クワスの研究 -ライ麦パンからクワスを作る(前編)-
サンドリヨン(山形県北秋田市)のライ麦パン(黒パン)を使って,クワス(※)を作ってみることにしました。
※クワスについては,「ロシア料理の特徴と主な料理3 -ライ麦パン・クワス・サモワール-」を御参照ください。
ライ麦パンが発酵して飲料となる様子を観察してみたいと思ったからです。材料はあるものを使い,分量は様子を見ながら適量を加えました。
(材料)
ライ麦パン(約150g)
ドライイースト(約3g)
レーズン(オイルコーティングなし,適量)
りんご(冷凍,適量)
はちみつ(適量)
砂糖(適量)
まずライ麦パンをオーブンで焼きました。焦げ目がつくぐらいしっかり焼くよう心掛けました。
(トーストしたライ麦パン)
ドライイーストは人肌程度のお湯に溶かし,予備発酵させました。
(ドライイースト予備発酵の様子[発酵開始])
(ドライイースト予備発酵の様子[予備発酵完了])
漬物容器に材料を入れて作ってみることにしました。人肌程度にさましたお湯を容器に注ぎ,その中にライ麦パンを入れます。その後,レーズン,りんご,はちみつ,砂糖を適量入れ,最後に予備発酵させておいたドライイーストを混ぜて,蓋をしました。
(材料を全て入れた状態の容器)
(材料を全て入れ,蓋をした状態の容器)
そして約2時間後に確認してみると,水分が増え,発泡して,容器に耳を近づけるとプツプツという音まで聞こえるようになりました。これは予想以上でした。
(約2時間後の容器内の様子)
その後,数時間経過しても,勢いは弱まったものの,発泡は続いたので,しばらく様子を見ることにしました。
発酵は,糖がアルコールと炭酸に分解されることですが,今回の場合は,レーズン,りんご,はちみつ,砂糖に含まれる糖がドライイーストにより発酵し,発泡するようになっています。
インターネットでクワスの作り方を検索してみると,発酵時間は半日から3日程度とかなりばらつきがあります。そこで,定期的に出来具合を確かめてみることとしました。
(6時間後の容器内の様子)
(6時間後の液体の様子)
黄色を帯びた液体となり,舌がチリチリする程度に炭酸も含まれました。依然として発泡は続いています。
(12時間後の容器内の様子)
(12時間後の液体の様子)
口あたりがまろやかになり,わずかながらアルコール臭も感じられます。アルコール分が1%以上になると,密造酒を作ったことになり,酒税法違反となりますので,念のため,少しだけ,沸騰して冷ました水を加えておくこととしました。酒ができるのは,そもそも酒が飲めない私には本意ではありません。本格的な微炭酸の清涼飲料水クワスを作るべく,邁進するのみです。
「クワスの研究 -ライ麦パンからクワスを作る(後編)-」
(今回の記事について)
この記事により,酒を作ったのではないかと疑われるリスクも考え,掲載をためらう気持ちもありました。しかし,今回のクワス作りは,様々な食文化を知り,理解を深めることを第一の目的としており,なおかつ微炭酸の清涼飲料水を作ることを前提に作ったものですので,問題はないと判断し,掲載しました。
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