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2017年1月28日 (土)

石川の冬・正月を代表するお菓子 -水ようかん・福梅-

 石川の冬・正月を代表するお菓子を御紹介します。


水ようかん

 水ようかんと言えば,夏のお菓子というイメージがありますが,北陸では冬にコタツに入って食べるお菓子です。

 一般的には福井の水ようかんがよく知られており,福井駅の名店街などでは,数多くの水ようかんが売られている光景を目にすることができます。

 しかしながら,実は石川でも,福井と同様に冬に水ようかんを好んで食べられており,お土産としても販売されています。
 
 石川県内では,特に輪島を中心とした能登地方で食べられています。

 私は金沢駅で四角い手のひらサイズの水ようかんは何度か買っていただいたことがありますが,今回入手した水ようかんは,大きくてずっしり重く,カルチャーショックを受けたので,御紹介したいと思います。

(御菓子司 杉平「水羊羹」(箱))
Photo

 輪島市鳳至町(ふげしちょう)にある「御菓子司 杉平」の「水羊羹」です。

 縦27cm,横13cmもある大きな水ようかんの板が16等分にされ,箱の中にすきまなく詰められています。

 重さを測ると,約1.2kgもありました。

 輪島ではこれが普通で,特に違和感はないという話も聞きますが,初めて間近に見ると,その大きさに驚かされます。

(御菓子司 杉平「水羊羹」)
Photo_2

 水ようかんを2本並べた様子です。

 1本1本もかなり大きいのですが,あっさりした水ようかんなので,一度に軽く1~2本は食べられます。

 口に含むと,舌の上で溶けていくような淡い食感のこしあんで,甘さが控え目な割には,小豆の風味がしっかりしているので,いくらでも食べられそうです。

 冬は厳しい寒さが続く北陸で,部屋の温かいコタツに入って,水ようかんを食べるひとときは,まさに至福のひとときと言えるでしょう。

 「輪島の冬は水ようかんに始まって,水ようかんに終わる」と表現されるほど,水ようかんは輪島の冬に欠かせないお菓子となっています。


福梅

 福梅は,金沢を中心に正月に食べられている和菓子です。

(福梅)
Photo_3

 金沢市にある「森八」の福梅です。

 小豆あんを白色と薄紅色の梅の形をした皮で包んだ縁起物の最中です。

 皮の表面には砂糖がまぶされているのですが,これは雪を表わしています。

 つまり,福梅は,「雪の中で咲く梅の花」が表現されているのです。

 春の訪れを一足早く告げてくれる縁起物の和菓子として,おめでたい正月に食べられています。

(福梅(中身))
Photo_4

 皮は一般的な最中と異なり,もち米と米粉で厚く固めに焼き上げられているので,噛みちぎって食べるような食感です。

 一方,中の小豆あんは,水飴などを加えて固く練り上げられた粒あんで,甘味も濃く仕上げられています。

 皮や小豆あんとも,甘味が強く,水分は少なく仕上げられているわけですが,こうした特徴があるのは,正月に日持ちする和菓子が望まれてきたためでもあります。

 ほぼ同じ季節のお菓子である水ようかんとは,対照的な特徴となっているところが興味深く,面白いです。


 冬や正月に石川や福井方面へお出かけの際は,ぜひこれらの和菓子を味わってみてください。

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コメント

こんにちはぁ!
冬に水ようかんとは~こちらでは、ないなぁ~
やはり、夏の食べ物だよね。
でも、暖かい部屋で食べるアイスと同じ感覚
なんでしょうね。
しかも、大きいね(笑)こっちの有名なお店の
水ようかんもパックに入ってたけど~それでも
私はビックリしたのにそれ以上かも~(笑)

ヒナタ 様

こんにちは!

水ようかんが売られるようになると夏だなと思うのですが,北陸の皆さんにとってみれば,冬のお楽しみ菓子のようです。

北陸の冬は,広島では考えられないくらい,外は寒くて,家の中は温かいように思います。
灯油タンクがかなり大きいですし,風呂の脱衣場まで暖房が設置されています。

水ようかんは,厳しい冬を乗り切るための楽しみの1つとして,今に続いているお菓子なのでしょうね。

大きさですが,石川の水ようかんはかなり大きいですよ。
でも普通の羊羹と違い,あっさりした甘さで,さらりと軽いので,いくらでも食べられ,すぐに食べ切ってしまいます(笑)。

