各国料理の特徴と主な料理

2022年11月20日 (日)

レバノン料理の特徴と主な料理2 -マヌーシェ・アエージェ・マクドゥース・ラブネ・フムス・ハルミチーズ・ナス・ケッベ-

 東京で世界の朝食が味わえるお店「World Breakfast Allday(ワールド・ブレックファースト・オールデイ)」。

 私はこれまで外苑前店と原宿店を利用したことがありますが,しばらく経って原宿店は閉店となり,現在は外苑前店に加えて吉祥寺店と銀座店がオープンしています。

 2022年10月・11月限定の朝ごはんは「レバノンの朝ごはん」です。

 この料理を味わうため,2022年10月16日の朝,久しぶりに外苑前店を訪問しました。


レバノンの朝ごはん

 レバノンは,シリアやイスラエルと国境を接する,広さ約1万平方メートル(岐阜県とほぼ同じ面積),人口約526万人の小さな国です。

 オスマン帝国(トルコ)やフランスの支配下だった時代もあることから,レバノン料理はアラブ料理を基本に,これらの国々の食文化の影響も受けています。

 今回「World Breakfast Allday」で御用意されたレバノンの朝ごはんプレートがこちらです。

(レバノンの朝ごはんプレート)
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 プレートの中心に大きなパンがデーンとのせられており,ボリューム満点です。

 レバノン料理の特徴は,野菜やオリーブオイル,ヨーグルト,スパイスやハーブを使った料理が多いことです。

 中東で最も洗練された料理とも言われています。

 それでは,今回いただいた料理を個別に御紹介します。


【マヌーシェ】

 プレートにのせられた大きく平たいパンは「マヌーシェ」です。

(マヌーシェ)
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 弾力のあるパンの上には「ザータ(ザータル)」と呼ばれる中東のスパイス,そして白ゴマがたっぷりとかけられています。

 「ザータ(ザータル)」はタイム,スマック(赤シソに近い風味のスパイス)などを配合したミックススパイスです。

 辛さはなく,さわやかな香りのスパイスが配合されたミックススパイスなので,様々なパンやおかずに合わせることができます。

 目覚めの朝食にふさわしい,鮮烈でさわやかな香りのパンでした。


【アエージェ】

 「アエージェ」は,ズッキーニなどの野菜に,ミントやパセリなどのハーブを加えた平たいオムレツです。

(アエージェ)
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 ニラ玉のような感じで,ごはんにも合うこと間違いなしの玉子料理でした。


【マクドゥース】

 「マクドゥース」は,茹でた小ぶりのナスにパプリカやクルミ,ニンニクなどを詰めてオイル漬けにした料理です。

(マクドゥース)
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 見た瞬間は,パプリカの詰め物かと思いました。

 オイル漬けでやわらかくなったナスやパプリカに,コリコリしたクルミの食感と香ばしさがよいアクセントになっていました。

 中東では定番の保存食とのことです。


【ラブネ】

 「ラブネ」は水切りヨーグルトです。

 今回は,きゅうりのサラダとともに盛り付けられていました。

(ラブネとサラダ)
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 市販のプレーンヨーグルト(無糖)に似ていますが,少し塩気があるので料理の付け合わせとしてもよく合います。

 サラダだけでなく,平たいパン「マヌーシェ」にもつけていただきました。

 サラダには,オリーブの実とザクロが添えられており,細かいところまで中東料理をよく再現されているなと感心しました。


【フモス バリラ】

 「フモス バリラ」は,茹でたひよこ豆をレモン・ニンニク・オリーブオイルで和えたサラダです。

(フモス バリラ)
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 クミンが加えられているため,カレーのような風味に仕上がっていました。

 中東には「フムス」と呼ばれる,ひよこ豆を潰してのばしたディップがありますが,ひよこ豆は中東の人々に欠かせない食材となっています。


【ハルミチーズとナスのグリル】

 ハルミチーズは,ヤギ乳と羊乳を混ぜて作られる塩漬けチーズです。

(ハルミチーズとナスのグリル)
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 鶏のササミのような,シコシコ・モギュモギュとした食感の白いチーズです。

 当ブログのトルコ料理の記事(「ヘリムチーズ焼」)やギリシャ料理の記事(「サガナキ」)でも御紹介していますが,もともとはトルコの南に位置するキプロス発祥のチーズです。

 適度な塩気と弾力があり,焼くだけでも十分美味しいチーズです。

 ナスのグリルとの相性も抜群でした。


【ケッベ】

 レバノンの朝ごはんプレートに加え,単品で「ケッベ」も注文しました。

 「ケッベ」はスパイスで味付けした挽き肉をオーブンで焼いた料理です。

(ケッベ)
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 クリーム,ザクロ,松の実,ミントが添えられており,見た目はショートケーキのようですが(笑),挽き肉料理です。

 挽き肉に「ブルグル」と呼ばれる「ひき割り小麦」が混ぜ込まれており,軽い食感に仕上げられていました。

 この「ケッベ」はレバノン移民とともにブラジルに渡り,ブラジルでは「キッビ」という名で,スナックとして親しまれています。


 今回御紹介した料理だけでも,トルコ,ギリシャ,キプロス,ブラジルと様々な国の料理との関わりがあり,各国の食文化は他国との交流も含めて研究する必要があることがよくわかります。


<関連サイト>
 「World Breakfast Allday」(東京都渋谷区神宮前3-1-23-1F(外苑前店)ほか)

<関連記事>
 「レバノン料理の特徴と主な料理1 -ラップサンド-
 「トルコ料理の特徴と主な料理2 -神戸・「ケナン」のトルコ料理(前編)-
 「ギリシャ料理の特徴と主な料理1 -サガナキ・ホリアティキ・スブラキ・ムサカ・マスティクア-
 「ブラジル料理の特徴と主な料理3 -群馬県大泉町 キッビ,エスぺト・ミスト,フェイジョン-
 世界の料理については,当ブログ「食文化関連記事一覧表・索引」の「各国料理の特徴と主な料理」も御参照ください。

<参考文献>
 「World Breakfast Allday」レバノン料理紹介リーフレット
 マガジンハウス「ブルータス」(「日本で味わう,48の国と地域の食文化 世界が恋しくなる料理」・2022年4月15日号)

2022年7月 3日 (日)

デンマーク料理の特徴と主な料理5 -フーゴ・フレスケスタイ・赤キャベツのピクルス・スメアブロ・ニシンのマリネ・エーベンチュアケー-

アンデルセンの「デンマークフェア」と広島アンデルセン

 2022年6月1日から30日までの期間,アンデルセンの各店舗で「デンマークフェア」が開催されました。

 デンマークのパン・料理・ドリンク・食材・雑貨などの販売や,デンマーク関係のセミナー・パーティーの開催など,デンマークの魅力を知り,味わい,楽しむことができる盛りだくさんのイベントが実施されました。

 アンデルセンの旗艦店である広島アンデルセンの玄関には,デンマーク名誉領事館の看板が掲げられています。

(広島アンデルセン入口(デンマーク名誉領事館看板))
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 アンデルセンとデンマークのつながりは,アンデルセンの創業者・高木俊介氏が,デンマークでデニッシュの製法を学び,日本で最初にデニッシュを紹介されたことに始まります。

 こうした縁もあって,広島アンデルセンの建物の中にデンマーク名誉領事館が設置されているのです。

 私は,この広島アンデルセンの2階にあるアンデルセンキッチンで「デンマークビュッフェ」を楽しみました。

 今回はデンマークフェアで提供されたデンマーク料理やお菓子を中心に御紹介したいと思います。


アンデルセンキッチンの「デンマークビュッフェ」

 「デンマークビュッフェ」では,通常の料理に加え,様々なデンマーク料理が用意されていました。


【フーゴ】

 デンマークフェアで私の一番のおすすめは,エルダーフラワーシロップで作られるドリンク「フーゴ」です。

(フーゴ(エルダーフラワードリンク))
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 ライチやマスカットに似たフルーティーな風味が楽しめ,初夏の訪れを感じることができるドリンクです。


【フレスケスタイと赤キャベツのピクルス】

 フーゴでのどを潤した後,料理をいただきました。

(フレスケスタイ(クリスピーデニッシュポーク))
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 フレスケスタイ(クリスピーデニッシュポーク)です。

 注文すると,大きな肉の塊をその場で切り分けていただけました。

 フレスケスタイは,表面の皮の部分に「ハモの骨切り」のように包丁で細かく切り込みを入れ,その切れ目に塩・ローリエ・クローブなどの調味料やスパイスをすり込んで下味をつけ,オーブンで焼いた料理です。

 パリパリで塩気のある皮とジューシーな肉を一度に味わうことができます。

 赤キャベツのピクルスと一緒にいただきました。

 デンマークでは,お祝いの日に食べられる特別な料理なのだそうです。


【スメアブロ】

 スメアブロは,薄く切ったパンにバターを塗り,様々な具を彩りよく盛り付けたオープンサンドイッチです。

 トレコンブロート(ゴマのパン)を一口サイズにカットして作られたスメアブロが数種類用意されていました。

(スメアブロとフレスケスタイ)
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 ゆで卵と海老,フレスケスタイと赤キャベツのピクルス,マリネサーモンのスメアブロです。

