食材と味の探究

2024年1月21日 (日)

産直市・産直野菜コーナーの魅力4 -紅妃(こうひ)・紅菜苔(こうさいたい)-

紅妃(こうひ)

 広島市内のスーパーマーケットの産直野菜コーナーに珍しいキウイフルーツが販売されていました。

(紅妃(包装))
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 「紅妃(こうひ)」というレッドキウイフルーツです。

(紅妃)
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 販売されていた紅妃は、一般的なキウイフルーツに比べて小さいサイズでした。

 包丁で切って中身を確認してみました。

(紅妃(中身))
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 中心が赤いのが特徴です。

 この赤はポリフェノールの1つ「アントシアニン」によるもので、抗酸化作用があります。

 買った直後は表面がまだ硬く、予想どおり食べても酸っぱいだけでした。

 ビニール袋にリンゴと一緒に入れて追熟させると良いようですが、私は包装された状態で1~2週間、冷蔵庫の野菜室に入れっぱなしにしておきました。

 すると次第に表面がやわらかくなり、食べ頃となりました。

 熟した紅妃は、酸味が少なく、とても甘いキウイフルーツでした。


紅菜苔(こうさいたい)

 同じスーパーマーケットの産直市コーナーで、菜の花のような野菜が販売されていました。

(紅菜苔(包装))
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 「紅菜苔(こうさいたい)」です。

 長さが約60cmもある大きな野菜で、ところどころ菜の花に似た黄色い花が咲いていました。

 私は見た瞬間、広島の紅葉(もみじ)にちなんだ「紅葉苔(もみじごけ)」という名の地元野菜かと勘違いしました。

 陳列棚に横に寝かせる感じでたくさん積まれていました。

 大量に収穫できたのか、まだ知名度が低いからか、1束98円(税抜)で販売されていました。

 私はこの紅菜苔に興味を持ち、花束を抱えるような感じで買い物かごへ入れ、購入しました。

 自宅で紅菜苔をビニール袋から取り出してみました。

(紅菜苔)
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 これ、見た目は葉っぱと茎がある花ですよね。

 私を含め、初めて見た人は、どこまで食べられるのか、そしてどうやって食べるのか戸惑うと思います。

 産直野菜のコーナーに商品として陳列されていたから食用だと安心して買えましたが、例えば野山で初めて紅菜苔を見かけたら、食べられるかどうか判断に迷うでしょう。

 先入観を持ちたくなかったので、インターネットや本などで下調べはせず、まずは直感で調理してみることとしました。

 茎は赤紫色をしています。

 茎の皮は、フキやイタドリのように少しかたく、繊維質もあったため、縦方向に皮をむいてみました。

(紅菜苔の茎と皮)
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 赤紫色の皮をむくと、フキのような鮮やかな緑色の茎になりました。

 茎はくぼみがあり、太さも均一ではないため、その皮をむくのも意外と手間がかかりました。

 葉や花は「菜の花」に似ており、茎はフキに似ているため、まずは煮て「おひたし」を作ってみました。

(紅菜苔のおひたし)
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 食感は、見た目と同様、菜の花やフキと似ていました。

 味は、クセのない葉物野菜の味で、菜の花、大根の葉、小松菜に似ていると思いました。

 続いて、紅菜苔を味噌汁の具にしてみました。

(紅菜苔の味噌汁)
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 黄色い花がリアルに浮かんでいます。

 葉・花・茎の全てが使え、茎の皮も加熱すればやわらかくなり(アントシアニンが溶けて緑色になり)、独特のクセやにおい・えぐみもないため、他の葉物野菜と同様、様々な料理に気軽に使うことができます。

 次に、紅菜苔をゴマ油で炒めてみました。

(紅菜苔の油炒め)
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 シンプルに塩だけの味付けにしたのですが、特に葉の旨味が凝縮されて美味しくいただけました。

 茎はアスパラガスを炒めたような味・食感でした。

 わざわざ皮をむく必要がないこともわかりました。

 最後に、おでんの鍋に紅菜苔をパラパラと入れ、さっと煮込んでみました。

(おでん(紅菜苔))
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 シャクシャクとした食感で、おでんの汁を含んだ美味しい一品となりました。


 中国から日本に渡ってきて、和名は「紅菜花(べになばな)」と呼ばれるアブラナ科の野菜「紅菜苔」。

 洗って適当な大きさに切れば、そのまま煮物や炒め物に使え、独特のクセやにおい・えぐみもないので、実はとても扱いやすい野菜だとわかりました。

 翌日、同じ産直野菜コーナーへ行ってみると、まだ少しだけあったので、「こんなにお買い得な野菜はない」と追加で買いました。

 「紅葉苔(もみじごけ)」と勘違いした昨日とは一転し、「あっ、紅菜苔がある」と余裕の表情で(笑)

2023年3月12日 (日)

CBD(カンナビジオール)の世界 -CBDチョコレート・CBDオイル入りコーヒー-

CBDとは

 CBDとは,大麻草の茎や種子から抽出される成分で,「カンナビジオール(Cannabidiol)」の略称です。

 CBDは大麻由来の抽出物(化合物)ですが,高揚感を得る精神活性作用を引き起こす大麻の主成分「THC(テトラヒドロカンナビノール)」は含まれておらず,依存性・中毒性はありません。

 日本では厚生労働省麻薬取締部や税関のチェックを受けた合法的なCBDのみが流通しています。

 CBDを摂取することにより,リラックス効果,ストレスや痛みの緩和,不眠や鬱の予防効果があるとされています。

 このような効果が注目され,CBDは欧米を中心に大きな話題となっています。

 日本でも,CBD成分を配合したお菓子,ドリンク,サプリメント,コスメ,リキッドなどを取り扱うお店が徐々に増えています。


CBDチョコレートとCBDオイル入りコーヒー

 CBD製品を幅広く取り扱い,フードの製造を行うファクトリー(厨房)も備えておられるお店「HealthyTOKYO(ヘルシートーキョー)」江戸川店を訪問しました。

(「HealthyTOKYO」案内看板とメニュー)
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 CBDやヴィーガンに対応したスイーツ,ドリンク,軽食などが用意されています。

 ちなみに,写真に写っている黄緑色の自転車は,今回私がお借りしたレンタサイクルです。

 江戸川区役所の近く,閑静な住宅地の路地を入ったところにお店があり,スマートフォンでマップの位置情報を頼りに何とかたどり着けました。

(「HealthyTOKYO」江戸川店)
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 都会的でおしゃれな雰囲気のカフェです。

 イートインスペースも充実しており,ゆっくりくつろぐことができます。

 初めてのCBDで少し緊張しましたが,CBDチョコレートとコーヒーがセットになった「CBDチョコレートセット」を注文しました。

 この際,コーヒーにはCBDオイルを追加していただきました。

(CBDチョコレートセット)
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 こちらが「CBDチョコレートセット」です。

 一口サイズのチョコレートには,10mgのCBDが配合されています。

 チョコレートはダークチョコレートで,少しひんやりとして,ほのかにハーブの香りも感じました。

 続いてCBDオイル入りのコーヒーをいただきました。

(CBDオイル入りコーヒー)
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 フェアトレードコーヒーです。

 コーヒーの表面にCBDオイルが浮かび,店内の照明で光っています。

 一般的なコーヒーの感覚でいただいたのですが,コーヒーとは全く異なる風味(フレーバー)でした。

 CBDではなくオイルの香りかも知れませんが,ジンか松ヤニかローズマリーかフェンネルのような,清涼感のあるハーブの風味を感じました。

 チョコレートもコーヒーも,ゆっくりと味わいながらいただきました。

 しばらく経つと,体の芯からポカポカ温まり,ゆったりとした気持ちになったように感じました。

 翌日,羽田空港第2ターミナルで「HealthyTOKYO」羽田空港店を見つけました。

(「HealthyTOKYO」羽田空港店)
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 テーブル席では,多くの方がカフェや軽食を楽しんでおられました。

