ブラジル料理の特徴と主な料理1 -ポンデケージョ・フェイジョアーダ・シュラスコ・アサイードリンク・ガラナ・シェレッタ-
ブラジル料理は,広大な国土に囲まれ,地理的・歴史的・文化的に複雑な要素が絡み合い発展した料理で,旧宗主国であるポルトガルと,奴隷として連れてこられた人々の祖国西アフリカの影響を強く受けています。マニオクと呼ばれるキャッサバやテンデ油と呼ばれるヤシ油が多く用いられます。
今回は,輸入食材の店で購入したものを中心に紹介します。
「ポンデケージョ(チーズパン)」
ポルトガル語でチーズパンという意味です。パン生地にタピオカ粉(キャッサバのでんぷん)が用いられ,もちもちした独特の食感とチーズの風味が特徴です。購入した冷凍パンは,加工でんぷん,米粉,小麦粉,ナチュラルチーズ,鶏卵,油,塩などでパン生地が作られていました。しっとりとしたもちもち感を出すため,小麦粉の割合は少なめです。このテクスチャ(食感)は,日本の餅(生地)と共通する点があり,チーズのスナック感覚と相まって,日本人好みだと思います。
「フェイジョアーダ(豆と肉の煮込み)」
いんげん豆(フェイジョン)を豚肉や牛肉の塩漬け,内臓などと煮込んだ料理で,代表的なブラジル料理です。塩とにんにくを中心にしたシンプルな味付けで,長時間豆を煮込むことにより,とろみがあります。先住民の伝統料理とアフリカ人奴隷の料理が融合して生まれた料理です。ブラジル料理店で食べた際,とても塩辛かった記憶がありますが,強制労働で働く奴隷の塩分補給のためでもあったようで,言われてみれば納得する味です。
「シュラスコ(肉の串焼き)」
牛肉や羊肉の大きな塊に鉄串を刺し,岩塩をすり込んで炭火で焼きながら,焼けた部分を削いで食べる料理です。ブラジル南部の牧童料理がルーツとされています。牛肉を豪快に味わうことができます。
今回は牛肉と岩塩・粒こしょうで自家製シュラスコを作ってみました。と言っても,一口ステーキ用の牛肉を焼いて鉄箸で刺したミニ版で,お恥ずかしい限りですが…。
「アサイードリンク」
ブラジル・アマゾンが原産のヤシ科の植物で,かなり濃いぶどうやブルーベリーのような果実です。
ポリフェノールによる抗酸化作用や食物繊維,鉄分,カルシウムなどを豊富に含んでおり,健康・美容食品として注目され,スーパーなどでもよく見かけるようになりました。
「ガラナ・シェレッタ(ガラナドリンク)」
ガラナは,抽出したエキスが疲労回復や滋養強壮に用いられています。かつて精力剤・媚薬として雑誌などで「ガラナチョコ」が盛んに宣伝されることもありました。ブラジルではドリンクとして飲用されることが多く,コーラと並んで人気があるようです。ジンジャーエールのような,甘味の強い炭酸飲料です。
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