食材と味の探究

2017年8月14日 (月)

ボルトジンユとスピルリナ

 今回は,健康食品として注目を浴びている「ボルトジンユ」と「スピルリナ」について御紹介したいと思います。


ボルトジンユ

 広島市内のスーパーマーケットの産直市のコーナーで,「ボルトジンユ」と呼ばれるハーブが販売されていました。
 広島県世羅町産(「甲山いきいき村」)です。

(ボルトジンユ(包装))
Photo

 名前からはどんな食べ物なのか推測することは難しいので,説明書きはないかと探してみると,ケースの裏にありました。

(ボルトジンユ(説明書き))
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 「奇跡の薬草 糖尿病や高血圧などの生活習慣病やメタボ他にも効能が有ると言われています。お茶で飲んでください。詳しくはネットで検索してみてね。」

 「詳しくはネットで検索」という説明書きが現代風ですが(笑),奇跡の薬草という言葉に引かれて購入してみました。

 次の写真は,パックを開けてボルトジンユを出した様子です。

(ボルトジンユ)
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 一枚一枚の葉は,だいたい大人の指先ほどの大きさで,厚みがあります。

 見た目は厚みのあるミントのようです。

 葉を指で撫でてみると,強いざらつき(引っ掛かり)を感じました。これはボルトジンユの大きな特徴だと思います。

 そんなボルトジンユの葉を,2~3枚もいで水で洗い,コップに入れてお湯を注ぎ,ボルトジンユのお茶を作ってみました。

(ボルトジンユ茶)
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 とても苦くて渋いお茶に仕上がりました。

 葉にとても強い苦味や渋味があるので,少しで十分なことをこの時初めて理解しました。

 葉に強いざらつき(引っ掛かり)を感じたのも,この強い苦味や渋味の成分によるものなのかも知れません。

 そのあと,何度かお茶を作ってみたのですが,急須に葉を3~4枚程度の量で十分だと思います。

 糖尿病,高血圧,メタボなどに効果があると説明されているだけあって,脂肪を燃やしてくれるような苦味と渋味が感じられました。

 香りは,ドクダミかローズマリーのような薬草・ハーブ独特の香りがしました。

 毎日少しずつ飲むと効果がありそうです。


スピルリナ入りブルークリームソーダ

 山口県岩国市の郊外,延々と蓮根畑が続く一帯の中に岩国市地方卸売市場があります。

 その卸売市場の構内にあるジューススタンド「Vegetrip(ベジトリップ)」で「スピルリナ入りクリームソーダ」というドリンクを見つけました。

 真っ青なドリンクでインパクトが大きかったので,お店の方にスピルリナについて尋ねてみると,今話題のスーパーフードで,青色はスピルリナそのものの色だと教えていただきました。

※スーパーフード:栄養バランスに優れ,一般的な食品より栄養価が高い食品。あるいは,ある一部の栄養・健康成分が突出して多く含まれる食品。(「一般社団法人日本スーパーフード協会」の定義を抜粋)

(スピルリナ入りブルークリームソーダ)
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 現物も確かに真っ青でした。

 私が思わず「わっ,これは想像以上にスゴイ色だ!」と声を出すと,お店の方が「少しスピルリナ入れ過ぎたかもしれませんね。スピルリナは,藻の一種で,その青い色素は天然色素としてガリガリ君ソーダ味にも使われているのですよ。」と説明してくださいました。

 ネットで調べてみると,確かにガリガリ君ソーダ味は,スピルリナから抽出された青色色素(商品名:リナブルー)で作られていることが理解できました。

 「冷菓に使われている植物うまれの青色着色料「リナブルー」」(DICライフテック株式会社ウェブページ)

 スピルリナは緑色をしていますが,スピルリナの粉末に水を加え,ろ過することによって鮮やかな青色が抽出できるようです。

 さて,実際にいただいてみると…やはり色素なので,それ自体に特徴的な味がある訳ではなく,味は普通のクリームソーダと同じでした。

 ただ,植物由来の着色料なのでそれなりに安心感はありました。

 周りのお客さんからの注目度ナンバーワンのクリームソーダでした。


 「Vegetrip」(山口県岩国市尾津町5丁目11-1 岩国市地方卸売市場)


ベーグル(ケール&スピルリナ)

 ベーグル専門店「BAGEL&BAGEL」でケール&スピルリナのベーグルが販売されていました。

(ベーグル(ケール&スピルリナ))
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 商品名がわからなければ,青のりのベーグルと間違えてしまいそうです(笑)。

 スピルリナは,同じ緑色で栄養価の高い野菜であるケール(青汁の原料)と一緒に使われることも多いようです。

 写真のベーグルの緑色の粒子はケールで,スピルリナは生地に練り込まれています。

 実際にいただいてみると,青臭さはなく,ほんのりとケールの風味を感じました。

 ただ,ケールの葉は固いので,刻まれてはいるもののケールの葉のシャキシャキとした食感がありました。

 スピルリナについては,「入っているんだろうな」ぐらいの感覚で,ケールとの明確な判別はできませんでした。

 「BAGEL&BAGEL」のベーグルには,このほかにもチアシード,キヌア,アマランサス,もち麦,豆乳などの健康食品が入ったベーグルが多数販売されており,健康意識の高まりが反映されているように思いました。