 トレコンブロートはどっしりとした生地のパンなので,薄くスライスしたものでも,具材をしっかりと受け止めることができます。

 オープンサンドにすることで,それぞれの具材をより一層美味しくいただくことができました。


【ニシンのマリネ】

(フレスケスタイ・ニシンのマリネ・スメアブロ)
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 スメアブロにニシンのマリネも加えてみました。

 ニシンのマリネは,弾力のある「しめ鯖」のような食感・味でした。

 ビュッフェですから,トレコンブロートにニシンのマリネをのせてスメアブロでいただくのもありですね。


【鴨のロースト(ベリーソース)】

(鴨のロースト(ベリーソース)とニシンのマリネ)
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 ベリーソースを添えた鴨のローストとニシンのマリネです。

 鴨肉にはベリーソース,赤ワインソース,オレンジソースといった甘いソースがよく合います。

 ニシンのマリネは好きなのでおかわりをし,ケイパーを添えていただきました。


【茹で海老・蒸し鶏とトマトソース】

 パンと一緒に,茹で海老やトマトソースを添えた蒸し鶏もいただきました。

(茹で海老・蒸し鶏とトマトソース・ニシンのマリネ)
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アンデルセンキッチンの人気・定番メニュー

 デンマーク料理のほかに,アンデルセンキッチンの人気・定番メニューもいただきました。

【高原黒牛のビーフシチュー】

(高原黒牛のビーフシチュー)
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 人気メニューの1つ,ビーフシチューです。

 注文すると,鉄鍋に入った熱々のビーフシチューが供されました。

 分厚い牛肉がやわらかくトロトロに煮込まれていました。

【サーモンのムニエル・ハーブバターソース】

(サーモンのムニエル・ハーブバターソース)
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 こちらはサーモンのムニエルです。

 ハーブバターソースは酸味の効いたマヨネーズソースのような味わいで,サーモンのムニエルとよく合いました。


【広島熟成どりのクラブハウスサンド】

(広島熟成どりのクラブハウスサンド)
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 やわらかい蒸し鶏,ベーコン,ゆで卵,トマト,レタス,レッドキャベツなどをパンで挟んだクラブハウスサンドです。

 パンは軽くトーストされていました。

 アンデルセンのサンドイッチなら間違いないだろうと注文しましたが,そのとおりの一品でした。


【クリームブリュレ・ティラミス・プリン】

 デザートにクリームブリュレ・ティラミス・プリンをいただきました。

(クリームブリュレ・ティラミス・プリン)
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 こういう欲張りなチョイスができるのもビュッフェならではの楽しみです。

 クリームブリュレは注文を受けてからブリュレ(表面焼き)されます。

 プリンは上品な仕上がりで,カスタードはクリームブリュレの方が濃厚でした。


 アンデルセンキッチンの定番メニューも含め,デンマークビュッフェをお腹いっぱい堪能しました。


エーベンチュアケー

 広島アンデルセン1階のベーカリーショップで,「エーベンチュアケー」というデンマークのお菓子を購入しました。

(エーベンチュアケー)
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 「童話のケーキ」という意味を持つデンマークの焼菓子です。

 直径約6cmで,大福ぐらいの大きさです。

(エーベンチュアケー(中身))
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 クッキー生地の中に,アーモンドベースのマジパンと細かく刻んだドライフルーツがぎっしり詰め込まれていました。

 ドライフルーツはオレンジピール,レーズン,サクランボ,パインアップル,レモンピールです。

 サクサクのクッキー生地の中に,しっとりとしたマジパンとドライフルーツの「あん」が入っており,ドライフルーツたっぷりのカントリーマアムのようなお菓子でした。


まとめ

 冬の長いデンマークでは,夏至を迎える6月はお家から出て太陽のある暮らしを楽しむ季節のようです。

 私はアンデルセンで「デンマークフェア」が開催される時期になると初夏の訪れを感じ,フーゴ(エルダーフラワードリンク)が恋しくなります。

 日本の年中行事で言えば,冬至に近いクリスマスの方がビッグイベントとなっていますが,今後は初夏や夏至の訪れを祝う北欧・デンマークの考えやイベントについても積極的に取り入れ,盛り上がればいいなと思います。


<関連サイト>
 「広島アンデルセン」(広島市中区本通7-1)
 「サービスエリアに行く。(ニクラスさんのルバーブとゆずのデニッシュ)」(「chibiaya日記」)
 「アンデルセンのデンマークチーズとレモンのマフィン。」(「chibiaya日記」)

<関連記事>
 「デンマーク料理の特徴と主な料理1 -なぜオープンサンドイッチが伝統料理なのか-
 「デンマーク料理の特徴と主な料理2 -デンマークバター・ソフトカーネラグブロート・ダンスクウールブロート・スモーブロー-
 「デンマーク料理の特徴と主な料理3 -フリカデラ・赤キャベツのピクルス・フレスケスタイ・フーゴ,デンマークとドイツの食文化-
 「デンマーク料理の特徴と主な料理4 -クランセケーフィンガー-
 「ルバーブの特徴を知る(2) -ルバーブジャム・ルバーブパイ・ルバーブとゆずのデニッシュ-

<参考文献>
 「Denmark Fair」アンデルセン広報誌
 「ブレッド図書館 デニッシュ」(2022年5月28日放送・NHK Eテレ)

2022年6月19日 (日)

ひろしま国際プラザ「難民の故郷の味フェア」 -チキンのレモン煮・麻婆豆腐・アメリカンドッグ・ブロッコリーライス・チルカーノ・アスウィットサラダ・ケニア紅茶-

6月20日は世界難民の日

 毎年6月20日は「世界難民の日」(World Refugee Day)です。

 難民の保護と支援に対する世界的な関心を高めることを目的に,2000年12月4日の国連総会で決議されました。

 日本でも,全国各地で「世界難民の日」にちなんだイベントが行われています。

 今回は,そのイベントの1つ,「ひろしま国際プラザ」で開催された「難民の故郷の味フェア」について御紹介したいと思います。


ひろしま国際プラザ(HIP)

 広島県東広島市鏡山には,試験・研究機関が集積する「広島中央サイエンスパーク」があります。

(広島中央サイエンスパーク)
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 そしてこの「広島中央サイエンスパーク」内に「ひろしま国際プラザ」があります。

(ひろしま国際プラザ)
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 「ひろしま国際プラザ」(HIP:Hiroshima International Plaza)は,「広島県立広島国際協力センター(HICC:Hiroshima International Cooperation Center)」と「国際協力機構(JICA)中国センター」が一体化した複合施設です。

(レストラン「ラコルト」と宿泊棟)
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 手前の丸い建物がレストラン「ラコルト」,奥が海外からの研修員などが宿泊・滞在する宿泊棟です。

 私はJICA中国やHICCの職員の方とインドネシアへ出張したり,このHIPで中国・四国地方各県の海外研修員の皆さんと交流事業を企画・実施したことがあるので,HIPにはとても親しみがあります。

 懐かしさで胸が一杯になりつつ,ひろしま国際プラザに入館し,「難民の故郷の味フェア」が開催されている施設内のレストラン「ラコルト」を目指しました。


「難民の故郷の味フェア」

 「難民の故郷の味フェア」は,「世界難民の日」にちなみ,2022年6月14日から27日までの期間限定で開催されているイベントです。

(難民の故郷の味フェア)
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 「食」を通じて難民問題を知ることを目的に,難民を多く輩出している国の料理(ウクライナ風ボルシチ,ワッタッカー(スリランカ風かぼちゃのカレー),アダスィー(イランのレンズ豆スープ),いんげん豆と野菜の炒めもの(エチオピア),チキンカラヒ(パキスタン風チキンカレー)など)が提供されるイベントです。

(レストラン「ラコルト」)
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 レストラン「ラコルト」の入口です。

 ランチは定額制(750円)でバイキング形式となっています。

 レストラン利用者向けに使い捨てのビニール手袋が用意されるなど,衛生管理を徹底されていました。

 レストラン内に世界のスパイスの紹介コーナーがありました。

(世界のスパイス紹介コーナー)
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 世界の様々な国から広島を訪問・滞在されている研修員・留学生向けの食事に,こうしたスパイスを活用した料理が作られています。

 セルフサービスで料理を皿に盛り,席に着くと,テーブルに難民の紹介文がありました。

(難民の紹介文(コマネチ))
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 難民として,ルーマニアの体操選手・コマネチさん,インテルのCEO・アンドルー・グローヴさん,科学者・アインシュタインさんなどが紹介されていました。

 レストランが,世界の食や難民問題を学ぶ場にもなっていました。

 それではランチで味わった料理を御紹介します。

(2022年6月18日のランチ)
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 私が訪問した2022年6月18日のランチです。

