あずきの研究3 -大納言小豆と普通小豆-
○あずきの疑問
「大納言と普通の小豆との違いは何か。」
和菓子で大納言(小豆)使用と書かれてあると,高級なイメージがします。が,そもそも大納言とは一体何なのでしょうか。
北海道十勝農業試験場によると,大納言とは,小豆には大きく「普通小豆」,「大納言小豆」,「白小豆」の3種類があり,そのうちの「大納言小豆」に該当する品種のうち,一定の規格(粒度5.5mm以上)以上の大きさのものを「大納言小豆」として流通しているとのことでした。面白いことに,この規格以下のものは,「大納言小豆」としては流通させず,別ルートで,むしろ普通の小豆よりも安く流通されるとのことです。
大納言の名前の由来ですが,大納言小豆は,大粒なだけではなく,煮たときに皮が破れにくい特性を持ち,いわゆる「腹切れ」が生じにくいことから、切腹の習慣がない公卿(くぎょう)の官位である「大納言」と名付けられたといわれています。
「大納言小豆」は,大粒で原型を保ちやすいという特性を生かし,甘納豆やきんつばなど,原型を保ち,見た目を重視する和菓子によく用いられています。一方,あんこで用いる場合は,見た目よりは味や中身で勝負となるので,「普通小豆」が用いられ,「エリモショウズ」など,美味で,冷害に強く,安定した収量を得られる品種が主流となっています。
(大納言小豆の甘納豆)
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