 「BAGEL&BAGEL


 スピルリナの加工食品は健康食品コーナーでよく見かけますので,御興味がある方はどうぞ。


まとめ

 ボルトジンユもスピルリナも,それ単体で食べるには無理がありますし,おいしいものでもありません。

 食糧供給が不安定で飢えに苦しむような状況では,まず注目されることのない食べ物だと言えるでしょう。

 現代日本はそれとは逆に高脂肪で,過剰な糖分や塩分を含む食品が数多く出回っており,よほど注意した食生活を送らないと,こうした食品から避けられないのが現状です。

 高脂肪・高カロリーになりがちな食生活を改善するための健康補助食品として,ボルトジンユやスピルリナをうまく利用するのもよいかもしれませんね。

2017年7月13日 (木)

「近大発ナマズ」の魅力に迫る -「なまずの蒲焼」-

7月2日はナマズの日

 毎年7月2日はナマズの日です。

 埼玉県吉川市,福岡県大川市,広島県神石高原町などナマズにゆかりのある全国の自治体で構成される「全国なまずサミット」により制定された記念日で,ナマズ「702」の語呂にちなんだものです。

 2017年7月2日には,広島市南区のマツダスタジアムで「第2回全国なまずサミット」が開催され,広島県立油木(ゆき)高等学校で養殖したナマズ丼も販売されて大いに賑わったようです。

 広島県立油木高等学校によると,同校産業ビジネス科の「ナマズ・プロジェクト」として,広島県神石高原町にある「油木百彩館」で,毎月第4土曜日にはナマズカレーを,第4日曜日にはナマズ料理をそれぞれ味わえるようです。


近大発「なまずの蒲焼き」

 ナマズの日の前日の2017年7月1日,広島市内のイオンの鮮魚コーナーに「なまずの蒲焼」が販売されていました。

(「なまずの蒲焼」(包装))
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 近畿大学世界経済研究所の有路昌彦(ありじまさひこ)教授監修の「近大発ナマズ」を用いて調理された蒲焼です。

 ウナギの蒲焼と同じ場所に陳列されており,1尾あたりの値段もウナギの蒲焼とほぼ一緒でしたので,現時点では決して安い商品とは言えません。

 ただ,年々ウナギの漁獲量が減少傾向にあるなか,新たな食材として注目される可能性は大いにあるので,どんな食べ物なのか興味を持ち,購入してみました。


「なまずの蒲焼」の見た目

 パックから「なまずの蒲焼」を取り出し,全体を撮影してみました。

(「なまずの蒲焼」(1尾))
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 全長約30cmあります。

 全身がすっぽりと厚い皮に覆われています。

 次に裏側も見てみましょう。

(「なまずの蒲焼」(裏側))
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 裏側はナマズの白身ですが,とてもやわらかく,水分も多く含まれているため,多少ふやけたような感じになっています。

 こうしてみると,ウナギとナマズでは体形が異なることもあり,見た目については,ウナギの蒲焼とは少し異なると言えるでしょう。


「なまずの蒲焼」の身の特徴

 次にウナギの蒲焼と同様に「なまずの蒲焼」をスライスしてみました。

(「なまずの蒲焼」(スライス))
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 ナマズの皮がグニョグニョ,ネバネバしているため(弾力性と粘性が高いため),身が切りにくいです。

 また,身を切っても,皮と身の間にネバネバ(ムコ多糖類などの粘性物質)が多く,脂も多いため,皮と身がはがれやすくなっています。

(「なまずの蒲焼」(皮と身))
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 写真のとおり,皮が厚く,皮と身を容易にはがすことができます。


「なまずの蒲焼」の実食

 「なまずの蒲焼」に添付されていたタレと山椒(ウナギの蒲焼用)を切身にかけ,実際にいただいてみました。

 蒲焼のタレと山椒をかけると,ウナギの蒲焼とよく似た感じになりました。

(「なまずの蒲焼」)
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 ナマズの厚い皮の内側にかなり脂がのっており,その味や脂を焼いた香ばしい香りが,ウナギの蒲焼のそれととてもよく似ています。

 これは嬉しいことです。

 一方,ナマズの身については,水分が多く含まれるためか,ウナギよりも白く,淡泊な味となっています。
 私の食べた感覚では,引き締まったタラの身やアナゴの身に近いように思いました。

 ただ,ナマズを使ってここまでウナギの蒲焼に近づけるためには,相当な努力があったことは確かでしょう。

 普通に野生のナマズを捕ってきて蒲焼に調理しても泥臭さを感じてしまうと思いますが,この「なまずの蒲焼」はウナギの蒲焼に近い味・風味になっており,とても美味でした。

 希少で高嶺の花となってしまったウナギに比べ,人工ふ化や完全養殖が可能なナマズを用いて「ウナギ味のナマズ」を開発されたことは,大いに評価されるべきことだと思います。


