンケーキとなっています。

 「フランス菓子工房 ドルセ」(福山市三吉町三丁目9-25)


メゾン・ラブレ「広島ケーキ」

 
広島市中区本川町一丁目にあるフランス菓子店「メゾン・ラブレ」の「広島ケーキ」です。

(メゾン・ラブレ「広島ケーキ」(包装))
Photo_7

 レモンケーキではなく「広島ケーキ」と呼ばれています。

 レモンの実と葉がデザインされた包装です。

(メゾン・ラブレ「広島ケーキ」)
Photo_8

 レモンの形ではなく,円形となっています。

 サイズは直径約8cm,高さ約2.5cmです。

 白いレモンチョコ(ホワイトチョコ)にレモンピールがのせられています。

(メゾン・ラブレ「広島ケーキ」(中身))
Photo_9

 ケーキ生地はしっとりとしたバター風味となっています。
 そしてケーキ生地にも細かなレモンピールが入っています。

 ケーキ生地はもちろん,白いレモンチョコにもしっかりとレモンの酸味・風味があり,なおかつ上にのせられたやわらかく甘酸っぱいレモンピールもアクセントになっています。

 一度に様々なレモンの風味を味わえる,面白いレモンケーキです。

 「メゾン・ラブレ」(広島市中区本川町一丁目1-24)


 以上,レモン菓子・レモンケーキを購入される際の参考になれば幸いです。


<関連リンク>
 「レモンのお菓子」(「chibiaya日記」)
 chibiayaさんが,関東で販売されているレモンケーキを中心に,レモンケーキの情報を詳しく紹介されています。

<レモンケーキ関連記事>
 「食文化関連記事一覧表・索引」の「食文化事例研究」にある「レモンケーキ・レモン菓子」を御参照ください。

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