食文化事例研究

2017年8月12日 (土)

広島のレモン菓子・レモンケーキ6

 広島で売られているレモン菓子・レモンケーキを御紹介します。


香る堂春長「レモンの花咲くところ(レモンケーキ)」

 広島市東区牛田早稲田の創作菓子処「香る堂春長」の「レモンの花咲くところ」という名前のレモンケーキです。

(香る堂春長「レモンの花咲くところ(レモンケーキ)」(包装))
Photo_4

 ヨハン・シュトラウス2世がイタリアのレモン畑の様子を音楽にした「レモンの花咲くところ」という曲がありますが,その曲名にちなんだレモンケーキなのかも知れません。

 広島県尾道市瀬戸田町の「エコレモン」と国産小麦粉が使用されているのが特徴です。

(香る堂春長「レモンの花咲くところ(レモンケーキ)」)
Photo_5

 涙形か先の尖ったレードル(おたま)の形のような珍しいレモン型で作られたレモンケーキです。

 レモンチョコは上側半分にコーティングされており,落ち着いたベージュに近い黄色をしています。

(香る堂春長「レモンの花咲くところ(レモンケーキ)」(中身))
Photo_3

 ケーキ生地はきめ細かく,さっくりとしていました。

 バター風味も若干ありましたが,細かいレモンピールが入っており,レモン風味を強く感じるケーキでした。


 「香る堂春長」(広島市東区牛田早稲田1丁目5-12)


虎屋本舗「れもんけーき」

 福山の老舗和洋菓子店「虎屋本舗」の「れもんけーき」です。

(虎屋本舗「れもんけーき」(包装))
Photo_6

 このレモンケーキに限らず,「初恋の味」と書かれたレモンケーキが多いような気がします。甘酸っぱいイメージによるものなのでしょうか。

(虎屋本舗「れもんけーき」)
Photo_7

 サイズは横約7.5cm,幅約5cm,高さ約3.5cmです。

 レモンチョコはケーキ生地に均一に,浅めにコーティングされています。

(虎屋本舗「れもんけーき」(中身))
Photo_8

 広島県尾道市瀬戸田町のレモンが使用されています。

 ケーキ生地はバターケーキに近く,バターの風味を感じますが,中にレモンピールが混ぜ込まれており,レモンの酸味がアクセントになっていました。

 昔ながらのシンプルで素朴なレシピで作られたレモンケーキです。


 「虎屋本舗」(広島県福山市曙町1丁目11-18)


洋菓子のシナガワ「瀬戸のレモンケーキ」

 広島市西区観音本町にある洋菓子店「シナガワ」の「瀬戸のレモンケーキ」です。

(洋菓子のシナガワ「瀬戸のレモンケーキ」(包装))
Photo

 包装に書かれている「l'utilisation de la matière à un choix rigoureux」はレモンケーキの説明文かと思い,フランス語の辞典を引いてみると,どうやら「厳選された原材料を使用しています」といった意味のようです。

(洋菓子のシナガワ「瀬戸のレモンケーキ」)
Photo_2

 サイズは横約7cm,幅約5cm,高さ約3cmです。

 レモンチョコが上品にチョコっとだけコーティングされています。こういうコーティングのレモンケーキは初めてです。

(洋菓子のシナガワ「瀬戸のレモンケーキ」(中身))
Photo_3

 しっとりとしたコクのあるケーキで,レモンの風味を強く感じます。

 これは,ケーキ生地にレモンの皮をすりおろした「レモンゼスト」が入っているからなのでしょう。

 洋菓子の特徴を生かしたレモンケーキだと思います。


 「洋菓子のシナガワ」(広島市西区観音本町1-15-2)


シュクレラボ・ロアジス「瀬戸内レモンケーキ」

 呉市焼山北にある洋菓子店「シュクレラボ・ロアジス」の「瀬戸内レモンケーキ」です。

(シュクレラボ・ロアジス「瀬戸内レモンケーキ」(包装))
Photo_4

 一般的なレモンケーキはずんぐりした形ですが,こちらは一回り小さめのスマートな形をしており,モダンなレモンケーキに仕上げられています。

(シュクレラボ・ロアジス「瀬戸内レモンケーキ」)
Photo_5

 レモンチョコが濃い黄色をしています。

(シュクレラボ・ロアジス「瀬戸内レモンケーキ」(中身))
Photo_6

 ケーキ生地の原材料には,サワークリームやアーモンドパウダーも使用されています。

 レモンピールが入れられていることもありますが,ケーキ生地自体にかなり強いレモン風味と酸味を感じました。

 また,濃い黄色のレモンチョコも同様にしっかりとしたレモンの風味が感じられました。

 サイズは小ぶりながらも,まるでレモンを丸ごとかじっているかのような,レモン風味をしっかり感じられるレモンケーキです。


 「シュクレラボ・ロアジス」(広島県呉市焼山北1-9-9)


シュクレラボ・ガーベラ「ハート島のレモンケーキ」

 東広島市西条町御園宇にある洋菓子店「シュクレラボ・ガーベラ」の「ハート島のレモンケーキ」です。

(シュクレラボ・ガーベラ「ハート島のレモンケーキ」(包装))
Photo_7

 ハート形のレモンケーキです。

 広島のハート島をモチーフにしたレモンケーキですが,ここでこのハート島について少し触れておきたいと思います。

 広島のハート島は,広島県東広島市安芸津町にある瀬戸内海に浮かぶ「小芝島」と呼ばれる小さな無人島で,ハート形に見えることからそう名付けられました。

 詳しくは,こちらのウェブ記事を御覧ください。

 「ハートの島 小芝島を,大芝大橋を渡って見に行ってみる」(「広島ニュース 食べタインジャー」2012年1月17日記事)

(シュクレラボ・ガーベラ「ハート島のレモンケーキ」)
Photo_8

 確かにこのレモンケーキは,ハート島の形をしています。

 ハート形を半分に切るというのは,少し抵抗がありましたが,中の様子を確認するため,切ってみました。

(シュクレラボ・ガーベラ「ハート島のレモンケーキ」(中身))
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 バターケーキの生地で,中にダイス状のレモンピールが入っています。

 レモンチョコのコーティングはありませんが,ケーキ生地にしっかりとしたレモン風味を感じました。

 レモンピールもアクセントとなり,しっかりとレモンの風味や酸味を感じることの出来るレモンケーキです。

 この「ハート島のレモンケーキ」は,JR山陽本線西条駅構内にある「おみやげ街道 西条」でも購入することができます。

 2個1セットで,地元オリジナルの洋菓子なので,お土産にしても喜ばれると思います。

 「シュクレラボ・ガーベラ」(東広島市西条町御園宇6225-1)


 以上,レモン菓子・レモンケーキを購入される際の参考になれば幸いです。


<関連リンク>
 「レモンのお菓子」(「chibiaya日記」)
 chibiayaさんが,関東で販売されているレモンケーキを中心に,レモンケーキの情報を詳しく紹介されています。

<レモンケーキ関連記事>
 「レモンケーキとブランデーケーキ -レモンケーキが今も支持されている理由-
 「広島のレモン菓子・レモンケーキ1 -和菓子から生まれた日本独自の洋菓子-
 「広島のレモン菓子・レモンケーキ2 -レモンケーキの分類方法-
 「広島のレモン菓子・レモンケーキ3
 「広島のレモン菓子・レモンケーキ4
 「広島のレモン菓子・レモンケーキ5 -レモンブラン-

2017年6月29日 (木)