ナマズ本来の魅力を消費者へ

 今回いただいた「なまずの蒲焼」ですが,現時点ではウナギの蒲焼とほぼ同じ値段で販売されていることから,厳しい意見を言えば,これならウナギの蒲焼を買いたいと思う消費者の方が圧倒的に多いことでしょう。

 「ウナギの代わり」として売り出す以上は,比較的値段が安いといった別の大きな魅力がないと,新たな需要の掘り起こしにつなげることは難しいと思います。

 私としては,ナマズを「ウナギの代わり」として扱うのではなく,新たな食材として蒲焼以外の料理を開発するなど,もっと幅広く可能性を探ってみることも重要なことだと思っています。

 希少となっているウナギの味に近づけることだけにとらわれず,ナマズ本来の魅力をもっと消費者に伝えることに力を注ぎ,新たな市場を開拓することも,有効な方法の1つではないでしょうか。

2017年7月 5日 (水)

野菜と果物から作られるオタフクお好みソース -オタフクスペシャルとベジラビットオリジナルソース-

「ベジラビット(Vege Love it!)」

 広島市西区の大型ショッピングセンター「LECT(レクト)」に,お好みソースで有名なオタフクソース株式会社が出店されている「ベジラビット(Vege Love it!)」があります。

 店名のとおり,ベジ(野菜,Vegetable)を主体にしたお店で,お好みソースや酢を扱うオタフクの特色を生かした野菜料理や野菜食品が揃えられています。

 「ベジコ焼」と呼ばれる野菜のお好み焼や野菜スムージー,オリジナル調味料・ドレッシングなど,野菜をおいしくたくさん食べられるよう工夫された手作り料理や調味料が用意されています。


オタフクスペシャル

 このお店で私が興味を持ったのが,野菜のスムージー「オタフクスペシャル」です。

(「オタフクスペシャル」(陳列))
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 写真の説明書きにあるように,「トマト,にんじん,たまねぎ,デーツ,りんごなどオタフクお好みソースに入っている野菜と果物」で作られるスムージーなのです。

 「オタフクスペシャル」を注文すると,その場で細かく刻まれた野菜・果物がミキサーにかけられ,飲みやすいドリンク(スムージー)にしていただけます。

 こちらの写真がスムージーとなった「オタフクスペシャル」です。

(「オタフクスペシャル」)
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 実際にいただいてみました。

 仕上がりの色もそうですが,にんじんとトマトの味や風味を強く感じました。

 また,デーツやりんごの持つほんのり自然な甘さも感じられました。

 絞られてないので,野菜や果物の食物繊維も残っており,低カロリーの割には飲み応えも十分です。

 そして,その味やドロッとした食感から,どこかオタフクお好みソースの原点のような感じもしました。


デーツについて

 ここで,御参考までにデーツについて御紹介したいと思います。

 デーツは,中近東や北アフリカを中心に栽培されているナツメヤシの実です。

(乾燥デーツ)
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 日本でもドライフルーツのコーナーで見かけるようになりました。

 オタフクお好みソースには,「甘味のもと」として使われています。

 デーツと言えば,私は「神戸モスク」(神戸にあるイスラム教の礼拝堂)を訪問した際に入口に乾燥デーツが用意されていたことを思い出します。

 イスラム圏の人々にとって,デーツは「神の与えた食物」,「エデンの園の果実」として重要な食べ物の1つとされているのです。


オタフクお好みソースとその原材料

 私は食品表示を見て,その食品の構成などを知ることを習慣化しているのですが,今回いただいた野菜スムージー「オタフクスペシャル」の説明書きを読んだ瞬間,これはオタフクお好みソースの原材料とよく似ていると思いました。

 ここで,オタフクお好みソースについても触れておきたいと思います。

(オタフクお好みソース)
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 今では広島の味として全国で販売されるようになりました。

 そのお好みソースの食品表示を見てみましょう。

(オタフクお好みソース(食品表示))
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 原材料表示には,「野菜・果実(トマト,デーツ,たまねぎ,りんご,その他),…」と表示されています。

 お好みソースは,野菜や果実がたっぷり使用され,その旨味や甘味が生かされているのです。

 そして,この原材料は,先程御紹介した野菜スムージー「オタフクスペシャル」の食材(トマト,にんじん,たまねぎ,デーツ,りんごなど)とほぼ同じであることも御理解いただけると思います。

 ちなみに,このオタフクお好みソース,ノンオイルで,食生活の変化にあわせて塩分も年々下げておられるようです。

 健康にもしっかり配慮されていますね。


ベジラビットオリジナルソース

 ベジラビットの調味料コーナーに,「ベジラビットオリジナルソース」と呼ばれるソースが販売されていたので購入しました。

(ベジラビットオリジナルソース)
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 こちらも食品表示を見たのですが,その原材料がお好みソースとよく似ています。

(ベジラビットオリジナルソース(食品表示))
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 原材料表示には,「野菜・果実(トマト,たまねぎ,デーツ,その他),…」とあり,醸造酢や香辛料なども使われていることから,オリジナルのお好みソースを意識して作られたソースだと言えるでしょう。

