露出補正とホワイトバランス
私が持っているカメラは,コンパクトデジカメに過ぎませんが,それでも,露出補正やホワイトバランスの調整はある程度できます。見たとおりの写真にできればいいのですが,ある程度はオート(自動)で写せるものの,見たままの色や,変化を加えたい時などは,カメラの機能である露出補正やホワイトバランスなどを行う必要があります。
<露出補正>
カメラに内蔵された露出計は,基本的に,グレー(反射率18%)の色を見た目どおりの明るさで再現できるように設定されています。そして,この色より明るい場合は,暗くし,逆に暗い場合は,明るくしようとします。そのため,そのまま撮ると,見た目に比べて,白色は暗めの白に,黒色は明るめの黒になりがちです。
そこで,白が多い時は,露出値(EV)をプラスにして暗めになるのを防ぎ,黒が多い時はマイナスにして明るめになるのを防ぐと見た目に近い写真となります。
耳かきの写真を撮る時は,マクロモードで,背景を白や黄色系にすることが多いので,露出値(EV)を+0.7~+1ぐらいにプラス補正して撮っています。これで何とか写真として見られる程度になっていたのですが,今回,小豆を茹でて,黒っぽくなった餡を撮ろうとした時,困りました。
黒色を引き出そうと,露出を-0.3~-0.7程度マイナス補正して撮影するのですが,今度は背景のテーブルの茶色まで暗めに写ってしまい,かと言ってオートで撮ると,餡の色が紫色っぽくなり,きれいな写真にならないのです。
<ホワイトバランス(WB)>
そこで,室内で撮影していることを考慮し,ホワイトバランスを調整してみることにしました。
ホワイトバランスは,光の色を補正する機能で,通常は「晴天(太陽光)」の約5200Kに設定されています。Kはケルビンと読み,色温度の単位で,赤系の光は色温度が低く,逆に青系の光は色温度が高くなります。
カメラは晴天(太陽光)で光を読み取ろうとしている時に,色温度が低い光の条件(電球や白色蛍光灯など)で撮影すると,写真は全体的に赤っぽく,逆に色温度が高い光の条件(青空,日蔭,曇天(くもり)など)で撮影すると,写真は全体的に青っぽく写ってしまうのです。この色の偏りをなくし,本来の色に調節する機能がホワイトバランスです。
(WB「オート」で撮影:全体が青白っぽくなる→室内の色温度がやや高いと判明)
(WB「曇天」で撮影:「曇天」でやや赤みをプラスする→見た目に近い色となった)
参考
(WB「電球」で撮影:「電球」で青みをさらにプラスする→全体が青くなる)
※いずれの画像も露出を+0.7補正
通常はホワイトバランスを「オート」にしておけばよいのですが,自分の出したい色がある場合は,設定を変えて,意図的に赤系統の色(アンバー(セピア)やマゼンダ)や青系統の色(ブルーやグリーン)を調整するとよりよい仕上がりになります。今は液晶画面で撮影した画像をその都度確認できるので,便利です。
今回の小豆あんについては,天井の昼光色の蛍光灯で青系統の色が強いので,「曇天」モードにして赤系統の色を出すように調整してみました。
(小豆あん)
料理は見た目が大事な分,写真を撮るのも難しいように思います。
人間が見たままの色をカメラに認識させるのがいかに難しいか,改めて理解しました。
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