 世界各国の料理が日替わりで提供され,それにご飯・野菜カレー・フレッシュサラダ・ドリンク(コーヒー・紅茶・ウーロン茶・お茶)・デザート(今回はぶどうゼリー)が付きます。

 続いて,それぞれの料理を御紹介します。

(チキンのレモン煮・麻婆豆腐・アメリカンドッグ・ブロッコリーライス)
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 写真左上から時計回りに,チキンのレモン煮,麻婆豆腐,アメリカンドッグ,ブロッコリーライスです。

【チキンのレモン煮】
 「チキンのレモン煮」はモロッコの料理です。
 一口サイズに切った鶏肉をレモンと一緒に煮込んだものです。
 レモンで煮込むことで,皮付きの鶏肉がさっぱり・スッキリとした仕上がりになっていました。
 カレーに欠かせないターメリックやクミンも使われており,さわやかなチキンカレーのような料理でした。

【麻婆豆腐】
 中国料理として,麻婆豆腐が提供されていました。
 マイルドな辛さで,豆腐と挽き肉がたっぷりの麻婆豆腐でした。

【アメリカンドッグ】
 アメリカ料理として,ミニアメリカンドッグが提供されていました。
 ソーセージ入りの揚げパンに似ている,日本でもお馴染みの定番スナックです。
 久しぶりに食べ,その味を楽しみました。

【ブロッコリーライス】
 「ブロッコリーライス」はブラジルの料理です。
 米とブロッコリーを炊いた(または炒めた)料理です。
 きちんと長粒米(インディカ米・ジャスミンライス)が使われていました。
 細かくやわらかくなったブロッコリーとご飯の相性が良く,主食としてもおかずとしても味わえる一品でした。

【チルカーノ】
 「チルカーノ」はペルーのスープです。

(チルカーノ)
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 スープの具として,タラやカボチャが入っていました。
 タラのうま味を生かしたシンプルな味のスープでした。
 なお,ペルーにはこのチルカーノにちなんだ同名のカクテルもあり,こちらも人気があるようです。

【アスウィットサラダ】
 「アスウィットサラダ」はスーダンの料理です。
 「難民の故郷の味フェア」で,難民を多く輩出している国の料理として提供された料理です。

(アスウィットサラダ)
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 焼いたナスをペースト状にのばした料理です。
 焼きナスの香ばしさとともに,さわやかな酸味を感じました。
 これはサワークリームかヨーグルトによる酸味だと思います。

(アスウィットサラダとレタス)
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 美味しかったので,レタスとともにおかわりをしました。

【野菜カレーとご飯】
 レギュラーメニューの野菜カレーとご飯もいただきました。

(野菜カレー・ご飯)
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 肉は入っていませんでしたが,これは誰でも食べられるように配慮されているからだと思います。

【ケニア紅茶】
 ドリンクコーナーにケニア紅茶のティーバッグがあったので,お湯を注いでケニア紅茶をいただきました。

(ケニア紅茶)
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 ケニアは紅茶の生産国として有名で,茶葉を細かく砕いたCTC製法の紅茶が広く流通しています。

 食後に紅茶をいただきながら,このレストランをイベント会場にして,中四国各県に派遣された海外研修員・留学生と一緒に食事したり,けん玉(広島県廿日市市が発祥)で遊んだことを思い出しました。

 訪問した日も多くの研修員・留学生が食事しておられ,国際色豊かな環境での食事となりました。

 食事を済ませてレストランを後にする際,「MEAL for Refugees(ミールフォーリフュージーズ:難民への食事)」の一環として募金箱が設置されていたので,わずかながら募金させていただきました。


ひろしま国際プラザ館内見学

 ひろしま国際プラザ館内を見学しました。

 「世界難民の日」にちなんで,世界の難民の状況を紹介するコーナーがありました。

(世界の難民の状況)
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 世界の避難民は1億人以上おられること,ロシアによるウクライナ侵攻で難民が急激に増加したこと,日本の難民認定率は1%未満と極めて少ないことなどを学びました。

 ロビーには外国人向けの様々なガイドブックがあったのですが,その中にベジタリアン向け・ムスリム向けのガイドブックがありました。

(ベジタリアン向け・ムスリム向けガイドブック(広島版))
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 ベジタリアンやムスリムの人が安心して利用できる広島の食事店などが紹介されているガイドブックです。

 そして玄関には,世界の方向看板がありました。

(世界の方向看板)
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 看板がありすぎて,とても複雑になっています(笑)

 世界のファッションや楽器が展示されているコーナーもありました。

(世界のファッション展・ペルーの衣装)
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 カラフルなペルーの衣装です。


 新型コロナウイルス感染症の影響で海外旅行が難しい状況となっていますが,お近くの国際交流・国際協力施設を活用すれば,世界の国々と交流し,国際協力活動ができるチャンスはいくらでもありますよ!

<関連サイト>
 「ひろしま国際プラザ(HIP)」(広島県東広島市鏡山3-3-1 広島中央サイエンスパーク内)
 「国際協力機構(JICA)中国センター」(広島県東広島市鏡山3-3-1)
 「難民支援協会(JAR)」(東京都千代田区西神田2-5-2 TASビル4階)
 「世界難民の日」(UNHCR(国連難民高等弁務官事務所))
 「ヨコハマぶらぶら40 みなとみらいのXmas?レレレノンかサルトルか〜♫
 (「なーまんのEye-Level」・JICA横浜「ポートテラスカフェ」)

<関連記事>
 「アルバニア料理の特徴と主な料理 -ペシュク・ネ・フーレ,トゥルリ・ペリメシュ,ミシュ・メ・ラク,ラバーニ-
 (JICA関西「JICA関西食堂」)
 「ケニア料理の特徴と主な料理3 -アフリカフレンドシップウィークのビリヤニ(後編)-
 (ケニア紅茶)

2022年4月17日 (日)

イタリア料理の特徴と主な料理7 -パスクアの伝統菓子・コロンバ(コロンバ・パスクアーレ)-

イースターについて

 イースター(復活祭)は,磔刑に処されたイエス・キリストが復活し,神の子として人々の前に姿を現したことを記念する日です。

 そのため,キリスト教のイースターは,クリスマス(降誕祭),ペンテコステ(聖霊降臨祭)と並ぶ三大祝日の1つとなっています。

 イースターの日付の定義は「春分後最初の満月の後に訪れる日曜日(※)」とされていて,毎年変わる「移動祝日」となっています。
 ※東方正教会の場合はユリウス暦を採用しているため日付が異なります。

 2022年は,今日(4月17日)がイースターです。


パスクアで食べられるイタリアの代表的なお菓子

 イースターは,イタリアでは「パスクア(Pasqua)」と呼ばれています。

 パスクアの際には,イタリア各地で様々なお菓子が作られ,食べられています。

 代表的なお菓子として,「ウオーヴォ ディ チョッコラート(Uovo di Cioccolato)」(卵の形をしたチョコレート)や,「パスティエラ(Pastiera)」(小麦粉・リコッタチーズなどで作られるタルト),「カッサータ(Cassata)」(リコッタチーズやドライフルーツを使ったケーキ),「コロンバ(Colomba)」(鳩の形をした発酵菓子)などがあります。

 今回は,そんなパスクアで食べられるイタリアの代表的なお菓子の1つ,「コロンバ」を御紹介します。


コロンバ

 「コロンバ(Colomba)」は,イタリア語で「鳩(はと)」を意味します。

 お菓子の「コロンバ」は,その名のとおり,鳩の形をした発酵菓子です。

 「コロンバ」は,鳩が復活の象徴であり,平和のシンボルであり,幸せを告げる鳥であることにあやかったパスクアの伝統菓子です。

 そのため,「コロンバ・パスクアーレ(Colomba Pasquale)」(パスクアのコロンバ)とも呼ばれます。

 鳩が平和のシンボルであることは,広島市民である私にもよく理解できます。

 そのコロンバが,「ドンク」の店舗で期間限定で販売されていました。

(コロンバ案内看板(ドンク))
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 毎年,イースター(パスクア)の時期に販売されているようです。

(コロンバ)
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 こちらが「ドンク(サンレモ)」のコロンバです。

 鳩の形をした紙容器に生地を詰め,焼き上げられています。

 表面には白い「あられ糖(砂糖の粒)」がトッピングされています。

(コロンバ(中身))
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 コロンバの中身(断面)です。

 バターと卵がたっぷり使用された生地に,大粒のオレンジピールがたくさん混ぜ込まれています。

 いただいてみました。

 ふんわり・しっとりして粘りがあり,ケーキよりはパンに近い食感でした。

 イタリアのクリスマスの伝統菓子「パネトーネ(Panettone)」にも似ています。

 「♪オレンジの香り~ほのかにただよい~♪」と,思わず「帰れソレントへ」の歌詞を口ずさんでしまうほど,オレンジの香りが口の中いっぱいに広がり,幸せな気持ちになりました。