 ベジラビットオリジナルソースとオタフクお好みソースを比較してみました。

(ベジラビットオリジナルソースとオタフクお好みソース)
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 いずれも褐色で,味や香りもよく似ています。

 お好みソースは広島の人間にとって親しみのある味で,ドロリとしたソースからは,熟成された旨味や甘味を感じました。

 一方のベジラビットオリジナルソースは,野菜や果実の粒子が残っていて手作り感があり,よりフルーティーで自然な甘味を感じる軽めのソースに仕上がっているように思いました。


ベジラビットオリジナルソース焼きそばを作ってみる

 お好みソースの味・風味に近いベジラビットオリジナルソース。

 ならば,このベジラビットオリジナルソースでも焼きそばが作れるのではないかと思い立ち,そば麺や野菜・豚肉を買ってきて作ってみました。

(ベジラビットオリジナルソース焼きそば)
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 焼きそばにソースをからめても,なかなか焼きそばらしい褐色にならず,中身をほとんど使い切ることとなりましたが,それだけ自然の味や色合いに近いソースだと言うこともできるでしょう。

 実際の味は,お好みソースで作る焼きそばとよく似ていますが,よりフルーティーで甘味の強い焼きそば,少し誇張して表現すればスイーツのような焼きそばに仕上がりました。

 とは言え,野菜・果物の摂取を強く意識した焼きそばとして十分通用する味だと思いました。


「ベジ焼きそば」と「ベジコ焼き」

 ここまでまとめると,「ベジラビット(Vege Love it!)」の「ベジ焼きそば」がどんな味なのか確かめてみたいと思う気持ちが芽生えてきました。

 そこで日を改めて再び「ベジラビット」を訪問し,「ベジコ焼き」と「ベジ焼きそば」をそれぞれ単品で注文してみました。

(「ベジ焼きそば」と「ベジコ焼き」)
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 写真左が「ベジ焼きそば」,右が「ベジコ焼き(緑)」で,「ベジコ焼き」には店内でトマトや玉ねぎなどを煮詰めて作られた手作り洋風ソース(写真上)が付いています。

 「ベジコ焼き」は野菜中心のお好み焼で,つなぎに米粉が使われています。

 私の注文した緑のベジコ焼きは,ケール,枝豆,アスパラガスと緑色の野菜で揃えられていました。

 大きめにカットされていますが,野菜中心なのですんなりと食べられました。

 一方「ベジ焼きそば」は,そば麺を通常の約半分にし,その分野菜サラダがそば麺を覆い尽くす程たくさん盛られたヘルシー焼きそばです。

 具は,水菜,大根,人参,きのこ,細切り昆布,ちりめんじゃこ,はんぺんなどです。

 そば麺が炒められ,その上に生野菜を中心とした具が盛られていました。

 そして私が最も興味を持った焼きそばのソースですが,こちらは何とポン酢でした。

 よく考えてみれば,焼きそばの麺と野菜サラダの両方に合うヘルシーな調味料と言えばポン酢であり,しかも酢はお好みソースと肩を並べるオタフクの看板商品なのですから,ポン酢が使われているのは冷静に考えれば当たり前の話なのです。

 いずれの料理も野菜中心の手作り料理なので,健康にいいものを食べ,体も喜んでいるような気持ちになりました。


まとめ

 私が作った「ベジラビットオリジナルソース焼きそば」は,普通の焼きそばを作る感覚で作ったので,野菜だけでなく豚肉まで入れており,ベジラビットさんの趣旨からは少し外れているような気もします。

 しかしながら,お好みソースとよく似たソース「ベジラビットオリジナルソース」を使った新たな味に挑戦したという意味では,作った意義はそれなりにあろうかと思います。

 今回のお好みソースと同じ食材を用いたドリンク,ソースをいただいたことで,お好みソースには野菜や果物がたっぷりと使われており,それらの旨味が凝縮された調味料であることがよく理解できました。

 広島を代表する料理「お好み焼」。

 その味の決め手となるお好みソースの原材料についても理解を深めれば,お好み焼により一層親しみがわき,美味しく感じられるのではないでしょうか。


<関連サイト>
 「ベジラビット(Vege Love it!)

<参考文献>
 季刊誌「ほっとおたふく No.5 2017 Spring」オタフクソース株式会社

2016年10月12日 (水)

ポポ -なぜ「幻の果物」と呼ばれるのか-

 JA広島市の産直市で「ポポ」(※)と呼ばれる果物が売られていました。
 ※ほかに「ポポー」,「ポーポー」などとも呼ばれています。

(ポポ(外観))
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 外皮は,黄色~黄緑色~緑色をしており,大きさは様々ですが,いずれもアケビによく似た形をしています。

 「幻の果物」と呼ばれるほど,流通量が少ないようです。

 今回は,このポポを御紹介します。


ポポとはどんな果物か

(ポポ(説明文))
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 果物コーナーに掲示されていた説明文です。

 その内容は次のとおりです。

○ポポとは
 南国系の香りをただよわせる栄養価の高い幻の果物で,「森のカスタード」とも呼ばれる。

○味
 マンゴーとバナナとパイナップルを足して3で割ったような,クリーミーな味!

