お月見 -月見団子と月餅-
お月見は,主に旧暦の8月15日から16日の夜(十五夜)に行われる行事で,この夜の月は「中秋の名月」と呼ばれます。
中国から伝わった祭事で,ススキを飾ったり,「月見団子」や「里芋」(芋名月とも呼ぶ地方もある),酒を供えて月を眺める風習があります。
「月見団子」は月になぞらえて丸い形に作ります。当初は丸い里芋や豆類が供えられたようで,その後,米を使った団子が供えられるようになりました。「あずきの研究9 -小豆ともちの深い関係-」でも触れましたが,日本を含む東アジア・東南アジアでは,餅と行事食は密接に関わっており,その事例として月見団子を挙げることができます。
(月見団子)
中国では,「中秋節」として「月餅」(団円・一家団欒を表す「団月餅」とも呼ばれる)や西瓜(スイカ)を食べて幸福を祈ります。
(月餅)
中国の影響を受けた朝鮮半島でも,「秋夕(チュソク)」として松餅(ソンピョン,松葉蒸し餅)や酒を祖先に供える風習があります。秋夕の時期にソウルに旅行したところ,ソウルの人々は祝日で,皆故郷に帰省するので,観光に行っても休みばかりだったという経験があります。
このほか,台湾やベトナムでもお祝いする風習があるようです。
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