 ふんわりとしたパンに近いのですが,あられ糖をトッピングすることにより,白い鳩をイメージさせるお菓子となっています。

 オレンジの風味が豊かな美味しいお菓子で,いただくと元気が湧き,疲れた体が復活しました。


<関連サイト>
 「ドンク」(「三宮本店」神戸市中央区三宮町2-10-19 ほか)

<関連記事>
 「イースター(復活祭)を基準としたキリスト教行事 -なぜ卵とウサギが一緒なのか-

<参考文献>
 辻調理師専門学校監修/近藤乃里子・合田達子・正戸あゆみ著「イタリア料理基本用語」柴田書店

2022年2月27日 (日)

美術館とカフェ・レストランの魅力3 -ポーラ美術館の企画展コースメニュー「アイスランドへの旅」-

 2021年12月末に箱根へ行ってきました。

 その一番の目的は,ポーラ美術館を訪問することでした。

 ポーラ美術館には,印象派を中心とする西洋絵画をはじめ,日本の絵画,現代アート,東洋陶磁,ガラス工芸,化粧道具など多彩な芸術作品が所蔵されています。

 そうした美術作品をいつか観賞したいと思っていたのですが,今回,レストランの期間限定メニューがアイスランドにまつわる料理だと知り,どうしても味わってみたいという気持ちになって,訪問することを決めました。

 JRで小田原駅まで行き,小田原駅からは箱根登山電車に乗って箱根湯本駅へ向かいました。

(小田原駅・箱根湯本行き箱根登山電車)
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 箱根湯本駅で電車を乗り換えました。

(箱根湯本駅・強羅行き箱根登山電車)
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 箱根は初めてだったので,「同じ路線なのに,なぜ箱根湯本でわざわざ電車を乗り換えなければならないのだろう」と思いながら強羅(ごうら)行きの電車に乗り換えたのですが,その電車に乗ってみてわかりました。

 箱根湯本駅を出発してしばらくすると,電車は「こんな急な坂を電車が走るのか」と驚くほど急な勾配を走行し始めたからです。

 最大の勾配は80パーミル(1000分の80)で,この勾配は日本一,世界でも第2位を誇ります。

 イメージとして,車両2両だと前後で2m40cm,車両3両だと前後で3m60cmもの高低差ができるそうです。

 このレベルの勾配になると,車両に相当なパワーが必要となるだけでなく,進行方向をジグザグに「スイッチバック走行」をしたり,レールの摩耗を防ぐため車両の散水タンクからレールに水をまきながら走行する必要も出てきます。

 途中,電車は「キーキー」とレールをきしませながら走りました。

 以前,南海電鉄高野線に乗って高野山(和歌山県)へ行く途中にも聞こえた,登山列車ならではのレール音です。

 また,途中に半径30mという急カーブの箇所もあります。

 こうした条件をクリアする電車は特別仕様となるため,箱根湯本で一般的な電車と乗り換える必要があるのです。

 強羅駅に着き,ここからは箱根登山バス(観光施設めぐりバス)でポーラ美術館を目指しました。

 「いざ,ゴーラからポーラへ!」


ポーラ美術館

 「ポーラ美術館」バス停で下車すると,目の前にポーラ美術館が見えました。

(ポーラ美術館・正面入口)
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 箱根の森の中に溶け込むように,ポーラ美術館の建物がありました。

(ポーラ美術館入口・佐藤忠良「カンカン帽」と小塚山)
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 エントランスに佐藤忠良さんの彫刻「カンカン帽」が展示されており,バックには小塚山が見えました。

(ポーラ美術館・館内)
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 建物が森の斜面に沿って作られているため,2階がエントランスで,そこからエスカレーターで1階,地下1階…と降りながら進んでいく構造となっています。

(カフェチューン)
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 地下1階のカフェ「チューン」の全景です。

 都会風のおしゃれで先進的なイメージのカフェです。

 このあと,様々な美術作品を鑑賞しました。


ポーラ美術館・企画展コースメニュー「アイスランドへの旅」

 館内では,企画展「ロニ・ホーン 水の中にあなたを見るとき,あなたの中に水を感じる?」(会期:2021年9月18日~2022年3月30日)が開催されていました。

 ロニ・ホーンさんはニューヨークに住む芸術家で,アイスランドを主な舞台に,写真・彫刻・ドローイング(デッサン)・本など様々な芸術作品を生み出されています。

 展示場に色とりどりの丸く平べったいガラスの器が並べられた作品や,モノクロ写真に写った川の表情(渦,泡立ち,濃淡など)1つ1つに名前を付けて物語を書き記した作品など,時間をかけてゆっくり丹念に鑑賞したい作品ばかりでした。

 ひととおり作品を鑑賞した後,ロニ・ホーンさんが芸術活動の拠点とされたアイスランドにちなんだ料理を味わうため,館内のレストラン「アレイ」へ向かいました。

(レストランアレイ店内と小塚山)
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 私は窓側の庭や小塚山が眺められるテーブル席を御用意いただきました。

(ポーラ美術館ロゴマーク入りシュガー)
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 テーブルに整然とポーラ美術館のロゴマーク入りシュガーが並べられていました。

 シュガー1つにもアートが演出されていました。

 企画展コースメニュー「アイスランドへの旅」を注文し,やや緊張して待っていると,しばらくしてオードブルが運ばれてきました。

 オードブルは「オニテナガエビのポワレとビスクの盛り合わせ」です。

(オニテナガエビのポワレとビスクの盛り合わせ)
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 軽くポワレされたオニテナガエビに,チコリやパセリなどの野菜,レモン,薄切りバゲットをカリカリに焼いたトーストが添えられていました。

 「ビスク」は甲殻類を殻ごと炒めて香味野菜と一緒に煮込み,甲殻類のうま味を濃縮させたポタージュです。

 レモンを軽く絞って海老にかけ,ビスクをつけていただきました。

 プリプリの食感の海老にビスクを加えることで海老のうま味がグンと増しました。

 濃厚なビスクは,海老はもちろん,野菜やトーストにもよく合いました。


 続いてメインディッシュが用意されました。

 メインディッシュは「仔羊もも肉のロースト」です。

(仔羊もも肉のロースト スパイス香る白いんげん豆の煮込みを添えて)
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 香草でマリネした仔羊もも肉のローストと白いんげん豆の煮込みです。

 プレートに盛られた料理の配置や配色なども立派なアートだなと思いながら眺めていて,ふと思いました。

 「このプレートは,ロニ・ホーンさんのガラスの器の作品が表現されているのでは」

 広々とした展示会場にポツン,ポツンと置かれた色とりどりの丸く平べったいガラスの器の作品があったのですが,それがこのプレートに表現されているのではないかと思いました。

 この写真のイメージです。

(ロニ・ホーン「ウェル・アンド・トゥルーリー」ブレゲンツ美術館)
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 ポーラ美術館企画展パンフレット「Roni Horn(ロニ・ホーン)」から一部引用

 「ロニ・ホーンさん,当たってますか?」
 「ピン・ホーン」…なーんておっしゃるわけないか(笑)

 アイスランドは牧羊が盛んで,ブランド化された良質なラム肉(仔羊肉)が世界各国に輸出されています。

 そのアイスランドを代表する食材の1つ,仔羊が使われたメイン料理です。

 仔羊のローストは,肉がとてもやわらかく,独特のにおいやクセも感じられない,美味しい肉でした。

 これにマスタード入りのソースを添えていただきました。

 白いんげん豆の煮込みはクミンなどの豊かなスパイスの香りを感じ,肉料理やパンとよく合う一品でした。


 デザートは「ブルーベリーのコンポートと2種のチーズを使ったガトー」です。

(ブルーベリーのコンポートと2種のチーズを使ったガトー)
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 マスカルポーネとクリームチーズの2種類のチーズケーキを重ねたケーキ(ガトー)でした。

 バニラアイスも添えられていました。

 口当たりの軽いフレッシュなチーズケーキに,ブルーベリーコンポートの甘味と酸味がよく合いました。

 その後,小塚山を眺めながらポットの紅茶をいただき,しばらく食事の余韻を楽しみました。


まとめ

 アイスランドの代表的な食材として,今回の料理では仔羊(羊肉)が登場しましたが,このほかにも,魚(タラ(干しダラ),サーモン,カレイなど)や「スキール(スキル)」と呼ばれるヨーグルトに似た乳製品が挙げられます。

 「スキール」は2020年春から日本でも発売され,気軽にアイスランドの伝統食を味わうことが出来るようになりました。

 今回のポーラ美術館訪問では,ロニ・ホーンさんの芸術の世界に触れ,その舞台となったアイスランドやアイスランドの料理についても理解を深めることが出来ました。

 ポーラ美術館のコレクションのうち,私はルノワールの「レースの帽子の少女」という作品も鑑賞したかったのですが,残念ながら今回は展示されていなかったので,こちらは次回のお楽しみとなりました。

 そして次回訪問時も館内のレストランやカフェに寄り,芸術作品にまつわる食についても舌でじっくり味わいたいと思います。


<関連サイト>
 「ポーラ美術館」(神奈川県足柄下郡箱根町仙石原小塚山1285)
 「イーセイ スキル」(日本ルナ株式会社)