全国チェーン店のレモン菓子 -レモンドーナツ・レモン大福-

 最近,店頭でレモンを売りにした菓子・飲料・食品をよく見かけるようになりました。

 私が地元広島の店を中心に見て回っているからかとも思いましたが,レモン関連食品の増加はどうやら全国的な傾向のようです。

 今回は全国的に販売されているレモン菓子のうち,レモンドーナツとレモン大福をいくつか御紹介したいと思います。


セブンイレブン「レモンオールドファッション」

 セブンイレブンのセブンカフェドーナツで販売されている「レモンオールドファッション」です。

(セブンイレブン「レモンオールドファッション」)
Photo

 カリカリに揚げられたベーシックなドーナツ,オールドファッションの上に縞模様に黄色いレモンチョコがかけられています。

 ドーナツ自体は普通のオールドファッションですが,上にかけられているレモンチョコにレモンの強い風味や酸味があり,ドーナツにアクセントを与えています。

 レモンケーキにかけられているレモンチョコと同じものが,そのままドーナツにかけられている感じです。

 ドーナツ全体にレモンチョコがかけられているので,レモンの味・風味をまんべんなく楽しむことができます。


ローソン「オールドファッション レモン」

 ローソンのマチカフェで販売されている「オールドファッション レモン」です。

(ローソン「オールドファッション レモン」(包装))
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 包装が七夕衣装のミッキーマウスとミニーマウスとなっています。

 中のドーナツにかかった黄色いクランチは,包装袋の七夕のデザインを通して見ると,天の川に光り輝く星がイメージされているようにも見えます。

(ローソン「オールドファッション レモン」)
Photo_3

 オールドファッションに白いレモングレーズと黄色いレモンクランチがトッピングされています。

 レモンの風味・酸味はサクサクの黄色いレモンクランチの方がより強く感じました。

 レモングレーズとレモンクランチにより,レモンの風味や酸味が重層的に味わえる仕上がりとなっています。


タリーズコーヒー「ウィークエンドシトロンドーナツ」

 最近,広島でも取り扱う店が増えてきたフランスの伝統焼菓子「ウィークエンドシトロン」。

 「ウィークエンドシトロン」とは,週末(ウィークエンド)に大切な人と一緒に食べるレモン(フランス語ではシトロン)ケーキという意味で,要するにレモン風味の糖衣がけ(アイシング)パウンドケーキのことです。

 タリーズコーヒーに立ち寄った際,「ウィークエンドシトロンドーナツ」と名付けられたドーナツが販売されていたので,興味を持ち,コーヒーとセットで購入してみました。

(タリーズコーヒー「ウィークエンドシトロンドーナツ」)
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 ドーナツはオールドファッションで,糖衣がけされています。

 一部に刻まれたレモンピールがのせられており,少量でも強くさわやかなレモンの酸味を感じました。

 糖衣がけなので甘味も強いのですが,これをタリーズのコーヒーと一緒にいただくと,相性(フードペアリング)が抜群でした。


はらドーナッツ「塩レモン」

 はらドーナッツに「塩レモン」というドーナッツが販売されていました。

(はらドーナッツ「塩レモン」)
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 基本のはらドーナッツに糖衣がけ(アイシング)され,その上にレモンピールの塊が均等にトッピングされた季節限定ドーナッツです。

 ドーナッツ生地にはおからと豆乳が使用されているため,さっくりとした素朴な味わいのドーナッツに仕上がっています。

 トッピングの角切りレモンピールによる酸味,アイシングの甘味,そしてほのかな塩味がうまく調和し,暑い季節にぴったりのドーナッツだと思いました。


柿安 口福堂「レモン大福」

 柿安 口福堂に「レモン大福」なる和菓子が販売されていたので,購入してみました。

(柿安 口福堂「レモン大福」)
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 見た目が黄色いレモンそっくりです。

 レモン大福と言われてもピンとこなかったのですが,購入時にお店の方から「必ず冷やしてから召し上がってください。」と念を押され,理由がよくわからないまま,自宅の冷蔵庫で冷やし,頃合いを見計らっていただきました。

(柿安 口福堂「レモン大福」(中身))
Photo_7

 レモン大福を少し斜めに切って断面を見ると,白あんの中にレモンのゼリーが入っていたので驚きました。

 外側から,レモンをイメージした黄色いもち,レモン果汁入りの酸味を感じる白あん,そしてレモンピール入りのレモンゼリーという3層構造になっています。

 レモンゼリーには角切りのレモンピールがたっぷり含まれており,レモンの酸味も強く感じました。

 お店の方がおっしゃった「冷やして食べる方がよい」というお話も,中にレモンゼリーが入っていることで理解できました。

 レモンをイメージさせる黄色いもち,レモン入り白あん,レモンゼリー,レモンピールと,様々な食感・風味のレモン菓子を一度に味わい,楽しむことができます。

 レモンを使った創作和菓子としてよく考えられており,おすすめのレモン菓子です。

2017年6月 2日 (金)

広島のレモン菓子・レモンケーキ5 -レモンブラン-

レモンブラン

 レモンケーキにお詳しい読者の方から,レモンブランというお菓子があることを教えていただきました。

 教えていただいた当初,私はレモンブランは「レモン」と「ブランマンジェ」(blanc manger:白いプリンのような菓子)の「ブラン」を合わせた言葉で,つまりはレモン風味の白いプリンのことではないかと想像しました。

 そこでレモンブランをインターネットで確認したところ,あのモンブラン独特の形をした画像が多く,レモンとモンブランを合わせた造語であることを理解しました。

 モンブラン好きの私は,広島で有名なレモンブランを購入し,味わってみることとしました。


洋菓子店「サバラン」の「レ・モンブラン」

 広島市中区本通にある洋菓子店「サバラン」を訪問しました。

 このお店は,店名にもあるように,サバラン(ブリオッシュ生地に洋酒をたっぷり含ませたフランス生まれのお菓子)が自慢のお店です。

 このお店で独自に開発された「レ・モンブラン」。

 シェフにこの「レ・モンブラン」についてお話を伺うと,約8年前から販売されている人気のオリジナル商品で,広島のレモンをふんだんに使っているのが特徴だと教えていただきました。

 「レ・モンブラン」を購入し,自宅まで約5kmの道のりを自転車で慎重に持って帰りました。

(レ・モンブラン)
Photo

 箱を開け,形が崩れてなかったのでホッとしました。

 日本のモンブランでよく見かけるひも状(渦巻き状)のクリームではなく,白いクリームを盛ることで山の形が表現されています。

 形は,一般的なモンブランにみられる丸い形ではなく,レモンケーキと同じようなレモンの形をしています。

 まさに,レモンの形の白い山「モンブラン(mont blanc)」,いわゆるレモンブランになっています。

 周りはローストしたスライスアーモンドがまぶされています。

 イタリア版のモンブラン「モンテ・ビアンコ(monte bianco)」ともよく似ています。

(レ・モンブラン(中身))
Photo_2

 半分に切ってみると,白いクリームが高く盛られている様子がよくわかります。

 この「レ・モンブラン」を実際にいただきながら,ケーキの味や構造などを確認しました。

(レ・モンブラン(断面))
Photo_3

 このように斜めに切ってみるとより明確になるのですが,ケーキは上から順番に,

 ○ピスタチオ 
 ○レモン風味のクリームチーズ
 ○生クリーム
 ○スポンジケーキ
 ○カスタードクリーム
 ○レモンピール
 ○アーモンド風味の薄焼きクッキー(土台)

 という材料で構成されています。

 どちらも白いので見分けにくいですが,白い部分は表面のクリームチーズと中の生クリームという2層構造になっており,クリームチーズにレモン果汁がたっぷり入っているので,強い酸味を感じました。

 そして固くて薄いクッキーの上にのせられたレモンピールの酸味や甘み,周りのローストされた香ばしいスライスアーモンドが,味にアクセントを与えてくれました。

 さらに,中のしっとりしたスポンジケーキやカスタードクリームも,クリームチーズや生クリームと調和し,全体的にうまくまとまったモンブランとなっていました。

 広島の洋菓子店「サバラン」の「レ・モンブラン」は,レモンの強い酸味をアクセントにし,様々な風味・食感を一度に味わえる贅沢なケーキでした。


 「サバラン」(広島市中区本通6-2)

2017年5月17日 (水)

