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2015年12月27日 (日)

クリスマスディナー -フルート・ピアノ・チューバの生演奏とアメイジング・グレイスの意味-

 今年も海辺のレストランで生演奏を聴きながらクリスマスディナーをいただきました。

 音楽は,フルート,ピアノ,チューバの生演奏でした。

 「きよしこの夜」,「明るい街角で」,「エストレリータ」,「ザ・クリスマスソング」,「アメイジング・グレイス」,「ホワイトクリスマス」,「メリー・リトル・クリスマス」,「そりすべり」など,クリスマスソングを中心に有名な曲がたくさん演奏されました。

(生演奏の様子)
Photo
写真左からフルート,ピアノ,チューバ

 チューバは太く響きのある音色が特徴の大型金管楽器で,重さが約10kgもあるそうです。男性奏者は片手で軽々と持ち上げておられましたが,市販の10kgの米を持ち上げることを想像すると,ひ弱な私には到底できそうもない技です。

 「メリークリスマス」の掛け声と同時に,テーブルに用意されたクラッカーを参加者全員で一斉に鳴らし,クリスマスディナーコンサートが開始しました。

 生演奏を聴きながらいただいた料理とデザートを御紹介します。


(前菜6種盛合せ)
6

 皿の上側から時計回りに,豚とフォアグラのテリーヌ,海老とアボカドのタルタル,ベーコンとほうれん草のキッシュ,鴨のスモーク,モルタデッラそして中心が鯵のマリネです。

 モルタデッラは太くて丸い脂身入りのソーセージのことで,ボローニャソーセージとも呼ばれています。


(魚介のトマトスープ)
Photo_2

 トマトをベースに,アカザエビを丸ごと煮込むことにより,殻やみそから出る濃厚なうま味が引き出されたスープとなっています。

 渡り蟹などの甲殻類とトマトを使ったポタージュ「ビスク(bisque)」の料理法が基本となっているように思いました。


(牡蠣のスモーク ペペロンチーノ)
Photo_3

 この店で私が気に入っている牡蠣のスモークが載せられたペペロンチーノのパスタです。 


(真鯛のソテー ポルチーニクリームソース)
Photo_4

 真鯛をソテし,周りにポルチーニクリームソースを添えた魚料理です。
 立体感を出すため,ブイヨンで煮込んだかぶの上に載せられています。
 ソースに載せられたトマトの赤とバジルの緑が,クリスマスらしさを演出しています。


(牛ロースステーキ 赤ワインソース添え)
Photo_6

 網焼きのステーキに赤ワインソース,アクセントのローズマリーがよく合います。


(クリスマスデザート)
Photo_7

 ロールケーキ,いちごのムース,チョコレートタルトの盛合せです。
 いちごの赤,ミントの緑,生クリームの白,金箔の金と,彩りもクリスマス仕様です。
 このデザートとコーヒーでゆっくりと余韻を楽しみました。

 このほか,乾杯のスパークリングドリンクとパンをいただきました。


 生演奏を聴きながら食事することはやはり難しく,演奏中はナイフとフォークを置き,音楽に集中した時間の方が長かったように思います。

 演奏者から,「美味しそうな香りがするので,最後までお腹が持つかどうか…」と冗談話もありましたが,そのような話を聞くと,何だか少し申し訳ないような気持ちにもなりました。

 生演奏と美味しい料理のおかげで,とても楽しいクリスマスを過ごすことが出来ました。


(メモ)
アメイジング・グレイス
 
賛美歌「アメイジング・グレイス(Amazing Grace)」は日本語に訳すと「驚きの(神の)恵み」といった意味になるが,これはイギリスの牧師ジョン・ニュートンが,自身の奴隷貿易の体験とその後の悟りを歌で表現したものである。

 彼は奴隷貿易船の船長として奴隷を船で運んでいた際,悪天候に襲われ,船ごと転覆しそうになるほどの危機的状況に陥る。その際,積み荷として運んでいた奴隷達の恐怖と苦しみの表情を目の当たりにする。船は奇跡的に助かったが,彼は自分の罪深さを知って改心し,後にイギリス国教会の牧師となり,54歳の時にアメイジング・グレイスを作詞した。

 奴隷貿易は新大陸から砂糖やカカオなどの嗜好品を入手する目的からはじまり,黒人奴隷の犠牲なくして今日の普及はなかった。

 今私たちの目の前にある砂糖やカカオ(チョコレート)こそ,アメイジングな(驚きの)過去を持った食べ物であると言えるだろう。

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コメント

遅ればせながらのコメントです・・・

私は音楽も大好きで、
一時期は教室に通いながら、
アルトサックスでジャズを吹いていました。
諸般の事情で止めてしまいましたが、
楽器はまだ手元にあるので、
いつかまた吹けるようになると良いと思ってます。
そんなわけで、生演奏を聴きながらのディナー、
ナイフとフォークが止まってしまうお気持ちがよくわかります。
聴き入ってしまうと、食いしん坊も手が止まると思います(笑)

でも、お食事もどれも美味しそう
特にデザートに心魅かれました

さすが食いしん坊倶楽部・海さん。グルメだけでなく,音楽にも造詣が深いのですね。
そしてアルトサックスとは,またかっこいい楽器を演奏されるのですね。

音楽の分野で,最近一番驚いたのは,チャリティーコンサートの際,演奏者がコントラバスの
弦を指ではじいて,ピアノと一緒にジャズ音楽を演奏された瞬間です。コントラバスはクラシックで
弓で弾く楽器だと思っていたので,カルチャーショックを受けました。あれはかっこよかったなぁ。

飲み会やパーティーの席で,食いしん坊倶楽部・海さんが,おもむろにアルトサックスを取り出して,
皆さんの前で演奏されたら,かっこいいでしょうね。演奏の途中で出された料理の写真もマメに撮り
ながら(笑)。

生演奏のディナーでは,演奏中にもかかわらず,大きな声で話している人も見受けられましたが,
やはり演奏者や料理人に最低限の敬意は示すのがマナーだと思います。

隣のテーブル席の皿の上にクラッカーを飛ばしてしまった私が言っても説得力がありませんが…(笑)。


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