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2015年6月21日 (日)

広島の歴史を物語る銘菓「大本営」と「新・平家物語」

 広島土産のコーナーで,インパクトのあるネーミングのお菓子を発見しました。

 その名もずばり「大本営」(旭堂)です。

(「大本営」包装)
Photo_2

 日清戦争のあった一時期,広島は山陽鉄道の西端で,大型船が運用できる港(宇品港)があったため,大本営が設置されました。明治天皇も広島に滞在され,臨時帝国議会も広島で開催されるなど,一時的とは言え,広島は日本の首都機能を担った時期があったのです。

 そのため,広島では,この大本営が設置され,一時期でも日本の首都となったことを誇りに思う方も多くおられます。

 この広島銘菓「大本営」もそうした広島人の誇りからネーミングされたお菓子ではないかと思います。

(「大本営」)
Photo_3

 レモンバタークリームをバウムクーヘンのように層にしたカステラ生地で巻いて一口大の筒状にして仕上げられたお菓子です。
 やや固めに焼き上げられたカステラ生地と甘酸っぱいレモンバタークリームが口の中でうまく調和します。
 このお菓子と大本営がどう関係するのか,切り口が菊の紋章や大砲に似ているからかと,色々なイメージを膨らませながら美味しくいただきました。

 広島はレモンの生産量日本一で,そのことも関係してか,昔ながらのレモンケーキも多く売られているのですが,そのレモンケーキと同様,洋菓子の素材でありながら,どこか郷愁感を覚えるお菓子となっています。


 実はこの「大本営」とよく似た広島銘菓があります。

 「新・平家物語」(にしき堂)です。

(「新・平家物語」外箱)
Photo_4

 「新・平家物語」は赤餡(小豆)と白餡(いんげん豆)の2種類があり,カステラの切り口を十二単(じゅうにひとえ)に例え,赤餡は平氏を,白餡は源氏をそれぞれ表しています。

(「新・平家物語」)
Photo_5

 洋風のカステラと和風の小豆餡・白餡がよく合い,私自身,この「新・平家物語」を広島土産としてよく利用しています。

 広島には,厳島神社(廿日市市)や音戸の瀬戸(呉市)など平清盛(平家)にゆかりのある名所があり,それも銘菓「新・平家物語」が作られた理由なのではないかと思います。


 さらに,博多にも「大本営」や「新・平家物語」とよく似たお菓子があります。

 「博多の女」(二鶴堂)です。
 「はかたのひと」と読み,「新・平家物語」の赤餡と同様,小豆餡のお菓子です。包装紙は伝統的工芸品である博多人形が描かれており,博多の人気土産となっています。
 また,同じ博多には「博多美人」(はかたや本舗)という,中にクリーム(バニラ・イチゴ)が入ったお菓子もあるようで,一口ロール菓子の世界もなかなか奥が深いです。

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コメント

あっ・・食べたことある~
知らないうちに、頂いてたことに気が付いた(笑)
美味しいよね^^

ヒナタ 様

えっ,召し上がったことがあるのですか。

「新・平家物語」か「博多の女」だと思いますが,ラッキーでしたね。
「大本営」なら販売店舗がさらに限られるので,もっとラッキーです。

おっしゃるとおり,どれもおいしいお菓子なので,私は広島土産としてよく購入しています。

うん、多分、親戚の誰かが広島に旅行に行って~
お土産で貰ったんだと思う。
その頃は、何気に食べてるから~(笑)
このお菓子食べたぞ・・・と思いまして~
美味しいお菓子は覚えてるから~

ヒナタ 様

何気に食べても,美味しかったり,珍しかった食べ物はどこか記憶に残るものなんでしょうね。

広島の「大本営」と「新・平家物語」,福岡の「博多の女」はいずれもよく似たお菓子ですが,この地域以外ではあまり売られてないように思います。

ヒナタさんから太鼓判をいただき,広島と福岡の各菓子メーカーもさぞ嬉しいことでしょう。

もちろん,広島に住む私も嬉しかったです。

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