広島のレモン菓子・レモンケーキ4

広島で売られているレモン菓子・レモンケーキを御紹介します。


カトルフィユ「広島レモーネ」

 広島市南区の西洋菓子「カトルフィユ」の「広島レモーネ」というレモンケーキです。

(カトルフィユ「広島レモーネ」(包装))
Photo

 「大長みかん」で有名な呉市豊町(大崎下島)の大長で採れたレモンが使用されています。

(カトルフィユ「広島レモーネ」)
Photo_2

 このレモンケーキの特徴は,何と言ってもその形です。

 一般的なレモンケーキは安定するよう底が平らになっていますが,カトルフィユのレモンケーキは,レモンの形そのままなのです。

 コロコロして安定はしませんが,リアリティあふれるレモンケーキに仕上がっています。

(カトルフィユ「広島レモーネ」(中身))
Photo_3

 ケーキ生地が濃い黄色なのも特徴で,レモンチョコの白さと対照的です。

 レモンピールやレモンマーマレードも入っており,ケーキ生地の色からもおわかりのように,レモンの味・風味は強いです。

 しっとりときめ細かいケーキ生地や,白く上品なレモンチョコは,西洋菓子店ならではだと思います。

 
 「カトルフィユ」(広島市南区皆実二丁目5-1)


みしまや「れもんケーキ」

 広島県尾道市瀬戸田町にある老舗和菓子店「みしまや」の「れもんケーキ」です。

(みしまや「れもんケーキ」(包装))
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 老舗の伝統を感じる黄色い包装です。

(みしまや「れもんケーキ」)
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 長さ約5.5cm,幅約4cm,高さ約3cmと小ぶりなサイズです。

 包装やサイズが,同じ広島県尾道市瀬戸田町にある向栄堂の「瀬戸田レモンケーキ」(「広島のレモン菓子・レモンケーキ1 -和菓子から生まれた日本独自の洋菓子-」参照)とよく似ており,レモンケーキの本場,瀬戸田ではこの大きさが1つの標準サイズとして受け継がれているのかも知れません。

(みしまや「れもんケーキ」(中身))
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 レモンチョコは,底も含めてケーキ生地全体が薄くコーティングされています。

 レモンピールはありませんが,その分,バター風味よりもレモン風味が重視されています。

 ケーキ生地が白くきめ細かいのが特徴で,やわらかくて口の中で溶けるような食感です。


 「みしまや」(広島県尾道市瀬戸田町沢209-17)


本田屋「レモンケーキ」

 広島県呉市本通四丁目にあるカステラで有名な和洋菓子店「本田屋」の「レモンケーキ」です。

(本田屋「レモンケーキ」(包装))
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 キャンディーのようにねじられた包装となっています。

 包装紙の中も写真奥のようにアルミホイルで包まれており,どこか懐かしさを感じるレモンケーキです。

(本田屋「レモンケーキ」)
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 長さ約6cm,幅約5cm,高さ約4.5cmと大きめのサイズです。

 レモンチョコは表面にまんべんなく,厚めにかけられています。

(本田屋「レモンケーキ」(中身))
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 断面を御覧いただくと,レモンチョコのコーティングが厚めであることが御理解いただけるかと思います。

 レモンピールはありませんが,キルシュワッサー(さくらんぼの蒸留酒)入りのしっかりしたケーキ生地で,レモンのさわやかな風味が口いっぱいに広がります。

 このお店では,このレモンケーキのほかにも,カステラや「ロシアケーキ」と呼ばれるメレンゲとジャムがのせられたクッキーなど,昔ながらの洋菓子も売られています。


 「本田屋」(広島県呉市本通4丁目8-3)


粉麦「レモンケーキ」

 広島市安佐南区沼田町吉山。

 広島市中心地から車で約30分という近さにある里山で,採れたて野菜や加工品のマルシェ,自然食レストラン,パン屋,洋菓子屋などが点在する,広島で今注目されている食の発信地です。

 その地区にある焼菓子と家具の店「粉麦(こなむぎ)」の「レモンケーキ」です。

(粉麦「レモンケーキ」)
Photo_10

 直径約6cm,高さ約3.5cmの小さなクグロフ型のレモンケーキで,表面にピスタチオとレモン果汁入りの砂糖(アイシング)がかかっています。

(粉麦「レモンケーキ」(中身))
Photo_11

 ケーキ生地の材料に発酵バターやきび砂糖,アーモンドプードルが使われていることから,濃いめの色のしっかりとした生地に仕上がっており,バターやアーモンドのコクも感じられます。

 このレモンケーキの特徴は,表面の砂糖(アイシング)にレモンの風味や酸味が強く感じられることで,ケーキ生地と一緒にいただくことで,レモンケーキだと実感することができます。


 「粉麦」(広島市安佐南区沼田町吉山246-2)


 以上,レモン菓子・レモンケーキを購入される際の参考になれば幸いです。


<関連リンク>
レモンのお菓子」(「chibiaya日記」)
chibiayaさんが,関東で販売されているレモンケーキを中心に,レモンケーキの情報を詳しく紹介されています。

<レモンケーキ関連記事>
レモンケーキとブランデーケーキ -レモンケーキが今も支持されている理由-

広島のレモン菓子・レモンケーキ1 -和菓子から生まれた日本独自の洋菓子-

広島のレモン菓子・レモンケーキ2 -レモンケーキの分類方法-

広島のレモン菓子・レモンケーキ3

2017年3月25日 (土)

あずきの研究12 -なぜ冬に水ようかんを食べる地方があるのか-

福島県会津若松市の水ようかんと湯の花羊羹

 石川県輪島市の水ようかん(「石川の冬・正月を代表するお菓子 -水ようかん・福梅-」を参照)をお読みいただいた読者の方から,「地元(福島)にも大きな水ようかんがある」との情報をいただき,興味を持って取り寄せてみました。

 私はこれまで,福井や石川など北陸地方の水ようかんや,三重県伊賀上野市の「丁稚ようかん」と呼ばれる水ようかんをいただいたことがあるのですが,福島で水ようかんが食べられているという話は初耳で,京都や金沢など和菓子で有名な都市からも離れた場所にあるということにも興味を持ちました。

 今回取り寄せたのは,福島県会津若松市の東山温泉にある「松本家」の「水ようかん」と「湯の花羊羹」です。

【「松本家」の「水ようかん」】

 注文の品が届けられたので,早速「水ようかん」から箱を開けてみました。

(松本家「水ようかん」(箱))
Photo

 やはり1本1本が大きいです。

 輪島の水ようかんよりも大きいように感じました。

 写真の水ようかんは,5本入のものですが,このほかにも7本入,10本入が販売されているので,さらに大きな水ようかんが売られていることとなります。

(松本家「水ようかん」(1本))
Photo_2

 1本の水ようかんの形です。

 大きさを測ってみると,長さ約15.5cm,幅と高さはいずれも約2.5cmありました。

(松本家「水ようかん」(計測))
Photo_4
 
 輪島の水ようかん1本の長さが約13cmですから,やはり一回り大きいものとなっています。

 水ようかんはさらりとした食感を味わえるこしあんのものが多いのですが,この水ようかんは,こしあんをベースに,粒あんも入っています。

 したがって,こしあんのさらりとした食感と粒あんの持つ小豆本来の味・食感の両方を味わうことができます。

【「松本家」の「湯の花羊羹」】

 続いて,水ようかんと一緒に取り寄せた「湯の花羊羹」です。

 地元では丸ようかんとも呼ばれているようで,電話でお店の方に「『丸ようかん』と言うようかんはありますか。」と尋ねると,「ああ,『湯の花羊羹』ですね。」と教えてくださいました。