○美味しい食べ頃の見分け方
 食べ頃になると独特の強い芳香を放つ。
 この香りが十分に出ていて,軽く押さえた時に少し弾力を持って凹む位になれば食べ頃。

○美味しい食べ方
 2つに割ってレモン汁を多めにかけて,スプーンでいただく。
 レモン汁をかけるとエグ味が消えてより美味しくなる。

 早速購入し,ポポについて理解を深めることとしました。


ポポについて

 ポポを縦半分にしてみました。

(ポポ(種あり))
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 確かにバナナとパイナップルを合わせたような,強烈な南国系果物の香りがします。

 中には,大きな黒い種がたくさんあります。

 種の周りは厳密にはワタなのでしょうが,その周りの果肉と大差がありません。


(ポポの種とワタ)
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 黒くて固い種と,種の周りのワタです。

 種は柿の種のような感じで,周りにワタがまとわり付いています。

 ワタはあまり繊維質がなく,果肉と遜色ありません。


(種とワタを取り除いた様子)
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 種とワタをスプーンで取り除くと,濃い黄色をしたクリーミーな果肉が残りました。

 果肉がとてもやわらかく,なおかつ外の皮は大変薄いので,スプーンなどで果肉をすくい取りながら食べるのがよいと思います。


(ポポの果肉)
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 ポポの果肉です。

 まるでスクランブルエッグのようです。

 果肉は,バナナとそっくりの味,食感がします。

 かなり大雑把な表現ですが,見た目はマンゴー,香りはパイナップル,味と食感はバナナだと想像していただければ,大きな間違いはないでしょう。


なぜ「幻の果物」と呼ばれるのか

 南国系果物なので,日本では栽培できないのではと思いましたが,ネットでポポを調べると,日本でも畑や庭などで,農薬を使うことなく比較的容易に栽培できる果物のようです。

 かつては自宅の庭で自家用に栽培されていた方も多かったようですが,現在では,栽培される方がほとんどいない状況です。

 このようにポポは現在,出荷用にまとまった量が栽培されている訳ではなく,個人の方が細々と栽培されたものが産直市などに出荷される程度にとどまっているため,流通量の絶対的少なさから「幻の果物」と言われているのです。

 しかし,南国系果物を思わせるポポの香り・味・食感はとてもよいので,本腰を入れて一定の量を栽培し,食べやすく加工して商品化すれば,新たなスイーツとしてブームを巻き起こす可能性は十分にあると思います。

 実際,島根県美郷町では,ポポを使った地域おこしが行われています。

 今後の動向に注目したい果物です。

(関連サイト)
「ひのみやスタイル」(島根県美郷町地域おこし協力隊比之宮事務所)
http://shimanex.jp/~hinomiya/index.html

2016年6月 1日 (水)

コリコリ -イカに似た牛のホルモン-

 広島市内のホルモン専門店で,「コリコリ」というホルモンが売られていました。

 白い肉で,「コリコリ」という名称から,コリコリした軟骨ではないかと思い,お店の方に尋ねてみると,「牛の血管(大動脈)です。」と教えていただきました。

 さらに,「名前のとおりコリコリした食感が特徴で,肉自体の味はあまりないので,主に食感を楽しむホルモンです。」とも教えていただきました。

 珍しいので,買って食べてみることにしました。

(コリコリ(生))
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 写真左が外側から見た様子,右が内側から見た様子,上が側面から見た様子です。

 外側はクリーム色でつやがあります。
 一方,内側は白色でひだ状になっており,若干脂肪も残っています。
 また,側面から見ると,厚みがあることもわかります。

 次に,この生のコリコリを焼き,実際に食べてみることとしました。

 コリコリ自体の味を確かめるため,味付けはシンプルに塩,こしょう,にんにくのみとしました。

 フライパンで焼いてみたのですが,馴染み深いホルモン(小腸や大腸)に比べて,内側に脂肪がほとんどないため,肉に付いた脂を利用して焼くことはできませんでした。

 これが肉を焼いた後の様子です。

(コリコリ(焼肉))
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 焦げ色はつくものの,肉は白色で,見た目はイカそっくりです。

 ミノ(牛の第一胃,白肉)ともよく似ています。

 実際にいただいてみると,確かにコリコリとした食感を楽しむことができました。

 歯応えのよいコリコリ感ではなく,キュッキュッと固いイカかガムあるいはナタデココを噛みしめるような弾力のあるコリコリ感です。

 これは血管の肉の特性と言えるでしょう。

 こういうホルモンで,私が一番気になるのは,噛み切れる肉かどうかなのですが,噛む回数を多く必要とするものの,何とか噛み切ることが可能な肉でした。

 手元の本では,別称を「タケノコ」,「ハツモト」とも呼ばれると説明されていますが,確かに筍にも似たコリコリした食感があり,「ハツモト」(心臓の付け根)の部分にあるホルモンでもあります。

