ルバーブの特徴を知る(1) -ルバーブジャム・ルバーブパイ-
6月末に,広島県廿日市市郊外のカフェに併設された青空市で,ルバーブが売られていました。
お店の方から,酸味が強いのでジャムにするとよいと伺い,もの珍しさもあって,購入しました。
ルバーブ
ルバーブという名前からは,おしゃれなハーブのようなイメージを持っていたのですが,実際の見た目はフキかイタドリのような植物です。
(ルバーブ)
手元の本では,ルバーブについて,「食用大黄(だいおう)ともいう。フキに似た赤色の葉柄は,特有の香味,酸味がある。果物のように利用する野菜で,サラダ,ジャム,コンポート,プディング,パイ,ゼリーに用いる。根は漢方で大黄と呼ばれ,消化促進,黄胆に効果がある。」とあります。
植物の青臭さはあまり感じられず,香りが強い植物ではないようです。
まずは外の皮をむいて,生で食べてみることとしました。昔,子供の頃,山でイタドリ(私はカッポンと呼んでいました)を食べた時の酸っぱさを想像し,かなりの酸味があるのではと覚悟をして食べましたが,意外にも,そんなに強い酸味はありませんでした。
そこで,ものは試しと,今度は皮ごと生で食べてみると,皮に強い酸味があり,レモンを丸ごとかじったような酸っぱさを感じました。
ルバーブジャム
生のルバーブの味を確認したところで,早速ジャムを作ってみることとしました。
ルバーブの皮の酸味が特に強かったので,皮はむくこととしました。
1~2cmの長さに切り,ボウルの中に入れ,どっさりと砂糖も加えて,約30分,そのままにしておきました。
(ルバーブに砂糖を加えた様子)
予想どおり,砂糖漬けにすることで,ルバーブに含まれていた水分がかなり出てきました。そこで,新たに水を加えることなく,このルバーブに含まれていた水分だけで煮ることにしました。
鍋に移し替えて煮ていると,自然と繊維がやわらかくなりました。
フキは煮ても形はあまり崩れませんが,ルバーブは手でつぶさなくても,加熱することで勝手にどろどろに溶けていくのです。
(ルバーブをしばらく加熱した様子)
そして,不思議とグレープフルーツのような柑橘の香りが立ち込めるようにもなりました。
砂糖を加えているので,焦げ付きに注意しながら,約20分,弱火で煮続けました。
蒸発で水分が減る分,とろみが増し,生で食べた時よりも酸味が強調されてきました。色も濃い緑色に変化してきました。
(ルバーブを約20分加熱した様子)
約20分煮たところで火を止め,冷ましてルバーブジャムの完成です。
ルバーブは酸味や食物繊維が多く,砂糖で加熱すると自然ととろみが出るため,レモン汁を加える必要はなさそうです。
(ルバーブジャム)
今回は緑のルバーブを使ったので,緑色のジャムとなりましたが,赤いルバーブで作ると,赤色のルバーブジャムができます。
ルバーブパイ
後日,市販の冷凍パイシートにルバーブジャムをのせて,オーブンで焼き,ルバーブパイを作ってみました。
(ルバーブパイ)
ルバーブジャムだけだと,甘味より酸味が勝ってしまうのですが,これをバターの塩味の効いたパイ生地と一緒に食べると,その酸味がやわらぎ,逆に甘味が引き立つようになるので,とても美味しくなります。
アップルパイを作る際,甘酸っぱいりんごを使う方がよいのと同じです。
私にしてはまともに出来たので,ご近所にもおすそ分けを…と思ったのですが,持って出る直前で,あることに気付き,あきらめました。
そのあることとは…。パイに照りと焼き色をつけるため,オーブンで焼く前に,卵液(黄身を水でのばした液)を刷毛でパイ生地に塗るのですが,刷毛がなかったため,あるもので代用しました。(作っている最中は,「これを思いつくとは,ナイスアイデア!」と興奮したものです。)
その代用品とは…私が毎日使っている歯ブラシです(笑)。
後日,同じ要領で(ただし歯ブラシは使わず,衛生には細心の注意を払った上で)アップルパイを作り,鉄板にのった焼き立てのパイをご近所におすそ分けしました。
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