岡山が誇る果物 -清水白桃とマスカット・オブ・アレキサンドリア-
岡山県総社市にあるJA岡山西の直売所「ふれあいの里」と「山手マルシェ」に行ってきました。
いずれの施設も,新鮮な果物や野菜などがたくさん売られていました。
今回は岡山の代表的な果物,白桃とマスカットを御紹介したいと思います。
共通するキーワードは「女王」です。
清水白桃
岡山市芳賀清水の桃園で発見されたことから「清水白桃(しみずはくとう)」と名付けられた桃です。
岡山の代表的な桃で,「桃の女王」とも呼ばれています。
(清水白桃)
桃の出荷時期は半月程度と短く,私が訪れた7月中旬は,ちょうど「白鳳(はくほう)」から「清水白桃」に移行する時期でしたが,出荷時期のグラフを見ると,6月下旬から9月下旬にかけて,いつでも何らかの品種の桃が出荷されているようでした。
桃の販売価格は,この出荷時期や等級(主に糖度)などにより,大きな幅があるようです。
(桃の等級と糖度)
「山手マルシェ」の案内広告
糖度が上がると,等級も「加工用」,「エース」,「キング」,「ロイヤル」と上がります。
当然のことながら,等級に連動して値段も上がります。
今回購入した清水白桃は,自宅用のもので,等級もなく,パック詰めされた格安のものでしたが,帰ってから食べてみると驚くほど甘く,もし出荷用だったら等級も上のクラスだろうなと思いました。
果肉が柔らかく,果汁たっぷりで,桃の香りもよく感じられる,まさに「桃の女王」と呼ばれるにふさわしい白桃でした。
マスカット・オブ・アレキサンドリア
「ブドウの女王」,更には「果物の女王」とも称される「マスカット・オブ・アレキサンドリア」。
栽培面積,生産量ともに岡山が日本一を誇るブドウです。
原産地は北アフリカとされており,名前の由来は,エジプトの地中海沿岸にある「アレクサンドリア港」を経由し,各地に広まったことにあるようです。
(マスカット・オブ・アレキサンドリア130周年記念ポスター)
JA全農おかやまポスター
岡山でマスカットが栽培されるようになって130周年になることを記念して作られたポスターです。
高温・乾燥した原産地(北アフリカ)から伝わったマスカットが,岡山の温暖で日照時間が長く,雨が少ない気候と適合し,また,岡山の人々の並々ならぬ研究や努力の結果により,岡山の地でマスカット栽培が成功したと説明されています。
(マスカット・オブ・アレキサンドリア)
今回購入したものは,「ニューマスカット」と呼ばれる種なしマスカットです。
ニューマスカットについてQ&Aの説明書きがありましたので,その内容(抜粋,一部加工)を御紹介します。
Q:「ほかのブドウとどう違うの?」
A:「甘さですね。マスカットだけはブドウ糖の甘さで,他のブドウはショ糖,つまりお砂糖の甘さなのです。」
Q:「ニューマスカットって聞いたことないけど…。」
A:「日本で最も希少なブドウと言えるかもしれませんね。出荷先は,東京,大阪,名古屋,金沢だけですし,東京でも1日20房ほどの入荷です。地元の岡山で入手できるのは直売所だけです。」
Q:「一番のポイントは何?」
A:「ブドウ糖の甘さでしょうか。ブドウ糖は脳の栄養源と言われることがあります。ブドウ糖が脳の活動を維持するための,絶対に欠かせない唯一のエネルギー栄養素なので,お勉強やお仕事をやっておられる時にこそニューマスカットがお勧めです。」
まとめると,ニューマスカットは,「種なし」の珍しいブドウで,脳の栄養源となるブドウ糖の摂取に優れているようです。
では,実際の粒の様子を見てみましょう。
(マスカット・オブ・アレキサンドリア(種なし)の粒)
1粒1粒が大きく,やや長細い形をしています。
写真の右側は粒を半分に切った様子ですが,種なしということもあり,透き通るような緑色の断面をしています。
また,断面の様子を御覧になってもわかりますが,皮が非常に薄いのも特徴と言えます。
(マスカット・オブ・アレキサンドリア(種なし)の皮)
ただ,この皮,薄い割にはしっかりした張りがあり,酸味もあるので,もちろん丸ごと食べる方法もありますが,私は皮をむいて食べる方が,マスカット本来の風味や甘味を損なわず,より美味しくいただけるように思いました。
マスカットを食べ進めるうち,薄い皮を上手にむくコツがわかりました。
あえてマスカットの粒の先端からゆっくり皮をむくのです。
こうすると,むける皮の面積が多くなり,比較的簡単にむくことができます。
逆に枝に付いていた軸の部分から皮をむこうとすると,少しの面積しか皮がむけず,皮むきにかかる時間や回数が増えるように思いました。
いずれにせよ,皮をむくのに多少の手間がかかるのですが,この皮をむいたマスカットを口にほおばると,その苦労が吹き飛ぶぐらいの感動を与えてくれることは確かです。
マスカットのさわやかな香り,やわらかいゼリーを食べているかのような果汁たっぷりの食感,そして強くすっきりとした甘味を堪能することできました。
まとめ
今回「清水白桃」と「マスカット・オブ・アレキサンドリア」を食べて思ったことは,いずれも「高い値段を出してでも買う価値がある果物」だということです。
これが普段あまり果物を食べることのない私が思った素直な感想です。
今回の清水白桃やマスカット・オブ・アレキサンドリアのほかにも,白鳳,シャインマスカット,瀬戸ジャイアンツ(桃太郎ぶどう)など,岡山が誇る果物がたくさん売られていました。
天晴れ「くだもの王国おかやま」。
感動の味を求め,また岡山を訪問したいと思いました。
最近のコメント