 広島に戻り,自然派のカフェで常連の方とお話ししていると,CBDをよく御存知の方がおられ,びっくりしました。

 CBDは今や,東京だけでなく全国各地で注目を集めていることを実感しました。


<関連サイト>
 「HealthyTOKYO(ヘルシートーキョー)」(江戸川店・東京都江戸川区中央1-18-8 ほか)

<参考文献>
 「ELLE gourmet(エル・グルメ)2021年11月号」(ハースト婦人画報社)

2022年12月25日 (日)

産直市・産直野菜コーナーの魅力3 -広島の伝統野菜「祇園パセリ」の特徴とパセリ料理-

広島の伝統野菜・祇園パセリ

 先日,広島市内のスーパーマーケットの産直野菜コーナーで,私がずっと探し求めていた野菜が販売されていました。

 「祇園(ぎおん)パセリ」です。

 祇園パセリは,広島市安佐南区の祇園地区で栽培されているパセリです。

 祇園地区の各農家で自家採種した種が使われ,その種が一般に出回ることはないため,とても希少価値が高い野菜となっています。

 そのため,広島のお宝野菜として「広島市伝統野菜」や「広島県産応援登録商品」にも認定されています。

 今回は,この祇園パセリと祇園パセリを使った料理を御紹介したいと思います。


祇園パセリの特徴

 祇園パセリは,かつては一般的なパセリと同様に出荷・販売されていました。

 このままだと消費者にとっては単なるパセリの1つであり,希少価値の高いパセリだと認識してもらえないため,生産者が平成28年に「祇園パセリ」と命名し,名入り包装袋に詰めて出荷・販売することで,ブランド化が図られるようになりました。

(祇園パセリ(包装))
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 地元広島でも知る人ぞ知る野菜なのですが,産直野菜コーナーで広範囲に販売されるようになり,食材に祇園パセリを取り入れる飲食店も出てきて,徐々に知名度が上がってきています。

(祇園パセリ)
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 祇園パセリの特徴は,鮮やかな緑色と細かい刻みの葉,そして香り高さにあります。

 祇園パセリを包装袋から取り出した瞬間,パセリの良い香りがほわっと広がりました。

 セロリにも似たその芳香は,「パセリってこんなに香り高い野菜なんだ」と目の覚めるような感動を覚えました。

 青々としてシャキシャキで,新鮮な産直野菜ならではの恩恵を受けることが出来ました。

 実はこれまでパセリはあまり得意でなかったのですが,今回祇園パセリに出会ったことで好感度が飛躍的にアップしました。


パセリ入り鶏団子スープ

 この祇園パセリを使って,いくつか料理を作ってみました。

 まずは鶏団子(つくね)とパセリが合うのではないかと思い,パセリ入り鶏団子スープを作りました。

 材料は鶏のひき肉(モモ肉),祇園パセリ,白ネギ,酒,みりん,醤油,塩,片栗粉です。

 鶏のひき肉に包丁で細かく刻んだパセリを加え,さらに醤油,塩,片栗粉を適量加えて混ぜ合わせ,鶏団子を作ります。

 鍋に水をはり,酒・みりん・醤油を加えて煮立たせ,それにパセリ入り鶏団子を入れてアクを取り除きます。

 その後,一口大の白ねぎを加え,(好みで塩で味を調えて)しばらく煮込めば完成です。

(パセリ入り鶏団子スープ)
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 パセリ,鶏団子,白ねぎから良いだしが出ました。

 ただ祇園パセリは香りが強いため,鶏モモ肉の繊細な風味にパセリの風味が覆いかぶさるような感じに仕上がりました。

 あと,パセリは西洋野菜なので,醤油ベースのあっさりした和のスープよりは,中華の鶏がらスープや洋食のコンソメスープとの相性の方がよいようにも思いました。


平松洋子さんのパセリ餃子(水餃子)

 作家・エッセイストで,食にお詳しい平松洋子さんは「パセリ愛香家(愛好家)」,「パセリの達人」と呼ばれるほどパセリがお好きな方です。

 パセリは地元の八百屋で業務用サイズで購入されるのだとか。

 その平松洋子さんが「パセリには火を通したおいしさがある」,「パセリをたっぷり使ってこそ出会える味わいがある」ことを踏まえて考案された料理が「パセリ餃子」です。

 「パセリを信じるといいことがある」とおっしゃる平松洋子さんを信じ,祇園パセリでパセリ餃子を作ってみることにしました。

 餃子の餡(あん)にする具材は,豚のひき肉とパセリです。

 その餡の調味料は,シンプルに醤油,酒,塩,コショウだけです。

 ボウルに豚のひき肉を入れ,調味料を加えて混ぜ合わせたあと,パセリの葉を手で細かくちぎって加えます。

 ここでパセリをすべて包丁で細かく刻む必要はなく,葉は手でちぎり,茎だけ細かく刻めばよいことを知りました。

 祇園パセリは葉が細かいので,なおさらです。

(パセリ餃子の餡)
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 「こんなに入れて大丈夫かな?」と思うほどパセリを加えましたが,ひき肉と混ぜるとうまくまとまりました。

 そして出来上がった餡を餃子の皮で包みました。

 この際,皮にひだを作らず,パタンと二つ折りにするだけ(シンプルな半円形)にするのがコツです。

 こうすると肉に早く火が入り,パセリのフレッシュ感を残したまま茹で上げることができるのだそうです。

 これは楽でいいな(笑)

(パセリ餃子(生))
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 この生のパセリ餃子をたっぷりの熱湯で茹で,皿に盛れば完成です。

(パセリ餃子(水餃子))
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 餡に味がついているため,スープで煮る必要もタレを用意する必要もありません。

(パセリ餃子(水餃子)の中身)
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 中にはパセリがたっぷり入っています。

 茹でたてのパセリ餃子をそのままガブリといただきました。

 なるほど,フレッシュな香りのパセリ,それをしっかりと受け止めて旨味をふくらませた豚のひき肉,そしてワンタンのようにツルンとした皮,これらが一体となり,シンプルな材料・作り方でありながら,しっかり美味しい水餃子が味わえました。


平松洋子さんのパセリ餃子(焼き餃子)

 後日,再びパセリ餃子を作り,今度は焼き餃子にしてみました。

 焼き餃子なので,今回は餃子の皮にひだを作りながら餡を包みました。

 油をひいて熱したフライパンに生のパセリ餃子をのせ,熱湯をかけて一気に焼き上げました。

(パセリ餃子(焼き餃子))
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 少し羽根つき餃子風に仕上げてみました。

(パセリ餃子(焼き餃子)の中身)
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 醤油に山口の「ゆずきち」を絞ったポン酢でいただきました。

 水餃子に比べてどっしりとした重量感があり,その後に爽やかなパセリの風味を感じました。

 ポン酢に新潟の神楽南蛮を使った「みどりのラー油」を少し加え,パセリ餃子につけていただくと,パーフェクトな味になりました。


おでん(パセリ肉団子)

 パセリ餃子の餡が少し余ったので,肉団子にし,おでんに入れて煮込みました。

(おでん(パセリ肉団子))
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 写真中央がパセリ肉団子です。

 「あっ,これはおでんによく合う!」と思わず声に出るほど,おでんの汁を吸ったパセリ肉団子は美味しかったです。


まとめ

 トンテキ(豚ロース肉のステーキ)に祇園パセリを添えてみました。

(トンテキと祇園パセリ)
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 普段作っている肉・魚料理には野菜を添えることすらしませんが,パセリを少し添えるだけで見た目がぐんと良くなるように思いました。

 加えて,パセリはただメイン料理を飾るだけでなく,食事の合間に食べることで口の中に清涼感を与え,その香りがメイン料理の味をさらに引き立たせる力があることもわかりました。

 今まで,料理に添えられたパセリは「もったいないから」という理由で半ば義務感で食べていましたが,この祇園パセリは見た目の美しさが,シャキシャキ感が,そして何と言っても香りがとても良く,パセリに抱いていたイメージがガラリと変わりました。

