キャビアの研究 -キャビアとランプフィッシュの卵の違い-
○キャビアの疑問
「そもそもキャビアはどんな味なのか,また,よく似たランプフィッシュの卵はどんな味なのか」
今回,キャビアを購入することができたため,ランプフィッシュの卵も同時に購入し,比較することで,特徴を確かめることにしました。
(価格)
まず価格ですが,今回の生キャビアは,チョウザメを扱う養殖場で購入したこともあり,10gで3,000円でした。デパートで市販されている輸入キャビアは18gで約8,200円。一方ランプフィッシュの卵は50gで約300円でした。
100gあたりに換算すると,生キャビア30,000円,市販の輸入キャビア約45,600円,ランプフィッシュの卵が約600円となり,今回の生キャビアは良心的な価格だと思いますが,それでもランプフィッシュの50~80倍と,サフランと肩を並べるほど高価となっています。
(キャビアとランプフィッシュの卵の特徴)
生キャビア10gです。丸底になったプラスチックの容器に入っています。
ランプフィッシュの卵50gです。ガラスビンにぎっしり詰められています。
それでは,各項目別に特徴をまとめてみます。
○食品表示の名称等
生キャビア:「魚卵(チョウザメ)」 チョウザメの種類は「ベステル」というハイブリッド
ランプフィッシュの卵:「ランプフィッシュの卵(キャビア代用品)」 グリーンランド・アイスランド産
○見た目
生キャビア:深みのある緑色。海ぶどうに似たイメージ。
ランプフィッシュの卵:かなり濃い黒。
(左:ランプフィッシュの卵,右:生キャビア)
○におい
生キャビア:淡水魚のにおいだが,ほとんど気にならない程度。
ランプフィッシュの卵:海水魚の魚卵特有のにおい。
○食感
生キャビア:ねっとりと卵1粒1粒がくっついており,舌の上で自然と溶けるような食感。
ランプフィッシュの卵:卵が1粒づつ独立しており,カズノコに似たプチプチとした食感。
○風味
生キャビア:いくら(筋子)に近い濃厚な味。中身はクリーム色。
ランプフィッシュの卵:食感と同様,カズノコのような味。生キャビアに比べるとあっさりしている。
(まとめ)
生キャビアは,塩加減がよく,さほどにおいも気にならず,ミニいくらを食べている感じでした。ロシアでは,魚卵のことを「イクラ」,キャビアのことを「黒いイクラ」と呼ばれていますが,日本人に親しみのある鮭のいくらにも近い風味だと思います。舌の上でねっとりととろけるような食感や,濃厚な魚卵の味わいは,さすが「世界の三大珍味」と称されるだけのことはあります。
一方のランプフィッシュの卵は,海水魚の魚卵特有のにおいはあるものの,イメージとしてはカズノコで,特有の食感や味を楽しめること,キャビアと比べて料理に使いやすいこと,気兼ねなく食べられることといった利点があるように思います。
どちらが優れているとかではなく,それぞれの特徴や利点を生かした様々な味わい方・楽しみ方があると思います。
食材の特徴をよく理解した上で,食生活を楽しみたいものです。
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