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2014年8月17日 (日)

麦ご飯の研究 -押し麦と丸麦の違い-

(私の食生活)
 このブログでは,様々な料理を記事にしていますが,私の普段の食事は質素なもので,朝食は麦ご飯,味噌汁,目玉焼,昼食は手作り弁当(麦ご飯がメインでそれに玉子焼きやソーセージ,惣菜,煮豆,夕食の残り物など),夕食は麦ご飯と味噌汁に,焼き魚か肉,惣菜のメイン1品に副菜として納豆や冷奴などで,この内容の繰り返しです。

 

 現代日本の食生活の実態を知れば知るほど,原材料が不明確で濃い味付けの加工食品よりは,シンプルな素材で自分好みの味に仕上げるおかずの方がよいと思うようになりました。一見安そうな外食や弁当などの中食よりも,自宅で作る内食の方が安いことも理解しました。そして何より,美味しいのです。

 

 もし「美味しい」と思えないなら,しんどい思いをして毎日食事を作ろうとは思いません。ただ,実際のところは,夜,仕事から帰ってから食事を作っているので,時間がなく,週の半分ぐらいはメインを揚げ物などの惣菜(中食)に頼っていますし,休日は楽をしたい気持ちが強く,外食や中食に頼っていますので,決して自慢できるお話ではありませんが…。

 

 そんな私の主食が麦ご飯(押し麦ご飯)です。刑務所の麦ご飯が米:麦=7:3との話ですが,私の作る麦ご飯は6:4,もしくはそれ以上に麦の割合が高いので,健康には良いはずです(笑)。たまに外食で茶碗に盛られた白いご飯を見ると,本当にキラキラ輝く「銀シャリ」に見えます。押し麦の軽さに慣れ過ぎて,白米だけのご飯だと,すぐお腹一杯になってしまいます。

 

(押し麦ブーム)
 その麦ご飯に使う押し麦が,この約1ヵ月ほど,スーパーの陳列棚から消えました。私は普段,全くと言っていいほどテレビなどは見ませんが,どうやら最近,押し麦の大きなブームがあったようです。

[押し麦]
Photo

 押し麦の水溶性食物繊維「βグルカン」が血糖値の上昇を抑え,糖尿病の改善,ダイエット,便秘解消などに効果があると紹介されているようです。
 最近の健康志向はよい傾向だと思いますが,何か紹介されれば,過剰に反応し,しばらくするとまた別のものに飛びつくという行動は,個人的には少し疑問に思います。


(押し麦と丸麦の違い)
 押し麦がなくて困っていたころ,ドライブで寄った道の駅に,丸麦が売られていました。早速購入し,実験です。

[丸麦]
Photo_2

 押し麦は大麦の吸水性をよくし,食べやすくするため,蒸気で加熱し,平らに伸ばして乾燥させてたものです。対して丸麦は,大麦を精白しただけで,熱処理はされていません。

 押し麦で麦ご飯を作るのはいたって簡単で,まず米だけを水でとぎ,その中に押し麦をそのまま入れ,米だけで炊く場合に比べて若干少な目(好みによります)の分量の水を加えて,あとは炊くだけです。

 丸麦の場合はどうでしょうか。買った袋には作り方の記載がなかったのですが,とりあえず丸麦だけを水でとぎ,米を炊く要領で,鍋で炊いてみました。

[炊いた丸麦]
Photo_3

この炊いた丸麦を,同じく炊いた押し麦と比較してみます。

[炊いた押し麦]
Photo_4

 炊いた丸麦は,ローラーで平らに伸ばされておらず,米粒に似た原形のままを炊いているので,出来上がりも丸みを帯びています。一方,炊いた押し麦は,加工されている分,元の丸麦ほどには形が戻らず,やや扁平形となっています。

 