 そういう意味では,今回御紹介した祇園パセリは,まずは生でそのまま味わってみるのがベストだと言えます。

 パセリの魅力を知ると,食や料理の世界がもっと広がると思います。


<関連サイト>
 「広島のお宝野菜 祇園パセリ」(祇園農事研究会パセリ部会)
 「祇園パセリ」(広島県産応援登録制度事務局)

<関連記事>
 「新潟の食文化探訪3 -おにぎり・神楽南蛮・みどりのラー油・笹団子・醬油おこわ・柿の種・新潟のお菓子-
 「山口の食文化探訪4 -ディアボロ・クレームカラメル・くりまさる・長門ゆずきち-

<参考文献>
 「平松洋子さんのパセリBOOK(dancyu 2022年12月号)」(プレジデント社)

2022年10月23日 (日)

産直市・産直野菜コーナーの魅力2 -ブルーベリー・赤オクラ・シカクマメ(四角豆)・マコモダケ・むかご・宇宙芋-

 産直市やデパート・スーパーマーケットの産直野菜コーナーへ行くと,地元で採れた面白い野菜や珍しい野菜を販売されていることがあります。

 たまたまその日だけ販売されているような野菜もあり,そうした「偶然の出会い」があるのも産直市・産直野菜コーナーの楽しみの1つです。

 また,思いがけず珍しい野菜が手に入ることもあります。

 第1回に続き,そんなちょっと面白い野菜・珍しい野菜をいくつか御紹介したいと思います。


ブルーベリー

 広島県安芸郡海田町にあるスーパーマーケット「マックスバリュ海田店」に,JA安芸(安芸農業協同組合)の産直野菜コーナーがあります。

 そのコーナーの一角で生のブルーベリー(広島県呉市産)が販売されていました。

(ブルーベリー)
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 ブルーベリーに含まれるアントシアニンが目に良いとされ,ドラッグストアなどでもブルーベリー系のサプリメントはよく販売されていますが,生のブルーベリーはなかなか入手できません。

 水で洗い,そのままガブリといただくと,ぶどうに似た甘酸っぱい味が口の中いっぱいに広がりました。

 その直後に歯磨きをすると…歯磨き粉と歯ブラシが真っ青になってビックリ!

 しばらく経ってブルーベリーの色素によるものだと気付くまでは,体を壊したのではないかとかなりあわてました(笑)


赤オクラ

 同じJA安芸(安芸農業協同組合)の産直野菜コーナーで,海田町産の赤いオクラが販売されていました。

(赤オクラ)
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 緑色のオクラはよく見かけますが,赤色のオクラはちょっと珍しいですよね。

(赤オクラ(中身))
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 中身は一般的な緑色のオクラと同じで,皮の色だけ異なるようです。

 この皮の赤色は,ブルーベリーと同じアントシアニンによるものです。

 さっと茹でて食べようとしたら,赤色が抜けて白っぽい緑色になってしまいました。

 赤色を楽しむ場合は生を刻んでいただくのが良さそうです。


シカクマメ(四角豆)

 広島県安芸郡府中町にあるショッピングセンター「イオンモール広島府中」で,「甲山いきいき村」の産直野菜の1つとして「シカクマメ(四角豆)」が販売されていました。

(シカクマメ(包装))
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 私はカンボジアのホームステイ先で「キュウリと四角豆のサラダ」をいただいたのですが,その時に初めてシカクマメ(四角豆)という野菜を知りました。

 「日本でも栽培されているんだ」と,久しぶりの再会に感動しました。

(シカクマメ)
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 ふちが四角くてひだが付いている,珍しい形をした豆です。

 その形から「シカクマメ(四角豆)」と呼ばれます。

 ただ,四角いだけに水洗いが多少面倒な野菜でもあります。

 カンボジアでは生でいただいたので,同じようにサラダにしていただきました。

(シカクマメのサラダ)
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 生で食べると弾力があり,少し豆特有の青臭さを感じました。

 カンボジアでは,生のキュウリと同じくパリパリとした食感で,青臭さも気にならなかったように記憶しているのですが…。

 そこで豚肉や卵と一緒にシカクマメを油で炒めてみました。

(シカクマメと豚肉炒め)
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 油で炒めると,ポリポリした食感となり,青臭さもなくなりました。

 同じ熱帯アジア原産の野菜「ゴーヤ(ニガウリ)」の料理を参考に調理すればとよいと思います。


マコモダケ

 広島市内のデパート「そごう広島店」の産直野菜売場で「マコモダケ」が販売されていました。

(マコモダケ)
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 マコモダケは「マコモ」と呼ばれる植物の茎が肥大化したものです。

 緑色の葉の部分をはぎ取り,薄く切って豚肉と一緒に炒めてみました。

(マコモダケと豚肉の炒め)
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 マコモダケは,シャクシャクしてタケノコに似た食感でした。

 緑色の葉の部分は筋張っているので,きれいに取り除いて中の白い部分だけ食べることをおすすめします。


むかご

 広島県の北東部(庄原市東城町と神石高原町)に「帝釈峡(たいしゃくきょう)」という景勝地があります。

 こちらを訪問した際,道路沿いの産直店舗に「むかご」と呼ばれる野菜が販売されていました。

 バターや塩で炒めて食べると小粒の芋のようで美味しかった記憶があるのですが,その後は野菜売場で見かけることもなく,そのうち名前すら忘れてしまいました。

 しばらく経って,茨城県つくば市の料理店で「アピオス」と呼ばれる「むかご」とよく似た野菜をいただき,その時に改めて「むかご」を思い出しました。

 「むかご」はあまり流通しておらず,どちらかと言えば珍しい野菜のため,名前を思い出しては忘れるの繰り返しなのですが(笑),その「むかご」が広島市南区のスーパーマーケット「イオン宇品店」の産直野菜コーナー「豊平どんぐり村 さんさん市」で販売されていました。

(むかご(包装))
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 「むかご」はヤマイモなどの蔓(つる)が肥大化してできた肉芽の名称です。

 写真はヤマイモのむかごで,小袋に詰めて販売されていました。

(むかご)
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 1粒はパチンコ玉ぐらいの大きさで,形は丸いものや豆のような形をしたものなど様々です。

(むかご(中身))
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 皮は薄く,中身はジャガイモやヤマイモと似ています。

 むかごを水でよく洗い,熱したフライパンにバターを溶かし,むかごを入れて炒めました。

 塩で味を調えて「むかごのバター炒め」の完成です。

(むかごのバター炒め)
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 ホクホクとした食感で,油脂との相性も抜群でした。

 秋の味覚として,米とむかごを一緒に炊いた「むかごごはん」もおすすめです。


宇宙芋(エアーポテト)

 広島県廿日市市のカフェで,畑でできた「宇宙芋」をいただきました。

(宇宙芋)
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 宇宙の隕石を思わせる形から「宇宙芋」と呼ばれています。

 先程御紹介した「むかご」のジャンボサイズで,(土の中ではなく)蔓にできることから「エアーポテト」とも呼ばれています。

 その見た目や「宇宙」というネーミングから,私は小惑星「イトカワ」をイメージします。

 小惑星探査機「はやぶさ」のように,中を調査してみましょう。

(宇宙芋(中身))
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 見た目はゴツゴツして硬い印象を受けますが,実際は皮が薄く,中身も黄色くてやわらかい芋です。

 皮ごと薄切りにし,油をひいたフライパンで軽くソテーしました。

(宇宙芋のソテー)
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 ジャガイモに近いヤマイモの食感です。

 厚切りのポテトチップスのような仕上がりとなりました。

 ジャガイモと同じ感覚で調理でき,炒め物や揚げ物などに向いています。

 ちなみに…皮は薄いですが割としっかりしているので,むいた方がベターです。


<関連サイト>
 「甲山いきいき村」(広島県世羅郡世羅町小世良341-1)
 「道の駅 豊平どんぐり村」(広島県山県郡北広島町都志見12609)
 「小惑星イトカワの素顔に迫る -「はやぶさ」科学的観測の成果-」(JAXA・宇宙航空研究開発機構)