<参考文献>
 地球の歩き方編集室「世界のグルメ図鑑」学研プラス
 佐原秋生・大岩昌子「食と文化の世界地図」名古屋外国語大学出版会
 池上英洋監修「マンガでわかる『西洋絵画』の見かた」誠文堂新光社
 企画展パンフレット「Roni Horn(ロニ・ホーン)」ポーラ美術館

2022年1月11日 (火)

イギリス料理の特徴と主な料理5 -タンノックのミルクチョコレートキャラメルウェハース-

タンノックのミルクチョコレートキャラメルウェハース

 仕事帰りに職場の後輩から,イギリス(スコットランド)のお菓子をいただきました。

 タンノック社(Tunnock's)のミルクチョコレートキャラメルウェハースです。

 イギリスを旅行した際に現地で食べてとても気に入ったお菓子なのだそうです。

 イギリスではスーパーマーケットなどでも簡単に入手でき,帰国後のお土産にもなるので気に入ったらしいのですが,日本国内では売られていないため,通信販売で購入したとのことでした。

 タンノック社(スコットランド・グラスゴー)のウェブサイトによると,タンノック・ミルクチョコレートキャラメルウェハースは,トーマス・タンノックさん(ベーカリーショップ・ティールームの創業者)の息子さんのアーチーさんが,お店で販売するケーキよりも日持ちするお菓子を作ろうと,ウェハースとキャラメル,チョコレートを使って開発されたお菓子なのだそうです。

(タンノック・ミルクチョコレートキャラメルウェハース(パッケージ))
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 タンノックのミルクチョコレートキャラメルウェハースのパッケージです。

 このパッケージの中にミルクチョコレートキャラメルウェハースが8本詰められています。

 そのうちの2本をいただきました。

(タンノック・ミルクチョコレートキャラメルウェハース(パッケージ・裏面))
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 こちらはパッケージの裏面です。

 日本語で記載された食品表示シールがないのは,個人輸入ならではです。

(タンノック・ミルクチョコレートキャラメルウェハース(個包装))
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 個包装の様子です。

 それでは中身を取り出してみます。

(タンノック・ミルクチョコレートキャラメルウェハース)
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 ウェハースがミルクチョコレートでコーティングされています。

 ウェハースの中には,溝を埋めるようにキャラメルがサンドされています。

 いただいてみました。

 キャラメルがウェハースと交互に薄く何層にもサンドされており,キャラメルの粘りがあります。

 その粘りを軽いウェハースが受け止め,チョコレートも薄くコーティングされているので,思ったよりもずっと軽い食感でした。

 キットカットを膨らませて軽い食感に仕上げたようなチョコレート菓子です。

 チョコレートとキャラメルとウェハース,それぞれ異なる食感が口の中で一緒になり,溶け合う楽しみがあります。

 とても甘いチョコレートバーではないかと少し構えていましたが,実際にいただいてみると,チョコレートとキャラメルの甘さを,香ばしくてサクサクのウェハースがうまく受け止め,ちょうど良い甘さでした。

 ウェハースを美味しく味わうためのチョコレート菓子だと思いました。

 ちょっとしたおやつやティータイムにぴったりのお菓子です。


スコットランドとウェハース

 イギリス北部に位置するスコットランドは,ウェハースとの関わりが密接な地域です。

 その理由として,寒冷なスコットランドで栽培される主要穀物「オーツ麦(エンバク・カラス麦)」とスコットランドの伝統食「オーツ・ケーキ(オーツ麦のビスケット)」の存在があります。

 オーツ麦はグルテンの含有量が少ないため,焼いてもパンのように膨らまず,ウェハースのように平たく焼き上がります。

 チョコレートでコーティングされたビスケット・ウェハースは,イギリス北部・スコットランドで好まれる傾向にあるのですが,「チョコレートの世界史」の著者・武田尚子さんはその理由として,「ウェハースがオーツ・ケーキを日常的に食べるブリテン島北部の消費者の好みに合っていたからでは」とまとめられています。

 タンノック社の「ミルクチョコレートキャラメルウェハース」は,イギリスのロウントリー家・キャドバリー家・フライ家を中心としたココア・チョコレート製造業の発達と,「オーツ・ケーキ」を伝統食とするスコットランドの食文化を背景に生まれたお菓子だと言えるでしょう。


<関連サイト>
 「Tunnock's」(34 Old Mill Road, Uddingston, Glasgow, United Kingdom)

<関連記事>
 「イギリス料理の特徴と主な料理1 -キットカット-

<参考文献>
 武田尚子「チョコレートの世界史」中公新書

2021年12月 5日 (日)

アルバニア料理の特徴と主な料理 -ペシュク・ネ・フーレ,トゥルリ・ペリメシュ,ミシュ・メ・ラク,ラバーニ-

アルバニアについて

 アルバニアはバルカン半島南西部に位置する国です。

 西はアドリア海に面し,陸域ではモンテネグロ,コソボ,北マケドニア,ギリシャと接しています。

 面積は約28,700平方キロメートルで四国の約1.5倍,人口は約284万人(2021年)です。

 今回私は「JICA関西食堂」でアルバニア料理を味わいました。

 その料理の紹介を通じて,アルバニアについての理解を深めたいと思います。


JICA関西

 日本の政府開発援助(ODA)を通じて開発途上国への国際協力を行っておられる国際協力機構(JICA・ジャイカ)。

 私も過去に国際協力の業務を担当したことがあり,海外からの研修員受け入れや,インドネシア出張など,JICA職員の方と一緒に楽しくお仕事をさせていただきました。

 そのJICAの関西の拠点が「JICA関西」で,神戸市中央区にあります。

 この度,JICA関西の食堂で,月替わりで世界各国の料理が提供されていることを知り,興味を持って訪問しました。

 大阪・梅田から阪神電車を利用して阪神岩屋駅で下車し,駅から徒歩でJICA関西を訪問しました。

(JICA関西・全景)
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 建物の海(南)側から撮影したJICA関西です。

 海外からの研修員の宿泊施設もある大きくて立派な建物です。

(JICA関西・玄関)
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 こちらは,大通りに面した山(北)側から撮影したJICA関西の玄関です。

 JICA関西食堂の案内板もありました。

(JICA関西食堂・案内板)
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 「食べることからはじまる国際協力」

 確かに各国の料理を食べることで,その国の認識が深まり,国際協力に取り組むきっかけにもなると思います。

 食堂は,年末年始を除いて年中無休で営業されていますが,これは宿泊している研修員の食事を提供する役割もあるためです。

 食べることからはじめるため,一直線にJICA関西食堂へ向かいました。


JICA関西食堂のアルバニア料理

 JICA関西食堂は,施設の1階にあり,誰でも利用することが出来ます。

(JICA関西食堂)
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 入口に「月替わりエスニック料理」の案内板がありました。

(月替わりエスニック料理案内(アルバニア料理))
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 11月(2021年11月16日~12月11日)の月替わりエスニック料理はアルバニア料理です。

 アルバニアの独立記念日が11月28日(1912年11月28日)であることにちなんで提供されています。

 この料理をいただくことにし,レジで食券を購入しました。

 厨房で食券をお渡しし,アルバニア料理を御用意いただきました。

 私は見晴らしの良い窓側の席で食事させていただきました。

 食堂にはオープンテラス席もあり,そちらでお食事されている方もいらっしゃいました。

(JICA関西食堂・アルバニア料理)
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 こちらがアルバニア料理のセットです。

 写真右側のメインプレートには,魚のマリネ,野菜蒸し煮,ライスが盛り付けられています。

 写真左下の赤いスープは,キャベツのスープです。

 そして写真左上のお菓子は,ヨーグルトのケーキです。

 メインプレートは日本の家庭料理のような印象を受けました。

 それぞれの料理を簡単に御紹介します。

【魚のマリネ(ペシュク・ネ・フーレ / Peshk ne Furre)】
 白身魚を香草とオリーブオイルでマリネし,蒸し焼きにした料理です。
 魚は鰆(サワラ)でした。
 ほどよく塩味がきき,ハーブがほんのりと香る,日本人にも馴染みやすい魚料理でした。

【野菜蒸し煮(トゥルリ・ペリメシュ / Turli Perimesh)】
 カボチャ,ジャガイモ,人参,玉ねぎ,パプリカなどの野菜を蒸し煮にした料理です。
 見た目は日本のカボチャの煮物のようです。
 ライスとの相性も抜群でした。

【キャベツスープ(ミシュ・メ・ラク / Mish me Lakra)】
 キャベツ,鶏肉,人参,パプリカなどの具で煮込まれたスープです。
 チリペッパー(赤唐辛子)やパプリカパウダー(粉末)が入っており,スープが赤色になっています。
 辛味の効いたキャベツスープでした。

 食後にヨーグルトのケーキとコーヒーをいただきました。

 ドリンクはセルフサービスで,水・お茶・紅茶・コーヒーが御用意されていました。

(ラバーニとコーヒー)
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【ヨーグルトのケーキ(ラバーニ / Revani)】
 見た目も味もベイクドチーズケーキのようなケーキです。
 しっかりとした甘味があり,コーヒーや紅茶によく合うお菓子です。

