自家製チョコレート
「カカオ豆とチョコレート」の記事にある入手したカカオニブを使って,実際にチョコレートとココアを作ってみました。
まずはチョコレート編。材料はカカオニブ,サラダ油,粉糖です。
実はこのカカオニブ,そのまま食べるだけでも十分美味しいのです。見た目は粒子の荒いインスタントコーヒー(フリーズドライ法)をそのまま食べた時の味・食感をイメージしたのですが,実際食べてみると,味は高カカオチョコレートや砂糖なしココアといった感じで,食べられないほど苦味はなく,食感はアーモンドなどナッツの感じです(カカオ豆もアーモンドも油脂分が約55%でほぼ同じというのも納得)。私にとっては,そのまま食べても美味しいので,少々もったいない気もしましたが,食文化研究という大義名分のもと,作りました。
<自家製チョコレート>
1 カカオニブをメターテ(カカオ豆磨砕板)に目立ーてたすり鉢(湯せんで温める)に入れ,すりこぎで粒が細かくなるようすります。
(お湯を入れたボウルの中にすり鉢を入れ,ある程度すった様子)
2 ある程度粒が細かくなったら,粒子を細かくドロドロの状態にするため,サラダ油を適量入れます。味をみながら,粉糖も加えます。あとはひたすらすりつぶします。
3 型に流し込み,冷やして固めれば完成です。
(感想)
・見た目はともかく,予想を超えた美味しいチョコレートができました。カカオ豆のザラつき感はありますが,それはそれで美味しいのです。苦労して作り,ありがたみがある分,市販のチョコレートよりも美味しいように思いました。カカオニブを手に入れることができれば,また作りたいです。
・すり鉢で相当な時間(15~20分程度)すりつぶす必要があります。25~30/1000mmにするとザラつき感がないと伺いましたが,人力のすり鉢では限界があるでしょう。チョコレートは,原材料(カカオ豆)の栽培から,入手,各工程の作業,製品化に至るまで,農園・商社・機械・メーカーなどに,ある程度は頼らざるを得ないと思います。
・実際に作ることで,なぜカカオニブに追加で油脂を入れる必要があるのか,どのくらい砂糖を加える必要があるのかを理解することができます。油脂がないと,含有するココアバターのみでは粉っぽくてなめらかさは出ませんし,かと言って牛乳などを直接加えるとその水分で分離してしまいます。また,砂糖を加えないとスイーツになりません。市販のチョコレートの食品表示は,だいたいまず砂糖がきて,カカオマス,そして追加の油脂として,ココアバターや植物油脂,ミルクチョコレートの場合はこれに粉乳という構成になっていますが,よく理解できるようになりました。
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