<関連記事>
 「産直市・産直野菜コーナーの魅力1 -皮付きヤングコーン・オカワカメ・花オクラ・紫ししとう(紫唐辛子)・エゴマの葉-
 「カンボジア料理の特徴と主な料理4 -プラホックを使った料理(プラホック・チャー,バナナの葉包み焼き)・カンボジアの食文化-
 「「うまいもんどころ」茨城 -納豆,メヒカリ,アピオス,つくば鶏,常陸秋そば,お土産-

2022年9月11日 (日)

産直市・産直野菜コーナーの魅力1 -皮付きヤングコーン・オカワカメ・花オクラ・紫ししとう(紫唐辛子)・エゴマの葉-

 産直市やデパート・スーパーマーケットの産直野菜コーナーへ行くと,地元で採れた面白い野菜や珍しい野菜を販売されていることがあります。

 たまたまその日だけ販売されているような野菜もあり,そうした「偶然の出会い」があるのも産直市・産直野菜コーナーの楽しみの1つです。

 今回は,産直野菜コーナーで見つけたちょっと面白い野菜・珍しい野菜をいくつか御紹介したいと思います。


ヤングコーン

 ヤングコーンはパック詰めや缶詰の状態でよく見かける野菜ですが,皮付き(葉付き)のヤングコーンが販売されていたので購入しました。

 皮付きのトウモロコシは季節になるとよく販売されていますが,皮付きのヤングコーンはちょっと珍しいです。

(ヤングコーン(皮付き))
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 1本の長さが40~50cmありました。

 トウモロコシと同様に,包まれている皮(葉)をはぎ,中身を取り出してみました。

(ヤングコーン(皮付き・生ヤングコーン))
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 取り出した瞬間「えっ,中身はこんなに小さいんだ」と驚きました。

 「ほとんど捨てるところじゃないか」と思うぐらい,タケノコのように何枚もの皮(葉)に包まれていました。

 茹でると,やわらかくてほんのり甘いヤングコーンになりました。

 パック詰めや缶詰で販売されているヤングコーンが,実は何枚もの大きな皮(葉)で包まれており,大変な労力がかけられた,とても貴重な1本であることがわかりました。


オカワカメ

 産直野菜コーナーで「オカワカメ」と呼ばれる野菜が販売されていました。

 オカ(丘・陸地)でできるワカメのような野菜ではないかと興味を持ち,購入しました。

(オカワカメ(包装))
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 ビニール袋の中に,平べったい小さな葉がたくさん入っていました。

 ビニール袋からオカワカメを取り出してみました。

(オカワカメ)
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 一見,近所にも生えてそうな普通の葉です。

(オカワカメの食べ方)
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 オカワカメの食べ方が紹介されていました。

 「熱湯で5秒間茹でてサッと冷水で洗う。ポン酢をかけて食べる。また味噌汁・納豆・サラダの中に入れて,食感を楽しんでね!」

 海のワカメと同じような調理法でよいようです。

 それならと,まずはオカワカメをサッと茹で,冷水で洗ってみました。

(ゆがいたオカワカメ)
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 葉が深緑色になり,表面にヌルヌルとしたぬめりが出てきました。

 ポン酢でいただくと,シャクシャクとした食感も楽しめました。

 このワカメにも似た「ぬめり」と「シャクシャク感」がオカワカメの特徴のようです。

 次に味噌汁の具にしてみました。

(オカワカメの味噌汁)
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 オカワカメのほか,豆腐・大根・オクラが入った味噌汁です。

 オカワカメを味噌汁に入れてみると,その食感がワカメとそっくりなことがわかりました。


花オクラ

 夏の産直市・産直野菜コーナーではオクラをよく見かけますが,今回,あまり馴染みのない「花オクラ」と呼ばれる野菜が販売されていました。

(花オクラ(包装))
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 ほとんどが花のようで,とてもやわらかく繊細でした。

(花オクラ)
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 花びらを開いてみましたが,やはり黄色い花のみでした。

 花オクラは,花が食べられるようにオクラを品種改良したもののようです。

 その細長い形にオクラの面影を感じます。

 この花オクラでおひたしを作ってみました。

(花オクラのおひたし)
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 花びらが綿のようにフワフワになりました。

 食べるとジュワッと溶けていくような感じです。

 苦味や渋味がないので食べやすいです。

 続いて味噌汁の具にしてみました。

(花オクラの味噌汁)
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 花オクラから出る「ネバネバ」・「ぬめり」により,味噌が汁椀の底に沈殿しました。

 この「ネバネバ」・「ぬめり」が出るところは,オクラと一緒です。

 繊細な食感が楽しめるエディブルフラワーでした。


紫ししとう(紫唐辛子)

 一般的な「ししとう」は緑色をしていますが,産直野菜コーナーで「紫のししとう」が販売されていました。

(紫のししとう(紫唐辛子)(包装))
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 包装の説明書きには「奈良の伝統野菜」,「種袋には『紫のとうがらし』と書いてありましたが,食べたら『シシトウ』でした。加熱すると緑色に変~身!なので,サッと火を通すのがおススメです」とありました。

(紫のししとう(紫唐辛子))
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 茄子(ナス)のような濃い紫色をしています。

 「加熱すると緑色に変~身!」するのか,実際に加熱してみました。

(紫のししとう(紫唐辛子)(生のものと加熱したもの))
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 写真上が生,写真下が加熱した「紫のししとう」です。

 加熱が進むにつれ,徐々に緑色に変化しました。

 生はカリカリ,加熱したものはシャクシャクした食感で,いずれも辛味はありませんでした。

 茹でた「紫のししとう」に醤油・酢・ゴマ油を加えてしばらく漬け,ナムルにしてみました。

(紫ししとうのナムル)
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 紫のししとうに調味液がしっかりと浸み込み,ご飯のお供にぴったりの一品となりました。


エゴマの葉

 ある日,産直野菜コーナーで「エゴマの葉」が販売されていました。

 エゴマの葉はハングルでは「ケンニップ(ケンニプ)」と呼ばれ,韓国ではキムチ漬けにしたり,醤油漬けにしてよく食べられています。

 輸入食材店・韓国食材店などでは,エゴマの葉を使ったキムチの缶詰もよく販売されています。

 しかしながら,日本では生のエゴマの葉はあまり見かけません。

 どんな味がするのか興味を持って購入しました。

(エゴマの葉(包装))
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 大葉を何倍も大きくしたような,大きな葉っぱが包装されていました。

(エゴマの葉)
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 長さを測ってみると,縦が約20cm,幅が約15cmありました。

 大きい分,葉の肉厚もあり,表面が起毛でゴワゴワしていました。

(エゴマの葉(生のものと加熱したもの))
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 写真左が生のエゴマの葉,写真右が加熱した(茹でた)エゴマの葉です。

 エゴマの葉を加熱すると緑色から濃い(暗い)緑色に変化しました。

 両方を食べ比べてみました。

 生のエゴマの葉は,見た目だけでなく,風味も大葉を何倍も凝縮させたような感じでした。

 肉厚なので多少食べにくさも感じました。

 加熱したエゴマの葉は,生に比べて青臭さは減りましたが,逆に大葉に似た香りは強まりました。ただ,期待したほどやわらかくはなりませんでした。

 牛肉を焼き,韓国料理風にエゴマの葉で包んでいただいてみました。

(エゴマの葉で包んだ牛焼肉)
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 脂肪分が多い肉でも,さっぱりと美味しくいただくことができました。

 今回はシンプルに塩・こしょうで味付けした焼肉を包んで味わいましたが,エゴマの葉は少し香りが強いので,それに負けないコチュジャン(辛味噌)などのたれを使うのも良いと思います。