(松本家「湯の花羊羹」(箱))
Photo_5

 練りようかんが竹の皮で筒状に包装されています。

 「東山名物」,「少年白虎」などと記されており,昔から会津地方,東山温泉の名物だったことが読み取れます。

(松本家「湯の花羊羹」(1本))
Photo_6

 水ようかんと比べると小さいように感じますが,長さは約12cmあります。

 こちらは小豆粒がない本煉ようかんで,しっかりとした甘味とコクがあります。

 ようかんの煉り具合や甘さが絶妙で,ファンが多いのも納得の一品でした。


水ようかんが田舎羊羹や丁稚ようかんと呼ばれる理由

 水ようかんは,別名「田舎ようかん」とか「丁稚(でっち)ようかん」とも呼ばれています。

 「田舎ようかん」と呼ばれる理由については,

 (1)寒天を使い,本練ようかんに比べてかさを増して作られていること
 (2)粒あん(小豆粒)で作られ,素朴な味わいが残されていること

 などが挙げられます。

 また,「丁稚ようかん」と呼ばれる理由については,

 (1)甘さが控えめ(贅沢な砂糖の使用量が控えめ)なこと
 (2)京や大坂の商家に住み込みの丁稚が盆や正月の里帰りの際のお土産として買える値段のようかんだったこと
 (3)煉りようかんを作った後に残ったようかんを水に混ぜて作ったこと
 (4)丁稚でも簡単に作れるようかんだったこと

 など諸説あるようです。


冬に水ようかんを食べる地方がある理由

 では,なぜ冬に水ようかんを食べる地方があるのでしょうか。
 私なりに考察してみました。


1 本煉ようかんは贈答用,水ようかんは自家用

 水ようかんは,本煉ようかんに比べて,同じ小豆あんの量だと,より多くの量を作ることができます。

 ということは,その分,菓子店は多くの量のようかんを安価に提供することが可能ですし,消費者も自家用として購入しやすいのです。

 また,本煉ようかんとは異なり,水ようかんは家庭でも比較的容易に作ることができるので,自家用に適した菓子だとも言えるでしょう。


2 水ようかんは和菓子文化が栄えた都市周辺に多い

 古くから宮廷文化や武家文化とともにお茶や和菓子文化が栄えた都市(京都,金沢,松江など)では,茶道のお茶菓子や贈答用として本煉ようかんが使われたことでしょう。

 一方で,お茶や和菓子文化が栄えた都市周辺では,人々の交流によって本煉ようかんの存在や技法は知られていたとしても,それは高嶺の花だったに違いありません。

 そこで,本煉ようかんに近く,より気軽に食べられるようかんとして水ようかんが好まれるようになったのではないでしょうか。

 今回御紹介した会津若松の水ようかんも,京都や金沢から伝えられたものと思います。


3 水ようかんは夏場に日持ちしない

 水ようかんと呼ばれるぐらいなので,本煉ようかんと比べ,水ようかんの方が水分を多く含んでいる訳ですが,水分を多く含むということは,それだけ日持ちしないことも意味します。

 これが夏場であれば,なおさらです。

 お茶や和菓子文化が栄えた都市なら,夏場に涼を呼ぶ菓子として,菓子職人がその日に作った水ようかんを客に提供できる菓子店は多く存在したことでしょう。

 しかし,冷蔵庫もない時代に,このような提供は一般的な話ではないのです。

 水ようかんの保存まで考えると,暑い夏よりは寒い冬に用意し,食べる方が理に適っているのです。


 以上のような理由から,お茶や和菓子文化が栄えた都市周辺の地方で,年末年始など家族が集まった時に,赤い小豆を用いためでたい水ようかんをみんなで食べることが定着し,今日に至っていると考えられます。

2017年3月18日 (土)

新幹線車内でレモンケーキを味わう -山陽新幹線・東北・北海道新幹線・さかたやのレモンケーキ-

 レモンケーキに興味を持ち,これまでいろんなレモンケーキを味わってきましたが,近くで販売されていながら,なかなか味わうことのできなかったレモンケーキがあります。

 山陽新幹線(新大阪-博多間)の車内販売限定のレモンケーキです。

 広島市内に住んでいるので,新幹線が行き来する姿はいつでも見ることができますが,その車内でしか売られていないレモンケーキを買うためには,実際に新幹線に乗車する必要があるのです。

 この度,新幹線に乗る機会があり,そのレモンケーキなどを購入して車内で味わうことができたので,御紹介します。


山陽新幹線車内販売限定「瀬戸内レモレーヌ」

 朝,広島から東京に向かう東海道・山陽新幹線「のぞみ」の車内。

 私はワゴンサービスが来るのを楽しみにしていました。

 実は,以前にもこのレモンケーキを買うべく,車内販売で注文したのですが,夜遅かったため売り切れていました。

 こうした経験があったので,朝の車内販売なら期待大だと思ったのです。

 広島を出て程なく,ワゴンサービスが来られ,今回は無事購入出来ました。

 早速,新幹線の席の後方にある机を出して写真撮影です。

(山陽新幹線「瀬戸内レモレーヌ」(包装))
Photo

 これが「瀬戸内レモレーヌ」です。

 「株式会社ジェイアール西日本フードサービスネット」が販売している山陽新幹線車内販売限定のスイーツです。

 製造は,「アンデルセン」グループのパン製造メーカー「タカキベーカリー」です。

 ちなみに「レモレーヌ」は,「レモンケーキ」と「マドレーヌ」を掛け合わせたオリジナルネームとなっています。

 オリジナルのビニール袋や車内販売メニューのパンフレットもいただきました。

(オリジナル袋・車内販売パンフレット)
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 新幹線の車内から沿線各地のものづくりの魅力を発信する「走る日本市」プロジェクトによる車内限定商品も多数用意されていました。

 お菓子・おつまみでも,この「瀬戸内レモレーヌ」をはじめ,「チップスター(海の精)」や「柿の種と黒大豆」など,山陽新幹線オリジナル商品が用意されていました。

(山陽新幹線車内販売メニュー)
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 普段,あまりワゴンサービスを利用しない人でも,このような車内限定商品であれば買ってみようと思う人も増えることは間違いなく,いろいろと工夫されておられるなと思いました。

(山陽新幹線「瀬戸内レモレーヌ」(中身))
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 ナイフがないので,手でレモンケーキを半分に分けました。

 車内でも食べやすいように,プラスチックの中皿と厚紙が入っています。

 実際にいただいてみました。

 ケーキ生地がレモン風味豊かで,しっとりしています。

 原料のレモンは,広島県呉市豊町の「大長(おおちょう)レモン」が使われています。

 バター風味は控え目で,レモンの酸味やさわやかさを前面に出したケーキ生地となっています。そして,中にはレモンピールも入っています。

 このレモンピールは,レモンマーマレードによるもので,これが特長だと言えるでしょう。

 レモンチョコはかかっていませんが,ケーキ生地のレモン風味がとても豊かで,レモンマーマレードも入っているので,これならレモンチョコは不要だと思いました。

 山陽新幹線に乗車されたら,ぜひとも味わっていただきたいと思います。

 ちなみに,車内販売限定となってはいますが,株式会社ジェイアール西日本フードサービスネットのサイトで通信販売もされているようなので,御興味を持たれた方はどうぞ。


東北・北海道新幹線「米粉レモンケーキ」

 続いて,朝,東京から盛岡に向かう東北新幹線「やまびこ」の車内でいただいたレモンケーキを御紹介します。

 東北新幹線「やまびこ」です。

(東北新幹線「やまびこ」E2系)
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仙台駅のホームで撮影

 上野を出発したあたりで,何気なく座席の網ポケットに用意されていた「東北・北海道新幹線車内販売メニュー」を手に取ると,東北・北海道新幹線でもレモンケーキが車内販売されていたので驚きました。

 ワゴンサービスが来られた直後に判明しただけに,「しまった」と思いつつ,少し不安になりながら次のワゴンサービスを待ちました。

 ワゴンサービスは,郡山の手前で再び来られました。
 私はホッと胸をなでおろし,このレモンケーキを購入しました。

(東北・北海道新幹線「米粉レモンケーキ」(包装)とメニュー)
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 「株式会社日本レストランエンタプライズ」の東北・北海道新幹線車内販売スイーツです。

