食文化体験・イベント

2024年3月31日 (日)

ビッグ錠先生の世界15 -湘南台「ウソとホントの間には…出来らあ!…がある…DE SHOW」・漫画飯オフ会-

 2024年3月16日から18日の3日間、神奈川県藤沢市の「湘南台駅地下アートスクエア」をメイン会場に、「ウソとホントの間には…出来らあ!…がある…DE SHOW」が開催されました。

 ビッグ錠先生やお仲間の漫画家の作品展示、トークショウ、映画上映会、ライブショウ、ライブペインティングなどの盛りだくさんのイベントで盛り上がりました。

 私もこのイベントに合わせて3月16日に湘南台を訪問し、トークショウ、映画上映会、そしてズボラさんの漫画飯オフ会を楽しみました。


イベント開始前

 早朝に広島市内の自宅を出発し、11時過ぎに湘南台に到着しました。

 湘南台駅地下アートスクエアでは、イベントの開催に向け、着々と準備が進められていました。

(イベント会場(湘南台駅地下アートスクエア)とイベントポスター)
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 私は漫画飯オフ会のスタッフの一員として会場準備をお願いされていたので、まずはアルスノーバへ向かったのですが…

(アルスノーバ(開店前))
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 お店がまだ開いていませんでした。

 そこでマスターに湘南台に到着したことを連絡し、湘南台駅近くの「饂飩居酒屋かずどん」でランチをいただきました。

 店名でもある「かずどん」というメニューがあったので、こちらを注文しました。

(かずどん(唐揚げ入りうどん))
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 「これはすごい!」

 大きな唐揚げが4つものせられたボリューム満点のうどんでした。

 唐揚げが大きいので、皿に「別盛り」で提供いただくことも可能だそうです。

 このうどんを食べ始めた頃、マスターから「店に来てほしい」とのメールが入ったため、急いで食事を済ませ、すぐ近くのアルスノーバへ向かいました。


漫画飯オフ会の会場準備

 漫画飯オフ会の会場となるアルスノーバには、ズボラさん、マネティエさん、漫画家の寺沢大介先生と小林銅蟲先生、運営スタッフ(アルスノーバの常連さん)などが続々と集合し、みんなでイベントの準備に取りかかりました。

(書籍展示コーナー)
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 ビッグ錠先生、寺沢大介先生、小林銅蟲先生などに関連した書籍やグッズが会場に展示されました。

 そしてズボラさんとマスターは、ビッグ錠先生の漫画「スーパーくいしん坊」に登場する「スーパー回転お好み焼き」の調理器具のセッティングをされました。

(スーパー回転お好み焼き器(車のホイールキャップ))
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 車のホイールキャップにお好み焼きの生地をのせ、そのホイールキャップを回転させながら、お好み焼きを焼きます。

 ズボラさんから、このホイールキャップは1つ1万円で、それを2つも購入されたことを教えていただき、その熱意に頭の下がる思いがしました。

 金網にのせてある土台は、オーブン粘土を固め、金属製の丸い枠に入れたものです。

 手前の針金は、その土台を金網に固定するためのものです。

(スーパー回転お好み焼き器とカセットコンロ)
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 このあと、お好み焼きを回転させながら焼くという、とんでもない実演が待っています。


トークショウ「ウソとホントの間には…出来らあ!…がある…DE SHOW」

 トークショウの開催時刻が近づいたので、寺沢大介先生とズボラさんと私を含むスタッフは、会場の湘南台駅地下アートスクエアへ向かいました。

 寺沢大介先生とズボラさんは、ビッグ錠先生と合流してトークショウに出演され、私はスタッフとしてお手伝いをしました。

(「ウソとホントの間には…出来らあ!…がある…DE SHOW」チラシ)
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 イベント期間中、このチラシやポスターが湘南台の街を飾りました。

(漫画の原稿展示コーナー)
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 会場には、ビッグ錠先生やお仲間の先生たちのマンガ原稿が展示されていました。

(スーパーくいしん坊「スーパー回転お好み焼き」の原稿)
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 漫画飯オフ会で実演される、ビッグ錠先生の漫画「スーパーくいしん坊」の「スーパー回転お好み焼き」の原稿です。

 「病院食が不味いと物申す香介(主人公)。消化に良くて旨くて栄養のある料理…そうだお好み焼きだ!」
 「なぜか車のホイールキャップを使ってド派手にお好み焼きを焼き上げる香介」
 「病院食なのにホイールキャップで調理って…衛生的にどうなんです?」

 紹介文がビッグ錠先生にダメ出しをしています(笑)

 やがて開演時刻となり、トークショウが始まりました。

(トークショウ「ウソとホントの間で」)
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 「漫画はウソとホントの間で描いており…」という話だったのでしょうが、私は途中で別の場所へ移動したり、スタッフの方と打ち合わせをしたりしていたので、何をトークされていたのか知りません(笑)


映画「快盗くいしん坊」上映会

 続いて、映画「快盗くいしん坊」の上映会が行われました。

(「快盗くいしん坊」チラシ)
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 ビッグ錠先生の最新作「快盗くいしん坊」の映画版で、シベリア文太さんが主人公のコングを演じておられます。

 コングは、泥棒だけど情にもろくて料理の腕は超一級という面白くて風変わりな人物です。

 だから「怪盗」ではなく「快盗」なのです。

(映画「快盗くいしん坊」上映)
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 会場でポップコーンが販売されていたので購入し、いただきながら鑑賞しました。

 と言っても、これも冒頭のシーンをしばらく鑑賞した程度で、漫画飯オフ会の準備のため、先回りしてアルスノーバに戻りました。

 この後、上映会場ではシベリア文太さんが来場され、ビッグ錠先生とトークショウが行われました。


小林銅蟲「めしにしましょう」の「超級カツ」と「超級カツ丼」

 漫画飯オフ会の準備が一段落し、後はお客さんを待つのみとなった時、マスターが生ビールを用意してくださいました。

(生ビール)
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 お酒が弱い私でも、このビールは一口飲んで美味しいとはっきりわかりました。

(アルスノーバ(オフ会直前))
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 開始時刻が近づくにつれ、参加者が続々と入店されました。

 参加者が揃ったところで、まずは小林銅蟲先生の漫画「めしにしましょう」に登場する「超級カツ」と「超級カツ丼」が再現されました。

 「超級カツ」は、とんでもなく分厚い肉を油で揚げたトンカツです。

(低温調理された豚肩ロース肉)
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 分厚い豚肩ロース肉の中まで火を通すため、袋に入れた肉のかたまりを62℃に保った湯の中に24時間以上入れておく「低温調理」がなされています。

 この写真は、そのかたまり肉を分厚くカットした様子です。

(低温調理された豚肩ロース肉(1個))
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 カットした肉1個の大きさも、写真のとおり相当なものです。

(豚肩ロース肉のまかない)
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 こちらは、さらに一口サイズにカットし、イベント開催前に運営スタッフへの「まかない」として提供されたものです。

 肉がとてもやわらかくて、そのままでも十分美味しく仕上がっていました。

 調味料としてマスタードをかけていますが、バルサミコ酢も合うのではという話もありました。

(豚肩ロース肉にパン粉をまぶした様子)
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 こちらはカットした肉にパン粉をまぶした様子です。

 これをたっぷりと油を入れたフライパンで揚げ焼きし、「超級カツ」の完成です。

(超級カツ(カット))
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 こちらは、揚げた超級カツをカットしている様子です。

(超級カツ)
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 仕上げに、私がとんかつソースやマスタードをかけ、つまようじを刺して皆さんに提供しました。

 さらに、小林銅蟲先生の大ファンである「のりたま」さんが「超級カツ丼」を作られました。

(超級カツ丼(調理))
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 カツが大きいので、フライパンで調理されています。

(超級カツ丼)
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 とても美味しそうに仕上がっています。


ビッグ錠「スーパーくいしん坊」の「スーパー回転お好み焼き」

 続いて、ズボラさんにより、ビッグ錠先生の漫画「スーパーくいしん坊」に登場する「スーパー回転お好み焼き」が再現されました。

(スーパー回転お好み焼き器の準備)
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 ホイールキャップの上にアルミホイルを敷いた上で、油をひきます。

(生地を注ぐ様子)
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 お好み焼きの生地をホイールキャップの皿に注ぐ様子です。

 この時点ですでにグラついています(笑)

 ちなみに、これから生地を回転させるので、生地をあらかじめ混ぜておく必要はありません。

(ホイールキャップの皿にロープを巻き付けている様子)
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 こちらは、ホイールキャップの皿にロープを巻き付けている様子です。

(生地を加熱する様子(ロープスタンバイ))
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 カセットコンロを強火にし、ホイールキャップの端に巻き付けたロープを一気に引いて、コマのようにお好み焼きが入ったホイールキャップを回転させます。

 ズボラさんの「これがスーパーくいしん坊のお好み焼きだーー!」という力強い発声とともに、ロープが手前に引かれました。

 しかしながら、土台がグラついてホイールキャップが回転せず、「無理」という結論になりました。

 ホイールキャップの土台の粘土がひび割れし、固定できなかったことが原因でした。

(生地を回転させながら加熱する様子)
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 隣のマネティエさんがトングで支柱を支えておられたのですが…。

 ズボラさんがチャレンジされた後、小林銅蟲先生が再チャレンジされました。

 ロープを引いてコマのように回転させるのではなく、ゴム手袋を付けた上で、手動でホイールキャップを回転させるという方法に切り替えられました。

 これに加え、ズボラさんにより、お好み焼き生地を直火で焼く「ガスバーナー作戦」も実行されました。

 なかなか焼けなかったのは、ホイールキャップの位置が高かったこともありそうです。

 実演中にズボラさんが「結果、フライパンで(まともに)やった方が早そう」とつぶやいておられたのが笑えました。

(完成した?スーパー回転お好み焼き)
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 まだ若干生地が生焼けでしたが、ズボラさんとしては「大成功」だそうです。

 後ほど、マネティエさんがフライパンで焼いたお好み焼きを参加者に振る舞われました。

(フライパンで調理したお好み焼き)
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 スーパー回転お好み焼きでは、ここまでのお好み焼きはできません。

 まさにウソとホントの間にあるようなお好み焼きでした(笑)


寺沢大介「ミスター味っ子」の「安い輸入牛でもおいしいステーキ」

 続いてマネティエさんが、寺沢大介先生の「ミスター味っ子」に登場する「安い輸入牛でもおいしいステーキ」を再現されました。

 このステーキの調理法は、「安価な肉を重曹に漬けてやわらかくした上で、横に薄くスライスし、そのスライスした肉に牛脂をはさんで旨味とコクを加えたものをステーキとして焼き上げる」というものです。

 マネティエさんは、牛モモ肉のかたまりを薄く伸ばし、その肉に牛脂を包んで焼き上げる方法で調理されました。

 今回は、あらかじめ調理されたステーキ肉が会場に用意されました。

 この調理済みのステーキをガスバーナーで熱々に熱した鉄皿の上にのせ、しばらく加熱したあと、切り分けられました。

(マネティエさんによるステーキのカット)
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 マネティエさんがステーキをカットされている様子です。

(安い輸入牛でもおいしいステーキ)
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 これで「ミスター味っ子」に登場する「安い輸入牛でもおいしいステーキ」の完成です。

 寺沢大介先生から「これ1つでは大きいから、みんなに行き渡るには切り分けた方が良くない?」、「できるだけ大勢の人に食べてもらって」というお気遣いのお言葉もあり、さらに一口サイズに切り分けられました。

(安い輸入牛でもおいしいステーキ(切り分け))
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 仕上げに醤油ベースの「大根おろし卵黄ソース」をかけ、完成です。

 召し上がった寺沢大介先生も「うまいぞーーー!!」と満足されていました。

 どれも好評だったようです。


まとめ

 今回御紹介した漫画飯オフ会の様子は、ズボラさんの動画サイト「【漫画飯オフ会】スーパー回転お好み焼き&輸入牛でも柔らかいステーキ&超級カツ スーパーくいしん坊&ミスター味っ子&めしにしましょう 漫画飯再現料理 アニメ飯再現レシピ」で紹介されています。

(【漫画飯オフ会】スーパー回転お好み焼き&輸入牛でも柔らかいステーキ&超級カツ)

 ( YouTube「ズボラの漫画飯再現料理」)

 うまくいくかどうかは別にして、こうした漫画料理にチャレンジされること自体が素晴らしく、それがみんなに伝わって、笑いと感動を与えてくれました。

 オフ会が落ち着いた頃、私も記念に寺沢大介先生の漫画を2冊購入しました。

(寺沢大介著「味皇、寿司を喰らう!」・「京の夢・杏の夢」)
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 そして寺沢大介先生のところへ伺い、サインをお願いしました。

 すると寺沢先生から「えっ、あなたはスタッフでしょ?」と言われてしまいました(笑)

 私は寺沢先生に「買ったんだからお願いしますよー」とせがみ、サインをしてもらいました。

(寺沢大介先生の「ミスター味っ子」とサイン)
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 本の見返しに「ミスター味っ子」の主人公・味吉陽一君とサインを描いていただきました。

 あと、このイベントの前週に東京・池袋で開催された映画「散歩屋ケンちゃん」のイベントに参加されたHさんから「コウジ菌さんですよね」と声をかけていただき、再会を喜んだワンシーンもありました。

 オフ会は無事終了し、お開きとなりました。

 お店の後片付けをし、一段落ついた時、マスターがお腹を空かせたスタッフのために、まかないでパスタを作ってくださいました。

 マスター御自身もお疲れなのに申し訳ないと思いつつ、ありがたくいただきました。

(マスターのまかないパスタ)
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 刻みベーコンとニンニクを具に、チーズがたっぷりかかったペペロンチーノでした。

 マスターもお気に入りの、湘南台のパスタハウス「ニューオリンズ」の「にんたか(にんにくとたかのつめのパスタ)」をオマージュした一品だと思います。

 その後、マスターに特製コーヒーを淹れていただき、常連のZさんからいただいたバウムクーヘンと一緒にいただくと、心が癒されました。

(アルスノーバ特製コーヒーとバウムクーヘン)
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 マスターをはじめ、お世話になった皆さんにお礼申し上げ、お店を後にしました。

 2週連続で広島から湘南台に訪問しましたが、とても楽しいひと時を過ごすことが出来ました。


<関連サイト>
 「ズボラの漫画飯再現料理」(ずぼら料理研究家)
 「饂飩居酒屋かずどん」(神奈川県藤沢市湘南台1-10-6 カルチャー湘南台2F)