 食事後,コーヒーをおかわりし,窓越しに庭を眺めながら,ゆったりとした午後のひとときを楽しみました。


JICAプラザ関西

 JICA関西食堂で食事を済ませ,1階のロビー展示コーナーや広報展示室を見学させていただきました。

 ロビー展示コーナーには,各国ゆかりの物が展示品されていました。

(ロビー展示品(アゼルバイジャン))
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 続いて広報展示室へ行くと,世界の食べもの紹介のコーナーがありました。

(世界の食べもの紹介(モロッコのクスクス・マラウイのシマ))
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 「クスクス」はデュラム小麦をもろもろの粒状にした食べ物で,モロッコが発祥とされています。

 一方,「シマ」はトウモロコシ粉をのり状にしたマッシュポテトのような食べ物で,マラウイ人の主食となっています。

 このような感じで世界各国の食べものが紹介されており,とても興味深く見学させていただきました。


まとめ

 JICAの拠点施設では,国際協力を中心とした世界各国の情報を得ることが出来ます。

 また,JICA関西やJICA中国(広島県東広島市)のように,世界の料理を用意され,広く一般の方も利用できる食堂が併設されている施設もあります。

 こうした施設を利用すれば,国内にいながら,気軽に世界旅行気分を味わうことが出来ますよ。


<関連サイト>
 国際協力機構「JICA関西」(神戸市中央区脇浜海岸通1-5-2)

2021年11月14日 (日)

スリランカ料理の特徴と主な料理2 -スリランカのヌードルカレー-

カレーの分類(北インド系と南インド系)

 カレーは大きくは北インド系と南インド系に分けることができます。

 北インド系は乳製品(バター(または上澄みの「ギー」),ヨーグルト,生クリームなど)や肉(羊・鶏など)が使われ,主食は小麦粉やそば粉などを使ったチャパティやナンが中心となります。

 日本のインド料理店では,「ターリー」と呼ばれる丸い大きな金属皿に盛り付けられたカレー・ナン・タンドリーチキンや,甘い「ラッシー」(ヨーグルト飲料)が出されるイメージが強いですが,これは北インド系の中高級料理店の飲食スタイルです。

 一方,南インド系は,南国の食物であるココナッツ(ココナッツミルク・ココナッツオイル)やタマリンドが使われ,沿岸部では魚も食材として使われます。

 主食は米や豆類が中心となります。

 ターリーやバナナの葉にカレー・スープ・おかずなどを盛り付けた「ミールス」は,南インドを代表する食事スタイルとなっています。


スリランカカレーの特徴

 スリランカカレーは南インド系のカレーに位置付けられます。

 スリランカカレーの特徴として,ココナッツミルクやココナッツオイルが使われること,ホールのスパイスを中心に使用されること,日本の鰹節に似た「モルディブフィッシュ」が使われるカレーがあること,が挙げられます。

 スパイスは各家庭・お店で御自慢の調合法があり,そのミックススパイスは「ツナパハ」と呼ばれています。

 米食中心なので,カレーにはバスマティライスや赤米のほか,「ストリングホッパー(インディーアッパー)」と呼ばれる米粉麺と一緒に食べられます。

 「ストリングホッパー」は,素麵やビーフンに似た米粉の麺で,米粉を練った生地を器具に詰め,シャワーの吹き出し口のようなたくさんの小さな穴から押し出し,蒸し器で蒸して作られる麺です。


ヌードルカリー

 ライスではなく米粉の麺と一緒に食べるカレーに興味を持ち,日本のスリランカカレーの一大拠点となっている福岡市へ行きました。

(博多駅)
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 今回訪問したお店は,福岡市中央区にあるスリランカ料理店「ヌワラエリヤ」です。

 福岡市内には,スリランカカレーを提供されているお店が数多くあるのですが,今回御紹介する「ヌワラエリヤ」や系列店の「ツナパハ」はその代表的なお店の1つです。

(スリランカ料理店「ヌワラエリヤ」)
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 国体道路沿い,警固交差点の近くにあるお店です。

 ランチタイムに訪問したので,「ランチ」(サラダ・カリー・デザート・紅茶のセット)でヌードルカリーを注文しました。

 最初にサラダが提供され,しばらくして待望のヌードルカリーが提供されました。

(ヌードルカリー)
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 中心部に山盛りの米粉麵,周囲に3種のカレーがかけられたボリューム感あるカレーです。

 カレーは,写真手前右側が「大根のカレー」,左側が「レンズ豆のカレー」,奥が「チキンのカレー」の3種です。

 ココナッツミルクがベースとなっているので,サラリとしたスープ状のカレーとなっています。

 サラリとしている分,スパイスの香りや唐辛子の辛さもストレートに感じられました。

 ひととおりカレーを味わった後,ヌードルをカレーと一緒にいただきました。

 ヌードルは炒めたビーフンです。

 ケチャップが加えられることで,わずかに赤みがかり,ほのかな甘みも感じました。

 そのため,カレーだけを食べるよりも,ヌードルと一緒に食べる方が辛さがマイルドになり,より美味しくいただけました。

 福岡のスリランカカレーは,写真のような,中心部にヌードルやライスが盛られ,その周囲にカレーがかけられているスタイルが基本となっており,様々なお店でこのスタイルのカレーを味わうことが出来ます。

(ココナッツアイスと紅茶)
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 食後のデザートとして,ココナッツアイスとスリランカの紅茶が提供されました。

 ココナッツアイスには,甘くて濃厚なマンゴーソースがかけられていました。

 こうした甘いデザートや紅茶は,カレーの辛さを中和し,整えてくれる効果があります。

 辛いカレーと甘いデザート・ドリンクはセットでいただいてこそ,それぞれの良さがわかるものだと実感しました。

 スリランカのやさしい香りがする紅茶をゆっくりといただきながら福岡の街を眺め,しばし食後の余韻を楽しみました。


ハウス食品 選ばれし人気店シリーズ「ツナパハ スリランカカリー」

 ハウス食品から「選ばれし人気店」シリーズとして,福岡「ツナパハ」のスリランカカリーがレトルトカレーで販売されています。

(ツナパハ・スリランカカリー(ハウス食品)パッケージ)
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 広島市内のスーパーマーケットでたまたま見つけました。

 せっかくなので,この商品と一緒にビーフンも買い,自宅でヌードルカレーを作ってみました。

(ツナパハ・スリランカカリー(ハウス食品)で作ったヌードルカレー)
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 ヌードルは乾麵のビーフンを茹で,油を敷いたフライパンで塩・こしょう,それに少量のケチャップを加えて炒めたものです。

 口に含んだ瞬間,福岡の「ヌワラエリヤ」でいただいたヌードルカリーの思い出がよみがえりました。

 辛さは「中辛」で,お店のカレーより若干マイルドな辛さに仕上げられています。

 今回御紹介したヌワラエリヤ・ツナパハのスリランカカリーがお手軽に味わえますので,御興味を持たれた方はお求めください。


スリランカのヌードルカレーの謎にせまる

 インドではあまりみられない,カレーと麵を組み合わせたスリランカのヌードルカレー。

 この料理がどういう流れで誕生したのか,その理由を知りたいと思いました。

 麵料理は,中国料理の影響を受けたものです。

 私がカンボジアを訪問した際にも,米粉麺の製造現場を見かけました。

 中国を起源とする麺料理は,華僑(華人)によって米を主食とする東アジア・東南アジア各国へ伝わり,その土地の食文化と融合して,韓国の「チャジャン麺」,タイの「カオソーイ」,シンガポールの「ラクサ」,ベトナムの「ブンチャー」・「フォー」などオリジナルの麵料理が次々と誕生しました。

 一方でカレーは,インドを中心に広まった料理です。

 南アジアに位置し,南インドの影響を強く受けているスリランカへ,インドを飛び越えて中国の麺食が伝わっていることが不思議です。

 スリランカのヌードルカレーは,近年,様々な食文化の交流がなされるようになった際に取り入れられた創作料理の1つではないかと一応の結論付けをしました。

 そんな中,2021年11月13日に「おいしいアジア料理の歴史を味わう 中国から日本,そして世界へ」というテーマのオンライントークイベントに参加させていただきました。

 「中国料理の世界史 美食のナショナリズムをこえて」という本をお書きになった慶応義塾大学教授の岩間一弘さんと,ジャーナリストで食文化研究者の森枝卓士さんから,食にまつわる様々な興味深いお話を伺うことが出来ました。

 中国料理の視点から世界史や世界の料理について研究されている岩間一弘さんと,世界の食文化,特に東南アジア料理やカレーにお詳しい森枝卓士さんがいらっしゃるとなれば,今回のスリランカのヌードルカレーの話も趣旨に沿っていると思いました。