 エゴマの葉をキムチにして食べられるのも,そのままでは肉厚で香りの強いエゴマの葉を美味しくいただくために生み出された知恵なのでしょう。


まとめ

 産直市・産直野菜コーナーの野菜は,生産者の名前や写真が表示されているものも多く,その分,新鮮で安全・安心な野菜を安く買えるというメリットがあります。

 そして面白い野菜や珍しい野菜をゲットできるチャンスもあります。

 さらに消費者だけでなく,生産者にとっても,直接収入となり,消費者との交流もできることが喜びや励みにつながっているのです。

 今後も産直市・産直野菜コーナーで様々な野菜との出会いを楽しみたいと思います。

2022年4月10日 (日)

関西の地場野菜「しろ菜」と関東の地場野菜「のらぼう菜」・広島県の「やさいバス」-しろ菜のおひたしと豚肉炒め・のらぼう菜の肉巻き-

関西の地場野菜「しろ菜」

 広島市南区のスーパーマーケットの野菜コーナーで,葉物野菜「しろ菜」が販売されていました。

(しろ菜(包装))
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 しろ菜は,ハクサイと漬け菜の交雑品種です。

 「大阪しろ菜」・「天満菜」とも呼ばれ,大阪・関西地方を中心に栽培されています。

 漢字では「白菜」と表記されますが,これだと実際の見た目も含めて「しろな」なのか「ハクサイ」なのか消費者にわかりにくいため,「しろ菜」と表記して販売されています。

(しろ菜)
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 ハクサイとは違い,非結球の野菜で1枚1枚の葉が独立しています。

 調理するとどんな味になるのか,簡単なおひたしと炒め物を作ってみました。


しろ菜のおひたし

 しろ菜を酒・みりん・醤油でさっと茹でて,おひたしを作りました。

(しろ菜のおひたし)
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 いただいてみると,シャクシャクとした食感で,ハクサイよりはチンゲン菜や小松菜に近いと感じました。

 わずかながら,ほうれん草のような「えぐみ」も感じられました。

 しろ菜の美味しさをそのまま,簡単に味わえる料理として,おひたしが適しています。


しろ菜と豚肉炒め

 続いて,しろ菜を豚バラ肉と一緒に炒めました。

(しろ菜と豚肉炒め)
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 しろ菜本来の味を楽しめるよう,調味はシンプルに塩・こしょうのみとしました。

 当初,ハクサイに近い野菜ならば茹で物が基本で,炒め物にすると失敗するかもと思ったのですが,実際はチンゲン菜や小松菜に近く,油を使った炒め物の方がより美味しくいただけました。


「やさいバス」と広島県内での運用

 静岡県牧之原市にやさいバス株式会社という会社があります。

 「やさいバス」と名付けられた冷蔵車が地域を巡回し,最寄りのバス停を利用して,生産者から実需者(卸売業者・青果店・消費者など)へ鮮度の良い野菜が直接届けられる流通システムを構築されている会社です。

 当初は静岡県内を中心に運用されていましたが,徐々にエリアを拡大され,2021年8月からはそごう広島店とのコラボレーションで,広島県内でも運用されるようになりました。

 広島市は,京都に次いで明治38(1905)年2月5日にバスが運行開始され(※),現在も数多くのバス会社が様々な地域・都市間を運行している日本有数のバス都市です。
 ※日本初は,明治36(1903)年9月20日に京都市で運行開始したバスとされ,この日が「バスの日」に制定されています。

 広島県内での「やさいバス」運用は,こうした広島のバスの路線網・ネットワークが活用されています。

 実際に運行しているバスに,乗客と産地で採れた野菜を乗せた「貨客混載」方式で運用される,全国でも珍しい取組みとなっています。

(「やさいバス」バス停)
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 デパートの地下食品売場が「やさいバス」のバス停です(笑)

 現在,広島県内のバス路線のうち,「たかの便」(庄原市),「東城・庄原(県立広島大学)便」(庄原市),「戸河内便」(安芸太田町),「東広島便」(東広島市),「世羅便」(世羅町),「三原便」(三原市)などで「やさいバス」が運用されています。


関東の地場野菜「のらぼう菜」

 「やさいバス」のコーナーに,神奈川県愛川町から届いた「のらぼう菜」が販売されていました。

 価格表示ラベルに「お取り寄せしました」とあり,のらぼう菜を手に取ってみると,「運搬距離638km」と記載されていました。

 消費者が個人でお取り寄せすることを考えると,安価に購入することが出来ます。

(のらぼう菜(包装))
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 商品POPを見ると,のらぼう菜は肉巻きがおすすめと紹介されていました。

(のらぼう菜POP(肉巻き料理紹介))
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 のらぼう菜は,東京・埼玉など関東を中心に栽培されている野菜です。

 菜花類の一種で,春の訪れを知らせてくれる野菜です。

(のらぼう菜)
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 太い茎と濃い緑色の葉が特徴です。

(のらぼう菜(拡大))
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 こちらは茎と葉を拡大した写真です。

 茎は,右半分の切り口からもわかるように,アスパラガスに似ています。

 葉は濃い緑色で厚みがあります。

 中心部には菜の花などと同様につぼみがあります。

(のらぼう菜のつぼみ)
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 とても小さく,1束に1つしかないので,よくよく注意して探さないと見つけられません。

 菜の花に比べて,苦味・クセが少なく,食べやすいことも特徴です。

 関東だけの野菜かと思っていましたが,意識して野菜売場を見て回ると,出雲産・広島産など他の地域でもポツポツと栽培されているようです。


のらぼう菜の肉巻き

 のらぼう菜のPOPに「特に茎の部分が美味しく,肉巻きで食べるのがおすすめ」とあったので,豚バラ肉(スライス)で巻き,肉巻きを作ってみました。

 のらぼう菜を5~6cm間隔で切り,豚バラ肉(スライス)で巻いて,つまようじで斜めに止めました。

(のらぼう菜の肉巻き(加熱前))
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 茎が太いので,茎2~3本と葉の組合せで巻きました。

 油をひいて加熱したフライパンで焼き,シンプルに塩・こしょうで味付けしたら完成です。

(のらぼう菜の肉巻き)
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 加熱すると,のらぼう菜の緑色は一層濃くなり,豚肉も良い焼き色となりました。

(のらぼう菜の肉巻き(拡大))
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 豚肉はカリカリ,のらぼう菜の葉はパリパリに仕上がりました。

 いただいてみると,茎にはアスパラガスにも似た食感・ジューシーさが,葉には凝縮された濃い旨味が感じられ,焼いた豚バラ肉との相性も抜群でした。

 のらぼう菜は,肉巻きをシンプルに塩・こしょうでいただくのがおすすめです。


まとめ

 今回は,関西の「しろ菜」と関東の「のらぼう菜」という2つの地場野菜を御紹介しましたが,最近では,少量ながらも他の地域でも栽培されていたり,「やさいバス」やお取り寄せといった流通手段が発達するなど,その気になれば珍しい野菜も比較的容易に入手できる時代となっています。

 こうしたシステム・時代の流れをうまく活用し,お気に入りの野菜を使って,豊かな食生活を送りたいものです。


<関連サイト>
 「やさいバス」(やさいバス株式会社・静岡県牧之原市布引原1076-2

<参考文献>
 「バスびより(広島バスセンター60周年超特大号 Vol.13)」広島バスセンター

2022年2月13日 (日)

油麦菜(ユーマーサイ)の特徴と魅力 -油麦菜と海老・豚肉炒め-

野菜売場のニューフェイス「油麦菜」

 ここ最近,広島市内のスーパーマーケットやデパートの野菜売場などで,ニューフェイスでありながら頻繁に見かけた野菜があります。

 「油麦菜」という野菜です。

 「油麦菜」と書いて「ユーマーサイ」,「ユーマーツァイ」,「ヨウマイツァイ」,「ユバクサイ」と読みます。

 このほか「ムギレタス」や「エーサイ」などの呼び方もあります。

 台湾では「A菜」という名で親しまれているようです。

 今回は,この「油麦菜」を御紹介したいと思います。


油麦菜について

 広島市南区にあるスーパーマーケットの野菜売場で油麦菜を購入しました。

(油麦菜(包装))
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 こんな感じに包装された油麦菜が,一時期,野菜コーナーに大量に陳列されていました。