<関連記事>
 「ビッグ錠先生の世界7 -ビッグ錠誕生日祭(ズボラさんの漫画飯再現料理 一本包丁満太郎の「空洞おにぎり」)-
 「ビッグ錠先生の世界8 -ビッグ錠誕生日祭(チャップマンさんの漫画めし料理 包丁人味平の「味平カレー」と「ブラックカレー」)-
 「ビッグ錠先生の世界10 -湘南台「ビッグ錠の66.50展」とプリンカレー勝負-
 「ビッグ錠先生の世界12 -「みんなで喰らう漫画飯会」・「不愉快な仲間達とのビッグ錠誕生日会」-
 「ビッグ錠先生の世界13 -湘南台「ニューオリンズ」の「にんたか」・サザンカンフォートのカクテル・アルスノーバ特製コーヒー-
 「ビッグ錠先生の世界14 -映画「散歩屋ケンちゃん」DVD制作プロジェクト 「デキらぁめん」・「ブラックカレー」をビッグ錠先生と食べる会-

<参考文献>
 ビッグ錠「快盗くいしん坊」(ぶんか社)

2024年3月24日 (日)

ビッグ錠先生の世界14 -映画「散歩屋ケンちゃん」DVD制作プロジェクト 「デキらぁめん」・「ブラックカレー」をビッグ錠先生と食べる会-

映画「散歩屋ケンちゃん」DVD制作プロジェクト

 いしだ壱成さんと石田純一さんの共演で、ビッグ錠先生も出演されている映画「散歩屋ケンちゃん」のDVDが制作されることとなりました。

 主催者により、このプロジェクトを支援するためのクラウドファンディングが立ち上げられ、2023年12月22日から2024年2月18日の期間、支援者が募られました。

 私は、神奈川県藤沢市湘南台のバー「アルスノーバ」で開催されたイベントでお会いした寺井広樹さん(「散歩屋ケンちゃん」監督)から直接メッセージをいただいたことで、このプロジェクトを知りました。

 寺井監督から直々に御紹介いただいたこともあり、私も何かの形でこのプロジェクトを支援させていただこうと心に決めました。

 「散歩屋ケンちゃん」DVD、映画出演者のサイン入り台本、何が入っているかお楽しみの「闇袋」など、様々なリターンが用意されている中、私はビッグ錠先生と一緒に食事ができる「「デキらぁめん」をビッグ錠先生と食べる会」に参加することでの支援を決めました。

(銚子電鉄「デキらぁめん」をビッグ錠先生と食べる会広告)
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 CAMPFIRE「映画『散歩屋ケンちゃん』DVD制作プロジェクト」サイトから一部引用

 ビッグ錠先生だけでなく、寺井監督に再びお会いしたいという気持ちもあっての選択でした。

 その後、1月末になって、再び寺井さんからメッセージが届きました。

 「「デキらぁめん」のイベント終了後、包丁人味平に登場する「ブラックカレー」をビッグ錠先生と食べる会を開催することになりました。クラファンのリターンに追加いたしました。よろしければそちらもいかがでしょうか」という内容です。

(「ブラックカレー」をビッグ錠先生と食べる会広告)
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 CAMPFIRE「映画『散歩屋ケンちゃん』DVD制作プロジェクト」サイトから一部引用

 追加の支援は負担が大きいので、一旦はお断りしたのですが、後悔したくないと、最終的にはこちらもお受けすることにしました。

 今回は、2024年3月9日に東京・池袋で行われたクラウドファンディングリターンイベント(ビッグ錠先生と食べる会)を御紹介します。


「デキらぁめん」をビッグ錠先生と食べる会

 リターンイベントが開催された東京・池袋の会場へ伺うと、映画「散歩屋ケンちゃん」に出演された鉄平さんがおられました。

 その後、寺井監督とビッグ錠先生も来られ、メンバーが揃いました。

 鉄平さんと、私が食に興味を持っているという会話をしていた時、寺井監督から「コウジさん、用意している「デキらぁめん」を人数分作ってもらえませんか」と相談がありました。

 「出来らあ!」と言えるほどの自信はなく、一瞬戸惑いましたが、普通に調理できるだろうと、お受けしました。

(デキらぁめん(包装)と丼)
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 丼は寺井監督が普段愛用されているものだそうです。

 限られた調理器具で人数分まとめて調理するというのは、機転と応用力が求められ、意外と大変な作業です。

(調理器具(鍋・カセットコンロ)・箸・丼)
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 大きな鍋とガスコンロがあったので、これで3人分を調理することとしました。

 鍋に水をはり、カセットコンロで加熱して、乾麺を入れて茹でました。

(麺を茹でる様子)
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 調理法に「麺を半分に割って茹でてください」とあったので、力ずくで半分に割って鍋に入れたのですが、本当は(サンドイッチのように)二層に重なっている麺を(本を開くように)一枚にはがして茹でるのが正しかったようです。

 熟成乾麺で通常の即席麺より長く茹でる必要があること、丼が小ぶりなため、丼にスープの素を入れてお湯でのばすとスープが濃くなってしまうこと、カセットコンロが1つしか使えないので、スープ用の熱湯を別に用意することができないこと、など様々な条件をクリアする必要がありました。

 結局、煮込みラーメンのような感じで調理し、何とか「デキらぁめん」が完成しました。

(デキらぁめんの完成)
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 スープの濃さは味見して調整しました。

 丼への盛り付けも一苦労で、用意されていた「おたま」と小型の「トング」を使いました。

(デキらぁめん)
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 3人前なので3等分しましたが、小ぶりの丼なので麺ばかりとなりました(笑)

 ビッグ錠先生から「スープとのバランスが大切なんだよ」とダメ出しがあり、鍋に残っていたスープを加えました。

(デキらぁめん(適量))
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 とんこつスープのラーメンです。

 製麺会社「都一」の縮れ麺(熟成乾麺)が使われています。

 濃厚なとんこつスープがコシのある縮れ麺にからみ、美味しくいただきました。

 寺井監督から、今回の記念として「デキらぁめん」のTシャツやイベントの写真もいただきました。

(「デキらぁめん」Tシャツ(表))
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 ビッグ錠先生御本人の似顔絵とサインです。

(「デキらぁめん」Tシャツ(裏))
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 Tシャツの背中には「デキらぁめん」のパッケージが描かれています。

 元ジャニーズメンバーで、歌舞伎町ナンバーワンホストでもあった鉄平さんのトークを中心に4人で盛り上がりました。


「ブラックカレー」をビッグ錠先生と食べる会

 続いて「ブラックカレー」をビッグ錠先生と食べる会の開始時刻となりました。

 こちらのイベントは、ビッグ錠先生と一緒に「ブラックカレー」を食べられるだけでなく、ビッグ錠先生から似顔絵を描いてもらえる特典もあったので、当日の参加者は私を含めて11名おられました。

 皆さんが揃うのを待つ間、またしても寺井監督から私に「引き続きブラックカレーも調理してもらえませんか?」とお話がありました。

 寺井監督がだんだんブラック企業の経営者に見えてきました(笑)

 と言うのは冗談で、喜んでお引き受けし、続けてキッチンに立つこととなりました。

 レトルトのカレーとご飯を温め、盛り付けて提供するだけですが、こちらも限られた調理器具で大人数のカレーライスを用意することが求められます。

 参加者が集まり、自己紹介などをしながら盛り上がっている間、私はキッチンで黙々とブラックカレーを用意しました。

(ブラックジンジャーカレー(箱))
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 こちらが今回用意された「ブラックジンジャーカレー」です。

 通販で取り寄せられたそうです。

 箱からレトルトパウチを取り出し、水を張った鍋に入れてみました。

(レトルトパウチを鍋に入れた様子)
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 ビッグ錠先生分も合わせて12人前を作る必要があるのですが、半分の6パックで一杯になってしまいました。

 しかしながら、加熱できるカセットコンロは1台しかありません。

 私の頭の中では…
 「6人分を2回に分けて提供するか…」
 「でも、そうすると残りの6人に相当な時間待っていただくことになる」
 「できれば12人全員に、一度に熱々のカレーを味わっていただきたい」
といろんな考えがめぐりました。

 そこで1つアイデアがひらめきました。

 「12人前のブラックカレー、出来らあ!」

 と心の中でつぶやき、次々とレトルトパウチの封を切り、中のブラックカレーを鍋の中に出して、それを一気にカセットコンロで加熱したのです。

(ブラックカレーを鍋に入れた様子)
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 この方法だと12人前すべてが鍋に入りました。

 しかもカレーがムラなく温められ、熱々のカレーを一度に提供することも可能です。

 一方で、1台の電子レンジにレトルトパックのご飯を4個ずつ、3回に分けて加熱することで、12人前のご飯も用意しました。

 カレーとご飯、すべてが温まったところで、大きめの紙皿にご飯を盛り付け、(しゃもじ代わりに)スプーンでご飯の形を整えてから、鍋にある熱々のブラックカレーをかけ、ブラックカレーが完成しました。

(ブラックカレー)
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 ご飯とカレーの盛り付けのバランスを考え、カレーが皿の端についたら拭うなど、可能な範囲で見た目にも配慮しました。

 その後、ビッグ錠先生と参加者が1人ずつ、ブラックカレーを手に記念撮影することとなったのですが、その様子を見た私は「一度に全員に提供できて良かった」と、肩の荷が下りました。

 私も自分のブラックカレーを手に、ビッグ錠先生との写真を寺井監督に撮っていただきました。

 ブラックカレーはブラックジンジャーと国産鶏肉入りで、ビターで深みのあるカレーでした。

 私の作ったブラックカレーを皆さんが召し上がっている様子を見て、私は自分が「カレーの神様」になったような気持ちになりました。

(ブラックカレーに酔いしれる客)
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 原作 牛次郎/漫画 ビッグ錠「包丁人味平」(マイナビ出版)から一部引用

 「みろ、この客たちを」
 「みんな俺の作ったブラックカレーに酔いしれているじゃねえか」
 「こいつらはもう俺のブラックカレーなしでは生きていけなくなるんだぜ」
 「クアーッ カッカッカッカカカ…」

(カレーの神様のお告げ)
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 原作 牛次郎/漫画 ビッグ錠「包丁人味平」(マイナビ出版)から一部引用

 「さあ みなの者 このカレーの神様の足元にひざまずくのだ!」


(カレーの神様)
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 原作 牛次郎/漫画 ビッグ錠「包丁人味平」(マイナビ出版)から一部引用

 「俺は神様よ そう カレーの神様さ クァーッ カッカッカカカ」

 この異常な行動に,ついに救急車が呼び出されます。

(カレーの神様・救急車で搬送)
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 原作 牛次郎/漫画 ビッグ錠「包丁人味平」(マイナビ出版)から一部引用

 「何をするっ!!俺は神様だぞっ!」
 「神のおそろしさを知らないのか!俺は神だぞーっ!!」

 絵が何だか池袋の街のように見えてきました(笑)

(観衆と病院へ向かう救急車)
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 原作 牛次郎/漫画 ビッグ錠「包丁人味平」(マイナビ出版)から一部引用

 「なんでえ変なヤツ」
 「ヘヘッ 俺は神様だってよお」

 私が実際にこんな行動したら、参加者から袋叩きに遭ったことでしょう(笑)

 冗談と妄想の世界ですので、お許しください。


ブログ読者との出会い

 調理が終わり、キッチンでホッと一息ついていると、参加者のKさんから「コウジ菌さんですよね?」と声をかけていただきました。

 「えっ…はっ、はい、そうです」と少し動揺しながらお答えすると、Kさんが「ブログ読んでます」とのお返事をいただきました。

 「検索サイトで「ビッグ錠 似顔絵」と検索すると、コウジ菌さんのブログがヒットするんですよ」

 実際に私のブログを読んでくださっている方とお会いでき、とても嬉しかったです。

 東京都三鷹市はキウイフルーツの産地とのことで、三鷹産キウイフルーツで作られた「キウイワイン」も飲ませていただきました。

(キウイワイン)
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 三鷹がキウイフルーツの名産地とは、初めて知りました。

(キウイワイン(食品表示))
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 キウイのさわやかで甘い香りが楽しめる美味しいワインでした。

 お酒に弱い私も、その美味しさに魅了されました。


ビッグ錠先生に描いていただいた似顔絵

 その後、ビッグ錠先生が参加者1人ずつ、じっくり顔を見ながら色紙に似顔絵を描かれました。

 私も描いていただきました。

(私の似顔絵(2024.3.9))
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 こちらが私の似顔絵です。

 食べているのは「デキらぁめん」でしょうか?