 新潟県十日町市にある同社の食品工場「十日町すこやかファクトリー」で製造されています。

 瀬戸内産レモンのマーマレードと魚沼産コシヒカリの米粉が使用されていることが売りです。

 コーヒーとのお得なセットが用意されているところも山陽新幹線と同じです。

(東北・北海道新幹線「米粉レモンケーキ」(中身))
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 米粉レモンケーキの中身です。

 トンネルを出たり入ったりする度に窓からの光量が変わり,多少の揺れもあるので,アップでの写真は撮りづらかったです(笑)。

 実際にいただいてみると,しっかりと焼き上げられた米粉の香ばしさとバターケーキのコクが感じられました。

 「瀬戸内レモレーヌ」と同様,レモンのマーマレードが入っており,レモンピールの食感も楽しめました。


「のもの上野店」のさかたや「レモンケーキ」

 JR上野駅構内の「のもの上野店」へ行きました。

 「のもの」は,東日本各地域の食品などの地産品を紹介・販売している地産品ショップです。

 そこで売られていたのが新潟県長岡市の「さかたや」のレモンケーキです。

 レモンケーキにお詳しい埼玉在住のchibiayaさんの記事で知りました。
 chibiaya日記「さかたやのレモンケーキ

 広島の人間から見ると,新潟でレモンケーキを製造されるのは珍しいなと思いますが,よく考えれば,前述の「十日町すこやかファクトリー」の「米粉レモンケーキ」も新潟で作られたレモンケーキです。

 新潟もレモンケーキが人気なのではと思いながら,帰りの新幹線の中でいただくこととしました。

 東京から東海道・山陽新幹線「のぞみ」博多行きに乗車し,姫路付近でレモンケーキを開封していただきました。

 私は3列シートの窓側の席だったのですが,前後,隣とも席が埋まり,トイレに行くことすらためらいを感じる状況でした。

 このように身動きの取れない状況の中,私はおもむろに机を引き出し,レモンケーキを写真撮影しました。

(さかたや「レモンケーキ」(包装))
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 新幹線車内でレモンケーキ3個目ともなると,さすがに周りの目を気にせず,余裕すら感じられる振る舞いができるようになります(笑)。

(さかたや「レモンケーキ」(中身))
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 東京のホテルでいただいたプラスチックのナイフとフォークを使い,レモンケーキを優雅に切っていただきました。

 このレモンケーキは,レモンチョコがコーティングされています。(新幹線車内の人の熱気でレモンチョコが溶けており,レモンケーキを取り出すのが大変でした(笑))

 ケーキ生地は,ふわふわで軽めです。
 レモンピールはありませんが,レモンの風味を感じるレモンケーキでした。

 食べ終えたあと,ウェットティッシュで机を拭いて元の位置に納め,何事もなかったかのように再び旅を楽しみました。


 このように,新幹線「のぞみ」に乗車するからには,車内での食事もスマートで紳士的な態度で「のぞみ」たいものです。

2017年2月26日 (日)

パンの研究 -コッペパンの基礎知識と給食のコッペパン-

戦後の救世主 コッペパン

 コッペパンと言えば,学校給食を思い出される方も多いかと思いますが,日本でパンと牛乳が一般家庭に普及したのは,戦後,学校給食で子供達がコッペパンと脱脂粉乳に親しむようになってからのことです。

 戦後の厳しい食糧難のなかで,1954(昭和29)年に「学校給食法」が制定され,アメリカから大量のメリケン粉(小麦粉)が運ばれたこともあって,コッペパンは戦後の学童の成長・健康を支える食べ物として重要な役割を果たしてきたのです。

 まさに戦後の救世主とも言えるべきコッペパンですが,現代に至るまで,シンプルなコッペパンだけでなく,ジャムやクリームがはさまれた「菓子パン」や,焼きそばやコロッケなどがはさまれた「調理パン」など,様々な商品が販売されています。

 岩手県盛岡市の「福田パン」や福岡県福岡市の「コココッペ」のように,多くの種類の具材から自分の好みの具材を選んで食べられることで人気を得ているコッペパン専門店もあります。

 今回はこのコッペパンについてお話ししたいと思います。


コッペパンはクッペから


 コッペパンは日本発祥とされていますが,その原形・お手本はフランスパンの一種「クッペ」とされています。

 パンに切れ目を入れることをクープと言いますが,「クッペ」は,そのクープが1本入ったフランスパンの名称です。

(クッペ)
Photo

 写真は「ドンク」のクッペです。

 「クラム(パンの中身,やわらかい部分)が多い小型フランスパン」と説明書きがありました。

 確かに,そのずんぐりとした形や大きさなどが,コッペパンそっくりですし,「クッペパン」が「コッペパン」に呼ばれるようになったというのも自然な流れのようにも思えます。


日本各地の給食コッペパン

 今この記事をお読み皆さんはコッペパンというと,どんなコッペパンを想像されるでしょうか。

 ここでは,このブログの読者の皆様から事前にお寄せいただいた情報を中心に,学校給食で出されたコッペパンを御紹介したいと思います。

 主に1980年代~2000年代に給食を召し上がった皆様からいただいた情報です。


(日本各地の給食コッペパン)

青森…リンゴ入り
岩手…クルミ入り
宮城…プレーン
秋田…甘く煮た細かい人参入り
山形…プレーン
茨城…プレーン(マーガリン,ジャム,マーマレード),揚げパン,干しぶどう入り,黒糖入り,ミルクパン
福島…プレーン(イチゴジャム,マーマレード),黒糖入り
群馬…チーズ入り
埼玉…プレーン(ジャム,マーガリン),揚げパン(きなこ)
神奈川…干しぶどう入り,プレーン(はちみつ)
石川…プレーン,揚げパン
静岡…リンゴ入り
愛知…干しぶどう入り
岡山…サツマイモ入り,干しぶどう入り(細長バージョン)
広島…プレーン(マーガリン,マーマレード),黒糖入り,パイナップル入り
福岡…黒糖入り,干しぶどう入り,ケチャップ味のソーセージ(真ん中割れバージョン)

 などがあったようです。


 このほか,給食のコッペパンではありませんが,「名古屋めし」として全国的な知名度を持つようになった「小倉マーガリン」や,滋賀県長浜市の「サラダパン」(「つるやパン」)と呼ばれる,たくわん漬け入りのコッペパンなど,地域の個性的なコッペパンもあり,その地域の人々の好みに合わせて様々なコッペパンが作られてきた様子が伺えます。

 情報をお寄せいただいた読者のみなさんに,この場をお借りして深くお礼申し上げます。


昔のコッペパンと現代のコッペパンの違い

 昔のコッペパンと現代のコッペパンの違いについて考えてみました。

 昔のコッペパンの方が大きいという違いがあるかも知れません。今と違って,コッペパンの食事量に占める割合が高かっただろうと想定されるからです。

 ただ私はそれ以上に,コッペパンの生地に違いが生じているのではないかと思っています。

 これはコッペパンに限った話ではありませんが,昔のパン生地はバターやクリームといった油脂の含有量が少ないため,パサパサで,食べたらパンくずがたくさん落ちていたように思います。

 それもあって,私が小学生の時は,給食のトレーに個人で持参したナプキンを敷いていました。

 現代のパンはどうでしょう。

 日本人の好む食感(テクスチャ)が「もちもち」,「しっとり」ということもあり,パンくずがこぼれて困るという現象は,一部のこだわりを持って作られたハード系パンを除いて,あまりみられなくなったのではないでしょうか。