 では,次に白米と一緒に麦ご飯にした場合の比較です。

[丸麦ご飯]※多少黒ずんでいることについては,次の「麦ご飯の留意点」を参照。
Photo_6


[押し麦ご飯]
Photo_5

 押し麦はといだ米にそのまま加えて炊きますが,丸麦は米と一緒に水でといでから炊きました。見た目はほぼ同じに炊き上がりますが,食感はかなり違いがあります。

 押し麦ご飯は,押し麦が吸水性に優れ,やわらかく仕上がるので,ご飯との一体感があります。
 また,白米のみのご飯に比べて軽い食感になり,食べやすくなります。

 一方,丸麦ご飯は,米粒と同様に粒状なので,ふっくらとして弾力性があり,白米のご飯と違和感がありません。
 米粒よりも1粒1粒が若干大きいため,よく噛んで食べる必要がありますが,押し麦に比べて麦本来の甘みを感じることが出来ます。


(麦ご飯の留意点)
 私は,帰宅後の負担をなるべく少なくするため,朝,炊飯器のタイマーをセットし,帰宅時に炊き上がるようにしています。日中水に浸している間,米は水を吸収するだけなのでいいのですが,押し麦や丸麦の場合は,特に夏場は半煮えの状態になり,たまに黒ずんでしまうことがあります。
 押し麦の場合は水に浸さず炊く直前に,丸麦の場合は炊く前に少しの間水に浸してから,といだ米に加えて炊けばよいのだと思いますが,私も含めて,タイマー炊飯で対応せざるを得ない方もおられるでしょうから,あえて留意点としました。ちなみに味には影響ありません。

[黒ずんだ丸麦]
Photo_7

 私は,押し麦ご飯の軽い食感に慣れているので,丸麦がある間は,押し麦と丸麦をブレンドして麦ご飯を作ることとしました。麦ご飯に塩をかけて食べるのが,私の好みの食べ方です。

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コメント

もち麦じゃないのに丸麦で粘り?

押し麦は加熱と無理やり引き潰していることにより傷だらけで欠けもできている状態なので、それ故の(もち麦と違って擬似的ですが)粘りが出ますが、丸麦は炊いてぐるっと混ぜて蓋をせずに数分蒸気を逃がすだけで勝手にパラパラになってしまうくらいで、粘りは全くと言っていい程ありません。
分かりやすく表現すると、おにぎりが握れそうにもない感じです。

世の中ではもち麦が流行っていますが、自分は丸麦のこの変わった性質が好きなので、多くの人に知ってほしいと思っています。
(食べてみた上でもち麦が好きならいいんです)

なので、出来れば間違った情報を流さないでほしいです。
もち麦の間違いなのかなぁとは思いますが。

毎日食べてる人 様

コメントいただき,ありがとうございます。

おっしゃるように,もち麦は加熱や圧縮されており,表面がザラザラしている分,炊くと糊のような粘りが出ますね。
逆に丸麦は,米粒と同じように変形させてない分,プリプリしてご飯を一緒に食べても,違和感が少ないように思いました。

この記事を書いた時は,丸麦初体験で,私の表現も至らなかったところがあるように思います。

御指摘を踏まえ,記事を少し修正させていただきました。

(修正前)
「押し麦ご飯は,押し麦が吸水性に優れ,やわらかく仕上がっているので,ご飯との一体感があり,かつ,白米のみのご飯より軽いのですが,丸麦ご飯は,押し麦に比べ,粘りと弾力性が強く,しかも,米粒よりも1粒1粒が大きいため,ご飯から独立した感があり,玄米と同様,よく噛んで食べる必要があります。」

(修正後)
「押し麦ご飯は,押し麦が吸水性に優れ,やわらかく仕上がるので,ご飯との一体感があります。また,白米のみのご飯に比べて軽い食感になり,食べやすくなります。一方,丸麦ご飯は,米粒と同様に粒状なので,ふっくらとして弾力性があり,白米のご飯と違和感がありません。米粒よりも1粒1粒が若干大きいため,よく噛んで食べる必要がありますが,押し麦に比べて麦本来の甘みを感じることが出来ます。」

丸麦の美味しさももっと強調すべきでした。
今だから書けること,わかることもあるので,修正させていただきました。

私も今も毎日麦ご飯を食べてます。
またお気付きの点などございましたら,コメントをお寄せください。
至らぬ点も多々あろうかと思いますが,引き続き当ブログを御愛顧のほど,よろしくお願い申し上げます。

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