 味は,お店の方のお話のとおり,そんなに強い味がある訳ではなく,淡泊なミノ(白肉)の味に近いと思いましたが,逆に言うと,ホルモンには珍しく,くせのない肉だとも言えます。

 また,食べ応えがある割には脂肪がほとんどなく,よく噛んでゆっくり食べる必要があるので,ダイエット中でもお腹いっぱい焼肉を食べたいという人にも向いている肉だと思います。

 最近は用意されている焼肉店もあるとのことなので,興味を持たれた方はぜひお試しください。

2015年9月23日 (水)

色が食欲に与える影響と食品マーケティング -倉敷のデニムまん-

デニムストリートのデニムまん

 倉敷は国産ジーンズ発祥の地として有名です。

 その倉敷に,デニムと同じ藍色の生地で作られた肉まんが売られていることを知り,倉敷美観地区にある「デニムストリート」を訪問しました。

 デニムストリートには,確かにデニムまんなどが売られているテイクアウトのコーナーがあり,行列ができていました。

(メニュー)
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 デニムまん以外にも,藍色のソフトクリーム「デニムソフト」や,バンズが藍色の「デニムバーガー」など,普段見かけない色の食べ物が売られていました。

 早速気になっていたデニムまんを買ってみました。

(デニムまん販売の様子)
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 「食欲をなくす色 No 1 それは青色です」と堂々と書かれたコピーが印象的です。

 肉まんにしては割高で,見た目も食欲を削ぐ色となっており,一見すると商品としてはマイナス要素の方が大きく思えます。
 しかし,ここまでマイナス要素ばかりが揃った商品は珍しいので,私を含め,逆に好奇心から購買意欲がかきたてられる方が多いのも事実でしょう。

 自宅に持ち帰り,実食です。

(デニムまん)
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 自宅で改めて取り出すと,やはり強烈なインパクトのある色です。

(デニムまんの中身)
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 中のあんは他の一般的な肉まんと同じものだと思います。

 実際にいただいてみると,「見た目を除けば,市販の肉まんとほぼ同じ」だと思いました。


色が食欲に与える影響

 
色と食欲の関係について,幕内秀夫氏は『子どもが野菜嫌いで何が悪い!』という著書の中で,「子どもが緑黄色野菜を好まないのは,緑や青,紫色の食べ物が,植物の未熟さ,毒性を示すことを直感的に判断するから」であり,そのことを逆手に取って,「子どもが口にしてほしくない洗剤やタバコなどは緑や青,紫色のパッケージが多い」と述べています。

 経験を積んだ大人は,色以外にも多くの判断材料を持っているので,食べ物の良し悪しを総合的に判断するようになりますが,人間の持つ生理的な判断材料として,緑や青などの寒色系より赤や黄色など暖色系の方がおいしそうに見えるのは,疑いようのない事実です。


デニムまんのマーケティング

 今回のデニムまん1つを取っても,地域の特産を食べ物に生かしたアイデア,観光地であることを踏まえた絶妙な価格設定,そして,あえて真逆の食欲をなくす色を使うことで好奇心から食欲を掻き立てる手法など,既存の枠にとらわれない,でも緻密に計算されたであろうマーケティング手法を垣間見ることができます。

 エンターテイメントの要素が強い食べ物だと思いました。

2015年9月22日 (火)

エディブルフラワー -食べられる花-

エディブルフラワー

 山口県柳井市の農産物直売所で,エディブルフラワー(edible flower,食用花)が売られていました。

 同市内には「やまぐちフラワーランド」もあることから,観賞用だけでなく,食用の花にも力を入れておられるのではと思い,興味を持って購入してみました。

 陳列コーナーには,エディブルフラワーについての説明がありました。

(お花の取り扱い方について)
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 意外といろんな花が食べられるようです。
 ただ,同じ種類の花でも,観賞用に育てられた花には,人体に有毒な農薬や化学肥料が使われている可能性があるので,食用に育てられた花以外は避ける必要があるでしょう。

(食べられるお花の利用法の提案)
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エディブルフラワーの利用法

 
花を使った料理というと,刺身のつまなどに用いられる食用菊や,あんパンにのせられた桜の塩漬け,洒落たレストランなどで出されるサラダなどを思い出しますが,ほかにも,お菓子の生地やバターに練り込んだり,砂糖漬けにするなどの利用法があるようです。


エディブルフラワーの実食

 今回購入したエディブルフラワーは,様々な花の詰合せパック(200円)です。

 皿に出してみました。

(エディブルフラワー)
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 観賞用でも十分通用するほど,きれいな花が並んでいます。
 実際,観賞用に留めておいた方が…という気もしましたが,そのままでいただいてみました。

 エディブルフラワーだからと言って,ほかの花と違って甘いとか,食べやすいというものでもなさそうです。

 当然ながら,香りは花そのものですし,雄しべ,雌しべ,緑色の茎の部分は少し苦味がありますし,口の中で花粉も感じます。
 抵抗なく食べられるのは,花びらの部分だけと言えるかも知れません。