 豊かな食生活が送れるようになるにつれ,パン生地も,砂糖や油脂を多く含み,それだけで食べても十分おいしいリッチ系のパンが多くを占めるようになりました。

 このことは,コッペパンにおいても例外ではないでしょう。

 ただ,最近では,素材の穀物そのものの味や,健康面を重視したハード系(リーン系)のパンも注目を浴びるようになっており,パンの世界も多様な展開をしています。


私の給食の思い出とコッペパン

 私の地元・広島では,給食に出されるコッペパンについては,コッペパンと呼ばれるより,「パン」,「給食パン」または「味付けパン」と呼ばれることの方が多かったように記憶しています。

 また,低学年の時は,先生と児童でコッペパンの大きさが異なり,先生用のコッペパンには包装用ビニール袋の上にマジックで黒丸がされていたのが印象的でした。

 プレーンのほかに,黒糖入りや角切りのドライパイナップルが入ったコッペパンもあったように思います。

 ただ,私は今も昔も牛乳が飲めないことが原因で,給食には全くいい思い出がありません。

 牛乳が必ず付く給食が嫌いで仕方ありませんでした。

 牛乳が体に良いからと,私に無理矢理飲ませようとする先生,それに従い,飲めない私に何とか飲ませようと励ますクラスメイト。

 牛乳が飲めないからと楽しいはずの学校行事にも参加させてもらえず,午後からの授業が開始されても,私だけ机の上には食べられない給食がずっとある状態でした。

 放課後,皆が帰った後も,私だけ帰らせてもらえず,じっと給食と向き合ったまま。

 やっと帰れても,残したパンやおかずを今度は家に持って帰って食べろとビニール袋に詰め込まれる始末でした。

 そもそも食べられずに困ってたのですから,帰り道にポーンと捨てて帰ってましたが…。

 ビン入り牛乳に底から高さ1cmだけ牛乳を残した状態で,「今日はこれだけ飲みなさい」と先生から言われるのですが,口をつけても吐くだけで,どうしても飲めませんでした。

 そこで,早く解放されたいが一心に,コッペパンに牛乳を浸み込ませ,飲んだと先生に報告したこともあります。

 そうすると,先生は気を良くし,翌日に「今日は高さ1.5cmまで牛乳を飲みましょう」とさらにハードルが高くなるという悪循環(笑)。

 牛乳が飲めない理由を調べに医者へ行けと言われ,親と一緒に泣きながら病院に行ったこともあります。

 今だったら問題になるかも知れませんね。

 今の私の知識を持ってすれば,当時の先生の主張程度なら論破することは容易だと思います。

 そもそも私は小学生の時点で,牛乳を飲まなくても,身長がかなり高かったのですから(笑)。

 牛乳以外の乳製品は美味しく食べられるのですが…。

 もうとっくの昔の話ですので,この記事をもとに問題点を騒ぎ立てるようなことはしないでくださいね。


コッペパンの新たな魅力を求めて

 食の世界に興味を持ち,食べる物を強制されることのない身になった現在。

 改めてコッペパンの世界を探訪し,これまで見逃していたコッペパンの魅力を再発見できればと思っております。

(「黒コッペ」)
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 フジパンの「黒コッペ」です。

 黒糖入りコッペパンにクリームがはさみこまれています。

 昭和30年代のヒット商品が再現されたものです。

 黒糖の香ばしい香りやコクと,中身のクリームがうまく調和し,どこか懐かしさを感じさせる仕上がりとなっています。

 結構大きいのですが,シンプルな美味しさで,軽く1本食べられます。


 私はこのほかにも,クリーム入りのチョコがけや,バナナクリーム入りのコッペパンも好きです。


 皆さんはコッペパンにどんな思い出があり,どんなコッペパンがお好きでしょうか。


<参考文献>
岡田 哲『明治洋食事始め』講談社学術文庫
北岡正三郎『物語 食の文化』中公新書

2017年2月13日 (月)

チョコレートの新しい潮流2 -ハイカカオと機能性チョコレート,発酵の重要性-

ハイカカオ(高カカオチョコレート)とは

 「ハイカカオ」とは,チョコレートの原料であるカカオマスが60~70%以上含まれているチョコレートのことを言います。

 前回御紹介した「ビーントゥバー(Bean to bar)」(「チョコレートの新しい潮流1 -ビーントゥバー(Bean to bar)-」参照)に続き,今回はこのハイカカオについて御紹介したいと思います。

ハイカカオのメリットとデメリット,今後の可能性

 ハイカカオのメリットは,純粋なカカオの風味が楽しめることと,カカオマスに含まれる機能性成分をより多く摂取できることにあると言えるでしょう。

 カカオマスの主な機能性成分としては,ポリフェノール,リグニン,テオブロミンの3つが挙げられます。

 ポリフェノールには「抗酸化作用」(体内を酸化(サビ)させる活性酸素を抑える働き)が,リグニンには不溶性食物繊維による「整腸作用」が,テオブロミンには「集中力向上効果」や「疲労回復効果」が期待できるのです。

 一方で,カカオマスの含有量が多いということは,それに含まれる脂肪分も多く摂取することとなりますので,砂糖やミルクの割合が低くなることだけに注目することのないよう留意する必要がありそうです。

 毎日新聞(2017年2月9日)に,ハイカカオに関する注目すべき記事が掲載されていました。

 内閣府の脳に関する研究チームと株式会社明治の共同研究の中間報告で,「高カカオチョコレート(ハイカカオ)を4週間以上続けて食べると大脳皮質の量が増え,脳の若返りの可能性がある」と発表されたのです。

 成人男女30人を対象にした限定的な調査のため,今後精度を高めていく必要がありますが,高齢化の進む中,注目に値する報告だと思います。


広島市植物公園のチョコレート講演会

 2017年2月11日に「バレンタインフェスティバル」が開催されている広島市植物公園へ行きました。

(広島市植物公園「バレンタインフェスティバル」フラワーデコレーション)
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 広島市植物公園は,中国地方で唯一カカオの木がある植物園です。

 現在,大温室が大規模改修中で,従来あったカカオの木は寿命のために処分されましたが,代わりにカカオ豆から育てられたカカオの木がすくすくと人間の背丈ほどの高さにまで成長しています。

(カカオの木(広島市植物公園))
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 植物公園の講堂で,広島大学の佐藤清隆先生によるチョコレートの講演会「チョコレートのサイエンスロマン」を聴講しました。

 数年前から毎年バレンタインデーの時期に開催されているイベントです。

 その講演会の中で,話題となっている「ビーントゥバー(Bean to bar)」や「ハイカカオ」についてもお話がありました。


ハイカカオに期待される効果

 ハイカカオについて興味深かったお話を御紹介したいと思います。

 チョコレートメーカー「ハーシー社」の調査では,カカオの香りの成分は約1500種類から成り立っており,人工的に合成して作ることはかなり困難なのだそうです。

 その魅力的なカカオの香りには,「アロマテラピー(芳香療法)」としてのリラクゼーション・ストレス軽減効果があるとのお話でした。

 ハイカカオは芳香性が強いことから,より高い効果が期待できそうです。

 「失恋にチョコレート」と言われるのも,こうした理由があってのことなのです。

 また,国際スポーツ栄養学会誌の論文には,ダークチョコレート(ハイカカオ)を食べたサイクラー(自転車乗り)は,食べなかったサイクラーに比べ酸素消費量が低減し,走行距離もアップしたという報告もあるようです。


機能性チョコレートとハイカカオ

 カカオ豆に不足している栄養素はビタミンCで,そのビタミンCを補うためには,イチゴとチョコレートの組み合わせがおすすめなのだそうです。

 また,こうした食べ物の組み合わせで栄養を補う方法のほかに,最近は「機能性チョコレート」と呼ばれる,健康に配慮したチョコレートも数多く売られるようになったと紹介されました。

 講演会の後,私はスーパーマーケットのチョコレート売場に行ってみました。
 売場には,機能性チョコレートのコーナーが設けられ,様々な商品が売られていました。

(ロッテ「スイーツデイズ 乳酸菌ショコラ」)
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 ロッテの「スイーツデイズ 乳酸菌ショコラ」は,乳酸菌をチョコレートで包むことにより,乳酸菌が生きたまま腸に届けることができるチョコレートです。