 ちなみに、前回ビッグ錠先生に描いていただいた似顔絵を並べてみると…

(私の似顔絵(2024年・2019年))
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 「老けてらあ!」(笑)

 何はともあれ、良い記念になりました。

 会場では1人ひとりの似顔絵がみんなに披露され、大いに盛り上がりました。

 イベント終了後、私が台所で後片付けをしていると、参加者の皆さんから感謝の言葉をいただきました。

 私も、喜んでくださった皆さんへ感謝の気持ちで一杯になりました。


湘南台のバー「アルスノーバ」

 池袋の会場で解散となり、私はビッグ錠先生と一緒に湘南台へ向かいました。

 池袋駅から湘南新宿ラインで戸塚駅まで行き、戸塚駅から横浜市営地下鉄ブルーラインで湘南台駅へ向かいました。

 ビッグ錠先生は普段グリーン車を利用されているらしく、私もグリーン車にお付き合いすることとしましたが、グリーン車の車両にたどり着けず、結局2人とも普通車に立ったまま戸塚駅まで行きました。

 下手に途中から座ると、下車駅の直前で睡魔が襲ってきて乗り過ごしてしまうことってあるよね、という話題で盛り上がりました。

 湘南台に着き、「アルスノーバ」に私とビッグ錠先生が入店すると、マスターが驚かれました。

 カウンター席で改めてビッグ錠先生と乾杯し、ゆったりと過ごしました。

(ブランデーバック)
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 その後、常連さんも来店され、皆さんと楽しく過ごしました。


まとめ

 後日、自宅でお土産にいただいた「デキらぁめん」を作りました。

 黒毛和牛の薄切りとキャベツを炒め、具にしました。

 とんこつスープなので、刻みネギと白ゴマも添えてみました。

(デキらぁめん(牛肉とキャベツ))
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 「やっぱり具があった方が美味しそうに見えらあ!(笑)」

 銚子電鉄の列車から眺めたキャベツ畑を思い出し、銚子の名産品でもあるキャベツを具にしました。

 いただくと、池袋での楽しかった思い出がよみがえってきました。

 一方のブラックカレーですが、寺井監督から池袋で有名なブラックカレーのお店を教えていただきました。

 「キッチンABC」の黒カレーです。

 私もいつかお店に伺いたいと思います。

 ブラックカレーに御興味のある方は、機会があれば御賞味ください。


<関連サイト>
 「散歩屋ケンちゃん」(「散歩屋ケンちゃん」製作委員会 )
 「銚子電気鉄道
 「都一」(千葉市若葉区若松町23)
 「ブラックジンジャーカレー」(ビーテック)
 「キッチンABC」(「池袋東店」東京都豊島区南池袋2-16-2 ほか)
 「キウイワイン」(東京都産業労働局「TOKYOイチオシナビ」)

<関連記事>
 「ビッグ錠先生の世界3 -ビッグ錠先生との出会いと私の似顔絵-
 「ビッグ錠先生の世界8 -ビッグ錠誕生日祭(チャップマンさんの漫画めし料理 包丁人味平の「味平カレー」と「ブラックカレー」)-
 「ビッグ錠先生の世界11 -アルスノーバでの再会・映画「散歩屋ケンちゃん」鑑賞(高円寺シアターバッカス)-

<参考文献>
 牛次郎・ビッグ錠「包丁人味平」(マイナビ出版)
 「散歩屋ケンちゃん」製作委員会「散歩屋ケンちゃんを100倍楽しむパンフレット」

2024年2月11日 (日)

ビッグ錠先生の世界13 -湘南台「ニューオリンズ」の「にんたか」・サザンカンフォートのカクテル・アルスノーバ特製コーヒー-

湘南台のパスタハウス「ニューオリンズ(NewOrleans)」

 2023年の年末に湘南台を訪問しました。

 この街に以前から気になっていたお店があります。

 パスタハウス「ニューオリンズ(NewOrleans)」です。

 このお店のことは、私がお世話になっている湘南台のバー「アルスノーバ」で知りました。

 「アルスノーバ」のマスターや常連さんが美味しいと太鼓判を押すお店なのです。

 中でも「にんたか」というパスタが美味しいのだとか。

 地元の人に評判のお店なら間違いないので、いつか「ニューオリンズ」へ行こうと心に決めました。

 そして今回、そのチャンスが訪れました。

 お店は湘南台駅から歩いてすぐの場所にありました。

(「ニューオリンズ」店舗)
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 ドキドキしながらお店に入ると、お店の方にカウンター席を案内していただきました。

 初めてのお店なのでメニューをひととおり拝見しましたが、やはり今回のチョイスは「にんたか」です。

 「にんたか」だけをお腹いっぱい食べたかったのです。

 そこで頃合いを見計らって、お店の方に「にんたか」の大盛を注文しました。

 カウンター越しに、お店の方々が手際よくパスタを茹で、具と一緒に炒めておられる姿を見ることができました。

 パスタの注文を受けると、すぐに乾麺の必要量(普通・中盛・大盛)を量って熱湯に投入し、一方でそのパスタの茹で上がり時間を計算して合わせる具がフライパンで調理され始めます。

 そしてパスタの茹で上がりと同時に、そのフライパンへパスタが移され、さっと絡めて完成です。

 この作業を3~4皿分まとめて、順番に、スピーディーに、注文の種類・分量を間違えることなく繰り返される様子は、まさに職人技でした。

 こうした調理に見惚れているうち、私が注文したパスタがテーブルに運ばれてきました。

(パスタ(にんにくとたかのつめ))
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 こちらが「にんたか」です。

 オリーブオイルベースの「ニンニク」と「たかのつめ(唐辛子)」のパスタです。

 細かく刻んだニンニク、たかのつめ、ベーコンなどをオリーブオイルで炒め、パスタにたっぷりと絡ませてあります。

 いわゆる「(アーリオオーリオ)ペペロンチーノ」ですが、ニンニクだけでなくベーコンもたっぷり入っていて、炒めたニンニクとベーコンの旨味を存分に味わえました。

 粉チーズも付いてきたので、「オリーブオイルベースのパスタに粉チーズの組合せは珍しいな」と思いましたが、試しに振りかけてみると、より一層コクが増して美味しくいただけました。

 「にんたか」を美味しくいただきながら、ふと入口のドア付近を眺めると、お店のシェフの似顔絵が描かれた案内ポスターが掲示されていました。

 その似顔絵を見て、すぐにビッグ錠先生が描かれた絵だとわかりました。

 そこで少し勇気を出して、厨房のシェフに「これビッグ錠さんが描かれた絵ですよね。写真撮らせていただいていいですか」と伺いました。

 するとシェフは「錠さんのファンですか。どうぞ」と笑顔で接してくださいました。

(「ニューオリンズ」シェフの似顔絵)
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 パスタがシェフの顔に飛び散る寸前の様子が描かれています(笑)

 その横に本物のシェフも少し写り込んでいます。

 そしてシェフから「奥のテーブル席にも錠さんの絵があるよ」と教えていただきました。

 私は「あ、見に行きます」と奥のテーブル席へ行ってみると、お客さんがおられる背後の壁にその絵がありました。

 シェフも厨房から出て来られ、「こっち(カウンター席)へ持ってきてもいいよ」とおっしゃってくださったので、その絵を少し拝借し、カウンター席で写真を撮らせていただきました。

(ジャズ演奏の絵)
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 「アメリカ・ルイジアナ州ニューオリンズはジャズの聖地」ということで、ビッグ錠先生はジャズ演奏の絵を湘南台の「ニューオリンズ」へプレゼントされています。

 撮影後、シェフとビッグ錠先生の話で盛り上がりました。

 また私がシェフに「(湘南台のバー)アルスノーバでこのお店が話題になっていた」ことをお話しすると、周りのお客さんまでもが「あー、アルスノーバのマスターね。マスターは…」と会話が弾みました。

 錠さん(ビッグ錠先生)もアルスノーバのマスターも、この街で愛されていることがよくわかりました。


湘南台のバー「アルスノーバ」

 夕食を済ませ、同じ湘南台にあるバー「アルスノーバ」へやってきました。

(アルスノーバ)
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 「ニューオリンズ」で話題となったマスターを見た途端、思わずプッと笑ってしまいました。

 何を飲もうか迷っていると、マスターが「お任せで作りますね」と作っていただいたカクテルがこちらです。

(カンフォート・コーク)
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 「カンフォート・コーク」です。

 「サザンカンフォート」というお酒をコーラで割ったカクテルです。

 「サザンカンフォート」は、ウイスキーをベースにし、様々な果実やハーブを組み合わせたフルーツフレーバーのリキュールです。

 フルーティーな風味で、お酒に弱い私でも美味しくいただけるカクテルでした。


ビッグ錠先生との再会

 マスターやお店の常連さんと会話を楽しんでいるうち、「錠さんもお呼びしよう」という話になりました。

 そしてビッグ錠先生がお店へお越しいただけることとなりました。

 しばらくして、「やぁー」とビッグ錠先生が来店されました。

 マスターが絶妙なタイミングで、ビッグ錠先生と私にドリンクをサーブされました。

(サザンカンフォート・ソーダ割り)
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 2杯目のドリンクは「サザンカンフォート・ソーダ割り」です。

 サザンカンフォートをソーダで割り、レモンジュースとレモンスライスで仕上げたカクテルです。

 ビッグ錠先生や常連さんと乾杯し、会話を楽しみました。

 お正月を控えて仕事が山積みらしく、これから御自宅に戻られてまた仕事を再開されるとのことでした。

 とてもお忙しい時期にもかかわらずお越しいただいたことに、深くお礼申し上げました。

 締めにお店で焙煎したアルスノーバ特製コーヒーをいただきました。

(アルスノーバ特製コーヒー)
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 今回も湘南台の皆様が温かく迎えてくださり、とても幸せなひとときを過ごせました。


<関連サイト>
 「ニューオリンズ」(神奈川県藤沢市湘南台1-14-19)

2024年2月 4日 (日)

しずおか×ひろしま にっぽん丸チャータークルーズ特別セット-とろけるクリームパン(掛川茶・はっさく・レモン)と本気のめろんぱん(クラウンメロン)-

にっぽん丸の尾道糸崎港(糸崎岸壁)寄港

 2024年1月26日の朝、尾道糸崎港(広島県三原市)の糸崎岸壁にクルーズ船「にっぽん丸」がやってきました。

(にっぽん丸・尾道糸崎港・糸崎岸壁)
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 静岡新聞社・静岡放送主催のチャータークルーズで、プラン名は「美食の船 にっぽん丸で航く優雅な船旅 美しき南紀白浜 歴史を感じる尾道 4日間」です。

 にっぽん丸着岸後、三原市立三原小学校の鼓笛演奏や、歓迎記念式典(あいさつ・花束贈呈・記念品贈呈等)が行われ、糸崎岸壁は賑わいました。

 にっぽん丸は、広島港(宇品外貿埠頭・1万トンバース)では何度か見学したことがありますが、7年ぶりに寄港した尾道糸崎港では初めてだったので感動しました。

(にっぽん丸・メインダイニング「瑞穂」)
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 にっぽん丸の船内、メインダイニングの様子です。

 岸壁には物販ブースや観光案内ブースが設けられ、静岡からお越しになった乗船客の皆様を迎えておられました。

(物販ブース)
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 物販ブースでは、三原の名物「タコ」を使ったお菓子(「たこもみじ(※)」、たこせん、タコサブレなど)や、「塩そば まえだ」監修の「塩そば」(塩ラーメン)、「八天堂」の「くりーむパン」、「広島みはらプリン」などが販売されていました。
 ※「たこもみじ」…三原「ゑびす家」で販売されているタコ入りのもみじ饅頭

 歓迎式典に参加された三原市長さんが乗船客の方々へトップセールスをされる、微笑ましい出来事もありました。

 そんな物販ブースで、私が特に興味を持ったのが「しずおか×ひろしま にっぽん丸チャータークルーズ特別セット」です。

(しずおか×ひろしま にっぽん丸チャータークルーズ特別セット紹介ポスター)
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 このポスターを見た瞬間、にっぽん丸以上に私の目は輝きました(笑)

 静岡のメロン・掛川茶、広島のレモン・はっさくを使ったパンを詰合せにした、にっぽん丸チャータークルーズ特別セットです。

 地元(広島)の私が買うことに、若干の申し訳なさとためらいを感じましたが、しばらく様子を見て支障がなさそうだったので購入しました。

 この特別セットを御紹介したいと思います。


静岡県食材を使ったくりーむパン・めろんぱん

 三原市から自宅のある広島市まで約70kmの行程を大事に持ち帰り、箱を開けてみました。

(しずおか×ひろしま にっぽん丸チャータークルーズ特別セット)
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 「本気のめろんぱん・静岡県産クラウンメロンクリーム」(1個)、「とろける瀬戸内くりーむパン・レモン」(1個)、「とろける瀬戸内くりーむパン・はっさく」(1個)、「とろける静岡くりーむパン・掛川茶」(2個)の計5個セットです。

 それでは静岡のご当地パンから見ていきましょう。

(静岡県食材を使ったくりーむパン・メロンパン)
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 静岡のパンのラインアップです。


【本気のめろんぱん・静岡県産クラウンメロンクリーム】

(本気のめろんぱん・静岡県産クラウンメロンクリーム)
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 こちらは「本気のめろんぱん・静岡県産クラウンメロンクリーム」です。

 表面がアイシングされたメロンパンです。

(本気のめろんぱん・静岡県産クラウンメロンクリーム(中身))
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 中に静岡県産クラウンメロン入りのクリームが入っていました。

 上品で香り高く、メロンそのものの味が楽しめるメロンクリームです。

 表面のクッキー生地はアイシングされており、ふわふわのパン生地とは裏腹に、表面はシャリシャリ、端っこはカリカリの食感が楽しめました。

 このアイシングは見た目よりずっと甘さが控えめで、ホワイトチョコレートのような優しい甘みとコクもあり、メロンパンの美味しさをより一層引き立てていました。


【とろける静岡くりーむパン・掛川茶】

(とろける静岡くりーむパン・掛川茶)
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 こちらは「とろける静岡くりーむパン・掛川茶」の中身です。

 カスタードクリームと掛川茶クリームの2種類が詰められています。

 生クリームのようにフレッシュなカスタードクリームと、抹茶のようなほろ苦い掛川茶クリームが舌の上で溶け合い、幸せな気分になりました。


広島県食材を使ったくりーむパン

 続いては、広島(瀬戸内)のパンのラインアップです。

(広島県食材を使ったクリームパン)
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 写真上側が「とろける瀬戸内くりーむパン・はっさく」、下側が「とろける瀬戸内くりーむパン・レモン」のパッケージです。

 柑橘系の配色となっています。


【とろける瀬戸内くりーむパン・はっさく】

(とろける瀬戸内くりーむパン・はっさく)
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 「とろける瀬戸内くりーむパン・はっさく」の中身です。

 カスタードクリームと「はっさく(八朔)」のフィリング(ジャム)が入っています。

 はっさく(八朔)は、広島県尾道市因島が発祥の柑橘で、酸味とほろ苦さが特徴です。

 はっさくのフィリングは、ゼリーを細かく刻んだような粒々の食感が楽しめ、はっさくの実がそのまま詰められているような美味しさでした。


【とろける瀬戸内くりーむパン・レモン】

(とろける瀬戸内くりーむパン・レモン)
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 こちらは「とろける瀬戸内くりーむパン・レモン」の中身です。

 カスタードクリームとレモンのマーマレードが入っています。

 国産レモンは、広島県尾道市瀬戸田(生口島)が発祥の地となっています。

 はっさくと同様に、ゼリーを細かく刻んだような粒々の食感が楽しめました。

 ほどよい酸味と甘みのレモンマーマレードがカスタードクリームとともに口の中でとろけて、レモンクリームに変化しました。

 パンもフワフワでとてもやわらかいので、まるでレモンシュー(レモンクリーム入りシュークリーム)をいただいている感じでした。


広島レモン 塩おかき

 今回の特別セットを購入した際、「広島レモン 塩おかき」をプレゼントしていただきました。

(広島レモン 塩おかき)
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 「空の駅オーチャード」で販売されている、広島レモンの風味を生かした塩おかきです。