 でもやはり,花の香り,見た目の美しさ,鮮やかさ,彩りの良さから,サラダや前菜,デザートなど,料理やお菓子のアクセントとして利用すると,料理のグレードが飛躍的にアップすることは間違いありません。

 エディブルフラワーをうまく利用すれば,何気ない料理もひと味違った料理に変化させることができるので,作る楽しみや食べる楽しみも増えるように思います。

2015年7月12日 (日)

お好み焼もち -お好みソース・もち入り饅頭-

 広島市内のデパートで,ふと目に留まるお菓子を見つけました。

 「お好み焼もち」(平安堂梅坪)です。

 広島のお好み焼に使われる「オタフクお好みソース」を使ったお菓子で,広島のお土産コーナーに箱詰めやバラ売りで販売されていました。

(お好み焼もち(包装))
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 「お好み焼もち」は,お好みソースが入った餡を求肥(もち)で包み,それを更に饅頭の皮で包んだ3層構造となっています。

 饅頭の皮の茶色と,上にかけられたアオサ,そしてこの層構造によって,(広島風)お好み焼が表現されています。

(お好み焼もち)
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 この饅頭の皮は,しっとり,少しもっちりとした食感で,甘く,わずかにお好みソースが入っているかもと思わせるような味です。玉子を使ってつやが付けられており,これがお好み焼の生地にあたると思います。

 はさまれた求肥は,甘くやわらかいもちですが,これはお好み焼に入っているうどんやそば,またはもちの見た目や食感を表現されているのではないかと思います。
 広島のお好み焼は,トッピングでもちを加えることができるので,もちそのものを入れた様子だとも言えます。

 そして真ん中の餡ですが,これが見た目からも想像できるとおり,お好みソース入りとなっています。元の餡は白いんげん豆を使った白餡で,それにお好みソースなどを少し加えて作られた餡だと思います。これがお好み焼のソースに該当するのでしょう。
 白餡の味に,ほんのわずかにお好みソースの色,甘さ,しょっぱさ,スパイシーさが加えられ,独特なコクも生まれています。

 こうした皮,もち(求肥),餡が口の中で上にかけられたアオサと共に一体化し,「お好み焼もち」の味が仕上げられています。

 ネーミングからは,お好みソースが練り込まれた甘辛いスナック・おつまみ系のもちや,みたらし団子のしょうゆだれのように,お好みソースの甘辛いたれが中に入ったもちを想像したのですが,実際は,「その風味からお好み焼を連想させる,求肥入りの程よい甘さの饅頭」という表現が近いように思います。

 以前,昆布の佃煮の味付けにお好みソースを使った「ソース昆布」(ヒロツク)を御紹介しました(「ソース昆布 -お好みソース入り昆布の佃煮-」参照)が,佃煮にせよ,今回のもち入り饅頭にせよ,お好みソースの甘みやコクを生かせることから生まれた商品だと思います。

 特にオタフクのお好みソースはデーツ(ナツメヤシの実)が用いられているので,他のお好みソースに比べて甘みやコクが強いことが特徴となっています。

 そして…偶然かも知れませんが,それぞれの会社が目と鼻の先の御近所さんというのも共通しています。近い分,共同開発がしやすいというメリットがあったのかも知れません。
 ※オタフクソース,ヒロツク,平安堂梅坪いずれも広島市西区商工センター七丁目に会社があります。

 お好みソースの味と言うよりは,その風味を生かし,程よい甘さのもち入り饅頭として美味しく仕上げられた「お好み焼もち」。
 

 お茶受けの菓子に最適な,広島土産のニューフェイスです。

2015年4月12日 (日)

ソース昆布 -お好みソース入り昆布の佃煮-

 広島市内のスーパーで「ソース昆布」という食品が販売されていました。
 「こもち昆布」など昆布の佃煮で有名な広島のメーカー「ヒロツク」が,広島のお好みソース「オタフクソース」を使って作られた新しい昆布の佃煮です。

(ソース昆布パッケージ)
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 佃煮の味付けと言えば,醤油と砂糖が中心となりますが,その醤油の代わりにお好みソースを使ったら,いったいどんな味になるのだろうかと興味を持ち,購入しました。

 「のりのりそば -広島の生海苔と新潟の布海苔(ふのり)-」の記事で,広島では天ぷらやフライにお好みソースをかけて食べる人も多いことに触れましたが,ほかにも,カレーやおでんの隠し味に利用されたりと,お好みソースは様々な料理に活躍しています。

 ですが…今回の「ソース昆布」は,いかに広島の人間がお好みソース好きとは言え,正直な話,少し先を行き過ぎなのではないだろうかという気持ちもありました。

 茹でた昆布にお好みソースをかけた味を想像しながら,いただきました。

(ソース昆布)
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 驚いたことに,見た目・香り・味いずれも,一般的な昆布の佃煮とほぼ一緒でした。強いて言えば,フルーティーな香りや甘味が少し強いかなと思う程度です。

