究極の親子丼 -チョウザメとキャビア-
「チョウザメ料理」の記事で,キャビアとチョウザメの身を購入したお話をしました。
実は,「廣島蝶鮫」に出掛ける前に,私には1つの構想がありました。
「チョウザメとキャビアで親子丼を作りたい」
親子丼と言えば,鶏肉と玉子,広く考えても,鮭といくらといったところでしょう。
キャビアなど食べたことのない私だからこその発想だと思いますが,新たな料理を創造するという使命感に燃えて「廣島蝶鮫」に出掛けたのでした。
同じ広島なので,通販を利用しなくても,新鮮なチョウザメとキャビアが購入できるというのは大きなメリットです。
注文の際,オーナーの藤本さんに親子丼の話もしましたが,少し恥ずかしかったです。藤本さんは親切に話を聞いてくださり,キャビアとチョウザメの身,そして畑で採れたクレソンを保冷バッグに入れて,提供していただきました。
帰宅し,早速作ってみました。
(チョウザメとキャビアの親子丼)
鯛の刺身に似たチョウザメの刺身。その上に黒く輝くキャビア。カスピ海沿岸を中心としたヨーロッパの食文化と,ご飯をよそった丼におかずを乗っけて食べるという極めて日本的な食文化の融合。
様々な偶然が積み重なって,今,ここに私が思い描いていた親子丼が完成しました。
肝心の味ですが,これだけでご飯を食べるというのは少し無理があり,チョウザメの身に醤油をかけて(←日本人的な発想ですね(笑))食べました。
新鮮なので,生臭みもなく,美味しかったです。
鶏肉と玉子又は鮭といくらの親子丼と異なるのは,これらの丼の食材が,それぞれ主体となり得るだけの独自の味があり,また,ある程度の脂肪分があるので食べごたえがあるのに対し,チョウザメの身はとても淡泊な味で,キャビアも塩分を抑えてキャビア本来の味を味わうための「生キャビア」なので,丼全体が淡泊で繊細な味に仕上がっていることです。
同じく,淡泊で繊細な味わいの白ご飯とマッチさせるには,醤油などの調味料が追加で必要になります。
チョウザメの身とキャビアの塩気は合い,チョウザメの身やご飯に醤油という組合せも合うのですが,この3つを一体的に味わうとなると,キャビアの風味に醤油で味付けというのは,少し無理があり,もったいない気がしました。
ただ,とても贅沢な気分を味わえることは間違いありません。
その地域にある食材や調味料を使って料理を仕上げるというのが,基本であり,もっとも美味しく食べる調理法ですが,自らの嗜好に合う新しい調理法を発掘し,新たな食文化を創造するマインドも大切だと思います。
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