 ピーナッツ揚げや金沢の「ビーバー」(北陸製菓)に似た、塩レモン風味の「揚げおかき」です。

 レモンの酸味がアクセントとなり、後を引く美味しさでした。


まとめ

 2023年11月29日、アスティ静岡(静岡市)に新たな八天堂のお店ができ、静岡でも八天堂のパンが購入できるようになりました。

 今回の特別セットは、八天堂の静岡進出と静岡から三原へのチャータークルーズを機に実現された商品だと思います。

 新型コロナウイルス対応が一段落し、尾道糸崎港にも今回の「にっぽん丸」のほか、「STAR BREEZE(スターブリーズ)」(2023年4月)や「LE SOLEAL(ル・ソレアル)」(2023年5月)といったクルーズ客船が寄港するようになりました。

 内航船・外航船を問わず、尾道糸崎港などにクルーズ客船がたくさん寄港し、乗客と地元の人々で賑わう機会が増えればと思います。


<関連サイト>
 「ゑびす家」(広島県三原市城町1丁目8-2)
 「塩そばまえだ」(広島県三原市宮浦3-17-8)
 「広島みはらプリン」(「そら みち みなと」)
 「八天堂ビレッジ(空の駅オーチャード)」(広島県三原市本郷町善入寺用倉山10064-190)
 「八朔(はっさく)」(「観光なび いんのしま」因島観光協会)

<関連記事>
 「広島のレモン菓子・レモンケーキ14 -しまなみレモンバイク・瀬戸田レモンケーキ・瀬戸田レモネード・瀬戸内レモン丼-

2024年1月14日 (日)

国立科学博物館特別展「和食」-日本にある料理と「和食」の違い・「和食」とはどんな料理なのか-

国立科学博物館特別展「和食」

 東京・上野公園にある国立科学博物館で、「特別展「和食」-日本の自然、人々の知恵-」が開催されています。(2023年10月28日~2024年2月25日)

(国立科学博物館特別展「和食」パンフレット)
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 私は「和食の日」にあたる2023年11月24日(11(いい)24(にほんしょく)の日)に国立科学博物館を訪問しました。

(国立科学博物館)
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 特別展「和食」は、国立科学博物館の地球館・特別展示室で開催されています。

(特別展「和食」・会場MAP)
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 こちらは会場マップです。

 「「和食」とは?」という問いかけから始まり、「日本列島の食材の紹介」、「和食の成り立ち」、「和食の真善美」、「わたしの和食」、「和食のこれから」(特設ショップ)という構成となっています。


特別展「和食」会場の様子

 展示会場では、和食に関する様々な事例が紹介されています。

 その一部を御紹介したいと思います。


【和食が育む食材】

 食材の展示コーナーに、和食の原点となる「日本の水」の紹介コーナーがありました。

 そこでは「硬水(こうすい)」と「軟水(なんすい)」(※)について触れられており、日本は総じて「軟水」の国だと説明されていました。
 ※ミネラル成分(カルシウム・マグネシウム)が多く含まれる水を「硬水」、少ない水を「軟水」といいます。

 各都道府県別の水道水(原水)の硬度マップを見ると、沖縄と熊本、そして関東南部の硬度が高く、逆に山形、宮城、愛知、広島の硬度が低いことがわかりました。

 硬度が高い地域は、石灰岩などを多く含む地質(琉球石灰岩、阿蘇火山による溶結凝灰岩、関東ローム層など)が影響していますが、国土が狭く降雨量が多い日本では、総じて軟水地域が多いのが特徴です。

 西条(広島)は、灘(兵庫)や伏見(京都)と並ぶ「日本三大酒処」として有名ですが、それは三浦仙三郎さんが広島で初めて製造が難しいとされる軟水を使った酒造に成功し、その技術が全国に伝えられたからです。

 「なぜ広島は全国指折りの軟水地域なのか」と思いつつ会場を歩いていると、「あっ、これか」とわかる展示がありました。

(花崗岩と塊状石灰岩)
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 花崗岩(かこうがん)と塊状石灰岩(かいじょうせっかいがん)の展示なのですが、花崗岩は「水の硬度を上げにくい地質試料」として、塊状石灰岩は「水の硬度を上げる地質試料」として紹介されていました。

 広島はこの花崗岩が多いのです。

 和食料理人・平野 寿将(ひらの ひさま)さんが、だしをとるのに最適な水(軟水)を求めて、広島に来られた理由もわかりました。

 キノコのコーナーでは、興味深い標本が展示されていました。

(マツタケとバカマツタケ)
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 バカマツタケって…(笑)

 マツタケよりもこのバカマツタケを食べてみたいです。

 野菜のコーナーでは、次のような問いかけがありました。

 「ジャガイモのどこを食べてる?」
 「サツマイモのどこを食べてる?」

 ジャガイモは「茎」、サツマイモは「根」を食べているそうです。

 ジャガイモは土中の茎の先端に栄養を蓄えて太くなったもの、サツマイモは根が栄養を蓄えて太くなったものなのだそうです。

 ジャガイモのくぼみにあるのは芽で、サツマイモのくぼみから生えているのは細い根であることがその証拠です。

 栽培する際、ジャガイモは種芋を植え、サツマイモは茎を植えるのも、結局同じ茎の部分を植えているということなのですね。

 さらに歩くと、ダイコンが勢ぞろいしていました。

(多彩な地ダイコン)
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 ちなみに、ダイコンは地上に出た部分(青い部分)は「胚軸(はいじく)」、地下の部分(白い部分)は「根」と分けられるようです。

 魚のコーナーでは、マグロの仲間が展示されていました。

(マグロの仲間)
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 海の中にいるような気分になりました。

 続いて「発酵」に関する展示コーナーがありました。

(日本人が飼いならしたカビ コウジカビ)
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 コウジカビ(コウジ菌)は、遺伝子が部分的に壊れ、固体に生えると機能し、野外ではめったに見つからず、日本人が麹をつくる目的で飼いならしたものとのことです。

 コウジカビを使って作られる、日本酒、醤油、味噌などの原材料や製造工程の展示もありました。

(しょうゆの分類)
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 写真左側、色の濃い方から、再仕込みしょうゆ、たまりしょうゆ、濃口しょうゆ、淡口しょうゆ、白しょうゆです。

 「だしの科学」コーナーでは、「うま味」の資料として、池田菊苗博士が昆布から抽出したグルタミン酸(具留多味酸)が展示されていました。

(第一号抽出具留多味酸)
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 「うま味」は池田博士が命名した味覚の分類上の表現、「旨味」は美味しさの表現と区別されています。


【和食の成り立ち】

 和食の成り立ち(歴史)のコーナーでは、各時代の様々な料理が展示されていました。

(織田信長の饗応膳)
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 こちらは1582(天正10)年5月に、織田信長が安土城で徳川家康をもてなした時の料理を再現したものです。

 5つの膳で構成されている本膳料理です。

 当時は鶴(つる)、鴫(しぎ)、白鳥などの野鳥や、鮒(ふな)、鯉(こい)のような川魚がごちそうだったようです。

 江戸時代の屋台を再現したコーナーがありました。

(江戸時代の屋台(再現))
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 そば、寿司、天ぷらの屋台が展示されていました。

(江戸時代の寿司(再現))
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 寿司の屋台では、アナゴ、アユ、エビ、卵巻き、コハダ、白魚、マグロの握り寿司が紹介されていました。

 さらに時代は幕末へと進みます。

(ペリー提督の饗応膳)
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 こちらは幕末の1854(嘉永7)年、2度目の来日となるペリーを横浜の応接所でもてなした時の料理を再現したものです。

 江戸の料理屋「百川(ももかわ)」が料理を請け負いました。

 吸い物、刺身、煮物、なます…と、まさに当時の日本の贅を尽くした料理が用意されたようです。

 これらの料理について、アメリカ人のペリーがどう受け止めたのか興味深いところです。

 アメリカの民謡「ヤンキードゥードゥル」(※)を流しながら浦賀に登場したペリーと当時の日本では、文化の差がかなりあったことでしょうから。
 ※日本では「アルプス一万尺」の歌として親しまれています。

 明治以降、日本独自に発展した洋食も紹介されていました。

(ライスカレーなど洋食の紹介)
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 ライスの山のくぼみにカレーが注がれているライスカレーに、ひときわ興味を持ちました。


「和食」特別展記念料理・デザート

 特別展の展示をひととおり見学し、特設ショップで買い物をした後、地球館中2階のレストラン「ムーセイオン」でランチをいただきました。

 特別展「和食」の開催期間中は、記念メニューも用意されています。

(「和食」特別展記念メニュー(料理))
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 料理は「牛タンシチュー赤味噌仕立て 生海苔バターソース」と「イクラと紅鮭の和食丼 ばら海苔を添えて」の2種類です。

 バターソースに生海苔が使われていたり、サーモンではなく紅鮭(本当の親子丼!)が使われているところが大きな魅力です。

 どちらにするかとても悩ましいところですが、牛タンシチューを注文しました。

(牛タンシチュー・玉ねぎスープ・ライス)
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 玉ねぎスープとライス(又はパン)も付いています。

(牛タンシチュー赤味噌仕立て 生海苔バターソース)
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 赤味噌仕立てのデミグラスソースでじっくり煮込まれた厚切りの牛タンに、生海苔入りのバターソースが添えられています。

 オクラ、アスパラガス、ズッキーニなどの野菜も彩り良く盛り付けられていました。

 デミグラスソースに赤味噌を加えることで、コクと深みのあるシチューに仕上げられていました。

 また、牛タンに生海苔のバターソースを添えていただくと、さわやかな海苔の風味が口の中に広がり、味に変化と美味しさが加わりました。

 ライスとの相性も抜群でした。

 続いてデザートをいただきました。

 デザートも記念メニューが用意されています。

(「和食」特別展記念メニュー(デザート))
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 盆栽仕立ての和風ムースです。

(白あん黒蜜のムース 盆栽仕立て)
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 南天の葉やエディブルフラワーが添えられ、盆栽のように仕上げられています。

 バニラアイス、焼きさつまいも、抹茶わらびもち、黒蜜ソース、白あんムース、黒まめ、ワッフルコーンが使われています。

 ワッフルコーンの中にはイチゴが隠されています。

(ワッフルコーンとイチゴ)
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 和のテイストを生かしたデザートで、ボリュームのある洋食をいただいた後でもすんなりといただくことができました。


朝日新聞記念号外「特別展和食」と「科博寄席 on 和食の日」

 館内では、朝日新聞の記念号外も配布されています。

(朝日新聞記念号外「特別展和食」)
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 マンガ「サザエさん」の新聞記事も掲載されています。

(新聞記事「磯野家にみる食卓の変化」)
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 「サザエさん」は戦後から現代までの食卓の変化がマンガに反映されており、こうした視点から「サザエさん」を読むのも面白いと思います。

 午後は日本館2階の講堂で、「和食の日」にちなんだ寄席や手品を楽しみました。

(「科博寄席 on 和食の日」パンフレット)
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(「科博寄席 on 和食の日」案内と参加整理券)
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 三遊亭右左喜(さんゆうてい うさぎ)さんの「正しいラーメンの食べ方」と、三遊亭遊馬(さんゆうてい ゆうば)さんの「百川(ももかわ)」、そしてきょうこさんの「和妻(わづま)」(日本古来の手品)を観賞しました。


日本にある料理と「和食」の違い・「和食」とはどんな料理なのか

 2013年に「和食 日本人の伝統的な食文化」がユネスコ無形文化遺産に登録されたことを機に、和食は国内のみならず、世界からも注目される食文化となりました。

 その一方で、今の日本では、全国の食材・料理のみならず、世界各国の食材・料理まで入手し、味わえるようになっています。

 では、日本にある料理と「和食」の違いは何なのでしょうか。

 そして、そもそも「和食」とはどんな料理をいうのでしょうか。

 今回の特別展「和食」は科学的・歴史的な観点から和食にアプローチする展覧会ですが、この問いかけに対し、明確な回答が導き出されているわけではありません。

 世界各国から様々な料理を取り入れ、自国の料理に組み入れてきた日本は、伝統食である和食と、それ以外の料理を線引きすることがとても難しいからです。

 どこまでを「和食」ととらえるかは人によってまちまちで、主催者はその傾向を把握するためのアンケートまで実施されています。

(あなたにとっての「和食」アンケート回答結果(中国・四国地方))
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 すき焼き、あんパン、オムライス、照り焼きバーガー、焼き餃子などはいずれも日本の国民食ですが、「和食」だと思うかどうかは別であることがわかります。

 また、しょうゆ、味噌、うどんなど、多くの人が「和食」だと思う食べ物であっても、その原材料の多くが海外からの輸入品というケースも多いのです。

 一般的な「和食」の定義として、次のようなものが挙げられます。
・明治時代以降の「洋食」や「中華」に対する言葉
・日本人の伝統的な食文化
・油脂や肉食を排除した食文化
・米飯を中心とした食事(ご飯と副食(汁・おかず・漬物)で構成される食事)体系
・食材の持ち味を重視する料理(「料理しない料理」・「引き算の料理」)
・コウジカビ(コウジ菌)から展開する発酵食文化(しょうゆ、味噌、日本酒など)
・甘味、酸味、塩味、苦味に次ぐ第五の味「うま味」を重視する食文化

 そもそも「洋食」ですら、海外の料理を日本に取り入れ、日本人向けにアレンジされた料理なのですから、「和食」と呼ぶか「洋食」と呼ぶか「中華」と呼ぶか本国の「○○料理」と呼ぶかはとても難しく、人によって意見が分かれるのです。

 室町時代にポルトガルから伝来した「天ぷら」は「和食」だと思う人が多いのも、歴史が作り上げた1つの結果だと思います。

 人それぞれの思いが積み重なり、「和食」のイメージが形成されているのでしょう。

 「和食」とはどんな料理をいうのか、御興味のある方は特別展「和食」(今後、山形、宮城、長野、愛知、京都、熊本へ巡回予定)でヒントを探してみてください。


<関連サイト>
 公式ウェブサイト「国立科学博物館特別展 和食
 「国立科学博物館」(東京都台東区上野公園7-20)

