お好み焼もち -お好みソース・もち入り饅頭-
広島市内のデパートで,ふと目に留まるお菓子を見つけました。
「お好み焼もち」(平安堂梅坪)です。
広島のお好み焼に使われる「オタフクお好みソース」を使ったお菓子で,広島のお土産コーナーに箱詰めやバラ売りで販売されていました。
(お好み焼もち(包装))
「お好み焼もち」は,お好みソースが入った餡を求肥(もち)で包み,それを更に饅頭の皮で包んだ3層構造となっています。
饅頭の皮の茶色と,上にかけられたアオサ,そしてこの層構造によって,(広島風)お好み焼が表現されています。
(お好み焼もち)
この饅頭の皮は,しっとり,少しもっちりとした食感で,甘く,わずかにお好みソースが入っているかもと思わせるような味です。玉子を使ってつやが付けられており,これがお好み焼の生地にあたると思います。
はさまれた求肥は,甘くやわらかいもちですが,これはお好み焼に入っているうどんやそば,またはもちの見た目や食感を表現されているのではないかと思います。
広島のお好み焼は,トッピングでもちを加えることができるので,もちそのものを入れた様子だとも言えます。
そして真ん中の餡ですが,これが見た目からも想像できるとおり,お好みソース入りとなっています。元の餡は白いんげん豆を使った白餡で,それにお好みソースなどを少し加えて作られた餡だと思います。これがお好み焼のソースに該当するのでしょう。
白餡の味に,ほんのわずかにお好みソースの色,甘さ,しょっぱさ,スパイシーさが加えられ,独特なコクも生まれています。
こうした皮,もち(求肥),餡が口の中で上にかけられたアオサと共に一体化し,「お好み焼もち」の味が仕上げられています。
ネーミングからは,お好みソースが練り込まれた甘辛いスナック・おつまみ系のもちや,みたらし団子のしょうゆだれのように,お好みソースの甘辛いたれが中に入ったもちを想像したのですが,実際は,「その風味からお好み焼を連想させる,求肥入りの程よい甘さの饅頭」という表現が近いように思います。
以前,昆布の佃煮の味付けにお好みソースを使った「ソース昆布」(ヒロツク)を御紹介しました(「ソース昆布 -お好みソース入り昆布の佃煮-」参照)が,佃煮にせよ,今回のもち入り饅頭にせよ,お好みソースの甘みやコクを生かせることから生まれた商品だと思います。
特にオタフクのお好みソースはデーツ(ナツメヤシの実)が用いられているので,他のお好みソースに比べて甘みやコクが強いことが特徴となっています。
そして…偶然かも知れませんが,それぞれの会社が目と鼻の先の御近所さんというのも共通しています。近い分,共同開発がしやすいというメリットがあったのかも知れません。
※オタフクソース,ヒロツク,平安堂梅坪いずれも広島市西区商工センター七丁目に会社があります。
お好みソースの味と言うよりは,その風味を生かし,程よい甘さのもち入り饅頭として美味しく仕上げられた「お好み焼もち」。
お茶受けの菓子に最適な,広島土産のニューフェイスです。
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