韓国・朝鮮料理の特徴と主な料理3 -薬コチュジャンと薬食同源-
(コチュジャン)
コチュジャンは甘辛い唐辛子味噌のことで,韓国・朝鮮料理の基本的な調味料の1つです。穀物(もち米,うるち米,大麦,小麦など)のでんぷんを味噌と混ぜ合わせて糖化させ,唐辛子粉と塩を加えて熟成させて作られます。
ビビンバ,トッポギ,タッ(鶏)カルビなど,鍋物・炒め物・和え物などあらゆる料理の調味に使われており,韓国・朝鮮料理を作る際には必須の調味料と言えるでしょう。
(薬食同源と「薬」のつく食べ物)
韓国・朝鮮食文化は,中国からの思想である「薬食同源」(食物それぞれに薬効を求め,食を通じて健康の維持・増強を図る)という考えがベースにあります。
薬飯(「薬食」とも呼ばれるもち米のおこわ),薬酒,薬果(伝統菓子)のように,「薬」のついた食べ物が多いのも特徴の1つです。
韓国・朝鮮料理の基本となる調味料として「薬念(ヤンニョム)」があります。味噌(テンジャン),コチュジャン,醤油,(粉)唐辛子,にんにく,ゴマ(油)などで作られる調味料です。
(薬コチュジャン)
今回,伺った韓国料理店で,「これを添えて食べてみて」と出していただいたのが,この薬(ヤッ)コチュジャンです。
(薬コチュジャン)
どういう字を書くのか伺ったところ,「薬」と書くとのお話だったので,とても興味を持ちました。
コチュジャンに牛肉の挽き肉などを加え,炒めて作られます。
料理に万能に使えるという意味や,材料として用いる蜂蜜が体の薬になるという意味で「薬」が用いられているようです。
そのままご飯のおかずとしたり,サンチュ(チシャ)やシソなどの野菜と一緒に食べたり,ご飯にナムルとこのヤッコチュジャンを混ぜれば,そのままビビンパにもなると思います。
応用範囲が広い万能味噌。そのまま食べても美味です。
最近のコメント