<関連記事>
 「日本料理の特徴と主な料理1 -日本料理は引き算の文化-
 「日本料理の特徴と主な料理2 -料理人 平野寿将さんから熟成魚の魅力を学ぶ-
 「安芸津のじゃがいもと肉じゃが・杜氏と広島の日本酒 -広島県東広島市安芸津町-

<参考文献>
 公式ガイドブック「特別展 和食 日本の自然、人々の知恵」朝日新聞社
 朝日新聞記念号外「特別展和食」
 「時空をこえる本の旅50選」東洋文庫

2024年1月 3日 (水)

魚柄仁之助先生の世界6 -エゴマ味噌・エゴマの実を使った料理、「縁食」と「非円食」について-

魚柄仁之助特製エゴマ味噌・エゴマの実

 魚柄仁之助先生から「荏胡麻(エゴマ)味噌」と「エゴマの実」を郵送していただきました。

 届いた封筒の中には、保存袋に入れられたエゴマ味噌とエゴマの実が入っていました。

(「エゴマ味噌」と「エゴマの実」(保存袋))
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 定形郵便で送っていただいたので、わずかな量でしたが、魚柄先生の手作りのエゴマ味噌ということで、とても嬉しく思いました。

(エゴマ味噌(保存袋))
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 普通の茶封筒に手紙のようにエゴマ味噌を封入される魚柄先生の技にも感心しました。

 エゴマ味噌を保存袋からスプーンですくい出してみました。

(エゴマ味噌)
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 エゴマに味噌などの調味料を加え、すり鉢とすりこぎで擂ることにより、褐色でねっとりしたペースト状に仕上がっています。

(エゴマの実)
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 こちらはエゴマの実です。

 見た目・大きさは、ポピーシードやマスタードシードに似た小さくて丸い実で、香ばしさとプチプチとした食感が特徴です。

 いただいたエゴマ味噌を使って、いくつか料理を作ってみました。


エゴマ味噌だれ(鯛の刺身)

 エゴマ味噌の活用法を考えた際、ひらめいたのがご飯にのせることです。

 ただ、それだけでは面白くないので、醤油代わりに刺身に使ってみることにしました。

 エゴマ味噌に微量のみりんを加えて加熱し、鯛の刺身にのせてみました。

(鯛の刺身・エゴマ味噌だれ)
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 みりんの甘みが出て、エゴマ甘味噌だれになりました。

 ただ、醤油や味噌に比べて甘くマイルドな味なので、イメージしていたほど刺身を引き立たせる味にはなりませんでした。

 逆に最初の直感どおり、このエゴマ味噌だれをアツアツの白ご飯にのせていただくと、エゴマの香ばしさが引き立ち、美味しくいただけました。


エゴマトンコマキャベツ

 いただいたエゴマ味噌は水分が少ないため、料理に使う場合は「エゴマ味噌だれ」のように、液体で少しのばした方が使いやすいことがわかりました。

 繊細なエゴマの風味をできるだけ残したいので、エゴマ味噌をお湯で溶いてみました。

(お湯で溶いたエゴマ味噌)
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 褐色のエゴマ味噌が、しゃぶしゃぶに使う「ゴマだれ」か,サラダにかける「ごまドレッシング」のようなクリーミーな調味料に一変しました。

 これを魚柄先生の考案された料理に使えば、真の「うおつか流うおつか料理」が作れます(笑)

 魚柄先生の「とんコマキャベツ」にエゴマ味噌を使ってみることにしました。

 ボウルに豚コマ肉、お湯で溶いたエゴマ味噌ペースト、塩、片栗粉を入れます。

(豚コマ肉・エゴマ味噌ペースト・塩・片栗粉)
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 これを手でよく揉み込み、豚コマ肉になじませます。

(エゴマ味噌と豚コマ肉をなじませた様子)
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 ごく少量のエゴマ味噌でも、のばして豚肉にからめると、適度にまんべんなくエゴマがまぶされることがわかりました。

 フライパンにザク切りのキャベツを敷き、その上に下拵えした豚コマ肉をのせ、フタをして蒸し焼きにしました。

(蒸し焼きの様子)
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 この状態でフタをして蒸し焼きにすれば、キャベツの水蒸気で焦げることはありません。

 あとは美味しく仕上がるよう、ひたすら「エゴマトンコマ、エゴマトンコマ…」と唱えるのです(笑)

 キャベツがしんなりし、豚コマ肉の色が変化してきたら、フタを開けてキャベツと豚コマ肉をよく混ぜ合わせます。

 こうすることで肉がほぐれ、下味を付けた肉の旨味をキャベツへ移すことも出来ます。

 そして「エゴマトンコマキャベツ」の完成です。

(エゴマトンコマキャベツ)
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 エゴマが豚肉とキャベツにいきわたり、良い具合に仕上がりました。

 いただいてみると、ほのかにエゴマの風味がする美味しい料理になっていました。

 ここでふと思いつき、エゴマトンコマキャベツにエゴマの実をふりかけてみました。

(エゴマの実をかけたエゴマトンコマキャベツ)
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 エゴマの実のプチプチとした食感が楽しめ、さわやかな風味を感じ、香ばしさも増しました。

 「エゴマトンコマキャベツ」成功です。


チキン棒エゴマ味

 魚柄先生の著書「うおつか流 食べつくす!」(農文協)に、安価な鶏のムネ肉やササミを使って作る「チキン棒」が紹介されています。

 この「チキン棒」は、鶏のムネ肉やササミに塩をすり込み、肉の水分を飛ばして鶏の旨味を凝縮させ、それを蒸した料理です。

 塩をして水分を飛ばすことで保存性が高まり、地鶏のような食感のハム・サラダチキンが出来上がるのです。

 このレシピを参考に、エゴマの風味を加えたチキン棒を作ってみることとしました。

 鶏ムネ肉の皮を取り除き、そのままでは大きいので三等分し、塩を加えました。

(鶏ムネ肉に塩を加えた様子)
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 これにお湯で溶いたエゴマ味噌ペーストを加えます。

(鶏ムネ肉にお湯で溶いたエゴマ味噌を加えた様子)
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 そして塩とエゴマ味噌を鶏ムネ肉によくすり込み、ザルに置きます。

(鶏ムネ肉に塩とエゴマ味噌をすり込んだ様子)
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 少量のエゴマ味噌でも、鶏肉の表面にまんべんなくすり込むことが出来ました。

 この状態で、室内で干しました。

 本当は天日干しか、冷蔵庫内での乾燥が良いのですが、自宅のベランダは車の往来が激しい道路が近く、冷蔵庫に(ラップをせず)このままで保存するのも抵抗があったので、室内の日当たりの良い場所に置いたり、日中あまり使わない場所に置いたりしながら、乾燥させました。

(干した鶏ムネ肉(3日後))
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 3日後の鶏ムネ肉の様子です。

 この日に加熱調理しようと思いましたが、仕事で帰りが遅くなり、もう1日延ばしました。

(干した鶏ムネ肉(4日後))
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 4日後の鶏ムネ肉の様子です。

 完全に乾燥してはいませんでしたが、肉が傷んだようなにおいまでし始めたので、ラップですき間がないよう1本1本きっちりと包み、蒸し器に入れました。

(ラップで包み蒸し器に入れた様子)
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 この状態で約20分、蒸しました。

(蒸し器で蒸し上げた様子)
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 出来上がりは熱いので、しばらく冷ましてから取り出しました。

(チキン棒(ラップ包み))
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 蒸したことにより、ラップが肉にぴっちりと密着しました。

 ラップから取り出しました。

(チキン棒エゴマ味)
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 こちらが完成した「チキン棒エゴマ味」です。

 市販の鶏ムネ肉ですが、干したことで肉に地鶏のような弾力がつきました。

 干し方が不十分だったからか若干肉が傷んだような気もしましたが、問題なく食べられました。

 塩をたっぷりすり込む、天日干しにする、冷蔵庫にそのまま入れて乾燥させるといった方法で、できるだけ短時間に肉の水分を抜くことが大切だと思います。

 ラップに密閉されて日持ちするので、冷蔵庫に保存して、「うまい棒」のように好きな時におやつ感覚で食べることができます。

 水っぽいムネ肉を干すことにより、肉と旨味が凝縮されて、地鶏のような食感・美味しさに変化することがわかりました。

 また、エゴマ味噌を加えたことにより、エゴマの風味も楽しめました。

 なお、今回御紹介した「チキン棒」については、生協パルシステムの動画サイトでも紹介されていますので、よろしければ御覧ください。(抜粋:1分37秒)

(農文協・パルシステム共同企画『かんがえるタネ』“世界が転換する時代の「台所サバイバル」”ダイジェスト版)

 (生協パルシステム公式チャンネル)


赤飯(エゴマ塩)

 赤飯を食べる際、ふと思い付いて、黒ゴマの代わりにエゴマの実と塩をふりかけてみました。

(赤飯(エゴマ塩))
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 食べると、口の中でエゴマの実がプチプチ弾け、さわやかなエゴマの風味が口いっぱいに広がって、赤飯の美味しさを引き立てました。

 赤飯とエゴマ塩の組合せは、高級な和食をいただいている感じがしました。


まとめ

 先程御紹介した動画の中で、魚柄仁之助先生からは「私とあなたの関係でつくる食」、藤原辰史先生からは「縁食」というお話が紹介されています。

 お金の「円(えん)」ではなく、人と人との「縁(えん)」がつなぐ食の関係があっていいのではないかというお話なのですが、今回のエゴマ味噌とエゴマの実、そしてその材料で作った料理も「縁」でつながった食の1つと言えるでしょう。

 そして、「縁(つながり)」で得た食(縁食・非円食)や食事は、喜びが大きく、美味しい(と思える)のも確かです。

 「縁食」・「非円食」は今後の食の重要なキーワードとなるかもしれません。


<関連サイト>
 「塩と冷蔵庫でできちゃう“熟成”「チキン棒」を作ってみた!」(生協パルシステム)
 「魚柄仁之助の食文化情報局 台所の穴」(魚柄仁之助公認サイト)

<関連記事>
 「魚柄仁之助先生の世界4 -魚柄仁之助先生の手作り醤油を味わう -醤油・乾燥醬油の実・ゆかり・とんコマキャベツ・おにぎり・こむすび・手抜きうどん-
 「魚柄仁之助先生の世界5 -ミズホ学級ファイナル講演会「毎日が命日」・食事会-
 「美術館とカフェ・レストランの魅力8 -おいしいボタニカル・アート記念講演会「おいしい植物」と人間の歴史・展示会特別メニュー-

<参考文献>
 魚柄仁之助「おいしいごはんはこう作る」新星出版社
 魚柄仁之助「うおつか流 食べつくす!」農文協

2023年12月31日 (日)

みなみく七大伝説スイーツ2023 -広島市南区の菓子伝説・鉄道伝説・天女姫伝説にちなんだスイーツ-

「みなみく七大伝説スイーツ2023」について

 2023年9月16日から11月30日の期間、ひろしま南区スイーツ委員会主催で、「みなみく七大伝説スイーツ2023」が開催されました。

 このイベントは,広島市南区に伝わる「みなみく七大伝説」にちなんだスイーツを進徳女子高等学校と南区の洋菓子店が協同して開発し、紹介・販売されたものです。

(「みなみく七大伝説スイーツ2023」リーフレット(表紙))
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 「みなみく七大伝説」は、広島市南区に伝わる7つの伝説(妖怪伝説、第九伝説、河童猿猴伝説、天女姫伝説、黄金伝説、鉄道伝説、菓子伝説)を言います。

 スイーツを通じて広島市南区の魅力を知ってもらうことを目的に開催されました。

 広島市南区に伝わる様々な伝説にも簡単に触れながら、各伝説にちなんだスイーツを御紹介したいと思います。


菓子伝説

 「菓子伝説」は、第一次世界大戦時にドイツ人捕虜として似島(にのしま)に収容されたカール・ユーハイムが、この似島で日本で初めてバウムクーヘンを焼いたというお話です。

(似島捕虜収容所とカール・ユーハイム)
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 「南区七大伝説 菓子伝説(バウムクーヘン上陸秘話)」南区魅力発見委員会から一部引用

 この伝説にちなんだスイーツを求め、南区元宇品のグランドプリンスホテル広島を訪問しました。

 ロビーでは、2023年5月19日から21日にかけて開催された「G7広島サミット」メンバー国の旗が展示されていました。

(グランドプリンスホテル広島ロビー(G7広島サミット2023))
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 また、スイーツを購入したラウンジの奥には、G7広島サミットの会場セットも展示されていました。

(G7広島サミット2023・会場セットの展示(ラウンジ))
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 ゼレンスキー・ウクライナ大統領の飛び入り参加もあり、一時期、広島市南区に世界の首脳陣が集まりました。


【ムースショコラ~キルシュトルテ風~】

 「菓子伝説」にちなんだスイーツとして、グランドプリンスホテル広島から「ムースショコラ~キルシュトルテ風~」が販売されました。

(ムースショコラ~キルシュトルテ風~(グランドプリンスホテル広島・菓子伝説))
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 ドイツ菓子「キルシュトルテ」(キルシュ:サクランボ(の蒸留酒)、トルテ:ケーキ)をアレンジしたスイーツです。

 表面にはチョコレートを薄く削った「チョコレートコポー」がたくさんあしらわれ、ピスタチオのクリームとグリオット(サワーチェリー)のシロップ漬けで飾られています。

(ムースショコラ~キルシュトルテ風~(グランドプリンスホテル広島・菓子伝説・中身)
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 中身は、ムースショコラ(チョコレートムース)、キルシュシャンティ(キルシュ風味の生クリーム)そしてグリオットで構成されています。

 包丁でのカットが難しいほど繊細でやわらかく、ドイツの黒い森のケーキ(シュヴァルツヴェルダー・キルシュトルテ)をイメージするケーキでした。


鉄道伝説

 「鉄道伝説」は、日清戦争時に広島駅と宇品駅(宇品港)までの鉄道がわずか17日間で建設され、昭和61年の廃線まで蒸気機関車が走っていたというお話です。

 広島市南区内には、宇品線の面影を残す廃線跡がいくつか現存しています。

(宇品線廃線跡(線路モニュメント))
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 こちらは広島市南区旭町三丁目、旭町ポンプ場付近の宇品線廃線跡です。