 株式会社ロッテと日東薬品工業株式会社の共同開発商品です。

 チョコレートなので,常温で持ち運べ,手軽に摂取できることが利点です。


(森永製菓「ビフィズス菌チョコレート」)
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 こちらは,森永製菓の「ビフィズス菌チョコレート」です。

 森永製菓株式会社と森永乳業株式会社の共同開発商品です。

 ロッテの乳酸菌ショコラと同じく,ビフィズス菌をチョコレートで包むことにより,ビフィズス菌を生きたまま腸に届けることができるチョコレートです。

 1箱あたり「ビフィズス菌BB536」が100億個も配合されており,常温でいつでも手軽に摂取できることが利点となっています。


 以上御紹介した機能性チョコレートは,いずれもハイカカオ(ビターチョコレート)であることにも注目すべきだと思います。

 ハイカカオに乳酸菌やビフィズス菌を配合することで,より健康面でのメリットを高めたチョコレートとなっているのです。


チョコレートの製造工程に欠かせない発酵

 話を講演会に戻します。

 講演会の終わりに,質問コーナーが設けられました。
 せっかくの機会なので,私も質問させていただきました。

私:「チョコレートの製造には,カカオ豆の発酵→乾燥→ローストといった工程がありますが,発酵なしでチョコレートを作ったらどんな味になるのでしょうか。人間がカカオ豆を発見した当初から,カカオ豆は発酵させる必要があると認識していたとは思えないのですが。」

佐藤先生:「インドネシアのカカオ豆を入手し,発酵なしのチョコレートを作って食べてみたことがありますが,全く味がないチョコレートになりました。発酵した方がよいという発想は,カカオ豆を外に放っておいたか何かから生まれた偶然の産物なのでしょうが,発酵を経てこそチョコレートになるのです。バナナの葉に包むなどの方法でカカオ豆を発酵するのですが,それはバナナの葉に存在する菌の力を借りているのです。」

私:「ならば,日本で大豆を藁に包んで納豆を作るのと同じ発想・方法ですね。」

佐藤先生:「そのとおりです。熱帯地方のバナナの葉にいる菌と日本の藁などにいる菌は異なるため,日本にいる菌でカカオ豆を発酵させようとしてもなかなかうまくいかないのです(笑)。ちなみに,カカオ豆を包み込んでいるカカオパルプの糖分が発酵を促しています。」

私:「勉強になりました。ありがとうございました。」


 カカオパルプは,カカオポッド(カカオの実)を割った時に出てくる,中のカカオ豆を包み込んでいる白いワタのような果肉のことです。

(カカオポッド(実))
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 写真は会場に展示されていたカカオポッドの模型ですが,左の割ったカカオの中心部にある白い雲のようなものがカカオパルプです。

 このカカオパルプの中にカカオ豆が入っています。

 ちなみにこのカカオパルプ,味はアケビに似ているとのことです。


 佐藤先生は株式会社明治が誇るビーントゥバー(bean to bar)チョコレート「明治 ザ・チョコレート」の開発にも協力しておられます。

 最近では,世界初のチョコレート作り専用石臼(ショコラミル)を「石の三徳」(広島県東広島市)や「井上石材」(岡山県矢掛町)と共同開発され,話題となっています。

 株式会社明治・大阪工場からは,佐藤先生を通じて,毎年手作りチョコレート用のカカオニブを提供していただいており,参加者はチョコレートやカカオ酒などを作って味わうことができます。

(明治・大阪工場直送のカカオニブ)
Photo_7

 このカカオニブは,ガーナ産です。

 近年,カカオニブは製菓・輸入食品店などでも販売されるようになりました。

 御興味を持たれた方は,カカオニブから世界に1つだけのチョコレートを作ってみられてはいかがでしょうか。


まとめ

 このように,チョコレートの世界には,「ビーントゥバー(bean to bar)」や「ハイカカオ(高カカオチョコレート)」といった新しい潮流が生まれています。

 チョコレートを味わって食べる時代,単なるお菓子から健康食品として食べる時代へと,チョコレートは進化し続けていることがお分かりいただけたかと思います。


<関連記事>
カカオ豆とチョコレート」(2014年2月16日)
自家製チョコレート」(2014年2月23日)

<関連サイト>
広島市植物公園
http://www.hiroshima-bot.jp/
「ショコラミル」(「石の三徳」運営サイト)
http://www.chocolat-mill.jp/

<参考文献>
『Hanako特別編集 ハイカカオBOOK』マガジンハウス
『ニュートン別冊 食品の科学知識』ニュートンプレス
『毎日新聞 ヘルシーリポート(2017年2月9日)』毎日新聞社
佐藤清隆『チョコレートのサイエンスロマン(広島市植物公園講演会)』資料

2017年2月12日 (日)

チョコレートの新しい潮流1 -ビーントゥバー(Bean to bar)-

ビーントゥバー(Bean to bar)とは

 ビーントゥバー(Bean to bar)とは,チョコレートの原料であるカカオ豆(bean)の選別・焙煎から,板チョコレート(bar)までの全ての工程を一括して行うという意味です。

 私は,広島市植物公園で実施された広島大学の佐藤清隆先生による講演会「チョコレートのサイエンスロマン」を聴講した際に初めてこの言葉を知りました。

(Bean to barの特徴)
Bean_to_bar
(広島大学佐藤清隆名誉教授作成・配付資料・一部加工)

 以前,「自家製チョコレート」の記事で,カカオニブから自家製チョコレートを作り,その味に感動したことを御紹介しましたが,これがまさにビーントゥバーだった訳です。

 そのビーントゥバーのチョコレートを味わえるお店が尾道にあることを知り,実際に伺ってみました。

 広島県尾道市向島に,カカオ豆の仕入れからチョコレートの製造・販売までを行っておられるチョコレート工場「ウシオチョコラトル(USHIO CHOCOLATL)」があります。

(ウシオチョコラトル外観)
Usio_chocolatil

 立花自然活用村という施設の2階にあります。

(入口の看板)
Usio_chocolatil_2

 ストレートな案内ですね(笑)。

 店内はカカオの香ばしい香りが漂っており,チョコレートに魅せられた男性陣が奥の厨房でチョコレートを作られていました。

 カカオ豆の仕入れからチョコレートの製造・販売までを3人の男性が行っておられるだけでもすごいことですが,ここでは更に一歩進んで,カカオ豆と砂糖だけでチョコレートを作られていることに驚きました。


カカオ豆と砂糖だけでチョコレートを作ることの難しさ

 カカオ豆と砂糖だけでチョコレートを作れば,それだけ純粋に各カカオ豆の特徴を味わい,比較することができます。

 カカオ豆と砂糖だけで作るというのは,一見シンプルで簡単そうですが,カカオ豆(カカオニブ)に含まれる脂肪分(約55%)だけでは,十分ななめらかさが出ず,扱いが難しいため,通常はココアバターや植物油脂が加えられています。

 実際,私がカカオニブからチョコレートを作った時も,サラダ油を加えました。

 ウシオチョコラトルのチョコレートは,こうした追加の脂肪分なしで作られているわけですが,この場合,精練(コンチェ)したり,成形することがとても難しくなるらしく,大量生産用の機械では無理だと伺いました。

 このほかにも,カカオ豆の皮を取り除く際に,農機具である唐箕を使われていること,パプアニューギニアのカカオ豆など産地から直接取引されている原材料もあることなど,興味深いお話をたくさんしていただき,盛り上がりました。


チョコレートで世界を巡る

 チョコレートはどれも似たような味なのではないかと思いつつも,ガーナ,トリニダードトバコ,パプアニューギニアという3種類のタブレットを購入し,実際に食べ比べてみました。