 「油麦菜」という名前から,「中国野菜」で「炒め物など油を使った調理に向いた野菜」ではないかとイメージしました。

 そして野菜売場で見かける度に,どういった野菜なのか食べてみたい気持ちが強まりました。

 これが買ってみようと思った理由です。

 ビニール包装から油麦菜の束を取り出してみました。

(油麦菜(束))
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 35cm前後の細長い葉が4~5枚で束になっています。

 1枚の葉の形を確かめてみましょう。

(油麦菜(葉))
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 細長く,レタスのような弾力とみずみずしさがあります。

 生でサラダとしても食べられるとあったので,まずは水で洗って豪快にかじってみました。

 これと言った香りもクセもなく,特に白い部分はシャキシャキとした食感でレタスそっくりです。

 青菜の部分はほうれん草や春菊のように多少厚みがあるので,サラダにするならマヨネーズや濃いドレッシングが合うでしょう。


油麦菜と海老・豚肉炒め

 油麦菜の生の味や食感がわかったところで,次に油で炒めてみることにしました。

 相性が良さそうな海老や豚肉と一緒に炒めてみることします。

 油麦菜は3~4cmにざく切りし,薄切りの豚バラ肉も1~2cmの幅に切ります。

 海老は殻をむき,ボウルに入れて酒と醤油を加え,軽く片栗粉(または小麦粉)をまぶして,手で揉みこんでおきます。

 フライパンに油をひき,豚肉に軽く火を通してから海老と油麦菜を加え,強火でさっと炒めて,全ての材料に火が通れば出来上がりです。

(油麦菜と海老・豚肉炒め)
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 油麦菜を油で炒めると,薄い緑色からつやのある濃い緑色に変化しました。

 そして何より驚いたのが,油麦菜を炒めた時に発する香りです。

 油麦菜を炒めると,焼きトウモロコシのような,何とも香ばしくて食欲をそそる香りが漂ってくるのです。

 油麦菜を生で食べた時は香りなどなかったのに,油で炒めるとなぜこんな香ばしい香りが出てくるのだろうかと,不思議でなりませんでした。

 イメージどおり,海老や豚肉との相性は抜群で,海老や豚肉を押しのけて油麦菜が主役だと思うほど美味しい野菜でした。


まとめ

 油麦菜は炒めるととても香ばしい香りが出るため,炒め物を作る際にごま油やにんにくを使う必要はありません。

 油麦菜は,ほかの食材と一緒に油で炒め,塩で調味するだけで本格的な炒め物が出来てしまう優れものです。

 私は油麦菜のとりこになり,その後も野菜売場に油麦菜がないか探して回りましたが,いざ意識して探すとないもので,次の出荷時期を楽しみにしておこうと思います。

 油で炒めると焼きトウモロコシの香りがする「油麦菜」,お湯で茹でるとかつおだしのような味が出る「かつお菜」など,世の中には不思議な葉物野菜があるものですね。

 皆様も油麦菜を見かけたら,ぜひ一度お試しください。


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2022年1月 9日 (日)

ローマと呼ばれる野菜について -大葉春菊と中葉春菊の違いを知る-

ローマと呼ばれる野菜

 かつお菜の記事のコメントで,埼玉県にお住まいの当ブログの読者chibiayaさんから,福岡県のかつお菜と同様に,珍しい野菜があることを教えていただきました。

 山口県西部や福岡県北九州市では「ローマ」と呼ばれる野菜があるとのお話でした。

 「ローマ」は,一般的には「大葉春菊」と呼ばれる野菜です。

 今回は,この「ローマ」(大葉春菊)の特徴と,一般的な春菊(中葉春菊)との違いについて御紹介したいと思います。


ローマ(大葉春菊)について

 「ローマ」は,西日本を中心に栽培されている春菊(大葉春菊)です。

 一般的な名称は大葉春菊ですが,そのほかにも「ローマ」,「おたふく春菊」,「鍋しゅんぎく」,「サラダしゅんぎく」といった呼び名があるようです。

 通年収穫できる野菜ですが,茎や葉が柔らかくなる11月から2月の期間が旬とされています。

 一般的な春菊(中葉春菊)に比べ,葉のきざみ(ギザギザ)がなく,丸みを帯びているのが特徴です。

 「ローマ」と呼ばれる由来については,ローマ(地中海)原産の種が日本で広まったからという説がありますが,真相ははっきりしていません。


広島市の伝統野菜でもある大葉春菊

 2022年1月8日,広島市南区のスーパーマーケットで産直野菜コーナーを見回っていると,なんと広島でも大葉春菊が販売されていました。

 春菊と並べて販売されていたので,明らかな違いがあるようです。

 大葉春菊の特徴,そして一般的な春菊との違いは何なのか,真相を探るべく,両方の春菊を購入しました。

(大葉春菊と春菊(包装・広島市産))
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 写真左が大葉春菊,写真右が春菊(中葉春菊)です。

 包装に「大葉春菊」と記載されたシールが貼付されているかどうかの違いで,品名はいずれも「春菊」として販売されていました。

 大葉春菊の包装シールには,
 「今が旬!広島特産 大葉春菊」
 「広島特産の大葉品種です すきやき,鍋,サラダでも」
 と記載されていました。

 大葉春菊は,広島の特産・伝統野菜として,広島近辺では広島市安佐南区安古市を中心に栽培されているようです。

 春菊と比べてみると,大葉春菊は一回り小さい感じでしたが,逆に値段は1.6倍程度高く販売されていました。
 (厳密には1袋が同量ではないので,参考程度のお話ですが…。)

 ただ,包装されている状態では,大葉春菊と春菊の違いはあまりよくわかりませんでした。

 そこで,大葉春菊と春菊を袋から取り出し,比較することで違いを確かめることにしました。


大葉春菊と春菊の見た目の違い

 まずは一般的な春菊(中葉春菊)から御覧ください。

(春菊(中葉春菊))
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 根元の茎が細く,葉にきざみ(ギザギザ)があります。

 次に大葉春菊を御覧ください。

(大葉春菊)
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 春菊に比べ,1つのまとまり(束)が小さく,葉のきざみも少ないことがわかります。

 それでは,大葉春菊と春菊を並べた写真を御覧ください。

(大葉春菊と春菊)
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 写真左が大葉春菊,写真右が春菊です。

 形や大きさの違いがよくお分かりいただけるかと思います。

 さらに,それぞれの葉を並べてみると,その違いがさらによくわかります。

(大葉春菊と春菊(葉の比較))
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 写真左が大葉春菊,写真右が春菊の葉です。

 大葉春菊の方が,濃い緑色で,形が緩やかでずんぐりしており,1枚の葉が大きく,葉に肉厚があることがわかります。

 店頭に陳列されている状態では,両者の違いがよくわかりませんでしたが,こうして並べてみると違いや特徴がよくわかります。


大葉春菊と春菊の味・食感の違い

 大葉春菊と春菊の形や大きさの違いがわかったところで,大葉春菊と春菊を水洗いし,そのまま(生で)いただいてみました。

 まずは食べ慣れた春菊からいただきました。

 子供の頃,春菊独特の香りが苦手で,その香りの本当の良さを知ったのはごく最近のことですが,一口食べるとその春菊の良い香りが口の中一杯に広がりました。

 食感はシャキシャキとしていました。

 次に大葉春菊をいただきました。

 確かに春菊の香りがするのですが,春菊に比べると穏やかでした。

 その分,肉厚の葉をかみしめる度に,旨味がジュワっとあふれ出る感じでした。

 食感はシャクシャクとしていました。

 春菊の香りが好きな人は春菊を,春菊の香りはほどほどに,葉の食感や旨味を好む人は大葉春菊を選ぶと良いでしょう。

 続いて,春菊と大葉春菊をお湯でさっとゆがいてみました。

(茹でた春菊と大葉春菊)
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 写真左上(奥)が茹でた春菊,写真右下(手前)が茹でた大葉春菊です。