 この辺りは直線の道が続いており、かつて鉄道が走っていたことを物語っています。


【キャラメルポワールの小包み】

 「鉄道伝説」にちなんだスイーツとして、グランドプリンスホテル広島から「キャラメルポワールの小包み」が販売されました。

(キャラメルポワールの小包み(グランドプリンスホテル広島・鉄道伝説)
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 蒸気機関車で運ばれてきた小包をイメージしたお菓子です。

 リング(輪)のチョコレートは小包のひもやロープを、中身を包んでいるクレープは小包の箱や袋を表現されたものなのでしょう。

(キャラメルポワールの小包み(グランドプリンスホテル広島・鉄道伝説・中身)
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 洋梨(ポワール)のコンポートと洋梨のキャラメリゼが生クリームとクレープで包まれています。

 土台はチョコレートクッキーです。

 小包が届いた時のワクワクと、それを開けた時の楽しみをイメージさせてくれるお菓子でした。


【宇品の思い出】

 もう1つ、「鉄道伝説」にちなんだスイーツとして、ルードゥメールから「宇品の思い出」が販売されました。

(宇品の思い出(ルードゥメール・鉄道伝説・パッケージ))
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 宇品線を走っていた蒸気機関車と、宇品の夏の風物詩である花火をクッキーで表現されたものです。

(宇品の思い出(ルードゥメール・鉄道伝説・中身))
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 クッキーやマドレーヌなどの焼菓子と一緒に、詰合せパックで販売されていました。

(宇品の思い出(ルードゥメール・鉄道伝説))
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 左上が花火を、右下が蒸気機関車を表現したクッキーです。

 クッキーに白いフォンダン(糖がけ)で描かれています。

 蒸気機関車の黒は石炭…ではなく竹炭が使われています。

 花火の鮮やかな装飾は、ラズベリー、乾燥イチゴ、チョコチップ、ナッツで表現されています。

 今と昔の宇品を表現したクッキーでした。


天女姫伝説

 「天女姫伝説」は、平清盛と常盤御前の娘(天女姫)が疱瘡(ほうそう・天然痘、顔や体に発疹(ほっしん)ができる伝染病)で亡くなり、神のお告げにより「向灘(むかいなだ)・仁保嶋(にほじま)」の地に葬られ、疱瘡神社に祀られているというお話です。

 京の都で幸せに暮らす天女姫は、突如、疱瘡の病にかかってしまいます。

 その知らせを聞いた平清盛は、病気の回復を祈るため、天女姫を船に乗せ、安芸の国・厳島神社へと向かいます。

(天女姫・厳島神社への船旅(天女姫伝説))
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 「南区七大伝説 天女姫伝説」南区魅力発見委員会から一部引用

 しかしながら、その祈りもむなしく、天女姫は亡くなってしまいます。

(天女姫の最後(天女姫伝説))
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 「南区七大伝説 天女姫伝説」南区魅力発見委員会から一部引用

 平清盛の気持ちはわかりますが、病気で苦しんでいる天女姫を京都から広島(厳島神社)まで船で連れ出すのはちょっと…。

 そして神のお告げのままに、天女姫の亡骸は向灘・仁保嶋の地に葬られ、疱瘡神社が建立されたのです。

 私も神のお告げがなされた広島市南区堀越にある疱瘡神社を目指しました。

(堀越公園の天女姫伝説看板)
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 途中、堀越公園に天女姫伝説が紹介された看板がありました。

(天女姫伝説看板)
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 「堀越」という地名は、平清盛が愛娘が眠る地が狼や狐に荒らされては大変と、掘り切って渡れないようにしたことに由来するようです。

 細い路地をしばらく登り、疱瘡神社にたどり着きました。

(疱瘡神社)
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 民家の中にある、こぢんまりとした神社です。

 近くに石碑がありました。

(疱瘡神社・天女姫石碑)
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 「疱瘡神社」・「祭神 天女姫神」とあり、頂点には天女姫が好きだった手毬も置かれています。

 天女姫伝説を今に伝える神社です。


【レイディー】

 「天女姫伝説」にちなんだスイーツとして、トレモロから「レイディー」が販売されました。

(レイディー(トレモロ・天女姫伝説))
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 皆に愛された天女姫をイメージしたスイーツです。

 白いメレンゲ、ハート型のチョコレート、粒々の雛あられで天女姫の着物が表現されています。

(レイディー(トレモロ・天女姫伝説・中身))
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 土台はスポンジケーキで、その上にホワイトチョコレートの白いムースとイチゴが入ったピンク色のムースが詰められています。

 さらにイチゴのムースの中に真っ赤なベリージャムが入っていました。

 甘酸っぱいイチゴの風味を楽しむことができました。


【手毬(カホンプラス・天女姫伝説)】

 もう1つ、「天女姫伝説」にちなんだスイーツとして、カホンプラスから「手毬」が販売されました。

 私はイベント会場で購入しましたが、実習で店頭販売されていた進徳女子高等学校の生徒さんが時間をかけて丁寧に箱詰めしてくださいました。

(手毬(カホンプラス・天女姫伝説・箱詰))
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 そーっと崩さないように取り出して…

(手毬(カホンプラス・天女姫伝説))
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 こちらが「手毬」です。

(手毬(カホンプラス・天女姫伝説・中身))
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 サブレとマドレーヌを台とし、その上にピンク色のフランボワーズのムースとこしあん入りの抹茶ムースが盛られ、全体がフランボワーズのチョコレートでコーティングされています。

 和のテイストも取り入れた、かわいらしい天女姫をイメージするケーキでした。


スタンプラリーのプレゼント

 「みなみく七大伝説スイーツ2023」では、スタンプラリーも実施されました。

 今回参加された6店舗やイベント会場で関連スイーツを購入すると、スタンプ用紙にお店のスタンプが押され、スタンプ3つめのお店でお菓子がプレゼントされるという企画です。

 1つのスイーツで1スタンプ押され、私はすべてのお菓子を購入したので、何度も達成しました(笑)

 各店舗共通の決まったお菓子がプレゼントされるのかと思っていましたが、「達成したら店頭の500円以内のお菓子をプレゼントする」という企画のようでした。

(アニバーサリーのクッキー)
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 最初に達成したアニバーサリーでは、私が選んだ2種類のクッキーをプレゼントしていただきました。

(トレモロのレモンケーキ)
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 2回目に達成したトレモロでは、私が「黄金山伝説」でも御紹介したレモンケーキを選び、プレゼントしていただきました。

(ルードゥメールの焼菓子)
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 3回目に達成したルードゥメールでは、お店の方がチョイスした焼菓子をかわいい紙袋に入れてプレゼントしていただきました。

 スイーツをたくさん買いましたが、その分リターンも大きいイベントでした。


まとめ

 「みなみく七大伝説スイーツ」を毎週少しずつ購入し、結果的に12種類すべてのスイーツを味わうことが出来ました。

(みなみく七大伝説スイーツ2023リーフレット(スイーツ紹介))
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 今回のイベントを通じて、それぞれのスイーツを味わうだけでなく、その背景にある広島市南区の伝説や歴史・史跡まで学ぶことが出来ました。

 それは地元の魅力を再発見し、愛着を持つきっかけにもなりました。

 来年も開催してほしいな。



 広島市南区から発信しておりますコウジ菌伝説。

 今年も御愛読いただき、ありがとうございました。

 来年が皆様にとって良い年でありますように!


<関連サイト>
 「ひろしま南区スイーツ委員会
 「進徳女子高等学校国際食育デザイン科」(広島市南区皆実町一丁目1-58)
 「グランドプリンスホテル広島」(広島市南区元宇品町23-1)
 「ルードゥメール」(広島市南区宇品海岸二丁目23-29)
 「トレモロ」(広島市南区西霞町2-12 ネスト西霞1F)
 「カホンプラス」(広島市南区東雲本町2-9-8)

<関連記事>
 「ひろしま南区スイーツフェア -南区3名山(似島(安芸小富士)・黄金山・比治山)と代表花(ミモザ・桜・広島椿)のスイーツ-
 「日本のバウムクーヘン発祥の地・似島 -似島とカール・ユーハイム,似島バウムクーヘン-
 「日本のバウムクーヘン100周年イベント -2019広島みなとフェスタ・バウムクーヘン博覧会 2019-

<参考文献>
 リーフレット「みなみく七大伝説スイーツ2023」(ひろしま南区スイーツ委員会)
 リーフレット「南区散策ガイド みなみ区を行く」(広島市南区地域起こし推進課)
 冊子「南区七大伝説 天女姫伝説」(南区魅力発見委員会)

2023年12月24日 (日)

みなみく七大伝説スイーツ2023 -広島市南区の第九伝説・黄金伝説・河童猿猴伝説・妖怪伝説にちなんだスイーツ-

「みなみく七大伝説スイーツ2023」について

 2023年9月16日から11月30日の期間、ひろしま南区スイーツ委員会主催で、「みなみく七大伝説スイーツ2023」が開催されました。

 このイベントは,広島市南区に伝わる「みなみく七大伝説」にちなんだスイーツを進徳女子高等学校と南区の洋菓子店が協同して開発し、紹介・販売されたものです。

(「みなみく七大伝説スイーツ2023」リーフレット(表紙))
Photo_20231224134301

 「みなみく七大伝説」は、広島市南区に伝わる7つの伝説(妖怪伝説、第九伝説、河童猿猴伝説、天女姫伝説、黄金伝説、鉄道伝説、菓子伝説)を言います。

 スイーツを通じて広島市南区の魅力を知ってもらうことを目的に開催されました。


「みなみく七大伝説スイーツ2023」展示販売

 2023年10月8日、何気なく広島市中区にある紙屋町シャレオを歩いていていると、中央広場で「みなみく七大伝説スイーツ」が販売されていました。

(「みなみく七大伝説スイーツ2023」案内板)
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 イベント参加店舗が日替わりで出張販売されていました。

 その時初めてイベントを知った私は、「あっ、今年も開催してるんだ」という感覚でした。

(「みなみく七大伝説スイーツ2023」展示販売(紙屋町シャレオ中央広場))
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 その時、一緒にお仕事をしていた広島市南区役所地域起こし推進課の方が私を見つけ、声をかけてくださいました。

 偶然の再会を喜び、しばらく2人で立ち話をしました。

 最後にお菓子を購入したのですが、この再会がきっかけとなり、私もどっぷり「みなみく七大伝説スイーツ2023」のイベントにハマってしまいました(笑)

 それでは、広島市南区に伝わる様々な伝説にも簡単に触れながら、各伝説にちなんだスイーツを御紹介したいと思います。


第九伝説

 「第九伝説」は、原爆の傷跡が残る昭和21年の大晦日に広島の小さな喫茶店でレコードコンサートが開かれ、その時に流されたベートーベンの「第九」で人々の悲しみが癒されたというお話です。


【喫茶プリンタルト】

 「第九伝説」にちなんだスイーツとして、パティスリー「アニバーサリー」から「喫茶プリンタルト」が販売されました。

(喫茶プリンタルト(アニバーサリー・第九伝説))
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 プリンがたっぷりのせられたタルトです。

 プリンは広島県産の玉子が使われており、タルト生地にのせられるよう少しかために仕上げられています。

 一方、タルト生地にはバニラビーンズ入りカスタードクリームとアーモンドクリームが使われています。

 レトロな喫茶店をイメージさせるプリンタルトでした。


【メロディティラミス】

 「第九伝説」にちなんだスイーツとして、西洋菓子「カトルフィユ」から「メロディティラミス」が販売されました。

(メロディティラミス(カトルフィユ・第九伝説・フタ付))
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 フタを開けてみると…

(メロディティラミス(カトルフィユ・第九伝説))
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 ティラミスの上に音符の形をしたチョコレートがのせられていました。

(メロディティラミス(カトルフィユ・第九伝説・中身))
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 底に甘いコーヒーゼリーが注がれ、その上にマスカルポーネとコーヒーシロップに浸したスポンジケーキが詰められています。

 これらがきれいな層になっており、その白と黒の層は音符をのせる楽譜のようにも見えました。

 伝説にちなみ、スポンジケーキには米粉が使用され、コーヒーの香り豊かな仕上がりとなっていました。


黄金伝説

 「黄金伝説」は、広島市南区にある黄金山(おうごんざん)の由来(海賊が金塊を埋めた説、黄金と同等の「丹」(赤土・硫化水銀。神社や社寺の塗装・奈良の大仏や木造船の防腐剤として使用)が採れた説、山一面が麦畑で黄金色に輝いた説など諸説あり)についてのお話です。

 黄金山は、南区民にとって比治山(ひじやま)とならぶ象徴的な山ですが、その山をモチーフにしたお菓子がいくつか販売されていました。

【モンドール】

 「黄金伝説」にちなんだスイーツとして、パティスリー&ヴェノワズリー「トレモロ」から「モンドール」が販売されました。

(モンドール(トレモロ・黄金伝説))
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 「モンドール」。フランス語では「Mont d'Or」表記され、まさしく「黄金の山」という意味になります。

 タルト生地にクルミやドレンチェリーなどが入った生キャラメルソースがコーティングされ、金箔がのせられた焼菓子です。

(モンドール(トレモロ・黄金伝説・中身))
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 中はドライフルーツを混ぜたアーモンドペーストで、サックリとしたタルトとは裏腹に、しっとりとした食感が楽しめました。


【黄金山(トレモロ・黄金伝説)】

 「黄金伝説」にちなんだスイーツとして、同じ「トレモロ」から「黄金山」という名前のレモンケーキが販売されました。

(黄金山(トレモロ・黄金伝説))
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 黄金山の山の形をしたレモンケーキです。

 頂上には黄金に輝く輪切りの広島レモンがのせられています。

(黄金山(トレモロ・黄金伝説・中身))
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 オレンジリキュールとアーモンドパウダーが入ったケーキ生地に、レモンの砂糖漬けがのせられています。

 しっとりとしたケーキ生地で、しっかりとレモン風味を感じられるレモンケーキでした。


【四季桜】

 「黄金伝説」にちなんだスイーツとして、洋菓子・洋食レストラン「ルードゥメール」から「四季桜」が販売されました。

(四季桜(ルードゥメール・黄金伝説))
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 黄金山に咲く桜をイメージしたチーズケーキです。

(四季桜(ルードゥメール・黄金伝説・中身))
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 ケーキ生地には桜あんとヨーグルトが混ぜ込まれており、ほのかに桜の風味を感じる甘酸っぱいチーズケーキでした。


