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2016年4月10日 (日)

餅屋の桜餅 -季節の味を楽しむ-

 毎年,桜の季節になると,思い出したかのように,近所の餅菓子店に寄って,桜餅を買います。

 ごく普通の,もち米で作られた桜餅なのですが,毎年この時期に売られており,同様に私もこの時期に無性に食べたくなるのです。

 今年も,店先に「さくら餅」と書かれた紙が貼られており,「あるぞ」と心躍らせながら店に入りました。

(さくら餅の案内紙)
Photo

 おはぎや大福,串団子など餅菓子が並ぶ中,少し地味な印象もある桜餅を2個買って帰りました。

(さくら餅)
Photo_2

 もち米を炊いて粒のまま作られた,無着色の白い桜餅です。

 中は甘さ控えめで,きめの細かいこしあんです。

 餅屋が作った弾力とほのかな甘味のある餅,口の中でさらりと溶ける上品な甘さのこしあん,そしてパリッとした桜葉のさわやかな香りとほのかな塩気が口の中で一体となり,まさに春の喜びを感じさせてくれるお菓子となっています。

 毎年,決まった時期に店に行けばお目当ての菓子が用意されており,その変わらぬ味を味わえることは,よく考えると贅沢な話です。

 たかが桜餅ですが,それでも「また春がやってきたか。頑張って生きてきて,またこの季節を迎えることができたな。」と心安らぐ一瞬と感動を味わうことができました。

 こうした体験が,季節の味を楽しむことにつながるのではないでしょうか。

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季節・旬の味」カテゴリの記事

コメント

桜の花を見ると、今年も元気にこの花に逢えて良かった。
っと思います。
年を重ねるにつけ、有難さが増してきますね。
特別なことはなくても、あたりまえだと思っている、
日々の平凡な暮らしを続けることができるのは
とても幸せなことです。
おまけに、毎年、恒例のお菓子をちゃんと食べれるなんて、
本当に贅沢で幸せですね
白い桜餅は、珍しいですね。初めて見たかも。

食いしん坊倶楽部・海 様

 出会いと別れ,期待と不安,喜びと悲しみ…,わくわくしながら迎える春もあれば,複雑な気持ちで迎える春もある。
 人それぞれいろんな思いを胸に春を迎えますが,桜の花は毎年裏切ることなく咲き,様々な気持ちをやさしく受け入れてくれるような気がします。

 桜の花を眺めるのも,桜餅を味わうのも,ほんのわずかなひとときですが,だからこそ感動があるのでしょうね。

 毎年恒例でお菓子を食べられることは贅沢なことですが,それだって未来永劫ずっと続く訳ではないので,やはり今に感謝し,一瞬一瞬を大事に生きていく必要があるようにも思います。

 コメントいただいたように,特別なことよりも,日々健康で平凡な暮らしを続けられることの方が,よっぽど幸せなことですし,それが一番すごいことですね。

 私も食いしん坊倶楽部・海さんがアップされた「櫻」の写真の意味が少し理解できたような気がします。

 一面に櫻が咲いている写真は感動しました。

 その美しいお心でシャッターを押し,また感動させてください。

 白い桜餅,実は広島では結構売られてるんですよ。
 時々,おむすびと間違えそうになりますが…(笑)。

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