 そこで私はお二人に質問させていただきました。

 (質問)
 「カレーと米の麺を一緒に食べるスリランカカレーも中国料理の影響を受けているでしょうか?」

 お二人とも米粉麵が使われるスリランカのカレーがあることは御存知で,突然の質問でも瞬時に質問の趣旨を理解されました。
 さすがです。

 お二人からは,「インドで麺食は常食とされていないため,スリランカ独自の料理ではないか」という御回答をいただきました。

 中国の麺文化と遠く離れたイタリアの麺(パスタ)文化がそれぞれ発展してきたのと同様に,根拠となる文献が乏しく,はっきりとした理由はわからないというのが現状のようです。

 50年前,100年前レベルの,料理としては意外と新しい料理もたくさんあり,ヌードルカレーもそうした料理の1つかも知れないとのお話でした。

 スリランカのカレーヌードル,意外と奥が深そうです。


 今回刊行された本を通じて中国料理の魅力を教えてくださった岩間一弘さんと,ジャーナリスト・食文化研究者そして写真家としても憧れを抱いている森枝卓士さんから直接お話を伺うことができ,とても有意義なひとときを過ごせました。

 岩間一弘さんの著作については,2021年11月13日付け朝日新聞朝刊の読書欄でも紹介されています。
  ※書評:藤原辰史さん(京都大学准教授・食農思想史)


 南インド料理のみならず,中国料理の影響を受けているスリランカのヌードルカレー。

 たった1つの料理でも,深く考えてみると,様々な食文化の物語が展開します。

 それが食文化を学ぶ大きな魅力だと言えるでしょう。


<関連サイト>
 「ヌワラエリヤ」(福岡市中央区赤坂1-1-5 鶴田けやきビル2F)
 「ハウス レトルトカレー 選ばれし人気店」(ハウス食品)

<関連記事>
 「スリランカ料理の特徴と主な料理1 -デビルチキン,デビル・悪魔風と名のつく料理の意味-
 「タイ料理の特徴と主な料理3 -カオソーイ-
 「シンガポール料理の特徴と主な料理 -チキンライス・バクテー・チリクラブ・マントゥ・フィッシュヘッドカリー・ラクサ-
 「ベトナム料理の特徴と主な料理 -バインセオ・ブンチャー・バインベオ・バインフラン・フォー-

<参考文献>
 岩間一弘「中国料理の世界史 -美食のナショナリズムをこえて」慶応義塾大学出版会
 「dancyu(スパイスとカレー 2021)」(2021年8月号)プレジデント社
 前田庸「ツナパハ ヌワラエリヤ スリランカカリーをつくろう」書肆侃侃房

2021年10月17日 (日)

ジャマイカ料理の特徴と主な料理 -アキーアンドソルトフィッシュ・アイタルシチュー・エスコビッチ・ジャークチキン・ブルーマウンテン-

ジャマイカの歴史とラスタファリ運動

 カリブ海に浮かぶ島国ジャマイカ。

 17世紀にイギリスがジャマイカを支配した際,イギリス人は西アフリカから多くの奴隷をジャマイカへ連れてきました。

 こうした歴史があるため,ジャマイカでは「ラスタファリ運動」(※)と呼ばれるアフリカ回帰の思想を掲げた宗教的運動がみられます。
 ※ラスタファリはアフリカで独立を守ったエチオピアの皇帝「ハイレ・セラシエ」の戴冠前の名前「ラス・タファリ」に由来。

 ラスタファリ運動の一例として,旧約聖書に基づく断髪の禁止や,豚やうろこのない魚を食べないことなどが挙げられます。

 世界的に有名なレゲエ歌手ボブ・マーリーはジャマイカ出身ですが,レゲエ歌手の独特な髪型「ドレッドロックス(ドレッドヘアー)」は,この断髪禁止の思想に基づくものです。

 また,太陽を示す黄色,大地を示す緑色,戦いの流血を示す赤色,そしてアフリカを示す黒色の4色は「ラスタカラー」と呼ばれ,アフリカ各国やジャマイカの国旗にも採用されています。

 このラスタカラーを意識しながら,アフリカの国旗やレゲエ音楽の画像,そしてこれから御紹介する代表的なジャマイカ料理の写真などを御覧いただくと面白いと思います。


アキーアンドソルトフィッシュとフェスティバル

 「アキーアンドソルトフィッシュ(AcKee & Saltfish)」はジャマイカの代表的な料理の1つです。

 「アキー」は西アフリカ原産の果実で,ジャマイカで栽培され,食用とされています。

 アキーの熟した黄色い実を茹でて食べます。ただし,熟してないアキーは有毒なので注意が必要です。

 そのアキーとソルトフィッシュ(塩漬けの魚)をさっと炒めた料理が「アキーアンドソルトフィッシュ」です。

 今回は「フェスティバル」と呼ばれるトウモロコシ粉を使った棒状の揚げドーナツと一緒にいただきました。

(アキーアンドソルトフィッシュとフェスティバル)
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 中央手前の炒め料理が「アキーアンドソルトフィッシュ」,左右に半分ずつある揚げドーナツが「フェスティバル」です。

 黄色いスクランブルエッグのような食べ物がアキーです。

 アキーはスクランブルエッグか蒸した白子のような食感で,あっさりした味わいと濃厚な味わいが合わさった不思議な食べ物でした。

 クセが少ないので,塩鱈のようなソルトフィッシュや野菜(玉ねぎ・トマトなど)と一緒に炒めるとよく合います。


アイタルシチュー

 「アイタルシチュー」は,豆やカボチャ・トウモロコシなどの野菜だしで作られたスープです。

 ラスタフェリアン(ラスタファリ運動家)にみられる,ベジタリアン(菜食主義者)向けの料理です。

(アイタルシチュー)
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 今回のスープは,トウモロコシをベースに豆やトマト,そしてショートパスタが入っていました。

 とろみがある優しい味のスープでした。


エスコビッチ・フィッシュとライスアンドピーズ

 ジャマイカでは「エスコビッチ・フィッシュ」と呼ばれる魚の南蛮漬け(エスカベッシュ)も食べられています。

 「ライスアンドピーズ」と呼ばれる豆ご飯と一緒にいただきました。

(エスコビッチ・フィッシュとライスアンドピーズ)
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 「エスコビッチ・フィッシュ」は,白身魚を揚げてハーブやスパイスを加えた酢でマリネした料理です。

 ジャマイカで栽培されている香辛料「オールスパイス」が用いられるのが特徴です。

 今回いただいたエスコビッチ・フィッシュは,玉ねぎがたっぷりのせられていて,酢やレモンの酸味がよく効いていたので,さっぱりと美味しくいただけました。

 「ライスアンドピーズ」は,米を玉ねぎやニンニクなどと一緒に油で炒め,豆・水・ココナッツミルクを加えて炊いた豆ご飯です。

 レッドキドニービーンズが使われており,日本の赤飯のような仕上がりでした。

 ただ,日本のご飯や赤飯の感覚でいただくと,結構塩辛く感じました。

 ブラジル料理の少し塩辛いご飯に似ていると思いました。


ジャークチキン

 ジャマイカの代表的な料理の1つが「ジャークチキン」です。

 鶏肉にシーズニング(オールスパイス,チリペッパー,ブラックペッパーなどのスパイスを調合したもの),ニンニク,ライム,酢,塩などを加えてしっかり味を馴染ませた後,フライパンやオーブンでじっくり焼いた料理です。

(ジャークチキン)
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 写真では赤いケチャップがたっぷりと添えられていますが,これもジャマイカの特徴です。

 もともとスパイシーで濃い味付けの料理なので,ケチャップまで必要なのかと思ったのですが,ケチャップを加えることでトマトの酸味による味の変化が生まれ,たくさんの量でも美味しくいただくことが出来ました。

 ラスターカラー(赤)を意識しての彩りなのかも知れません。

 ジャマイカには,「ジャークチキン」だけでなく,豚肉で作る「ジャークポーク」や海老で作る「ジャークシュリンプ」など,シーズニングで馴染ませて焼く様々な料理があります。


ブルーマウンテンコーヒー

 ブルーマウンテン(コーヒー)と言えば,日本では昔から高級なコーヒーの代名詞ともなっています。

 「ブルーマウンテン(コーヒー)」と呼べるのは,ジャマイカの首都キングストンの北部に広がるブルーマウンテン山脈の「ブルーマウンテンエリア」で栽培されたコーヒーだけです。

 高価で,なかなか普段飲みできるコーヒーではありませんが,このお店ではジャマイカの代表的な飲み物として,普通にブルーマウンテンコーヒーが用意されています。

(ブルーマウンテンコーヒー)
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 香り高く,バランスのとれた飲みやすいコーヒーでした。

 食後にブルーマウンテンコーヒー。贅沢な締めくくりとなりました。

 ちなみに,ブルーマウンテンと他のコーヒー豆とでは,明らかに異なる特徴があります。

 コーヒー豆は,一般的に麻袋に詰めて運搬されるのですが,ブルーマウンテンの高級なコーヒー豆だけは伝統的な樽に詰めて運搬されるのです。

(樽詰めのブルーマウンテンコーヒー)
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 これがブルーマウンテンを運搬する樽です。

