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2016年1月20日 (水)

倉敷市玉島の郷土料理 -しのうどん・玉島おでん「カステラ」・とりめし-

 岡山県倉敷市玉島に,群馬県桐生市の郷土料理「ひもかわ」(「群馬の食文化の特徴を探る(前編) -群馬県桐生市のソースかつ丼・ひもかわ-」参照)に似た,幅が広くて長いうどんがあることをウェブページで知りました。

 そのお店では,「カステラ」という名のおでんもあるとのこと。想像を膨らませながら,お店を訪問しました。


しのうどん

 玉島には良寛ゆかりの「円通寺」というお寺がありますが,かつて良寛も含むそのお寺の修行僧が食べていたとされるうどんがこの「しのうどん」です。

 地元の「玉島おかみさん会」が「産業を起こす事」を目的に,復活させた料理です。

(しのうどん)
2

 今回は,しのうどんを「かけ」で注文しました。

 桐生のひもかわ同様,幅広で長いうどんですが,しのうどんの方が,ひもかわに比べて厚みが薄いように思いました。

 他店との若干の違いはあろうかと思いますが,この厚みの違いは,だしの違いにもよるものではないかと思います。

 関東の鰹が基本となるだしには厚みのある麺でどっしりと受け止め,関西の昆布が基本となるだしには厚みが薄い麺で,だしのうま味をよく絡めて食べる方が味のバランスがとれるからです。

 しのうどんは,やわらかくて幅広なので,うどんつゆともよく絡み,だしのうま味と一緒に美味しくいただきました。

 冬の寒い時期には,あつあつの鍋焼きうどんでいただくのもよいかと思います。


カステラ

 玉島は,昔から水産や養鶏業,大根などの農業が盛んなため,蒲鉾の練り物,鶏肉,玉子,大根などを使った「おでん」がよく作られてきた地域でもあります。

 中でも「カステラ」(正確には「鮮魚カステラ」)と呼ばれる,見た目がお菓子のカステラに似た水産練り物に特徴があり,地元では,このカステラが入ったおでんを「玉島おでん」というブランド名で売り出し,地域の活性化を図っておられます。

(カステラ)
Photo

 見た目がカステラそっくりです。

 カステラという名前からは,やわらかい,はんぺんのような食感のものを想像してしまいますが,実際に箸を入れてみると,蒲鉾だけにかなり弾力があることがわかります。

 しっかりとした歯応えとほのかな甘みが特徴の蒲鉾です。


とりめし

 玉島を含む岡山県南西部では,養鶏業が盛んなこともあり,上質な鶏肉が安く手に入るため,多く流通することで生まれた郷土料理だそうです。

(とりめし)
Photo_2

 ご飯に刻み海苔と一口大の鶏の唐揚げをのせ,醤油だれをかけていただく丼です。
 これだけでも,立派な食事になりそうです。

 広島から近いこともあり,岡山へは何度も訪れていますが,まだまだ興味深い食文化があるようです。

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コメント

お寺の修行僧が何故?
幅広のおうどんだったんでしょうか?
何か理由が有ったんですかねぇ~

カステラ、凄いネーミングですね(笑)
練り製品は大好きなんです。
これを、おでんにかぁ~
どんなんだろう???

とりめしは、意外でしたね。
まさか、から揚げが乗ってるとは
タイトルと見た時には、
炊き込みご飯か、
雉重的なものを想像してました。

どれも美味しそうです

食いしん坊倶楽部・海 様

しのうどんですが,様々なウェブページを見ると,「「一筋一椀」と呼ばれ,長さが約1mあり,お寺の行事食として食べられていた」とありますが,なぜうどんなのか,幅広なのかということまではよくわからないようです。

ただ,確実に言えることは,
「お寺の行事食として,特別な日にだけ食べられていた」,
「日本では普段の食事は米や雑穀などの「粒食」,行事食には餅やうどんなどの「粉食」が中心」
だということです。

なぜ「粉食」が行事食とされるのかですが,「粉食」は普段から作るには手間がかかるが,様々な形を作れるメリットがあるからというのが定説のようです。

もしよろしければ,次の記事も御覧ください。小麦粉でいろんな形作ってますよ。
https://kojikin.air-nifty.com/blog/2014/10/---42d1.html

「普段作らない珍しいうどんを作って,ありがたくみんなで食べようよ」という考えが近いような気がします。

カステラは,厚みのあるかまぼこですので,見た目はチーズケーキにも似てやわらかそうですが,壁に投げつけても,崩れないと思います(笑)。
味ははんぺんにもにた,ほのかに甘いやさしい味でした。

とりめしは私も炊き込みご飯を想像してましたが,鶏のから揚げだったので驚きました。
これだけでも,立派な食事になりますね。

コウジ菌

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