 大葉春菊の方が,茎が太く,厚みのあるしっかりした葉であることがわかります。

 いただくと,生と同様,春菊はシャキシャキして香り高く,大葉春菊はシャクシャクして旨味を強く感じました。

 春菊はその香りを生かしておひたしや和え物,鍋料理などに使われますが,大葉春菊はアクが少なく葉が肉厚で大きいので,サラダでいただいたり,鍋でいただくのが美味しい食べ方だと思います。


まとめ

 店頭でパッと見た感じでは違いがよくわかりませんでしたが,実際に大葉春菊と春菊を並べ,食べ比べてみると,かなり違いがあることがわかりました。

 香り重視か旨味重視か,どんな料理を作るかによって,使い分けると良いようです。

 大葉春菊は山口や北九州を中心にした西日本での栽培・販売がほとんどなので,関東・東日本の方は入手しにくいかと思いますが,産直野菜コーナーなどを丹念に見て回ると販売されているかも知れません。

 そんな時は,今回のお話を参考にしていただければ幸いです。


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2021年5月29日 (土)

柚子果汁でマヨネーズを作る -柚子とマヨネーズの特徴を知る-

 スパイスやハーブの魅力を紹介するグルメ漫画「ぴりふわつーん」の第1巻に,柚子の果汁で作る「柚子マヨネーズ」が紹介されています。

(ぴりふわつーん 第1巻 表紙)
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(青木幸子「ぴりふわつーん 第1巻」芳文社コミックスから一部引用)

(柚子マヨネーズ(漫画))
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(青木幸子「ぴりふわつーん 第1巻」芳文社コミックスから一部引用)

(柚子マヨネーズの作り方(漫画))
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(青木幸子「ぴりふわつーん 第1巻」芳文社コミックスから一部引用)

 マヨネーズは一般的に,卵黄,酢,塩,植物油を使って作られるのですが,「柚子マヨネーズ」は,その酢の代わりに柚子の果汁を使って作ると紹介されているのです。

 酸味を酢の代わりに柚子果汁を使うことで,柚子の香り高い,フレッシュなマヨネーズができそうです。

 未知の味のマヨネーズに興味を持った私は,この柚子マヨネーズ作りに挑戦してみました。


柚子マヨネーズ作りに挑戦

(柚子)
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 柚子マヨネーズは,次の材料・分量で作ってみました。

(柚子マヨネーズ材料・分量)
 卵黄:1個
 柚子果汁:大さじ1(小さな柚子3個分)
 塩:小さじ2分の1
 植物油:100ml

(柚子を半分に切った様子)
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 柚子を絞るため,半分に切った様子です。

 果実が少なく,種が多いです。

 この柚子をレモン絞り器で絞って,柚子果汁を得ることとしました。

(柚子とレモン絞り器)
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 レモンを絞る要領で柚子果汁を抽出しました。

 ボウルに卵黄,柚子果汁,塩を入れ,泡立て器やハンドミキサーでよく混ぜ合わせます。

(卵黄・柚子果汁・塩を混ぜ合わせる様子)
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 その後,植物油を少しずつ卵黄液に加えながら,ハンドミキサーで混ぜ合わせる作業を繰り返しました。

 植物油を少し加えては混ぜ合わせ,少し加えては混ぜ合わせ…という作業を,計量カップに用意した植物油がなくなるまで,15分~20分程度行いました。

(卵黄液に少しずつ油を混ぜて乳化させる様子)
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 ハンドミキサーが高速回転するので,中身がボウルから飛び散って大変でした(笑)

 材料を全て混ぜ終えた状態が次の写真です。

(柚子マヨネーズ完成(乳化した様子))
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 少しずつ混ぜ合わせた油が乳化し,もったりとした状態になっています。

 出来上がった柚子マヨネーズをガラスのプリンカップに移し替えました。

(柚子マヨネーズ)
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 これ,プリンではありませんよ(笑)。柚子マヨネーズです。

 ちょうどプリンカップ1個分の量ができました。

 この柚子マヨネーズを,茹でたブロッコリーとアスパラガスにかけてみました。

(ブロッコリーとアスパラガス 柚子マヨネーズがけ)
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 まずは柚子マヨネーズだけでいただきました。

 「うーん…」

 確かにマヨネーズになっていたのですが,私が期待していたほどの柚子の風味はありませんでした。

 「苦労した割には香りが…」という感想です。

 食事後,もう一度柚子マヨネーズが紹介されている「ぴりふわつーん 第1巻」を読み直してみました。

 するとこんな1コマがありました。

(柚子の特性(漫画))
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(青木幸子「ぴりふわつーん 第1巻」芳文社コミックスから一部引用)

 この1コマに,柚子の特性について紹介されています。
 「こいつ(柚子)は皮に『香りカプセル』を装備したニクいヤツなんですよ」
 「香りのほとんどが皮の『油胞(ゆほう)』の中にあるので」
 「それを潰すように絞るんですね」

 つまり,柚子特有の香りは果実ではなく,皮の中にある「香りカプセル」にあるので,皮を潰すように絞らなければ,あの良い香りは出ないということなのです。

 香り高い柚子マヨネーズを味わいたいという気持ちが強かった私は,再度,柚子の香りを引き出した果汁で柚子マヨネーズを作ってみることにしました。

 柚子の香りが利かないなら,私だって融通が利きません。


柚子マヨネーズ作りに再挑戦

 翌日,新たな気持ちで再挑戦です。

 柚子の皮の中にある「香りカプセル」を潰すように,皮を下にして絞るとよいと紹介されているので,その方法で絞ってみました。

(皮を下にした柚子とレモン絞り器)
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 この状態でそのまま絞ると,柚子の果汁が飛び散ってしまいますので,ビニール袋をかけて行いました。

(レモン絞り器にビニール袋をかけた様子)
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 こうして皮と果実を一緒に,上からギュッギュッと果汁を押し出すような感じで柚子を絞りました。

 そして,前回と同じ分量・方法でマヨネーズを作りました。

 出来上がりがこちらです。

(香りを生かした柚子マヨネーズ完成)
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 前回より,ひと回り大きなボウルを使ったのですが,それでもやはり外に飛び散っています。

 この柚子マヨネーズをプリンカップに注ぎ,冷蔵庫でしばらく寝かせました。

(香りを生かした柚子マヨネーズ)
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 これ,マンゴープリンではありませんよ(笑)

 柚子の皮やワタも一緒に絞ったので,前回と比べて若干果汁の量が減り,その分マヨネーズの黄色味が強くなりました。

 茹でた海老・ブロッコリーに出来上がった柚子マヨネーズをかけてみました。

(茹でた海老とブロッコリー 香りを生かした柚子マヨネーズがけ)
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 まずは柚子マヨネーズだけでいただきました。

 確かに前回の柚子マヨネーズと比べると柚子の香りは高まっており,これならほかの人でも柚子のマヨネーズだとわかってもらえそうな感じでしたが,目が覚めるほど飛躍的に柚子の香りが増したわけではありませんでした。

 今回の柚子マヨネーズは「ほのかに柚子の香りがする手作りマヨネーズ」という表現が合っていますが,茹でた野菜や海老などと一緒にいただくと,一味違う,コース料理の前菜にもできそうな上品な味に仕上がりました。


まとめ

 今回初めて柚子マヨネーズを作りましたが,この経験で学んだことをまとめておきます。

・酢の代わりに,柚子など酸味のある柑橘を使ってマヨネーズが作ることができる
・柚子の香りは,果実ではなく皮の中の「香りカプセル」にある
・マヨネーズ作りに柚子果汁を使っても,その10倍近くの量の油を使うこととなるため,香りが前面に出ない
・逆に,グレープシードオイル,オリーブオイル,ゴマ油など使う油によって特徴のあるマヨネーズを作ることができる
・マヨネーズの「もったり感」は,主に油によるもので,油の量が少ないとマヨネーズソースになってしまう

 こうした特徴を踏まえ,皆様もお好みのマヨネーズ作りに挑戦されてみてはいかがでしょうか。

 日持ちせず,手間もかかりますが,手作りマヨネーズの味は格別ですよ。


<関連サイト>
 「なるほど!マヨネーズの作り方」(キューピー株式会社)