 神戸の「UCCコーヒー博物館」に展示されています。

 この博物館では,ブルーマウンテンコーヒーをはじめとするコーヒーの世界について,楽しみながら学ぶことができます。
 また,併設されているカフェで様々な産地のコーヒーを味わうこともできます。


 神戸は様々な魅力にあふれた街ですが,食に興味をお持ちの方には,ちょっと珍しいジャマイカ料理を味わい,コーヒー博物館でコーヒーについて楽しく学ぶという過ごし方もおすすめです。


<関連サイト>
 「レストラン&バー ジャマイカーナ」(神戸市中央区中山手通1-22-27 DOM'Sビル8F)
 「UCCコーヒー博物館」(神戸市中央区港島中町6-6-2)

<参考文献>
 UCCコーヒー博物館著「図説コーヒー」河出書房新社
 福田幸江 原作・吉城モカ 作画・川島良彰 監修「僕はコーヒーが飲めない5」ビッグコミックス
 井上順孝「図解雑学 宗教」ナツメ社

2021年3月 7日 (日)

カンボジア料理の特徴と主な料理15 -カンポット・ペッパー・蒸し魚バナナの葉包み・バイサイチュルーク・なます・カシューナッツカレー・コンポントムのカシューナッツ加工所-

カンボジアナイト

 少し前のお話になりますが,2019年12月24日に,広島市内のカフェで開催された「カンボジアナイト」というイベントに参加させていただきました。

 カンボジアを訪問したメンバーの帰国報告会も兼ね,カフェの店主さんがカンボジアの現地で味わった料理をお客さんみんなで味わうというイベントでした。

 私もメンバーの一員として,カンボジアのアプサラ・ダンスのTシャツを着て参加し,カンボジアの思い出が満載のスナップ写真をお客さんに披露しました。

 そんな楽しいイベントで味わったカンボジア料理を御紹介します。


カンポット・ペッパー漬けジントニック

 「カンボジアの胡椒は世界一美味しい」と言われます。

 とりわけカンボジアの南西部,カンポット州やケップ特別市で栽培される胡椒は「カンポット・ペッパー」と呼ばれ,世界中の食通を魅了しています。

 そのカンポット・ペッパーで香りと辛みのアクセントを付けたジントニックをいただきました。

(カンポット・ペッパー漬けジントニック)
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 私はお酒に弱いので,ジンをかなり薄めにしてもらったのですが(笑),香り高くピリッと辛いカンポット・ペッパーが,すっきりした飲みごたえのジントニックとよく合い,キリッと清涼感のあるお酒に仕上がっていました。


クメールプレート

 様々なカンボジア料理が盛られたクメールプレートをいただきました。

(クメールプレート)
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 プレートの料理を個別に御紹介します。

【蒸し魚 バナナの葉包み】
 カンボジアはトンレサップ湖やメコン川,シェムリアップ川など豊かな水源に恵まれ,雨季と乾季の水量の変化に伴って移動する大量の魚を食の基本とする食文化が形成されています。
 店主さんから伺ったお話では,「クメール(カンボジア)人は身の締まった魚が苦手で,川魚がよく食べられる」のだそうです。
 今回はベトナムの白身魚をカンボジアで調達されたハーブ・ペッパーで味付けし,バナナの葉で包んで蒸した料理をいただきました。

(蒸し魚 バナナの葉包み)
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 バナナの葉で包んで蒸すことにより,白身魚の旨味が外に逃げ出さず,シンプルな塩・スパイスの味付けのみで美味しく仕上がっていました。
 カンボジアなど東南アジアでは,バナナの葉が調理器具,食器,香料,発酵材料,殺菌シートと様々な役割を果たします。
 食べ終えた後は,そのままバナナの葉ごと捨てれば済むので,後片付けも楽ですね。

【バイサイチュルーク】
 「バイサイチュルーク」は,ニンニク醤油で味付けして焼いた豚肉をご飯にのせた「豚肉のせご飯」です。

(バイサイチュルーク)
Photo_20210307082001

 ジューシーな豚肉と甘みのある脂が,焦げて香ばしい醤油だれとからまり,白ご飯とよく合いました。
 豚肉の照り焼き丼みたいなイメージで,日本人好みの味です。
 カンボジアでは朝食として食べられることが多い料理です。

【なます】
 なますは日本独自の料理のような感じもしますが,東アジア・東南アジアでも多くみられます。
 今回は,大根・人参・キュウリのなます(酢漬け)をいただきました。

(なます)
Photo_20210307082201
 
 肉や魚料理の合間にいただくと,酢でさっぱりとし,美味しさがより一層引き立ちました。

【カシューナッツカレー】
 カンボジア・コンポントム産のカシューナッツがたっぷり入ったカレーです。

(カシューナッツカレー)
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 カレーには油脂がたくさん使われますが,その油脂の代わりに砕いたカシューナッツが用いられていました。
 カンボジアのカレーは,一般的に辛さが控えめでマイルドなものが多いのですが,今回のカレーもそれを忠実に再現されており,カシューナッツにより深いコクととろみのあるマイルドなカレーに仕上げられていました。
 店主さんは,カンボジア・コンポントムで入手されたカシューナッツで何を作ろうか悩んでおられましたが,その結論がこの美味しいカレーでした。
 カンボジア・コンポントムのカシューナッツについては,後ほど改めて御紹介します。


カンポット・ペッパーがけアイスクリーム

 当ブログで,「カンボジアの胡椒は世界一美味しい」というお話をさせていただきましたが(「カンボジア料理の特徴と主な料理14 -カンボジアの胡椒,カンボジア産生胡椒の塩漬け,黒胡椒オムライス-」参照),そのカンポット・ペッパーを使ったアイスクリームをいただきました。

(カンポット・ペッパーがけアイスクリーム)
Photo_20210307095901

 バニラアイスに粗挽きのカンポット・ペッパーがかけられています。

 「バニラアイスに胡椒の組合せって合うのだろうか?」と半信半疑でいただきましたが,良い意味で裏切られました。

 バニラアイスに胡椒を加えることにより,胡椒とバニラがお互いの香りを高め合い,胡椒のピリッとした辛さがアイスの甘味をぐっと引き立たせてくれました。


カンボジア・コンポントムのカシューナッツとカシューナッツ加工所

 カンボジア・コンポントムの郊外にある世界遺産「サンボー・プレイ・クック」を訪問した際,露店でカシューナッツが販売されていました。

 地元・コンポントムで収穫されたカシューナッツで,試食させていただくと美味しかったので,これをお土産にしようと思い,まとめ買いしました。

(カシューナッツ(カンボジア・コンポントム産))
Photo_20210307100301

 カシューナッツは,包装袋の左上の写真のような,果実の先っぽにできた種の部分の中身を言います。

 カンボジアでのホームステイ最終日,ガイドさんの案内で,コンポントム郊外にあるこのカシューナッツの加工所を見学することができました。

(カシューナッツ加工所周辺の風景)
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 のどかなコンポントム郊外の風景です。

 水たまりで子供や牛がたわむれ,ヘルメットなし・2人乗りのバイクで通学している生徒も見かけました。
 ※カンボジアはバイクがないと生活できない人も多いため,バイクに乗るための年齢制限はないそうです。

 こうしたのどかな場所で,カシューナッツが製造されていました。

 加工所の中に入らせていただくと,ローストして山積みにされたカシューナッツがありました。

(山積みされたカシューナッツ)
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 殻付きのカシューナッツが地面に山積みされていました。

 そして,奥の作業場にはカシューナッツの殻を割る工具もありました。

(カシューナッツ殻割り機)
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 殻が割られたカシューナッツもありました。

(カシューナッツとその殻)
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 意外と厚い殻に覆われていて,工具や機械を使わないと割るのが大変そうです。

 日本では加工済みのカシューナッツしか見ることはありませんが,実際には,果実を収穫したり,種子を取り出したり,硬い殻を割って内部のカシューナッツを取り出したりと,商品化されるまでにかなりの人手や手間がかかることがわかりました。

 こちらの加工所は女性の方が起業し経営されているそうです。

 加工所の入口には直売所もあり,このカシューナッツが先ほど御紹介したカシューナッツカレーとなりました。


 今回は,胡椒,バナナ(の葉),カシューナッツなど熱帯モンスーン気候のカンボジアならではの作物を使った料理や食材を御紹介しましたが,いずれも日本人好みの料理・食材でもあり,アジア食文化圏でのつながりを感じました。


<関連サイト>
 「Cafe Igel あかいはりねずみ」(広島市南区的場町1-7-2)
 「Napra-works(ナプラワークス)」(カンボジア・コンポントム州)
 (サンボー・プレイ・クック遺跡群の紹介を中心としたカンボジアのイベント・ツアー企画会社)

<カンボジア料理・菓子 関連記事>
 「食文化関連記事一覧表・索引」の「各国料理の特徴と主な料理」にある「カンボジア料理」を御参照ください。

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