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2016年2月10日 (水)

しょうゆの研究8 -手作り醤油キットから醤油の発酵と熟成を学ぶ(上半期)-

 2015年2月1日に手作り醤油キットでの醤油の仕込みが完了してから,2016年2月1日で1年が経過しました。

 発酵・熟成期間は,説明書によると半年から10ヵ月程度,手元にある本(山本泰・田中秀夫『味噌・醤油入門』日本食糧新聞社)によると約6~12ヵ月とありました。

 仕込んだ時期(季節)によっても長短の差が出てくるので,最適な期間の見極めが難しかったのですが,発酵・熟成の様子をみながら,経過を長く観察したいという気持ちもあったため,結果として1年間,発酵・熟成することとしました。

 その発酵・熟成の経過を御報告します。

 今回は上半期(2015年2月1日から8月1日までの6ヵ月)分の御報告です。


仕込み完了時(2015年2月1日)

 しょうゆ麹(大豆,小麦,種麹)に塩水(えんすい)を加えた「もろみ(諸味)」をペットボトルに入れた直後の様子です。

(仕込み完了時)
201521

 もろみの位置をマジックでペットボトルに記入し,その変化も観察します。

 これから醤油を育てる「発酵(分解)」,「熟成」と呼ばれる工程となります。

 この工程で重要な作業が「攪拌(かくはん)」と呼ばれる,「もろみ」を混ぜ合わせる作業です。

 ペットボトルを上下に振ることで,もろみを攪拌させます。


仕込みから1週間後

(仕込みから1週間後の様子(2015年2月8日))
201528

 しょうゆ麹と塩水がなじんできました。乾燥したしょうゆ麹が塩水の水分を吸収したこともあり,もろみの位置が少し下がりました。


仕込みから1ヵ月後(2015年3月1日)

(仕込みから1ヵ月後の様子)
201503011

(仕込みから1ヵ月後のもろみ)
201503011_2

 気温がまだ低いせいか,発酵はあまり進みませんが,もろみの褐色がだんだん濃くなってきました。

 2日に1度はペットボトルを振って,中身をかきまぜ,均一にするよう心掛けました。


仕込み完了から2ヵ月後(2015年4月1日)

(仕込みから2ヵ月後の様子)
201504012

(仕込みから2ヵ月後のもろみ)
201504012_2

 数日前から,気温が一気に上昇してきたこともあり,もろみの発酵(分解)が急激に活発になりました。

 ペットボトルの容器がもろみの呼吸の影響でパンパンに膨らみ,半日ごとに蓋を開けてガスを抜く必要が出てきました。

(ペットボトルが膨張した時の様子)
20150330

 こまめにガス抜きしないと,ペットボトルが破裂しそうな勢いです。

 そこで,蓋を開けてガス抜きをします。

(蓋を開けてガス抜きをした後の様子)
20150330_2

 ペットボトルに記入したマジックの目印を参考に比較すると,ガス抜き前と後の違いがよくわかるかと思います。

 カビのにおいが強かったもろみが,醤油の香りに近づいています。

 味も,麹入りの濃い塩水でしかなかったものが,発酵とともに,とげとげしい塩味がまろやかになり,だんだん醤油に近づいているように思いました。


仕込みから3ヵ月後(2015年5月1日)

(仕込みから3ヵ月後の様子)
201505013

(仕込みから3ヵ月後のもろみ)
201505013_2

 もろみの発酵は依然活発な状況であり,朝晩蓋を開けて空気を抜く必要があります。

 また,ペットボトルをよく振って混ぜないと,発酵で生じた炭酸ガスの作用で,上部はもろみばかり,下部は液体ばかり偏って溜まってしまいます。

(ペットボトル内部で上部はもろみ,下部が液体に分かれた様子)
201505013_3

 振って混ぜる前のペットボトル内部の様子です。上の約4分の3がもろみ,下の約4分の1が液体に偏ってしまっています。


仕込みから4ヵ月後(2015年6月1日)

(仕込みから4ヵ月後の様子)
201506014

(仕込みから4ヵ月後のもろみ)
201506014_2

 発酵が一段落したのか,気温は上昇傾向にあるにもかかわらず,ペットボトルの膨らみがゆるやかになってきました。

 6月中旬には蓋も1日1回で十分になり,わずかなガスが溜まっているのみとなりました。


仕込みから5ヵ月後(2015年7月1日)


(仕込みから5ヵ月後の様子)
201507015

(仕込みから5ヵ月後のもろみ)
201507015_2

 発酵は一段落し,ペットボトルの中のガス抜きが必要なくなりました。

 中身を確認すると,もろみが液体状に近づいています。

 醤油に近い香りがし,この段階でも十分調味料として美味しく感じました。

 蓋の部分に少し白カビができていましたが,攪拌することによって,塩分濃度の強さでクリアできると思います。


仕込みから6ヵ月後(2015年8月1日)

(仕込みから6ヵ月後の様子)
201508016

(仕込みから6ヵ月後のもろみ)
201508016_2

 外気温はかなり高いにもかかわらず,発酵がほぼなくなり,ペットボトルが膨らむこともなくなりました。

 ペットボトルの中のもろみの高さも,6月から変わっていません。

 もろみの中の大豆の形が崩れ,液体化が進んでいます。

 液体の色も醤油らしく濃い褐色になりました。

 香りも,麹特有のフルーティな香りから,醤油特有の香りに近くなってきました。

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コメント

実家では、お味噌は手造りですが、
お醤油を手造りしてる人は初めてです。
どんなお醤油ができるのか楽しみです
お味噌に限っては、市販のものより
手造りのほうが断然美味しいので、
お醤油も期待大ですね

食いしん坊倶楽部・海 さま

ほー。手作りの味噌ですか。すごいですね。
最近は,味噌作り用の米麹がスーパーなどでもよく売られているので,いつか味噌も作ってみたいなと思うのですが,なかなか…。

本当は醤油もすべて手作りで作れないか調べてみたのですが,醤油用の種麹や丸ごとの小麦を入手するのが難しく,しょうゆ麹から作ることにしました。

コウジ菌が,麹で困ってる(笑)。

手作りすることで,特徴がよくわかりますし,その結果を御覧いただき,一緒に何か感じ取っていただけることがあれば,とても嬉しいです。

コウジ菌

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