ヒナタさんのお近くのお店の水ようかんも,小豆大好き人間としては,味わってみたいです。

会津の松本屋さん( ^ω^)・・・ネットで検索すれば出てくる。
長さ15㎝だって~(笑)さっぱりあっさりですね。
今は、丸羊羹(円柱)で、ウチの母親が大好きで
コンビニにも置いてありました(笑)
雪国ではタンクに灯油当たり前かも~(笑)
ウチは灯油缶で買いに行くけど~
そうなの~お風呂の脱衣所寒いから暖かくするのです。
歳とると危ないのよ~気温差で・・・^^;

ヒナタ 様
やはりそのお店でしたか。

水ようかんと言えば,こしあんのものを思い浮かべるのですが,松本屋さんの水ようかんは粒あん(小倉)なので,珍しいなと思っていました。

この水ようかんも大きいですね。
やはり大きい分,さっぱりあっさりして食べやすいのでしょうか。
湯の花羊羹が丸羊羹のことですかね。
コンビニにもあるくらい親しまれている羊羹なのですね。

興味深い情報ありがとうございました!

灯油ですが,外付けの大きな灯油タンクに直に給油してもらう方法もあるようですね。
脱衣所でも暖房があるのは,不思議に思えます。

外は寒さ厳しく,その分部屋は相当暖かくしていたら,確かに気温差は激しいですね。
寒がりの私は,外に出たくないです(笑)。

やっぱり、スゴイ、コウジ菌さん(笑)
流石です。
水ようかん。さっぱりしてました。
湯の花羊羹。そうそうそれです。
何でも、知ってるね~(笑)

なかなか通じないけど・・雪が積もると結構暖かいです。
雪がない時は寒いのです。
多分、かまくらをイメージして下さい。かまくらの中は暖かいです。
あ~かまくらの中・・コウジ菌さん・・わからないかぁ~(笑)^^;

ヒナタ 様

いえいえ,ネットで調べればわかる範囲ですので,お恥ずかしい限りです(^^ゞ

北陸以外で冬場に水ようかんを食べる地域があるとは本当に驚きました。

ヒナタさんに親切に教えていただき,心から感謝しております。

雪が積もった方が暖かいとか,かまくらをイメージすることができないのが情けないです(笑)。

山形新幹線の車中のパンフレットに,かまくら体験ツアーの案内があったのを読んで,こういう光景を見てみたいなと思ったものです。

生まれてから一度もかまくらは見たことはないので,かまくらの中が暖かいなんて全く想像できません。

かまくらの中で過ごしたり,明かりを灯したかまくらの写真を撮ってみたいです。

神奈川の鎌倉でひとときを過ごしたことならありますが(笑)。

完全に亀レス。
北陸で冬に水ようかんを食べるっていうのを知ったのは住んでた頃からしばらくたってから(苦笑)
まあ、知ってたとしても、学生では食べないかもー?
で、金沢、寒くないですよー。風呂無し、トイレ共同のボロアパートに住んでましたが、
炬燵だけで過ごしてました。雪って温かみを感じます。もっとも、雪国の中でもかなり西ですからね。
とはいえ、研究室では24時間でストーブつけてたなあ(笑)消さずに給油、危ない事
この上なし。
これまた、亀&ピンボケコメントでした。

森八は懐かしいなあ。といっても、自分用でなく帰省時のお土産用でしたけど。森八、諸江屋など
金沢文化を感じさせるいい店がありますね。個人的なおすすめは加賀かきもちですけど。
更に余談(笑)
金沢時代、寮→ボロアパートなんですが、アパートの住所が茨木町。横浜にいた時代、
金沢文庫に住んでいました(笑)先輩に「地名で選んでいるのか?」って聞かれたけど。

これはヒナタさんへのレスかなー。
雪は温かいですよね。たまに吹雪いたりすると寒いけど。
北関東のカラカラ天気の方がよっぽど寒いです。

じもん 様

たくさんのコメント,ありがとうございます。

学生時代を金沢で過ごされたことから,石川の話題はお詳しいですね。

ヒナタさんもおっしゃってますが,雪が温かみを感じるというのが,どうしても理解できません(笑)。

風呂無し、トイレ共同の学生生活,私も一緒です(笑)。

北陸の雪は海沿いということも関係してか,湿気のある雪ですよね。
意外とスキー場が少ないという話も聞いたことがあります。
広島の方がスキー場あるかも(笑)

森八もお馴染みの店のようですね。

金沢の茨木町ですか(笑)。
金沢駅から兼六園まで歩いたことがありますが,その兼六園の近くなんですね。
茨木と言えば,私は大阪の茨木市を思い浮かべます。

北関東は意外と雪は少ないようですね。冬に山梨や群馬へ行って実感しました。

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