<参考文献>
 青木幸子「ぴりふわつーん 第1巻」芳文社コミックス

2021年2月21日 (日)

からすみの研究 手作りからすみと長崎の生からすみ -からすみが高価な理由について-

 ボラの卵巣から作られ,「日本三大珍味」(※)の1つと称される「からすみ」。
 ※日本三大珍味…うに,このわた,からすみ

 古代ローマ時代に地中海沿岸で食されていた魚卵の保存食が,中国経由で長崎へ伝来し,日本国内でも広まったようです。

 からすみは,その形が中国(唐)伝来の墨に似ていることから「唐墨(からすみ)」と呼ばれるようになったと言われています。

 今回は,このからすみについてまとめてみたいと思います。


手作りからすみとカサゴ・ホタテ貝柱・野菜のグリエ ソース・オランデーズ

 広島市内のフランス料理店で,手作りのからすみを添えた魚料理をいただきました。

 料理が出される前に,シェフが作られた特製からすみを見せていただきました。

(手作りからすみ)
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 20cmはあろうかと思われる大きなからすみが皿に盛られて披露され,びっくりしました。

 大きなボラの卵巣で作られたのでしょう。

 写真のように,からすみの原形は卵巣が一対になっていて,端っこにボラの身が付いた状態となっています。

 このからすみを薄くスライスして添えられた魚料理をいただきました。

 「温野菜とカサゴのグリエ ソース・オランデーズ からすみ添え」です。

(温野菜とカサゴのグリエ ソース・オランデーズ からすみ添え)
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 グリルで焼かれたカサゴ,ホタテの貝柱,アスパラガスなどに,自家製からすみとクレソンがあしらわれています。

 ソースは「ソース・オランデーズ(sauce hollandaise)」が中心で,グリルされた魚にたっぷりとかけられており,それに「フュメ・ド・ポワソン(fumet de poisson)」も添えられていました。

 「ソース・オランデーズ」は卵黄,澄ましバター,レモン汁,カイエンヌペッパー,塩,こしょうで作られるマヨネーズソースに似た味のソース,「フュメ・ド・ポワソン」は魚を煮出して取っただし汁です。

 からすみを加えることで,淡白な白身魚に適度な塩気と凝縮されたコク・旨味が加わり,ソースやだし汁と同等の役割をすることがわかりました。


イタリアンレストランの「カラスミパスタ」の思い出

 最近は日本のイタリア料理店でも,イタリアのからすみ「ボッタルガ」を扱っておられるお店をよく見かけるようになりました。

 その代表格がパスタ料理で,「カラスミのパスタ」や「ボッタルガのパスタ」として御用意されています。

 私は職場の後輩を誘ってイタリアンレストランでランチを食べたことがあるのですが,その時の思い出話を1つ御紹介します。

 ランチセットのパスタを選ぶ際,黒板のメニューに「イカスミのパスタ」,「カラスミのパスタ」などたくさんの種類のパスタが用意されていました。

 「どれにしようかな…」と悩む後輩。そしてちょっと深刻な顔をして私に,「カラスミのパスタって,やっぱり口の中が真っ黒になりますかね…」と質問してきました。

 午後からの勤務を気にしてのことでしょう。

 私は笑いを抑えながら「うーん,黒くならないと思うよ。注文してみたら」と答えました。

 私は,経験も兼ねて本当にカラスミのパスタを注文してみたらと良いと思ったのですが,お高いと感じたのか,本当に口が黒くなると思ったのか(笑),結局別のパスタを選んでいました。

 私がカラスミのパスタを頼んで「スミ」の誤解を解けばよかったことですね。
 スミません。


長崎の生からすみ

 2021年2月に広島市内のデパートで開催された「長崎の大物産展」へ行きました。

 たくさんのお店の中に,長崎市のからすみ専門店「味藤(あじとう)」も出店されていて,からすみのほかに「純生からすみ」も販売されていました。

 生のからすみは珍しいと思い,お店の方にお話を伺いました。

 「生からすみ」は,ボラの真子(卵巣)をからすみとして干す前に,醤油ベースで調味した食べ物です。

(純生からすみ 説明書き)
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 上品でやわらかく,女性に人気の商品とのことです。

 そのままおつまみとしていただけるほか,バタートーストにのせたり,パスタに和えたり,ご飯にのせて「からすみ丼」にしても美味しくいただけるようです。

 山芋の短冊や大根の薄切りに添えて食べるのも美味しいらしく,国際線ファーストクラスの機内食にも採用実績があるとのお話でした。

 珍しさに加え,どんな味がするのだろうと興味津々で購入しました。

(純生からすみ(瓶詰め))
Photo_20210220223201

 卵の一粒一粒がキラキラと黄金色に輝いています。

(純生からすみ)
Photo_20210220223301 

 この生からすみをいただきました。

 魚卵の一粒一粒がわかるほどシャリシャリ・プリプリしていて,その食感は数の子とよく似ています。

 一方,魚卵一粒あたりの大きさは,たらこ(明太子)と同じくらいです。

 つまり,数の子の粒をばらし,その粒をたらこ(明太子)と同程度の大きさにして,醤油漬けにしたようなイメージの魚卵です。

 風味はウニ,より具体的には塩漬け・瓶詰めのウニにそっくりです。

 きめ細やかで上品な数の子に似た食感で,噛み締めるほどにウニのような芳醇な香りと旨味が楽しめる,高級感あふれた逸品です。

 魚卵の一粒一粒をしっかりと味わえるのは「生からすみ」ならではの特権で,干して作られたからすみとは違った生の味わい・食感を楽しむことが出来ました。

 高価なので,すみからすみまで一粒残らずいただきました。


なぜからすみは高価なのか

 私は子供の頃,父や友人と地元の瀬戸内海でよく釣りをしたのですが,アジやサバ,イワシなどを狙ってサビキ釣りをしていると,たまに大きなボラが釣れることがありました。

 私たちも含めて,釣り人は皆「外道(げどう・「釣りの対象外の魚」という意味)だ」と言って海に返していたので,ボラを刺身(洗い)などで食べた経験は数回,興味本位でしかありません。

 ボラの身はにおいが強かったり,脂が多かったりすることが理由で,一般的に釣り人からはあまり歓迎されない魚なのですが,その卵巣を加工したからすみとなると,一転して高級珍味扱いとなるから不思議です。

 からすみが高価となる主な理由は,
(1)食べて美味しいボラは,生息域が限られること
(2)からすみに適したボラの卵巣(ボラ子)が限られていること
(3)製造にかなりの手間と時間がかかること
(4)からすみが日本三大珍味として高級品扱いとなっていること
にあるでしょう。

 海や河口の水面に群れをなして泳いでいるボラは雑食性で,海底・川底の泥を丸呑みするため,汚染された海や川で獲れたものは泥の臭みが強くなります。

 そのため,美味しいからすみを作るためには,きれいな海を回遊してきたボラの卵巣を使う必要があり,生息域が限られるため,高価になるのです。

 また,原料となるボラの卵巣(ボラ子)においても,その大きさや程度(血管の多さ・切れの有無など)にバラツキがあり,それが価格に反映されます。

 さらに,からすみの製造には血抜き,塩漬け,塩抜き,酒漬け,干しなどの工程があり,その1つ1つの工程にかなりの手間と時間がかかるため,最終的にきれいに仕上げることが出来たからすみは高価になってしまうのです。

 こうした理由に加え,からすみが日本三大珍味の1つとして高級品となっており,高価でも売れる商品となっていることも理由の1つとなっています。

 ボラの魅力をうまく引き出し,高付加価値の食べ物に仕上げたのが「からすみ」なのです。


<関連サイト>
 「からすみ専門店 味藤」(長崎県長崎市白木町7-44)
 知識の宝庫!目がテン!ライブラリー「大量出現!ボラを食す #670(2003/02/23) 」日本テレビ

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