河童猿猴伝説

 「河童猿猴伝説」は、猿猴川(えんこうがわ)において、豊漁や水難防止を願う神「猿猴(河童)」が崇め祀られたというお話です。

 広島駅に近い猿猴川沿いに、「河童猿猴伝説の地」があります。

(河童猿猴伝説の地(猿猴川))
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 この案内板の隣には河童像も設置されています。

(大正橋西たもとの河童像)
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 右手で握っているモノまでリアルで、見ているこっちが恥ずかしい(笑)

 気分を取り直し、スイーツの紹介に移ります。


【カッパ頭の抹茶ティラミス】

 「河童猿猴伝説」にちなんだスイーツとして、「アニバーサリー」から「カッパ頭の抹茶ティラミス」が販売されました。

(カッパ頭の抹茶ティラミス(アニバーサリー・河童猿猴伝説))
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 栗の甘露煮を中心に置き、その周りに福岡県産の奥八女抹茶を使用した深緑色の抹茶ゼリーが配され、謎に満ちた河童の様子が表現されています。

(カッパ頭の抹茶ティラミス(アニバーサリー・河童猿猴伝説・中身))
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 中には、北海道産マスカルポーネチーズとコーヒーシロップに浸されたスポンジ生地で作られたティラミスが詰められていました。

 ズブズブと川に引き込まれていくような、後を引く美味しさのティラミスでした。


妖怪伝説

 「妖怪伝説」は、稲荷町の「稲生(いなり)神社」に、夜な夜な現れる様々な妖怪を退治した稲生武太夫が祀られているというお話です。


【妖怪モンブラン(カトルフィユ・妖怪伝説)】

 「妖怪伝説」にちなんだスイーツとして、「カトルフィユ」から「妖怪モンブラン」が販売されました。

(妖怪モンブラン(カトルフィユ・妖怪伝説))
Photo_20231224143201

 「これモンブラン(白い山)じゃないやろ!」と思わずツッコミたくなるような、真っ黒なモンブランです。

 和栗のマロンクリームに竹炭パウダーを混ぜることにより、不気味な妖怪をイメージさせる真っ黒なクリームに仕上げられています。

 銀色のアラザンがちりばめられています。

(妖怪モンブラン(カトルフィユ・妖怪伝説・中身))
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 土台はタルト生地で、中にレモンコンフィチュールをあわせた生クリームとレモン果汁が入ったカスタードクリームがはさまれ、その上に真っ黒なマロンクリームが盛られています。

 つまり、意外にもマロンとレモンの風味が楽しめるケーキなのです。

 また、タルト生地には甘酸っぱいフランボワーズが入っており、良いアクセントになっていました。


 どのスイーツも南区の新たな伝説となりそうなものばかりで、楽しめました。


<関連サイト>
 「ひろしま南区スイーツ委員会
 「進徳女子高等学校国際食育デザイン科」(広島市南区皆実町一丁目1-58)
 「アニバーサリー」(広島市南区段原山崎3-2-3)
 「カトルフィユ」(広島市南区皆実町二丁目5-1)
 「トレモロ」(広島市南区西霞町2-12 ネスト西霞1F)
 「ルードゥメール」(広島市南区宇品海岸二丁目23-29)

<関連記事>
 「ひろしま南区スイーツフェア -南区3名山(似島(安芸小富士)・黄金山・比治山)と代表花(ミモザ・桜・広島椿)のスイーツ-
 「広島市南区の黄金山と「黄金山まんじゅう」

<参考文献>
 リーフレット「みなみく七大伝説スイーツ2023」(ひろしま南区スイーツ委員会)
 リーフレット「南区散策ガイド みなみ区を行く」(広島市南区地域起こし推進課)
 冊子「南区七大伝説 黄金伝説」(南区魅力発見委員会)

2023年12月 3日 (日)

魚柄仁之助先生の世界5 -ミズホ学級ファイナル講演会「毎日が命日」・食事会-

ミズホ学級運営委員からのお知らせ

 2018(平成30)年11月7日は、私にとって思い出深い日です。

 この日に横浜で開催されたミズホ学級の講演会に参加したことがきっかけとなり、魚柄仁之助先生やミズホ学級の皆様とのお付き合いが始まったからです。

 「ミズホ学級」は、食の文化を考えることをテーマにした横浜市の生涯学習グループです。

 これまでに、魚柄仁之助さん(食文化史研究家)をはじめ、平野雅章さん(食文化史研究家)、郡司和夫さん(フリージャーナリスト)、永山久夫さん(食文化史研究家)、雁屋哲さん(「美味しんぼ」著者)、周富徳さん(中国料理)、小泉武夫さん(東京農業大学名誉教授・農学者)、藤田紘一郎さん(医師・寄生虫学)といった第一線で活躍されている方々を講師としてお迎えし、食文化の研究をされてきました。

 このミズホ学級運営委員の皆様とは、この講演会に参加させていただいて以来、とてもお世話になっています。

 2023年8月。運営委員の方から、同年11月25日にミズホ学級の講演会・食事会を開催することを教えていただきました。

 講師は魚柄仁之助先生です。

 ミズホ学級の諸事情を踏まえ、今回が最後となることも教えていただきました。

 新型コロナウイルスの影響で数年間開催できなかった定例会が再開されることを嬉しく思う一方で、これがミズホ学級最後の定例会となることをさみしく思いました。

 開催日が待ち遠しいような、最後の日を迎えたくないような、複雑な気持ちで開催当日を迎えました。


ミズホ学級ファイナル講演会「毎日が命日」

 開催2日前、魚柄仁之助先生からメールが届き、「(開催当日)私は早めに会場入りして椅子・テーブルの設営をしています。ゆっくりお会いできるのは始まる前ではないかと…」とのお話がありました。

 「早めに行き、会場設営を手伝う必要がある」と深読みした私は、開催予定時刻の約1時間半前、8時30分に「産業貿易センタービル」に到着しました。

(産業貿易センタービル)
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 会場となる会議室に着いたら…まだ誰もいない(笑)

 そのうち、ミズホ学級運営委員の方々が来られました。

 しばらくして魚柄仁之助先生も来られました。

 久しぶりの再会を喜びつつ、みんなで会場設営をしました。

 ミズホ学級最後の会であり、70名前後の方が出席されるとのことだったので、椅子やテーブルのセッティングも大がかりなものとなりました。

 会場設営が一段落し、会場の裏でホッと一息ついていると、不意に魚柄仁之助先生が来られました。

 その場で、魚柄仁之助先生手作りの干瓢(かんぴょう)、「練り粕(ねりかす)」(酒粕を寝かせたもの)、だし醤油をいただきました。

(干瓢・練り粕・だし醤油)
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 写真手前が干瓢、上の褐色のものが練り粕、左の筒に入っているのがだし醤油です。

 その後、魚柄仁之助先生から、干瓢や練り粕の話を中心に興味深い食のお話を伺いました。

 次第にミズホ学級のメンバーが集まり、会場が賑やかになりました。

 私は会場の一番奥で聴講しようと思っていましたが、ミズホ学級運営委員さんの御厚意で、最前列の右端で聴講させていただきました。

(講演会資料・記念品)
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 講演会の資料・記念品として、魚柄仁之助先生の本・しおり、ミズホ学級30周年の際に配付された「ミズホ学級30年のあゆみ」、そして「節約レシピ集」をいただきました。

 しおりは、冷蔵庫に貼っておくと食品を腐らせない御利益があるそうです。

 魚柄仁之助先生の本は、出席者がくじ引きを楽しんでもらうよう、写真右上のように、中が見えないビニール袋に包まれていました。

 私は最初、大判の本を選んだのですが、明らかに持っている本だとわかったので、謝ってもう一度、本のくじ引きに参加させていただきました。

 運営委員の方からは「もうすでにお持ちの本も多いでしょうから、中身を見て選ばれてもいいですよ」とおっしゃっていただいたのですが、これ以上不公平なことをしたくないと思い、「この本に決めます」と申し上げ、覚悟を決めていただきました。

 その本がこちらです。

(魚柄仁之助「おいしいごはんはこう作る」新星出版社と直筆サイン)
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 魚柄仁之助先生が執筆された「おいしいごはんはこう作る」という本です。

 本の中表紙に直筆のサインもいただきました。

 この本は、今回配付された11種類の本の中で、唯一持っていない本だったのでラッキーでした。

 定刻を少し過ぎた頃、魚柄仁之助先生の講演会が始まりました。

 簡単に講演会の内容を御紹介します。

○1984(昭和59)年度から始まるミズホ学級の強みは、会員制ではなく、きちんと食生活について学び、実践しようという思いの人が集まったことにある。

○食文化の鑑識家として研究を続けているが、「伝統食」と呼ばれる料理はほとんどがウソだった。

○日本が長寿国となったのは、(長寿)食のおかげではなく、医療の発達や衛生観念の浸透によるところが大きい。

○和食の基本は「出汁(だし)」ではない。過去に鰹節や昆布を使うことができたのは、わずかな特権階級・料理屋・商人だけで、庶民は使えたとしても「煮干し」程度。

○味噌汁は、野菜や魚などから出る出汁でとるのが一般的だった。(特に濃い旨味が出るのが鰹節や昆布だったというだけ)

○昭和40年代に鰹節削り器の売り上げが伸びたが、実際使われ続けたのはごくわずか。旨味調味料の出汁を使っていることに引け目を感じる必要はない。

○いなり寿司は元々すし飯ではなく、豆腐の「おから」を詰めていた。中にチキンライス(ケチャップライス)を詰めた「洋風いなり寿司」もレシピとして紹介されたこともある。

○マグロの刺身について「昔の人は大トロを食べなかった」と言われるが、大トロが嫌いだったわけではなく、冷蔵庫がない時代には、脂がのった大トロはすぐに傷んだため「大トロが食べられる地域・人は限られていた」というのが事実。

○最近すべて国産食材を使っていることを強調したおせちが販売されているが、これは輸入食品が高騰しているからでもある。

○食料(食糧)は強力な兵器にもなる。

○食の安全について、食べ物自体の安全のほかに、量的に確保できるかどうかの安全も考える時代になっている。

○これからは、産直市などで食料(食糧)生産者と密な関係を構築し、「自分の生産地を持つ(生産地とのつながりを持つ)」ことが求められる。

○私が14歳の時、目に針金が刺さり、医者から「数日の命かも知れない」と言われたのがきっかけで「毎日が命日」と悟った。

○ミズホ学級は約40年もの歴史がある。これだけしつこく来ている会はない。今後はインターネットやSNSも活用しながら、アカデミックな「ミズホ学会」として運営されてはどうか。


 食の話だけでなく、魚柄仁之助先生の生い立ちや、ミズホ学級とのかかわりについても知ることができた、ミズホ学級最後の講演会でした。


ミズホ学級食事会

 講演会会場を後片付けした後、道路をはさんで隣の神奈川県民ホールへ移動しました。

(神奈川県民ホール)
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 この施設の6階の「レストラン英一番館」が食事会場です。

 「英一番館」と言えば、朝、産業貿易センタービルへ向かう途中に石碑があったことを思い出しました。

(英一番館跡)
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 この石碑は、大さん橋の手前、シルクセンター横にあります。

(英一番館跡・案内板)
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 横浜が開港し、この地でイギリス人のウイリアム・ケズウィックが貿易を始めました。

 案内板には、「この場所にあった建物は「ジャーディン・マセソン商会」と称したが、当時の人々は「英一番館」と呼んだ」と紹介されています。

 今回の食事会場「レストラン英一番館」はこの「英一番館」にちなんでいることがわかりました。

 人数が多いので、1フロア貸し切りでした。

(英一番館からの眺望)
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 ガラス張りの窓からは、横浜港が一望できました。

 講演会会場だった産業貿易センタービルも見えました。

(産業貿易センタービル(英一番館からの眺め))
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 私はミズホ学級運営委員の皆様のお取り計らいで、魚柄仁之助先生と同じテーブルに席を御用意いただきました。

 ミズホ学級の歴史の中では新参者、しかも県外出身者である私を、食事会に招待していただくどころか、一番上座に座らせていただくこととなり、ありがたさと申し訳なさを感じつつ着席しました。

 しばらくして、デミグラスハンバーグをメインとしたランチが供されました。

(ハンバーグランチ)
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 ハンバーグが大きく、ライスも山盛りでボリューム満点の美味しいランチでした。

 魚柄仁之助先生やミズホ学級の皆様との会話も楽しみました。

 食事中、運営委員の方から「ここのテーブルは1名欠席となったので、その人の食事をどなたか召し上がってください」というお話がありました。

 メインのハンバーグを食べる人はすんなり決まったのですが、山盛りライス・スープ・サラダは残ったままとなりました。

 私の目の前には、残された料理と「食べつくす」ことを提唱されている魚柄仁之助先生のお姿…私の頭のコンピューターがガチャガチャと動き、「私が山盛りライスとスープとサラダをいただく」という解答を導き出しました(笑)

(コーヒーゼリーとコーヒー)
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 食後のデザートは、コーヒーゼリーとドリンク(コーヒー又は紅茶)でした。

 紅茶を注文された方も、お菓子はコーヒーゼリーでした(笑)


ミズホ学級運営委員の皆様からいただいたお土産


 食事会もお開きとなり、解散の時が近づいてきました。

 私は広島のお土産として、もみじ饅頭や藻塩を運営委員の皆様へお渡ししました。

 一方で、運営委員の皆様から私へもお土産をいただきました。

(有田焼の器)
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 こちらは有田焼のおちょこ(ぐい吞み)です。

 横浜・石川町の松本陶磁器店で選んでいただいたようです。

 朱色が映えるかわいい器で、とても気に入りました。

(ラムボール(箱))
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 こちらは横浜・喜久家の「ラムボール」と呼ばれる洋菓子です。

 喜久家の紙袋の中にはお手紙も入っていて、
「ほぼ100年前、喜久家ベーカリーの山手居留地のご婦人からたのまれて作り始めたのが、このラムボールといわれています。少々ですが、横浜のお味をお楽しみください」
とありました。

 恥ずかしながら、横浜にこんな素敵なお菓子があることを知りませんでした。

(ラムボール(中身))
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 ラム酒入りのスポンジケーキをチョコレートでコーティングしたお菓子で、ゴルフボールぐらいの大きさがあります。