 今回購入した3種類のタブレットです。

(ウシオチョコラトルのチョコレート)
Usio_chocolatil_4


 現代のカカオ産地と今回のチョコレートの産地を御確認ください。

(現代のカカオ産地と今回のチョコレートの産地)
Photo
(武田尚子『チョコレートの世界史』から引用。一部加工)


ガーナ

(ガーナ)
Usio_chocolatil

(ガーナ説明文)
Usio_chocolatil_3

 慣れ親しんでいる日本のチョコレートの香り・味がします。

 ハイカカオチョコレートのイメージです。

 深いコクとほろ苦さがありますが,酸味は少ないように感じました。


トリニダード・トバコ

(トリニダード・トバコ)
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(トリニダード・トバコ説明文)
Usio_chocolatil_6

 ガーナに比べ苦味は弱く酸味が少し強いです。

 ガーナ特有の焦げ臭はなく,洋酒,ハーブのような気品のある香りがしました。


パプアニューギニア

(パプアニューギニア)
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(パプアニューギニア説明文)
Usio_chocolatil_8

 フルーツ,ナッツの香りがします。

 苦味や酸味が少なく,口あたりが軽いのが特徴です。

 アーモンドペースト入りのチョコレートような甘い香りでコクのあるチョコレートです。


ビーントゥバーのメリットとデメリット

 ビーントゥバーの最大のメリットは,産地のカカオ豆のフレーバーや味を純粋に楽しめることにあると思います。

 実際,今回の3種類のチョコレートは,食べ比べてみると味や香りに明確な違いがあることがよくわかりました。

 チョコレートをカカオニブから作ったり,今回御紹介したような純粋なチョコレートを味わってみたりすると,ひと味違ったチョコレートの魅力を感じることができると思います。

 一方で,ビーントゥバーのデメリットと言えば,カカオ豆の入手経路が限られていること,入手できてもそれをチョコレートにするまでに技術や手間暇がかかること,こうした事情から値段が高価であること,などが挙げられるでしょう。


 世界各地のカカオ豆を使ったチョコレートを食べ,世界旅行の気分を味わってみるのも楽しいと思います。


 「チョコレートの新しい潮流2 -ハイカカオと機能性チョコレート,発酵の重要性-」も御覧いただければ幸いです。


<関連記事>
カカオ豆とチョコレート」」(2014年2月16日)
自家製チョコレート」(2014年2月23日)

<関連サイト>
ウシオチョコラトル
http://ushio-choco.com/

<参考文献>
佐藤清隆『チョコレートのサイエンスロマン(広島市植物公園講演会)』資料
武田尚子『チョコレートの世界史』中公新書

2017年1月17日 (火)

広島のレモン菓子・レモンケーキ3

 広島で売られているレモン菓子・レモンケーキを御紹介したいと思います。


瀬戸田 梅月堂「すっぱい瀬戸田レモンケーキ」

 尾道市瀬戸田町の洋菓子店「瀬戸田 梅月堂」の「すっぱい瀬戸田レモンケーキ」です。

(瀬戸田 梅月堂「すっぱい瀬戸田レモンケーキ(包装)」)
Photo

 瀬戸田産のエコレモンと呼ばれるノーワックスで,防腐剤・防カビ剤不使用のレモンが使われています。

(瀬戸田 梅月堂「すっぱい瀬戸田レモンケーキ」)
Photo_2

 横約7cm,幅約4cm,高さ約3.5cmのやや小さめのレモンケーキです。

 レモンチョコはかけられていません。

 ケーキ生地にレモンピールのミンチが練り込まれています。

 また,果汁100%のレモンジェルが入れられているのが,特長となっています。


(瀬戸田 梅月堂「すっぱい瀬戸田レモンケーキ」(中身))
Photo_3
 断面を見ると,中央下部に濃い色をした部分があるのがわかると思いますが,これがレモンジュレです。

 レモンジュレがかなり酸っぱく,レモンケーキの良いアクセントとなっています。

 ケーキ生地,レモンピールそしてレモンジュレと,小さいながらレモンの味と風味をダブル,トリプルで味わえるレモンケーキとなっています。


パティスリー サンガ「しまなみレモンケーキ」

 広島をはじめ全国で飲食業を中心に展開されている「インスマート」が経営する「パティスリー サンガ」の「しまなみレモンケーキ」です。

 全国展開されている「STICK SWEETS FACTORY」と同じ会社です。

(パティスリー サンガ「しまなみレモンケーキ」(包装))
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 横約8cm,幅約5cm,高さ約4.5cmと,高さのある大きめのレモンケーキです。

(パティスリー サンガ「しまなみレモンケーキ」)
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 レモンチョコが全体的に厚めにコーティングされています。

 レモンチョコは濃い黄色をしており,繊細で溶けやすいのですが,その分,レモンの酸味や香りを強く感じます。

(パティスリー サンガ「しまなみレモンケーキ」(中身))
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 ケーキ生地にはレモン果汁が多く使われ,レモンピールも入っているため,レモンのほろ苦さまで感じられるほど,全体的にレモンの味が強く,風味豊かなケーキに仕上げられています。


バッケンモーツァルト「広島レモンケーキ」

 広島を中心に展開する洋菓子店「バッケンモーツァルト」の「プレミアム広島レモンケーキ」です。

(バッケンモーツァルト「プレミアム広島レモンケーキ」(包装))
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 レモンを想像させる鮮やかな黄色い包装です。

(バッケンモーツァルト「プレミアム広島レモンケーキ」)
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 レモンチョコのコーティングは浅めです。
 レモンの香りが強いレモンチョコとなっています。

(バッケンモーツァルト「プレミアム広島レモンケーキ」(中身))
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 ケーキ生地はきめ細かく,しっとりとしています。
 甘めでレモンの風味豊かな生地で,レモンピールも入っています。

 標準的なレモンケーキの要件を満たしたレモンケーキと言えるでしょう。

 なお,同社からは,この「プレミアム広島レモンケーキ」のほかに,「広島檸檬ケーキ」という角型のレモンケーキも販売されています。

 「この酸っぱさは恋」と説明されているこちらのケーキも注目したいところです。


朝日堂「檸檬ケーキ瀬戸美人」

 広島市佐伯区の和洋菓子店「朝日堂」の「檸檬ケーキ瀬戸美人」です。

(朝日堂「檸檬ケーキ瀬戸美人」(包装))
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 レモンケーキではおなじみの包装紙です。

(朝日堂「檸檬ケーキ瀬戸美人」)
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 標準的な大きさですが,白いレモンチョコが印象的です。

 レモンチョコのコーティングは浅めです。

(朝日堂「檸檬ケーキ瀬戸美人」(中身))
Photo_12

 ケーキ生地にはレモンミンチが入っています。
 甘さ控えめで,バターケーキとしてのバターの風味が強いケーキとなっています。


宝屋製菓「広島レモンケーキ」

 広島市西区の和洋菓子店「宝屋製菓」の「広島レモンケーキ」です。

(宝屋製菓「広島レモンケーキ」(包装))
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 標準的な大きさのレモンケーキです。

(宝屋製菓「広島レモンケーキ」)
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 浅い黄色のレモンチョコで,コーティングは浅めです。

(宝屋製菓「広島レモンケーキ」(中身))
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 ケーキ生地にはレモンピールが入っています。
 かなりしっとりした甘いケーキ生地で,バターとレモンの風味がバランスよく配合されています。


 以上,レモン菓子・レモンケーキを購入される際の参考になれば幸いです。


<関連リンク>
 「レモンのお菓子」(「chibiaya日記」)
 chibiayaさんが,関東で販売されているレモンケーキを中心に,レモンケーキの情報を詳しく紹介されています。

<レモンケーキ関連記事>
 「レモンケーキとブランデーケーキ -レモンケーキが今も支持されている理由-

 「広島のレモン菓子・レモンケーキ1 -和菓子から生まれた日本独自の洋菓子-

 「広島のレモン菓子・レモンケーキ2 -レモンケーキの分類方法-

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