アメリカ料理の特徴と主な料理 -ウーピーパイ-
イオンワールドフェスタ「アメリカフェア」で,今注目のスイーツとしてウーピーパイが売られていました。
アメリカの北東部,ニューイングランドや,ペンジルベニア州のアーミッシュ(※)の伝統菓子で,やわらかいケーキ生地に,マシュマロやクリームをはさんだお菓子です。
ウーピー(whoopie)は嬉しい時の叫び声(「わーい」,「やったー」という意味)で,嬉しくて叫ぶほど美味しいパイなのでウーピーパイと呼ばれています。
※アーミッシュ…キリスト教再洗礼派の宗教集団
(ウーピーパイ)
このウーピーパイは,ケーキ生地の中にチョコムース,ブルーベリージャム,ブルーベリー,苺果肉,マシュマロをはさみ,チョコレートソースをかけた,ケーキのような仕上がりになっています。
(ウーピーパイの中身)
見た目にボリュームがありますが,実際には,ケーキ生地が軽く,中のクリームもチョコムースなので割合あっさりとしており,軽いおやつ感覚でいただけました。
後日,広島市内の洋菓子店でもウーピーパイが売られていました。
こちらのウーピーパイは,チョコレートベースのケーキ生地にコーヒークリームがはさみ込まれ,上にナッツが乗せられています。
(ウーピーパイ(コーヒークリーム))
さっくりとしたチョコレート生地と,控え目な甘さで適度な苦みをもつコーヒークリームがうまく調和して,大人向けの仕上がりになっています。
それにしても,見た目といい,大きさといい,ハンバーガーとよく似ています。
ヨーロッパからの移住者によって伝えられたパイ,ケーキ,マシュマロなどのお菓子が,簡単・手軽に食べられるようアメリカナイズされたお菓子の1つと言えるでしょう。
アメリカ南部にも「ムーンパイ」と呼ばれるグラハム・クラッカーにマシュマロをはさんだお菓子があり,パイにマシュマロやクリームをはさんだお菓子はアメリカで広く受け入れられていると言えるでしょう。
日本でも,こうしたアメリカのパイ菓子をヒントに生まれたお菓子として,チョコレートケーキにマシュマロをはさんだ「エンゼルパイ」(森永製菓)や同じくチョコレートケーキにバニラクリームをはさんだ「チョコパイ」(ロッテ)があります。
こうしたパイ菓子の変遷は,ドイツのハンブルクの挽き肉料理がアメリカに渡ってハンバーグとなり,更にパンをはさんだハンバーガーが生まれて,世界に受け入れられた事例とよく似ています。
このように,世界の食文化が移住者などを通じてアメリカに流入し,そのアメリカで大量かつ手軽に,万人に好まれるグローバルな料理に変化して,再び世界に向けて新たな食文化を発信するという流れが,アメリカ料理の大きな特徴の1つとなっています。
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