 確かによく考えてみると,普通,昆布の佃煮の味付けは,醤油,砂糖,みりん,酒,酢などの調味料で行いますが,オタフクソースの原材料にも,醤油,砂糖,酢,昆布が入ってます。
 さらに,ソースの要の原材料である野菜や果実(トマト,デーツ,玉ねぎ,りんごなど)は,濃厚な甘味やとろみを持っていますが,これらがみりんに代わって甘味やとろみを持たせ,佃煮をより豊かな味にする役割を果たしているのでしょう。

 
 また,ソース昆布とは言え,お好みソースだけではなく,醤油も使われているので,一般的な昆布の佃煮にお好みソースを加えて,より豊かな味の佃煮に仕上げられているという説明が適切なのかも知れません。

 この考えを進めれば,家庭で昆布の佃煮を作る際にも,お好みソースを隠し味として加えてみるのもよいのではと思いました。

 ヒロツクのCMソング「ヒロツクの~こもち昆布」は,地元広島ではとても有名なフレーズですが,「ソース昆布」でも口ずさめそうです。

2015年4月 1日 (水)

クワスの研究 -ライ麦パンからクワスを作る(後編)-

 「クワスの研究 -ライ麦パンからクワスを作る(前編)-」では,クワスの材料の仕込みから,約12時間後までの様子をまとめました。後編では,約20時間経過した段階の様子からをまとめてみます。

(20時間後の容器内の様子)
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(20時間後の液体の様子)
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 これぐらい経てば,もう少し褐色になるかと期待していましたが,途中で少し水を加えたこともあってか,むしろ澄んだ黄色になりました。口あたりが更によくなり,炭酸も液体に溶け込んで馴染んでおり,クワスらしくなってきました。

(1日後の容器内の様子)
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(1日後の液体の様子)
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 褐色になる様子もなく,むしろ濁ってきて,これ以上発酵させると,アルコール分が強くなるばかりではないかと思い,ここで終了としました。

 パンをすくい上げてみると,ふにゃふにゃ,ぼろぼろになっています。このクワスの「もろみ」を金ざるで漉して,液体を絞り出しました。

(金ざるでもろみを漉す様子)
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完成した絞りたてのクワスです。

(自家製クワス[絞りたて])
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 クワスの状態で容器に入れ,冷蔵庫で寝かせると,液体の中の澱(おり,クワスを絞った白色の残りかす)が底に溜まり,透明度が増してきました。

(36時間後のクワスと沈殿して底に溜まった澱)
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 絞ってから1日寝かせ,透明度の高いクワスが完成しました。

(自家製クワス[冷蔵庫で1日寝かせた後])
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 日本ユーラシア協会広島支部で売られていたクワスが褐色だったので,今回もトーストしたライ麦パンの色のような褐色の液体になることを予想していたのですが,若干のとろみと炭酸のある黄色っぽい液体に仕上がりました。
 果たしてこれが本場のクワスに近いのかどうか,よくわかりませんが,クワスが作られる大まかな流れは理解出来たように思います。

 ロシアの人々は,今回のレーズンを加えた「パンクワス」のほかにも,柑橘類を加えた「酸味クワス」,紅茶を加えた「紅茶クワス」など,様々なクワスを作って楽しんでいるようです。


ビールは「飲むパン」


 小麦や大麦をパンに加工する技術は,古代エジプトで発達しました。大麦の麦芽で作られたパンがビールの発酵のために利用され,そのビールの酵母がパン種として利用されたのです。このことから,ビールが「飲むパン」と呼ばれるようになりました。
 実際,中世の頃のビールは,今のビールよりもずっと濃い,ドロドロとした麦の発酵汁のようなものだったようで,栄養価も高く,あたかもパンを食べるかのようにビールが飲まれたということです。


クワスこそ「飲むパン」

 現在のビールは,主に麦芽の煎じ汁に,ホップやビール酵母を加えて発酵させて作られており,わざわざパンを作ってビールを発酵させることは行われていないようです。
 それに対し,今回のクワスは,ライ麦パンを用いて発酵させて作りましたので,この飲料こそ,「飲むパン」と言えるのではないでしょうか。


再びパンに…

 魚柄仁之助氏のアイデア料理に,「パン粉パン」というのがあります。パンの耳を乾燥させてパン粉にし,そのパン粉にスキムミルクを加えて平たく固めたものをフライパンで焼くとクッキー風のパンになるという料理ですが,今回,もろみを金ざるで濾してクワスを絞り出した後の「クワス粕」を焼けば,「パン粉パン」のように再びパンのような食べ物になるのではないかと妙なことを思いつきました。

 クワス粕は,ライ麦パン,レーズン,りんごが原料なので,発酵してどろどろになっているとは言え,焼けばフルーツパンらしく再生するのではないかと期待しながらフライパンで焼いてみました。

(クワス粕を焼いたもの)
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 形にはなったものの,半生のガレットのような仕上がりになりました。
 見た目はそんなに悪くはないのですが,イーストや果物による発酵臭や酸味が強くなっており,味もそのままで食べるより随分痛んだ味になっていました。中まで十分焼けば,それでも食べられないことはありませんでしたが,半生だとさすがの私もギブアップしてしまいました。
 

 ましてや…これを人に「クワス」勇気などありません。

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