 スポンジケーキはラム酒の香りが効いており、しっとり・みっしりとした食感です。

 中にレーズンも入っています。

 コーティングされたチョコレートとラムケーキの相性も抜群でした。

 横浜の味を堪能できました。


まとめ

 ミズホ学級ファイナルの講演会・食事会を終え、名残惜しい気持ちを抱えつつ、皆様とお別れしました。

 グダグダと居続けてもかえって御迷惑になると思い、私から「横浜の海を見て帰ります」と切り出して会場を後にしました。

 外に向かって歩き出したところ、皆さんが「ちょっと、ちょっと」と私を引き留めてくださいました。

 立ち止まって後ろを振り返ると、海は反対方向とのこと(笑)

 気持ち新たに山下公園へ向かい、大さん橋や赤レンガ倉庫を眺めながら帰りました。

 1人になると急にさみしさが込み上げ、「また横浜に来る機会があるだろうか」と思いつつ、横浜の街を歩きました。


 魚柄仁之助先生、ミズホ学級の皆さん、今回も本当にお世話になりました。

 また機会があれば横浜へ伺います。お元気で楽しい毎日をお過ごしください。


<関連サイト>
 「英一番館」(横浜市中区山下町3-1 神奈川県民ホール6階)

<関連記事>
 「魚柄仁之助先生の世界1 -講演会「食生活が急速に変化した昭和の時代~昭和初期の非常食が生んだ今日のグルメ料理~」に参加して-
 「魚柄仁之助先生の世界2 -巣ごもり焼きそば 魚柄仁之助先生の巣ごもりごはんをヒントに-
 「魚柄仁之助先生の世界3 -長野の自家製かんぴょう(かんぴょう煮・かんぴょうの油炒め・かみなり汁)-
 「魚柄仁之助先生の世界4 -魚柄仁之助先生の手作り醤油を味わう -醤油・乾燥醬油の実・ゆかり・とんコマキャベツ・おにぎり・こむすび・手抜きうどん-

<参考文献>
 魚柄仁之助「おいしいごはんはこう作る」新星出版社
 魚柄仁之助「うおつか流 食べつくす!」農文協

2023年11月19日 (日)

美術館とカフェ・レストランの魅力8 -おいしいボタニカル・アート記念講演会「おいしい植物」と人間の歴史・展示会特別メニュー-

広島県立美術館特別展「おいしいボタニカル・アート」

 広島市中区上幟町にある「広島県立美術館」で特別展「おいしいボタニカル・アート 食を彩る植物のものがたり」(2023年10月6日~11月26日)が開催されています。

(「おいしいボタニカルアート」チラシ(一部))
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(広島県立美術館「おいしいボタニカルアート」チラシの一部を加工・引用)

 この特別展では、イギリスのキュー王立植物園の協力を得て、野菜、果物、ハーブ、スパイスなどの植物画や、18~19世紀の食卓を飾った家具や食器、レシピなど約190点の作品が紹介されています。

 また、11月18日には記念講演会も開催されました。

 講師は京都大学准教授の藤原辰史先生で、テーマは「『おいしい植物』と人間の歴史-わたしたちを突き動かすものについて」です。

 今回は,特別展「おいしいボタニカル・アート」の概要、広島県立美術館のティールーム「徒夢創家(トムソーヤ)」でいただいた展示会メニュー、そして藤原辰史先生の記念講演会で学んだことなどを御紹介します。


特別展「おいしいボタニカル・アート 食を彩る植物のものがたり」

 広島県立美術館にやってきました。

(広島県立美術館(全景))
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 美術館の玄関には、特別展「おいしいボタニカル・アート」や所蔵作品展「植物がアートになるとき」の案内もありました。

(特別展・所蔵作品展案内幕)
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 キャッチコピーは「眼で味わう、植物画の世界。」

 気合いを入れて、植物画のフルコースを味わいつくしたいと思います。

 特別展は、「食を支える人々の営み-農耕と市場」、「大地の恵み 野菜」、「イギリスで愛された果実-「ポモナ・ロンディネンシス(※)」」、「日々の暮らしを彩る飲み物」、「あこがれの果物」、「ハーブ&スパイス」、そして「ブレジア=クレイ家のレシピ帖と「ビートン夫人の家政読本」」で構成されています。
 ※「ロンドンの果物」という意味

 イギリスのキュー王立植物園が所蔵する植物画や個人所蔵の植物画、さらにイギリスで使われた豪華な食器やレシピなども展示されていました。

 かつて西洋絵画の世界では、歴史や宗教、神話画が格上、静物画や風景画は格下とする風潮があったようですが、その話だと植物画は格下扱いとなります。

 にもかかわらず、なぜここまで多種多様な植物画が描かれ、保存されてきたのかが疑問でした。

 その疑問は、植物画を鑑賞するうちに解決しました。

 植物画は、植物学者やその学者のもとで働く画家によって描かれたものが多く、その絵もとても詳細に描かれたものばかりです。

 これはきっと、国内外の様々な植物をまとめた植物図鑑を作る目的があったからでしょう。

 例えば、次の「ザクロ」(キュー王立植物園所蔵)という作品を御覧ください。

(ザクロ(ゲオルグ・ディオニシウス・エーレット))
Photo_20231119133601
(広島県立美術館特別展展示作品)

 ザクロの外見だけでなく、その中身や切り口による違いまで、パターン別に詳細に描かれています。

 イギリスを中心としたヨーロッパに身近にある植物・果物のほか、遠く離れた南国の果物やハーブ・スパイスなども描かれていることから、植物研究のために植物画が描かれ、収集された一面があると思います。

 また、周りに存在する植物が食べられるかどうか、薬となるかどうかといった実用的な面からもこうした植物画が描かれる必要があったのだと思います。

 次に食器ですが、こちらはイギリスのアフタヌーン・ティーに代表される紅茶文化を中心とした豪華な食器やテーブル・セッティングが紹介されていました。

(18世紀末から19世紀初頭のティー・セッティング)
1819

 このティー・セッティングは、イギリスで「中期ジョージ王朝様式(ミッド・ジョージアン・スタイル)」や「摂政様式(リージェンシー・スタイル)」と呼ばれるものです。

 赤い模様のティーカップ・ソーサーは、ウエッジウッドの「ジャパン・パターン」と呼ばれる模様で、日本の伊万里焼のような華やかなデザインとなっています。

(19世紀後半の「アーツ・アンド・クラフツ運動(芸術・社会運動)」時代のティー・セッティング)
19

 こちらの写真のテーブル・セッティングは、人々の生活を美しく豊かなものにすることを目指した「アーツ・アンド・クラフツ運動(芸術・社会運動)」時代のものです。

 ティー・セットはフォリー/シェリー製の「チューダー・アップル・パターン」と呼ばれるものです。

(「ビートン夫人の家政読本」とキャドバリーの広告)
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 こちらは「ビートン夫人の家政読本」で紹介されているテーブル・セッティングの図版ですが、私はその隣のキャドバリーココアの広告にも興味を持ちました。

(19世紀のテーブル・セッティング)
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 こちらは19世紀のテーブル・セッティングの例です。

 豪華絢爛な世界を眼で味わいました。


展示会特別メニュー

 ボタニカル・アートの世界を「眼で味わう」だけでなく、舌でも味わいましょう。

 広島県立美術館のティールーム「徒夢創家(トムソーヤ)」で、今回の特別展にちなんだ特別メニューをいただきました。

(おいしいボタニカル・アート特別メニュー案内板)
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 今回の展示品の中で、一番熱心に鑑賞したのがこのメニュー案内板です(笑)

 ミニ・アフタヌーンティーセットです。

(おいしいボタニカル・アート特別メニュー)
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 紅茶(ティーポット)、ショートブレッド(クッキー)、バニラアイス、ケーキ(ショコラフランボワーズ)のセットです。

(ショートブレッド・バニラアイス・ショコラフランボワーズ)
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 写真右下がショートブレッド、その左隣がバニラアイス、奥のショートケーキがショコラフランボワーズです。

 ショートブレッドはスコットランドのウォーカー(Walkers)製で、チョコチップのショートブレッド(クッキー)でした。

 「ショコラフランボワーズ」は、ベリー(フランボワーズ)のチョコレート・クリームと、板チョコレート、チョコレートクリームが層を成したオペラケーキでした。

 紅茶はフレーバーティーの「アールグレイ」を選びましたが、お菓子と合わせる際には、このようなフレーバーティーもよく合います。

 イギリス人がクセのある「ラプサンスーチョン」を好む理由もわかるような気がしました。

(藤原辰史先生の本とスペシャル・アールグレイティー)
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 これからの講演会に備えて講師の藤原辰史先生の本も読み、テンションを上げました。


記念講演会「『おいしい植物』と人間の歴史-わたしたちを突き動かすものについて」

 藤原辰史先生は、魚柄仁之助先生と藤原辰史先生のオンライントークライブ「「コロナ後の食卓」を考える」を通じて知りました。

(農文協・パルシステム共同企画『かんがえるタネ』“世界が転換する時代の「台所サバイバル」”ダイジェスト版)

(生協パルシステム公式チャンネル)

 食や農について研究されている藤原辰史先生にお会いし、直接お話を伺ってみたいという思いに「突き動かされ」、講演会に参加しました。

 講演会の主な内容は、次のとおりです。

・太陽エネルギーと水と二酸化炭素でデンプンを作る植物は「生産者」であり、人間を含む動物は「消費者」である。やがて微生物・菌による「分解者」によって、再び「生産者」へ還元される。

・植物の特性は、①動く、②数打ちゃ当たる(花粉)、③非中央集権(部分的に切られても生き延びる)、④共生と共進化、⑤酸素を生み出す唯一のクリエーター、⑥太陽エネルギーと水と二酸化炭素でデンプンを生成すること。

・「コロンブスの交換」・「三角貿易(奴隷貿易)」など、植物をめぐるダークヒストリー(暗い歴史)がある。

・イギリスによる紅茶を求めたインドの植民地化や、日本による植民地(朝鮮・台湾等)でのジャポニカ米栽培の強制といった「エコロジカル・インペリアリズム」。

・それぞれの植物に見られる芸術的・美的要素(人の顔・姿に見える植物、対称性(非対称性)の美など)。

・コンサートや公演の参加費をお金ではなく現物の野菜でもらう「ギブミーベジタブル」という試み。

 講演会の途中、スライドにいくつかの食の本が紹介され、藤原辰史先生から「この中で読んだことのある本がある方、おられますか?」、「おられなかったら私の勝ちです(笑)」という問いかけがありました。

 お1人「砂糖の世界史」を読んだことがあるという方がおられました。

 その後、「おられなかったら私の勝ちです」という言葉に「突き動かされ」(笑)、私も「「チョコレートの世界史」を読んだことがあります」とお話ししました。

 藤原辰史先生は「おっ、それは嬉しいですねー。どんな内容でしたか?」と私にマイクを向けられました。

 私は「カカオからチョコレートが作られる過程、三角貿易(奴隷貿易)の歴史、クエーカーの果たした役割、あとキットカットの話などもあって面白い本でした」とお答えしました。

 「砂糖の世界史(川北 稔・岩波ジュニア新書)」、「チョコレートの世界史(武田尚子・中公新書)」、「茶の世界史(角山 栄・中公新書)」…これらの本に共通するのは植物を通じた暴力の歴史というものでした。

 講演会の最後には、質疑応答の時間が設けられました。

 たくさん出るようなら控えておこうと思ったのですが、皆さん割と遠慮がちな雰囲気だったので、私は勇気を出して質問しました。

 「本日お話いただいた米とサツマイモの件についてお伺いします」

 「まずは米についてです。私は今年3月に北海道の北広島市へ行きました。広島県からの移民が多かったところですが、その地で北広島市は寒冷な北海道で初めて稲作に成功した「北海道米発祥の地」であること、そして当初は赤米が使われたことを知りました。この北海道の赤米について御存知のことがあれば教えてください」

 「次にサツマイモについてです。同じ北広島市にある農村レストランで様々な北海道の食べ物をいただきましたが、その中に北海道産サツマイモもありました。「えっ、北海道でサツマイモ?」と驚いたのですが、最近は北海道でもサツマイモが栽培されているのでしょうか」

 この質問に対し、藤原辰史先生からは、

 「北海道の赤米ですが、あまり聞いたことがありませんが、開拓民が何でも食べられるよう実験的に作ったのかも知れません」

 「次に北海道産サツマイモのお話ですが、これも初めて聞きました。帯広畜産大学へ行った際、温暖化の影響について話題になりましたが、サツマイモもそうした影響を受けてのことかもしれません。北海道にも温暖化が進んだ結果なのでしょうね」

 とお答えいただきました。

 講演会終了後、藤原辰史先生に直接お会いし、お礼申し上げました。

 とても有意義なひとときでした。


まとめ

 広島県立美術館から眺めた秋の縮景園です。

(秋の縮景園(広島県立美術館からの眺め))
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 秋も深まり、赤く色づいた葉も見られました。

 展示会グッズのショッピングも含め、朝から夕方まで美術館で過ごしました。

 美術館を後にし、少し疲れたので広島市中心街のカフェに寄りました。

 コーヒーを飲みながら、質問した北広島市の赤米について確認すべく、インターネットで検索しました。

 すると北広島市が発祥の米は「赤米」ではなく「赤毛米(赤毛種)」との検索結果が出ました。

 この赤毛米は「ゆめぴりか」や「ななつぼし」の先祖なのだとか。

 それを知った瞬間、私は恥ずかしさと申し訳なさで顔が真っ赤になりました。

 藤原辰史先生と100名近い聴講者に間違った話をしてしまった…。

 藤原辰史先生と講習会に参加された皆様に深くお詫び申し上げます。


 こんな失敗談も含めて、特別展「おいしいボタニカル・アート 食を彩る植物のものがたり」で学んだことを御紹介しました。

 この記事をきっかけに、食と植物について興味を持っていただけたら幸いです。


<関連サイト>
 「広島県立美術館」(広島市中区上幟町2-22)

<関連記事>
 「美術館とカフェ・レストランの魅力7 -「おいしいボタニカル・アート」おいしいコラボレーション・ホテルグランヴィア広島「サブール」-
 「北海道の食文化探訪1 -北広島市と広島のつながり・「くるるの杜」の農村レストラン・農畜産物直売所-

<参考文献>
 公式図録「おいしいボタニカル・アート 食を彩る植物ものがたり」
 池上英洋監修「マンガでわかる「西洋絵画」の見かた」誠文堂新光社
 藤原辰史「縁食論-孤食と共食のあいだ」ミシマ社
 武田尚子「チョコレートの世界史」中公新書

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